【 ウロボロス 】例えば事件が起きなかったら。。。

今期の冬ドラマの中でのお気に入りは、はい、【ウロボロス〜この愛こそ、正義。】でした。

このドラマ、漫画が原作でして・・・TSUTAYAで借りて旦那さんと一緒に読みましたが、面白い!!!
ほんと18巻まで、2回に分けて借りたんですが一気に読んで次が気になる漫画です。

そんな中で、ドラマの最終回では・・・・・・はぁ〜、よく考えても罪を犯してた2人だから、仕方ないといえば仕方がないラストですが・・・・

なら事件が起きずに、そのまま大きくなってたら・・・どんな2人になってたのかな?
2人とも警官として勤めててもいいわけだし、最強の相棒になると思うし。

でも竜哉はお医者さんでも、弁護士でも、IT企業の社長とかも似合うと思うんだ。

イクオは保父さんとか、似合いそう(笑)
小さな女の子におままごとの相手とか、ニコニコ笑って相手してそうです。

なんて妄想しまくってます!

そして幼馴染み設定で、竜哉とイクオに絡んでいくような話が書きたくて、もちろんオチは竜哉で。。。

ちなみに漫画では桐乃姐さんが好きで、ドラマではディープタウン深町が好きです!



「あ、咲耶〜・・・夕飯作るの手伝って!」
「もちろん、手伝います! ・・・・・結子先生に任せておけないし」
「何ソレ! 咲耶ヒドい〜〜」

・・・・・・・ ここは『養護施設まほろば』

10人ちょいの小学生と、結子先生と住んでるの。
私は1番年上の12才の咲耶・・・今度中学生になる女の子です。

1番年上なんだから、下の子供たちの世話はもちろん、掃除・洗濯・食事作りと色々結子先生を手伝ってるんだ。
1番力入れて手伝ってるのが食事作りなんだ!

なんて言っても結子先生、美人で明るくて度胸もいいのに・・・・・・料理だけは壊滅的にデキない人だから。

私はここに来るまで色々と施設を転々としてて、自分に出来る事は自分でする!って決めて、料理も習っていたんだ。

だから小学6年でも一通りは作れるほどに腕前なんだよ!
ただ作る量が多いから、結子先生と一緒に作るんだ。

「今日は何にしますか?」
「ごめん、咲耶! 今日忙しくて買い物行ってないんだ〜・・・何かある物で作れないかな?」
「・・・・・冷蔵庫見ますね」

冷蔵庫の中身に、野菜カゴの中のジャガイモや玉葱を見て、引きだしの乾麺を見た私は先生にこういうの。

「出来ますよ! パスタでいいですか?」
「いい、いい! 出来るの!? ありがとう〜・・・咲耶様々だよぉ〜〜〜!!!」
先生、拝まなくてもいいから・・・・・ほんと、結子先生って可愛いんだからなぁ〜・・・

「で、メニューは何だよ!」
「メニューはなに?」

出たな、先生が買い物に行けなかった原因! ・・・・・・段野竜哉と龍崎イクオ!!!

「こら! 先生を困らせちゃダメでしょう!」
「何だよ咲耶! 少し年上だからって威張るな!」
「竜哉! 少しじゃないでしょ、4つも上なんだからね」
「4つもババアって事だろ!」

「・・・・・・あ、そう! じゃあ竜哉はいらないんだ、夕ご飯!」
「咲耶ちゃんはババアじゃないよ、タッちゃん! こんなにキレイだよ〜」
「イクオ〜・・・いい子ね〜」

天然パーマのクリクリなイクオの髪を撫でて、ギュッと抱きしめたの! あ〜可愛い!
イクオは優しい子だから、竜哉が今みたいに私の事を悪く言っても「キレイ」とか「可愛い」とかフォローしてくれるんだよ!

・・・・・イクオ自身は自分が感じた事をそのまま言ってるって感じなんだけどね。

「ねぇねぇ咲耶ちゃん、今日のご飯はなに?」
「今日はね、ナポリタンとポトフにしようと思ってるんだ〜」
「わぁーい! 僕ね咲耶ちゃんのスパゲッティ大好き〜〜〜! 結子先生のオムライスも大好き〜〜〜!」

イクオとキャイキャイ騒いでたら、竜哉がプイってそっぽ向いて部屋の隅に座るから私は、イクオに結子先生の手伝いを頼んで・・・・・竜哉の隣に座った。

「何だよ、こっちくんなよ」
「竜哉はナポリタンでいい? 今ならリクエスト受け付けられるよ」
「いいよ、 別に・・・」

「明太子クリームパスタ・・・・・」
ピクッと竜哉の肩が跳ねる・・・・うふふ、竜哉の好きなパスタだもんね☆

「・・・・・ねえ竜哉、私ほんとにババアに見える?」
「・・・・・・ねぇ」
「聞こえない〜」

「・・・・・・見えねぇよ! 咲耶は、綺麗だ」

きゅぅぅぅ〜〜〜ん。。。

ボソッと呟く竜哉は、ほんとに8才なの?
っていうか、胸がきゅぅぅぅんって・・・・・え・小6の私が小2にトキメイてるの!?

え?え?え?

呆然としてる私の頭を竜哉がガシガシ撫でて・・・

「ぼうっとすんなよ! 俺の明太子パスタ作るんだろ?」
「あ・・・・・・うん」

頬が赤くなるのを見せないようにして、私はキッチンに立ったんだけど・・・・・・思えばコレが、私の初恋の始まりだった。


でもね、始まりはしたけれど・・・・・神様は少し意地悪だよね。

だって竜哉の心の中は、結子先生でいっぱいなのにね・・・・・・

私と結子先生、竜哉の3人は明太子クリームパスタにして食べている中で、初恋に自覚したとたん失恋決定な自分を恨めしく思ってしまう。

「咲耶ちゃん? どうしたの」
ナポリタンのケチャップで口の周りを汚してるイクオが、不思議そうに尋ねてくるけど私は曖昧に笑って、彼の口をティシュッで拭いてあげるの。

「何でもないよ・・・・ほら、綺麗になった」
「美味しいよ、咲耶ちゃん!」
「ふふ・・・良かった」

クリクリの天パーの髪を撫でながら、食事の続きを促す私に素直に食べ始めたイクオ。
竜哉は・・・・・結子先生と楽しそうに食べてるね。

「咲耶は料理が上手だよね〜・・」
「まあ、料理は咲耶の方が美味いな。結子はハンバーグも撃マズだもんな!」
「くぅ〜〜〜竜哉!!! 生意気言わないの!」

結子先生が竜哉のこめかみグリグリして怒ってるけど、ふふ・・・・・竜哉嬉しそう・・・・・



ある時、皆んなで結子先生の似顔絵を描いてる時があったの。
私は結子先生と家事をしてたんだけどね、出来上がった絵は皆んな子供らしい絵で先生も嬉しそうなんだ。

ただ1人、竜哉だけ床に座って背中を向けてるんだけど・・・・・ええ?

結子先生が見せてと言って、竜哉から渡されたそれは・・・・・・とても小学生が描く絵ではないほど本格的な出来栄えで驚いちゃった!

いいなぁ〜・・・ 私も描いてほしいなぁ〜・・・・

「ねえ竜哉! 私も描いてよ!」
思いきって言ってみた私だけど、ちろっと竜哉に見られて・・・・・・

「俺はブスは描かないから」
・・・・・・・・なんて言われちゃった。

「・・・・・・・・そっか」

仕方ないよね、結子先生みたいな美人と私じゃ比べ物にならないし・・・・
私はそれ以上何も言えずに、キッチンに戻って夕飯の続きを作り始めたの。

「・・・・・・・いつもならしつこいくらい言ってくるくせに、なんだよ・・・・調子狂うな」

竜哉の呟きは、私には聞こえなくて・・・・・ううん、なんだかもう何も聞きたくなくて、作業に没頭したの。


「咲耶スゴイじゃん! 小学生作文コンクールで最優秀賞もらったなんて、スゴイよ〜〜〜」
「なんか学校にテレビが来てさ、作文読んでるところ撮られた」
「うっそ〜! それって全国放送なの? ね、いつ放送されるの?」

その放送は夕方のニュースで放送された。

テレビの画面に映る自分を、なんだか恥ずかしく思った私はキッチンに逃げて洗い物の後片付けで時間を潰したの。

私以外の皆んながテレビを見てる中、結子先生の『スゴイよ、咲耶可愛い〜・・・ね、皆んなもそう思うでしょ』なんて声を聞いてると、照れてしまう。

「ふん! 大した事ないのに騒ぎすぎだ」
「竜哉・・・」
私が映るテレビなんて見ていたくないのか、竜哉はリビングから離れて歩いて行った。


ほんとうに神様は、意地悪だよね。。。


成績も優秀な私はテレビの全国放送に映ったことで、ある異変が起こった。

・・・・・・私を養女にしたいという申し込みが、まほろばに幾つも舞い込んできたの。




「・・・・・・どうする咲耶。私はあんたが良いと思わない所には、行かせないから」
「・・・・・・少し考えていいですか?」

なんだ? 咲耶の奴・・・どっかに行くのか?
夜のリビングから話し声が聞こえると思って、近づいたら会話の切れ端が聞こえた。

少し落とした照明の中、下を見ている咲耶の真っ黒で艶やかな髪がサラリと揺れたのに、なぜかドキッとする。

長い睫毛に、しっとりと濡れたような大きな瞳、鼻すじは通ってて、赤い柔らかそうな唇はガキのくせに色気まで漂わせてる。

小学校でも人気者で、こんな施設育ちも咲耶の魅力には障害にもならないらしい。
学校ではいつも周りを人に囲まれてるんだよな。

・・・・・それも気に入らなくて、年上だからってお姉さんぶってる咲耶に、いつも突っかかってるけど・・・・・・けど。

俺が施設に来た翌日に抜け出した時、結子は何も言わず俺と歩いてくれた。

あいつはその間、まほろばの家事やまだ小さい子達の面倒を見ていて・・・・・・帰った俺と結子にご飯を作ってくれたんだ。

明太子クリームパスタを、さんざん歩いて腹を減らせた俺と結子は、かき込むように食ってたっけ。

・・・・・あの時、食いながら結子がコッソリと話してくれたのは、結子が俺の後を追いやすいよう家事や子供達の世話は任せてね!なんて送り出してくれたらしい。

「ほんと出来た子だよ・・・・・・出来過ぎなくらいだよ! 咲耶は今まで私にも前の施設の人にもね、我が儘言ったことないんだ。 それどころか毎日家事を手伝っててさ・・・・」
「・・・・・・」
「甘える事が出来ないんだよ、あの子・・・ 甘える事が分からないんだ」
「・・・・・咲耶はいつから施設にいるんだ?」


「あの子は、病院の桜の木の根元に置かれてたんだ・・・まだヘソの緒がついたままでさ・・・・・ねえ、竜哉」
「あ?なんだよ結子」
「結子先生でしょ! 竜哉さ、咲耶と仲良くしてあげて? あの子、どっか脆いとこあるんだ」
「結子と違って繊細なんだろ?」

「くぅぅ〜〜〜・・・あんた生意気なのよ!!! こうだ!」
「いてぇ〜・・・グリグリするなよ! いてぇ〜」

こめかみに結子の拳でグリグリされながら見たのは、クスクスと笑う咲耶の笑顔だった。


・・・・・・産まれて直ぐにデパートのトイレに捨てられてた俺は、施設をタライ回しに巡るなかで誰にも心を開く事はなかったんだ。

そんな俺に『家族になろう』と言ってくれた結子と、結子をサポートしつつ温かくて美味い食い物を作る咲耶が、俺にはかけがえのない存在になったんだ。。。

いつもからかって、突っかかって、ばっかりだけどな・・・・・


「・・・・・・描いてやるかな、咲耶も 」
珍しく自分から言い出した咲耶の願い事を、俺は・・・・・どうして直ぐに叶えてやらなかったんだろう。

・・・・・・この時は分からなかったんだ、ずっと一緒にいると思ってた相手が、突然、自分の前から姿を消す事があるなんて。。。


分からなかったんだよ、咲耶・・・・・・・

俺はお前と結子とは、ずっと・・・ずーっと一緒に居られると、馬鹿みたいに思ってたんだよ!!!


ずーっと・・・・・一緒に・・・・・・側に居ると・・・・・・思ってたんだよ・・・・・・



「ねぇ竜哉・・・・あのね・・・」
部屋の隅で咲耶を描いていた俺に、当の本人が話しかけてくるから俺は慌ててスケッチブックを隠して、咲耶を睨んだ。

いきなり絵を描いて渡して、ビックリさせてやろうと思ってた俺の悪戯は、思いつくと楽しくて、気に入ってたんだ。

渡したとき、どんな顔するかな・・・咲耶。

ビックリして大きな眼を、これでもかって開いたりするかな・・・
俺が自分を描いたと分かれば、喜ぶかな・・・あいつ

もしかして、感激して泣いちゃうかもな!
いや、きっと泣くだろうな、うん。

・・・・・・へへっ、早く描いて渡してやりてぇ〜・・・・・・

そんな事を考えてる時によ、急にお前が呼ぶから、だから俺は焦って・・・・焦っちまったんだ。


「ねぇ竜哉・・・あのね・・・」
「〜〜〜・・・・・・急に話しかけてくるなよ! ウザいんだよ、お前は!」

こんなつもりじゃなかったんだ・・・・・・俺はただ、お前を喜ばせてやりたかったんだ。
サプライズってのを、やってやりたかったんだ・・・・・・・

それだけだったんだ。。。

俺の剣幕に怯えた咲耶が、その大きな眼からポロポロと涙をこぼすのに内心じゃあ『しまった』と思ったけど、もう言葉は取り戻せなかった。

「・・・・・・っ、ひっく・・・・・ごめっ・・・ごめんね」
ぱたたっ・・・と、駆けてく咲耶の髪が、悲しそうに跳ねていた。

「くそっ!」
後悔しても、もう遅かった。。。



それは突然の事だった。

「タッちゃん、タッちゃん! 僕らの家に車が停まってるよ〜」
「・・・・・・なんだろな」
「あ、動いた!」

学校からの帰り道、黒塗りのデカくて高そうな車がまほろばに停まってると思えば、俺らの横を通りすぎて行った。
チラリと見た車は後部座席の窓は黒く見えない様になっている、子供でも分かるエンブレムのついた高級車だった。

そしてその車を見送る結子は、目を真っ赤にさせていた。

「結子、どうした! あの車なんだよ!」
「・・・・・・・咲耶の里親なの」

「・・・・・・は?」
「え? 咲耶ちゃん・・・でて行ったの?」

イクオの問いに結子は屈んで、イクオと目を合わせた。

「イクオ・・・咲耶はね、新しいお家に行ったんだよ」
「・・・・・なんで黙って行ったんだよ!」
「・・・・急に咲耶が決めたんだ。自分で連絡して、迎えに来てもらったんだよ」

「それでも! どうして・・・・・どうして行かせたんだよ!」

俺は、まだ絵を・・・・・絵を渡してないのに・・・ 咲耶・・・・・咲耶!

「咲耶〜〜〜」
「さくやちゃぁぁ〜〜ん!!!」

べそべそと泣き出したイクオを結子が慰めてるけど、俺は・・・・・俺は絶対、咲耶を探してやるって決めたんだ!

「結子、咲耶の連絡先は?」
「教えられるわけないでしょ〜」

「でも落ち着いたら顔見せに来るって言ってたよ」

そんなの待ってられるか!!!

俺は後日、結子の隙をみてファイルから咲耶の里親の書類を見たんだ。
電話をかけて咲耶を呼び出そうと思ったんだけど、その電話は・・・・・・通じなかったんだ。


結子に相談して調べて貰えば、確かに連絡を取っていた電話番号は現在使われておらず、住所もでたらめ。
里親申請した住所には、知らない夫婦が住んでいたんだそうだ。

結子はどこかに相談したみたいだが、結局・・・行方は分からなかった。

・・・・・・咲耶を辿る道は、完全に閉ざされたんだ。






あれから10年が経った。

俺とイクオは高3になり、将来を考える年になった。

咲耶とはあれから会う事も、連絡もなく、イクオなんかは忘れてるのか知らん顔してやがる。

・・・・あんなに可愛がってもらってたのによ。

俺と違って素直な子供らしいイクオは、俺が咲耶をからかうと必ず慰めてて・・・・・よく頭を撫でてもらってた。

・・・・・・・それが羨ましいと、あの頃素直になれてたらな。

はっ! ひねくれ者の俺がイクオみたいにか? 今も昔もなれねぇーよ!

「段野君、ちょっと話があるの」
担任に呼び止められた俺は、仕方なく後をついて行った・・・・・また進路のことか。

生徒指導室の小部屋で向かい合う担任と俺の間には、この間出した進路希望書が置かれてる。

「段野君、もっと真面目に将来を考えて欲しいの! 君は入学してからずっと成績は1番よ。 大学進学を希望してもおかしくないのよ」
「・・・・・・・真面目に考えましたけど」

「・・・・・・探偵のどこが真面目に考えたのよ! あなたなら東大だって狙えるのよ! お金の事なら奨学金制度もあるんだから!」
「・・・・・・俺にはちんたら大学行ってる時間がねぇ〜んだよ。 んじゃあ、帰ります 」

立ち上がって小部屋を出た俺は、決めてるんだ・・・・・・咲耶を探すと。

あいつを探して、探し出してやるんだ・・・・・・


だが、咲耶は・・・・・・ある日突然、見つかった。


それはリビングでついてたテレビに、偶然映ったものだった。

飲み物が欲しくて冷蔵庫を覗いてた俺の耳に、飛び込んできた1つの名前。

『ここは有名な宝石鑑定士のいるお店なんですね〜。 お若くても本場イギリスで学ばれた鑑定士さんのいるお店と評判になってますね〜」
「おほほ、4年間イギリスで留学して学ばせましたの」
『咲耶さんは鑑定士として世界を飛び回って宝石を買い付けてらっしゃるとか、今日はこちらには?』
「ええ、来てますわ。 咲耶・・・いらっしゃい」

そうしてテレビの中に現れたのは、艶やかな真っ黒の長い髪に、切れ長の大きな瞳に、赤い唇。

10年前に別れた・・・・・・・咲耶が成長した姿だった。

テレビにはでかでかと《美人鑑定士の咲耶さん》なんて出てた。

俺は店の名前と場所をテレビから確認し、電話番号を調べかけてみたんだが・・・テレビの影響でファンだと勘違いされた俺は、取り次いでもらえなかった。

・・・・・・じゃあ、行ってしまえばいい。

貯めてた小遣いをポケットに捻じ込んで、電車に飛び乗った俺が向かった先は・・・・・銀座だった。

店の裏側で咲耶が通るのを待つ俺は、壁に寄りかかりジッと出入り口を見ていた。



「イクオ〜・・・竜哉は?」
「知らない」

本当は知ってるけど、結子先生には教えるなって言われたから・・・・・
僕は結子先生に突っ込まれないよう、外に走りに行ったんだ。

ロードワークしながら、タッちゃんが咲耶ちゃんに会えるよう考えてる僕。

10年だもんね、タッちゃんが咲耶ちゃんを探してたの・・・・・・

ずっと、ずっと、タッちゃん・・・ 大きくなったら、自由に探せるようになったら、俺が探し出してみせるって言ってたタッちゃん。

頭も切れて、冷静で、カッコイイ、タッちゃんは僕の自慢の幼馴染なんだ!
だから僕はね、探偵になるっていうタッちゃんの力になりたくて・・・・・警察官になろうと思うんだ。

刑事になってタッちゃんに咲耶ちゃんの事をさ、少しでも情報教えてあげたいんだ!


タッちゃん、咲耶ちゃんに会えたかなぁ〜〜〜

あれ? タッちゃんが今、咲耶ちゃんに会えたら僕って警察官にならなくてもいいってことかな?

???・・・・・・まあ、タッちゃんが戻ったら聞いてみようっと!

さ、結子先生の手伝いしなきゃ!



日が暮れて、とっぷりと暗くなってから・・・・・・・咲耶が出てきた。

従業員らしい女性達に挨拶し、見送った咲耶が店に入るタイミングで俺は、声をかけた。

「咲耶!」
「・・・・・・・もしかして竜哉?」

10年ぶりに会った咲耶は、1人の美しい女に成長していた。
俺を見て驚き、そして・・・・・嬉しそうに微笑む咲耶に、俺は駆け寄り抱きしめていた。

「なんでっ! 黙っていなくなった! 何で俺に何にも言わずにっ!」
「竜哉・・・・・ごめん、ごめんね・・・・・」

ぎゅうぎゅうと抱きしめた咲耶からは、懐かしい匂いがした。

イクオがよく言ってたっけ、咲耶ちゃんは良い匂いがするんだってな・・・・・・

シャンプーから石鹸から、同じ物を使っているのに確かに咲耶からは花の匂いがしていた。

その懐かしく良い匂いを肺いっぱいに吸い込んで、俺は・・・・・・咲耶を抱きしめていたんだ。



ガタタッ・・・・・・

ドアの中に咲耶を抱きしめたまま入った俺は、咲耶が何かを言う前にその赤い唇を奪った。

「っん・・・・・んはぁ・・・・・ぁぁ・・・・・・」
「・・・・・・咲耶・・・・・・・」

初めて触れた咲耶の唇は、他の女よりも・・・・・ずっと甘く、柔らかくて・・・・・・
逃さないために後頭部に回した手に感じる、咲耶の髪はしっとりとした感触で・・・・・・

同じく腰に回した腕は咲耶の華奢さを、ダイレクトに俺に伝えて・・・・・・何もかもが俺を、熱くさせるんだ。

「・・・・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「俺より年上のくせに、キスくらい慣れてねぇ〜のかよ」

「だって、こんなの初めてなんだもん・・・・・なれてないもん」

バカ野郎! ・・・・・・そんな可愛いこと今言うんじゃね〜よ!

俺は咲耶を引き寄せて、さっきよりももっとディープに、もっと執拗に舌を絡めて・・・・・俺をキスで刻み込んでやったんだ。


「ん・・・・たつや・・・・・あ・・・・・」
「・・・・・くっくっくっ、キスの1つで腰抜かしてんじゃねぇ〜よ、咲耶」
そんな蕩けた顔しやがって、身体から力が抜けたお前を両腕でしっかりと抱きしめて支えてやれば、コトリと俺に頭を預けてくる。

「・・・・・・どうして? どうして会いにきたの?」
ポツリと呟いた咲耶が、どこか寂しそうにそんな事を言いやがった。

「私のこと・・・・・竜哉、嫌ってたでしょ? なんで? なんで・・・・・キスなんてするの?」
「嫌ってなんていねぇ〜・・・・・いねぇ〜よ」

「だって・・・・」
大きな目に涙を溜めてる咲耶に、10年前の失言と胸が灼けるような後悔が頭をもたげる。

「・・・・・・・好きなんだ。 ずっと、ずっと・・・俺は咲耶のことが好きなんだ」
「でも竜哉は結子先生を・・・・・結子先生の事が好きだったでしょ?」
「〜〜〜結子の事は好きだ、でもお前は・・・・・お前の事は・・・・・」

「・・・・・・・愛してる」
「たつや・・・・・・んんっ」

薄暗い廊下で俺は、狂おしく想い続けた咲耶を抱きしめ続けた。



〜〜〜10年後〜〜〜

「竜哉さん、会長からお電話です」
「ああ・・・はい、段野です」

『今夜はパーティーだからね、綺麗にしておいでよ! あんたは何着ても似合うだろうけどさ』
「分かりました。 ああ、咲耶は?」
『ふふっ、あんたが惚れ直すほど、綺麗にさせてるよ・・・・・楽しみにしておいで』
「ありがとうございます」

『もしあんたが来なければ、他の男が直ぐに立候補するだろうね・・・』
「・・・・・渡しませんよ、あいつだけは」

電話を切った俺に、深町がタキシードと花束を用意してあると言う。

「竜哉さん、そろそろ御用意を・・・・・」
「おぅ、分かった・・・・・後の事は大丈夫だな」
「それは任せて下さい・・・・しかしお早いお戻りをお待ちしております」

「ああ・・・・分かってる」

俺は机から小箱を取り出し、着替えたタキシードの上着のポケットに入れて会場に向かうんだ。


咲耶と再会して10年か・・・・・・
あれから俺は進路を変え、大学に入り卒業して、ある会社に入った。

それからは、その会社を大きくする事に文字通り命懸けで働いた。

どんどんデカくなった会社に、ヤクザが目をつけた事もあったが、必死に守って・・・闘った。

その中でどういう訳か、この男・・・深町が俺の側に居させて欲しいと言いだして、今に至るんだが。

どうして俺がそれほど会社を大きくするのに必死になったのか、それは・・・・・咲耶だった。

ガキの頃から惚れてた咲耶と再会した、あの夜。

咲耶も俺に惚れてた事を、2人で確認しあった・・・あの夜。

俺は、店から連れ出した咲耶とそのままラブホテルで、身体を繋いだんだ。

驚いた事に俺が初めてだった咲耶に、俺は・・・・・・・・溺れるほど愛しくて、この女しかもう欲しくは無くなったんだ。

翌日、養母の宝石店オーナーの桐乃に咲耶を俺の嫁にすると宣言したが、あのババア・・・・とんでもない条件を出しやがったんだ。


「あんた、私の可愛い咲耶が欲しいなら・・・・・この国で一番の大学に入ってさ、首席で卒業してみなよ」
「・・・・・・なんだ、そりゃ」
「・・・・・私はね、こういう風に見えても首席で卒業してるんだよ」

「そしてこの会社に入って、デカくしな! そしたら咲耶をあんたにやってもいいさ・・・」

ニヤリと笑う桐乃は、女傑の異名の通り迫力で・・・・・一筋縄ではいかない女だと分かった。

「もし出来なければ、私が見込んだ男に咲耶を嫁がせる・・・・・・この条件、呑めるかい?」
「・・・・・・・呑むさ、俺は俺の女を嫁にする」

「ふ・・・ん、あんた見所ありそうだね。 よし、大学の費用は私が肩代わりしてやろう。 この会社に入ったら給料から天引きして返してもらうよ」
「・・・・・なんだよ、それ」


それからは勉強、勉強で息つく暇もなかったっけ。
あんな本気に勉強したの、あの時くらいだしな・・・・・・・ま、1発で合格したけどな。

俺は大学入学を期に施設を出て、咲耶の部屋に転がり込んだ。

4年後、首席で卒業し・・・ババアの会社に入り、企画や経営に携わり、会社をデカくしていった。

咲耶は鑑定士とデザイナーを兼任し、店の看板を背負っている。


そして今夜、俺たちの婚約披露パーティーが開かれるんだ。

俺は社長に就任し、ババアは会長に収まり、うまく会社は回ってる。

さて、会場に着いた俺は咲耶の控え室のドアをノックした。

中に入れば、そこには黒いドレスに身を包み立っている・・・・・・・俺の女が居た。

切れ長の大きな瞳も、いつもにないセクシー系のメイクに彩られて・・・・・俺を魅了する。


「似合うかな・・・・竜哉。 いつもと違うメイクだから、少し恥ずかしいの・・・・」
ぴったりと咲耶の肢体に沿うドレスが、サラリと音を立てる。

ああ、肩も腕も、スリット開いたとこから白い腿も見えてんじゃねぇーか!

俺は咲耶に吸い寄せられるように近づいて、抱きしめながらその耳に熱く囁く・・・・・


「似合ってるぜ・・・・・今すぐ咲耶が抱きたいくれ〜によ」
「もう・・・・・・ばか」

頬染める咲耶の可憐さと、バカと上目遣いに見てくる色香に・・・・・・・もう、我慢できねぇ〜

俺は咲耶を鏡台に座らせキスを仕掛け、ドレスを捲り上げて指をショーツの中に入れ、咲耶を煽った。

「竜哉! ダメよ、時間がない・・・あっ・・・・あんっ! 」
「仕方ねぇ〜だろ、お前がんな綺麗だから悪いんだよ。 こんな綺麗なお前、抱きたくなるに決まってんじゃねぇ〜か!」
「竜哉・・・・ああああ・・・・・はぁあんんん・・・・・」


終わったあと、ぐったりとする咲耶をソファーに寝かせるが、これじゃあ人前に出せやしねぇ〜・・・・

蒸気した頬、潤んだ瞳、濡れた唇・・・・・・どんな男もイチコロだろうぜ。


俺は30分後に迎えにくると咲耶に言い置いて部屋を出た。

30分、場を持たせなきゃな・・・・・・・イクオに芸でもさせるか。

桐乃の挨拶に、目立ちたがりの来賓を3、4人話させれば場は持つだろう。


俺は、今夜・・・・・・名実ともに咲耶を、手に入れる!!!




あはあは・・・・・やっちゃいました!

ドラマの最後、子役の子達と結子先生の姿や、大人の竜哉とイクオと結子先生の姿に涙し、深町の男泣きにも泣いてた管理人です。

こうやって普通の(?)未来を、見たかったなぁ〜と、妄想しちゃいました!

イクオは普通に刑事になって、美月ちゃんと幸せになって欲しいです。

最後まで見てくださった方、感謝です♡

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コメント

☆トナンさんへ☆

トナンさん、こんばんは〜
コメントありがとうございます!

> ウロボロスは私も大好きで最終回は号泣いたしました。
私も大号泣しました! あれから何度も見ては、いつも同じ場面で号泣。。。

子役の子達が結子先生に抱きついてからの! オムライス食べるのが大きな竜哉&イクオと小さな竜哉とイクオに交互に変わるとか、もう最後の終わりまで泣き続けです!

漫画も読んだんですが、原作を壊さずより魅力あるキャラクター(三島役の吉田鋼太郎さんが秀逸です)になってて、本当に毎日1話から繰り返し見ています。

> たつやとイクオくんを幸せにしてあげたいなって思っていたので、ウキウキワクワクして読ませていただきました*\(^o^)/*

そう!そうなんです!
あれだけのイケメン竜哉のあの一途な恋心を、報われるものにしたくて妄想しちゃいました!
そしてイクオはやっぱり美月ちゃんと幸せになって欲しいので、今は失恋キャラで頑張ってもらいます!(笑)

> まだたつや編しか読んでないので、今からイクオ編に行ってまいります。(*^^*)
はい、イクオの片思い&懐きっぷりを堪能していただければ嬉しいです!

> では♪
行ってらっしゃいませ〜〜〜 (^o^)/

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プロフィール

すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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