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①《海は広いな、でっかいなぁ〜》by 柳川隆一

アルジャーノンの最終回、良かったですね。
私はてっきり元に戻った咲人くんが、1人で施設に行くんだと思ってました。

それが3人で再出発!!! もう、素敵なラストで胸がいっぱい!

それからの柳川くんを、書いてみたくて。。。

話の中でヒロインと柳川くんの会話がちょっと、下品ですがお許し下さい。



「あ〜〜〜海だぁ〜・・・・・ん〜気持ちいい〜」

仕事仕事で、気がつけばもうじき 30才。
それなりに儲けて、それなりに地位もできた私は、でも付き合う男性には縁がなかった・・・・・

『お前といると自信がなくなるんだよ』
そう言ってうな垂れたあの人は、アッチの方が勃たなくなったって聞いた。

『偉そうなんだよ! 』
そう言った奴は、私を殴り・・・・・・逆に私がボコボコにして終わった。

『ここの支払い、お前な! 当たり前だろ、お前の方が年収いいんだから!』
はぁ・・・・・金目当てのボケは、速攻こっちから切った。

そんなんばっか・・・・・・確かに、仕事仕事でさ・・・男性とお付き合いしようって気になったのが半年前だけど。

いくらなんでもさ、寄ってくるのが・・・・・・ああ! もう! せっかくバカンスにきたのに、こんなツマンナイ事は忘れるの!!!


ふん、顔良し、スタイル良しの私だもの恋の相手なんて幾らでも・・・・・・・はぁ。

落ち込んでんだよね、私。。。

勝気で男勝りで、女らしいってより男前と言われる方が多い私。
きっと男の人と、胸キュンする『恋』なんて、出会えないんだろうなぁ〜・・・・・

静かな、でもそこそこ賑わう海が見たくてやって来た私は、ホテルにチェックインしたあとは散歩にやって来たんだ。

マキシ丈のワンピースに、揃いのパーカーは白地に花柄の上品なもので、気に入ってるの。
日焼けも気になるから、ツバ広の帽子にサングラス・・・

海を楽しむ水着のカラフルさを見ながら、ゆっくりと海風を感じて歩いてる私・・・・・


「あの・・・カワイイね」
「へ?」
後ろから声がかかって振り抜けば、あらま、イケメンが立っていた。

「バーガー食べない? おいしいよ」
「くすっ・・・そうね、お腹が空いてるから、君について行こうかな〜」

「お姉さん、どこから? たのしい? ふふ・・・ 」
「ん〜・・・まだついたばっかりだから、楽しいのはこれからかな?」

・・・・・・・この人、子供みたいな話し方なんだ・・・きっと子供と同じように純粋な人なんだね。

「お名前、聞いてもいいですか?」
「咲人(さくと)! ぼくはサクトです!」
「お姉さんは、桜・・・・お花の桜だよ」

「サクラ、キレイね〜・・・・サクラ」
「咲人くん、あの車かな?」

私が指差した先には、登りの出た車があってハンバーガーの文字もある。

「あいきょでしょバーガー・・・かわいい名前なんだねぇ〜」
「あいきょでしょ! うふふ〜・・・あいきょでしょ!」

「咲人くんは愛嬌があるね!」
「あいきょでしょ! ついたぁ〜 おきゃくさんです」



昼を過ぎてからは客も減っちまったから、休憩してた俺はスマホで株を見てたんだ。

「あいきょでしょ! ついたぁ〜・・・おきゃくさんです!」
咲人の声で店を見たら、さっきっから居なかった咲人が1人の女を連れて来てた。

おい、咲人! その見るからにリゾートに来ましたって女、どこで見つけたんだよ。

ブランドの綺麗でお高そうな服に、サングラス、女優かよっ!って帽子を被った女が、こんなワゴンのハンバーガーなんか食うか?

・・・・・・おい、マジか? 注文してるよ。

「ここ、すわってください! やながわくんといっしょ!」
「相席いいですか?」
「ええ、どうぞどうぞ・・・」

なんの抵抗もなく座った女が、帽子とサングラスを外せば・・・・・うっそ! なにこの良い女!

ゆるくカールする長い髪はツヤツヤで、ニコッと微笑んでる顔はとてつもなく綺麗で、サクちゃん、どこで引っ掛けてきたのよ!!!

いやいや、あんまりガッついて見るのもアレだしね、俺は素知らぬフリでスマホに視線を戻したんだ。

でもこんなイイ女、見るなっていう方が無理でしょ〜〜〜
チラチラ見てたら、ヤベッ! 目が合っちゃった。

「こんにちわ〜・・・」
「株されるんですか?」
彼女は俺の手元に顔を向けてて・・・・・なんか近いんだけど、くんくん、いっ・・・いい匂いがする。

店をオープンするのに忙しくてさ、ナンパもなんもしてねぇーからなぁ〜・・・・・いいなぁ〜女!

女〜・・・・いいなぁ〜、こんなイイ女とお近づきになれたらなぁ〜・・・・・

俺はもう下心満載で彼女をジロジロ見ちゃってたんだよなぁ〜〜〜

「もしこの株をお持ちなら、今すぐ売られた方がいいですよ」
「は? 売る? 上がったばっかりっしょ!」
「今が最高値・・・あとは下がるばかりですよ」
「まっさかぁ〜・・・・・・あ?」

下がり始めた株にビックリするけど、俺買ってないからセーフ!

「もしかしてお姉さん、株とか分かっちゃう人?」
「・・・・・まあ、そこそこ」
「へぇ〜・・・凄いっすね!」
「・・・・・全然、凄くないよ・・・」

え? なに? なんでそんな悲しい顔・・・・・・

「バーガーでぇーす!」
「ありがとう咲人くん!」

咲人がタイミング良くハンバーガーを持ってくるから、さっきの悲しい顔から笑顔になったけど、なんかあったんかな〜

「あちっ!」
「お姉さん、ハンバーガー持てないの?」
出来たばかりのバーガーが熱いから、彼女は持ち上げたバーガーをすぐに皿の上に置いて、その手を耳にやってるんだ。

「だって熱いんだもん!」
「そんな熱い?」
俺はバーガーを持ってみるけど・・・・・持てないほどじゃないよ?

「持てるんだ、スゴいスゴい!」

・・・・・・・手ぇ、叩くほどすごくねぇ〜よ。

「ほら・・・」
バーガーを持ったまま彼女に差し出せば、キョトンと俺を見てる。

「持っててやっから、食べたら? ウチのバーガーは出来たてが旨いんだから」
「いいの? ありがとう〜」

ニコッと笑った彼女が俺の手に自分の手をかけて、髪を耳にかけながら顔をバーガーによせる・・・・・・その仕草にドキッと胸が震えた。

パクッ!・・・・・キレイに塗られたグロスの唇が、俺の手のバーガーを嚙った。
ソースが少し唇の端についたのを、彼女の舌がペロッと舐めて・・・・・・下の位置から俺を上目遣いに見てくる。

ヤッベ! やべやべやべやべやべ〜〜〜・・・・・・・あんまり色っぽいから、男の反応しちゃいそう。

ぶっちゃけ、勃ちそう〜〜〜・・・・って、いや待て、俺待て、ふんばれ俺!

こんな所でそんな反応しちゃったら、俺、変態で捕まるだろ???

「美味しい〜・・・」
「よ・・・良かったっすね」
「ありがとう! まだ持っててもらってもいいかな?」
「はい、いいですよ!」

彼女は髪が気になるのか、手首につけてたシュシュで俺とは反対側に髪をまとめてさ・・・・・もう、いちいち仕草が色っぽくて、たまんねぇーんだけど俺!

溜まってるのは自覚してっけど、ほんとこんな仕草で勃ちそうになるって今まで無かったのにさぁ〜・・・・・

じゃあバーガー置いて店に戻ればいいじゃん、なんてのも・・・・・なんか離れがたくてさ。

結局、半分食べる頃には彼女も自分で持てるようになって、お礼いわれたけど。

こっちも、ご馳走さんって感じで・・・・・あ〜、夜のオカズかな?

こんなイイ女、きっと男がいるに決まってんだからなぁ〜・・・・・

カァーーーっ、俺も付き合いたいなぁ〜・・・こんちくしょう!!!

「ん〜・・・美味しかったぁ〜・・・久々にまともな温かい食事が出来た」
「へ? バーガーがまともな食事?」
「バカンス取ろうとして遮二無二頑張ったからね、食事の時間削ってたの! カロ◯ーメイトとかそんな物食べてた」
「あはは・・・・・そんなんからみればウチのバーガーの方がまともな食事だわ」

「えっと・・・ヤナガワくん? 持ってくれて助かりました」
「いえいえ、どういたしまして。俺ね、柳川隆一いいます」
「私は高城 桜っていいます」

「ぼくは 白鳥 咲人ですっ!」
ここで咲ちゃん、乱入〜〜〜って、おい! この会話の流れで咲が普通じゃないって、分かっちまったよな・・・

「咲人くんは、白鳥咲人くんて言うんだ、改めて、よろしく!」
「サクラっ! サクラっ! よろしくします! ぼくサクラとよろしくします!」
「咲ちゃん、それって違う意味にも聞こえちゃうからさ、止めとこうね」
「???」

「いいじゃないですか! 私も咲人くんと、よろしくします!」
「あはは・・・・」

2人で楽しそうですねぇ〜〜〜・・・・・手繋いではしゃいでるし、サクは別にして、お姉さん幾つですか?

「ぶぅ〜! 女に年を聞くのはマナー違反って知らないの?」
「サクラちゃん、いくつですか?」
「あらま、咲人くんも聞いちゃうの?」
「きいちゃいます!」
「誕生日がきたら30才です・・・・・・来週、誕生日なんだけどね」

俺とは4才違いかぁ〜〜・・・・いいじゃん!

「はぁ〜・・・30才で男もいなくて、寂しいもんだわ」
「は? ・・・・今なんて?」

男がいない? ほんと? 本当に本当っすか???

「いやぁ〜・・・桜さん、イイ男ならここに居るじゃないですか!」
「は? ・・・・・柳川くん、いくつ?」
「俺26才です! 」
「年下かぁ〜〜」

え? 年下ダメ? 年上限定? いやいや、別に年なんて関係なくね?

「でも、ありがと♡」
そんな色っぽく言われちゃうと、俺弱いわぁ〜

「年下からでも “ 女 ” に見えるなんて、嬉しい・・・・・凹んでるから」
「どしたんすか?」
また・・・だ、急に悲しそうな顔をする彼女が、気になるんだ。

「おい! そろそろ戻れよ」
檜山に店に戻るよう言われて、桜さんの方が先に反応して立ち上がったんだ。

「お店に戻って? 美味しかったです」
「あ、また! 是非また来てくださいね! 約束ですよ!」
「・・・・・・また来ます」

去っていく彼女の後ろ姿を見ながら、檜山に文句言う俺。

「まったく、もう少し空気読めよ〜」
「すまないな、っていうかこれでも我慢してたんだぞ。混んできたから仕方ないだろ!」
「・・・・・分かってるよ! 」

また、来てくれるかなぁ〜〜・・・・・・桜さん。

俺の頭の中には彼女の顔が、刻みつけたみたいに鮮明に浮かんでるんだ。




ホテルに戻った私は、ゆっくりとジャグジーに浸かり・・・冷えたシャンパンを飲んでくつろいで・・・・・・

くつろいで・・・・・・・・無理。。。

くつろごうと思っても、くつろぎ方が分からない。
仕事、仕事で遊ぶ時間もなかったからなぁ〜・・・・・


子供の頃、私の父親は若い女に入れ揚げて、家の預金をありったけ持って出て行った。

母親は父親に捨てられた事を認められず、最初の2年は酒浸りだった。
それからはスナックに勤め、店に通う客を家に連れ込んでは、獣みたいにヤっていた。

母は、私なぞ眼中になく・・・私の世話を放棄していた。
私は毎日、コンビニのパンや、オニギリを母からもらうわずかなお金で買って食べていた。
来る日も来る日も、そんな物しか食べられない・・・・・・

挙げ句の果てに給食費も滞納して、私は・・・・・・・学校でいじめられていた。

あれは小4かな? あんまり嫌だから死んでやろうと橋の上から下を見れば、流れる水流を見ていてムクムクと湧き上がったのは・・・・・・

周り中を見返してやりたいって思いだった。

私を馬鹿にした者、嘲笑った者、可哀想ねと同情しつつ優越感に浸る者、みんな、みんな、見返してやりたい!!!

だから私は、橋の欄干を降りてから、必死に勉強した。

勉強し、勉強し、一流中の一流の大学に入り、大学在学中に株を勉強し・・・・・・大金を手に入れた。

・・・・・ 母は、私が高校に入る前にスナックからの帰り道、酔って車に轢かれて死んだ。

賠償金と生命保険、それと持ち家を処分したお金で私は、高校と大学の学費をまかなった。

父は、行方知れずで・・・・・母の葬式も知らせられなかった。


私は、私は・・・・・残りのお金を株で勝負し、何百倍にも増やし・・・・・気がつけばコンサルティング会社に勤めバリバリ働き、年収が同期の中では群を抜いて高額になり、立場も重くなり・・・・・そして。

気がつけば息苦しくて、仕方なかった。

誰かと、恋がしたくなった・・・・・・・


そんな事、思ったこともなかったのに・・・・ううん、男が嫌いだった。

父親を見て、男は “ 裏切る者 ” と思っている。
近づく男を見て “ 私を利用する者 ” と感じた。

ああ、マイナスばかりな私の考えこそが、きっと私を縛りつけているから。。。


だから、私自身を解放するような恋が、したくて・・・・・・・

でも散々な結果に、何もかも嫌になってしまって・・・・・・辞表を出した。

部長に引き留められ、有給を消化するこの1ヶ月の間に、もっと考えるようにと言われた。


・・・・・・あーあ、誰かと恋がしたいなぁ〜・・・・・

それとは別に、咲人くんに会いたいなぁ〜・・・・私は七分丈のパンツと揃いのパーカーで、ランニングがてら咲人くんのお店の方向に走り出した。

ウェストポーチにスマホや財布を持って、ポニーテールの髪を振りながら、日頃の運動不足を補おうと走りながら私は昼も行って、夕方も行ってって引かれるかなとか思ってた。


ランニングしてるだけだし!なんて言い訳を考えながら走っていると、あれは??? 咲人くん?

咲人くんが4、5人の男達に囲まれてて・・・・・・なんだろう???

「やめてぇ〜・・・ バーガーたべませんか?」
「お前、誰の女に声かけてんだよ!!! いくらミポリンが可愛いからって、俺の女なんだからな!」

はぁ〜ん、咲人くんが声かけたのを、ナンパだとでも思ったのかな? んん? あの喚いてる男の後ろにいる女の子、ニヤついて厭な笑いを浮かべてるわね。

もしかして逆かな? 女の子が咲人くんに声かけて、逆ナンしようとして男にバレた。
男が怒るから女の子は、咲人くんのせいにした・・・・・・

こんな感じかな?

「おい、こいつに思い知らせてやるぞ!」
あ、ヤバイ! 咲人くん、殴られちゃう!

「ちょっと、待って!」
私は咲人くんの前に出て、彼を後ろに庇って立ったの。

「なんだよ、お前は!」
私はサングラスを取り、目の前のゴツイ男を真っ直ぐに見据えた。

「この子、私の弟なの・・・・・・で、この子が何かしたかしら?」
「こいつ、俺の女に声かけてよナンパしたんだ」
「あら、そちらのお嬢さんに? 」

私はニッコリと、天使の微笑みと呼ばれる満面の笑みを浮かべて、みんなを見渡した。

「ごめんなさい、そのお嬢さんが素敵な方だから、つい声をかけてしまったのね。貴方のような素敵な恋人がいると、知らなかったの、許してくれないかな?」

話の途中で男に擦り寄り、チラリと上目遣いに見上げれば・・・・・ふふふ、真っ赤になってるわね、しめしめ。

「ま、まあ・・・知らないなら仕方ないよな」
「許してくださるの? ありがとう! 寛大な男の人って私、大好き♡」
「俺はそんな小さな男じゃないんだ」

適当に持ち上げて、咲人くんを連れてその場を離れた私。
怖かったのか咲人くんが、私の手を握ってきた。

「大丈夫よ・・・さ、柳川くんの所に戻ろうね」
「はい! サクラちゃん、ありがとう」
「咲人くん、お店から離れて声かけたら危ないからね」
「はい、あぶないです」

弟か・・・・・私にも、兄弟がいたら何か違ってたのかな〜?

咲人くんを連れてお店に行ったんだけど、けっこう遠いとこまで来てたんだね。



「なあ、咲人いないぞ?」
「え? そこらで声かけてんじゃないか?」
「おい、いないぞ」
「俺、探してくるわ。店頼むぞ檜山」
「おう!」

咲人に声かけさせて客を引っ張ってくるんだけど、たまに何かに気を取られた咲人がいなくなるんだ。

辺りを探してるけど、いねぇーよ!!!

「あれ? っかしぃーな、どこ行ったんだよ!」
キョロキョロ見渡してると、桜さんと手を繋いで仲良く帰ってくる咲人を見つけた。

「姉弟みてーだな・・・」

微笑みあって、なんか歌うたいながら歩いてくる2人に、こっちまで微笑んじまうよ。

おっと、俺も混ぜてもらうか!

「なになに〜〜? お2人さん、仲良いんでない?」
「お姉ちゃん! サクラちゃんは、お姉ちゃんです」
「お姉ちゃん? え? もしや生き別れとか?」
「ふふ・・・そうよ、私たち姉と弟なのよ!」

え?なに? 冗談じゃなくて?

桜さんと店に戻ってから事情を聞けば、そうか、ナンパに間違われて殴られそうになったか・・・・・

「それにしても桜さん、無謀でしょ? 男が囲んでる中に入ってくなんて」
「ああ、どうにもならなかったら殴り倒した隙に、逃げ出そうと思ってたから」
「殴り倒す! 桜さんが? いやいや、無理っしょ!」

俺がそう言うとニヤリと笑う桜さん。

「あら、男には鍛えられない致命的な弱点があるじゃない!」
「は?」
「ソコよ、ソコ!」

桜さん、俺の股間、指差すのは止めましょうよ。。。
檜山は咲人の目を隠して見せないようにしてるし、桜さんはケラケラ笑ってるし。

「まあ、色仕掛けがきかなかった最終手段だから!」
「色仕掛け?」
「女の武器は、男よりあるのよ♡」

「サクラちゃん、キレイ!」
「ありがと、咲人くん」
「あの色仕掛けってところを、もうちょっと詳しく〜・・・・」

「詳しく?」

ニッコリと笑う桜さんが、俺の真ん前に来てアロハの襟に触りながら、俺を下から見上げて・・・・・・ぐはぁ!!!

ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!!!!! 上目遣いに見上げられて、俺、顔にも下半身にも血が集まってくるんですけど!

ヤバイから!!! 変態さんにはなりたくないの、俺!

「どう?」
「・・・・・・・ごちそうさまです」

こう答えるしかないじゃん、ねぇ〜・・・・・・

「いや、百戦錬磨のお姉さんにはかないませんよ」
「百戦錬磨? ぷっ・・・・はははは・・・・・・」

突然笑い出した桜さんに、呆気にとられてると・・・・・・・

「そう見えるんだぁ〜・・・私は自分の顔とスタイルと、魅せ方を十分に知ってるだけよ」
「ん? 知ってるだけって?」

「そうだ、バーガー持ち帰りできます?」
「え? もしかして夕飯にするの?」
「うん! ホテルに持って帰る間に冷めて丁度良くなるでしょ?」
「いやいや、ホテルならもっと良いもん食えばいいでしょ」

「・・・・・・・なに食べればいいのか、なにしてくつろげばいいのか、分かんないんだわ」

・・・・・・・だから、そんな悲しい顔しないでよ。

「じゃ、今夜はさ・・・咲人を助けてくれたお礼に、飲みに行きましょう! ね、パァーッとさ!」
「・・・・・・いいね、行きたい!」

うほっ! デートに誘えたぞ!
それから店じまいして、檜山と咲人に店を駐車場に入れてきてもらい、俺と桜さんは歩いて待ち合わせの居酒屋へと向かったんだ。

波の音を聞きながら、暗くなった海岸を歩く・・・・・・くぅ〜、いいシチュエーションじゃね?

「風が気持ちいいね〜」
「あのさ、さっきの・・・聞いてもいいか?」

「なに?」

さっきの・・・なに食べたらいいのか、なにしてくつろげばいいのかって、どういう意味なんだ?

「ああ・・・ 私ね、勉強勉強で大学でて、会社に入れば仕事仕事・・・食事する時間も、寝る時間も削って努力したわ。 結果、こういう休日に何をすればいいのか分からなくなったの」
「遊び方、知らないんだ・・・・・でもさ、桜さんモテるっしょ? 男に誘われて遊ぶとか・・・」

「モテるわよ? 自慢じゃないけどね! ・・・・・・でも私ね、男を信用できないの。だから恋もしたことなくてね〜」

「寂しい女でしょ? 初恋もまだなんてね〜」
「え?じゃ男と付き合ったことも?」
「ないわよ! だから未だに処女よ!」
「えええ???」

「驚きすぎぃ〜!!!」
ケラケラ笑いながら指差さないでよ、桜さん・・・・・

「・・・・・・・きっとさ、欠陥品なんだよ私・・・・女として」

また・・・・・あの悲しい顔だ・・・・・・・ やめろよ、その顔すんの。

「欠陥品なんかじゃねーよ。 自分でも言ってるでしょ? 知らないだけだって」
「・・・・・柳川くん、いい男だね」
「んあ?」
「さりげなく励ましてくれる・・・・・うん、いい男だよ」
「ったりまえでしょ〜〜〜、俺は桜さんが思うよりイイ男なんすよ!」


そんな事言いながら居酒屋についた俺らは、中で先に来ていた檜山と咲人と合流〜〜!

「サクラちゃんは、なにをたべますかっ!」
「メニュー見せて〜・・・・・なにが美味しい? 檜山くんのオススメは?」

「俺は・・・ホッケがうまい」
「じゃ、ホッケ! 咲人くんのオススメは?」
「ぼくはぁ〜・・・たまごやきすきですっ」
「卵焼きも頼もうね〜」

・・・・・・・で、俺には? 俺には聞かないのかよ!?

「くすくす・・・・柳川くんのオススメは?」
「俺は唐揚げかな! ここ何でもうまいよ。っていうか酒は?桜さん飲もうよ〜」

「じゃあ、生ビール! 枝豆、モロきゅう!それに皆のオススメも!」
「飲もうぜ飲もうぜ! 俺は酎ハイね〜」

まずは飲み物で乾杯! それから桜さんがどんどん頼むから、テーブルの上がいっぱいになっちまったよ。

よく笑う女だよな〜・・・・・ケタケタ笑ってグイグイ飲んで、ワシワシ食ってるし。

ポニーテールにした髪が笑うたびに揺れてて、横に座ってる俺には彼女のいい匂いがしてくる。

「あ〜・・・・・楽しい。 食事ってこんなに楽しくて、美味しいんだぁ〜」

なに? しみじみ言うけどさ・・・・・あんた、何を抱えてんだよ? なぁ・・・・・
あんたのその抱えたもの、俺に教えてくんねぇーか?

気になんだよ・・・・・・たまらなく気になるんだよ。



「ご馳走様でした」
「ありがと〜」
桜さんが出してくれたから、檜山が真面目にお礼を言って、咲人連れて帰っていった。

「?柳川くんは帰らないの?」
「俺は、ほら、桜さん送ろうと思ってさ!」
「大丈夫よ〜・・・・」
「夜の女性の一人歩きは危険だよ?」

「大丈夫、大丈夫〜〜〜・・・・・ありゃ?」
「ほらぁぁ〜〜〜 よろけてんじゃん 」

ぐらっとよろけた桜さんの腕を掴んで支えた俺は、 そのまま彼女と歩き出した。

「たいして飲んでないのに・・・・・やぁーね」
「ほら、俺に捕まって・・・・・ぐはぁ!!!」

ガバって抱きつかなくていいから!
両腕で俺を捕まえてる桜さん・・・もうね、柔らかぁ〜いのが俺の身体に当たってるし!

男はね、いろいろ大変なんだよ〜・・・桜さんのイイ匂いに、柔らかな感触に、下から俺を見上げてる視線に、それに近づいた距離に。。。

ドキドキ鳴ってる鼓動に自分で焦るよ。

「あ・・・歩き難いから・・・・・」
「ん〜?」
「こうしよ!」
俺は彼女の腕と自分のを組んで、歩き出したんだ。

「んっふふ・・・・気持ちいい・・・・・」
「ホテルってさ、あれ?」

海岸沿いに建つホテルの中でも有名なのを指させば、うん、と頷く彼女。

遠くに見えるそのホテルに向かって歩き出しながら、俺は気になってた事を聞いたんだ。


「あのさ、桜さんさ・・・・・なんか男にトラウマでもあんの? いや、ほら男を信用できないって・・・・・」
「ふふふ・・・・・そうだね、聞いてもらおうかな〜・・・」






桜さんと歩きながら見つけたベンチに腰かけた俺達は、そこで彼女の話を聞いた。

「・・・・・・私さ〜パパ大好きっ子だったんだ。 優しく遊んでくれて、ママには内緒だってオモチャやお菓子買ってくれてさ〜」
「桜さんの子供の頃って可愛かっただろうなぁ〜! 俺でもお菓子とかあげちゃうかも!」

「それがある時から・・・私を見てはくれなくなった。 遊んでもくれない、言葉もかけてくれない、第一、家に帰って来なくなったの」
「え、それは・・・・」
俺の親父と同じ・・・・・・・・もしかして?

「若い女とできちゃって、ある日さ、家の中の通帳と判子がなくなって・・・・・・有り金全部持ってパパは若い女と駆け落ちした」
・・・・・・・・俺ん家と、同じ。

「母親がね、父親のこと大好きな人でね・・・・・2年は酒浸りでさ、家のこと何にもせずに、お酒飲んでた」
「・・・・・・」

「その後はね、スナックで働いて・・・少しでも父親に似てたら、大喜びで男を家に入れて、獣みたいにヤってんの! あたしさ、そん時小4だよ? ・・・・・・気持ち悪かった」

な・・・なんだ、そりゃ・・・・・・

「母はね父が出て行ったその日から、私のことが嫌になって全てを放棄したの。 毎日200円もらってコンビニでパンやおにぎりを買って食べてた。 私の1日の食事は200円だったの・・・・・」

「給食がある平日はよかった、学校のない日曜や春休み、夏休みは、お腹が空いてたまんなかったなぁ〜」
「さ・・・くらさん」

「給食費もくれなくなって学校でさ、苛められたりもしたっけ・・・・・・そんな時、母親を抱いてる男が私に言ったの・・・・」

「お嬢ちゃんもお母さんみたいにしてくれたら、お金あげるよ?って・・・・・・1万円見せて・・・・・小6だったかな」

桜さん・・・・・もういい、もういいよ! なんでそんな淡々と語れるんだよ!

「差し出されたお金と、男のギラギラした脂っこい視線や、体臭に・・・・・その場で吐いちゃって! あはは、やっぱ私に恋なんて無理だわ! それよりカウンセリングにでも行った方がいいかもしんない」
「お袋さんは? その後どうなったんだ?」

「母はね、私が中3のときスナックからの帰り道に交通事故で亡くなったの。 私は賠償金と生命保険と、家を売ったお金で高校と大学に通えたの」

「母が亡くなった代わりに、私の手にはお金ができた。 通帳を見て私ね、これで好きな学校に行けるって・・・そんなこと考えてたの・・・親不孝よね」

「あ、ごめん! ちょっとヘビーな話だよね、楽しく飲んでたのに・・・・・柳川くん、ごめ・・・・」
「謝んなくていいから! 」

俺は彼女を抱きしめてた・・・・・・親父が出てって俺のお袋も、精神が少し壊れちまった。

俺はまだ年がいってたからマシだとも思えるけど、小2で母親が酒浸りで毎日200円の食事って・・・・・・なんだよ、そりゃ。

なんなんだよ、そいつは! 誰か居なかったのかよ、彼女を助ける誰かが!
小2なんてガキが、母親に放って置かれてさ・・・・・誰かさ、なんかさ・・・・なんか、助けてくんなかったのかよ!

「柳川くん・・・・・あったかいね〜」
「男に抱きしめられて、あったかいってなんだよ。 他になんかないの?」

俺は桜さんの昔を思って、抱きしめてんだ・・・・・・小さな小2の女の子を、抱きしめてるんだ。

「・・・・・・・あれ?」
「ん? どした」

少し彼女を離して顔を見れば・・・・・・つぅーーーっと涙が流れて・・・・・・・

「おかしいな・・・・・母が死んだ時も泣けなかったのに、なんで今?」
「・・・・・・泣けよ、泣いていいから」

離してた彼女を、ギュッと抱きしめ直して・・・・・俺は背中をポンポン・・・と、ゆっくり叩き始めたんだ。


「うぅ・・・ぐぅ・・・・ふぅっ・・・・・」
「我慢しなくていいからさ、声出して泣いていいから」

そういえば彼女は、子供みたいにわんわん声だして泣きはじめてさ・・・・・・・
俺の胸には彼女の涙で、でっかい染みができちまったんだ。



「あ〜・・・・・恥ずかしいトコ見せちゃったね」
俺の腕の中で泣いたのが、恥ずかしいのか・・・・・・桜さんは、照れたようにアッチを向いてるんだ。

「いいじゃん、別に! 俺相手に気取んなくていいっしょ!?」
「年下のくせに・・・・今夜は酔ったからちょっと泣いたけど、いつもは違うんだからね!」
「年齢なんて関係ないじゃん!」

俺は決めたんだ。

「ね、俺とさ・・・・・・恋しようよ!」
「え?」
「この休みの間さ、何していいか分かんないんでしょう? ならさ、俺と付き合おうよ!」
「え〜〜〜! ・・・・・年下とぉ〜?」
「そこ? ね、こだわるとこ、そこ! 違うでしょ、ね、ね?」

「ん〜・・・・・・」
「いいじゃん! 思いきってさ、俺らの店手伝ったり、海で泳いだり、俺とラブラブしたりさ、楽しそうじゃん!」
「・・・・・・・乗っかろうかな、その話」
「乗っかれ、乗っかれ! よし、決まり!」

「今から桜さんは俺の恋人で、明日から店の手伝いね! はい、決まり〜!!!」
「強引だね〜・・・・・・じゃ、明日は何時にお店にくればいい?」

「言っとくけど料理は出来ないから!」
「うん、そうだと思った。 まあ、咲人と一緒に呼び込みかな? ほら、あいつ危なっかしいから」
「OK!」

俺は彼女と携番とメアドを交換し、ホテルに送って行ったんだ。


さ、明日から楽しみだわぁ〜〜〜

このデカい海と青空見て過ごしてさ、俺らとも過ごして・・・・・彼女のあんな悲しい顔を、忘れてくれればいいんだよ。




さて始まりました、柳川くんと海で恋しよう!企画(笑)

短期でバババッと書き上げる予定ですので、誤字脱字などは寛大に許してくださいね!
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すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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