完結☆④《恋のパルピテーション》by 木場朝市

今回は嘉納伝助さんからの始まりです。

方言が難しく、残念な感じなんですがお許しくださいませ。





わしが月姫子さんに会うたんは・・・そうそう、花ちゃんに会うためにカフェーちゅう所に行ったときじゃった。

ドミンゴっちゅうカフェーで、わしの妻やった蓮子の腹心の友の花ちゃんを待ってる間やったなぁ〜〜


「花子さんに、どんな用ですか?」
「あ?」

サイダーを頼んだ わしが、声をかけてきたのを見上げたとき・・・・・・わしは天女が目の前に降りてきたんかと思うた。

わしの妻の伯爵令嬢やった蓮子も美しか女子(おなご)じゃが、目の前のこの女子も・・・・・・美しか女子たい!

少し緊張した顔しとるが、凛として背筋をしゃん!と伸ばしている姿は、堂々として好感がもてた。

「いきなりで失礼いたします。貴方が呼びに行かせた “ 花ちゃん ” は、私の友達のお姉さんなのです・・・・・見たところ一廉の人物とお見受け致しますが、その貴方が花ちゃんに何用なのでしょうか?」
「・・・・・・わしが花ちゃんに何かするか思うち、心配じゃったか?」

「心配なら一緒に座っとれ! ほぉーか、あんたは友達の姉が心配なんじゃな! ほぉーか、ほぉーか、友達思いの良え女子じゃの!」
「私の取り越し苦労でしたわね。 貴方はその様な方ではなさそうです」

ほっ! わしを信用したか! はっはっはっ、にっこり微笑む天女は村岡 月姫子と名を名乗った。

そいからじゃ、月姫子さんと わしの付き合いは。。。


東京に仕事に来るときは、いつも芸者をあげて遊んじょったが・・・・・月姫子さんと話すのが楽しくてたまにカフェーで過ごすことも多なった。


妻の蓮子と色々あって離婚ばしたが、東京に行けばわしは月姫子さんと会うてな、えらい年下の友人ができたんじゃ。


その月姫子さんと久しぶり会うた わしは、えらい驚いたんじゃ。


「かよちゃん、月姫子さんはどうしたんじゃ? あげにやつれてしもうて・・・何があったんじゃ?」
かよちゃんが居る屋台で会った 月姫子さんは、一回りも二回りも小さくなったようで、目にもいつもの様な力が無かった。

わしは東京を襲った大地震で、よっぽど怖い思いをしたんかと思ったんじゃが・・・・・・

「何ぃぃ〜〜、好きな男に振られただと? あんな別嬪を振る男がおるがか?」
「朝市ってオラと姉やんの幼馴染なんだけんど、2人は好きおうてると思ってたじゃ・・・・・ほいなのに、この間甲府から帰って月姫子さん、どんどん元気が無うなって・・・・・・・」

・・・・・・・何やら色々と仔細がありそうじゃな。

よし、かよちゃん! 月姫子さんが居らんとき、話ばしてくれんけ!

わしは煮物やら何やら頼んで、月姫子さんの前に並べたんじゃが ・・・・・・いかんのぉ〜〜食が細くなっちょるき、食事を残してばかりじゃ。

心ここに在らず・・・・・・わしが話しかけても聞いてるのか、聞いてないのか、甚だ疑問じゃわい。

月姫子さんを屋台から家に送ったあと、わしはトンボ帰りで屋台に戻り、かよちゃんから詳しく話を聞いた。


わしはある計画を頭に立てて、次の日、花ちゃんの家に向かったんじゃ。



「はぁ・・・・」
私はこの頃、ため息ばかりついてるわ。

甲府から帰ってきた私は、朝市さんを諦めよう、諦めようとそればかり考えているの。
だけど、少しでも時間があると朝市さんの顔が頭に浮かんでしまって・・・・・・

とたんに胸が苦しくて、痛くて・・・・・食事も喉を通らなくなってしまったの。

何も考えないよう、学校の修繕を手伝ったり、生徒の遅れた勉強の補習授業をしたりと、忙しくしていたの。

家に帰ってからも炊事や掃除などして、身体を動かすことばかりしていたの。



・・・・・・・それでも、寝る前とか何もしていないと・・・・・浮かんでくる朝市さんの笑顔。

どうしてかしら? こんなに苦しいのに、頭に浮かぶのは朝市さんの笑う顔ばかり。。。


そして、泣いても泣いても・・・・・・溢れてくる涙を、私はどうすることもできない・・・・・・

「ひぅく・・・・・ぐすっ・・・・・あさ・・・いちさん・・・・・」
布団の中で毎晩、泣いてしまうの・・・・・


自分がこんなに女々しいとは、思っても無かったな・・・・・

たかが失恋じゃない! この世の中に男なんて、星の数ほどいるんだから、きっと、私を愛してくれる人もいるはずよ。

そう、たかが失恋よ!

・・・・・・時間が経てば、きっといい思い出になるはず・・・・・うん、きっとそうよ!


甲府から帰って・・・ 私は朝市さんのことを忘れようと、無様にもがいていたの。

そんな時、嘉納さんから連絡あって・・・かよちゃんがお手伝いしてる屋台へと、向かったの。

久しぶりに伝助さんと話ができて、なんか元気が出た!

くよくよしてても仕方ないわよね・・・・・・

今はできなくても、きっといつか・・・・・・貴方のこと、いい思い出にします。

いつか・・・・・また、貴方と笑いあえたらな・・・・・・朝市さん。


そして、数日後・・・・・英治兄さんと花子姉さんの家に居候している私のところに、嘉納家の使用人の方が来られたんだけど、どうしたのかしら?

使用人の方達が、どんどん品物を運んでるんだけど・・・・・・私はポカンと玄関に山積みになるのを、見ていたの。



「今日伺ったのは他でもない、こちらの村岡月姫子さんのことです」
「はい・・・」

確かこの方、いつも伝助さんの後ろに控えている秘書の方よね?
その方が改まって話し始めた内容は、意外なもので・・・・・・・・えええ??? 嘘でしょう?


「嘉納伝助は、こちらの村岡月姫子さんとの縁組を希望しています。 かねてより月姫子さんと旦那様は、気があう友人関係でしたが、奥様と別れた後、親身になって下さった月姫子さんを女性として想われるようになりました」
「え? 」

「年の差を気にしていた旦那様ですが、想いが募りこの度、正式に縁組を申し込むことになりました」
「はあ・・・・」

「旦那様は、もしこのお話を受けていただけるのならば、こちらに援助は惜しみませんと仰っています。 印刷会社を設立する援助ももちろん、惜しみません」

・・・・・・・印刷会社に、お金を出してくれるってこと?

印刷機を買う費用とかも、出してくれるなら・・・・・今すぐ兄さん達は会社を設立できる!!!


「お見合いの日は来週でよろしいですか?」
「あ・・・・はい」

「それでは来週、こちらにお伺いします」
言うだけ言うと、さっさと帰った使用人さん達だけど・・・・・・伝助さん、私を本気で望んでくれてるのかな?

「印刷機、新しいの買ってくれるよね・・・きっと」

もし本気で伝助さんが私を望んでくれるなら、この話・・・・・悪い話じゃないよね?


「月姫子さん、心配せんでいいよ! 縁組のことは英治さんや私から嘉納さんに、はっきり断るからね!」
「そうだぞ月姫子! なにも父親の私より年上の男に嫁がなくてもいい!」
「月姫子、兄さんちゃんと断るからな!」

花子姉さんにお父様、英治兄さんがそう言ってくれるけど・・・・・私ね、このお話・・・前向きに考えてみようと思うの。

「「「えええ???」」」

「月姫子さん、なに言うだ! 朝市んこと好きなのに、他の男になんて・・・・・」
「いいの! ・・・・・・朝市さんは、関係ないから・・・・・・」

かよちゃんの口から出てきた朝市さんの名前に、私・・・・・・胸がズキっと痛くなって、2階の部屋まで駆け上がったの。




「・・・・・・これは重症だ」
「この次は、どうするんだったけ?」

英治・花子・平祐・かよで頭を寄せてコソコソ話をしていたとき、開いている縁側から誰かが入ってきた。

「こん次は花ちゃんの出番たい!」
「「「「うわぁ」」」」

急に入ってきた嘉納伝助は、円陣を組むように頭をくっつけていた花子達に声をかけ、驚かれていた。


そう、この縁組み騒動は伝助が花子に持ちかけた “ お芝居 ” なのだった。

「こん次は花ちゃんが、その朝市いう男に手紙ば送るたい! もう書いてあるがかち?」
「嘉納さんが言った通りに、書きましたけど・・・・・」
「オラも書いただ!」

封をした手紙を側の使用人に渡した伝助は、すぐに送るように指示をした。

「そうじゃな・・・・・後は電報でお見合いの日を教えとけば、ええじゃろ」
「お見合いは来週でしたよね?」

「ああ、わしもその日は東京に来る! 月姫子さんを泣かせた男ば、見てやる!」
「お願いします」


このお芝居の筋書きは、こうだ。

石炭王の伝助が月姫子に縁談を持ちかけ、そのことを何も知らないフリをして花子が朝市に知らせる。
慌てて飛んでくるようなら、朝市も月姫子さんを想っているだろうし、もし知らぬままだったら。。。

「ほんときは心配せんでも、わしが引くじゃき安心せい!」
「・・・・・・うまくいくかしら」

花子の顔には憂いが浮かぶが、伝助が豪快に笑ってその憂いを吹き飛ばした。

「あの月姫子さんが惚れた男じゃ! 心配せんでよか!」
「でもほしたら何で朝市は、甲府のときに月姫子さんを悲しませたじゃ?」

かよの疑問に伝助の顔が、真顔になった。

「・・・・・・・わしにも覚えがある。 男っちゅうのは女子(おなご)が美しすぎると、自分でいいがかち、迷うときがある。 ・・・・・その朝市っちゅー男は、貧乏なんじゃろ?」

コクンと頷く花子と かよに、伝助も大きく頷いた。

「朝市ん家もオラ達と同じ、小作人の家じゃ。 裕福とは言えんちゃ・・・・・朝市は学校の先生しとります」
「わしが思うに、そん朝市は自分が月姫子さんを妻にしても、幸せにできんがやと思うてしもたんやろ」

「朝市さんは優しい方です。 きっと月姫子のことを想って言いだせなかったのではないでしょうか?」

英治もそう言いだし、伝助と同じ意見を言ったのだが・・・・・

「好きな人に好きって言うのに、なんで躊躇うんじゃ?」
自分の気持ちが昂ぶるままに英治に告白した花子には、男の純情すぎて躊躇うことがピンとこない。

「郁弥さんは、私のこん女神と言うてくれたけど・・・・・朝市には無理じゃね」
イギリス帰りの郁弥の求愛は、積極的すぎるのだが・・・・・その求愛を受け続けた かよにも、大事に思うからこそ何も言えなくなる朝市のことは焦れったくしか思えなかった。


かくして女性陣にはさっぱり理解されない朝市の純情は、伝助を含めた男性陣には気の毒にしか思えないのだった。


「女子も強い時代になったもんやの〜〜」
「その通りですな」

しみじみと呟く伝助と平祐だった。。。






そして見合いの日。。。


花子の結婚式に着た青い振袖に身を包んだ月姫子は、髪も結い上げ、紅をさし・・・・・・まるで天女のように美しかった。

しかしその表情は、何の感情も表さず・・・・・ただじっと、鏡を見つめていた。

そんな月姫子が引き出しから手紙の束を取り出し、1つ、1つ、中身を読みはじめた。

その手紙は朝市からの手紙で、月姫子は朝市の文字を指先で・・・・・愛おしそうになぞっていくのだった。

あの大地震のあと、瓦礫と化した家の跡地で見つけた長持ち・・・・・大切な母の形見の着物や品々の他に、月姫子にとって何より大切な朝市からの手紙もその中に入っていたのだった。

「・・・・・・あれは夢だったの・・・・・朝市さんが好きと言ってくれた・・・・唯一のあの日は・・・・・夢だったの」

ぽた・・・・・ぽた・・・・・広げた手紙の上に、月姫子の涙が落ちていった。

グイッと涙を拭いた月姫子は手紙をしまい、まるで朝市への思いを振り切るように化粧を直し、鏡のなかで笑顔を作った。

「さ、伝助さんにお嫁にもらってもらわなきゃ! それが一番いいんだから・・・・・」

すっくと立ち上がった月姫子が、下へと降りていけば見合いの準備で忙しいはずの花子やかよ、それに父親の平祐さえ誰もいなくて・・・・・・

「・・・・・・みんな、どこ行ったの?」

きょとんと家の中を見回す月姫子だった。。。




「はぁ・・はぁ・・」
オラは朝一の列車で東京に来ただ。

そのまま電車で花ん家に一直線に向かって、見合いの時間が分からんもんで気ばかり焦って・・・・・ 今はもう走ってるだ。

「見合いは・・・見合いは・・・・オラ、間に合うだか?」

オラの頭ん中には、見合いの席で男と向かい合う様子で・・・・・・ダメじゃ! ダメじゃ!


オラは、オラは、月姫子さんのことが好きじゃ!

月姫子さんもオラのこと好きだと言うてくれただ・・・不安になった月姫子さんを、オラは分かってあげられんかった。

オラが悪かっただ! ふんとにオラが悪かっただ!

だけんどオラは・・・・・・着いた!


「見合いは・・・・・・はぁはぁ・・・・・ど、ど、どないなっただ」
縁側から来たオラが、障子を開ければ、そこには凛と背筋を伸ばして座る月姫子さんが居ただ。

静かに座る月姫子さんは、いつか見た花の結婚式で着てた青い振袖姿で、髪も結い上げ、唇には紅をさして・・・・・・

「・・・・・・・きれいだ」
「朝市さん・・・・・・どうして?」

「は・・花から手紙もらって・・・ おっ、お見合いするって聞いただから、オラ・・・・」
「・・・・・・ええ、お見合いします。 その方は、兄達の会社を援助して下さると言われてます」

つ・・・月姫子さん? ニコリともせずにいる月姫子さんを、オラは初めて見たじゃ。

「私、その方に嫁ごうと思っています」
「・・・・・・・月姫子さん」

「私のことなど忘れて下さい・・・・・・」

まるで能面のように無表情な月姫子さんに、オラはもう遅かったのけ?

あんとき・・・・・教会の本の部屋で、オラに勇気がなかったから・・・・・だから、月姫子さんはあんな何も感情のない顔してるだか?

あんなによく笑う、お日様みてぇーに明るい人じゃったに・・・・・オラを見る目にも力がないし、痩せただ。

いんや、やつれてるじゃ・・・・・・

「・・・あ、オラ・・・・・」
何を言えばいいのか、どう言えばいいのか、分からんまんま月姫子さんと見つめ合っていたオラ達だども。


つぅ〜〜〜・・・・・・・

不意に月姫子さんの目から涙が流れて頬を伝うじゃ。

それで気がついたんじゃ、月姫子さんの膝に置いた手も、肩も、細かく震えてることに・・・・・・

感情がなくなったみたいな顔は、必死で堪えてる顔だったんじゃ・・・・・・


「・・・・・早く、帰って下さい・・・・・私は・・・・私は・・・・・未練たらしい女には、なりたくないです」

そん言葉は、オラのことをまだ好きってことけ?

「月姫子さん、オラ! オラの家は貧乏じゃ、月姫子さんみたいな別嬪さんにはオラより石炭王の方がいいかもしれん!」


「んだども・・・・オラは、月姫子さんが好きじゃ!! ・・・・・オラのお嫁さんになってほしいだ」
「あ・・・朝市さん・・・・・」

「ふんとは教会の本の部屋で、あの日言おうと思ってたけんど・・・・・言えなくて、すまなんだ」
「・・・・・・・」

オラを見たまま涙を ぽろぽろこぼす月姫子さん。

「・・・・・・ほ・・ほんと? ・・・・・私のこと・・・・・ほんとに?」
「好きじゃ!」

縁側の外でそう叫ぶオラに、月姫子さんは青い振袖を翻して、オラに向かって駆け出しただ。

抱きついてきた月姫子さんを、しっかりと受け止めたオラは・・・・・・大地震のあの日に抱きしめた時より、痩せたことを知っただ。

・・・・・・・胸ん中に熱いもんが湧いてきて、オラは腕に力を込めて月姫子さんを抱きしめたんじゃ。


「好きじゃ・・・好きじゃ、好きじゃ! 何度でも言うだ、オラは月姫子さんが好きじゃ!!!」
「・・・・・・・う・・れし・・・・・うれし・・・い・・・・・・嬉しい・・・・・」

「もう離さん! 誰にもやらん! ・・・・・誰にも渡さん!」
「朝市さん・・・・・・」

ぎゅうぎゅうと抱きしめた月姫子さんが、落ち着いたころ・・・・・オラは月姫子さんの涙で濡れた顔を、指で拭っただ。

そして、改めてオラは、申し込むだ。。。


「オラの、お嫁さんになってくりょ・・・・・」
「はい・・・ 私を朝市さんの、お嫁さんにして下さい・・・・・」

オラは嬉しくて、また彼女を抱きしめただ・・・・・・




『きゃぁ〜言った! 朝市が言ったぁ〜〜〜』
『なかなか良か男ばい、あん男なら月姫子さんも幸せになるたい!』
『月姫子さん、良かっただ〜〜・・・・ふんとに良かっただ!』

『朝市さんが僕の弟に・・・・・すごく嬉しいです』


『式は東京で挙げてもらうぞ!』

襖の影から見ていた面々が、口々に喜んでいるが・・・・・父親は複雑な顔をしていた。


『それにしても抱きあって、何分経つ? 少々長くないか?』
『お父さん、想いが通じあった2人なんですから、しばらく黙って見ていましょうよ』

「いいや、嫁入り前の娘を持つ父親としては、ここは止めねばならんだろう!」
「お父さん!」
「粋じゃなかと〜〜」

「嘉納さん、粋とかそうじゃないとかではなくてですね、娘を持つ父親として・・・・」
「わしにも娘ばおるたい!」
「お父さん、嘉納さん、静かにして下さい! バレちゃいますよ!」


《 ガラッ! 》


「あの〜〜・・・そったらとこで、何してるんですか?」

襖を開けたのは朝市で、後ろで月姫子は真っ赤な顔をして・・・・・・幸せそうに照れていた。。。






そうして甲府に桜が咲くころ。。。


地主の徳丸家は、準備で大わらわになっていた。

「武! これ運べし!」
「朝市、おまんこんな事してていいんか? お前も準備があるじゃ!」

「武、牧師さんは来ただか? 早く行けし!」
「人使いが荒いんじゃ!」

ざわざわと準備が整い、蓄音機のレコードから音楽が流れてるころ・・・・・牧師の宣言が始まった。

「只今より木場朝市さんと、村岡月姫子さんの婚礼の儀を行います」

そして静々と花子に手を引かれた月姫子が、母の形見の花嫁衣装に身を包み、髪を結い、紅をさし、美しい花嫁になって皆の前を歩いて行くのだった。



・・・・・・なんて綺麗だ・・・・・・

牧師の前で佇む朝市は、初めて見る花嫁姿の月姫子に・・・・・・ただただ見惚れていた。

「でぇ〜〜・・・・美しい花嫁じゃ」
武の声が、皆の胸の内を代弁していた。



「神の身前で誓う前に、出席されている皆さんのうちで・・・この結婚に正当な理由で異議のある方は、今ここで申し出て下さい」

ぼ、牧師さま・・・それをまた言うのけ?? ・・・・・花の結婚式んとき異議ありって手が上がったの、忘れただか?
オラはお義父さんの方を見ただよ、花んとき異議ありって真っ先に手を挙げたのは、お義父さんだっただ。


あ・・・・・・英治さん、ありがとごいす!

手を上げようとしたお義父さんを、横に座った英治さんが抑えてくれてるだ。

お義父さんが、何か言いたそうに口を開けるのを郁弥さんが・・・・・・歩くんを抱っこさせて気を反らせてくれただ。


「ありませんか? ・・・・・どなたもおられませんね? 異議なしと認めます」

良かっただぁ〜〜〜・・・・・・・無事に誓いの言葉になっただ。

「木場朝市さん、村岡月姫子さん、誓約していただきます」

ドキドキするだ・・・・・・

「木場朝市さん、あなたは村岡月姫子さんを妻とし、生涯愛する事を誓いますか?」
「はい! 誓います!」

「月姫子さん、あなたは朝市さんを夫とし、共に歩み、生涯愛する事を誓いますか」
「誓います・・・・・」


こうしてオラ達は夫婦になっただ。。。





〜〜〜おまけ〜〜〜

「母屋は兄達がいるから、オラ達の新居は隣のここじゃ」

月姫子さんと暮らす家は、お母達が暮らす家の隣に新しく建てたんじゃ。

初めて案内するオラ達の家に、月姫子さんは喜んでくれるじゃろうか?


「朝市さん、ここが私達の家なんですね」
「・・・・・東京の家とは違うから、申し訳ないんじゃが・・・・」

「朝市さんと暮らせるなら、それでいいんです」
「月姫子さん・・・・・」

「私は朝市さんの妻になったんです、さん付けはおかしいわ・・・」

言われてみればそうじゃが・・・・・期待してオラを見る月姫子さんに、思いきって呼んでみることにしたじゃ。

「・・・・・・月姫子」
「はい」

「・・・・・・月姫子」
「はい」


なんか、くすぐってぇーだ。

月姫子・・・・・も、そうなんか笑うちょるし。

オラ達は囲炉裏の火を見つめて、過ごしたんじゃ・・・・・・






恋のパルピテーションこれにて完結です!

さすがに朝市くんで《あはん》な展開は、書きにくいのです(笑)

番外編で、武と朝市くんが初めて東京に来たときの頃にあった、カフェ・ドミンゴでのクリスマスパーティーでも書きたいですね。

では、最後まで読んでいただいて、ありがとごいす♡

(^ー^)ノ
関連記事

コメント

Secret

プロフィール

すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

ブロとも一覧


Cat Home

暁の唄

ちび眼鏡日記

月が浮かぶ夜

まきまきまき

うみにふわりふわり

snowdrop

みやびのブログ

よみよみ

SweetBlackな世界

日々のこと

きみと手をつないで

shibushibuuu

ゆめの世界

井の中の蛙

月の舟 星の林

古いおもちゃ箱

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR