③ 前編☆《月くんの彼女事情・・・ 》

普通のカップルで甘々で、イチャつく・・・・・・そんな幸せな月くんを書きたくて始めました。

いずれ名探偵のLも、絡ませていきたいですね。
《デスノート》連載では出さなかった月くんとLのテニス対決も、書きたくて仕方ないです。

今回は星ちゃんのアップルパイに絡んだ、お話です。

月くんがナイトになって、彼女を守ります!

そんな私の妄想話を、楽しんで下さると嬉しいです。





俺は夜神月(やがみ・ライト)、杉並経済大学に通う普通の大学生だ。

将来は安定してる公務員になることで、普通に食べていけたらいい・・・・・そんな俺が少し普通じゃないのは、可愛い彼女ができたことなんだ。。。



「月くん、お弁当♡」
「あ、作ってくれたんだ・・・・ありがとう! じゃ、中庭で食べよっか」
コクンと頷く彼女を連れて、気持ちよく晴れてる中庭に向かったんだ。

星が持ってきてたレジャーシートを広げて、お弁当を渡される。

星の弁当より大きな俺の弁当箱・・・ これ、2人で選んだんだよな。


パカッと蓋を開ければ美味しそうなオカズが並んでる・・・・・・キンピラに卵巻き、インゲンの胡麻和え、鶏肉の照り焼きに赤いタコさんウィンナーって、キレイな彩りとバランスを考えたお弁当が嬉しい。

ご飯もツヤツヤで、真ん中に梅干し・・・・昨日は黄色いタクアンだったなぁ〜。

「でもさ、毎日って大変じゃない? 無理しないでいいよ?」
「ううん、副菜は前の日に作るし、今朝は玉子巻きと鶏肉を作るだけだもん、無理してないよ?」

「それならいいけど・・・・・ほんと、無理しないでね? 学食で食べるのもさ、楽しいよ」
付き合い始めだから、まだぎこちない会話なんだけど・・・ 俺は彼女と一緒なら何を食べても美味しいと思うからさ・・・・

「・・・・・・学食は、苦手なの。 それに私はバイトもしてないから・・・時間あるし」
学食、苦手なのか・・・・・わりと美味いと思うけど。


その時は彼女が “ 学食が苦手 ” って言った本当の意味を、俺は知らなかったんだ。



月くんはすごく優しい人。。。

毎日、お弁当を作ってくる私を心配してくれてるんだ。

亡くなったお母さんの代わりに家事をこなしてる月くんだから、毎日のお弁当の大変さを分かってくれてるんだよね。

でもね、私がお弁当なのは前からだから、慣れてるんだよ?

夕飯の時に副菜を多めに作っておいて、それを翌日使う分と冷凍しとく分に小分けしてストックしたりしてるし、朝に作るのは焼いたりできるものだから。

それに、美味しいって食べてくれる月くんが嬉しくて、全然、手間とか苦じゃないんだよ?

そう話せば月くん、やっとホッとした顔して笑ってくれた!

う〜〜〜ん、その笑顔が好きなの♡ ・・・・・・これは恥ずかしいから言えないけど。。。


私ね、まだ月くんに言ってないけど、 “ 学食が苦手 ” っていうのはね、メニューに不満があるんじゃなくて・・・・・

そこに行くと “ 苦手な人 ” に捕まるからなの。



「・・・・・・どうかした?」
さっきの学食の話から、彼女の顔が曇っているのが気がかりで・・・・・つい、聞いてしまった。

「あのっ! あのねっ! 」
「うん、聞くよ?」

俺を見た彼女の瞳が、思いのほか必死な目をしてて・・・・・・何か訳があるんだね、うん、ちゃんと聞くから・・・・

話してくれたら、嬉しいよ。。。

「あの・・・・・・あの・・・・・・」
だんだん小声になる彼女が、言い出せないんだなって分かっちゃった。

「・・・・・・俺さ、学食より星ちゃんのお弁当の方が何倍も好きだよ! だから、作ってくれて、ありがとう! ・・・・明日も、楽しみにしてるね」

「・・・・・・・月くん」
「・・・・・・・反則だから、ソレ・・・」

眼鏡の奥の大きな瞳がウルウルと潤んで、嬉しそうな、それでいて少し哀しそうな笑顔で、俺を見上げてくるの反則だからね?

大学の中庭なのに、キスしたくてたまんなくなっちゃうから!

・・・・・・・引き寄せて抱きしめて、そのプルンてしてる甘い唇に俺ので触れたい・・・・・そんな欲求が突きあげてくるんだからね!


この前プレゼントした眼鏡がよく似合ってて、彼女の表情が前の眼鏡より格段によく分かるんだ。

そのおかげ(?)でさ、今みたいにドキッとする事が多くて、嬉しいんだけど我慢するのが苦しいから、なんだかややこしいんだ。


「そうだ、私ね月くんと食べようと思ってアップルパイ作ってきたの!」
「アップルパイ・・・・・楽しみだな」

紙皿とフォークを鞄から出した彼女が、小ぶりのホールのアップルパイを見せてくれたんだ。

良い匂いがするなぁ〜〜・・・・・ ワクワクと切り分けられたピースをもらって、一口。。。


「うん、美味しい! 何これスッゴク美味い!」
今まで食べたアップルパイでも、コレ最高! 俺はパクパク食べちゃったんだ。

「たくさんあるから食べてね♡」
「うん、ありがとう! 遠慮なく食べるね」

お代わりを乗せてもらって食べたアップルパイ・・・・・・すると突然、後ろから声をかけられたんだ。



「お久しぶりね、天川さん。 探してたのに、見つからないと思ったらこんな所に居たのね」
「黒谷さん・・・・・」

後ろに立ってたのはこの大学でも有名な女子で、俺も顔と名前は知っていた。

黒谷百合香(くろや・ゆりか)、取ってる授業が全然違うから話した事はないけど、鴨田経由の噂だと大学1美人とかだったかな?

俺は、星ちゃんが1番だけどね・・・・・・


でも、そんな有名人がなんで星ちゃんに? 友達、なのかな???


「明日、アップルパイ作って持ってきて! 分かった?」
「・・・・・もう、作りたくないって言ったよ?」

「いいでしょ? アップルパイの1つや2つ! 友達の私の言う事、聞けないっていうの?」
「・・・・・・私達、友達なの???」

「いいから、作ってきなさい!!! あんたはそれしか役に立たないんだから、黙って作ればいいの!」



・・・・・・・・なんだ、この女?

いきなり来てアップルパイ作って来いって、星ちゃんに命令して・・・・・・俺はムカついていた。


「あら、ここに食べかけだけどあるじゃない! コレはもらっていくわね♡」
「止めて! これは月くんに食べて欲しくて・・・・・」

ガッ!!! と手が伸びてアップルパイの入った箱を掴んだ黒谷に、星が手を伸ばしたけど・・・・・・危ない!!!

黒谷は星を・・・・・彼女を叩こうと手を振り上げたんだ。

俺が後ろから星を抱き寄せて交わしたけど、普通さ、女が叩こうとするか?

しかも人が作ったお菓子を奪うためにって、この女・・・・・頭おかしいんじゃないのか?


「明日、作ってきなさいよ! ここに受け取りにくるからね!」

そう言い捨てて去って行った黒谷は、星が作ったアップルパイを持って行った。



「星ちゃん、大丈夫?」
「う・・・・うん、月くんが守ってくれたから、大丈夫だよ」

「・・・・・・何が、あったの?」
「・・・・・・月くん」



あれは大学に入学して少し経った頃だったの。

私は人見知りが激しくて友達も出来なくて、いつも教室に1人だった・・・・・・それで良かったんだけどね。

ある日、いつも人に囲まれた黒谷さんが私に話しかけてきて・・・・・一人暮らしを始めたばかりで、人と話す事が嬉しかった私は喜んで友達になったの。


女の子同士の付き合いが楽しかったのは最初の1ヶ月ほどで、だんだん彼女の態度が変わっていったの。

「どう、変わったの?」
「飲み会のあと、私の家に泊まらせてって突然夜中に来たのが、始まりだったと思う」

一人暮らしって事も、部屋の場所も知られてて・・・ 携番もメアドも交換してたのに、何の連絡もないまま夜中の12時過ぎに酔ってる黒谷さんが来て・・・・・

ふらつく彼女を帰せなくて泊めたのが、運の尽きっていうか・・・・・・それから週に3日は来るようになっちゃったの。


大学では彼女、自分の着替えとか私に渡してきて「置いておけ」って・・・・・・命令口調になったのは、それからだった。

ある日、実家に帰ってた晩に彼女が来たんだけど・・・・・・窓ガラスを割って入ってたのには、帰ってからビックリしちゃった。

「え? 窓ガラスを割って? それってもう、不法侵入で警察呼ぶレベルだよ?」
「・・・・・その晩は実家に帰るってメールしておいたんだけどね」

「それからは鍵を渡せって言われて、私・・・・・彼女の事が怖くなって・・・・・母に相談したの」
「もしかして、だからあのマンションに引っ越したとか?」

あそこまでセキュリティーにこだわるの、少し過保護だなって思ってたけど・・・・・これは心配になるよな。


「母も新しい父も心配してくれて、ロビーにコンシェルジュのいる今のマンションになったの」

「それが2年の頃で・・・ 携帯番号もメアドも変えて、彼女に捕まらないよう逃げてたんだけど・・・・・さっきの学食が苦手っていうのも、彼女に捕まるから行きたくないってだけなの」

そうか・・・・・そうなんだ。
でもさ、なんでアップルパイにあんなに固執してるんだろう?

「・・・・・・・狙ってる男の人がいるとね、私の作ったアップルパイを食べさせるんだって・・・・自分が作ったって言って」
「・・・・・・自分で作らないの?」

「何度も教えたんだけど、彼女・・・覚える気がないの。 必要な分は、私に作らせればいいって考えてるみたい」
「なんだよ・・・・・・なんなんだよ、それ!」

どうしてそんな奴に星ちゃんは、従ってたんだろうか?

「ねえ、どうして黒谷の言うこと、きいてたの?」

曇った顔の星ちゃんが、哀しい目で俺を見つめてきた。

「最初ね、明るくて華やかな彼女から《 友達になって 》って言われて私ね、すごく、すごく、嬉しかったの・・・・・だから、私に出来ることならしてあげたいって・・・・・・・」


「・・・・・・・友達になりたかったの。 下僕じゃなくて、友達に・・・・・・なりたかったの・・・・・」
「星ちゃん・・・」

俺はそんな哀しい目をした彼女を見てられなくて、そっと彼女を引き寄せた。


彼女の俯いた頬に、涙が一筋・・・・・・流れていった。。。






そのころ黒谷百合香は、星の作ったアップルパイを持って歩いていた。

「このアップルパイ、男を落とすのにバツグンなんだよねぇ〜〜」

それにしても・・・・・・天川のヤツ、私に口答えしやがって・・・・・・下僕のくせに生意気!!!

大学に入ってすぐに、私は下僕候補を物色してたんだよね!
地味で大人しくて、少し強く言えば言いなりになりそうなヤツ! あと、友達もいなさそうなの!

そこで目に留まったのが天川なんだけどさぁ〜〜・・・・・ここ半年ほど隠れちゃってさ。

私には他に使える友人も、下僕も用意してあるからいいんだけどね・・・・・・コレ!

このアップルパイだけは、アイツじゃないと作れないから・・・・・2、3日前から探してたんだ。


大学1の美人の私は、入学してからずっと男からチヤホヤされるのが楽しくて仕方がないの!

食事も飲み代もみんな男の奢り。

プレゼントもたくさん貰ってるわ!
・・・・・・当然よね、美人な私が少しの時間だけど相手にしてあげてるんだから!


彼氏とかいても、キスだってたまにしか許してあげないの・・・・・私、そんな簡単にヤレるような安っぽい女じゃないから。

高価なプレゼントや食事、イベント毎の豪華なデート・・・・・男の下心を上手く交わして、お金を使わせるだけ使わせて、飽きたら別れる。

私の横に並んでもいいレベルの男に限ってだけど、付き合ってあげてるのよ?


だって私を連れて歩けるなんて、鼻高々でしょ?
自慢できる彼女になってあげてるんだから、私にプレゼントするのは当然のことよね?

この前、つまんない男と別れてから私に合うレベルの男がいないのよねぇ〜〜・・・なんて残念だったんだけど、見つけたの!


どうしても落としたい男が居てね、明日のサークルの飲み会に持っていくんだぁ〜〜!!!

あ、ヤバイ! 明日のためにネイルも髪もお手入れしなきゃ!!!


美容院とネイルサロン予約したし、授業なんていいから帰ろうっと!!!


いきおいで持って来ちゃったけど、このアップルパイ・・・・・・いらないや!

明日、新しいの焼いてくるだろうし・・・・・・・・ポイ!よ、ポイ!

私は近くにあったゴミ箱にアップルパイを放り込んで、大学から美容院へ向かったの。

明日、絶対に落としたい男のことを考えながら・・・・・・



その人は、ダーリントン大学からの留学生。。。

真っ白なシャツにパンツ、靴まで真っ白なんだけど・・・・・すっごいイケメンなの!

周りの女子が騒いでたけど、お生憎様・・・・・彼みたいなイケメンに相応しいのは、私よ。

私は取り巻きの1人に彼に話しかけさせ、サークルに誘ったの・・・・・そして、明日の飲み会に彼が来るよう話したのよ!

「それは、面白そうですね・・・」
「だから、参加しましょう? いいわよね♡」

決まり!!! なんて可愛らしくハシャイで、女の子っぽさをアピール!

うふふ、明日が楽しみだわぁ〜〜・・・・・・


私の美貌と、天川のアップルパイ・・・・・・この組み合わせで落ちなかった男はいないのよ。。。

うふふ・・・・・・愉しみぃぃ〜〜。。。




「星ちゃん・・・・・作るの?」
大学が終わり一緒に帰ってる彼女に聞いてみたんだ。

「うん・・・・これで最後にしてもらう」
「作るんだ・・・・・」

やっぱり優しいな、彼女は。
一緒にスーパーで材料を買うのを手伝った俺は、彼女のマンションに遊びに来たんだ。

「たくさん作るから、月くんも食べて?」
「俺も手伝うよ! ・・・・・あ、でもお菓子は作ったことないから、教えてくれる?」

「うん!」

それから星ちゃんとお菓子作りをしてたんだけど、これが意外に楽しくて・・・・・・あ、いや、星ちゃんと一緒にいるから楽しいんだ。

よく作ってるからだろうね、手際がいいんだ。

温めたオーブンに入れて、あとは焼きあがるのを待つだけ・・・・って、このオーブン凄いね。

「お菓子作りが好きだからって、父がプレゼントしてくれたの。 これなら2つ1度に焼きあがるし」

「出来たの貰っていいの?」
「うん! この間に私、お夕飯作るね」

オカズも持っていって? なんて言う星ちゃんに、だからあんなに材料を買ったのかと、思い至ったんだ。

最初から俺に持たせるために、あんなに買ったのか・・・・・・


こんな気づかいされるの、初めてだよ・・・・・・ねえ、星ちゃん。


思わず黙ってしまった俺に、星ちゃんが「どうしたの?」って聞いてくるけど、小首を傾げて聞いてくる彼女が愛らしくて、ギュッと抱きしめた。

「ね、焼きあがったらさ、俺ん家行かない? 一緒に食べよう?」
「あ・・・じゃあ、おかず作って持っていくね」

離したくない・・・・・・・俺は彼女のメガネを外して、顔をよせる。。。


「・・・・・ん・・んっ・・・・・」

キスの間に漏れる彼女の吐息が、色っぽくて・・・・・ますますキスを深めてしまう。

「星・・・・・大好きだよ」
「嬉しい・・・・・私も、大好き」

何度も何度もキスをかわす俺と星・・・・・・やっと離れられたのは、アップルパイが焼き上がった事を知らせるオーブンの音だった。


取り出したアップルパイ2つ・・・・・そのうちの1つを紙箱に入れて星が持って、夕飯の材料は俺が持ってマンションを出たんだ。


その夜、星の作った煮物やハンバーグに珍しく帰宅した父さんが、舌鼓を打っていた。

そして強面の刑事に似合わず、甘い物好きの父さんが、星のアップルパイを絶賛したのは俺たちの笑いを誘ったんだ。

星と妹の粧裕(さゆ)もすぐに仲良くなっててさ、「お兄ちゃんが星ちゃんを泣かせるような事したらシバくから、遠慮なく言ってね」なんて言うんだぜ!


お前さ、兄の扱い、酷くない???


「いや、星さん。 粧裕では物足りないだろうから、私に言いなさい。 分かったね」
「なんで父さんまで・・・・・・俺の扱い、酷くない? ね、星!」

「あのっ、月くんはとっても優しい人だから、きっとそんな事ないです! 」
真っ赤になりながら、一生懸命そう言う星が・・・・・・・すごく可愛くて、何か言おうとしたとき。

「きゃぁ〜〜星ちゃんカワイイ〜〜・・・・・料理もお菓子も美味しいし、お兄ちゃんじゃなくて私のお嫁さんになって」
なんて粧裕が言い出して星に抱きつくんだぜ!!!


「おい、抱きつくなよ!」
なんて俺が言っても妹のテンションの前には、聞こえてなくて・・・・・今日は泊まっていけだの、一緒に寝ようだの、女子会だの、言い出してて。

「お兄ちゃんのコト、色々教えてあげるね♡」
なんて言う粧裕が、悪魔に見えてきたんだ。。。

「まあ今夜は遅いから、星さんが良かったら泊まっていきなさい。 父さんはこれから署の方に戻るから」
「いや、送ってくから! 」

「ほら星ちゃん、お父さんも良いって! 決まりね、決まりぃぃ〜〜〜」
「勝手に決めるなよ・・・・・・粧裕〜〜」


ああ・・・・・誰にも止められない、妹のテンションに俺は頭を抱えたんだ。。。


そんなとき、粧裕の声が聞こえて・・・・・・俺はつい。。。


「一緒にお風呂に入ろうね〜〜星ちゃん!」
「え? 嘘だろ? 俺もまだなのに!?」

なんて言ってしまった・・・・・・・・・・ああああああ・・・・・・・

「「「 え??? 」」」( 粧裕、総一郎、星 )


「お兄ちゃんのエッチ! 星ちゃんの裸、想像しないでよ!」(汚いもの見るように、見るなよ・・・)

「月・・・・・お前、まだか?」(父さん、どういう意味さ)

「月くん・・・・・・/////」(真っ赤に照れるってことは、嫌じゃないのかな? ・・・そうだといいな)


でもそれから粧裕に「しっ、しっ!」なんて追い払われて・・・・・・俺、お前の兄だぞ?

結局、星ちゃん・・・・・・妹に取られちゃった、くすん。。。



早くに起きた星ちゃんと粧裕と朝食を食べて家を出た俺たちは、1度マンションに寄ってから大学に向かったんだ。

星ちゃんの手にはアップルパイの紙箱があったけど、何となく複雑にソレを見ていた。


そして昨日と同じ時間、黒谷は俺たちの前に来たんだ。

「はい、ちょうだい♡」
両手を差し出す黒谷に、星はおずおずと紙箱を差し出すけれど・・・・・・

「これで最後だから」
「生意気なんだから・・・・・・」
キッパリと言った星を、睨んでくる黒谷・・・・・・意地悪く歪む こんな顔みたら、何が大学1の美人だよって思うよ!

「ま、約束通り焼いてきたから、私に対する失礼も気にしないであげるわ」

・・・・・・・なんでそこまで上から目線なんだよ。

「それにしても・・・ 天川のくせに彼氏なんて作って、笑えるんですけど〜〜」

・・・・・・・止めろ、ジロジロ見るなよ!

「まあまあってトコかな? ちょっと着てる服がダサいけど、天川相手じゃコレくらいがちょうどいいわよね!」

そう言って高笑いしながら去っていく黒谷に、星が叫んでた。


「月くんは素敵な人です! あなたみたいな人に、勝手に判断される様な人じゃないの!」

・・・・・・・星、俺の事を馬鹿にされたら、そんなに怒ってくれるんだね。

自分のこと、散々言われても黙ってたのに・・・・・・・星、君って子は。。。


「月くんは優しくてカッコよくて、あなたなんかにそんな言い方されたくない!」
「いいよ」

興奮する星ちゃんをそっと抱きしめた。

「俺はさ、黒谷に何と思われようと平気だし、星ちゃんが怒ってくれたから、もういいよ・・・」
「ごめんなさい・・・ 嫌な思いさせちゃった」

しゅん・・・・・と、うな垂れる星ちゃんの頭をポンポン!として、手をつないだ。

「学食・・・行こっか!」
「・・・・・うん!」

それから星ちゃんには久しぶりの学食へと、俺たちは向かったんだ。。。






「ね、星ちゃん! 今日、ご飯行かない? バイト休みだし、いつも色々作ってくれるお礼したいし・・・」
何より黒谷の事で凹んでる君を、元気づけてあげたいんだ。

「ご飯・・・行きたいです! あ、でも粧裕ちゃんは?」
「ああ、平気! 朝、簡単に作っといたから」

「ね、俺とデートに行きませんか?」
「・・・・・・嬉しい」


頬染めて喜んでくれる可愛らしい恋人に、俺も嬉しくてさ・・・・・・今夜は2人で美味しい物、食べようね☆

あ、でもね! フランス料理とか、そんな高級なお店には連れて行ってあげられないけど、大学で女子が良いって言ってる所だから!

なんかね手頃な値段だけど、お店もオシャレで美味しいんだって!

実は諸水(もろみず)・・・ほら、千智(ちさと)に聞いたんだ。

あいつ、そういうの知ってるからさ・・・・・・その千智が1押しだっていってるから。

「楽しみです♡」
「うん、俺も楽しみ」

予約もしたし、星ちゃん・・・ 元気になるといいなぁ〜〜・・・




「カンパァーーイ!」

大学で話題になってるレストランを、飲み会にした私達は “ 彼 ” を囲んで乾杯したの。

「百合香、この店バッチリでしょ?」
「あんたにしてはセンス良いじゃない!」

「なに、それ〜〜・・・ 」
プッと膨れた顔する友達に、笑っちゃうんだけど・・・・・さ、狙ってる “ 彼 ” に集中しますか!

「あのLさんて、留学生って聞いたんですけど・・・」
「はい、そうです。 私はダーリントン大学からの留学生です」

「いつまでウチの大学にいらっしゃるんですか?」
「そうですね、ハッキリとは決めていませんが・・・・・半年から1年くらいでしょうか?」

「Lさんて、彼女さんとかいらっしゃるんですか?」
「・・・・・・・あなたは私に質問ばかりですね、どうしてですか?」

近くで見るとますますイケメン・・・・・・・その彼が私を不思議そうに見つめているわ。

髪もツヤツヤにして男受けする巻き髪だし、化粧も清楚系にしてピンクの可愛いグロスをプラスしてるし、ネイルも今着てるワンピースに合わせてるし、どこをどう見ても清楚系女子の私。。。

彼からの至近距離での視線も、大丈夫!!!

さあ、ここからよ・・・・・・少し恥じらいながら、首を傾げて彼を見上げるの。

「Lさんのこと、知りたいんです・・・・・・あなたの事が、気になるから・・・・・」

ヨシ! 上目遣いバッチリ! ワンピースから覗くチラ見せの胸の谷間もOK!

・・・・・・これで彼がドギマギしたら、私のことが気になってる証拠よ!


「・・・・・・・そうですか」
「え?」

あれ? え? なに、その素っ気ない態度? 私になんて興味ないって感じよね? 嘘でしょ、信じられない!!!


・・・・・・・はは〜〜ん、照れてるんだ! それともイケメンな自分が私に恋するなんて、信じられなくて戸惑ってる?

それも分かるけどね〜〜・・・・・・・だって私みたいな美人が、あなたの隣にいるなんて想像もしてなかったでしょう?

早く素直になっていいのよ!
私はあなたが告白すれば、付き合ってあげてもいいんだから♡

それから私は甲斐甲斐しく彼の世話をしていたの!

食事が運ばれてくれば小皿に盛ってあげるし、グラスが空いたら注文してあげてるし、飲み会の他の男子から彼が羨ましがられているのを聞いてたのよ。

「L、お前ばっかり百合香さんを独占して!! なんて羨ましい男なんだ!」
「百合香さぁ〜ん! 僕もかまって♡」

「今日はLさんの歓迎会でしょ? 私が代表して “ おもてなし ” してるのよ!」

ふん! あんた達みたいな雑魚、誰が相手にするもんですか!
馴れ馴れしく名前なんか呼んじゃって、ムカつくわ!

・・・・・・・・でも、サークルで “ 人気者 ” な私は、雑魚にも優しいから、我慢してあげる♡


「歓迎会・・・・・・」
「そうですよ、私は心からLさんを歓迎してるんです!」

「それは・・・・・・ありがとうございます」

んもう! ぶっきらぼうに言うのも、私に歓迎されて照れてるからよね・・・・・・可愛いんだから〜〜


絶対、落としてやるんだから!!!

店にデザートは私が持ち込んだ “ アップルパイ ” を出してってお願いしてあるし・・・・・うふふ、彼が私に落ちるのも、時間の問題よね。。。


ああ、美しいって・・・・・・・罪なのねぇ〜〜〜 オーホッホッホ!!!






このままだと果てしなく長くなるので、2つに分けます。

この後の展開は・・・・・・想像、できちゃいますよね(笑)

ちょっとベタな感じでいこうかと、思ってます。

そして、黒谷百合香のモデルは、ドラマ《 乙男・オトメン 》の小針田 雅(演者・桐谷美玲さん)を もっと悪くした感じです。

楽しんでいただけると、嬉しいです!

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すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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