スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
     

①《恋のパルピテーション》by 木場朝市

『花子とアン』、窪田さんが出演されてると聞いてはいましたが、私・・・朝ドラを見る習慣がなくて見てなかったんですよ。

で、気軽にレンタルしたら・・・・・・・ハマりました。

まだ途中までしか視聴してないんですが、朝市くんにハマってます。

なので少し妄想話を(笑)

村岡印刷の兄弟は兄と弟なのですが、年の離れた妹が居たら・・・・・・というお話です。

ネタバレ有りなので、嫌な方はスルーお願いします。

よろしければ、お付き合いしてくださいませ。。。




「いらっしゃいませ〜」

父に連れられて来たカフェ・ドミンゴは私も気に入って、よく来るの。
可愛い女給の かよちゃんがいて、私ね、お友達になったのよ!

「月姫子(つきこ)さん、いらっしゃいませ」
私はカウンターに座ってコーヒーを注文して、お気に入りの本を鞄から取り出して、ページを開いたの。

休日にこうしてカフェに来て、コーヒーの良い香りを嗅ぎながら、ゆっくりと読書するのがお気に入りなの。

師範学校を卒業した私は、今年から教師として女学校に勤めているんだけど、もう冬休みだし思いっきり羽を伸ばすんだぁ〜〜・・・・

って言っても、付き合っている方もいないし、カフェでこうして過ごすくらいなんだけどね。。。



カランカラン・・・・・カフェのドアが開いて2人組の男性が入って来られたんだけど、キョロキョロ店内を見回してる方と私、目があっちゃったの。

ペコッと会釈なさったから、私も同じように会釈で返したのだけれど、きっと礼儀正しい方なのね。

それが、木場朝市さんの第一印象だったのよ。

「朝市! キョロキョロするじゃねぇ・・・ おのぼりさんだと思われてバカにされるらぁ〜〜」
「オラたち正真正銘のおのぼりさんじゃん」

「しっ!!! 黙ってら分からんらぁ〜〜」


えっと、その会話・・・・・・まる聞こえなんですけど(笑)

微笑ましく思いながらも、私は顔を本に戻して読書を続けたの。


「てぇ〜〜・・・銀座のカフェーの女給って、美人ばっかしだなぁ〜〜 ・・・」

あ、かよちゃんがコーヒーを下げて戻ってきた・・・・・・・・「きゃっ!」 え? なに?

横を見れば騒がしくしていた男性が、かよちゃんの手を握って迫ってる!

「可愛いなぁ〜〜〜」
ずずっと顔を近づけて、鼻の下伸ばしてるけど ・・・・・・ かよちゃんは郁弥兄さんの想い人なのよ! 助けなきゃ!!!


私は席を立ち上がって、かよちゃんの手を握る男の人を振り払ったの。

「なんだぁ〜〜・・・余計なことするなっ!!!」
邪魔されて怒ったその男性が、私に怒鳴ったんだけど、ひ・・・怯まないわよ!!!

「ここは、そういうお店じゃないんですよ? 紳士に振る舞って下さい」
「・・・・・・・・・・」

「??? あの、聞こえてますか? もしもし?」
「・・・・・・・・・・美しかぁ〜〜」

私を見た途端、ポカンと口を大きく開いて見てくる男性に戸惑った私が彼を見ていたら・・・・・・

「きゃっ!!! やめて下さい」
「こげな美しき人、見たことねぇ〜〜・・・オラの嫁になれ、な?な?」

「やめれ! 月姫子さん、怖がってるじゃ!!!」
「武!」

いきなり近づかれて手を握られそうになった私が、小さく声を上げたとき・・・・・・かよちゃんと 連れの方が後ろから引き剥がすように男性を離して下さったの。

「び・・・ビックリした・・・・・・」
「月姫子さん、大丈夫け?」

心配そうな かよちゃんに、大丈夫と返事していたら助けてくれた男性が側に立っていた。

「申し訳ねぇーだ、怖かっただか? ・・・・・・・てっ? かよちゃん!」
「て? 朝市〜〜」

え? 2人って知り合いなの???

懐かしそうに言葉をかけあう2人を、私は見ていて・・・・・助けてくれた男性の名前が、アサイチさんというのが、分かったの。



「さっきは武が失礼しました」
「いえ、私こそビックリして大袈裟に騒いでしまって・・・・・・ごめんなさいね」

村岡 月姫子さんという人は、びっくりするぐれぇー綺麗な人で、それなのに気さくな人なんだ。

武がいきなり求婚するってぇー失礼な事したのに、笑顔でオラ達と同じ席に座って話し相手になってくれてるんだ。

花もカフェーにきて話ができたけんど、忙しいみたいだな・・・・・・


初めてコーヒーを飲んで、苦さに噎せた武に砂糖やミルクを勧めてくれたんだ。

・・・・・・・オラも砂糖入れて飲んだだ。


「私でよろしければ案内しましょうか? ワインを仕入れてくれる様なお店に案内すればよろしいのかしら?」
「い・・・いいんですか?」

にこやかにオラ達を見てる村岡さんが、輝いて見えただ。



それからあちこちのカフェーや、老舗の酒屋に案内されて武が葡萄酒を宣伝してんだけど・・・・・・だめだ、武の頭の中は遊びのことで一杯じゃ。

「すんません・・・ 武のやつ、遊びのことで頭がいっぱいで・・・・」
「くすくす・・・いいんですよ。 初めての東京なら、見て回りたいのも、無理はありませんもの」

かよちゃんの居るカフェーに来たオラと村岡さんだけんど、オラは申し訳なくて仕方ねぇーんだ。

せっかく案内してくれてんのに、武のやつ・・・・・2日目の今朝、逃げちまっただ。

「朝市さんも、ご迷惑なら案内など要らないってハッキリ仰って下さいね?」
悪戯っ子みてぇーな目してオラに言う村岡さんに、申し訳なくて頭を下げてるんだけんども。

「あ・・・いや・・・・オラは・・・・・」
「武さんの付き添いですものね、朝市さん。 そうだ、せっかくだから東京見物に行きませんか?」

「いや・・・・あの・・・・・オラは、ここで十分ですだ」

かよちゃんの居るカフェーでいいだ、それにここには花も来るし。

「そうですか? じゃあ、私はお役御免ですね」
くすくす笑いながら言う村岡さんは、ふんとに明るい人で、笑顔がものすごく綺麗な人じゃ。

昨日も1日付き合ってくれて、歩き通しなのに嫌な顔もせず、楽しそうに案内してくれたんだ。

葡萄酒の売込みってのを、ちゃーんと考えてくれて案内してくれたんだ、それなのに武のヤツは・・・・・

「今日1日だけで取引先がたくさん見つかっただ、もう仕事はすんだ! 明日からは遊びじゃ、遊びじゃ!」
なんて言うほどで・・・・・


「それにしても、綺麗な人じゃった・・・・・俺の嫁になればいいのに」

・・・・・・・・村岡さんは、ふんとに綺麗な人じゃ、それは武の言う通りじゃ。

姿形だけじゃない、かよちゃんの話だと大きな印刷会社の社長令嬢なのに、ちっとも偉ぶらん良い人じゃと聞いた。


「月姫子さんはオラの大事な友達じゃ!・・・・くれぐれも変な事すんでねぇーよ!」

かよちゃんがそんな風に言うのを、初めて聞いたと思うだ。



「で? 村岡さんは教師をされてるんですか? オラも甲府の小学校で教師をしております」
「木場さんも? 私、今年から教鞭をとっていてまだまだ新米なんです。 よろしければ相談にのっていただいてもよろしいですか?」

「あ・・・・・オラみたいな田舎の教師でよければ、何でも言って下さい」
「嬉しい! さっそくなんですが・・・・・・」

教師として木場さんに相談にのっていただいて、迷いや、不安といったものが少しづつ溶けていくように、心のつかえが取れた私は、その日の話が終わるまでには 教師として木場さんを尊敬していたの。

爽やかな好青年の木場さんに、その時にはもう恋をしていたなんて、私・・・・・自分でも気がついてなかったの。



気がついたのは、話の中に度々登場する『花さん』の事で。。。

「花なんて子供らを学校から連れ出して校長に叱られてましたよ」
「課外授業なんて、楽しいじゃないですか!」

「ええ、その日で子供らの心を掴んだんですから、花は大したもんなんです」
「くすくす・・・木場さんは、幼馴染の花さんが大切なんですね!」

私は本当に何の気なしに言ったの・・・・・・でも、その言葉は木場さんには動揺を誘ったみたいで。


それで私、分かったの・・・・・・・木場さんは、花子さんの事が『好き』なのだって。。。

「でっ? ・・・・・アチッ! 苦ぇぇ〜〜・・・ 」

・・・・・・だって急に真顔になって、慌ててコーヒーを飲もうとして熱さに取り落としそうになるし、慣れてないコーヒーの苦味を忘れて砂糖も入れずに飲んじゃうし・・・・・・


「くすくす・・・ 慌てないで下さい」
「・・・・・あっ、いや・・・・その・・・・・」



くすくすと可愛らしく笑う村岡さんは、ふんとに綺麗で・・・・・急に華が咲いたように周りが明るくなるんだ。

ん? 周りに座ってる他の男達が急にソワソワしてるじゃ・・・・・・なんでじゃろ?

そう思っていたらオラと違って洋装の格好の良い若い男が、オラ達のテーブルに近づいて来たんじゃ。

「笑顔の素敵なお嬢さん、僕達と少しお話しませんか?」
笑顔で自分のいたテーブルを示すその男は、チラッとオラを見て・・・・・くすりと笑うたんじゃ。

「失礼ですが、貴女のお側には似合わない男をお連れのようですね」

・・・・・・・つまり、オラだと村岡さんとは釣り合わないって言いてぇーんだな。

ま、ふんとの事だしなぁ〜〜・・・・・・オラはどうすれば良いのか、黙って見てたんだ、そしたら。

「失礼ですのね。 私、人を見た目で判断する様な方に、興味も好意も持てませんの」
「あっ・・・」

「ご自分のお席にお戻り遊ばせ?」
ニッコリと笑って撃退する村岡さんだけど、キラリと光る意志の強さが相手の男に何にも言わせず席に戻らせたんじゃ。

田舎もんのオラには出来ない芸当に、呆気にとられてると・・・・オラを見た村岡さんが、ニッコリと笑うんじゃ。

それはさっきの男に向けた笑顔とは違って、ふんとにあったけぇ〜笑顔で・・・・・ドキッと胸が騒いだんだ。


「月姫子さん、迫力だべ?」
村岡さんが席を外した時に、かよちゃんが得意げにオラに話してくれたんだども、あんだけ綺麗な人じゃからさっきみたいに男に声をかけられるんだと。

「あの笑顔で撃退された人が、山ほどいるんじゃよ? ほんでも声をかける男がおるんじゃから、男って馬鹿だよね〜」
「かよちゃん・・・・・言いすぎじゃ」

それからも村岡さんは、東京に不慣れなオラに付き合ってくれて・・・・・かよちゃんのカフェーに居るオラの、話し相手になってくれるんだ。


武とカレーを食べた時なんて、辛い辛いと騒ぐ武に彼女は。。。


「武さん、コーヒーのミルクを少し垂らしてみて下さい。 辛さが和らぎますわ・・・木場さんも、ね!」
「すんません・・・・・・・んっ! ふんとじゃ、美味い!」

実はオラも騒ぎはしんじゃったが、辛くて・・・・・助かった!

「良かった! 珍しい食べ物も、お口に合わないと美味しくないもの! 良かったわ 」
「・・・・・・・」

優しい人じゃ・・・・・・ふんとに裏表のない、良え人じゃ・・・・・・

オラは彼女のこと、ええ友達になれると思うとんじゃ。。。






「クリスマス パーティー! かよちゃんのカフェで? 行くわ!」
「良かったぁ〜・・・・急に店でクリスマスパーティーするっちゅーて、女給1人に10人のお客さんを呼べ言われて、焦っただ! 東京に友達は月姫子さんしか居ないし・・・」

「あとは姉やんに頼んだし、少し安心じゃ〜」
「もし足りない様なら力になるわ。女学校のお友達も呼べるわよ」

「そん時はお願いするちゃ!」

それから数日でそのクリスマスパーティーの日になったんだけど、どうやらお姉さんの花子さんが呼んでくれて10人になるみたいなの。

兄達も来たんだけどね・・・・・・花子さんが勤めてる聰文堂の方も来てるから、賑やかなの。

賑やかなパーティーで、甲府のワインも美味しくて・・・・・私、少し酔ったみたい。


そしてパーティーも終わる頃には、店内には床掃除する かよちゃんと、カウンターには英治兄さんに木場さん、そして眠ってる花子さんがいて。

ソファーには酔いつぶれた郁弥兄さんと、寝たふりな私がいたの。

寝ていたんだけど、木場さんの兄に話しかける声で、起きちゃったの・・・・・・


そうして、聞いてしまった・・・・・・・・木場さんが、どれほど幼馴染の花子さんの事を、大事に想っているかを。。。


・・・・・・・私も、木場さんの様な誠実な方に、想われてみたいな。

そう思う私の耳に、木場さんの口から信じられない事を聞いてしまったの!



英治兄さんと花子さんの間には、色々とあった・・・・・それは私も知ってる。

惹かれあう2人だという事も、事情が事情だから、自分の気持ちを押さえ込んで会わなかった事も、それでも兄は花子さんに惹かれている事も、全部。。。


・・・・・・・・そう、惹かれているの 兄は・・・・・きっと、愛しているの、花子さんを。



「あんたも花の事が好きなら、花の気持ち こぴっと受け止めてやってくりょ!」

え? 木場さん? 兄に諦めろと言うのではなくて・・・・・受け止めろと???
あなたが、あなたが・・・・・・それを、言うのですか?

「ちょっと待って下さい・・・・・どうして僕にそんな事言うんですか?」

兄が戸惑うのも当たり前です・・・・・・それに兄が、木場さんも好きなんじゃないですか?なんて聞いてる。

「はい、オラは花が好きです」

ハッキリとした木場さんの声に、私はソファーに起き上がりカウンターに座る2人を見つめたの。
真剣な・・・・・2人共に真剣な顔して話しているわ。

「・・・・ いつか、オラのお嫁さんになって欲しいと思ってました」
「そんなに思っているなら、あなたが彼女と結ばれるべきだ」

ドキン! 子供の頃から花子さんが好きで、いつか・・・・・そう思ってらした木場さんは、兄の言葉に・・・・・声を大きくしたの。

「まだ分からんだけ! ・・・・・オラじゃ駄目じゃ! あんたじゃなきゃ駄目どう!!!」


気がついたら私は、両の目から涙を流していました。

胸が熱くて、熱くて・・・・・それでも木場さんは、グラスのお酒をグッと煽って、帰ると言われて・・・・・電車もないから歩いて帰ると。

最後に兄に「花のこと、お願ぇーします」と、深々とお辞儀をされて出て行かれたの。

私は・・・・・バッグと上着を掴んで彼の後を追いました。


「木場さん!」
「・・・・・・・・村岡さん」

振り返った木場さんの目には、確かに街灯に光るものが見えた気がしたのです。

「あ、夜も遅いだからカフェーに戻った方がいいですだ」
「あら、送っては下さらないの?」

「・・・・・・今夜は、遅いから」
「ほら、木場さん見て? あんなに綺麗なお月さま・・・・・」

「・・・・・・ふんとだ」

私は木場さんの横に並んで、夜空の月を見上げたの・・・・・

「私ね、ひどい難産で、母を助けるか、私を助けるかなんてお医者さまに言われたそうなの ・・・・・」
「え、そりゃ大変だったんですね」

「それでも産まれたときに月が綺麗だからって、月のお姫さまの子って書いてツキコって名前を付けられたの」
「・・・・・よう似合うてる名前ですね」



オラを追いかけてきた村岡さんが、唐突に自分の生まれの事を言いだしたんだども、いきなりなんじゃろうな。

「・・・・・・ここには月しかいないから、思いきり泣いてもいいんですよ?」
「え?」

泣いても、いい???

「月は黙って夜空に浮かんでるだけです・・・・・・誰にも何にも言いません。 だから、泣いてもいいんですよ」

優しい・・・・・まるで、ぼこ(子供)に言うように、優しくそう言われてオラは、ちびっとだけ泣いてしもうた。

差し出された真っ白なハンカチを借りて、涙を拭えば・・・・・・もう、大丈夫じゃ!


それから2人で夜道を歩いて、彼女を送って行っただ。

色々と話しをしながら歩いてたら、胸の苦しさも無くなったじゃ!


「木場さん・・・いえ、朝市さんとお呼びしてもいいですか?」
「はい・・・・・じゃ、オラは?」

「月姫子と呼んで下さい」
「いや、呼び捨ては・・・・・・ほいじゃ、オラは月姫子さんと呼びます」

「朝市さん、私ね・・・・・・あなたの事、好きです」
「で? な・・・なにを? あの・・・・?」

オラのこと好き? って、こげな美しき人が? で? で? オラは驚くばかりじゃ。

からかわれてるのけ? そう思ったけど、月姫子さんの透明な・・・・澄んだ泉のような笑顔に、決して彼女がオラをからかってるんじゃないと、思ったんだ。


「・・・・・・甲府とここでは、私の事を知ってもらうのもままなりません・・・・・ですから、お手紙を書いてもよろしいですか?」
「手紙?」

「はい、手紙をやりとりしている中で、私・・・・・・あなたを振り向かせたいんです」
「で?」

驚くばかりなオラだけど、真剣な月姫子さんの言葉に、文通する事を約束しただ。




「かよちゃん、振袖これでいい?」
「ありがとう、月姫子さん! 姉やんの結婚式に出るにもオラ、振袖なんて持ってねぇーから」

「私ので良かった? 幾つか、かよちゃんに似合うの持ってきたんだけど・・・・・・ん? そういえば私の兄と、かよちゃんのお姉さんが結婚したら・・・・・私達も姉妹になれるわね!」
「月姫子さんみたいな別嬪さんが姉やんなんて、オラ嬉しいだ!」

「かよちゃん、私の方が年下だよ? かよちゃんと花子さんが、私のお姉さんになるんだわ!」
「で? そうなんけ? そうだ・・・・月姫子さんの方が年下じゃった〜」

「きゃー嬉しいわ! 私ね、お姉さんが欲しかったの!」

あれから英治兄さんと花子さんが甲府の実家に挨拶に行って、甲府で2人が結婚式を挙げると決めたのよ!

それからは、あっという間で・・・・・今日は私の振袖を幾つか持って、かよちゃんに選んでもらうの。

それを持って明日は甲府へ出発よ!


朝市さんとはあれから手紙のやり取りを続けているの。

甲府の駅で降りた私とかよちゃんは、彼女の案内で花子さん・・・・改めて花子姉さんの実家に顔を出そうと思ってるの。

嫁入り前だから家族でゆっくりしたいだろうから、早々に失礼して、私は教会に泊まらせてもらうつもりなの。

手紙で朝市さんに牧師さんに聞いてもらって、お許しは頂いてるし、頑固な父は郁弥兄さんに任せてきたし!


「あ、朝市さん・・・」
「朝市、来てくれただか?」

「荷物あるだろ? 汽車の時間聞いてただから、迎えに来ただ」

久しぶりに会えた朝市さんに、私の顔は綻んでしまう・・・・・のを、かよ姉さんが見ているみたい。。。


「それにしても大きな鞄だな〜」
「ええ! 振袖が3枚入ってますもの!」

「3枚??? なして3枚も? オラと月姫子さんで2枚でええんでない?」
「・・・・・・うふふ、後のお楽しみです」


そう言って笑う月姫子さんが、かよちゃんを実家に送ったあと、こっそりと話してくれただ。

「私の母が嫁入りした時に着ていた振袖なの。 花子姉さんにと思って・・・・・嫌ならいいんだけど、花子姉さんに似合うと思って」
「月姫子さんは、優しい人じゃ」

「え? そんな・・・・朝市さん」
そういえば頬を赤くして照れてる彼女を見て、ドキッと胸が動いた。

彼女の手紙はいつも、オラの事を気遣う文章で、自分の身の回りのこと・・・・・生徒やかよちゃんの事とかで、面白可笑しく書いてくれてるんだ。

いつの間にか手紙が届くのが、オラは待ち遠しくなっていた。

「いつも手紙ありがとうでごいす。 あんまり返事が出せねぇーけんど、いつも楽しみにしてるだ」
「良かった! 私も朝市さんからの手紙、いつも楽しみにしてるんですよ 」

そうやって何気ない話しをしていても、田舎にはない洋装の綺麗なお姫様みたいな月姫子さんに、通りすがりの人がポカンと口を開けて見てるじゃ。



そして次の日、結婚式の日。。。

地主の徳丸さんの家で式を挙げるから、オラは朝から手伝いに来てるんじゃ。

月姫子さんも花に用意した着物を持ってるから、オラが迎えに行って一緒に来たんだ。



「かよ姉さん、着物をどうぞ。 花子姉さんは、此方を・・・・・」
「ありがとう、月姫子さん!」

鞄を開けた私を囲んで、お隣のリンさんや花子姉さんのお母様が、着物を着付けて下さるの。

かよ姉さんは鮮やかな桃色の振袖を、花子姉さんは黒地に花模様の着物を、私は青色の振袖を着て、髪も結い上げて化粧もしたの。


花嫁さんは一番準備もあるから、かよ姉さんやお母様に任せて、私は式の準備が出来てるか様子を見に来たんだけど・・・・・・

あ、朝市さんを見つけました!



「あ〜〜、もう〜〜!!! なんでオラがハナタレのために準備しんといけんが〜!」
「武! 時間ねぇーから早くやれし!」

くすくす・・・・・・やっぱり武さん、ぼやいてるわ。

朝市さんは武さんのお尻を叩きつつ、机を運んできたのね。



準備のために脚の高い机を運んでるときじゃ、文句言う武を叱ってると後ろから「くすくす・・・」って聞こえて振り向けば・・・・・・・・

「で!」
「で! ・・・・・なんて綺麗なぁ〜・・・・・・お姫様みたいじゃ」

青色の鮮やかな振袖を着た月姫子さんが、可笑しそうに立っていたんじゃが・・・・・・・その姿が、あんまり綺麗じゃから驚いちまっただ。

いつもは洋装の月姫子さんの着物姿は、初めて見る・・・・・・髪も結い上げてて、武じゃねぇーけんど、どこのお姫様かと オラ、見惚れちまった ・・・・・・

「何か手伝う事はないでしょうか?」
「いやっ、大丈夫じゃ!」

綺麗な着物を汚したらてぇーへんだ!
オラは慌てて、そう言ったんだが、武のやつ・・・・・

「やっぱ村岡さんは綺麗じゃぁ〜〜! オラの嫁になって・・・・・いてて」
「早く、やれし!」

月姫子さんに迫る武の耳を摘まんで、奥に連れて行くオラの背中に月姫子さんの声がかかった。

「準備、こぴっと頑張って下さいね!」

澄んだ声の励ましに、武の奴が俄然張り切ったのは、月姫子さんの読み通りじゃ。






やっと始まった結婚式。

蓄音機から流れる音楽に合わせて、静々と歩く花子姉さんの綺麗なこと・・・・・・幸せが溢れんばかりに輝いているわ。

郁弥兄さんの隣に座る私に、武さんからのウィンクが飛んでくるけど、キレイに無視して花子姉さんを見ているの。

あ〜〜・・・・・・憧れちゃうなぁ〜・・・・・


牧師様の問いかけに、真っ先に異議を唱えたのは、我が父で・・・・・・もう、お父さんたら!!!

「家に入って夫を支える嫁を迎えたい! 仕事を続けるなど言語道断!」父がこう言えば、当然。。。

「てっ! 俺も異議ありじゃ! こんな古くせぃ考えの舅の家に嫁いでも、花は幸せになれん!」ほら、こう言われちゃうわよ!

「ハナタレがあんな綺麗な花嫁になるなら、オラがもらってやれば良かったじゃ!」・・・・・・・武さんまで、何を言い出すのやら。。。

頭が痛くなってきたわ!

おまけに朝市さんのお母さんまで、異議あり!だなんて・・・・・・・え? 朝市さんも異議が、あるの?

どうなるんでしょう?

ドキドキする胸の前で手を組みながら、ハラハラしていた私は朝市さんを見ていたの、そうしたらすっくと立ち上がった朝市さんが。


「 異議なし!!!」


そう大きな声で宣言してくれて、私も直ぐに続いて「異議なし!」と立ったのよ。

そうしたら次々と「異議なし」と立ち上がって・・・・・・無事にお式が続けられたのよ。


つられたのか英治兄さんたら、誓いの言葉を大きな声で言っちゃうし・・・・・・でも良いお式だったわ。

そのあとは宴席で、みんな笑顔でいるから・・・・・・すごく胸が暖かくなったの。


「さ、さ、村岡さん、葡萄酒持ってこさせたから、飲んでくりょ」
「武! 無理に勧めるでない! それにしても綺麗なお人じゃ」

・・・・・・・・・えっと、私の御膳は郁弥兄さんの隣にあったんだけど、徳丸さんに運ばれてしまって、困っています。

武さんとそのお父様の側に御膳を置かれて、私・・・ どうすればいいんでしょうか?

困っていると私の膳を掴む力強い腕が、にょっきりと・・・・・あ、朝市さん!

「月姫子さんが困っとろうが! ・・・月姫子さん、ここでゆっくり食べてくりょ」
「ありがとうございます」

朝市さんの隣に落ち着いた私の御膳・・・・・うふ、朝市さんの隣なら、安心して食べられますわね。

「田舎料理だから、月姫子さんの様な方の口に合うかどうか分からんけんど、この煮物・・・オラ好きなんです」
「あ、美味しい・・・・・私ね、こういう煮物も好きで自分でも作ってるんですよ」

「でっ? ・・・・・月姫子さん、料理出来るんけ?」
「・・・母が幼い頃亡くなったから、お手伝いさんに習って料理を作るんですよ? 父が煮物が好きなんです」

くすっ・・・私が料理をするといえば朝市さんたら、驚いた顔してるし・・・・かよ姉さん、私の煮物、なかなか美味しかったでしょ?

そう話しかければ、かよ姉さんが朝市さんに・・・・・

「月姫子さんの料理は煮物でも洒落てて、すごく美味しいじゃ! 他にも女学校時代に先生に習ったって料理も美味しいじゃ!」
「もう、かよ姉さんたら、褒めすぎですよ! 今度もしパーティーで人を集める時は私に任せてね!」

「そんときは頼んます!」
「そんなに当てがあるんですか?」

朝市さんと、かよ姉さんには話してもいいかな?

「実は女学校時代、私ね・・・ 舞台に立ってたの。 それで先輩や同級生、後輩と私を慕ってくれる方がいてね。 今でもお茶会とかしてるのよ」

「ふえ〜〜・・・・・すんごい話だなぁ〜〜」
「ふんとになぁ〜〜・・・ でも月姫子さんなら綺麗なお姫さんに、なるんじゃろうなぁ〜〜」



オラがお姫さんになるんじゃろうと云えば、月姫子さん少し照れたような顔してるし。

「実は・・・ずっと男役の主役をしてました」
「でっ! 男の人の役だけ?」
「・・・・・・それも月姫子さんなら、似合うずら・・・」

「私しかいないとか言われて、ずっと男役でした! ・・・・・でもそれがお友達を増やしてくれたし、私も楽しかったわぁ〜〜・・・」

うふふ・・・と、笑う月姫子さんを見ていると、人が惹きつけられるのが、ふんとに分かるだ。

「美味しい・・・」

煮物を頬張って、美味しそうに笑う彼女が、眩しいだ。



花の結婚式も終わり、片付けもして家に帰るとオラは、月姫子さんに渡された手紙を開封したじゃ。

その手紙には、花の結婚でオラが落ち込んでねぇーか心配してる月姫子さんの言葉と、明るくして励ましてくれてる暖かな文面に、オラは・・・・・・オラは・・・・・・感謝した。


文面の最後に、こんなことが書いてあっただ。


・・・・・・・朝市さんが、小さな頃から見ていた甲府の風景を、また見に来てもいいですか?


「そんときはオラが、案内するじゃ・・・・・」

オラは、そう手紙の返事を書いて送ったんじゃ。。。





1話目です。

窪田さん演じる朝市君は、ドラマでもヒロインを支える一途なところが人気で、スピンオフも作られたんですよ!

私の妄想話は別物なので、楽しんで下さい。


関連記事

コメント

Secret

プロフィール

すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

ブロとも一覧


Cat Home

暁の唄

ちび眼鏡日記

月が浮かぶ夜

まきまきまき

うみにふわりふわり

snowdrop

みやびのブログ

よみよみ

SweetBlackな世界

日々のこと

きみと手をつないで

shibushibuuu

ゆめの世界

井の中の蛙

月の舟 星の林

古いおもちゃ箱

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。