④《飛んでけ、矢名家に!》by 吾輩は主婦である

吾輩は主婦であるです!
まあ、別物と化しつつありますし、需要はないでしょうが・・・・妄想が(笑)

お付き合いくださいませ。。。



「シクヨロ〜〜〜」

タカシくんに妹がいたのは、DVDでは知ってるんだけど・・・・・会うのは初めてです。
何でも15年前に出て行ったっきり電話1本かけてこないし、お義父さんのお葬式にも出なかったらしい。

「で、アンタが兄貴の嫁なの?」
「はい、陽子です・・・・・・」
「あ、あたしね・・・あたしは ももえれす! シクヨロ〜〜〜」

ももえさんも、すごい人生送ってるのよね・・・
高校生の頃から風俗まがいのキャバクラに勤めてお客さんと大恋愛。

相手の親に反対されて駆け落ち・・・・・その頃、入院していたお義父さんにお金をせびりに来ていたんだって。
横浜の友達の所に身を寄せてはいたものの、横浜のバーで知り合ったジョンというアメリカ人と大恋愛して渡米。

ああ、だからお義父さんのお葬式も知らなかったんだ・・・・・20歳で帰国してOLして、福岡の社長と大恋愛。

大恋愛ってそんなに何度もあるんだぁ〜・・・・・

「ないよ! そんな何度も何度も大恋愛なんて無いよ!!!」
「でも私はあるよ? 1度だけど・・・・・大恋愛♡」
「陽子ちゃん? あ! あはっ! そうだね、僕とね♡」

タカシくんとデレちゃうなぁ〜〜〜・・・・・てへっ!

「やぁーだ、この人らラブラブなの?」
「それでアンタは何がしたいの!」

結婚したい男性とマンションを借りる為の頭金50万を、もらいにきたんだって。
お母さんがお金を出すのかと思えば、和裁用の物差しを出したお母さんが ももえさんをバシバシ叩きはじめた。

やすこさんが来て飲みに行っちゃったけど。。。

驚くことに、ももえさんには娘さんが2人いて上の ゆかりちゃんは14才、まゆみと一緒な年。
下の めぐみちゃんは8才・・・じゅんと一緒。

初めて知った ももえさんの子供について、お母さんもタカシくんも驚いてるけど・・・・・
皆でご飯食べて、1晩泊まった ももえさんだけど・・・子供達を置いて出て行っちゃったんだ。

それで・・・・・育ち盛りの子供が2人増えたために、お母さんが壊れちゃった!

「食費がかさむねん!!!」
「なんで関西弁なんですか?」

オヤツを出したら何も言わずに手づかみで、ありったけ食べる。
それでも足らずに冷蔵庫で勝手にハムやら食べてる2人。

しかも同い年の まゆみと遊んでるかと思えば勝手に日記を盗み読んでる ゆかりちゃん。
めぐみちゃんは じゅんのボールを力づくで取って、じゅんが鼻血出してるし。

学校にも行ってないようだし、それに何より・・・・・挨拶が出来てないの。

お母さんが叱ってもどこ吹く風で、しまいには疲れた お母さんがスーパーのゲームセンターに2人を置いて帰ろうとか言い出しちゃうし。。。

「お母さん、そんな事していいわけないでしょう!」
「いいのよ、あの子達はそうやって今までも生きてきたんだから! 大丈夫よ!」
「そんなの、ももえさんとやる事が一緒じゃないですか!!! 私は嫌ですよ!」
「陽子ちゃん・・・・・」

「パート代も原稿料も、今までより生活費に出します! お母さん、考え直して! ね、お母さん!!!」
「・・・・・・陽子ちゃん」

思い直してくれた お母さんと2人の元に戻れば、さっきと同じ場所に立っていた。

「もう2人はウチの子よ! どこにも行かなくていいの!」
泣き始めるお母さんが2人を抱きしめてる・・・・・でも、2人は黙ったまま。

「ありがとう、は?」
私はゆかりちゃんの頬を両手で引っ張りながら、なおも「ありがとう、は?」と言ったの・・・・・そうしたら。

「・・・・・・ありがとう」
確かに言ったの! 同じようにホッペを引っ張って めぐみちゃんを促せば彼女も・・・・

「・・・・ありが・・・・とう・・・・」
ちゃんと言えるじゃない!

「これで2人は正式にウチの子だよ! 『ありがとう』『ごめんなさい』『いただきます』『ごちそうさま』『おやすみなさい』『おはようございます』この6つのうちのどれか1つでも欠けたら、直ぐに追い出すからね!!!」

「本気だよ! 分かった?」
コクリと頷く2人の顔は、今までの不貞腐れた顔とは違っていて・・・・・子供らしい顔つきになっていた。

「さ、帰ろうか!」
私は ゆかりちゃんの手を繋いで、お母さんは めぐみちゃんの手を繋いで、家に帰ったの。

それから数日して、ももえさんと付き合ってた元彼が子供達を心配して家に来たんだけどね。
これを機会に ももえさんと話をしようと電話をかけたんだけど、やすこさんがかけたら繋がったの。

「めぐみちゃんがすごい熱なの! 早く来て!!!」
「のぞみ! じゃなかった、めぐみっ!!!」

「早っ!!!」
血相変えて飛び込んできた ももえさんは、確かに母親の顔をしていたのよ、ちゃんとね。


「ももえさん32才だよね? いくら着飾っても20才には戻れないじゃない? でもね、ももえさんには2人の娘がいる。 この子達を育てていけば、娘さんを通じて色々な事を追体験できるのよ? そうやって無理に母親しなきゃって考えてるから破綻しちゃうの」

「母親が辛くなったら娘に戻って此処に顔を出せばいいじゃない! 妻になってもいいじゃない! 娘がいつか恋をして結婚して・・・一緒に喜んで、悲しんで、一緒に経験してけばいいじゃない!」

「そうやって母親していきなよ? 無理はしないで、でも誠実にね・・・」
「・・・・そうだね、この子達が私と同じ人生歩んだら、それこそ最悪だもんね!」

ももえさんは、子供達と元彼と帰っていったんだけど。

・・・・・・今度こそ大丈夫なのかな???

そうしてタカシくんの妹台風が、去ったんだけどね・・・・・・


子供達が寝た後の寝室で、タカシくんが甘い声で近づいてくる。

「ね、陽子ちゃん・・・あの子達がいた間はさ、仲良く出来なかったでしょ? だからさ、ね?ね?」
「締め切りが明後日だから、今のうちに原稿進めたいんだけど・・・・・」
「・・・・・・・・仕方ないか」

布団の上に体育座りするタカシくんの背中が可愛い♡
チラッて私を見る拗ねた目と、尖った唇が・・・・・・・可愛い♡

もう! この可愛さは何なのよ! もう〜・・・!

「タカシくん、可愛い♡ ・・・・・きゃっ」
タカシくんの背中に、触れたら・・・・・待ってましたとばかりに手を掴まれて、布団に押し倒されちゃった〜〜〜

「陽子ちゃん・・・・・いい?」
「もう・・・仕方ないなぁ〜・・・タカシくんの可愛さに、負けちゃった」
「ムフッ♡ 勝っちゃった!」

濃厚なキスに蕩けてきちゃう・・・・・・・はぁ・・・・・ あん・・・・・

「陽子ちゃんっっ!!!」
「あん♡ ・・・・・タカシくん」
「もう、たまんないっっ!!!」

その日の夜は久々に・・・・・仲良くしちゃいました。




私のパート先のジャンバルジャンは、純喫茶なんです。
コーヒーやソフトドリンク、ケーキやパフェとかあるけどランチしてないんだ。

サンドイッチやトースト系ならあるんだけど・・・・・・パスタとかはしないのかな?

勤め始めた時は暇で、お客様がポツポツあるくらいで暇だったんだ〜

それでね、小説のネタになりそうな人が沢山いるの!

まず隅っこの席で顔にオシボリを広げて寝てるサラリーマンさんは、日に5、6人は居るんだけど1時間もすれば復活してる。

綺麗なドレスで長い爪をいつも磨いていて、夕方から繁華街の方に行く小悪魔系の女性。
泣いて話を聞く、自称・霊能者さん&相談者さん。

いろんな人達が来て、それぞれのお客様が快適に過ごしてもらえるよう・・・私、頑張っちゃいます!

あ、そろそろサラリーマンさんが目覚める頃合いなので、私は新しく冷たいオシボリを持っていくんです。

「うぅ・・・ん・・・」
「おはようございます、これ使ってください」
「ありがとう・・・・ああ、冷たくてスッキリする〜!」
「良かったです。 ごゆっくりどうぞ」
顔の上に乗っけてたオシボリを下げて、喜んでいただけたから私も嬉しくて笑顔になっちゃうんだ。

同じように起きたサラリーマンさん達に同じように、新しいオシボリを持って行けば、スッキリしてお仕事に戻られていきます。

「ありがとうございました! いってらっしゃいませ!」
元気に送り出して、私はテーブルを綺麗にして次のお客様に備えます。

「陽子ちゃんが来てからお客さんが増えたよなぁ〜・・・陽子ちゃんに来てもらって良かったよ!」
「本当ですか? 私も嬉しいです」
「陽子さんの笑顔に癒されてるお客さん、たくさんいますよ〜」
「えへへ、照れちゃうな〜」

《 カラン♫ カラン♫ 》

「いらっしゃいませ、ご案内します」
さ、お客様だ! 気持ちよく過ごしてもらうために頑張るぞ〜!

3人組のサラリーマンさんをお席に案内して、お水やオシボリを持って行きます。

「いいよなぁ〜・・あの笑顔! 仕事のストレスも癒されちゃうんだよなぁ〜」
「ここが先輩のお気に入りなんですね」
「でもあのウェイトレス、オバちゃんじゃないですか! 俺はもう1人の・・・あの若い子の方が良いな」
「俺も〜!!!」

「バカ野郎! まあ、お前達も通えば俺の言った意味が分かってくるさ!」
「ええ〜? そんなことないと思うけどな・・・」
「そうですよ、オバちゃんより若くて綺麗なお姉さんの方が良いに決まってますって!」

そんな会話の間にオーダーされたコーヒーを持っていった私に、常連さんの後輩さんが気がついて気まずそうな顔をしている。

「クスクス・・・気になさらないで下さいね。 私だってオバちゃんより若い子の方がいいって思いますよ」
「あ、どうも・・・」
「いや、俺は断然、陽子さんだから!」

常連さんたら気を使って言ってくれるんだから、嬉しいじゃないですか!
ニッコリと笑ってお礼を言った私の耳に、音楽が・・・・・・・きゃぁ〜、身体が勝手に踊って歌っちゃう〜〜〜

「 ♫ あ〜あ、美しき〜・・・その日、暮らしよぉ〜♫ 」
ユキオさん、脈絡なく音楽流さないで下さいよ〜

「陽子さん、声が綺麗ですぅ〜」
「ツボミちゃん、ありがとう」

えっと、何してたっけ?

「ホットサンド上がったよ〜」
「はぁーい!」
私は他のお客様のオーダーを持っていって、汚れた灰皿を片付けていく。

「すみません」
あ、さっきの常連さんと後輩のテーブルに呼ばれたから、私はツボミちゃんに行ってもらったの。

「陽子さん」
「あ、タクミくん。いらっしゃいませ! どうぞこちらへ」
タクミくんが好きな隅の席に案内して、お水を運びオーダーは・・・・・はい、コーヒーね。

「ねぇねぇ陽子さん、今夜さ・・・・・ご飯食べに行ってもいいかな?」
「いいわよ! 今夜は、ハンバーグ作るんだ! 帰りにスーパー寄るから手伝って?」
「OK! 重い物とか持ってあげるよ・・・」
「ありがとう、助かる〜」

コーヒーを出してそのまま休憩な私は、タクミくんの向かいに座るんだけど・・・・・
タクミくん? 何かいつもと違ってフェロモンだだ漏れじゃない? なんで?

「だってさ、陽子さんの笑顔が素敵だから・・・それにメイド服姿も可愛いし」
「さすが元ホスト。 女心が分かってるね〜」
「分かってないのは陽子さんの方だよ・・・ けっこうファンが増えてる事に気がついてないんだから」
「ファン? 誰の?」
「陽子さんのだよ」

「あははっ! タクミくん、冗談がうまいね〜・・・ツボミちゃんなら分かるけど、オバちゃんにファンなんて! はははっ! ありえないよ!」
「はぁ〜〜〜・・・・・タカシさんが心配するのも分かるわ、俺」

なになに? 溜め息なんてついて! ・・・・・・イイ男の溜め息って、色っぽいんだ。。。

「今日は俺がパート終わるまで見てるからいいけど、自覚しないとダメだよ 陽子さん」
「???」
キョトンとタクミくんを見ちゃうけど、言ってる意味が分からないから・・・・・

「この店で陽子さんの笑顔に癒されてるくらいならいいけど、中には陽子さんをモノにしようなんて事、考えてるのもいるからさ・・・・・気をつけなきゃね」
「???」

「はぁ〜・・・あとはタカシさんに説明してもらって?」
「うん!」
「・・・・・・分かってないんだから。 ま、そういう所も可愛いよね」
「ん???」

あ、休憩終わっちゃった・・・・・お仕事、お仕事!


パタパタと仕事に戻った私の後ろで、サラリーマンさん3人組がヒソヒソと顔を寄せて話してるんだけど・・・
ツボミちゃんが捕まってるの。

「あの男、陽子さんの何?」
「ああ、タクミさんですか? 陽子さんのボーイフレンドです!」
「ボーイフレンド!? 陽子さん結婚してるよね?」
「家族ぐるみのお付き合いですよ〜。 夕食とか食べに行ってるって聞きますもん!」

「ツボミちゃん、オーダー上がったよ!」
「はぁーい」

ツボミが他に行った後、サラリーマン3人組は珍しい物を見るように私を見ていたそうなんだけど、私は全然気がつかなかったの。

「普通、人妻に男友達がいて家族の夕飯に呼ぶ? おかしいだろ?」
「おかしいって言うより、異常じゃないか?」
後輩の2人が騒ぐものの常連の先輩は、さもあらんと頷いていた。

「そこが陽子さんの凄さだよ! 度量が大きいんだよ! 下町の母なんだよ!」
「先輩、もう行かないとマズいですよ!」
「そうだな、行くか!」
ワタワタと支払いをして出て行く3人組に、私は心を込めて・・・・

「ありがとうございました!」
と、声をかけるのです。


「ごめんねタクミくん、荷物持ってもらって」
「大丈夫、俺・・・鍛えてるし」
「さ、帰ったらハンバーグだぁ〜〜〜!」

パートを終えたらスーパーに寄って夕飯の買い物して、帰ったら食事を作って、そうして私の1日が終わるんです。
今日はタクミくんと帰るけど、いつもはタカシくんと帰るんですよ!

夕飯のあとは原稿を書くことにしてます。

慎ましいけれど、笑い声の絶えない家なんです・・・・・これが私の幸せなんです。


夕飯の後、タクミくんとタカシくんが庭でタバコを吹かしながら何か話をしている後ろ姿に、私は微笑んでいます。
仲良くなってるね!

「タカシさんさ、マズイよ・・・」
「やっぱり、タクミくんもそう思う? 近頃迎えに行くと何か陽子ちゃんの周りの雰囲気が悪いんだよな」
「今日見てたけどさ、ストレス抱えたリーマンが砂糖に群がるアリみたいに陽子さんに癒されたがってた」

「ゾンビに狙われてるみたいだったよ」
「不気味だ・・・」

「俺も時間あったら顔出すようにするよ」
「ごめんな・・・タクミくん、忙しいだろうに」
「タカシさんが行けない時は、俺の携帯にメールしてねカバーするから」
「ああ、お願いするよ」

「陽子ちゃんは全然気がついてないからね」
「俺たちで守んなきゃね」

男達が意気投合した夜だった。




「え? なに? この笹・・・七夕にしては早すぎじゃない?」
帰ってきたタカシくんが驚くのも無理はないんだけど、6月に入ったらもう売ってるんだよね、七夕飾り!

「えへへ、ちょっと早いかな?って思ったんだけどね」
「母さんや まゆみや じゅんは短冊書いたんだぁ〜・・・・どれどれ?」

「《ヤン様に会いたい》これは母さんだな。《清水圭に会いたい》これって、まゆみか? 《かんじがかけるようになりたい》全部ひらがなじゃないか、じゅん!!!」

あははっ! タカシくんが じゅんの短冊に突っ込んでる・・・・・・ん〜っと、もうちょっとなんだけど。

「で? 陽子ちゃんは何をしているのかな?」
「ん〜? あのね、私の短冊がね、この隙間に入っちゃって・・・・」
「もう1枚書いたら?」

僕がそう言うと まゆみが、僕にくれた短冊が最後の1枚だと言うんだ。

「じゃあ、僕はいいからさ。 陽子ちゃん書きなよ!」
あれ? 前にもこんな事あったよな・・・・・・っていうか、そっくりな事が去年の七夕にあったんだよ!

その時もこんな風に・・・陽子は短冊を失くして・・・・・で、去年の陽子はこう言ったんだ。

「私はいいよ! タカシくんが書いて! タカシくんのお願いが叶わなくなるじゃない!」

・・・・・・・・陽子ちゃん、今の君と去年の君が同じことを僕に言うんだね。

「タカシくん? どうしたの?」
「・・・・・・陽子ちゃん、陽子ちゃん!!!」

僕は陽子ちゃんを抱きしめた・・・ 君はやっぱり、君なんだね。
別世界から来たっていうけど、魂は何処かで繋がっているんだね。

この瞬間、僕の中では陽子ちゃんが重なったんだ。

「タカシくん、どうしたの?」
「お父さん?」
腕の中の君と、まゆみの不思議そうな声に僕は想いを伝えるんだ。

「まゆみ覚えてないか? 去年の七夕でさ〜・・・今と同じように・・・」
「覚えてる! 今と同じように、お母さん短冊失くしちゃったんだよね! ・・・・それで、そう!お母さん今と同じことお父さんに言ってた!」

「去年の陽子ちゃんも、今の陽子ちゃんも同じなんだよ! 繋がってるんだよ!」
「・・・・・・それって〜・・・・・・どういうこと?」

まゆみぃ〜〜〜!!! もう中学生なんだから、SFとかファンタジーとか本読んでないのか?
パラレルワールドとかさ〜・・・・・知ってるだろ?

「別の次元にいる同じ魂の人間ってことだよ! そうだよ、きっとそうなんだよ! 陽子ちゃんは育った環境とか違うけど本質は同じ人間なんだよ!」
「・・・・・・・難しいことはよく分かんないよ〜〜〜」

「ああ、もう! お母さんは今も昔も同じなんだってことだよ!」
「ん〜〜〜何だかよく分からないけど、お母さんはお母さんだね♡」
「お母さん、僕も抱っこ〜〜〜」

「あらあら、じゅんったら! ぎゅぅう〜〜〜」
「お母さん♡」
「あ、私もぉ〜〜♡」
「まゆみも、ぎゅうぅ〜〜〜」

じゅんを陽子ちゃんが抱っこして、その陽子ちゃんに まゆみが抱きついて、その3人を僕が抱きしめてる。

んふっ、幸せだなぁ〜・・・


その夜、子供達が寝た後の寝室で僕は、陽子ちゃんが来るのを待っていた。
お風呂から上がって来た陽子ちゃんを、真っ直ぐに見て僕は言うんだ。

「愛してる・・・・・陽子ちゃん」
「タカシくん・・・・・私も」
「ね、仲良くしようよ」

僕が言えば君はいつも恥じらって頬を染めるんだ・・・・・・可愛いよ。

優しく、優しく愛撫する僕に・・・タオルを噛んで声を我慢する君が、たまらなく愛しくて・・・・・

「陽子ちゃん・・・・・」
「んっ・・・・んんっ!」

愛してるよ・・・・・・・今までも、これからも。




「先生、連載が好評なので・・・・・・じゃじゃん! 書籍化が決まりました!」

ある日のジャンバルジャンで小松さんから聞かされたのは、まさかの書籍化!!!

「で、先生! 本にするには40ページ足りないんで、書き下ろしていただきます」
「え? 40ページ! す、すぐにですか?」
「締め切りは1ヶ月後です。 頑張りましょう、先生!」
「はい!」

嬉しくてすぐにタカシくんにメールしたんだ〜〜〜・・・それに、まゆみやお母さんにも!
そうしたらその夜、お祝いしてくれて・・・・・・ぐすっ、嬉しいよぉ〜

「もう、お母さんたらまた泣いちゃって〜」
「だってね、まゆみやお母さん、タカシくんに じゅん・・・みんなが喜んでくれるから、家族っていいなぁ〜って思ったら・・・・・え〜〜〜ん!」

泣きだした私を まゆみが撫でてくれるから、ピトッとくっついたの。

「お母さん、可愛い〜・・・」
まゆみが抱きしめてくれたの♡

「あっ! まゆみズルいぃぃ〜〜〜お父さんも!!!」
「僕も! 僕もっ!!!」

あははっ! お母さんも混じってみんなで団子みたいになってる〜
嬉しいなぁ〜・・・



それから家事にパートに頑張りつつ、連載も書き下ろしの40ページもこなしつつ・・・・・・書き上げました!!!

もう、燃え尽きて灰のような、真っ白になってます。。。

「今日はさ、母さんに夕飯の支度任せて休んでなよ・・・」
「うん、ごめんね・・・・・そうさせてもらうね」
「いいよ! じゃ、休んでるんだよ?」
「うん・・・」

蝋人形のように固まっている私を、心配そうにタカシくんが見てます。

「心配だなぁ〜・・・僕も休もうか?」
「あ、大丈夫! 大丈夫だからタカシくんはお仕事してね」
「そう? じゃあ、お昼は食べに来るからね!」
「うん」

お昼には復活した私は、やすこさんとエステに出かけたお母さんの代わりにお店番してたんです。
のんびり店番しながら漫画や小説を読んで、気晴らしができました。

そうやって2、3日のんびりしてからは、本の原稿のゲラチェックしたり表紙のイラストを決めたり・・・・・・そうやって無事に本が発売になりました!

「売れるのかなぁ〜」
「最初は3千部ですけど、好評なら増刷されますから!」
「お母さんが100冊買っちゃってるし、売れてくれないと困っちゃうよ」

「サイン会とかもしますから、先生も気合入れて下さいね!」
「頑張ります!」

それから朝野くんが・・・・・ああ、ペンネーム《夜しずか》で100万部の大ベストセラーの作家さんが、どういうわけか私のアシスタントを希望してくれて。。。

無給でアシスタントしてくれてるんです。

その有名な朝野くんが私の本を手に持って雑誌の表紙を飾ってくれたら、凄いね、売り上げがドンドン上がっていってます。

タウン誌の中で新人作家として1ページ使って紹介してくれたし、ほんとよかった!

「増刷が決まりました〜!!!」

やったぁー!!! 凄い、凄い!!!
そして行われたサイン会は、埼玉の小松さんの地元で・・・・都内は全て断られたんだって・・・でも、1箇所だけでも出来て、良かったね〜・・・

サイン会の日、小松さんの案内で開催場所に着いた私だけど、隣で別の人のサイン会が・・・・・すでに大行列が出来てるし。

「誰も来ないですね〜」
「誰も来ないですね・・・」

小松さんと並んで待っても、誰も来ない・・・・・・あれ、あの人影は・・・???

「タカシくん!!! お母さんや まゆみや じゅんまで・・・どうしたの?」
「どうしたのって、来たんだよ!」

そうして家族が並んでくれて、私のサイン会は終わりました。
何度も並んでくれるから、さすがに5度目には止めました。

後のことは小松さんに任せて帰った私達だけど・・・・・・謎の人物が小松さんから何冊も私の本を買って帰ったそうです。

その人物が、私に関わってくるとは・・・・・・・思ってもいませんでした。


・・・・・・・続く。




はい、続きます。
このお話からはエピソードが全てDVDBOXの後編部分になります。

では、最後まで読んでくださって、ありがとうございます ( ^ω^ )v
関連記事

コメント

Secret

プロフィール

すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

ブロとも一覧


Cat Home

暁の唄

ちび眼鏡日記

月が浮かぶ夜

まきまきまき

うみにふわりふわり

snowdrop

みやびのブログ

よみよみ

SweetBlackな世界

日々のこと

きみと手をつないで

shibushibuuu

ゆめの世界

井の中の蛙

月の舟 星の林

古いおもちゃ箱

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR