③ 後編☆《月くんの彼女事情》

後編です!

さてさて、ベタな展開&ライバル(?)登場!
そして、甘々な2人を楽しんで下さいませ。。。





俺は夜神月(やがみ・ライト)・・・ 杉並経済大学に通う普通の大学生。

何事もなく普通に過ごせればいい、そう思ってる俺の少し普通じゃない事はというと・・・・・・可愛い彼女なんだけど。。。




「さ、レストランに行こっか」
「はい」

大学を終えて、予約してあるレストランに行くまでに時間があった俺と星ちゃんは、彼女のマンションに来ているんだ。

コーヒーを飲みながら待ってる俺だけど、デートならオシャレしたいなんて可愛らしい事を言う彼女の、着替えを待ってるんだ。


カチャ・・・・・・ドアの音がして出てきた星ちゃんを見て、俺・・・・・・ドッキドキなんだけど。

白のワンピースに、真っ青のレースの切り替えがあってさ、星ちゃんに良く似合うんだ。

レースと同じ蒼色のカーディガンを羽織ってる彼女は、メガネを外し、化粧もしてて・・・・髪も解いてて、すごく綺麗なんだ。


思わず見惚れてしまってた俺に、不安そうな顔して側に来る彼女が俺を見上げて・・・・・・って、その上目遣い反則だからっ!!!

「あのっ・・・ 似合わない・・・かな?」
「うっ、ううん、すっ・・すっ・・すごい良く似合ってるよ! 見惚れちゃった」

「ほんとう!?」
「うぐっ!!!」

パァァ〜〜っと俺の言葉に、嬉しそうに笑顔になる彼女に・・・・・・・

「えへへ」なんて照れてる彼女に・・・・・・・たまらなくて、俺は抱きしめた。

「すごい・・・・綺麗だ。 ね、キスしても・・・・・いい?」
「・・・・・うん」

真っ赤になる星が可愛くて、そっとキスをしたのは最初だけで・・・・・すぐに舌を絡める深いものになっていった。


俺の腕や服をキュッと握る感触・・・・・・・

慣れない彼女が息苦しくなって、ハフハフ言うのも可愛い・・・・・

深いキスを続けると、クタって力が抜けて俺に寄りかかる君も、可愛い・・・・・・

そっとソファーに座らせて、キスを続けようと顔を近づける俺を、真っ赤になりながら嬉しそうに見てくれる、君の真摯な目が・・・・・・・・・大好きなんだ。


何度も繰り返したキスを終えれば、俺の胸に額をつけて俯く君の・・・・・・・耳が赤いのも、好き。

「星ちゃん・・・・・・」
「月くん・・・・・・」

「ごめんね、オシャレした星ちゃんみたら我慢できなくて・・・・」
「・・・・・・・・ううん、いいの」

でもそろそろ離れないとな、予約の時間もあるし・・・・・・星ちゃん!

「はい」
「口紅、取れちゃったね・・・・・」

「な、直してくるね!」
パタタっと寝室に化粧直しに行った星ちゃん、すぐに戻ってきたから「行こっか」って声をかけたんだ・・・・・・そしたら。

ティッシュを差し出してきた星ちゃんに、「ん? なに?」って聞けば・・・・・・あっ、そうか!

「あのね、グロス・・・・・ついてるから」
「・・・・・ありがと」

自分の口を拭えば、ピンクでキラキラしたのが付いてた・・・・・・星ちゃんの口紅か。


でも・・・ 真っ赤になって俺を見てる彼女に、またキスしたくなってくるのを考えないようにして、2人でマンションを出たんだ。



「予約した夜神です」
「いらっしゃいませ、お待ちしておりました・・・・・・どうぞ、こちらへ」

レストランについて店員さんに案内されたのは、個室になってて、2人だと余裕な大きさなんだ。

女子が好きそうな内装で、俺のバイトしてる居酒屋とは違うよな・・・・・・

「何にする?」
「月くん、何にするの? ・・・・・私、慣れてなくて・・・・なに頼んだらいいのか、分からないの」


「ん〜〜〜・・・じゃあ、俺が頼んでもいい?」(予算と照らし合わせて、コレかな〜〜)
「うん、月くんにお任せする!」

くすくす・・・・・ホッとしたような星ちゃんが、可愛いな。

ここは評判通りオシャレなのに手軽な値段のコースとか色々あって、俺は中くらいのコースを頼んだんだ。


・・・・・・・・・ん〜〜〜、こうやって一皿に何種類もの前菜や、メインが並ぶけど、正直・・・・・・食い足りない。

でも色とりどり鮮やかなのは、女の子が好きそうだし、星ちゃんもニコニコで食べてるし、来て良かったなぁ〜〜

「美味しい〜〜・・・・・」
「うん、美味しいね」

「ありがとう月くん! 素敵なレストランに連れてきてくれて・・・・・・」
「良かった・・・・」

星ちゃんの顔が、すっごく明るくなってて・・・・・俺も、嬉しいよ。


そうしてデザートが来た頃、俺はトイレに立ったんだ。

ついでに会計も済ませておいた俺は、部屋に戻ろうとして・・・・・・聞いたことある “ 声 ” に気がついた。

視線をやれば、テーブル席のなかで賑やかな10人ほどの団体を見つけて・・・・・・その中心にいる女を、見つけてしまった。


髪を巻いて、化粧を塗りたくって、隣の男の皿にせっせと食い物を盛っているのは、黒谷由香里(くろや・ゆかり)だった。

関係ない・・・・・・俺たちには関係ない!

せっかく食事を楽しんでいたのに、黒谷に見つかればまた星に何か言うかもしれない。

・・・・・・・ここは早く星を連れて帰った方がいいな。

俺はそう判断して部屋に戻ったんだ。






「・・・・・歓迎会って、まだ終わらないんですか?」
「え? L君・・・帰りたいの?」

それってぇ〜〜・・・・・早く私と2人になりたいってこと???

「あとデザートを食べたら終わりよ?」
「そうですか」

タイミングよくデザートが運ばれてきて、美味しそうなアップルパイにバニラアイスが添えられて運ばれてきたの。

「このアップルパイはね、百合香のお手製なんだよ!」
「百合香さん、女子力ハンパないですね〜〜、うまそう〜〜〜」
「うわぁ〜〜感激っす! 百合香さんお手製なんて、嬉しすぎるぅ〜〜」

興奮する皆に私は、にこやかに「そんな大した物じゃないわ」と言っておくの、そしてL君にはね、こっそりこう言うの♡

「これは、L君のために作ってきたの! 食べてね♡」
なんて耳元で囁いたんだぁ〜〜〜

さぁさぁ、早く! 食べなさいよ! ほらほら、フォークで・・・・・美味しいわよ〜〜・・・・・くすくす。


「・・・・・・・・おいしい」
「でしょう? L君のために、心を込めて作ったの♡」

今がチャンスとアピールしている時、ふとL君の後ろを見れば・・・・・・あはは、あれって天川の彼氏じゃない?

横には天川とは比べ物にならないくらい綺麗な女を連れてて・・・・・・もしかして、あっちが本命!?


ふふふ・・・・・あはは・・・・・あ〜〜可笑しい!!!

天川ったら騙されてるんじゃないの〜〜・・・・あんな地味女子に彼氏なんて、できるはずがないって思ってたのよ、私!

やっぱり他に女がいるじゃない!


・・・・・・・・イイコト、思いついちゃった。

私はカバンからスマホを取り出し、2人を追いかけたの。


店のレジの所で待ってた私は、2人がきた所を・・・・・・シャッターチャンス☆ 写真を撮ったんだ〜〜

「・・・・・いきなり何するんだよ!」
「・・・・・ビックリしました」

「ふん! あんた天川の彼氏でしょ? 横の女はなに? そっちが本命なの?」
「・・・・・・なに言ってんだ?」

「天川には他に女がいるなんて黙っててあげるわ・・・・・・だから、天川にアップルパイを作るよう言っておいてね!」

「はあ? なんだよそれ!」
「いい? あんたは私に弱味を握られたの! だ・か・ら! 私の言う通りにすればいいのよ!」

よしよし、これで天川のアップルパイはこれからも確保できるわ!

私はスマホを持って、2人を嘲笑ってたの。

ここ半年、私の命令に反抗ばかりしてる天川に、彼氏を操って言う事を聞かせてやれるわ。


オーホッホッホッ!!! 文句があるならベルサイユへ、いらっしゃい!!!

ああ、愉快・・・愉快・・・・・・そのとき、その女が初めて話しかけてきたの。



「何か勘違いしてるみたいだけど、私だよ? 天川 星だよ?」

・・・・・・何を言うのかしら? 目の前のこの女が天川!?

「嘘言わないで、天川みたいな地味女子があんたみたいな美人じゃないでしょ? まあ、私の方が美人ですけど!!!」
「えっと、えっと・・・・・コレなら分かるかな?」

そう言って目の前の美人が鞄からメガネを出してかければ・・・・・・・・嘘っ!!! 天川じゃないの!!!

嘘・・・・・・嘘でしょ? メガネを取って、三つ編みを解いたら美人でしたって少女漫画の世界じゃないんだから!!!

呆然としてる私の前を、天川を庇うように連れて歩く天川の彼氏・・・・・・なんて言ったっけ?

「かがみ? さがみ? ・・・・・・あっ、やがみ!!! そうだ、夜神って言ったっけ、あんた!」
「いきなり呼び捨てかよ・・・」




なんだ? 黒谷がいきなり俺を呼び捨てにしたと思えば、呆れてる俺の腕を取ってグイグイ引っ張っていく。

「なんだよ、どこ行くんだ?」
「いいから、来なさいよ!」

「月くん!」

あれよあれよと連れて行かれたのは黒谷がいたテーブルで、無理やり座らされたんだ。

戸惑いながらも付いてきた星ちゃんも、黒谷は席へと座らせたんだが、何がしたいんだよ???

「百合香さん、こちらは?」
「誰よ、百合香」

「私の友達の天川さんと、その彼氏の夜神さん! そこで偶然会ったから誘っちゃったの♡」
なんて白々しく黒谷が言うと、周りの男女が納得したとかなんとか言い出した。


そうか、こいつら黒谷の取り巻きなんだな。。。

鴨田が言ってたけど美人な黒谷には男女の取り巻きがついてて、近づけないとかなんとか・・・・・・


それで? 俺たちを自分のイエスマンしかいない中に連れてきて、どうするつもりなんだ・・・・・・

俺は隣に座って不安そうにしてる星ちゃんの、手を強く握った。

「大丈夫・・・・・俺がいるよ」
「うん・・・・」

なんだったら星ちゃんを連れて、すぐ出られるようにと身構えておく。

「ねえ、彼女・・・・・素敵になったと思わない?」

「そういえば・・・・・天川さんってもっと地味な子じゃなかった?」
「そうそう! メガネに三つ編みなんて昔の女学生みたいな格好してる子よね?」
「キャハハハ! 思い出した〜〜! あんな格好してるの彼女しかいないよね、ある意味貴重!?」

黒谷の声に真っ先に反応したのは側にいた女子達で、何が可笑しいのか大袈裟に笑い出していた。

「でも今日はこんなに素敵になってるのよ、最初分からなかったもの・・・」
「もしかして整形したとか? だったらその病院、紹介してよ〜〜」
「今は技術が進んでるって聞いてたけど、あんな子がこんな綺麗になるなんて、よっぽど腕がいいのねぇ〜〜」

「あのっ・・・私は、整形とかしてないです」

真面目な星ちゃんが違うといえば、女子達が周りを囲んでジロジロと見はじめる。

人見知りの彼女が、無遠慮な悪意のこもった視線にどんどん下を向いてしまった。


その様子を見た黒谷が、ニンマリと嗤ってる。。。


そうか、言うことを聞かなくなった星ちゃんを、こうして困らせるために連れてきたんだな。

俺は立ち上がって、彼女を連れて帰ろうとしたんだ・・・・・その無機質な声が聞こえるまでは。


「あの〜〜・・・僕は もう帰ります」

ボソッと呟いたのは、シャツもパンツも靴も真っ白な男で、初めて見る顔だった。

「え〜〜L君もう帰っちゃうの? まだいいじゃない〜〜」
「いえ、僕にはもう歓迎会なるものは意味をなさないものと、分かりました」

「は?」
ポカンとする黒谷に、そのLとかいう男は無表情に話している。

「この人達は君の取り巻きで、君はこの人達にイエスと言わせて御満悦のようですが、そういう中に僕が組み込まれるのは甚だ遺憾ですから・・・・・・・」

「 “ 普通の大学生 ” なるものを経験した方がいいと勧められましたが、やはりくだらないものだと分かりました。 自分の欲望にしか興味のない人間に、僕は1ミリも興味を持てません」

「私を見て何も感じないの? 可愛いでしょ? 美人でしょ? こんな女の子、恋人に欲しいでしょ?」
「あなたを恋人に? 僕の恋人という意味でしょうか? それなら返事はNOですね。 私は自己顕示欲の塊のような女性には興味も関心も、持てません」


うわぁ〜〜・・・・・ キッパリ言われてる。


「あ・・・アップルパイ美味しかったでしょ? 私の恋人になれば毎日焼いてあげるわよ!」

ちょっと待て! それは星ちゃんが焼いたアップルパイだろ? なに取り引きの条件にしてるんだよ!

本当のことを言おうとした俺は、星ちゃんに手を引っ張られたんだ。

「月くん・・・・・・言わないで」
「でも!」

「お願い・・・・・」
あんな馬鹿にされても、君は黒谷を気遣うんだね・・・・・・

優しい彼女が大好きだけど、歯痒くも思うんだ・・・・・・・でも、そんな君が大好きだよ。。。

君が頼むから俺は黙って、成り行きを見ていたんだけどさ、あのLってヤツ・・・・・なかなか鋭いんだな。


「それは無理でしょう? あなたがアップルパイを毎日焼くなんて・・・・・・無理ですね」
「どうしてよ!」

「昨日、見てしまったんです・・・・・あなたが大学のゴミ箱にアップルパイを捨てたところを」
「え?」

「・・・・・なぜ美味しそうなアップルパイを捨てたのか気になりましてね、大学の監視カメラを見て分かりました」


「あのアップルパイは中庭でそこの女性が、男性に食べさせていた物です。 そこに突然あなたが現れて、力づくで奪って行った・・・・・それだけならまだしも、あなたはすぐにアップルパイを捨てました」

「見た? 監視カメラを? え?」
「僕の言う事が理解できませんか? 大学に設置されている監視カメラで、あなたの行動を見たんですよ・・・」

「いくら外見を取り繕おうと、人の物を奪い、そして簡単に棄ててしまうような人に僕は、興味も関心も・・・・・好意も持てませんね」

「なによ! 留学生だから優しくしてあげたのに! 私の事をバカにするなんて、許さないから!!!」

ワナワナと震えながらLを罵倒する黒谷だが、相手は平然としている。

「バカになんてしていませんよ? あなたの自慢の外見に1ミリも魅力を感じないだけです・・・・ああ、内面は反吐がでるほど嫌悪していますがね〜〜」


ニッコリ笑いながら言う事じゃないと思うけど、Lってのも変わってる。。。


少し猫背で、後ろで手を組んだまま歩いてくるけど・・・・・・え? 星ちゃんの前で止まった???


「私が興味を持ったのはこちらの女性の方です」
「へ? わ、私?」

「はい、あなたです。 あなたはお菓子を焼くのを強要されていたのに、先程、彼が本当の事を言おうとしたのを、止めましたね。それは何故ですか?」
「・・・・・・・」

「きっと美味しいアップルパイを焼いたのが自分だと知られれば、彼女が恥をかくと思ったからでしょう? 散々からかわれていたのに・・・・・・あなたはきっと、優しい人なのでしょうね」

そのLの言葉に取り巻きの男女がザワザワと騒ぎはじめた。

「え? いつも手作りだって自慢してたアップルパイって、本当は天川さんに焼かせてたの?」
「確か・・・・・大学1年の時からよね? 百合香がアップルパイ持って来てたのって・・・・・」
「人に焼かせたのを、自分が焼いたって・・・・・・いくらなんでも、やり過ぎじゃない?」

取り巻きからの視線が、どんどん冷たい物に変わっていく・・・・・・

あんなに黒谷を持ち上げてたのに、この変わりようは・・・・・・・なんなんだよ!


「あ・・・・あ・・・・なに? ・・・・・そんな目で・・・・・・・見ないでよ〜〜〜!」
周りの変わりように怯えたような黒谷が、その場から走り去っていった。

突然のことだから俺たちは動けなくて・・・・・そうしたら星ちゃんが、Lの前にスックと立ったんだ。



「・・・・・・何故ですか?」

星ちゃん? どうしたの? キッとLを強い目で見上げる彼女は、どこか必死で・・・・・・なんでだろう?


「そこまで分かっているなら、皆が聞いている中で言うことないじゃないですか・・・」
「・・・・・・・」

「私は2人のときに、ちゃんともう焼かないと話してました。 他の人には知られないように2人のときに! それなのに、どうして此処で話したんですか?」
「・・・・・・・どうしてですか? 彼女を気遣う意味が、私には分かりませんが・・・」

「・・・・・・・友達だからです! 行き過ぎな行為や、誤解もあったけど、でも・・・でも・・・・・いちばん最初に “ 友達になろう ” って言ってくれた人だから・・・・・・・だから!」
「・・・・・・・友達、ですか」

「星ちゃん・・・・・」

嬉しかったんだね、黒谷に利用されるだけでも・・・・・それでも最初に友達だと思ったから、君は一生懸命だったんだね。

「星ちゃん・・・・・・帰ろうか?」
「・・・・・・月くん」

涙目になった彼女の肩を、そっと後ろから掴んで俺に振り向かせた・・・・・・

「うん・・・・・」

俺は彼女と手をつないで、店を出て行ったんだ。。。




「・・・・・・・・・・可憐だ」

僕の目の前で必死に噛みついてきた彼女・・・・・・まあ、子犬が吠えてるくらいですがね。

小さな体で精一杯きゃんきゃん吠えてる様子は、頬がゆるむほど可愛らしくて・・・・・・その言葉の中身は、いじらしいほど誠実で・・・・・・・

澄んだ黒い瞳が美しい・・・・・・・思わず、この僕が、引き込まれてしまいました。


おそらく人見知りな彼女を利用しようと近づいた黒谷のことを、彼女はかけられた言葉のままに “ 友達 ” として受け入れたんでしょう。

そして友達として、誠心誠意付き合ってきた。

その彼女の秘密を満座の中でバラした僕に、怒りを向けてきた・・・・・・くっくっくっ、なんて素晴らしく “ 良い人 ” なんでしょうか、彼女は・・・・・


面白い・・・・・くだらない大学生活だと思っていましたが、やっと出会えましたね。

「・・・・・・天川 星さん」

可憐な容姿に、誠実な心の持ち主・・・・・・面白い、非常に興味を持ちました。

そしてあのアップルパイ・・・・・毎日でも食べたいほど美味しかったです。


彼女の心と、彼女の作るアップルパイ・・・・・・実に、興味深いですね。。。


「では、私も帰ります」

店の前に出た僕の前に、1台の車が音もなく止まった。

ガチャッ! と、ワタリが開けた扉の中に、僕は滑り込んだ。


「ワタリ・・・・・・やっと面白くなってきたよ」
「それはようございました」


明日から、楽しみになりました。。。






次の日から黒谷は取り巻きもなく、ポツンと大学で過ごしていた・・・・・・

あれだけチヤホヤしていた男も女も、蜘蛛の子を散らした様に周りからいなくなった黒谷は、今までの自分の傲慢さを後悔した。


そして自分が去ったあとに天川がLに食ってかかったと聞いた彼女は・・・・・・素直に謝りに来たのだった。

天川が彼女を許した今、2人は本当の “ 友達 ” として付き合い始めたのだった。


「星ちゃんさ、髪の毛・・・巻いてみたら? きっと可愛いよ」
「え? 百合香さんみたいに上手くいかないし・・・・・・似合わないよ」

「任せなさ〜〜い! ふふん、私にかかればチョロいもんよ!」
「でも・・・」

「はいはい! 四の五の言わない! ・・・・あんたはせっかく綺麗なんだから、もっと手をかけた方が良いんだって!」

そうして携帯のヘアアイロンなどを使って緩やかな巻き髪に、自分愛用の化粧品で星をメイクした黒谷は、満足気に腕を組んだ。

「ふっふっふっ・・・・・・自分の才能が怖くなるわ。 さすが私ね!」
「え? どうなったの? あ、鏡・・・・・・」

「見ない! さ、あんたの彼氏に見せに行くわよ! 今から同じ授業でしょ?」
「百合香さん? どうなってるの? え?あの?」

星の背中を押して廊下を歩く黒谷は、周りの人間が男も女も星のことを振り返って見ているのに、満足している。

「ここ、ここ! 到着!」
「あ、月くん・・・・・」



「月くん」
「ん?」

星ちゃんの声に後ろを振り返れば、そこには・・・・・・・もの凄く綺麗な彼女が立っていた。

「バァー! 驚いたでしょ?」
「・・・・・・また、お前か」

この頃の黒谷は星ちゃんをメイクして、周りの反応を見るのが楽しみだとか何とかで・・・・・毎日、彼女を弄ってるんだ。

そりゃ、俺だって綺麗になる彼女は嬉しいよ?
だけど・・・・・余計な虫が寄ってくるから、たまんないんだ!!!

鴨田なんか大喜びで、ファンクラブの会報の写真を撮るときのメイクを、黒谷に頼んでるし。。。


他にも俺が側にいないとき、例えば別の授業のときとかさ、ナンパされてるし・・・・・・

俺は彼女が心配なんだ。


「今日は髪の毛がくるくるしてるんですね、可愛らしいです」

・・・・・・・・寄ってきやがった、この前の真っ白な男が。。。


あれからLとかいう男が、星の取ってる授業の全てに現れるようになったんだ。

現れるだけならまだしも、ちゃっかり隣の席に座るし、ちょっかいかけてくるみたいだし・・・・・・もう、何なんだよ!!!


「天川さんに興味がありまして・・・・・・」
「いきなり同じ授業だなんて、おかしいだろ? この前の監視カメラを見たとかもそうだけど、何か変じゃないか?」

「変ではありませんよ? 僕は留学にきて間もないですからね、授業の選択は僕に任されてるんです」
「彼女は俺の恋人なの、だから他の男に側に寄って欲しくないわけ! 分かる?」

「ステディーなのは分かりますが、別に結婚しているわけではないのでしょう? ならばまだ余地があると僕は思います」
「はあ???」

「彼女、僕が奪います!」
「断る!!! 」

・・・・・・・・・・頭が痛くなってくる。

こういうのってアメリカな感じなの? 日本じゃ恋人のいる女性を堂々と奪うなんて、宣言はしないんだよ!

「あ、僕は確かにアメリカからの留学生ですが、出身はイギリスです」

だからどうだって言うんだよ! アメリカだろうが、イギリスだろうが、星ちゃんは・・・・いや、星は、俺の大事な恋人なんだ!!!

お前だろうと、誰だろうと、絶対に渡さないからなっ!!!


「あはは、宣言してる〜〜〜! 夜神月、星ちゃんの顔見てみたら?」
「は? ・・・・・・・・あ」

ど、ど、どうしたの? 星ちゃん、真っ赤になってるし、涙目でウルウルしてるし・・・・・・黒谷っ! お前なんかしたのか!

「何もしてないわよ・・・・・・夜神月が堂々と星ちゃんを俺の物だ!って宣言したから、感動してるんじゃないの?」
「え? そ、そうなの?」

聞けばコクン!と頷く君。。。


「・・・・・嬉しいです。 すごく、すごく・・・・嬉しくて・・・・・」
「嬉しくて、泣きそうなんだ・・・・・・・」

ああん、もう〜〜〜・・・・・・反応が可愛すぎだから〜〜〜!

今すぐどこか人のいない所に行って、君を思いっきり抱きしめたいのに・・・・・授業があるから、我慢しなきゃ。


俺は彼女の手を取って、自分の横に座らせて・・・・・・・そのまま手をつないでいたんだ。


「可愛らしい恋人達ね・・・・」
「羨ましいですか?」

2人の後ろの席に座った黒谷とLが、ぽつっと会話していた。

「そうね、私も今度は・・・・・素のままの自分で恋をする!」
「素のまま・・・・・では今までは違ったのですか?」

「そうね〜・・・けっこう無理してたかな? 今がほんとに楽だわ!」
「それは結構ですね」

「・・・・・・素のままの私と友達になってくれた星ちゃんに、今度は私が誠意を尽くすの」
「・・・・・・変わりましたね」


「目が覚めたのよ・・・・・・・」

そう言う黒谷は、前よりも化粧が薄く、そして・・・・・・晴れ晴れとした “ 好い顔 ” をしていたのだった。





後編、終わります!

人間、いつだってやり直せるはず!

黒谷さんはこれから、気さくな性格に戻るつもりです。

女の子しようとして、変な傲慢さを持っちゃった彼女ですが、そんな嫌なものはポイポイ!しましょう(笑)

これからヒロインの良い友達になるんじゃないでしょうか?・・・・・・なんて。

楽しんで読んでいただければ、嬉しいです!

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プロフィール

すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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