①《花屋のマドンナ》by 柳川隆一

アルジャーノンに花束を・・・・・からの、竹部社長の姪っ子ヒロインです。

竹部社長のお姉さんの子供で、フラワーアレンジメントを勉強中のヒロインがアルバイトに来ます。

そこで柳川くんと恋に落ちたりします。

ドラマが始まる少し前から勤めてるヒロイン、綺麗で可愛らしくて皆から愛されてますが・・・・・
そこは怖い社長の姪っ子!

手なんて出せません!!! でも行っちゃう柳川くんです (笑)

女の子にチャラい柳川くんだけど、ヒロインにはベタ惚れの溺愛しまくる予定です。

では始まります。




「あのぉ〜・・・ 社長さん、いらっしゃいますか?」
「えっと、えっと、しゃちょうさんは、いらっしゃいません!」
誰だ、咲人と話してる奴は??? キレイな声は紛れもなく女の声! しかも美人だ、きっと!!!

「女の声〜〜!!!」
はいはいはいはぁーーい!!! 俺行く、俺行く!!!

他の奴らが昼食で寮に戻ってて良かった。
俺は咲人の先に出て、女の子の前に出た俺は、そこにいた可愛い女の子にニコッと笑いかけた。

「えっと、社長にどんなご用ですか?」
「あの・・・竹部社長にお会いしたくて・・・・・社長さんはいらっしゃいますか?」
「いらっしゃいませんよ〜 うふふ」
俺の代わりに咲人が答えてるけど、その子は咲人の様子に何も気がつかないのか、態度も変わらずニコニコしてるんだ。

咲人の・・・・・・生まれつき知能に障害があって、身体は28歳だが心は6歳児のままな咲人に、普通に接しているのが珍しいよなぁ〜

大抵はさ、戸惑ってるか、嫌そうな顔して離れていくとかなんだけどねぇ〜・・・ 彼女、笑顔なんだ。

「そうですか、いないのですか・・・・・・では待たせていただいてもよろしいですか?」
「よろしいですよぉ〜・・・・うふふ」

女の子の口調を真似る咲人にも、その子は動じずにいるんだ。

「じゃ、事務所にでも居てください。 もうじき社長も戻るだろうし・・・」
「はい!」
俺がそう言えば、俺にも可愛い顔でニコッと笑ってくれるその子に、俺ドキッとしちゃってる!

「あの、じ・・事務所・・・こっちっす!」
俺が案内して中のソファーに座ってもらう。

「コーヒーでいいっすか?」
「ありがとうございます」
「いいんすよ、どうせインスタントだし。 ミルクと砂糖は? 女の子って甘いの好きですよね〜」
「・・・・・・実は、甘い方がいいんで、自分でしてもいいですか?」

サッと立ち上がったその子は、用意してる俺の隣に立って「ミルク多めで〜・・・あ、お砂糖もあった!」なんて可愛い声だしてるし、スッゲェー良い匂いするし、俺もうドッキドキだし。

「薄めにしといたから、これ・・・」
「ありがとうございます!」
俺の作った薄めのインスタントコーヒーに、彼女の細い指先が砂糖やミルクのポーションを入れていく・・・・・

自分の骨ばった大きな手とは違う、小さくて白くて柔らかそうな手を見て、繋ぎたくて仕方がない。

「あの・・・俺さ、柳川隆一って言うんだ・・・あんたは?」
「私は高木 桜です」
「桜ちゃんかぁ〜・・・可愛い子は名前まで可愛いね〜」
なんていつもの調子で、チャらく言っちゃったけど・・・・・・その子、桜ちゃんは信じられないくらい、真っ赤になっていた。

その真っ赤に染まった頬に、俺は触れたくて・・・・・・初対面なの忘れて手を伸ばしかけた、そのとき。

「おっ! 桜〜・・・さっそく来たんだな!」
社長登場〜〜〜・・・・・ってか、名前呼び捨て???

桜ちゃんも嬉しそうに側に駆け寄るし、なに? なんなの? 君達の関係はなんだね???


「順ちゃん、来ちゃった!」

嘘だろ、マジかよ、社長の女〜〜〜???
こんな可愛くて、若い女の子が社長とぉぉぉ〜〜〜!!!

信じられん! 俺は断固信じられん! あんな枯れかかった中年オヤジに、あんな若くて可愛い彼女なんて!

若くてイケメンの俺に彼女がいないのに!!!

「しゃ・・・社長? その方は? 順ちゃんて???」
「順ちゃんは止めろよ、桜・・・ 恥ずかしいだろ? それに、ここは会社だからな」
「あ、ごめんなさい竹部社長!」

「ああ、そうだ柳川・・・桜に会社案内してくれないか?」
「案内っすか?」
「そうだ、明日からアレンジの方を担当してもらうんだ」

「え? ってことは明日から、こんな可愛い子と一緒に働けるってことすか?」
「明日また皆には正式に紹介する」

「じゃ、案内しますね」
「よろしくお願いします」
ペコッと頭を下げる様子も、キョロキョロと見回す仕草も、全部、俺の好みにドストライク!!!

一通り案内し終わって事務所に戻った俺は、彼女が俺が淹れたコーヒーカップを持って飲みはじめるのを見ていた。

「もう冷えてるっしょ? 新しいの淹れようか?」
「いいえ、私・・・猫舌なので丁度いいです」

コクッ・・・コクッ・・・彼女の柔らかそうな唇がコーヒーを飲むのに、なんだかドキドキして苦しいくらいだ。

「美味しいです」
ニコッと微笑む桜ちゃんの、ふんわりと優しい雰囲気に、俺はもう・・・・・・恋に落ちてたんだ。

「あのさ、社長と桜ちゃんて・・・・・」
「私、姪なんです」
「は? 姪? でもさっき順ちゃんて・・・」

「小さい頃からそう呼んでたから、つい・・・・・でも今度からは社長って呼ぶように気をつけます」
そっか、姪っ子か! なんだ姪っ子かぁ〜〜〜!!!

「明日から桜ちゃんと一緒に働けるなんて、俺ラッキーだわ」
なんて口説き半分でいつも通り言っちゃった俺に、彼女はキョトンとして俺を見てる・・・・・・って、なんで?

「どうして私と働くのが、ラッキーなんですか?」
「マジか!」
男に免疫なさすぎじゃない??? それにちょっと鈍感? 天然? どっちも???

「ぼくも、たのしみです! さくらちゃん、かわいいです!」

突然出てきた咲人がニコニコしながら言ってるけど、 おい! 咲人! それは俺のセリフだろ!
それにお前、横から出てきてイイトコ取るなよな〜〜〜

「えっと、ありがとうございます。 明日からよろしくお願いします」
そう言って帰って行った桜ちゃん・・・・・・ああ、後ろ姿も可愛いなぁ〜

「咲人〜・・・なになに? なんで桜ちゃんの事、可愛いっていったの?」
まあ、コイツの事だから色恋じゃないけどね〜・・・

「さくらちゃん、お花、かわいいって言ってました。 お花かわいい! さくらちゃんかわいい!」
「ほお〜ほお〜・・・・つまり君にとっては桜ちゃんもお花も一緒なんだな」
「かわいいです!」
「はいはい、じゃ咲人〜・・・午後の配達の用意すんぞ〜」

あ〜・・・明日っから、楽しみだなぁ〜・・・・・桜ちゃん!!! くぅ〜・・・!!!




次の日、俺たちを勢揃いさせて社長が桜ちゃんを紹介したら、女っ気のない俺たちは歓声を上げて彼女を歓迎したんだ。

「はははっ、熱烈歓迎だな」
「よろしくお願いします!!!」
「ここは男ばっかりだけど、皆、気のいい連中だからな!」
「はい」

気のいい連中って言うけどさ、社長・・・・・・皆、刑務所帰りなんだけど。。。

ほらさっそく鹿内さんが騒いでるぜ〜〜〜・・・

「なんかあったら俺が力になっから! それにしても・・・・・可愛いなぁーーー」
「あ・・・ありがとうございます」

桜ちゃん、デッカい鹿内さんにグイグイ迫られてさ、怯えてんじゃん!!!

俺、彼女と鹿内さんの間に入って止めたんだ。

「彼女、社長の姪っ子っすよ!」
「はぁ〜〜〜!!! 姪っ子〜〜〜!!!」

「そうです! 手なんか出したら怒られますよぉ〜」
なんて周りの男どもに予防線を張っておく。

社長に恩義を感じてる皆は、これで彼女に手を出そうだなんて考えないっしょ!


注文の花束を綺麗に作っていく彼女に、咲人が不思議そうに見つめてるんだ。

「さくらちゃんが作ると、花束もっとキレイです」
「褒めてくれて ありがとう、咲人さん」
配達用の花束やなんか仕上げた彼女は、注文伝票を見ながら次の事をしていく。

その様子は慣れててさ、流れしか教えてないのにサクサクこなしてるのってスゴイわ。

「ね、桜ちゃんて花屋でバイトとかしてたの?」
「いえ、実家が花屋なんで小さな頃から手伝ってたんです」
「あ、実家が・・・・・どうりで、教えてないのにサクサクこなしてるって思った」
「学校から帰ったら毎日手伝いしてたし、フラワーアレンジメントの資格も取ったんですよ」

へ〜・・・親思いなんだな。

え?でもさ、それならどうして実家じゃなくて、社長の店に来てんだ?

なんかおかしい? そう思った俺だけど、楽しそうに花をいじってる彼女に、それ以上は聞かなかった。

さ、配達に行きますか! 彼女の作った綺麗な花束を持って・・・・・・

「おい、咲人 行くぞ〜!」
「はぁーい!」


一月が経つ頃 ・・・・・・・ 彼女の作る花を持って行って、変わった事が起きた。

相手に喜んでもらえたと、お礼の電話や手紙が来るようになったんだ。

子供からの画用紙に描かれたお礼の絵とか、社長は喜んじゃってさ〜 店の壁に貼っちゃってるし。

優しくて可愛い彼女は、すぐに俺たちに馴染んでさ・・・ 俺たちも彼女が居るだけでなんか、こう・・・・さあ、優しくなれるっつーか、穏やかになるっつーか。

社長なんかは桜ちゃんが来てくれて、良かった良かったって涙ぐんでるし。


それに一番は、咲人なんだ。
咲人が彼女に懐いちゃってさ〜・・・「さくらちゃん、さくらちゃん」うるさいんだわ。

今だって配達の終わった俺と咲人が店に戻れば、さっそく咲人は桜ちゃんの手伝いを買って出てるし、彼女も楽しそうに相手してるし。

・・・・・・ほんとにこんな子いるんだなぁ〜

見た目は抜群に可愛くてさ、優しくてさ、ほんと俺のタイプっつーかさ・・・・・・本気になりそうなんだ。


そんなある日、注文の花を車に積み込んでた俺は、いつもの様に桜ちゃんに話しかけてたんだ。

「桜ちゃんさ、今度の休み・・・遊園地でも行かない?」
「遊園地ですか? あ、咲人さんも一緒に皆で行きません?」
「え〜・・・俺は桜ちゃんと2人で行きたいなぁ〜」
「2人でって・・・・・・デートみたいですね〜 」
なんて言う桜ちゃんで、分かったことがあんだけど・・・彼女さ、思いっきし男に免疫ないんだわ。

免疫ってより、最初から頭にないっていうか・・・・・・もしかして彼女、子供の頃から家の手伝いばっかで友達とも、あんま遊んでないみたいなんだよね。

ま、そこがなんつーの? ピュアっていうかさ・・・・・可愛いんだよなぁ〜・・・・
お兄さんが1から教えてあげたいっていうか、さ!

「そのつもりで誘ってんだけど・・・」
「え? えええ??? 」
「そんな驚くとこ、今?」
桜ちゃん、真っ赤になっちゃってさ・・・・・俯いてる横顔が可愛くて、マジ俺の心臓ハンパなくドキドキしてる。

「あ・・あの・・・私、友達とも出掛けたことなくて・・・遊園地、初めてなんです」
「行こうよ! 遊園地の楽しみ方、教えてやっから、な!な!なぁぁ〜〜」

1つ、気がついたところ・・・・・桜ちゃん、押しに弱いんだよな。

「・・・・・はい」
おっしゃーーー!!! 俺がお兄さんキャラで押せば、はい、Yesいただきました〜〜!

「んじゃあさ、今度の日曜に行こうか! 桜ちゃんの家まで迎えに行くから、住所教えてくれる?」
「はい」

よし! これで桜ちゃんの住所ゲットォォ〜〜〜!!!

出会った最初の日に携番もメアドもゲットしてるし、俺って・・・・・うまいなぁ〜!!!

「詳しくはさ今夜メールすっから!」
「はい! ・・・・・ワクワクします」
ニッコリ笑う彼女のピュアな笑顔に、俺の胸は “ ドキィーーン ” ってしちゃってます、はい。

「俺も楽しみ! じゃ、配達行ってくるね〜」
「行ってらっしゃい!」

くぅぅ〜〜〜まるで新婚みたいなやりとりで、俺は一気に上機嫌!!!

「咲ちゃん、午後の配達のお時間ですよぉ〜! 行きますよぉ〜!」
「はぁーい!」

俺は咲人を助手席に乗っけて、配達に出たんだ。

日曜が楽しみすぎて、飛ぶように配達する俺・・・・・ははは、我ながら現金な性格だわ。



そして日曜日。。。

「どうしてこうなるかなぁ〜・・・・・」

つい、ついウッカリ、ポロっと口から出ちゃったんだよな〜・・・・・・遊園地って!
楽しみでさぁ〜・・・鼻歌まじりにフンフン〜やってたら、咲人の前でついウッカリ「遊園地」ってワードを言っちゃったんだ。。。

そうしたら咲人のヤツがねぇ〜・・・・・遊園地行きたいってなっちゃってねぇ〜・・・・・・

もちろん班長達が連れてくわけないしぃ〜・・・・・・咲人もよっぽど行きたいのか珍しく駄々こねてるし。

あ〜〜〜もう〜〜〜・・・・・連れて行くか。

「俺連れて行きますわ・・・」
「すまねーな、柳川!」
班長達がホッとした顔してるのを尻目に、桜ちゃんにメールで咲人も一緒にいいかって聞けば、もちろんOKだって!

期待してたのって、俺だけかよ・・・・・2人でっての。。。

「じゃさ、咲ちゃん! 用意しようか」
「はぁーい!」

咲人を連れて案外近かった桜ちゃんのアパートに歩いて行けば、にっこり笑顔の桜ちゃんが下で待っていた。

「あの・・・お昼ごはん作ったんですけど、遊園地で食べれますか?」
「お弁当!? 作ってくれたの! うわぁ〜楽しみ〜〜〜!」
「たのしみぃ〜〜〜」

「レジャーシート敷いて食べましょうね!」
「重いだろ? 俺持つから」
「・・・・・ありがとうございます」

桜ちゃんの手にある大きなバスケットを、俺が持ってあげると・・・・・あれれ? 桜ちゃんの頬が赤くなった・・・

彼女の手に触れた俺の指先が、熱くなる。

「ゆうえんち〜・・・はやくぅ〜・・・」
「はい、行きましょう!」
「出発〜・・・」

俺たちは駅から電車で遊園地に。


昼食のバスケットは一先ずロッカーへと入れて、さあ、行きますか!!!

それからは桜ちゃんと咲人と俺で、イルカを見たり、乗り物に乗ったりと楽しんだ。

昼にはレジャーシートを芝生の上に敷いて、バスケットの中身を取りだす桜ちゃん!

「お口に合うといいんですけど・・・・大した物作れなくて・・・」

お重の中身は、唐揚げ、赤いウィンナーのタコやカニ。

黄色の卵巻きに、小さめのオニギリとロールサンド、それにカットフルーツ・・・・・・これはなんだろね〜

「桜ちゃん、コレなに?」
「これキッシュっていうんです。 ホウレン草とベーコンのキッシュです」
「洒落たもの作れんだね〜・・・・・じゃ、いただきます!」
「いただきまぁーす!」
「召し上がれ〜」

俺は割り箸で唐揚げを1つ、口に頬張って・・・・・・・・モグモグ・・・・・旨い!

「美味しいよ!」
「良かったぁ〜・・・自分の分しか作ったことないから、実はすごく心配で・・・」

ホッとした顔する桜ちゃん・・・・・・・そんな、俺なんかを気にしてたのか?
咲人はタコやカニのウィンナーに大喜びで、無邪気にフォークで刺して食べてるし、うん! 来てよかったなぁ〜・・・

「オカズの数も多くないし、申し訳ないんですけど・・・」
「全然OKだよ! 俺このキッシュつーの食ってもいい?」
「はい! もし嫌だったらこの袋に出してください」
「平気だってば!」

一切れ口に放り込んで、ムシャムシャムシャ・・・・・・おっ! 美味いじゃん!

「美味いよ! これ、美味い!」
「あ・・・良かった〜・・・私も食べよ」
「おいしいです! きっしゅ、おいしいです!」
「わぁ〜、嬉しいです! 沢山あるから、どんどん食べて下さいね」

「「いっただきまぁーーす」」

それから咲人と取り合いながら食べて、全部をペロッと平らげたんだ。

桜ちゃんが目を真ん丸にしてるからさ、ヤベッて冷やっとしたんだ。

俺さ、口一杯に食いモン頬張るし、美味いからバクバク食っちまったし、女の子って嫌がるだろ?
ほらガサツだとか、あんまりガツガツ食うと引かれるっつーか・・・・・・

でもさ、桜ちゃん・・・真ん丸になった目を、次には嬉しそうに細めてさ〜〜ほんとに嬉しそうに笑うんだ。

「わぁ〜空っぽになった! 男の人って気持ち良く食べてくれるんですね〜」

ニコニコ笑う彼女に、俺は・・・・・・本気で恋したんだ。

そろそろ日が傾くから帰るか・・・・・でも最後にさ観覧車に乗んない? そう言うと嬉しそうに笑う桜ちゃん。
俺としては咲人がちょっと邪魔なんだけど、1人にもさせらんないしさ3人で乗ったんだ。

桜ちゃんは1人で、向いに俺と咲人っていう男同士・・・・・・なんかしまんないけどね。

観覧車の窓の景色に見入る桜ちゃんの横顔がさ、夕陽に照らされて・・・・・・すげぇ綺麗なんだ。

「私、こんな景色初めてです・・・・・きれい・・・・」
「桜ちゃんの方が綺麗だよ」
「え?」
「え?」
ヤバッ! つい思ってたことポロっと言っちまった、やっちまった!

「ありがとうございます、柳川さん」
「え? あ、ああ・・・」
「こんな楽しい場所に連れてきてくれて」
ああ、そっちのお礼ね、うんうん、俺も楽しかったしさ、また来ような!

「はい!」
夕陽に照らされてる彼女の笑顔は、俺の心に焼きついたんだ・・・・・・きっと一生、忘れらんねぇ〜くらいキレイな笑顔だった。




それからも仕事の日は桜ちゃんと一緒に働けてさ、俺は毎日幸せなんだ。

日曜だけは仕事が休みだから、彼女には会えないけど・・・メールして彼女に時間あったら呼び出して外でバーガー食ったりってしてたんだ。

俺としては少しづつ、少しづつさ、彼女との距離を近づけてさ・・・・・いつかカレカノ?恋人?になぁーんて考えてたんだ。

その間に社長が新しい社員を連れてきたりして、ま、ちょっとしたいざこざなんかもあったけど、今は落ち着いたかな?

檜山康介・・・無愛想な野郎でさぁ〜、何考えてんだか分んねぇーよ。

「檜山です、よろしく・・・」
「高木 桜です、こちらこそよろしくお願いします」
「はい、挨拶終わりねぇ〜・・・・さ、桜ちゃんは花束作ってね〜・・・咲ちゃん、お手伝いお願いね〜」

ガード・ガード・・・ 桜ちゃんがコイツみたいなのタイプか知んないからさ、警戒してんだ俺。

「檜山くん、桜ちゃんは社長の姪っ子だから、手出したらダメだよ〜」
「社長の姪っ子・・・・・・」
「そ、それに今じゃここの看板娘だからね! 彼女の花束でさ、あれ! お礼とかくるほどなんだぜ!」

壁一面に桜ちゃんの作った花束へのお礼状が、貼ってあるんだ。

「・・・・・・すげぇーな」
「そ、凄いでしょ! すっげー良い子なんだ」
「で、お前が惚れてるのか・・・」
「はあ? 何言っちゃってんの? 俺は別に・・・・・」

急に歯切れの悪くなる柳川を見て、こいつ本気か?って思った。
社長の姪っ子で、優しくて、可愛い彼女のことを、この詐欺師が本気で好きなのか・・・・・

「柳川くん、ちょっと手伝ってもらえませんか?」
「はいはいはい! 柳川すぐに行きます!」

奥から話題の桜ちゃんが呼べば、柳川の野郎・・・飛ぶように走って行きやがった。
まるで飼い主に呼ばれた犬が、尻尾を振って駆けてくみたいに・・・・・・

面白そうだから見に行くと、奥にあるテーブルの上で大きな花束を作っている桜ちゃんが、支えるために柳川に持っててもらってる。

ってか、何だこれ・・・・・一抱えはある花束を作る彼女は、色々な花を花束に混ぜていきやがて出来上がったのは、新米の俺から見ても素晴らしい出来だった。

「はぁ・・・次はラッピングです。 柳川くん時間は大丈夫ですか?」
「OK、OK、大丈夫だからラッピングも手伝うよ」
「ありがとう、柳川くん!」
「ぼくもー・・・ぼくもてつだうぅ〜」
咲人も手伝うといってるのを、彼女はラッピングの材料を言って咲人に 揃えてもらってる。

その普通な態度に俺は、感心していた。

咲人が懐いてるわけだな。

っていうかさ、こんなデカイの誰が受け取るんだよ・・・・・・俺は伝票の配達先を読んだ。

「あれ? この名前って・・・・・高木 桜?」
おいおい、同姓同名か? 住所を見れば・・・・・この近くだな。

差出人は? 西園寺 流星? これ本当に名前か?

「西園寺 流星・・・・・」
「え?」
ぽつっと呟いた俺の言葉に彼女の動きが止まる。

「さ・・・いおん・・じ・・・・」
「桜ちゃん、どしたの?」

急に顔色が変わった桜ちゃんは、花束を放って伝票を食い入るように見つめた。
俺も花束を置いて桜ちゃんの手元を覗き込めば・・・・・・・はああ???

「ちょっと、なんで受取人が桜ちゃんなの? 住所だって桜ちゃんのアパートだし」
「おい柳川、お前住所知ってんのか?」
「ああ、前にな・・・それより桜ちゃん、顔色悪いぞ・・・大丈夫か?」

注文伝票を見ている俺は、差出人の名前を見て、西園寺〜??? 誰だよ、そいつ。


「すみません、少しよろしいですか?」
あ? 誰か来たみたいだな・・・・・ここは奥まってっから分かんないだろうけど。

「こちらに高木 桜さんがいらっしゃると聞いたのですが」
若い男の声に、班長達が集まってるけど・・・・・俺も見にいこうかと思えば、ツンと上着が引っ張られた。

俺の上着の裾を持ってる白い手は、彼女の手で、顔を見れば真っ青で、必死な顔してる。

「どうした、桜ちゃん」
「・・・・・・逃がして・・・・・柳川くん」
必死な目をして俺を見上げる彼女の頼みに、俺の答えは1つだ。

「俺たちの寮に行ってな! いないって誤魔化してくっから!」
「・・・・・・柳川くん」
「さ、行って! 咲人、桜ちゃん寮に連れてってな!」
「はぁーい」

咲人が彼女を裏から連れて行くのを見送って、俺は班長達のそばに行ったんだ。

班長達は黙って見知らぬ男の前に立ってるけど、さすがだよな・・・・・・彼女が居るなんて一言も言わない勘の良さは動物並みだわ。


若い男は高級スーツを着込み、ウン百万の腕時計をちらつかせ、キザに立ってやがった。

「高木 桜さん、いらっしゃいますよね? 呼んでいただけませんか?」
「高木 桜・・・って、その人女? こんな男だらけのむさっ苦しいとこに、女なんていませんけどぉ〜?」

「まあ、彼女が居るとしたら・・・・・・環境的には最悪ですがね」
「はああ??? 」
「こんな倉庫で彼女を働かせて、下劣な男共に彼女が穢されたら、どうするんだ! 」
「なんだと、この野郎!」

男の言葉に班長達がいきり立つけど、保護観察中だから、殴るのはマズイから!!!

班長を止めながら男を見れば、服の埃を払いながら会社の中を見渡す奴。

「帰れよ! 女なんてここにはいないから、空振りだから、はい、さようなら〜〜〜」
「・・・・・・いや、彼女はここにいるね。 ほら、あのお礼状・・・」
うわっ! 壁に貼られたお礼の手紙や絵を指差す男は、ニッコリとキレイに笑ったんだ。

「彼女が花束を作ると、ああやってお礼がくるんだ。 ・・・・・・だからこそ惹かれるんだ」
「あれはあんたが探してる女じゃねぇーよ! 近所の幼稚園に花をあげたお礼なんだ、関係ないんだ」

我ながら咄嗟にしてはいい嘘吐いたんじゃね???

「ふっ・・・ そんな嘘見抜けない僕ではありませんよ。 仕方がない、ではまた出直しましょう」
そう言って帰って行った男。

俺は大急ぎで寮に行き、桜ちゃんに男が帰ったと伝えにいったんだ。。。





はい、不穏な男、西園寺・・・ 年は30才くらいのイケメンさんを想像してください。

私のイメージは映画キャシャーンの内藤役のミッチーがイメージです。

妖しくて、暗くて耽美な彼を、イメージして下さると嬉しいです。

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プロフィール

すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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