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②《潜入捜査》

さて《漂流街》という映画の及川さんの役、コウさん。
彼の妖しくも美しい様子は、見る価値ありですよ〜!!!

この話に出るコウさんは映画とは別のものと御理解していただければ嬉しいです!

未視聴の方はレンタルで是非!



「あれは?」
雑多な街を走る車の窓から外を見ていた私の目に、彼女が映った。

ふんわりとカールされた髪は柔らかそうで、その髪が包み込む顔の・・・大きな瞳で街を見ている。
人待ち顔のその女性は、だが拗ねたり膨れたりといった不満顔はせず実に楽しそうにしている。

信号待ちの窓から見かけた彼女に、何とはなく惹かれて車を停めるよう指示を出した。

ファッションビルのショーウィンドーの前に居る彼女は、ふわふわのファー付きの暖かそうなコートに身を包み立っている。

何が楽しいのか、ふんわりと微笑むその顔は待ち人が来るだろう方角を見ていて。
背伸びをして遥か彼方を見たり、もしかして・・・と後ろを振り返って見たり・・・・・実に楽しそうだ。

「老板・・・お時間が」
「リク、もう少し・・・」

私が車を停めさせて10分あまり・・・きっと彼女はそれ以上待ち人を待っているのだろう。

・・・・・・・どうしてそんな楽しそうに、待っていられるんだろう。
私には分からない。

私に、待つという行為は・・・・・・・苦痛でしかないのだから。

窓を閉め、車を出させた私の記憶に、彼女はくっきりと刻み込まれてしまった。


私はコウ・・・・・中国人だ。
中国のマフィアに属し、ここ日本での麻薬の売買で巨額の資金を稼ぎだし、ボスになった。

日本のヤクザとは持ちつ持たれつ・・・麻薬の売買の相手。
まあ、麻薬だけではなく武器やなにやら、市場はデカい・・・・・

最近、麻薬の売買の場所がホテルのスィートになったが、良い隠れ蓑にはなっている。

芸能人やIT会社の社長、金持ちと呼ばれる男に群がる女達。

合コンを仕切っているヤクザの若頭に、気に入った女が居れば持ち帰りOKとか言われているが・・・・・ふふ。

私の好みは少々、煩いのでね・・・・・・今だ手をつけた女は、いない。

若頭は私を取り込みたくて毎回、勧めてはくるが・・・・・私の好みに合う女を集めたことはない。

そう、私の好みは・・・・・・美しく気高く、可愛らしく・・・・・そして仕込めば、淫靡な華に変わる様な女。

・・・・・あの街角で、偶然見かけた彼女みたいな。
そう・・・調教すれば彼女はきっと、淫靡で妖しい華になるだろう。

ふふふ・・・ 縁があれば出逢えるだろうか・・・


彼女を見てから7日が経った今夜、取り引きがあのホテルである。

さて、そろそろ時間かな。

「老板、そろそろお時間です」
リク・・・精悍な顔に逞しい身体の私の部下は、忠実な私の犬。

「分かった、行こう」
そうして私は数人の部下と共に車に乗り込み、取り引き場所へと向かうのだった。




「神戸です。男達の方が部屋に集まり始めました。それと、仕切っている花岡組の若頭も現れました」
『分かりました、その男が女性達を審査するのでしょう』
「あ・・・今、エレベーターに乗りました」
『もうじきパーティーが始まります。君は潜入捜査官の身の安全を確保して下さい』
「分かりました」

僕は無線を終え、リビングに戻り料理や飲み物を集まった男達にサーヴして様子を伺っていた。
それにしても、IT会社の有名な社長やテレビでよく見る芸能人が5、6人ソファーに座って雑談してる。

今頃、下ではどうなってるのかな?

・・・・・・・陽子、大丈夫かな?

あああ〜〜〜・・・・・・・心配だ!!!

『神戸くん・・・』
「はい、分かってます」


その頃、1階エレベーター前のホールでは。。。

ズラリと20人ほど並んだ着飾った女性達の前に、若頭の岡田が立っていた。

「はぁ〜」
う〜〜〜ドキドキする・・・ 帰りたいよぉ〜・・・

私は紺色のドレスを身に纏い、薄いショールで剥き出しの肩を覆って落ち着こうとしたんだけど・・・・・・

「大丈夫?」
声をかけてくれたのは組対5課の婦警さんで、一緒に潜入するためにここに居るんだけど。

「・・・口から心臓が出てきそうです。帰ってもいいですか?」
「ダメよ! あなたが1番可能性があるんだから!」
「帰りたいです・・・」
私より背の高いお姉さんを見上げて、帰りたいと言ってしまうけど、これも任務だもの・・・・頑張らなきゃ!

「私も一緒に行けたら、そばに居るから、ね☆」
「はい、頑張ります」
「はぁ〜神戸警部補が騒ぐはずだわ、私でも保護欲が湧いてきちゃうもの」
「??? お姉さん?どうしましたか?」
キョトンとお姉さんを見ると、キャッと喜ばれてしまいました。

「可愛い〜〜・・・ねえ、今度ランチでもしましょう?」
「はい!誘ってください」

わぁ〜い、ランチに誘われちゃった! 嬉しいな〜♡

「君!」
はっ!いけない、目の前に男が立ってる!

これが審査する花岡組の若頭なんだよね!
私は・・・・合格するのかな?

「アップ、アップ、アップ!!!文句なくアップ!」
合格したんだ・・・・あ、話しかけてくれた婦警さんも合格だぁ〜〜〜

「一緒に行けるね!」
「一緒に行けますね!」
うふふ〜・・・嬉しくなって笑ってると、背中を押されてエレベーターの前に。

・・・・・・ 20人いた女性達が12人になってる。

潜入に5人いた婦警さんも隣のお姉さんだけが残ってた。

2人で探らないといけないんだ、気を引き締めて・・・・・頑張らなきゃ!

「君、いくら気合が入っててもガッツポーズはしない方がいいから」
・・・・・・ 若頭に笑われてしまいました。

クスクスと他の女性達からも笑われて、恥ずかしくて顔が熱くなっちゃう。
すぐにエレベーターが着いて、降りれば立派なドアの前。

若頭がドアを開け中に入ると、リビングにはシャンデリアが光り輝いてて・・・・・豪華さに圧倒されてしまいます。

「「「きゃぁぁあああ・・・・・タツヤよ〜」」」
「「「あっちにはIT会社の社長! 凄いわぁ〜〜〜」」」

ソファーに座る男性達の横にこぞって座る他の女性達、私はその迫力に押されてソファーじゃない椅子に腰かけてます。

あ、婦警のお姉さんは内情を知りたいため、勇敢にソファーに向かいました。
私は部屋の様子を見て、無線に分かる様に独り言を言いながら知らせています。

「何かお飲みになります?」
不意にかけられた声に、椅子から見上げればそこには・・・・・神戸さんが、ホテルの制服を着て私に微笑んでくれてて。

「かっ・・・・むぐっ」
バカだ私、神戸さんって言いそうになるなんて!!!

「くすっ・・・大丈夫だよ。 ソフトドリンク持ってくるからね」
「お願いします」
神戸さんの顔を見て、緊張が解ける・・・・・・コトン、と烏龍茶のグラスが置かれて私は急いで飲んじゃった。

「くすくす・・・お代わりお持ちしますね」
「お願いします」
ソファーの方ではお酒を飲んで、ゲームで盛り上がってるみたい。

私達が来て30分経った頃だろうか、若頭が慌てて入口のドアにまで行くのを見た。
誰かを迎えに行ったみたいで、すぐ若頭と一緒に入って来た2人の男性。

その1人の顔を見て私の息が、止まりそうになった。

その男性の顔が、神戸さんに瓜二つだったからだけど・・・・・・・

年齢はその人の方が若くて、体格も鍛えてる神戸さんに比べて細い・・・かな?

暗めのグレーのマオカラーのスーツを着こなして、スラリと立つその人から目が離せない。

じーーっと観察する様に見てしまった私と、彼の、視線があった。

あれ? へ? なんだろう・・・・・彼が驚いたように目を瞠り、次に口元だけで・・・・・笑った。

・・・・・・・アルカイック・スマイル。

顔は無表情なのに口だけで笑う、妖しい微笑み・・・・・ その口が動いた。

「・・・・・・・」
???何ていったのか分からないけど、ゾクゾクっと背中を走った悪寒が・・・怖かった。

見ていたら若頭とその人が小部屋に入って行ったんだけど・・・

「凄い綺麗な男の人が小部屋に入っちゃった。あの人はどんな人なんだろう・・・お付きの男の人は凄く逞しくて、ちょっと怖かったな・・・黒のアタッシュケースの中には何が入ってるのかな? 」
これで無線機の前の角田課長とか分かってくれるかな?


その陽子の呟きで、覚醒剤の売買がされていることが分かった角田が大騒ぎしていた。

「そいつ、きっと中国マフィアのコウだ! 俺も顔を知らないんだが、噂じゃ恐ろしく綺麗な男なんだと」
「恐ろしく綺麗な・・・ですか?」
「何でも、男も女も虜になっちまうほどの美形だって言うんだから! 」

「ああ! ちっくしょう・・・嬢ちゃんにカメラ渡しときゃ良かったよ!そいつの顔写真、撮ってもらうのによぉ〜」

未だ顔の知られていない中国マフィアのボス。
そんな大物が現れたことで、一気に角田課長率いる組対5課が色めきだつ。

内定なはずだが、このチャンスにガサ入れに変更して中国マフィア共々捕まえようと言い出し、捜査一課は殺しの犯人が分からないためこのまま内定を続けようと意見が別れてしまった。

「殺しがどうやってあったのかも、まだ分かってないんだぞ!まだ早い!」
「中国マフィアのボスが直接取引に来てるんだぞ!こんなチャンスないんだ!」
「こっちは殺しだ!」
伊丹と角田の怒鳴り合いが延々と続きそうだったが、疲れた角田がボヤいた一言で、決まった。

「まとめて捕まえてからゲロさせればいいじゃないか!」
「・・・・・・・それもそうか!」
ガクッと芹沢がコケていたが、一旦逮捕に道が決まれば組対5課と捜査一課の刑事達は迅速だった。

「は? ガサ入れ?ちょっと、どうしてそんな話になるんです」
『そういう訳なので、神戸くんは彼女達の保護に徹して下さい』
「・・・・・了解」

内定がガサ入れに変更ってことは、きっとここで覚醒剤の取り引きが行われているんだ。
しかも逃したくないほどの、大物ってことか・・・・・・

僕は陽子と、もう一人の婦警さんの警護に意識を切り替えた。




飲み物を渡しながら婦警さんにソファーから離れて、陽子と居るように小さく声をかけた。
彼女はにこやかに頷くと、トイレに行くと場を離れた。

陽子もトイレに行かせて彼女と合流させようと、そばに行こうとした時、奥の部屋の扉が空いて中から出て来たのは・・・・・・若い男と若頭ともう1人。

「うっそだろ? 俺が・・・・・もう1人?」
先頭に立った男・・・・・ 確かにそこに居たのは、俺と瓜二つの顔だった。

いや・・・俺の若い頃の顔という方が正しいかな?

無表情の青白い顔に気づかれる前に、その場を後にした僕はトイレへと向かう。

「杉下さん居ますか?」
『どうしました?』
「取り引きが終わったみたいです。 いつ来るんですか?」
『用意もありますから、あと10分ほどでしょうか・・・引き止めて下さい』
「何とか頑張ります」

連絡を終えた僕がトイレから出ると、さっきの婦警さんが慌てて僕を引っ張っていく。

「え、なに?どうしたの?」
「鈴木さんが大変なんです」

陽子が!? 彼女の言葉にリビングを伺えば、さっきの僕そっくりな男が陽子を隣に座らせてるんだ。


「何か、飲みませんか?」
「あの・・・じゃあ烏龍茶を・・・」
私は小部屋を出てきた神戸さんそっくりな彼・・・コウさんて仰いますが、真っ直ぐに私の前に立って奥のソファーに連れられて・・・ 座らされたんです。

逆らえない迫力が、あまり年の違わない彼から立ち昇るように出てて・・・・・私は手を取られるままにソファーに。。。

そして、何か飲むかと言われた私は烏龍茶って答えたんです。

目の前の冷えた烏龍茶のグラスを見ながら、コウさんが・・・

「・・・・・・こんな物ではなく、あなたに美味しい烏龍茶をご馳走したいですね」
「はぁ・・・ありがとうございます」
「あなたの肌は、陶器のようですね・・・・・・とても触り心地が良い」
「離して下さい」

ずっと手を離さないコウさんに、引き抜こうとしても握りこまれてしまった私はどうにも動かせなくて。
でも、あんまり強く力を入れてコウさんに恥をかかせてもいけないし・・・

迷った結果は、コウさんに手を掴まれたままな状態で・・・・・・どうすればいいんだろう。

「あなたは優しい人ですね。無理に手を引き抜けば私に恥をかかせると、こうやって私の好きにさせている」
「あの〜・・・分かってるなら離してもらえませんか?」
「ふっ・・・・・嫌です」
「???」
え〜〜〜っと、どういうことなのかな?

私は手を離して欲しい、コウさんは嫌だと言う・・・・・・

「でもこれは私の手であって、コウさんのじゃないんです。持ち主である私が離して欲しいんだから、コウさんも聞き分けて下さい」
えっと、間違ってないよね?

そう言ったら彼が、それまで青白い無表情の顔で私を見ていたのに、急に・・・・・・・笑い出しちゃった!

「くっくっくっ・・・・・・」
それでも静かに笑う彼の笑顔を見て、ああ・・・神戸さんとは似ていないんだと思ったの。

神戸さんは目をクシャっとして、子供みたいに笑うから・・・・・その笑顔が、大好きだから。

・・・・・・・目の前の人とは、違うんだって思う。

「あなたの目は誰を見ていますか?」
「え?」
「いえ・・・・ もしよろしければ、これから何処か別の場所で、お食事でも如何ですか」
「いえ、そこに美味しそうな料理が並んでるので、それを食べます」

え?別の場所で・・・・ご飯?なんで? そこにあるのに?

キョトンとした私を見て、コウさんがまた喉を鳴らして笑ってるけど・・・・・何かおかしなこと言ったかな?

「くすくす・・・・・不思議な人ですね。 そんなに美しいのに、男に誘われたことがないように初心な反応をして・・・・」

あ、誘われてたんだ・・・・・・・ あはは、分かんなかった。
でも私、ここに居なきゃいけないんだよね?

だって潜入なんだし・・・・・・ね?

私には隠しマイクしか付いてないから、角田課長や伊丹さんの声とかは聞こえないけど・・・・・
連絡は神戸さんや、大木さんがコソッと教えてくれてたんだけど、そういえば今は何も指示がないな。

「あの・・・ですから、手を離してもらってもいいですか?」
まだ繋がれたままの手を上げて言っても、コウさんは笑ったままって・・・・・・はぁ〜。

「・・・・・・リク、何かあったか?」
後ろに控えてる男の人にコウさんが聞いてるんだけど、何かって・・・・何かあったのかな?

「老板それが、下に日本の警察が・・・」
「・・・・・・ここを出る」
「こちらへ」
コウさんが男の人と立ち上がったとき、私はこれでやっと手を離してもらえるとホッとしたの。

だってコウさん、帰るんでしょ?
離してもらわないと困るの・・・・・トイレに行きたくなっちゃって、まさか話せないし。

だって相手は中性的で、神戸さんの若い頃そっくりの美しい男性だよ?
・・・・・・トイレしたいなんて、言えないよぉ〜〜〜

《ぐいっ!!!!!》

「あなたも一緒に来た方がいい・・・」
「へ? は?」
引っ張られて立ち上がった私は、そのままコウさんに連れられて部屋の中を横切っていく。

脚を踏ん張っても、力を入れても、全然効き目がなくてズルズル連れて行かれちゃう〜〜〜
こんな細いのに、力強いよぉぉ〜〜〜

・・・・・・・・・トイレに行きたいぃぃ〜〜〜

誰か助けて・・・・・・・ 神戸さん!


「角田課長、花岡組の取引相手ってどんな相手なんですか?」
『嬢ちゃんの話でえらい綺麗な男がいるって聞いたぞ、そいつが中国マフィアのコウって男だ』
「中国マフィア・・・・」
『俺も顔は知らないんだが、警部補あんた見たか?写真撮れそうか?』
「・・・・・・撮っときますよ」
『もうじきそっちに行くから、引きつけといてよ!』

「それなら陽子が頑張ってます! ・・・・・あんな男に手を握らせてまで、くそっ!」

無線を切った僕は2人を、遠くから見てるんだけど・・・・いい加減、手を離せよな!

陽子を隣に座らせて何か囁いてる、僕そっくりの男にイライラしながら隠れてる自分が嫌になる。

本当は今すぐ出て行って、陽子の手を握ってるコウって奴をブン殴りたいくらいだよっ!

くっそぉぉ〜〜〜、ほら、陽子が嫌がって離してくださいって言ってるのに!!
声は聞こえないけど、陽子の表情と身振り手振りで、何を言ってるかくらいは分かるよ。

ん?・・・・・笑い出した。
無表情なコウが、楽し気に笑い出したのを見て・・・・嫌な予感がする。

・・・・・・・どうしたんだろ?

陽子がキョトンとした顔してるけど、何を言われたんだろう?

そうやって陽子を見ていると耳の無線から、角田課長達が下に着いたことが分かった。

「・・・・・バレたのか?」

あのコウって男が陽子の手を引いて部屋を横切ってく・・・・・・・ちょっ、ちょっと!
逃げてもいいけど陽子は置いて行けよ!!!

あ、逃がしちゃダメか・・・・

僕は外に出るドアの前に着いたコウって奴の前に回り込んで、奴に掴まれた陽子の腕を掴む。

「・・・・老板が・・・・・2人?」
僕と奴の顔を見比べる男は放って置いて、僕は目の前の僕の顔を睨みつける。

「彼女の手を離せ!」
「・・・・・・・どうやら、ナイトのご登場のようですね」
「彼女を離せ!」

「嫌だと言ったら?」
「なんだと?」
無表情な奴の口だけが・・・・・・細い三日月のように弧を描くのに、俺はたまらない嫌悪を覚えた。

「リク・・・お相手してあげなさい」
「はっ!」
そう返事したと思えばリクとか呼ばれた男が、俺に殴りかかってきた。

俺だって警備部出身、咄嗟に避けたあとは・・・・・・反撃する。

2、3度向かってきた男の拳を避け、タイミングをつかんだ俺は男の腕を両手で掴んで、背中に捩上げ床に組み伏せようとしたとき。

バァーーン!!!

入口の扉が開いて角田課長達が入ってきたんだ。

向こうも扉を開けて乱闘してる俺達に驚いたろうけど、俺も驚いたよ。
・・・・・・・・その隙をつかれて男が逃げてしまった。

男はコウの腕を掴んで部屋の中に入り、別のドアへと向かう・・・・・・コウの手の先には陽子がいるんだ。
引っ張られる陽子の腰に腕を回して、俺は無理やり2人を離した。

それは一瞬の出来事だったけど、そのとき俺の世界は・・・・・ ゆっくりと、まるでスローモーションのように流れていった。

コウは1度、確かに陽子を振り返った。

その顔は、不気味な笑顔で彩られていた。




「追え! あいつを逃がすなぁぁ〜〜〜」
角田課長の声が響き、刑事達が怒涛のように雪崩れ込んできて、驚く女性の悲鳴が響く。

取りものの邪魔にならないよう、陽子を隅に連れて行こうとして・・・・あれ?どうしたの陽子?

赤い顔して、もじもじして・・・・・え?なに?

「どうしたの陽子?」
「・・・・・・」
「ん? 聞こえないよ?」
「私、ちょっと・・・・・」

ダメだよ、そっちは! ほら、乱闘してるでしょ?行けないよ!

ダメだって、暴れないで陽子!

「神戸さん、離してください!!!」
「陽子? なに? 僕がいちゃダメなの?」
「違うんです、私・・・・・私・・・・もたないんです!」

大きな目に涙を溜めて僕を見る陽子の、ただならぬ様子に焦った僕は、陽子の腕を掴んで離せなくなった。

「陽子? 訳を聞かせてよ」
「・・・・・・・・・・・・ットイレ」
「は?」

「トイレに行きたいんですぅぅ〜」
「あ、ごめん」
慌てて腕を離したら、陽子がトイレにダッシュして行ったんだ。


危なかったらしい陽子は、かろうじて間に合ったみたいで・・・・良かった。
でもそれからしばらく、トイレに篭っちゃった陽子を宥めるのに、少し手こずったんだけどね。


・・・・・・・・恥ずかしくて、僕と顔を合わせられなかったんだって。

角田課長の話では、コウ以外は全て逮捕ができたそうだけど、1番の目的のコウに逃げられて課長が凹んじゃってるんだ。

けど、僕が撮った写真を見て・・・・・・大声で驚くのはやめて欲しいんだけど。。。




さて2話めです。
コウさんはこれから、どうするんでしょうか?

色々と後の展開が面白くなりそうです。

では、楽しんでいただければ嬉しいです。
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プロフィール

すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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