《最高の離婚》by 初島 淳之介

フリーターの23才。
小学低学年の妹に母親のような存在を作りたくて、婚活(合コン)に励む。

明るくて真っ直ぐな男の子。

このドラマの方はさておいて、窪田さん演じる初島 淳之介くんは、素朴で素直で真っ直ぐな愛すべき男の子です。

見た途端、たまらなくて書いちゃいました。

ドラマのスジとはあまり関係ないので、知らない方も読めると思います。




「あんたじゃないか・・・」

俺はこの前、思いきって婚姻届を渡した相手に、振られた。

しかたないよな・・・・ だから俺は合コンで出会いを探すんだ。

「こんばんは〜・・・・あれ?」
俺らが合コンしてる部屋に、ヒョコッと顔を出した女の人がいてさ・・・・きょろきょろしてるんだ。

その人、マフラーをグルグル巻いてて、顔の半分が見えないんだよ!
でもなんか年上みたいだな〜・・・・・・

「すみません、間違えました・・・」
目当ての人がいなかったのか去ろうとした彼女に、女の子の1人が声をかけた。

「もしかして泉さんですか?」
「あ・・・はい、そうです」
「お友達のミカさん、急に仕事ができて帰られたんです」
「あ・・・・・そうですか、じゃ・・・私も帰ります」

「よかったら、一緒に飲みませんか? ね! ね! 」
この中で一番可愛いユカちゃんの言葉に、俺らが逆らうはずもなく、その人も「はぁ・・・」とか言いながら、端に・・・つまり、俺の横に座った。

「なんかデジャブだなぁ〜・・・」
そうチラッと思ったけど、ま、いっか!

「泉さん? 何飲みますか?」
「じゃ・・・生ビールで」
生ビール注文して、食べ物も皿に入れて前に置いてあげて・・・・・・で、俺は反対側の読者モデルしてるユカちゃんに、ターゲットオン!!!



はぁ、ミカの阿呆・・・・・・ こんな若い子と合コンするなよ〜・・・っていうか、私を呼ぶなよ〜
まあ、あの子の事だから1人じゃ心細くて呼んだんだろうけど・・・・・

大学生?くらいの男の子達や読者モデルしてる若い女の子に囲まれて、場違いなのをヒシヒシ感じながらマフラーを取り、夜会巻きにしていた髪を、解いた。

手櫛で髪を解いていると横から生ビールが・・・・・・「ありがとう」と受け取った。

グビッと一気に半分近く飲み干して、ほぉ〜っと息を吐く。

「んまい!」
「美味しそうに飲むんですね〜」
「仕事終わりに飲むビールは、達成感の味なのよ!」

横の男の子のクシャっとした笑顔が、可愛いなぁ〜・・・なんて、この感覚オバサンかも!?

私まだ28! ブルブル・・・いやだいやだ!!!

「どうしたんですか? 頭ふって・・・」
「今ね君たちの若さに当てられて如何に自分が年老いたかを実感してたのよ」
「小難しい言い方するんすね!」
「ごめんなさい・・・・雰囲気壊しちゃうよね・・・・」

やっちゃった・・・もともとこういう風に言っちゃうから、いつも堅苦しいだの、気難しいだの言われるんだよね。

黙ってないとな・・・・・大人しくしておこう・・・・・



「そう言えば淳之介くんって、どこの大学なの? みんなは?」
ユカちゃんの質問に他の男達が大学名を言ってるけど、俺はなぁ〜・・・フリーターだからなぁ〜

きっと嫌がられるだろうから、この質問は避けてたんだけどなぁ〜・・・・

「俺、フリーターっす!」
隠しててもしかたないし、本当のこと言ったら女の子達が微妙な雰囲気に・・・・・

「フリーター・・・・なんだ」
「イケメンなのに、なんだか・・・・・」
「残念だね・・・・」

はぁ〜・・・途端にドン引きされてるわ、俺。

もう今夜の合コンはダメだな・・・・・なんて思ってたら横から泉さんの凛とした声が聞こえた。

「へぇ〜・・・偉いんだね」
「え? 偉い? 俺が?」
「だってフリーターだろうが何だろうが、働いてるんでしょ? 今時ニートで親のスネ齧りまくってんのがごまんと居るのにさ、偉いよ」

俺、その言葉がほんと嬉しかったんだぁ〜・・・・・

「じゃあ、泉さんは何をされてるんですか?」
「あ、私? 私は・・・《ピルピルピル〜〜》あ、ちょっとごめん」

答えようとした泉さんの電話が鳴って、隅の方を向いて出てるんだけど、それって英語っすか???

「誰? なんで英語なの?」
これには俺ら全員が興味津々で・・・・・・・

「はぁ〜??? お忍びで日本に来てる? そんで何? うまい日本料理食いたいから私を呼べって?」

お忍び? 日本に来てる? で、泉さんが呼ばれる・・・・・なんだそりゃ!?

「また仕事ですか・・・・・」
ガックリとした泉さんが残りのビールを一気にあおって、携帯を眺め始めた。

「ここか・・・ここ・・・う〜ん、寿司屋か小料理屋か・・・・・」
「泉さん、お店探してるんすか?」
「そう、個室があって落ち着いてて、日本料理で・・・・・外人にも対応してくれるお店。しかも今から1時間後から行ける店」

「時間が時間だから、閉まっちゃうなぁ〜」
彼女が手帳を出して見てるけど、今日は平日の半端な日だから休みの店が多いんだよね。

「俺、当てありますよ」
「え?」
「前にバイトしてたんです。 連絡取りましょうか? そんな高級じゃないですけど、落ち着いてますよ 」
そう言ったらガシッと手を握られて、真剣な目で見つめられた。

「お願い、紹介して! 今すぐそのお店行こう! いい?」
「イイっすよ!」
どうせ読者モデルのユカちゃん達は、俺のフリーター発言でドン引きだし、役に立てるならいっか!

「じゃ、行きましょう! これ、2人分ね!」
財布からお金を置いた泉さんが、悪いって言う俺に紹介してくれるお礼と時間がもったいないからって・・・・・押し切られちゃった。

俺も上着着て2人で店を飛び出して、それからが怒涛の時間だった。

店に案内して中や大将を気に入った泉さんが、どんどん大将に質問して了解をもらってた。
そんで電話で英語や日本語で話しをして30分後、黒塗りの車から降りたのは、俺でも知ってる外人の俳優さんで。

1時間後、喜んで帰って行った外人さん一行に泉さんは、大将に深々と頭を下げてお礼を言うんだ。

俳優さんを案内してたのは泉さんの先輩だって男の人だけど、この人が安請け合いして泉さんに丸投げしたんだって。

「ははは・・・・先輩を立てるのが後輩だろう? 良くやった!」
「・・・・・・・はい」
「ん?そこの若い男はお前のコレか? 明日、休みだったなお前・・・・今夜は思いきり嵌めてもらえよ!」

なんだぁ〜コイツ!
厭らしい目で泉さんを見やがって・・・・・・

「お疲れ様でした」
黙って頭を下げて見送った泉さんが、頭を下げたままボソッと呟いたのを俺は聞いちゃったんだ。

「・・・・・・ぜって〜先に出世して、抜かしてやる」

くすくす・・・・・いい性格だなぁ〜・・・・ヤバい、俺・・・・この人と居ると楽しい。

気の強そうな大きな瞳、スッと通った鼻、ぷるっとした柔らかそうな唇・・・・・泉さんは美人だった。

支払いやら全て済まして店を出た俺たちは、何となく歩き出していた。

「今日は助かりました! ほんと、ありがとう!」
「イイっすよ! それより、お腹空きませんか?」
俺が言った途端にグゥ〜って泉さんの腹がなったから、俺はもう爆笑してしまった。

「なっ! そんな笑うことないでしょう!」
「だって、すっげぇ〜絶妙なタイミングだったから・・・・・可笑しい」
「ね、おでん食べたいな・・・・・どこか知ってる?」
「知ってますよ! ・・・・・行きますか?」
「行く!」

ニッコリ笑う泉さんの笑顔に、俺は・・・・・胸がドキッとして・・・・

それから屋台のおでん屋で2人で食べたんだ〜・・・・・・

「熱燗、美味しい〜〜〜」
「寒いから温まりますね〜」
「卵、大根、ジャガイモ!!! 私ね、コレは外せないの!」
「俺も卵と大根、好きっす!」

熱燗を何本も空けて、顔が赤くなってる泉さんが可愛いなぁ〜・・・・・

「ね〜、淳之介くんは何才なの?」
「俺? 23です」
「うわ・・・5才下か〜・・・ごめんね、読モとの合コン駄目にしちゃって・・・」
「いいんですよ! どうせフリーターって言った時点でドン引きしてましたから」
「・・・・・淳之介くんは笑顔が素敵なのにね〜」

「笑顔ですか?」
「うん! すっごく素敵だよ〜・・・」
「泉さん、大丈夫ですか? 酔ってますね〜 そろそろ帰りましょうか」
「はぁーい!」

ここは俺が支払って潰れかけた泉さんを、立ち上がらせた。

止めてるのに飲むから、足がフラフラじゃん!

「危ない!」
急にガクッとする泉さんの腕を掴んで、支えると、ふにゃり・・・と笑う彼女。

「美味しかった〜・・・ 久しぶりに美味しいお酒だった〜」
「ほら泉さん、しっかり掴まって下さい。 タクシー拾いますね」
「淳之介くんは彼女いるの?」
「いませんよ・・・いたら合コン行きませんよ」

彼女の腰に腕を回して支えながら歩いてるけど、ヤベッ・・・・・すんごいイイ匂いしてくる。

泉さんの腕が俺の腕に回って、縋り付いてくるみたいに身体を寄せてくる。

俺だってさ、健全な男子だからね・・・・・腕に当たる柔らかい感触とか、ああ、もう!!!

タクシーを捕まえるまでに、俺にしがみついたまま彼女・・・寝ちゃったんだ。

仕方ないから俺の家に連れて行ったんだけど・・・・・・家族がいるから静かに俺の部屋に2人で入ったんだ。





「ほら泉さん、お水飲んだほうがいいですよ!」
「んっ・・・・お水、飲みたい」
渡したペットボトルの水をゴクゴク飲んだ泉さんが、次に熱いって言い出して服をパッパと脱ぎ始めたんだ。

慌てて俺のTシャツを渡したんだけど、チラッと見えた身体がすごくエロくて・・・・・・俺、もう寝ます!

「ベット使って下さい」
「じゅんのすけくんは? どこでねるの?」
呂律の回ってない泉さんが、真っ赤なホッペして聞いてくるけど、止めてくれよ・・・・・俺は自分と必死に戦っていた。

いくら何でも酒飲んで酔ってる人を襲っちゃマズイ!
落ち着け〜・・・落ち着け〜・・・・・・

5才上でも綺麗な泉さんなら、俺、全然OKだし! もう理性との闘いだな。

「さびしい・・・・・いっしょに、ねんねしよ?」
そう言って俺の服を摘んでくる彼女に、頭の中が飛んじゃって・・・・・ベットの上に飛びのって彼女を抱きしめてキスしてたんだ。

「ん・・・・んん・・・・・」
「んっ・・・・」

キスをしたのは俺の方だけど、積極的なのは彼女の方で・・・・・キスしたまま、そっとベットに押し倒した俺は。。。


キスの最中に寝ちゃった彼女に布団をかけて、俺ベットの下で寝たんだ。

側にいたら我慢できないだろうからさ・・・・・



朝、カーテンの引かれてない窓からの光で目を覚ました。

「え? ここ・・・どこ?」
見渡しても見た事ない部屋の中で、目覚めた私は・・・・・・だんだん蘇る記憶に、顔から血の気が引いていった。

「淳之介くんの部屋なのかな?」
自分を見れば大きなTシャツ1枚で寝てたんだ・・・・・これ、彼のかな?

本人はどこ???

あ、そんなとこに居た・・・・・ベットと壁の間に、埋もれるように寝てる彼を発見!

ベットの上から彼ににじり寄れば、無防備な寝顔に思わず微笑んでしまう。

そうだ、迷惑かけたんだから何かお礼をしたい・・・・・朝食でも作ってみようか?

そう思った私は服に着替え下へと、降りて行った。

「おはようございます」
そっと歩いて下へと行けば、お父さんかな? 1人の男性が台所に立っていた。

「おはようございます」
「すみません、昨日はお世話になりまして・・・あの、朝食の準備お手伝いさせて下さい」

そう言えば快く受け入れてくれたので、ホッとしたの。
淳之介くんの暖かな雰囲気は、この家族の雰囲気なんだね〜・・・

それから私は、拙いけれど朝食の準備を始めたのだった。

お父さんに聞いた家族構成は、お父さん、淳之介くん、それに小学生の弟と妹の4人家族だった。

お母さんは末っ子の妹さんが幼い頃に、亡くなったそうだ。

私は食べて行きなさいと、お父さんに言われて5人分の玉子焼きや、味噌汁、焼き鮭などを作って並べておいた。

「淳之介くん、起こしてきますね」

2階の淳之介くんの部屋に入って、まだ隙間で埋もれるように寝ている彼を見ながら、自分がもっと若かったら・・・・・なんて思ってた。

「淳之介くんから見たら、オバちゃんだよね・・・・・私」
「そうでもないですよ!」
「へ?」
急にパッチリと目を開けた彼に、変な声が出た。

「泉さん、綺麗ですから・・・・オバちゃんとは思いません!」
「あ・・・ありがと・・・・・」
ここはお礼を言うところ・・・・・だよね???

「あ、忘れてた! 朝ご飯作ったの・・・」
「え? 泉さんが! 良かった〜・・・俺、寝過ごしたから」
「ごめんね、迷惑かけちゃって・・・」
「それは全然大丈夫なんです!」

2人で下に行けば淳之介くんの弟達も座ってた。

ご飯とお味噌汁を持っていき、小学生組みには特別に・・・・・玉子焼きの横に、赤いウィンナーのタコとカニの乗ったお皿を並べたの。

「あ、いいなぁ〜・・・タコにカニもいるぞ! ・・・・・俺には付いてないんですけど・・・」
「ぷっ・・・」
淳之介くんが本気で拗ねた顔して、思わず笑ってしまった。

「いいなぁ〜・・・こうやって、たくさんで食べるご飯って・・・」
私の理想の風景だなぁ〜・・・・・

「泉さんのお家は違うんですか? なぁ、タコくれよ〜」
「取らないの! ・・・・・・うちは、両親が忙しくて食事はお手伝いさんが用意した物を食べてたの・・・・いつも1人で」

「お手伝いさん!!!」

「朝も昼も夜も、いつも1人・・・・・ 日曜も1人・・・・おまけに私、一人っ子だし・・・・子供の頃ね、横にお人形並べて食べてたら・・・・・マナー違反だからって、お人形捨てられちゃったなぁ〜」


は? 子供の頃から一人で食事? それ嘘でしょ!・・・・なんて言えなかった。

あんまり哀しそうな目で言ってる彼女が、嘘じゃないって思うから。。。

俺たち母さんは死んじゃっていないけど、いつも皆で飯食ってた。

チビどもがもっと小さい頃なんて、煩くてさ・・・静かに食いたいとかも思ってたけど、そんな家でポツンと食べてるなんて、ウチより寂しいじゃないかよ。

俺は胸が詰まって、何も言えなかったんだけど・・・・・妹がさ。

「じゃあ、ウチで食べればいいよ! またタコさん作って!」
「ありがとう・・・・」
妹の言葉に嬉しそうな泉さんが、妹の頭を優しく撫でてて・・・・・・そんな2人を俺は、いいなぁ〜って見てたんだ。


「ただいまぁ〜」
「おかえりなさぁ〜い」
数日後、俺がバイトから帰ったら奥から泉さんが出てきてビックリした。

チビどもと留守番してたって、なんで???

「なんで、泉さんが?」
「お父さんがね、急な残業だから来てって呼ばれたの」
「呼ばれたのって・・・・・チビに?」
「そう! 何かあったら呼んでねって、携番教えてたから」

「お前ら呼ぶなよ〜・・・」
「泉ちゃんね、ホットケーキ作ってくれたんだよ!」
「すごい形が不細工なんだけど・・・・・生クリームで誤魔化しちゃった!」

テヘッて舌を出す泉さんが、可愛くて・・・・・俺はぼぅ〜っと見惚れてしまった。

「淳之介くんの分もあるんだよ! ほら、手洗ってきて」
「はぁ〜い」

それから少し焦げたホットケーキを食べて、泉さんは帰って行った。

お帰りなさいって奥から出てきた時の泉さん、可愛かったなぁ〜・・・
泉さんと結婚したら、ああやって出迎えてくれるのかな〜・・・・・

なんて想像したけどさ、お手伝いさんの居るようなお家で、英語はペラペラなキャリアウーマンな泉さんが、俺なんかと結婚なんて・・・・・・

その前に付き合うなんてことも、無理だよなぁ〜〜・・・・・きっと。

はぁ〜・・・なんか落ち込んでくるんだけど、もしかして俺・・・・・彼女のこと!?


いやいや、落ち着け俺!

この前フラれたばっかりなんだから・・・・・・あ、バイトの時間だ。
父ちゃんも帰ってきたし、俺はコンビニのバイトへと出かけたんだ。



「あれ? 泉さん!?」
俺は映画館やボーリングとかが併設されてる商業施設で、掃除のバイトをしてるんだ。

事務所のあるフロアを、掃除道具の入ったカートを押しながらふと見れば、向こうに泉さんが立っていた。

俺は携帯で泉さんを呼び出した・・・・・すぐに出た泉さん。

『もしもし』
「あ、俺です。 淳之介です」
『久しぶり〜〜・・・どうしたの?』
「今日、飲みに行こうかなって思ってて、おでん屋さん・・・行きませんか?」
『行きたい!』
ピョコンって、飛び跳ねてる様子が後ろからも見えた。

「くすっ・・・泉さん、可愛いですね。 飛び跳ねて喜ぶなんて」
『へ?』
「見えてますよ」
『え、どこどこ?』
「ああ、そっちじゃないです、後ろ!」

クルッと振り向いた泉さんに、俺は両手を挙げてここだよって振ったんだ。
そうしたら泉さんも手を振ってくれて、ニコニコ近づいてくれたんだ。

ああ〜〜・・・やっぱ可愛い〜〜・・・

待ち合わせの場所を決めて別れた俺だけど、楽しみでさ〜・・・後の仕事も楽しくしたんだ。

それから前行った屋台のおでん屋さんで、食べ始めたんだけど・・・泉さん、前のこと気にしてビールしか頼まないんだ。

「あんなに酔ったの初めてだったから、迷惑かけちゃってごめんね・・・」
「いえ、あれくらい可愛いもんですよ! 前に酔い潰れて家に泊めた人、起きるなり『何かしたっ!』て怒られましたもん! そのくせ俺の顔にマジックで悪戯書きしてるんですから、そっちのが迷惑ですよ」
「・・・へぇ〜」

「迷惑かけたからって朝食作ってくれたなんて、泉さんだけですよ!」
「・・・・・」
「??? どうかしましたか?」
「その人って、女の人?」
「ええ・・・まあ」

あれ? 俺なんかマズいこと言ったかな?
泉さんの顔が、どんどん暗くなってく・・・・・・

「そっか・・・」
そう思ったら急に笑顔になってさ、年上の人って分かんないなぁ〜〜・・・

「今日はさ、私が奢るから・・・・飲も飲も〜!」
「やった! じゃあ俺、卵! 大根!」
「私は〜・・・ウィンナー巻き!」

たくさん食べて、ビール飲んで、楽しい〜〜・・・・・

俺、すっげぇ〜笑ってるんだよな。

泉さんは映画会社の人で、映画館でやる映画を買い付けに外国に行くんだって。

良い大学出てるけど、全然偉そうにしないし、綺麗だし、ほんと楽しい〜〜・・・



今回は俺が酔っちゃって・・・・・泉さんが支えて歩いてくれたんだ。

俺の身体に密着してる泉さんからは、また良い匂いがして、柔らかな感触が俺の身体を熱くするんだ。

「ね、歩いてよぉ〜・・・淳之介くん! 重いぃ〜〜」
「すいやせん・・・いやぁ〜美味しかったなぁ〜・・・うん、すっげぇ〜楽しい!!!」
「楽しいのは分かったからさ、私じゃ支えきれないよぉ〜」

一生懸命に俺を支えようとして、抱きついてくれるのが嬉しくてさ・・・・・わざと酔い潰れたフリしてるなんて、後から怒られるかな・・・・

「ねーねー泉さん! 泉さんのお家ってこっから遠いの?」
「近いけど・・・」
「行きたいなぁ〜・・・・俺、行きたいなぁ〜・・・・・」
「いいけど、バイトとかお家は大丈夫なの?」

あ、妹達のこと心配してくれるんだ・・・・・・優しいな。。。

「それは大丈夫れす! 俺ね、今夜はバイトないしぃ〜・・・お父ちゃんには飲んでくるって言ってあります!」
「妹さん達は?」
「もうね、家にお父ちゃん帰ってるから、大丈夫!」

「なら私ん家行こうか、とにかく近くじゃないと保たないよ」
「すいやせん〜」
うんしょ、うんしょって俺のこと支えてくれる泉さんの、綺麗な横顔に我慢できなくて俺は・・・・

「いずみさぁぁ〜ん!!!」
思いっきり抱きしめてた。




「もう〜、こんなに酔っちゃって・・・ 」

さっき急に抱きしめられたけど、それは淳之介くんが酔ってたから・・・・・まあ、はずみ・・・とか?

嬉しかったんだけど、すぐに離れようとするんだもん・・・・・・一瞬、期待しちゃった。

私じゃ・・・淳之介くんにしてみれば、お姉ちゃんくらいだもんね。

とにかく私のアパートに運び込んだ彼を、リビングのソファーに座らせて冷蔵庫から水を取り出した。

「お水、飲もう・・・」
「水ぅ〜・・・」
ぐでぇ〜っと伸びて座ってる淳之介くんに、ペットボトルを渡してもキャップが取れないみたい。

「大丈夫? 」
心配になって顔を覗き込んだら、急に抱きしめられて・・・・・・キス、された。

熱い舌が私の口の中に入ってきて、それがお酒の味で・・・・いつの間にか私も夢中で彼の舌に絡めてた。

ぎゅうっと抱きしめられて、そのままソファーに倒されて・・・・・・え? このまま彼と!?

マズい・・・・・それはマズい!

だって彼より5歳も年上なのに、私・・・・・私・・・・・・経験が、ない!!!

そこに気がついた私は、冷凍マグロのようにソファーの上で固まってしまった。



「大丈夫?」
なんて心配した泉さんが俺のこと、覗き込んだりするから・・・・・・止まれなくなった。

抱きしめてキスして押し倒して、しばらく夢中でキスしてたんだけど急に泉さんの身体が硬くなって・・・・え? なんで?

「・・・・イヤでしたか?」
キスを止めて泉さんに覆い被さったまま、そう聞いたら・・・・真っ赤な顔で首を横に振ってるんだ。

「違うの・・・・嫌なんじゃないの」
「じゃあ、なんで?」

ますます真っ赤になった泉さんが、小さく・・・・・「ないの」って言った。

「・・・・・・何がですか?」
「だっ・・・だから・・・・その・・・・」

もしかして??? まだシタことないとか?

「・・・・・・シタこと、ないの」
「うっそ! マジですか!?」
「うぅぅ〜〜〜」

大きな目に涙が浮かんできて、俺を真っ赤な顔で睨んでくるから・・・・・可愛いっ!!!

「・・・・・俺が相手で、いいんですか?」
「・・・・・淳之介くんが、いいの」

「・・・・・好きだ、泉さん」
俺がそう告白したら、泉さんの目から涙がポロポロこぼれてきて、俺は慌てて手で拭っていた。

そうしたら泉さんの方から俺に抱きついてきて・・・・・

「・・・・・好き! 淳之介くんが、好き・・・・・」

それからはもう、無我夢中で・・・・・俺は・・・・・・泉さんを、抱いた。



もともと俺は結婚願望があった。

それは妹に母親って感じを教えてあげたいってのもあったんだけどさ。

泉さんとお付き合いする事になって俺は、婚姻届を彼女に渡したんだ。

俺の決意として、ちゃんと自分のところは書いて、判子も押して渡したんだ。

そうしたら泉さん、嬉しそうに横に書いて、判子も押してくれたんだ。

提出はもう少し後にするけど、母ちゃんの仏壇にしまったんだ。


弟も妹も、もう泉ちゃんって慕ってるし、父ちゃんは泣いて喜んでくれたし。

いやぁ〜・・・半年前にはフラれたけど、きっと「あんたじゃない」って言うのは本当だったんだ。

俺の相手は、泉さんだったんだ!


俺、幸せにするから! 泉さん!

「私ね、淳之介くんの笑顔が好きなの!」
「うん! 2人で・・・・皆で、笑顔でいような!」
「うん!」

あ〜〜〜、あん時、振られておいて良かったぁぁ〜〜〜!!!




一気に書いちゃいたったので、誤字脱字が心配です。

でもあのクシャって笑顔が大好きです!
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プロフィール

すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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