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③《恋のパルピテーション 》by 木場朝市

『花子とアン』の木場朝市くんの物語です。

ドラマでもスピンオフとしてDVDにもなってますが、私の妄想のお話にお付き合い下さいませ。

ヒロインは村岡印刷会社の末娘で、えらい別嬪さんです。

前回、大地震で怪我したヒロイン=月姫子さん(つきこ)を探し出した朝市くん。

想いは通じたのですが、はてさて、どうなりますやら。。。




目の前で、ぽろぽろと涙を流す月姫子さんは、見惚れるくれぇー綺麗で・・・・・・オラはまた黙ってしまっただ。



「朝市さん?」
「あ・・・・・すまねぇー・・・」

月姫子さんの一世一代の告白に、やっと答えられたオラは、胸の内を彼女に話しただ。


「お、お、オラが甲府からこっちに来たんは、東京で大地震があったって聞いて・・・・・月姫子さんが心配で、心配で、たまらんくて・・・・・ふんだから、徳丸さんに頼んでこっちさ、来れるようにしてもろたんだ」


「甲府から荷車にうんとこさ食糧積んで来たんだ・・・・今朝やっと花の家に着いて、月姫子さんが居らんて初めて聞いて、オラ・・・オラ・・・探したんだ」
「朝市さん・・・・じゃあ、今朝まで歩いてらしたの? 甲府から・・・・・疲れたでしょう?」

「オラんことはいい! 月姫子さんが見つかって、ふんとに良かっただ!」
「朝市さん、私を支えていただけますか? 私、歩きますから・・・」

その足で歩くだか? 駄目じゃ! オラがおぶるだ!

「でも・・・」
「でもも何も聞かん! そんな足で大事な月姫子さんに何かあったらオラは自分が許せなくなる!」

オラは月姫子さんに背中を向けて、負ぶさってくりょって言ったんだ。

??? ・・・・・・いつまでもオラの背中にこない月姫子さんを、振り返ってみたら・・・・・・・そこには。。。


ぽろぽろと涙を流す月姫子さんが、いたんじゃ。



「な、なんで泣いてるだけ? またオラが、何かしたけ?」
「・・・・・・(ふるふると首を振る)」

首を振る月姫子さんの頬から、透明な涙がキラキラと夕日を受けて飛んで行っただ・・・・・

でもその顔は、幸せそうに微笑んでて・・・・・牧師さんの所にある、マリア像のように深い、深い笑顔で微笑んでただ。

オラは、このときの月姫子さんの微笑みを・・・・・・生涯、忘れねぇーと、思うだ・・・・・


「私のことが大事ですか?」「ああ、もちろんだ!」

「心配だったんですか?」「生きた心地もせんかっただ!」

「探してくれたんですね・・・」「見つかるまで東京中でも探しただ」


「んだから帰ろう? さ、オラにおぶさるだ!」
「朝市さん!」

月姫子さんが抱きついてきたけんど、おぶさるなら背中じゃんね・・・・・

「朝市さん・・・ 大好き!」
「・・・・・・・・・オラもじゃ」

オラは今度は間違わずに、しっかりと月姫子さんを・・・・・・抱きしめただ。




「たでぇーまぁー・・・」
「朝市!」

オラが月姫子さんをおぶって花の家に着いたのは、朝日が昇るくらいで。

夜はお月様が煌々と道を照らしてくれただから、夜通し歩けただ。


「月姫子さん・・・・・無事で良かった!」
朝の食事の支度に起きてた花が、オラの背中の月姫子さんを見つけて飛んできたじゃ。

その花の声で、次々と皆が起きてきてオラの周りを囲っただ。

花に、英治さんに月姫子さんのお父ぅ、郁弥さんはかよちゃんに支えられながら床から出てきて、花のお父ぅも大喜びじゃ!

皆、笑顔でオラの背中の月姫子さんを見ているだ。

「良かった」
「ふんとに良かっただ」
「月姫子・・・・・」

口々に声をあげて喜ぶ皆に、オラも嬉しくなっただ。

「さ、疲れたでしょう? 中に入って?」
「私より朝市さんを休ませて下さい・・・ここまで、おぶって下さったんですもの」

縁側に月姫子さんを降ろして、オラはやっとホッとしただ。

「花! 月姫子さん足を怪我してるじゃ! 冷たい水で冷やしてくりょ!」
「分かっただ。 あ、朝市もお疲れさん・・・・・ご飯の用意出来たら呼ぶけ、それまで寝てろし」

花の言葉にかよちゃんが布団を敷いてくれたんだ・・・・・さすがに疲れただで、遠慮のう使わせてもらっただ。



冷たい手拭いが痛む足に気持ちいいの・・・・・・

私は足を冷やしながら、大地震からの事を皆に話したんです。

「そうか・・・・・無事で・・・・お前が無事で・・・・・良かった!」・・・ 初めてお父様の涙を見ました。

「朝市さんのおかげです! 僕は此方側ばかり探していて、銀座より向こうにいるなんて思いつきもしなかったから」
英治兄さんも、涙を浮かべてて、私・・・私・・・・ぐすっ・・・・・

「良かったぁ〜・・・月姫子さんは大事な妹だ! 助かって本当に良かったわ!」
花子さんも泣いてて・・・・・ありがとうございます。

「月姫子・・・・・かよさんが僕のプロポーズ、受けてくれたよ!」
「月姫子さんが助かって、ふんとに、ふんとに、オラ・・・・・嬉しいだぁ〜」

おめでとうございます! かよ姉さん、頼りない郁弥兄さんだけど、よろしくお願いします。

「ぱちぱち・・・・・」
くすっ・・・歩くんも喜んでくれるの? そう、ありがとう♡

可愛い甥っ子の頭を、そっと撫でたらピョンって抱きついてきてくれたの。

ん〜〜・・・柔らかい頬っぺ〜〜・・・・

「さ、月姫子さんも疲れたでしょ? 布団敷いたから寝て下さい」
「はい」

私はつい布団の敷かれた部屋へ行こうと立ち上がって・・・・・・よろけてしまったの。


その数秒前、朝早くからの縁側での騒ぎにようやく起きてきた武が、目をこすりこすり縁側を歩いてきた。

「うるさくて目が覚めただ・・・・花タレに飯の催促してやるじゃ・・・・・わあああ!!!」
「きゃ〜〜・・・」

そうして月姫子のいる部屋にやってきた武が、よろけた月姫子の下敷きになって押しつぶされるという事になったのだった。

「でっ! なんじゃ、何があったんじゃ?」
「・・・・・・いたた」

上に乗ってた月姫子を落として起き上がった武は、痛む足に手をやる月姫子を見つけ・・・・・・例の如く目をハートにしたのだった。


「月姫子さんじゃんか! ようやっと帰って来たんじゃな! おうおう、いつ見ても別嬪さんじゃ〜〜」
「あ、武さん・・・・・・・え?え? 武さん???」

「どっか痛めたんか? 足け? どらオラに見せてみよし! 遠慮せんでいい、裾を上げてオラに見せてみよし!」
「あのっ、やめて下さい・・・・武さん!」


「月姫子さんは足まで綺麗じゃろうなぁ〜・・・うわあああ!」



疲れたオラがうとうとしてる時じゃ、急に月姫子さんの声が聞こえて、オラは布団を蹴っぽって襖を開けたんじゃ!

そこで見たのは武が月姫子さんに纏わりつき、痛めた足を見せろと、あろう事かスカートの裾を捲りあげようと手をかけてるとこで・・・・・

嫌がる月姫子さんを見たら、オラ・・・・オラ・・・・オラ・・・・


「何してるだ、武〜〜〜! 月姫子さん嫌がってるじゃないけ!離すだ!はよ離すだ!」
「いいじゃんけ、月姫子さんに触りたいじゃ〜〜」

オラが武を月姫子さんから引き剥がしたが、武のヤツ、両腕を伸ばして月姫子さんに迫るもんだから、彼女が怯えちまってるだ。

「朝市さん・・・・・」
「大丈夫じゃ月姫子さん! ほら武、顔でも洗ってこい!」

そう言ってオラは、武を台所から出てきた花に向かって押しつけたんじゃ。
花と、かよちゃんが武を連れて行ってくれて、オラはホッとしたじゃ。

「月姫子さん、大丈夫け?」
「はい・・・」

話を聞けば、つい立ち上がって傷んだ足によろけちまったのけ・・・・・・よしっ!

「布団に入りたいんじゃな? オラが運ぶじゃ・・・」
「え? あ・・・・きゃっ」

オラが月姫子さんを横抱きにして持ち上げると、ん? 月姫子さんが真っ赤になった・・・・・・

そのままオラが寝てた布団に運んで、寝かせただ。

「よく寝るといいだよ。 寝るのも薬じゃ」
「ありがとう、朝市さん・・・」

オラは、ぼこ(子供)にするように寝ている月姫子さんの頭を、そっと撫でて遠慮せず寝ろし・・・と、言ったんじゃ。

静かに目を閉じた月姫子さんは、すぐに寝息を立て始めたんじゃ。

「・・・・・・・・まるで、ぼこの様に無邪気に寝てるじゃ・・・・・」

くぅーくぅーと気持ち良さそうな寝息を立てる月姫子さんに、オラも眠気を誘われて・・・・・月姫子さんの横の畳の上に寝転んで、オラも寝ちまっただ。


同じように横になって見た月姫子さんの寝顔は・・・・・・・可愛らしかっただ。



「あら? 月姫子さんと朝市、よぉーく寝てるじゃ」
スヤスヤと寝ている2人を見つけた かよは、微笑んで朝市に布団をかけてやっていた。

「お邪魔はせんずらよ・・・・・くすくす」

しっかりと襖を閉めた かよは、それからお邪魔虫になりそうな武を花子と協力してコキ使い、2人をそっとしておいたのだった。。。




「ああ、よく眠れたわ・・・・・・」

自分の家のように安心して眠れたからかしら、スッキリしました。

さ、起きて私にも何か手伝える事はないか、聞いてみないと・・・・・・・え?

起き上がろうとして気がついたの、朝市さんが畳の上で寝ていることに。

「もしかして私、朝市さんのお布団を取っちゃったんじゃないかしら? ああ、どうしましょう・・・」

私なんかより疲れてるのに・・・・・でも・・・・朝市さんの寝顔なんて、初めて見た・・・・・

そっと、指先で朝市さんの前髪を梳いて・・・・・・・じっと見つめてしまう。

私も同じように横になって、朝市さんの寝顔をずっと見ていたの・・・・・食事ができたと花子姉さんが呼びに来るまで。。。



「ご飯できたよ〜〜」

花の声で目が覚めたオラは、目の前に月姫子さんがいてびっくりしただ。

「で・・・ 」
「ご飯・・・行きましょう?」

また起き上がろうとする月姫子さんを止めて、オラは横抱きにして運ぶじゃ。

そうしてオラ達が運んだ食糧で、花のお母ぁの ふじさん直伝の “ ほうとう鍋 ” を炊き出して振舞っている時も、オラはたまに月姫子さんの様子を見て行きたい所に運んだんじゃ。


そうして持ってきた食糧も尽きて、オラ達は甲府に帰ることになったんじゃ。

「また、お手紙を書きます。 怪我を治して甲府に・・・ 朝市さんに逢いに、行きます」
「・・・・・・待ってるだ」

「お元気で、ごきげんよう・・・」
「早く怪我、治してくりょ!」


オラは月姫子さんに手を振って、甲府へと戻ったんだ。。。






〜〜〜5カ月後〜〜〜


〜〜親愛なる、朝市さんへ〜〜

あの大地震からもうじき5ヶ月が過ぎようとしています。

私の勤めている女学校では、生徒や教師共に無事ではあったのですが、校舎が半壊状態で今は、修繕に時とお金を費やしています。

工事が済むまで学校の再開は出来ず、私は生徒達を近くの教会の講堂を借りて教えている日々です。

花子姉さんは翻訳の仕事を、英治兄さんは人足のお仕事で頑張っています。
郁弥兄さんも怪我が治り、今は英語の家庭教師をしています。

皆でお金を貯めて、印刷会社を再建しようと頑張っています。

良い出来事もありました。
実家の焼け跡の中から、私の長持ちが無事にあったんですよ!

実はその中には母の形見の着物や、私の大事な物が入れてあったので、大喜びで持って帰りました。

焼けてもなくて、本当に良かったです!

それで近々、久しぶりに甲府に行きたいと考えています。

いえ、正直に言いますね・・・・・・朝市さん、私はあなたに逢いたいです。


最愛なる朝市さんへ。 〜月姫子より〜



「・・・・・・・・さっ、さい・・・・さい・・・さいさい・・・・・げほっ」
最愛なる朝市さんへ、なんて・・・・・・オラ、照れちまうだよ。

この頃の月姫子さんの手紙にゃ、オラのことを想う気持ちが溢れてて、読んでるだけでオラ・・・・・オラ・・・・・顔が熱いだ。

おっ母には「なぁーに手紙読んで赤くなってんだ、朝市、変だど」とか言われるし。

ふんとに困ってしまうほど、月姫子さんの手紙は・・・・・・・嬉しいだ。


だけんど、オラは・・・・・・いつも素っ気無い文面で、月姫子さんの様には返せないんじゃ。

すまねぇーだ、月姫子さん・・・・・だけんど、今度会えるとき、そん時にはオラは、はっきり言うだ!


「オラの・・・・・お嫁さんになってほしいだ」

絶対、言うだ!

あの教会の本の部屋で、月姫子さんに言うだ! ・・・・・・オラ、こぴっと頑張るじゃ!




数日後、あの地震から初めて甲府にやって来た月姫子さんを、オラは駅に迎えに行っただ。

花の実家に荷物を置いて、オラは月姫子さんの大好きな葡萄畑に案内したんじゃ!

2人で歩く道中も、話が弾んで笑顔の月姫子さんが、眩しいほどじゃ!

そうやって話しながら2人で歩くのは、いつも案内している場所で・・・・・・最後は教会の本の部屋じゃ!

月姫子さんの口から東京の様子が分かって、へぇ〜〜・・・ 郁弥さんと かよちゃんは、順調なんじゃね。

「母の形見の振袖が、また着てもらえそうで嬉しいの! ・・・・ただ、父がね式をするなら東京でとか言いだしてて困ってるの」
「ははは・・・・・花の式の時みてぇーに、異議あり!とか言われても困るじゃ〜〜」

そうやって話しながら着いた教会で、オラ達は本の部屋に・・・・・・・・い、い、い、い、い、いう・・いう・・・・言うど!


静かに2人で椅子に座り、本を読んでいるけんど、オラは開いた本の中身なんぞ頭に入ってきやせん!

えっと・・・えっと・・・・・い、い、今け? 今がいいんかな?


恥ずかしくて見れずにいたオラが、思いきって月姫子さんを見ただ・・・・・・ほしたら、夕日の光でステンドグラスの窓が輝いてて、そんなかの月姫子さんが・・・・・・月姫子さんが・・・・・

静かに本を読む横顔が、オラには眩しすぎるじゃ・・・・・



・・・・・・・・こん人にオラは、お嫁さんになって欲しいと言うのけ?

・・・・・・・・天女みてぇーに綺麗な月姫子さんに、オラ今から、言うんか?

・・・・・・・・オラみたいな田舎モンで、いいんじゃろうか?


こんなに綺麗で性格も良い東京の人が・・・・ ・オラがお嫁さんにしたら、この甲府で暮らすことになる。

裕福な家のお嬢さんだった月姫子さんが、オラの家で・・・・・・貧乏な暮らしをさせても、いいんじゃろうか?

・・・・・・・オラで、いいんじゃろうか?


オラは、迷ってしまっただ・・・・・・ だけんどこの迷いはオラの中でどんどん膨らんできて、月姫子さんに言うはずの言葉も重く胸に沈んでいっちまった。。。


・・・・・・・結局、本の部屋で何も言えず月姫子さんを花ん家に送ってるところなんだ。


「朝市さん」
「ん?」

立ち止まった月姫子さんが、オラのことを呼ぶだ。

「私は、朝市さんが好きです」
「・・・・・・・」

オラを見上げる月姫子さんは真剣な表情で、どこか思い詰めてるみてぇーなんだ。

「あ・・・朝市さんは、どうですか? 私のこと・・・・・・好きでいてくれてますか?」
「な、なんで・・・そんなこと・・・・・とつぜん言うだけ?」

月姫子さんは東京の人だからか、こういう “ 好き ” とかって言葉を簡単に言えるじゃ。
田舎モンのオラには、そげなこと・・・・・・言えんし!


「・・・・・・あの地震のとき、想いが通じあったと私は喜びました。 でも、それから朝市さんは・・・・・・手紙で私の方から “ 好き ” と書いても、あなたは書いては下さらなかった・・・」
「・・・・・・・・」

「甲府と東京・・・・・唯一あなたと繋がれるのは手紙だけです。 その手紙が素っ気なくて、私・・・不安になってしまったんです。 ・・・・・・あの日、あなたと想いが通じたと思ったのは私だけなのかなって・・・ 」
「・・・・・・月姫子さん」

「もしかしたら、あれは私の都合のいい夢だったのかなぁ〜〜とも、考えました」
「・・・・・・・」

「私ね、あの本のお部屋で・・・・・・朝市さんから “ 好き ” と、言って下さると思ってました」
「あ・・・・オラ・・・・」

「お願いです、もう一度でいいから・・・・言って下さい・・・・・私を、好きと・・・・・」
「つ・・・つ・・・月姫子さんは東京の人じゃから、好きとか簡単に言えるじゃ! オラは・・・簡単には言えんじゃ!」

そんなこと恥ずかしくて言えんじゃ!
ぼこ(子供)みたいに聞き分けのない月姫子さんに、オラはだんだん頭が熱くなり、言葉を強くしていった。

「手紙だってそうじゃ! あんな・・・恥かしいこん書かれても、何を返せばいいんか、分からんじゃ!」
「・・・・・・・・恥かしい・・・・・・」



はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・ 息が上がるオラは、とにかく送ろうと歩き出したが、月姫子さんは立ち止まったまんまじゃった。

「帰りましょう、月姫子さん」
「・・・・・・もうすぐそこですから、ここで大丈夫です。 失礼します」

オラの横を小走りに通っていった月姫子さんを、オラは呼び止めることなく見送って・・・・・・自分の家に、帰っただ。




・・・・・・恥かしい・・・・・・

あなたに確かに想われていると、そう確かめたかった私の手紙は、朝市さんには “ 恥かしい ” 代物だったのですね。

飛び込んだ花姉さんの家では、お母の ふじさんと、お父の吉平さんがいて私の勢いに驚いてた。

「どうしたん、月姫子さん! そない勢いで・・・」
「どうしたん? 慌てたら転んで危ないよ〜〜」

心配そうに私を見てる2人を見て、心配かけちゃいけないと私は笑顔を作って何もないフリをしたの。

「そこに大きな蜘蛛がいて、驚いちゃいました」
「ほうけ、蜘蛛が悪さしたんけ? ほら驚いたじゃ・・・・・さ、オラの作ったほうとう、食べてくりょ」
「はい!」

私は笑顔を作り続け、ご飯をいただいたんだけど・・・・・・おかしいな、いつもは美味しいのに、まるで味がしないの。。。


夜中、眠れずに起き出した私は、囲炉裏の側で糸を紡いでいる ふじさんと2人になったの。

「月姫子さん・・・・・・ なんぞ朝市とあったんか?」
「・・・・・・・」

「こんな田舎のお母で良かったら、話してみんかね? そんな悲しい顔で、笑わんと・・・」
「・・・・・・・お母ぁ」

私はその言葉で涙が溢れてしまって、お母ぁにしがみついて泣いたの。

「きっと地震にあって、足を怪我した私を、朝市さんは放っておけなかったんですね・・・・・好きなんて言われて、可哀想でフルことも出来ないから・・・・・・・」
「ほうかのぉ〜〜・・・ 朝市は思うてもおらんことは、言わんと思うけんど」

「・・・・・・・・もう、いいんです」
「月姫子さん・・・・・・大丈夫! 思いきり泣いてもいいんよ?」

わんわん泣いた私の背中を、お母ぁは 優しく撫でつづけてくれた・・・・・・・

その優しい手の感触に、いつしか私は寝てしまったの。



「おはようごいす・・・・・・」

オラは昨日のこと謝ろうと、月姫子さんに会いに朝から花の家に来たんじゃ。

「で? もう帰った?」
ところが、ふじさんが言うには東京に戻るため、とっくに家を出たと言われたんじゃ。

「ああ、まだ日が昇る前に帰っただよ・・・・」
「・・・・・・いつもは、もっと遅い時間に帰るのに・・・・・」

昨日のことで、怒らせちまったからかもしんねぇ〜〜・・・・・・悪いことしたじゃ。

まあ、手紙で謝ることにするじゃ!

「んじゃ、オラ・・・帰るじゃ」
「朝市!」

ふじさんに呼び止められて、顔を見れば・・・・・・

「月姫子さん・・・・・大事にしろし!」
「・・・・・・分かっただ」

なんで急にそんただことオラに言ったのか、オラは分からんかったじゃ。



それから1ヶ月が過ぎたけんど、月姫子さんからの手紙は1通もこんようになっちまった。

「お母! オラに手紙は来んかったか?」
「知らん! 来んかったずら」


・・・・・・今日も来んかっただか・・・・・・・


月姫子さんと知りおうてから、1週間に1通は届いていた手紙が、ぱたりとこんくなって1ヶ月がすんだ。

そんなに怒ってるだか? そう思えばオラからも手紙を送れなくなっただ。

何を書いていいのか分からんじゃ・・・・・

そうしてオラは学校から帰ると、お母に手紙は来たかと毎日聞くようになっていただ。



それから数日して学校から帰ったオラは、いつも通りにお母に聞いたんじゃ。

「今日は来てるど!」
「で!!! どこ・・・どこずら!」
「これだども・・・・・・」

お母の手から引っ手繰るみてぇに手紙をもらったオラは、すぐに手紙の裏の差出人を見れば・・・・・・・で!?

「月姫子さんじゃねぇ〜だ、花からだ・・・・・」
「花ちゃんからけ? 何て書いてあるだ?」

オラは兎に角手紙を開封して、読んでみることにしたんじゃ・・・・・・ででっ!?



〜〜〜朝市へ〜〜〜

月姫子さんから何か聞いてないだか?

実はオラ達は印刷会社をしようと皆で頑張ってたんだ。 だどもなかなか資金が集まらなくて・・・・・
そんなときオラの知り合いの方が、月姫子さんを見染めて・・・・・

資金を援助する代わりに月姫子さんと、お見合いしたいと申し出があったんだ。

もちろんオラ達は断ろうとしたんだ、だけど月姫子さんがこの話を受けると言いだしただ。

お相手は九州の石炭王・嘉納伝助さんなんじゃ・・・・・朝市も知ってるように月姫子さんより、だいぶ年上だ。

どうして月姫子さんはこの話を受けると言ったんだろう? 朝市、知ってたら教えてほしいだ。 〜花子〜



「で? お見合い? 月姫子さんに? ・・・・・・もう1枚あるじゃ」



〜〜〜朝市へ〜〜〜

甲府から帰ってきた月姫子さん、ご飯もろくに食べねぇで学校のこと頑張ってるだ。
なあ朝市、何があったんだ? 2人、好きおうてるんやろ?
オラは朝市がいつ月姫子さんを、お嫁さんにするか楽しみに待ってたのに・・・・・

夜中に月姫子さん、泣いてるじゃ・・・・・

朝市の名前呼んで、毎晩、泣いてるじゃ・・・・・・朝市の、バカっちょ!!! 〜かよ〜




オラは、あんとき何言うた?

月姫子さんは、どんな顔してただ?


『お願いです、もう一度だけでいいですから・・・好きと言って下さい』
目に涙を浮かべてオラに懇願する月姫子さんの、その切羽詰まった様子を思い出しただ。

『手紙だってそうじゃ、あんな恥ずかしいこん書かれても、何を返せばいいか分からんじゃ!』

あ・・・・・オラ、酷いこと言ったじゃ。

恥ずかしいなんて言って、きっと月姫子さんを傷つけた・・・・・・・ 傷つけちまっただ。

オラのことを好きだと、一生懸命言ってくれてただけなのに・・・・・オラ ・・・・・オラ、なんてことしただ。


「オラ、月姫子さんに謝らにゃいかん! 手紙・・・・・いんや、会いに行くだ!」

今日は木曜だで、今度の休みに行くだ。

オラ月姫子さんに会って、うんとこさ謝るだ。

許してもらえるか、分からんけんど・・・・・・それでも、許してもらうまで謝るじゃ!


もし許してもらえたら、オラ・・・・・今度こそ月姫子さんに、言うだ。


オラの、お嫁さんになって下さいって。。。





花子とアンで、大好きなのは朝市くんですが、吉田鋼太郎さん演じる嘉納伝助さんも好きなんです。

なので絡んでもらいました!

次回は伝助さんと月姫子さんの出会いから始まる予定です!

思ったより長くなりそうなので、カテゴリ作りました!


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すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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