《最強ツインズ☆》

今回のお話は陽子ちゃんの家族構成なんかと、神戸さんが恋人になった事でお姉ちゃんズはどう思っているのかがテーマになります

パワフル華月さんと、知的な聖羅さん、はてさてどんな『お姉ちゃん』なんでしょうか?
ちなみに私は、一人っ子でございます。




プルルル〜〜〜・・・

1本の電話がかかったのは、ある法律事務所で・・・秘書が取った電話が回された先は、1人の美女のデスク。

「鈴木先生、陽子さんからお電話です」
「あ、ありがと・・・・・・もしもし? 陽子」
『聖羅お姉ちゃん、今・・・大丈夫?』
「うん大丈夫よ? たとえクライアントとの打ち合わせ中でも、陽子からの電話なら最優先よ!」
『またそんな事言って・・・・・実はね、ある人の弁護を引き受けて欲しいの』
「OK、その方の資料をすぐに送って? 全力で弁護するわ」

行儀が悪いがデスクにもたれかかるように座って電話を受けるこの美女は、陽子の1番上の姉の鈴木聖羅。

綺麗な黒髪が前下がりのボブに整えられ、スタイルは抜群、メガネをかけた知的な美貌は法曹界のクールビューティーと称えられている。

白いブラウスの豊かな胸をしまうタイトなスーツ姿は、長身でモデルのようだ。

「ああ・・・それなら警視庁に取りに行くわ! 呼び出すからランチでもしましょうよ! いいわね、じゃ」
『あ、お姉ちゃん・・・』

相手の返事を待たずに電話を切ったのは、聖羅の作戦で・・・・・
この頃、陽子が自分と会うことを避けているようなので、強行作戦に出たのだ。

「さて、可愛い陽子に会う前に・・・・・・・華月、どういうことか説明してね」
ニッコリと振り向いた長女の迫力に、呼び出されていた華月が視線をそらせている。

【バササッ!!!】

華月の前に置かれたのは書類と写真で・・・・・・その写真には神戸にエスコートされた陽子の、満面の笑みが写っている。

写真は何枚もあり、そのどれもに神戸と陽子の2ショットが写っていて、その中に神戸のマンションに入る2人の姿もあったのだった。

「陽子が前髪を切ったのは知ってる。・・・・けど、あのマンションを解約したのは知らなかったわ」
「お姉ちゃん、陽子ももう26よ! 愛する人が出来てもおかしく無いし、私は恋を知った陽子を応援してるわ!」
「華月・・・・・じゃ、聞くわ。 相手に結婚する意思があるのかしら? 見れば大層な男前・・・次の女に走ったら陽子はどうなるの?」

「・・・・・・その報告書にも書いたけど、彼は火の中に陽子を助けるために飛び込んだのよ? 生半可な覚悟でできることじゃ無い!」
「・・・・・・人の心は、変わるわ。良くも、悪くもね・・・・・・・いいわ、本人に聞くから!」

カバンを取ってサッサと出て行く聖羅に、華月の溜め息が聞こえる。

「過保護なんだから・・・・・」

陽子も鈴木家の女。
自分の人生を切り開いて生きていけるはずよ?

聖羅とよく似た美貌の華月は、長い髪を仕事モードに纏めている。
形の良い唇から、もう1つ溜め息を吐き出して、携帯をだしある番号にかけた。

「もしもし、突然ごめんなさい? 陽子の姉の華月です。覚えてらっしゃいます?」
『あ、華月さん・・・・・ご無沙汰いたしております』
「陽子と一緒に住んでるんでしょ?・・・・くすくす、知ってるわよ! 陽子はね私には何があったか報告してくれるのよ・・・・それでね」
『何でしょうか?』

「そっちに陽子の大きな台風が向かってるの。 神戸さんなら大丈夫とは思うけど、一応知らせとくわ」
『台風・・・・ですか?』
「そうよ〜〜〜・・・陽子と一緒に居たいなら、乗り越えるか、味方につけないと大変よ〜〜〜」
『やだなぁ・・・ 脅かしっこ無しでお願いします。もしかして・・・もう1人のお姉さん?ですか』
「うふふ・・・正解! そっちに行ったから・・・会議を1つこなしたら私も行くわ!」
『分かりました』

くすくす・・・・・あの色男が、どう陽子を取られないよう防衛するか、見ものだわ〜〜〜

「そろそろ会社にお戻りください」
「はいはい・・・でも分かってるわね?」
「はい、会議の後の予定は調整しておきます」
「OK! それじゃさっさと行きましょうか」

カッカッカッカッ・・・・・・ピンヒールを勇ましく鳴らし、弁護士事務所から出て行く華月。

その顔は、楽しそうに笑っていた。

「おっもしろく なってきたぞぉぉぉ〜〜〜!!!」
「部長、それでは陽子さんが可哀想ですよ?」
「ああ、大丈夫よ! あの彼が、陽子に本気なら・・・・ね☆」
「・・・・・そうでしょうか? 聖羅さんは、頭の切れる弁護士です。言い負かされて撃沈・・・という結果になるのでは?」

「じゃあさ、賭ける?」
「お幾らでしょうか?」
「・・・・・・陽子の勝ちに1万円!」
「では私は、聖羅さんの勝ちに1万円を・・・」

「まずは会議をやっつけるぞ!!!」
「はい」




「陽子、お姉さんが来られるんだって?」
「はい、美奈子さんの事を弁護してもらうのに資料を取りにきます」

捜査一課の部屋の中、訪れた僕を見て嬉しそうな笑顔の君。

んふっ・・・・・可愛いなぁ〜〜〜・・・ 僕を見た途端、笑顔になってくれる陽子に愛しさが溢れちゃうよん!

「ご挨拶してもいい? 良い機会だし・・・」
「・・・・はい」
はにかんで頷く陽子に、受付から待ち人が到着したと電話が入ったから、1階に行ったんだ。

受付の前で立っているスラリとした長身は、出るとこは出てるスタイルの良さ。
おまけに知的なメガネで涼やかな美貌・・・・・ボブのヘアスタイルがよく似合ってる。

「お姉ちゃん、お待たせ!」
「陽子・・・ やっと前髪を切った顔を見れたわ!ん〜〜〜可愛い♡」

トコトコ近づいた陽子をいきなり抱きしめた彼女は、しばらくそのまま陽子を堪能してるみたいだった。

「久しぶりだわ・・・・ああ、癒される・・・」
「お姉ちゃん、疲れてるの?」
陽子が大人しく抱きしめられたまま・・・・・心配そうに問いかける。

「大丈夫よ・・・ さ、ランチに行きましょう。 ・・・・・貴方もご一緒に如何かしら?」
・・・・・・・僕の事も知ってるみたいだね。

「お勧めの店はあるかしら? ・・・・・神戸さん」
調査済みってことか・・・・・これは中々、手強そうだな。

「今日は天気もよろしいですし、テラスでランチなんて如何ですか?」
「そうね、お願いするわ」
「では、こちらへ」

僕達は警視庁から徒歩で行ける公園にある、カフェへと向かった。
そこには陽子とよく行くんだけど、静かでゆっくりできるんだ。

美味しいお店なんだけど、今回ばかりは胃にきそうだな。。。



目の前に座った美貌の男は、涼しげな顔で前髪を指でサッと流して、私に微笑む。

あらまぁ〜・・・写真より実物の方が、良い男だわ。
ますます陽子とは、別れてもらわなきゃ!

男に免疫のない陽子が、夢中になってしまっているけど・・・こんなプレイボーイが陽子1人に満足してるなんて事あり得ないわ。

裏切られた時、陽子がどうなるか・・・・・・私は、あの子を護ると誓ったんだから!!!

・・・・・・繊細な、ガラス細工のような心を持つ陽子が、彼に裏切られたら・・・・・・

絶対に、私はあの子を護るのよ!

内心の感情を隠して微笑むなんて、弁護士の私には慣れたもの・・・私は神戸さんに微笑んで自己紹介をしたの。



「はじめまして、陽子の姉の聖羅と申します。 弁護士をしております」
華月さんとよく似たお姉さんは、そう言って綺麗な指先で名刺を僕に渡してくれた。

「こちらこそ、はじめまして。 警視庁特命係の神戸 尊と申します。 ・・・陽子さんとお付き合いさせていただいております」
僕も名刺を彼女に渡したんだ。

名刺を眺めれば、うわ・・・鈴木弁護士事務所って、お姉さんの事務所なのかな?

「この鈴木弁護士事務所とは、お姉さんの事務所なんですか?」
「叔父との共同事務所になります。 私達が代表なのですが、他の弁護士も居ます」
「すごいですね」
「先に陽子からの案件の事を聞いてもよろしいかしら? 陽子、説明して?」

陽子の説明で美奈子の書類を見ながら、彼女は細かい事を質問しつつデカい皮のカバーのついたノートに何事か書き込んでいく。

20分くらいだろうか? 説明を聴き終えたお姉さんが、ノートをパタンと閉じた。

「・・・・・・分かったわ、国選弁護人から私に回すよう手続きしておいたから、あとは本人と面談して話を詰めていくわね」
「お姉ちゃん、お願いします」

ペコリと頭を下げる陽子に、大丈夫よ・・・と微笑む彼女は、良いお姉さんなんだろうなと思う、優しい眼差しを陽子に注いでいる。

それからは他愛もない話をしながら、ランチをいただいた僕達・・・・・なんだけど。
デザートを美味しそうに食べはじめた陽子の笑顔を見ていたら、コーヒーを一口飲んだ聖羅さんがカップを置いて、眼鏡のズレを指で直した。

「で、これからは2人のお話を聞かせていただこうかしら?」
バサッ!とテーブルに置かれた報告書らしきものと、写真・・・・・探偵でも雇って調べさせたんだろうか?

「陽子・・・あなたマンションを解約して今は、どこに居るの?」
「・・・・・神戸さんのマンションです」
「結婚もしていない男女が1つの部屋に住んでるなんて、倫理的に褒められたことではないわよ?」
「それは僕から御説明します・・・ 最初にこれは聞いてください、僕は陽子と結婚するつもりでいます」
「いま私は陽子に・・・・・妹に聞いているのですが?」

うわぁ〜・・・まるで法廷で争っているような、ピリッとした雰囲気の聖羅さんの眼鏡が光る。

僕を真っ直ぐに見据える聖羅さんの、怒りが空気にのって僕に届くんだけどさ・・・・
負けるわけにいかないよね?

勝ち負けじゃないけどさ、僕から陽子を奪おうとするなら・・・・・・俺も、黙ってはいないから。。。

僕と聖羅さんの間で凍りつくような空気が流れている、そんな時に呑気な、でも可愛い声がかけられた。

「??? お姉ちゃん、神戸さんのマンションの部屋って1つじゃないよ? えっと、リビングに寝室に・・・私の部屋に・・・書斎に・・・・キッチンも広いし、お部屋いっぱいあるよ?」

《がくっっ!!!》

僕と聖羅さんが、無表情のまま肩からガクってしちゃったよ! ドリフかよ!!!

陽子・・・今はね、そういう事じゃなくてね? 結婚していないのに一緒に住むなんて、不純だってお姉さんは言ってるんだよ?

「ああ〜〜〜分かりました!」
「分かったかな?」

「心配してくれてるんだよね、聖羅お姉ちゃん! 私が神戸さんに弄ばれて捨てられるかもって」
「そうよ、陽子のことが心配なのよ」
「僕はもう陽子一筋です! 今すぐ婚姻届を出しても良いくらいです!」

僕のこの言葉の中に、嘘偽りは一切ない!
愛しているのは陽子だけ・・・・・僕はもう彼女を妻にしたいと願っているんだ。

だけど、僕がこう言った時の聖羅さんの顔が・・・・・・青ざめているのは光の加減じゃないんだろう。


「男は都合の良いことばかり言って、行動にはしないのよ・・・・・」
「聖羅さん?」

ポツリと呟いた彼女の顔からは、血の気が引いていた。

「そう思っているのなら、何故・・・籍を入れる報告も兼ねて、ウチに挨拶にも来ないんですか?」
「遅れたのは謝ります・・・が、僕はいつでも挨拶に行きたいと思っています」
「・・・・・・言葉巧みに話されてますが、何1つ行動が成されていませんね」

「おおかた陽子の身体を好きにしといて、飽きたら捨てるおつもりなんでしょ?」
「・・・・・手厳しい御指摘、ありがとうございます・・・ですが、僕は陽子を本気で愛しています」

可愛い妹が知らない間に同棲してたって、お姉さんにはショックなんだろう・・・・・
そう思って俺は、我慢して・・・・でも、陽子との事は本気なんだと、根気強く話して、分かってもらおうと考えてるんだ。

「陽子、彼とは別れなさい。 あなたが不幸になるのは目に見えてるわ!」

ちょっと、ちょっと、ちょっと!!!
どうしてそういう結論になるのかな〜!!!

俺は陽子だけを本気で愛してるって、話したよね?
弁護士のくせに人の言葉を無視するって、どういうことだよ!

「いい、陽子! 彼のようなハンサムな男は常に、女性にモテるの! 今は若いあなたに夢中でも、いずれは飽きて他の女に走るのよ!!!」

「傷が浅いうちに別れなさい! 私の後輩に真面目で腕の良い弁護士がいるのよ、紹介するから! 付き合うならその人にしなさい!」

〜〜〜くっ! 何だよ、それ! ・・・・・俺と別れさせた挙句に、他の男と付き合えだって!?

俺と別れさせて・・・・・俺から陽子を取り上げて、他の男に与えるのかよっ!!!

「聖羅さん、それはあんまりじゃ「言い過ぎよ聖羅!!!」・・・・って、ええ???」
「あ、華月お姉ちゃん!」

「はぁ〜い! 愛の味方、華月どぇぇ〜す!」
「華月、ふざけないで!!!」
「私はふざけてなんていないわ・・・・・あんたが固すぎんのよ!」

あれ、この2人・・・もしかして、双子?
判で押したような瓜二つってわけじゃないんだけど、よく似てるんだよな〜・・・

でも眼鏡をかけたストレート・ボブが聖羅さんで、夜会巻きしてるのが華月さんだね。

「ごめんなさいね、神戸さん! 聖羅はね、法廷なら男前なんだけど、元々は潔癖乙女だからさ・・・イイ男に偏見あるのよ!」
「何よ! 華月は会社もプライベートも性格は親父じゃないの!」

「あのさ〜ヒートアップしてるとこ悪いんだけど、陽子の意見は聞いたの?」
「陽子は私の言うことを聞いていればいいのよ! そうしたら幸せになるんだから!」


・・・・・・・それは、違うんじゃないのか?
姉として妹を想う気持ちは分かるけど、そこまで言いなりにしようとするのは・・・・・・支配にならないか?

そう思うのは僕だけじゃないみたいだ、華月さんが嫌な顔してるよ。

「・・・・・聖羅、それは過保護を通り越して、独裁者よ?」

「違うわ! この報告書にも書いてあるもの! この男は女が欲しければ適当に引っかけてホテルに行くって! そんな男が僕は誠実ですって言って、信じられると思うの!?」
「言い過ぎよ!!!」

「確かに僕は今迄、そういう生活をしていました。 否定はしません・・・」
「ほら!!!」
「・・・ですが、僕は陽子さんと出会い変わったんです! 彼女がいなければ俺は、生きる事も億劫になるほどダメになるんです!」

「・・・・・嘘よ、陽子と別れたとたん清々したって、女を引っかけに行くわよ!」
「俺はそんな事しません! ・・・・・俺の世界はもう、陽子だから・・・」

俺は隣に座る陽子を見て微笑むんだ・・・・・だって、俺は本当の事しか言ってないんだから。

今迄の俺の女性関係は確かに、褒められるものじゃない。
それは自覚しているよ。

でも・・・こんな俺だけど・・・・・・陽子、君のそばに居てもいいかな?
もう君なしでは生きていけない俺だから・・・・・許して欲しいんだ。


愛してる・・・・・愛してるんだ、君を・・・・・心から。。。

「神戸さん・・・・・嬉しいです」

くすっ・・・ 感激屋さんの陽子が、涙ぐむのが可愛くて・・・・思わず抱き寄せて、抱きしめてしまう。

「泣かないの・・・・・陽子の泣き虫さん♡」
「・・・だって、嬉しいから・・・・・」

腕の中で俺を見上げる陽子の、その潤んだ瞳が愛おしい・・・・・・・

「見なさい聖羅、男が本気で惚れてる相手には、あんな蕩けそうに愛しい目で相手を見るのよ・・・」
「う・・・嘘よ・・・ 騙してるのよ! 私には分かるの!」
「あんたは・・・・・・はぁ〜」

溜息をついた華月さんが頭に手をやって、キレイに巻かれた髪をほどいてガシガシと頭を掻いてるよ。
その男みたいな仕草に、見た目とは裏腹のギャップが・・・・・面白いなって思ったんだ。

「・・・・・陽子、これから時間取れそう? これじゃ埒があかないから場所を移しましょう」
「う〜ん、早退になっちゃうかな? 事件は抱えてないから大丈夫だと思うけど・・・」

「神戸さんは? 時間取れそうですか?」
華月さんの質問に頷いて了承しておく。

「特命係は暇な部署なので・・・上司に連絡を入れさせて頂ければ大丈夫です」
「では連絡をお願いします。 ああ、国東(くにさき)君! いつものスィート取って、陽子の上司に繋いで?」
後ろも見ずに手を上げた華月さんが、静かに控えていたスーツ姿の男に命じれば直ぐに彼は動きだした。

「まあ、話の続きは眺めのいい部屋でしましょうか!」
ニヤリ、鋭い視線で微笑む華月さんは、さっきまでと雰囲気が違っているんだけど。

まあ休憩に出たまま戻らないより、連絡を入れて早退した方がいいだろうと連絡をすれば、杉下さんは例によって淡々と了承してくれた。




場所を変えて・・・・・華月さんの社用車で移動した僕達は、1流ホテルのスィートに入った。
高層階の眺めのいい部屋は、窓ガラスが大きく、外の景色を堪能できる素晴らしさだった。

それぞれが窓際にセッティングされたソファーに座れば、国東さんがお茶の用意をしてくれた。

華月さんがくれた名刺には一流商社の名前が入っており、肩書きは・・・・・・海外事業部部長って、若いのに凄いな〜

「まあ私のことはいいから、さ・・・続きをしましょうか?」
「陽子には、別れてもらうわ・・・・・私は陽子を護る義務があるのよ」
頑なにそう言う聖羅さんだけど、顔色がどんどん悪くなっているように思えるのは気のせいじゃないよな?

「聖羅さん、もしかして具合でも悪いんじゃないですか?」
僕のその言葉に、華月さんが溜息をついた。

「まだあの男の事・・・・・吹っ切れないんだ」
「華月!!!」


はぁ〜・・・私は溜息が出るのを止めなかった。
姉の聖羅が2ヶ月前、婚約式を開いたんだけど・・・・・あの男、若い女を孕ませてて式に乗り込まれたのよね。

式場は女に乗り込まれて焦る新郎の罵声と、客達の悲鳴や嘲笑、それにわざとらしく泣き出した女の泣き声で、もう・・・ しっちゃかめっちゃかだったわ!

婚約は解消、此方としては姉への慰謝料と式場の支払い、招待客への謝罪などなど並べ立てておいたけどねぇ〜・・・

聖羅がショックでその場で倒れちゃったのよ・・・・・で、陽子に病院に付き添ってもらってる間に私は後始末をしてたの。

私ね弁護士資格も持ってるから、その場で招待客を立会人にして誓約書書かせたの。
まあウチの親戚が集まってるからね〜・・・・・・見ものだったわよ!!!

なんせ弁護士が多いから、ウチの親戚!
叔父やら何やらが男を囲んでさ、叔父や私が聖羅の側の弁護でしょ、叔母は女の弁護を引き受けてたし・・・・・

あの男、ケツの毛まで抜かれて 鼻血も出なくなるでしょうね〜〜〜・・・下手したら会社でも左遷かもよ〜〜〜

女の方だって話を聞けば、恋人もいないって言い寄られて、騙されてたからね・・・・・可哀想に。
女を舐めてる男が多いのよ! どいつもこいつも仕事以外で騒ぎすぎ!

35歳で部長職に居る私なんて、社長の愛人じゃないかとか変な噂されて妬まれてるしね〜・・・
無能で上に媚びて出世した奴ほど、仕事の出来る私を怖がるから無駄に吠える吠える、うざいったらありゃしない!

「部長・・・お話が横道にそれてますよ」
「あはは・・・ じゃ戻すわね! つまり聖羅はまだその事を吹っ切れてないから、神戸さんに突っかかっちゃうのよ!」



国東さんが穏やかに華月さんを促して、聖羅さんがどうして頑ななのか訳が分かった僕だった。

「それはショックでしたね・・・」
「・・・・・・いい加減、吹っ切れればいいんだけどね」
「私は吹っ切れてるわよ! 華月が騒いでるだけでしょう?」
「・・・・・私は神戸さんを認めてるわ、陽子の恋人として、婚約者としてね」

不意に僕を見てそう言う華月さん。

「ただこれだけは覚えておいて? ・・・・・・陽子を傷つけたら、私は有りとあらゆる方法で・・・」

静かな声で話していた華月さんの、切れ長の大きな瞳が急に【 カッ!!! 】と瞠られ、僕を真正面から睨みつけた。

「・・・・・・絶対に、報いを受けさせるから・・・・・」

陽子の2人のお姉さんで、怒らせたら怖いのは・・・・・どうやら華月さんのようだ。
彼女なら、どんな方法を取っても僕を葬り去るだろう・・・・・

では、僕は・・・・・・その華月さんの眼を真っ向から受けて、こう言おうか。

「そんな心配はご無用ですよ? 僕は陽子と別れませんから・・・・・・」

「人は水や酸素が無ければ直ぐに、死んでしまいますよね? ・・・・・僕にとって陽子は水や酸素より無くしてはならない、大切な人ですから」

真摯に、僕のこの想いを知ってほしくて・・・・・・僕は、言ったんだ。

「私も神戸さんと一緒にいることしか、考えられないの・・・・・だからお姉ちゃん!」

「愛する神戸さんと、一緒に居させて? ずっと、ずーーーっと!!!」

陽子の言葉に、泣きそうになっちゃった。。。

華月さんもニコッと優しく微笑んでくれてさ、陽子の頭をなでなでしてるんだ。
陽子も嬉しそうに見上げてて、いいな・・・家族って。

ん? あれ? 陽子のお姉さんとは顔を合わせたけど、ご両親は・・・・・そんな僕の問いたげな顔で察したのか華月さんが教えてくれたんだ。

「私達の両親はね、16年前に・・・・・陽子が10歳の頃に事故で亡くなったの」
「私と華月は19歳で・・・・・親の遺産で大学を卒業したわ」
「それからは私達が陽子の親代わりなのよ・・・」

「「だから私達は、陽子の幸せを1番に願っているの」」

うわぁお! さすが双子だ・・・・息がピッタリ☆

「・・・・・・でも心配だわ〜」
憂い顔の聖羅さんが、やんわり僕を見て・・・まだ心配だと呟いてるのを、華月さんが肩を抱いたり、背中を叩いてる。

「いいじゃないの! 思いっきり恋して、愛して、人生を楽しんで・・・・・もし何かあっても陽子には私達がついてる!!!」
「法律では私が、力になれるわ!」
「復讐では私が、地獄に堕とすわ!」

「「だから陽子、何かあったら直ぐに私達に相談しなさいよ!」」
「分かった、お姉ちゃん!!!」

さ・・・・・最強ツインズだぁ〜〜〜・・・
陽子、幸せになろうね!

「で? 式はいつかしら? あそこまで堂々と私に仰ったからには、もう式場の下見くらいは行きますわよね?」

きっとこれが本来の聖羅さんなんだろうな・・・ すっごい冷静に微笑みながら、小首を傾げて僕を見ているんだけどさ。
反論を許さないオーラが華月さん、そっくりって・・・・・さすが双子!?

・・・・・ っていうかさっきの華月さんの方が怒らせたら怖いっての取り消すよ。
男の事を吹っ切れた聖羅さんって、もしかして華月さんばりに迫力のある人みたいだ。

はっ・・・はははっ・・・・・陽子を泣かせたら、俺、生きていられるのかしら?


「「・・・・・・明日の太陽は見られないと、覚悟しておいたら?」」

さっ、最強ツインズ!!!

クスクスと、よく似た美貌のツインズが僕を見て微笑んでるのを、陽子が嬉しそうに笑っている。

「お姉さん達に誓います。僕は陽子と2人で幸せになります」
片手を上げて宣誓する僕に、にこやかに頷く美貌のツインズ。

「よろしくね、弟くん!」
「くすっ・・・・ 年上の弟が出来るとは思わなかったね〜」

・・・・・まっ、まあ、認めてもらえたんだから、いいか。

「神戸さん、ずっと一緒に・・・・・居てもいいんですね」
「ああ、陽子・・・・・ずっと一緒だよ・・・・・」

家族からの許しを得た僕達は、もう誰にも引き離されないよ・・・・・・

嬉し涙を瞳に溢れさせた君が、愛しくて・・・強く抱きしめた。

気を利かせたのか、聖羅さんと国東さんが部屋を出て行き、後を追った華月さんが綺麗なウィンクを放って部屋を出て・・・僕達だけにしてくれたんだ。

僕の胸に顔を埋めた陽子の顎を指で、クイッと上げてキスをした。

深い深い・・・・・舌を絡め、互いの空気を分け合うようなキスを、したんだ。

誓うよ、陽子・・・・・・君だけを愛していると。

微笑む君の頬に、また涙の雫がこぼれていくね・・・・・・泣かなくてもいいんだよ。

そうしてまた触れ合う唇・・・・・・横の寝室へと陽子をお姫様抱っこして連れて行こうとした僕と、お祝いにとシャンパンや料理を持って部屋に帰ってきたお姉さん達が・・・・・・

カードキーで部屋に入ってくるのは、数秒後のことで・・・・・・・

うん、それはまたの機会にね。

とにかく陽子と僕は、家族に認められたんだ。。。




部屋を開けたツインズが見たのは、蕩けるような微笑みで陽子ちゃんをお姫様抱っこしている神戸さんでした。

聖羅さんは中身は乙女なので、お姫様抱っこが羨ましくて・・・
国東さんは、淡々と眺め・・・・・

華月さんは、目的が分かって、ニヤリとして・・・・・・シャンパンを神戸さんに進めまくったのでした。

楽しんでいただけたら嬉しいです!
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コメント

☆鈴寧さんへ☆

早い、もう12月ですね!

師走と言う通り、12月ってバタバタしているうちに、あっという間に正月ですものね!

クリスマスは息子のプレゼントやら、ケーキの予約やら・・・ですね。
ケーキは近くのコンビニでもうすませたので、ホッとしてます!

息子はキャラケーキを強請るので、今年も仮面ライダーのに鳴りました。
でも、でもね、コレが意外に美味しいんですよ!

販売元はヤマザキさんだったかな?
オマケ目当てに最初に買った時は、味はそうでもないと覚悟して食べたんですが・・・・・・美味い。

軽い生クリームが幾らでも食べられちゃいそうです。

あとは・・・・・クリスマスのご馳走ですね。。。

息子の好物の「手羽肉の唐揚げ」を、せっかくだから大量に(笑)

そして息子の冬休み・・・・・・ああ、(ーー;)

疲れることばかりだなぁ〜〜〜・・・・・

もう12月になりましたね~♡

寒いですが、クリスマスです!!
それが過ぎればすぐにお正月だし~、楽しみです♪

国平弁護士のはUPされるんですね~(*≧∀≦*)

華月さんのは……もし内容があれでも……まぁ、小ネタとして切り替えて読みますよ~(^^;

前のバッドエンドで神戸さん死んじゃったときみたいに……(..)

☆鈴寧さんへ☆

車は、、、まあ、それなりに目立たなくなりました!
OKOK! 良しとします。

楽しみと言われたなら、書く励みになります♡

出来上がってから判断しますが、国平弁護士の方はアップ確定です!

せっかく書くのですし、出来ればアップしますね!

車は無事戻りましたか??(..)

なんか話を聞いてるとお庭が広そう。。。。(  ̄▽ ̄)

華月さんのお話、国平弁護士のお話、どうせ書くならUPしちゃったらどうですか??

少なくとも私は楽しみにしてますよ~(*≧∀≦*)

スピンオフ、といっても陽子ちゃん、神戸さんカップルはちょいだしさせて欲しいんですけどね~(^^;

んまっ!
すーさんのストレスを解消することが一番ですよ~♡

書くの我慢したらなんか良いのも浮かばないし。。。。

それに!妄想が湧く内に書くのが……うん、いいと思います……。サイキンメッキリワカナイナァ…………

☆鈴寧さんへ☆

返事が遅くなって、ごめんなさい。

あれからホームセンターで車の修理をするモノを、買ってきて、旦那さんと修理に勤しんでました。

擦り跡や、後ろのバンパー?を止めている留め具を交換して・・・などなど、旦那さん大活躍(笑)

だいぶマシになったし、留め具を替えたら確りしたし・・・・・ホッとしました。

そのまま伸びた庭の草木の枝やらを切ったりして、もうこんな時間です。

なんだかなぁ〜・・・・・・

話は変わりますが、華月さんの話、読みたいですか?

国平さんのお話は?

妄想を吐き出すために書きますが、アップは・・・・・出来上がってから考えますね〜。


ゆっくり寝れたしスッキリです!!(*≧∀≦*)

華月さんのアブノーマルな……危ない香りがプンプンしますよ~(笑)

国東弁護士はやっぱりミッチーの役を意識してましたか~♡
私もそうかな…?と思ってたんです~(>_<)

国平弁護士はあのクールで知的な雰囲気が大好き~♡♡

この二つが書き終わったら、ですね!次へ行くのは

きっと、今相棒はミッチー出てないから………(..)
再放送で妄想を……というか、最近はここに神戸さんがいたら~てな感じで脳内でストーリーを考えてます(笑)

日常に混ぜたら幸せな気分になりますよ!

すーさんも……独身に戻ったと仮定して………
もし自分が陽子ちゃんの立場だったら?と♡

…はい、ちょっと痛いです(笑)

☆鈴寧さんへ☆

お疲れ様ですm(_ _)m

お風呂に入れました? ゆっくり浸かって疲れを癒して下さいね〜

華月さんなんですが、実は彼女と【オヤジぃ】の及川さん役柄=国東〔くにさき〕博とのアブノーマルな話が浮かんでて(笑)
さすがにアップは難しいと思いつつ、妄想が・・・

【オヤジぃ】のドラマを見て博君が気になり、今日は【白い巨塔】を見て国平弁護士でまた妄想が浮かぶという。

アップするかは置いといて、この2つを書かないと次に行けない私。。。

国平弁護士はまだしも、博君の話は書きあげてボツで置いとこう!
ドラマ見ると次第にムクムク湧いちゃうのが、私の悪い癖(笑)

その割に現相棒では、妄想が浮かばないわ・・・ハテナ(; ̄ェ ̄)

華月さんもなにげに弁護士資格とってるし!Σ( ̄□ ̄;)

けど、何故か一般就職……鈴木家みたいなとこではこれまたレア扱いですね(^^;

結局はかなり出世までしてますが(  ̄▽ ̄)

今日は一杯用事こなして疲れちゃった~(..)
けど、お風呂も今からなんです~(>_<)

ふぅ………もう寝たいわ~(笑)

☆鈴寧さんへ☆

深夜にですがアップできました!

陽子ちゃんはレアものなんです(笑)
華月さんも法律家より外の世界に飛び出しちゃいましたから、ちょっと変わってると思われてます。

最強ツインズは書いてて楽しかったです!

無理せずやらなきゃいけない事を、して下さいね〜

(^o^)/

やった!UPされてる~(*≧∀≦*)
昨日、すーさんのコメント見ずに寝ちゃったので、朝UPされてるかは分からずでしたが……見てみてよかった~♪

陽子ちゃんの両親の過去、それから聖羅さんの過去………最初のお話に繋がってるなんて……!Σ( ̄□ ̄;)

凄いですよ…!!!!
陽子ちゃんは聖羅さんの結婚式のために前髪を切ったんですね!!!!

あと……陽子ちゃん家、恐るべし!
秀才一家じゃないですか!!!!

陽子ちゃんはレアなリケジョってことですね☆

美人三姉妹とかみんなに憧れられるんだろーな~(  ̄▽ ̄)

神戸さんも陽子ちゃんの前で愛を語りますね~(  ̄▽ ̄)

陽子ちゃんきっと暫くしても思い出しては照れてまたそれが神戸さんには堪らないんだろうな~♡


その後!!(笑)
いやいや!気になるでしょ?(笑)

うわ~、陽子ちゃんもお姉ちゃんにそんなとこを見られて恥ずかしいだろうな~(笑)

まだまだ書きたいんですが……今からやらなきゃいけないことが沢山なのです……(..)

では!
Secret

プロフィール

すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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