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②《最悪の偶然・・・》by柳川隆一

続きです。

黒崎さんが絡んできましたが、メインは柳川くんです。(たぶん・・・)
最後は柳川くんとハッピーエンド・・・・・・だと思います。(たぶん・・・)





プルルルル・・・・・ プルルルル・・・・・・・

虚しく響くコール音。

あれからいくら電話をかけてもアイツが出ないんだ。

カラオケ屋から出てったアイツに、何とか話を聞いてもらおうとしてるんだが、何十回かけても出ないんだ。

アイツ・・・・・・桜井 摩利(さくらい・まり)と出会ったのはふとした偶然だった。


配達途中で寄ったコンビニで、コーヒーや何かを買ったレジで・・・

「嘘っ! あれ? おっかしいなぁ〜〜・・・・・30円、30円、出てこぉーい! 」
金が足んないなんて恥ずかしい事態に焦る俺は、作業着のポケットを探ってるが30円足んないんだ。

そのとき後ろに並んでる女の人が、そっとレジ台に手を置いた。

「え?」
「よかったらお貸しします」

ニッコリと笑うその人の笑顔が、俺にはお日さまみたいに眩しかった。

・・・・・・・ それが摩利との出会いだった。


俺は絶対返すからと連絡先を聞いて、御礼だと言って呼び出して食事して、それから何かにつけて彼女と会えるように用事を作って・・・・・・

何度も何度も会ってるうちに俺は、彼女が大好きだと自覚して告白、カレカノになれたんだ。

それから俺は摩利に夢中だった・・・・・・
驚いたことに男と付き合うのが初めてな摩利に、俺は嬉しくてさ・・・・・ぎこちないキスも、宝物だった。

照れくせぇーからさ、わざと素っ気ないことしか言わないけど、いつも心の中じゃあ「好きだ」って言ってたんだ。

年上なんか関係ねぇーよ! 真面目でしっかり者の摩利が、俺の前だと少女みたいに可愛くて、俺はもうお前に溺れてんだ。

班長に捕まってナンパしたのは謝る、そのあと肉食系のエリカちゃんにキスされたのも謝る。
彼女から積極的で、上手いこといったらホテルで・・・・・なんて考えてたのも、謝る!

でもそれは男のサガってやつで、本気で行こうなんて思ってないし!
やっぱさ、いくらチャラい俺でも体の関係まではいかねぇーよ!


・・・・・・・・俺、お前のこと本気で好きだからさ。


だから別れるなんて言うなよ!

俺の前から居なくならないでくれよ!!!

なあ、頼むよ・・・・・・許してくれよ・・・・・・・許してくれよ、摩利・・・・・・



プルルルル・・・・・・・ プルルルル・・・・・・・

「くそっ! 出ねぇーや」
『・・・・・もしもし?』

「出た! あ、摩利か!? 俺だ、今どこにいんだよ!」
『君がリュウイチくんなんだぁ〜〜・・・・・』

「は? ・・・・・あんた誰だ、アイツはどこだよ!」
『君に教える義務はないわね。 彼女は私達と楽しく飲んで失恋の痛手を癒してるから、心配しないでね〜〜』

「質問に答えろよ! 摩利はどこなんだよ・・・・」
『だぁ〜かぁ〜らぁ〜〜 教える気無いって聞こえなかった? 迷惑だから電話かけてこないでよね!』

「え? 人変わってないか? っていうか摩利出せよ!」
『かぁーーー!!! 別れてんのに呼び捨て? 未練タラタラみたいだね、君〜〜! でも残念でした、君の言葉で傷ついた摩利さんは、僕らで守るから。 これ以上無駄にかけてきたら着信拒否しちゃうからね〜・・・さいなら』

「おいっ、待てって! おい!おい!!! ・・・・・・・切れた」

一度も摩利と話せないまま切れた電話を、俺はしばらく見てたんだ。


「あっ! ここに居たぁ〜〜・・・エリカ、柳川くんがいなくて寂しかったんだよぉ〜〜」
「・・・・・・・そう?」

「さ、楽しもうよ!」
そう言って俺の腕を掴んで引っ張るエリカちゃんに、部屋に戻された。

「柳川〜〜歌えよ!」
「賑やかなの! 盛り上がるやつ頼むね〜〜」
「早く歌えよ!」

口々に勝手なこと言ってるけどさ、どうせ聞いちゃいないだろ?
それに今は何も・・・・・・なんもしたくないんだよ!

アイツに・・・ 摩利に許してもらわなきゃ・・・ 考えろ、考えろ、どうしたら許してもらえる?


アイツを手放したくない・・・・・・別れたくない・・・・離れたくない・・・・・ 他の男になんか渡したくねぇー!!!

アイツは、ここを出てどこに行った?

摩利が行きたいとこ・・・・・・傷ついた摩利が、行きたいとこ・・・・・・それを必死に考えていた俺の腿に、感触が。。。


見れば腿を撫でるエリカちゃんの手が、 “ 男 ” を煽るように腿から内側へ、そして俺のモノへと蠢いていた。

「ね、このあと・・・・・2人で抜け出さない?」
上目遣いでエロい顔してる彼女は、前の俺ならガッツポーズしてたと思う・・・・・・でも、今は。

「ごめん、俺さ帰るわ・・・・・ 彼女のこと大好きなんだ」
「年上の賄いのオバちゃんが??? そんな女に負けたの、私?」

「・・・・・・賄いのオバちゃんなんて、思ってねぇーよ! アイツは最高の女なんだ」
「ふん、知らないわよ! あーあ、つまんない男」

エリカちゃんの声を背中で聞いて、俺はカラオケから飛び出した。


アイツ・・・・・なんて言ってた? 確か俺と出会う前、どっかのホテルに1泊してリフレッシュするとか・・・・

だぁぁああああ〜〜〜・・・・・・なんてホテルだ? 名前が思い出せねぇ〜〜!!!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「・・・・・・夜景がキレイでね、眺めながらカクテルをゆっくりと飲むの。 そうしたら嫌なことも、辛かったことも、忘れちゃってね、明日からまた頑張ろうって思えるんだぁ〜〜」

お前、そんな事言ってたよな?

「あ、でもね・・・・・・今はこうやって隆一くんにね、くっついてると癒されるの!」
「あ? 俺は癒しの隆一くんですか? ・・・・・・じゃあさ、もっとくっついてやるよ」

「え?・・・・あ・・・・隆一くん・・・・・んん・・・・・」
「身体全部、くっつけようぜ・・・・・・」

「あっ・・・・あん・・・・すぐこんな事して・・・・・隆一くんのエッチ!」
「そんな俺が好きなんだろ? 摩利・・・・・・・」


・・・・・・・もう、あの穏やかな幸せな日を、過ごせないのか?

・・・・・・・好きな女が俺のために飯作ってくれて、笑ってくれてて、2人でいると陽だまりみたいに暖かい感じがした、あの日々は・・・・・・・


俺が、ぶち壊しちまった・・・・・・でも、それでも俺は、摩利・・・・・お前を離したくないんだよ!!!


俺はホテルの名前を必死に思い出しながら、走り回ったんだ。


「パ・・・・パラダイス? 違う・・・パ、パ・・・・・パシ・・・・ああ、くそっ! 思い出せねぇ〜〜!!!」

摩利・・・・・・どこにいんだよ、お前!


あてもなくバタバタ走ってる俺の耳に聞こえた、カップルの声。

「夜景がキレイなバーがあるんでしょ? そのパシフィック・ホテル!」
「近くだから行こうか?」


いま・・・・なんて? そうだ、そうだよ! パシフィック・ホテル!!!

俺はそのカップルの前に回り込んだんだ。


「すっ・・・・すみません、あの・・・・・そのホテルって、どこにあるんすか?」
「え? なに? 誰?」

「お願いします、そのホテルの場所教えて下さい!」
身体を90度に曲げて頼んだ俺は、お前を見つける事しか頭にないんだ。






「すごいわね、声まで似てたわ」
「黒崎さんと? へぇ〜顔が似てると声帯も似てるのかな?」

・・・・・・・摩利さんがトイレに立っている間に、彼女の携帯に出た結城と青山をジロリと見たけど、2人はどこ吹く風って感じで気にしてないんだ。


「あ〜ら、黒崎くんはさっきの事、気に入らないみたいね・・・」
「・・・・・・」

「でも隆一くん、謝ってたわよ? あの声は・・・・・・嘘じゃないわね」

謝るくらいなら最初から傷つける言葉など、言わなければいい!
俺は何も言わないが、握った拳に力が入ったんだ。

「黒崎さん・・・ どうされました?」
「・・・・・・」

戻ってきた摩利さんに、抑えきれない怒りで顔も、身体にも力が入った俺を見られてしまった。

無表情でいる俺はいつも、女性から怖がられてしまうんだ・・・・・しかも今は、溢れる怒りに顔も強張っているのに。

きっと摩利さんにも、怖い思いをさせてしまうと俺は思った・・・・・・だけど彼女が俺に向けた目は、心配している瞳だった。

「・・・・・・・大丈夫か?」
「私は大丈夫ですよ? 翠さんと翔さんに愚痴をいっぱい、聞いてもらえました」

「・・・・・・・そうか?」
「はい! カクテルも美味しいですし、夜景もキレイだし、あとは部屋のジャグジーでのんびりして寝ちゃいます!」

・・・・・・・無理をしている、俺にも分かる痛々しい笑顔を浮かべる彼女。

「・・・・・・・無理して、笑わなくていい」
「無理しないと、泣いてしまうから・・・・・・大丈夫! 失恋なんて、誰でもしてるんだし・・・」

そうやって辛さを他人に見せないよう我慢するのは、余計苦しいだろうに。

「・・・・・黒崎さんは、優しい方ですね。 私のこと、そんなに心配してくださって・・・」
「・・・・・・・・」

気の利いたことも言えない俺が、彼女に見つめられて黙ってしまうのに、彼女はそんな俺を見て微笑んでくれるんだ。

「・・・・・人に心配してもらうの、こんなに嬉しいんですね。 良かった・・・3人に出会えて・・・」
「さ、この出会いに乾杯しましょう♡」
「そうそう、摩利ちゃんはもう僕達の友達なんだ! 飲も飲も!」

俺は黙ってグラスを上げて彼女を見ていた。
嬉しそうに彼女もグラスを持ち上げ、4人で乾杯をした。




「はぁ・・・はぁ・・・ こっ、ここかよっ!」

全速力で走ってたどり着いたパシフィック・ホテル。
俺はエレベーターに飛び乗り、最上階のボタンを連打した。

「早く、早く、早くっ!!! ・・・・・・うしっ、着いた!!!」

扉が開くのももどかしく出た俺は、バーの入口から中を覗いて・・・・・・・・居た!!!

摩利を見つけた俺は、ボーイが案内しに出てきたのを無視して中へと入って行った。


摩利は他の奴と飲んでるみたいだな・・・・・・・・あの女2人は、電話に出てきたのだろうな。

もう1人、男がいんだけど・・・・・摩利、そいつ誰?

黒のジャンバーに黒のジーンズの黒づくめなんて、オシャレだねぇ〜〜・・・・・・俺の方がイイ男だけど!


俺は真っすぐ摩利に向かって行った。


「ねえ、あそこ・・・・・来たんじゃない?」
「・・・・・・まあ、黒崎くんに瓜二つね〜」

「髪型が違うだけだよね? 他人がここまで似てるなんて・・・・・気持ち悪っ!!!」

来た? 彼女を泣かせた男が、来たのか?
俺は結城と青山の視線の先を追って、振り向いたんだ。。。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

え〜〜っと、摩利と飲んでる男がさ、振り向いたんだわ。
でもさ、その顔がさ・・・ いっつも鏡で見てる馴染みの顔で、っていうか俺っ!? あそこに俺がいんの!?

双子かいっ!って、突っ込めるほどソックリなソイツに驚きながら、もしかして俺には兄弟がいるのか?

女作って出てった親父の隠し子か? でも年があわないし・・・・親父が出てったの俺が中学ん頃だし、あの人どう見ても俺と同じ年か幾つか上くらいだろ?

頭ん中ハテナでいっぱいになりながらも、今はそんな事どうでもいいだろって自分に突っ込んだんだ。


そう・・・・・・今は、そんな事より摩利だ。

俺は摩利と話をしようと側に行ったんだけど・・・・・・・あのさ、あんた邪魔しないでくんない?

スッと静かに立ち上がった俺ソックリの男が、摩利を守るように俺の前に立ち塞がる。

「・・・・・・・真っ黒なヌリカベかよ」
「・・・・・・・」

「知らない? ヌリカベ! ゲゲゲの鬼太郎ってのの中で、ヌボォ〜〜って立ってんだよ、あんたみたいに!」
「・・・・・・・」

「あっちは真っ白だけどさ、あんた黒づくめだからね〜・・・・・え? まだ黙り? もしもーし、聞こえてますかぁ〜〜」
「・・・・・・・」

「いやぁ〜〜それにしてもさ、似てるね、俺達! 俺も前髪センターで分けたらソックリじゃない? なあ、名前なんてぇーの? もしかして親戚とかじゃないよね?」
「・・・・・・・」

「まさか親父の隠し子とか? 柳川って聞いた事ない? あ、首振ってるって事は聞いてないのね。 じゃあ、違うかぁ〜〜」
「・・・・・・・」

「ほんでさ、真っ黒なヌリカベさんよ〜〜・・・・・そろそろ摩利と話させてくんないかな?」
「・・・・・・・」

「ああ、もう! 摩利、話しようぜ・・・・こっち来いよ」
俺が横から摩利の腕を掴んで話ができそうな所に連れてこうとしたんだ、そしたらヌリカベが俺の腕を制して摩利を背中に庇うんだ。

「だぁ〜かぁ〜らぁぁ〜〜・・・・・さっきから何なんだよ! 俺はね、摩利と話がしたいの! 誤解させちまったから、ちゃんと話して解きたいの! 分かる? あんた、邪魔なの!!!」
「・・・・・・・」

「くわぁ〜〜・・・まだ黙りですか〜〜? もう相手してらんない!・・・・・・摩利! こっち来い!」
「隆一くん、もう話なんてないよ?」

ヌリカベの背中から出てきた摩利が、俺の側に来ようとしてヌリカベに腕を掴まれ留められた。

ジッと摩利を見つめる目が、真剣で・・・・・・・・おいおい、まさかコイツ摩利のこと。。。


「黒崎さん、私は大丈夫です」
摩利がそう言ってもフルフルと首を振るヌリカベは、ウルウルとした目をジッと摩利に注ぎ続けるのに、俺の胸がざわざわとし始める。

「ほら、本人も大丈夫っていってるだろ? 摩利、こっち来いよ」
「・・・・・・・・だめだ」

「うわっ! 初めて口きいた! 喋れんだ、あんた!」
「・・・・・・・・帰れ」

「帰れって、俺!? 俺のこと? イヤだよ〜ん! 摩利の誤解を解いて、一緒に帰るまで帰んないも〜〜ん!」
「・・・・・・・・彼女のこと、泣かせた」

「ああ・・・・・それはさぁ、悪いことしたと思ってるよ。 だからね、だからこそ謝ろうとしてるんじゃん!」
「・・・・・・・・彼女を、泣かせた」

「んだからさぁ〜〜それは誤解なんだって! 謝るからさ、な? 摩利ぃぃ〜〜許してくれよ〜・・・あんなこと言ったのも、本心じゃないってば! ただ彼女いることバレちゃってさ、どんな人〜とか散々聞かれたんだ」


「あの場で惚気るのもアレだろ? 年上ってのも言っちゃったからさ・・・ちょこーっと盛っちゃったんだよねぇ〜」

まさか摩利の後輩だなんて知らねぇ〜し、本人が来るなんて想像もしてねぇ〜し、マジであん時はビビったわ!


「ふぅ〜ん・・・つまり、君はお気楽にナンパして口説こうとしてたけど彼女持ちって事がうっかりバレちゃった。女の子達から見れば彼女持ちなんて興醒めもいいとこだからねぇ〜〜、一気に態度が変わった! だから・・・・・」

何コイツ! 小さいくせに俺よりよく喋るんですけど!
ニマニマ笑いながら喋ってたのが、急に真顔になりやがった。

「・・・・・・・・だから君はモテるために、自分の恋人を悪く言って女の子達の機嫌を取ったんだ。 計算外だったのは女の子達が恋人の後輩で、時間差で恋人本人も現れたってとこだね。 ・・・・・まさに、最悪の偶然だ」

「そう、偶然! 間の悪い偶然だったんだよ! 本心から言ったわけじゃない!」
「恋人を悪く言ってまでモテたかったんだぁ〜〜君は! ・・・ははは、バッカみたい! 摩利さんみたいな綺麗で優しい人を傷つけてまでモテたいんならさぁ〜〜・・・・・・別れなよ!」

「別れねぇ〜〜かんな! 俺は、摩利と別れねぇ〜〜!!!」
「残念でした、摩利さんには僕らがついた。 これって凄いことなんだよね・・・・・君はさっさと別れて調子よく他の女を見つけなよ〜〜・・・ 君に似合いのオツムも尻も軽そうなの!」

「なんだよお前、なんなんだよ関係ないだろ? 横から入って来んなよ! 摩利、早く来いっ!!! 」


俺と小さいのが言い合いしてるのを、ハラハラしながら眺めてる摩利に腹が立って、つい怒鳴りつけちまったんだ。
そうしたらヌリカベと小さいのの横に、露出の激しいお姉さんまで椅子から立って来ちゃったよ。


「怒りに満ちてる声よね、そんな相手に彼女を渡すと思う? 隆一くんだっけ? 少し頭を冷やしてみたら? 今の君には摩利さんを渡せないわね〜〜」

カッカしてる俺に構わず、のんびり言うお姉さんは自分の髪を梳きながら チラッと摩利を見た。

摩利を挟む様に小さいのやお姉さんが立って、その前・・・つまり俺の真ん前に黒いヌリカベが突っ立つ。


「・・・・・・・許さない、お前は彼女を、泣かせた」


眉を顰めたヌリカベは、腕組みして俺を見てるけど、あんたのその雰囲気・・・・・・ケンカ強いんだろうな、只者じゃないオーラがバリバリだよ!

俺、ケンカ弱いんだわ〜〜・・・・・仕方ない、ここは一旦引いとくか。。。


すごすごと帰るしかないな。。。






・・・・・・・隆一くん、私を探してくれたんだ。

バーから去っていく彼の背中を見ながら、ここまで来てくれたことで嬉しく思う自分が、可笑しくなった。

たった1度、彼と付き合う前にこのホテルに来てた・・・ なんて他愛もない話を、まさか彼が覚えてくれていたなんて。


覚えててくれた・・・・・ 追いかけてくれた・・・・・・


たったそれだけで、私は嬉しくて・・・・・・彼の背中をジッと見つめていたの。

あ・・・・・・見えなくなった彼の姿に、寂しいと思う自分がいたの。


翠さんや翔ちゃん、それに黒崎さんとホテルの部屋でしばらく飲んだ私は、彼女達が帰ったあと・・・・・・今日の事を考えたの。


確かにショックだった。

私と付き合っているのにナンパしちゃう彼もそうだけど、賄いのオバちゃんなんて呼ばれてた事が何よりショックだった・・・・・


でも、そう呼んじゃうくらい・・・・・・私は、きっと隆一くんから見たら年上なんだろうな。


だって、私の存在がバレて・・・・・・要は恥ずかしかったんだよね?

きっと隆一くんてさ、いつも年下と付き合ってたんだと思うの。

それなのに私みたいな年上の女と付き合って、周りにいた同僚の方達にもバレちゃったから、誤魔化したかったんだよね?


あの日、コンビニでのちょっとした出来事がきっかけで付き合った私達。

調子よくて面白くて、彼と会うといつも私・・・笑ってた。

楽しく会ううちに私は、明るい彼に恋してた。

大人しい私をいつも笑わせてくれる彼が、大好きなの。

調子いいだけじゃないのよ? ふとした時に、優しいんだ。

彼といるとつい甘えてしまう私を、ちゃんと受け止めて甘えさせてくれるし、 風邪をひいたときなんか看病もしてくれたの。


次々と浮かんでくる思い出たちは、どうしてかな? ぜんぶ笑ってる・・・・・


少し落ち着いたら、彼とちゃんと、話そう・・・・・・

今は頭の中ぐちゃぐちゃだもん・・・・・少し、落ち着いたら。

そう、少し落ち着いたら・・・・・・ちゃんと、話そう・・・・・・・・


酔いが回ったのか、眠くなった私はベットへともそもそ移動して・・・・・・・おやすみなさい。




「くそっ! アイツらまだ摩利と一緒に居るのか? 電話が通じねぇ〜じゃねぇーか!」
夜中、さすがにあの3人も居ないだろうと電話をかけてみても、摩利は出なかった。

そのうち充電切れちまったのか、例の電源が入っていないか・・・なんてアナウンスが流れてくるようになった。

まあ、酒の弱い摩利のことだ、寝ちまってるんだろうな・・・・・・とは分かってるけど、だからって俺は眠れねぇ〜し!

目が冴えちまって全然、眠くなんないんだわ。


どうせ眠れないんならって、俺は考えたね!

どうしたら摩利が許してくれるか、ただそれだけを考えたんだ。

俺が悪い! ほんと調子よくてチャラくてさ、摩利って恋人がいんのに他の女をナンパしてさ・・・・・ほんと俺が悪いんだ!

どうしたら許してくれる? ・・・・・・・なあ、摩利、俺さ・・・・・どう謝れば、お前の側に戻れんだろうな・・・・・



寮に戻って様子のおかしい俺に、檜山が聞いてきてさ・・・・・洗いざらい話したんだけど。

「お前が悪い! 摩利さん泣かすなんて、見損なった!」
「いや・・・ だからね、謝ろうとしてんだよ! でもアイツらが邪魔するから・・・・・ 」

「・・・・・・自業自得だな。 摩利さんが気の毒だ」
「・・・・・・心に突き刺さるねぇ〜」

俺も思うよ、俺なんかと付き合ってるアイツが・・・・・・気の毒だって。


「でもよ、だからって俺は・・・・俺はアイツを手放せねぇーんだ! 好きなんだよ、アイツのこと! 惚れてんだよ・・・・・・心底・・・・・」


・・・・・・・ 俺が、馬鹿だったんだ。

つまんない見栄や、その場限りの嘘八百でさ、どうせ摩利はいないから・・・・・口先三寸で盛り上げて、大事な女を貶めてたなんて・・・・・・・

・・・・・・・俺は、大馬鹿野郎だった。



「お前でも反省したみたいだな・・・・・」
「ああ・・・・・」

翌朝、寮の食堂で顔をあわせた檜山が、そう言ってきた。

まだ皆は寝てる時間だが、俺はあのホテルの入口で摩利が出てくるの待ってようと思うんだ。

今日は仕事も休みだし、もしホテルで捕まらなかったら摩利のマンションに行ってみようと思う。

まだ合鍵は、俺の財布に入ってるし・・・・・鍵も替えてないだろうから。


「そっか・・・・・お前の気持ち、話せるといいな」
「ああ・・・・・・」


俺は、摩利に会うため寮を出たんだ。。。


摩利・・・・・・ 摩利・・・・・・ 俺さ、会いたいよ・・・・・・お前に。。。

俺はホテルの入口が見える喫茶店で、コーヒー飲みながら待つんだ。



そうして待っていた俺の目に、1台の真っ黒なバイクが走ってきたんだ。

そのバイクはホテルの前で止まって、乗ってた奴がメットを外せば見覚えがあった。

「昨日のヌリカベじゃん・・・・・・・え? もしかして摩利を迎えに来たのか?」

俺の予想通り、ソイツは出てきた摩利にメットを渡し、後ろに乗っけて走っていく。


・・・・・・まるで自分の恋人のように自然に、摩利を乗っけてったんだ。


昨日のアイツの目、覚えてる。

摩利のこと真剣に見てた・・・・・・・心配そうに、見てた。



俺なんかより、アイツの方が・・・・・・・摩利には似合いなんじゃないか?

・・・・・・・・俺なんかよりはさ・・・・・・・・・


「っ・・・・・ふっ・・・・・・・」
鼻の奥がツーンとして、目から鼻水が出てきちまった・・・・・・・ははは・・・・・・きまんねぇーな。

摩利・・・・・・なあ、摩利・・・・・・俺よりさ、そいつの方がいいか?

顔は同じなんだったら、俺よりちゃんとしてるソイツの方が・・・・・・・いいのかなぁ?



へへっ・・・・・・・目から鼻水が、止まんねぇ〜〜〜・・・・・・・






以外に続いちゃいましたが、次で完結します。

さてさて、反省した柳川くんと元に戻るのか?

もしかして、黒崎さんと新しく!?

どっちになるかは、私も考えてません!(おいおい)

では ( ´ ▽ ` )ノ
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プロフィール

すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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