③《人魚姫の恋。。。》

さてさて3話目です。

犯人の足取りも気になりますが、アリサちゃんが変だぞ?
恋をして黒くなっちゃった!?

被害者のアリサちゃんが、そのまま良い子なんだろうか、どうなんだろうか気になりますが。
続きは読んでのお楽しみです!



アリサちゃんが寝室に行き、護衛は神戸さんに任せて警視庁に戻る事を2人に話したんです。

「今から戻るの?」
「はい・・・ 犯人は逃走中です。 もしかしたらアリサちゃんを狙って何事か行動を起こす可能性もあります、ですから」
「何かお考えが有るのですね」

「もう一度、証拠を検証し直したくて・・・」
「分かりました、私が警視庁にお送りしましょう」
「え? それなら僕が行きます!」

「お前は彼女の護衛だろうが・・・離れる事は許可せんぞ」
「私はタクシーで行きます。 大河内さんもアリサちゃんの護衛をして下さい」

私はタクシーで十分です!
そう言ってカバンを持って玄関に行く私に、神戸さんがついて来ちゃって。

「陽子、ほんとに送らなくていいのか?」
「まだ早い時間ですし、大通りに出ればタクシーを停めれますから」

「それよりアリサちゃんの事を、お願いします!」
「・・・・・・・残念」
「残念・・・ですか???」

ニッコリと笑う神戸さんの、その妖艶な笑みに私はドキドキとする胸を気づかれないよう、精一杯平気な顔をするんです。

「そうだよ、警視庁に行くまで陽子と2人になりたかったけど、しばらく我慢だな・・・」

2人っきりに・・・・・それは私だって! 私だって・・・・・
そんなこと言えないけど、私は神戸さんを見上げたら・・・・・神戸さん?

「・・・・・・陽子も俺と一緒なんだね? そんな潤んだ目で見て・・・」
キョロっと後ろを見る神戸さんにつられて私も見れば、リビングに続くドアは閉まってて誰もいませんし、誰も見てませんね。

「少しだけ・・・・・」
「え? あ・・・・んんっ・・・」

引き寄せられ抱きしめられ、私の唇に神戸さんのが重なって・・・・・すぐに舌が入れられて、私の口内も舌も絡めとられて・・・・・

深い、深いキスを少しの間して、離れる私達。

「陽子の充電、少しだけ出来たよ」
「私も・・・」

でもまだ足りない・・・・・そんな想いを振り切って、私は玄関を出たんです。

アリサちゃんを、お母さんを傷つけた犯人を追い詰めるために。。。

私は頑張ります!!!



誰か出て行くのかと思って、こっそり玄関を見に行った私は・・・映画みたいなキスシーンに出くわしたの。

男らしく陽子さんを引き寄せる神戸さんの仕草に、ドキドキしてしまう私はそのまま陽子さんが出て行くまでを見ていたの。

小柄な陽子さんにキスするために、少し背を屈める神戸さん。
陽子さんの頬に手を添え・・・唇を重ねれば、その手が後頭部に回されて・・・・もう片方の手は背中をしっかりと抱きしめてる。

ああ・・・・・なんて素敵なの!

うっとりと見惚れてしまうほど、神戸さんが素敵で・・・・・・でも、神戸さんは陽子さんの恋人。

私だって鏡を見れば綺麗な方だと思うわ。
ストーカーに襲われるくらいだもの。

学校でも男子から告白をされる事もあるし。

それに陽子さんより私の方が若い・・・
よく言うじゃない、男は若い女の方がいいって!

そう、陽子さんがいなければ・・・・・私が愛されるのよ・・・・・きっと。

そうよ、そうだわ!

陽子さんさえ居なければ・・・・・・私が神戸さんに愛されるんだわ。

だって私は、ストーカーに狙われた《可哀想な子》だもの。。。

こっそりと寝室に入って、よぉ〜く考えるの。
私が神戸さんを手に入れる方法を。

私が、王子様を・・・・・・・・・・手に入れるの

うふっ・・・うふふ・・・・・

誰もが羨む素敵な王子様と、可哀想なお姫様はね・・・・・・幸せになるのよ。

悲劇のお姫様は、王子様の愛で傷を癒して、そして・・・・・・うふふ。

さぁ、よぉ〜く考えなきゃ!



静かに寝室のドアに隙間を空け、中の様子を見ていた大河内は、そっとドアを閉め・・・・・考えに耽るのだった。




「鈴木さん! こんな時間にどうされたのですか?」
「米沢さんのお手伝いに来ました! 犯人は逃走中ですし調べ直しをしたら何かヒントが出るかもしれないと思って」
「有り難い援軍です。では早速ですが犯人のパソコンを調べていただければ」
「分かりました」

そうだ、米沢さんお食事はもう済まされましたか?

「いえ、それがまだなんです」
「良かったらシチュー作りすぎたので持ってきたんです、食べていただけますか?」
「鈴木さんお手製のシチューですか、いやはやこれは是非に! いただきます」
「保温容器に入ってるので温かいとは思うんですが、冷めてたらレンジで温めて下さい」

「熱いくらいです。いや、有り難い有り難い」

米沢さんに夕食を摂ってもらっている間に、私はパソコンを調べて・・・・・ん? ロックがかかってますね。
これは強力なロックだ・・・・・・私は自分のパソコンを繋いで、ロックを外すため操作していて・・・・・

「犯人は自分でプログラミングしていまして、これが手強いんです」
「そうですね、強力です・・・」

そして私は作業に没頭していったのでした。



「神戸、起きろ・・・・・・起きろ」
「・・・・・おはようございます」
リビングのソファーで寝ている僕は、大河内さんに起こされて・・・うっ、身体がバキバキ!

解そうと腕を伸ばしたり背中を伸ばしたりしていると、アリサちゃんも起きてきた。
手櫛で髪をサッと整え、「おはよう」と声をかければ・・・・・・あれれ? 悲しげに顔を伏せる彼女。

「どうしたの? 何かあった?」
あ、そうだ・・・ 話せないんだった。

書き書きとノートに何事か書いてる彼女の手元を覗き込めば。

『すみません、早起きして朝食作ろうと思ってたのに』
「ああ、いいよ! 目玉焼きくらい大河内さんが作ってくれるだろうし、ね☆ 大河内さん」
「・・・・・・作ろう」

「それとシチュー温めて下さい」
「・・・・・・お前はしないのか?」
「僕、支度しなきゃ」

そう言って洗面所に向かった僕が、顔を洗い髪を整えてリビングに戻れば・・・・・きっちり律儀に目玉焼きとシチューとトーストがテーブルに並んでた。

「・・・・・これで文句ないだろう」
「ええ、上出来ですね大河内さん! いつでもお婿に行けるかも」
僕がからかうと、アリサちゃんが笑ってくれた。

ま、大河内さんは苦虫噛んでるみたいな顔してるけど・・・

そうして朝食を済ませた僕等は、警視庁に登庁するんだけど・・・・・・

クイクィってスーツを引かれてアリサちゃんを見れば、自分の髪を一房手に持っている。
あ、そうか・・・美容院だね。

「一度警視庁に行ってもいいかな? 捜査の進展状況とかも聞きたいしさ」
『コクン』
「それから行こうね・・・ 」
『コクン』

彼女が支度しにゲストルームへと消えたとき、大河内さんが僕に・・・

「神戸・・・彼女のこと気をつけろ」
「ええ、犯人からまた狙われるかもしれないですからね」
「違う、彼女が狙っているんだ・・・・・・お前を」
「は?」

何を言いだすかと思えば、彼女は高校生でしょ?
40才の俺なんて、そこらの親父と一緒で眼中にありませんって!

「またお前は・・・・・自分がモテ過ぎる事を自覚しろ」
「はいはい・・・・じゃ、行きましょうか」
「私は自分の車で行く。 先に出てくれ」
「そうですか? じゃ、アリサちゃん行こうか」

僕はアリサちゃんを連れて警視庁に向かったんだ。



夜中には犯人のパソコンのロックを解除できた私が、中身を見てみれば・・・・・・ふぎゃぁぁああああ〜〜〜

ビキィーン!!!と固まった私の様子に気がついた米沢さんが、どれどれと見てくれたんだけど。。。

「これはこれは、女性の裸体に被害者の顔を貼り付けた画像が、こんなにあるとは・・・・・」
「おっ! これなどは男に犯されている画像に顔をつけていますなぁ〜」
「おおっ! これなどは!!!」

「米さん、それ以上言わないでくださぁ〜い。 私、見れません〜〜〜」
「おやおや、真っ赤な顔をされて・・・初々しいですなぁ〜」
「コーヒー飲んできます」
「行ってらっしゃい」

私がコーヒーを飲んでいる間に、米さんが中を見てくれたんですが・・・・・

「この中にもまたロックがかかった場所があるんですね」
「よろしくお願いします」
「はい!」
私はポキポキと指をほぐして、パソコンに集中した。

「これは・・・・・・これは何!?」
ロックを外して表れたのは、アリサちゃんを褒め称えるサイトで・・・・・・そのコメントの異常さに鳥肌が立った。

チャット形式のソレは、パソコンの画面でコメントをやり取りできるものなんだけど。
犯人とチャットで交信している人物は沢山いて、アリサちゃんの学校帰りの様子や塾の様子を事細かにアップしてるの。

・・・・・・・もしかして、犯人は1人じゃないかもしれない???

大変だ! アリサちゃんの護衛を増やしてもらわないと!
私は米さんと相談して、夜中だけど杉下さんに電話したの・・・・・そしたら杉下さん、特命係の部屋に居たみたいなんです。

すぐに鑑識へと来てくれた杉下さんに、問題のチャットを見せた。
交わされる会話は、いかにアリサちゃんが素晴らしいか、美しいかと言う・・・まだ聞けるものから。

自分のモノにしたい、犯したいだの、閉じ込めて未来永劫監禁したいだのとエスカレートしていくコメントばかりになった。

その中の1人のコメントで、俺がする!という宣言をしたのが事件の起きる3日前で。

「このコメントを出した人物を特定できますか?」
「はい」
杉下さんの言葉に返事をする前にもう、私は相手を特定するために指を動かしていた。

アドレスから辿ればそのコメントは、このパソコンの持ち主で犯人と特定できた。

「このコメントも特定できるでしょうか?」
「あ・・・・こちらはネットカフェからの交信になりますね。 店の特定と使われたパソコンの特定をします
それに使われた時間で監視カメラを調べれば・・・」

「上手くするともう1人の犯人が、浮かぶかもしれませんね」
「・・・・・もう1人の犯人?」

キョトンとする私に杉下さんが、微笑んでいるのに・・・・・何か分かっているのだと判断し、私は特定を急いだのだった。

ちょっと時間がかかったけど、ネットカフェの番地と店内のパソコンのうち数台に絞ったのと、時間とを書いた紙を杉下さんに渡せたのだった。

「鈴木さん、素晴らしい! あなたならサイバー課でも勤められるのでしょうね」
「いやですよ、褒めすぎです杉下さん!」
「僕はさっそくこのネットカフェに行って、監視カメラの映像を借りてきます」

「行ってらっしゃい!」

杉下さんを送り出してからも、米さんとパソコン以外の物証を調べ直していたりしていると。。。

「あ、朝になっちゃった・・・」
徹夜しちゃいました。

「私は少しそこで仮眠しますが、鈴木さんはどうされますか?」
「私は杉下さんがいつ帰られてもいいように、待機しながらパソコンを調べておきます」
「では、何かあれば起こして下さい」
「はい、おやすみなさい」

もそもそと奥にあるソファーで仮眠する米沢さんの邪魔をしないよう、少し私も休憩しようとコーヒーを淹れていると杉下さんが戻って来られたの。

1枚のDVDを手に戻ってきた杉下さんからソレを受け取って、私はパソコンに入れて画像を取り出し鮮明に処理する。

そこに浮かび上がってきたのは、1人の男性で・・・私はその男性の画像をプリントして杉下さんに渡した。

横顔の男性の顔を動画から色々な角度を捕捉しながら、正面での顔にしてプリントをする。
それを手に杉下さんが再び出かけられて、私は他に何かないかと画像を見ていた。

でも私は、そのままパソコンの前で突っ伏して寝てしまったのでした。。。




朝、登庁して鑑識課によれば・・・・・陽子ったら寝落ちしちゃってて、パソコンの前で突っ伏していた。

「いつも一所懸命なんだから・・・」
アリサちゃんには適当に座っててと言った僕は、来る時に買ったサンドウィッチと飲み物が入った紙袋をそっと置いたんだ。

「陽子・・・朝だよ」
寝かせておいてあげようかとも思ったけどさ、他の誰かに起こされるのも嫌だし、陽子も起こしてほしいだろうしね。

声をかけた僕は陽子の髪を撫で、机の横にしゃがんで寝顔を堪能する。
無心に寝ている幼い寝顔はいつ見ても、いいよね〜

「陽子・・・陽子ちゃん」
「う・・・ん、たけるさ・・・・・うふふ」
「どんな夢見てるのかな? 俺の名前呼んじゃって、可愛いんだから」
「・・・・・・・ん・・・んん?」

ガバッと起きた陽子が僕を見て慌てて顔や、髪に手をやって整えようとしているけど・・・心配しなくても、どんな陽子も可愛いよ♡

「私、寝ちゃってた・・・」
「夜中じゅう作業してたんだろ? 寝てても仕方ないよ」

まだ寝ぼけてるのかキョロキョロと辺りを見回した陽子が、アリサちゃんを見つけて微笑んだ。

「陽子、これ食べて? 陽子の好きな卵サンド入ってるから」
「わぁ〜・・ありがとうございます」
「カフェオレも入ってるからね・・・ちょっと甘めの」
「それは楽しみです! さすが神戸さん、気が利きますね」

「陽子のこと、いつも考えてるから・・・」
サッと前髪を指で流しながらそう言えば、あはっ、陽子ったら紙袋を両手に持って真っ赤になってるぅ〜・・・可愛いなぁ〜

「じゃ、特命係に行くね」
「私も続きをしたら直ぐに向かいます」
「今日さ、アリサちゃん美容院に行きたいから・・・」
「はい! 分かりました」

僕はアリサちゃんと一緒に特命係に向かうんだ。



「杉下さん・・・いないのか。 アリサちゃん、そこに座ってて?」
大人しく座る彼女を見て、さて陽子を待つ間何をしようかと思っていたんだけど。

アリサちゃんは携帯をいじり始めたから、そのまま待つことにしたんだ。

「そうだ、美容院だけど俺が知ってる所でいいかな? まさかとは思うけど、アリサちゃんがいつも使ってる所だと待ち伏せされるかもしれないしね」
『コクン』
「えっと、代官山のsionnって所なんだけど、行った事あるかな?」
『フリフリ』
頭をふるアリサちゃんに、いつも陽子の髪を切ってくれる美容院に予約の電話を入れた。

「もしもし・・・・・」

僕の後ろでアリサちゃんは、携帯をいじってた。。。



「全くあの警部殿は、いつ寝てるんだよ!」
「知りませんよ〜・・・俺に当たらないでください!」
「あの警部殿の事だ、何か掴んだのかもしれん、行くぞ!」
明け方に呼び出された捜査一課の3人組は、ボヤきながらも特命係の部屋へと現れた。

「見ていただきたいのは、この写真です」
机の上に並べられた写真を一目見て、伊丹の顔は眠気も吹っ飛んだように真剣に写真を見た。

「どうしてコレを?」
「この写真は犯人のパソコンの中にあるチャットのコメントから、犯人と共犯している可能性のある人物を特定してみたものです」

「「「共犯!?」」」
「そうです。 被害者のアリサさんは美少女で日頃から有名です。ただのファンならばいいのですが偏執的にアリサさんに執着する輩が同好の士を集めチャットで盛り上がっていた・・・・・・しかし」
「しかし?」

「いつの間にかチャットだけでは飽きてきた犯人と、この男はアリサさんを手に入れようと共犯関係を結んでしまった・・・ 」

「先輩! この男・・・」
「ああ、どっかで見たと思えば塾の講師じゃねーか!」
「・・・・・繋がりましたね。 犯人はこの男が匿い、次を狙っていると思います」
「次!? 次って・・・・・」
「そこで捜査一課の御三方には、聞き込みの最中に見たであろうこの男の素性と確保をお願いしたかったのです」

「分かりました、行くぞ!」
張り切って出て行く伊丹が入り口でふと、足を止めた。

「警部殿・・・こいつを突き止めたのは・・・」
「はい、鈴木さんが徹夜で頑張ってくれました。犯人のパソコンのロックを外し、コメントから発信されたネットカフェを割り出し、あまつさえ使われたパソコンも数台に絞り時間と照らし合わせ、僕が監視カメラの映像をピンポイントで借りれるようにしていただきました」

「あいつ・・・徹夜続きだろうに」
「・・・・・陽子さんは頑張り屋さんですからね〜・・・事件が解決したらお休みをあげて下さいね」
「っ!? ・・・言われなくとも分かってますよ! あいつは俺たちの・・・仲間なんですから」
噛みつくようにそう言い置いて、伊丹が出て行き・・・後の2人も追いかけて行った。

「さて、これで済めばいいのですが・・・」
紅茶を飲み干した右京が、そう呟いたのだった。



「おはようございます」
どこからか戻ってきた僕の上司は、僕とアリサちゃんに挨拶をし、いつも通り自分の席に座った。

「杉下さん、アリサちゃんを美容院に連れて行ってあげたいのですが、よろしいでしょうか?」
「美容院ですか?」
「ええ、犯人に髪を切られてるんです彼女」
「・・・・・・それでは僕もついて行きましょう」

そこで杉下さんから言われたのは、犯人に共犯者がいる事と、その共犯者が犯人を匿い、まだアリサちゃんを狙っているという事を。

「それなら今日は止めておいた方がいいでしょうか? ・・・美容院」
「彼女の行きつけではない美容院なら、大丈夫でしょう」
「ええ、陽子の髪を切ってもらってる所なので、犯人達には分からないと思います」

そして鑑識から戻った陽子を加えて僕達は、美容院へと向かったんだ。


「すみません、ゾロゾロと居て」
「いえ、事情は分かりましたので・・・・じゃあ、こっちに座ってくれるかな?」
美容師さんに促されたアリサちゃんだけど、急にもじもじとしだして・・・何か書いて陽子に見せてるんだ。

「あの・・・アリサちゃん、おトイレに行きたいそうです。私もついて行きますね」
「お願いします」

店内の奥にあるトイレに行った陽子とアリサちゃん。
だけど・・・・・

「・・・・・・少々長すぎやしませんか?」
「もしかして大きい方とか?」
「君、若い娘さんに失礼ですよ」
「お言葉ですが、これだけ長いとそう思いますよ!」

「しかし、長いですね・・・」

杉下さんが奥のトイレに向かうので、僕も後をついて行けば、女性用のトイレのドアを開けた杉下さんに僕は慌てたんだ。

「ちょっと、杉下さん! 女性トイレのドアなんて開けちゃいけませんよ!」
「・・・2人がいません! アリサさんも陽子さんも、いないんです」
「え!!!」
僕もトイレに飛び込んで見るも、中には誰もいなくて・・・・・・・

トイレの奥に従業員用のドアがあるのに気がついた僕が、それを開ければ・・・・・・そこは道路へと続くドアだった。

【ブブッ・・・ブブッ・・・ブブッ・・・】

杉下さんの電話のバイブが鳴って出てみれば、驚いた表情の上司が!!!

「・・・・・分かりました、僕達はこのまま向かいます。・・・・ええ、何か分かったら携帯にお願いします」
「なんですか?」
「米沢さんからですが、神戸くん! アリサさんと陽子さんは犯人達に、捕らえられたようです」
「・・・・・なんで!」

「その事については道中説明します。すぐに向かいましょう!」
「はい!」

僕は杉下さんに指示された場所へと車を走らせながら、説明を聞いていたんだ。


「鈴木さんが犯人のパソコンの中で見つけたチャットに、新しい文章が出ていたのを米沢さんが読まれたそうです」

その文には今日こそアリサを捕まえるとの宣言と、美容室から奪う方法と、その後の連れ込む場所のことも書いてあったそうです。
犯人自身のプログラミングでロックがかかっており、余程自信があったのでしょう、まだ読まれていないと思っているようです。

そこで自慢たらしくアリサさんを自分達の女にするとまで、書いてあったそうですよ。

「そして君に向かってもらっている場所が、2人の監禁場所と書かれていた場所です」
「・・・・・・分かりました」

「それともう1つ。 彼等はそばに陽子さんが居ることを、何故か知っています。 そして陽子さんがアリサさんに意地悪をしていると思い込んでいます・・・・・陽子さんに思い知らせると書き込まれていたそうです」
「じゃ陽子が危ない・・・・・」
「・・・・・非常に危険です」

俺はアクセルを踏む脚に、力を入れたのだった。




「ううん・・・・・・あたま・・・痛い」
目が覚めた私は、キリキリと痛む頭に辟易していた。

・・・・・・・それで、私に一体何があったのでしょうか?

美容院でアリサちゃんのトイレに一緒に付いて行ったら、ドアを開けたら男の人がいて口を塞がれて何かを嗅がされたんだった。

すぐ後ろのアリサちゃんも、もう1人の男の人に捕まって布で口を塞がれてて・・・・・・

そこで記憶が無いということは、嗅がされたのは薬品・・・クロロホルムで眠らされたんだと思った。

「だから、この頭痛なのか・・・」

辺りをキョロキョロ見渡せば、元はどこかの事務所みたいです。
リノリウムの床に転がされていた私と、マットレスの上に寝かされたアリサちゃん。

犯人は・・・・・・どこかに出かけているみたいです。

あっ、携帯・・・・・・ポケットを探しても携帯は無くて、ガッカリです。
どこからか出られないかと、入口のドアを調べても鍵がかかってるし、窓から下を見ても高すぎてここから出ることは無理だと判断しました。

私はアリサちゃんのそばに行き、そっと声をかけて起こしたんです。

『・・・・・・』
「アリサちゃん、よく聞いてほしいの・・・ 私達は犯人に監禁されてる状態なんです。 ここから出る方法はあのドア1つしかないです。 おそらく廃ビルでしょうから私達の他に人はいないと思っていいでしょう・・・ここまでは大丈夫ですか?」
『コクコク』

「では、私達がここから出るには、どうしたらいいでしょう! 犯人が戻って来てドアを開けた瞬間、私達が飛び出すしかありません。 あのドアは向こう側に開くドアです。鍵を開けた瞬間、体当たりしてドアの前の犯人を倒して走るしかないです!」
『コクン』
「アリサちゃん、約束してもらってもいいですか?」
『???』

「ドアを飛び出したら、アリサちゃんは後ろを見ないで全速力で走って下さい。 約束ですよ!」
『コクン』

私は科捜研に進んだから、体術なんてしたこと無いんです。
今では捜査一課にいますが、本当はずっと科捜研で証拠品を鑑定するのが仕事のはずだったんです。

相手は男が2人・・・ 私が2人を妨害してアリサちゃんを逃がさなければ、私達は救われない。

せめてアリサちゃんは、助けなきゃ!!!

私は内側の隠しポケットを触って、一か八かに掛けるのだった。



カツーン、カツーン・・・・・・キュッキュッキュッ・・・・・・

遠くから2種類の靴音が聞こえる。
1つは革靴、1つはスニーカー・・・ 犯人の2人組だと見当をつけた私は、アリサちゃんを手招きして私の後ろに控えさせた。

「いい! 絶対に後ろを見ないで、走って逃げて下さいね! 約束ですよ」
『コクコク』
私は隠しポケットからアル物を取り出した。

【カチャカチャ・・・・】

鍵を開ける音・・・・・・・【ガチャ】・・・・・開いた、今だ!!!

私は力一杯ドアの取っ手を押して、向こうにいる犯人を すっ転ばすことに成功した!

「今です、逃げて!!!」
私は背後に向かって力一杯叫ぶのでした。



男達に拉致された私は、陽子さんに起こされたんだけど・・・・・面白いほど思い通りに事が運ぶから、笑いたくて仕方ないの。

私はね、前から私のサイトをこの男達が見ている事を知っていたの。

ふふふ・・・ 美容室の場所と名前を、女の子らしい文章の中に入れてアップしておいたの。
そうしたら予想通り・・・美容室から私達を奪った男達は、眠らせて車の中に運んでここまで来たのよ。

ただ私の眠りは浅くて、車の中の犯人達の会話を聞いていたの。

サイトで陽子さんが私を苛めると書いておいたからか、犯人達が陽子さんにね、私の代わりに仕返ししてやるとか話してるの聞いてね。

爆笑しそうになってたの。

ふふふ・・・・・・男って単純なんだね〜
ちょっと煽ればすぐに、引っかかってくるんだもん! ちょろいちょろい!


・・・・・・陽子さんなんて、犯人に乱暴されて死んじゃえばいいのよ。
・・・・・・そうしたら神戸さんは、私が慰めてあげるの。

傷心の王子様を、優しく慰めた健気なお姫様は、やがて王子様から愛されるのよ。

素敵な物語でしょう?


・・・・・・・・それなのに、陽子さんて馬鹿なの!!!

私がこんな悪い子だなんて知らないで、必死で私を護ろうとしてるんだもん、馬鹿だよね!!!

今だって犯人達が近ずいてきたから、ドアの前に来て私を後ろに来させてチャンスを伺ってるんだろうけど。

陽子さん・・・・・身体が震えてるの。
青い顔して震えてるくせに、強がっちゃってさ・・・・・私を安心させるために、無理して笑っちゃってるの!

・・・・・・・馬鹿よ、馬鹿だよ・・・・・腹黒く神戸さんを手に入れようとしてる私を、守っちゃってさ。
自分も怖いくせに、私を逃がすために・・・・・・自分が犠牲になろうとしてるんでしょう?

私は子供だけど、それくらい分かるんだから!

陽子さん、馬鹿だよ・・・・・・馬鹿すぎだよ!!!

お人好しの、大馬鹿だよ!!!


・・・・・ その時、鍵が開く音がして・・・・・陽子さんに緊張が走ったの。




あと1話で終われそうです。
アリサちゃんも、きっと元は良い子なんですよ。

ただ母親が殺されそうになり、自分も狙われている状況では普通ではいられないでしょうから。
少し迷ってるだけなんですよ、きっと。。。

では、あと1話書いてバレンタイン話にしたいです!
間に合うか自分! 頑張れ自分!

どうか励ましの拍手とコメントをいただければ・・・・・・てへっ☆

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コメント

☆鈴寧さんへ☆

こんばんはぁ〜 (^o^)/

> しばらくぶりに来たらたくさん更新が……(>_<)
奥にしまいこんでたのを引っ張り出して、書き直してのアップなので正直、1話・2話はすぐにできたんです。
まあ、乗っちゃったので3話も一気に書き上げて、4話の今は・・・・・急に忙しくなって時間がっ!(汗)
これを書かないとバレンタインデーの話が出てこないみたいで、まだ1行も書いてなくて。。。

> うぅ……一つ一つにコメントしたかった。。。。(..)
コメントありがとうございます。
コメント頂けるだけで嬉しいんで、お気にせずに。。。(でも本音は頂けると大喜びですが)

> 大河内さん、なにげに好きなキャラなんで活躍させてくれると嬉しくなります♪
最初、大河内さんと女子高生&子犬の恋バナにしようとして、挫折しちゃって止まった話なので、思いきって神戸さん&陽子ちゃん投入!
話が進む進む・・・ 大河内さん、無口だから〜・・・ツッコミ&からかう神戸さんがいないと無理だと思い知りました。

> だけど陽子ちゃん&神戸さんペアはやはり最強です(笑)
はははっ、私もそう思います! 話を転がしていくのにやはり、2人は不可欠ですね!

> これはすーさんオリジナルの事件ですか??
> だとしたらかなり凄いです!!!
ありがとうございます。 丸々完全オリジナルです!
たしか出だしのストーカーに襲われる時は生理中に浮かんで書き出したもので、なんか生々しすぎて自分でも書いてビックリです。
ブラックな話は生理中に浮かぶという、私です。

> そうじゃなくても私はもはやすーさんの陽子ちゃん&神戸さんの絡みが好きなんですけどね~(笑)
私も神戸さんが陽子ちゃんの事を可愛い可愛いって、目を細めて言う脳内シーンが好きで(たぶん私だけの妄想画像ですが)書いてますね。

> いやいやアリサちゃん……どうなっちゃったの……(>_<)
> 神戸さんに惚れるのは良いとして、ブラックアリサちゃんが出てますね~(>_<)
恋すると幸せばかりじゃないじゃないですか・・・
トキメイてる内はいいけど、欲が出てくると・・・・・ブラックに。。。
まあ、そこからどう上を目指すかで、女っぷりが別れると思うんです。

次回、お楽しみに!

今は早くこの話を仕上げて、ラブラブいちゃいちゃな神戸さん&陽子ちゃんが書きたいですね!
バレンタイン話は、その方向で、甘々ラブラブいちゃいちゃ♡で、砂吐きそうなくらい幸せな2人を書きたいです!
コメントありがとうございます!

きゃゃゃゃ!!!!Σ(×_×;)!

しばらくぶりに来たらたくさん更新が……(>_<)

うぅ……一つ一つにコメントしたかった。。。。(..)

大河内さん、なにげに好きなキャラなんで活躍させてくれると嬉しくなります♪

だけど陽子ちゃん&神戸さんペアはやはり最強です(笑)

これはすーさんオリジナルの事件ですか??
だとしたらかなり凄いです!!!

そうじゃなくても私はもはやすーさんの陽子ちゃん&神戸さんの絡みが好きなんですけどね~(笑)

いやいやアリサちゃん……どうなっちゃったの……(>_<)

神戸さんに惚れるのは良いとして、ブラックアリサちゃんが出てますね~(>_<)

陽子ちゃん!大丈夫なの!?(ToT)
きっと陽子ちゃんのことだから真相知っても最後には許しちゃうんだろうな~(>_<)

陽子ちゃんがどこまでされた辺りで神戸さんが助けに来るのか!?って感じが見所ですか?(笑)

個人的には今回のお話では時々でる陽子ちゃんと神戸さんのおのろけ?とまでは行きませんが、サンドイッチ届けたとことか玄関でこっそりキスした辺りとか…♡♡です。

3話に関して言わせていただくと…!
この終わりは卑怯ですよ~(笑)
続きが気になって気になって~(>_<)(笑)!

色々妄想を張り巡らせておりますf(^^;


3話まで読んだので複雑ですが、アリサちゃんに元気になってもらおうと一生懸命な陽子ちゃんも…♡

なんか四人でシチュー食べてるところとかほんと事件を忘れるようなほのぼのした感じでしたよね!!♪

神戸さんの「『でした!』」ってやつ(笑)!
思わず笑いましたよ~!!
確かに陽子ちゃんのこと自慢したくて仕方ないから言っちゃいますよね~(笑)

なんか一気読みすると繋がりが分かりやすくて良いですね♪

神戸さんが後ろに気配感じてたのも一気じゃないとここに繋がってるんだ~って分かんなかっただろうし、

とりあえずコメントここまでにしますね(涙)

また来まーす…
Secret

プロフィール

すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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