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相棒《龍の闇》⑧

今回、本文は《続きを読む》という所に書くことにします。

前から気になってはいたんですが、パソコンだと全文だぁーーっと表示されちゃって過去の記事を探すのも一苦労でした
それでどういうのが使いやすいのか実験というか・・・試してみます!

では、《続きを読む》からどうぞ。。。



神戸と薔子がミキを救出に行ったあと、甲板に残ったのは桐生と杉下右京だった

「・・・・・・あなたは人の心を、心の闇を操るのが上手なのですね」
杉下の声が甲板にいる桐生に届くと、彼は海を眺めていた視線を横に佇む杉下に向ける

「そうですね。 私自身、闇の中で育ちましたから・・・」
「闇の中・・・ですか?」

ふっ・・・と笑う龍也の視線は海へと戻り、暗い海の中でときおり見える白い波頭を見つめている

「私の母は、お調べになった通り良家の令嬢でした。 父親が先物取引に手を出し見事に大損して、借金を作った。 しかもヤクザからの借金です」

「ろくに働いたこともない男に、ヤクザからの執拗な取立ては恐怖でしかなく・・・・・・自分から娘を妾に差し出したそうです。 もちろん、娘の母親も兄も弟も妹も賛成して・・・」

「私の父は美しく気位の高い母に一目で心を奪われていたので、二つ返事で了解し・・・その日の夜には母を抱いていたそうです」

「・・・・・幼い僕に、母はいかに父が酷い男かを訴え、家族さえ金のために自分を売ったと怨嗟の言葉を吐き・・・それでも逃げられない自分の運命をただ嘆いていた」

「お母様の立場になれば、気に沿わない相手に無理やり抱かれ、家族でも止めてくれる者すらいないのでは嘆かれても仕方がないように思いますが・・・」
杉下の言葉に、チラリと視線を向けるが・・・・・・桐生の口の端は皮肉げな笑みを浮かべている

「そう嘆いていた、昼間はね。 ・・・夜になれば父に抱かれて恍惚とし悦びの声をあげているくせに。 そうしてベットの中で宝石やドレス、様々な贅沢なものをねだり甘え、媚を売るくせにね」

「女は強かで図々しく、欲望に火がつけば誰彼かまわず尻尾を振る・・・・・・母もそんな者に変わっていった」

「ふふ・・・そのくせ私には一流の教育を叩きこんで私の知能が高いことで自分の自慢にする・・・あれほど嫌う父の子供の誰より私が優秀だと言われることが母のプライドを酔わせる・・・」

淡々と語る桐生の話を聞きながら、杉下はジッと彼を見ている。
底しれぬ闇を見つめるように、杉下の眼鏡の奥の目は仄暗い深淵を映していた。

「私は父から離れるために表の仕事を選び、利用できるものは全て利用して会社を興し、大きくしていった」

「その貴方が何故なのでしょう? 貴方を慕う若者を唆し要らぬ事件を起こした。 逮捕されれば若者を始末させる。 ・・・・・今の彼方が必要ともしない覚醒剤などを奪うために! 何の意味があったのでしょうか」
杉下の熱のこもった言葉に、彼にしては珍しく激昂寸前なのだと分かる

クスクス・・・・・・・・ 人を小馬鹿にしたような笑いを続ける桐生に、杉下の指が突きつけられる

「何が可笑しいのですか? 貴方を慕った若者3人の命を奪っておいて!!!」

「会社が大きくなると、つまらなくなってきたのさ。 だんだん表の顔が煩わしくなった・・・・・・銀座の店のカジノで客をスッカラカンに剥いて、彼奴らの叫びと嘆きの方が ・・・堪らなく楽しくてね」

「家も会社も奪われ堕ちていく様が、堪らないんだ」

尚も笑い続ける桐生の目が、だんだんと狂気の熱を帯びてきて・・・・・・杉下でさえ驚いて目を大きくする

「はぁーーはっはっはっ! 私の一言であんな屑どもが命をかけて命じるままに何でもする。 失敗すれば何も言わずに死んでいく。 いい暇つぶしだとは思わないかね、警部さん」

「私は何もしてはいない。 ただ囁いただけだ・・・・・・それが何の罪になるのかな?」

「殺人を唆せば殺人教唆だが、私は『殺してくれ』だなどと言ったことはない・・・・・・・さ、警部殿どんな罪になるのか教えて欲しいな」

「そうやって絶えず逃げ道となる者を用意している。 貴方の罪を喜んで被る者を・・・・・・しかし、いつまでもそうやって逃げられる訳などありません! 今頃、神戸くんと薔子さんがミキさんを救出しているでしょう! そうすればミキさんの証言が貴方を追い詰めることになります」

「ミキがねぇ・・・・・・あんな女に私の何を証言させるのかな? 証言だけでは弱いだろう・・・ 証拠はどうするのかな?」
「・・・・・・」
「ふふ・・・警視庁きっての頭脳の持ち主という杉下右京・・・あなたも黙ることがあるんですね」

ふっふっふっ・・・・・・・はっはっはっ・・・・・はぁーはっはっはっはっ・・・・・・・・

桐生龍也の高らかな笑い声が甲板に鳴り渡る

杉下右京、彼はただ黙して桐生を眺めているのだった




「さて、杉下さん。 私にはなんの罪もない・・・ということは逮捕もできない・・・」
「・・・・・・」
「はははっ 黙りですか? では私はこれで失礼しようと思います」

軽やかに船の降り口に歩き出した桐生だが、杉下が前に立ちふさがり・・・その歩みを止める

「何も罪がない・・・・・・そうとは言えないと思います」
杉下の視線の先には神戸と薔子に支えられたミキも居るし、部屋にいた大男5人も組対5課の面々に捕らえられている

杉下の眼鏡が光る。。。

「ミキさんのあの様子、推し量るにあの大男5人に襲わせたのでしょうか? そうなれば直接命じた貴方を婦女暴行教唆で逮捕が可能です。それと、貴方が山奥の工事現場で働かせていた人達が貴方が組織の者に自分達をそこに連れて行くよう指示をしたと証言も取れています」
「・・・・・・」

角田が杉下のそばに寄ってきて大きく頷く

「それにな、一緒に確保した工事現場の監督や監視していた組の構成員も・・・・・・あんたの兄の組長も全ては桐生龍也、あんたに命じられたと証言してるよ」
「・・・・・・・」
「あの組長、いくら弟とはいえもうあんたのことは庇えないと言ってたよ」


「おやおや・・・今度は貴方が黙りの番ですねぇ〜〜・・・・では、警視庁まで来ていただきましょう」
「・・・・・・」

杉下の言葉に角田が大木と小松に頷けば、彼等が桐生を両側から挟みこんで腕に手錠をかけたのだった

《ガチャガチャ・・・・・・ガチャン!!!》

手錠の音が甲板に響くとき、少し俯いた桐生の口から・・・・・・・微かな笑い声が聴こえる

「何が可笑しい!」
「大人しく来い!」

「・・・・・くっくっくっ、これで私を逮捕できると思うのか?」
「何を」
「何だと!」

《・・・・・・・・・・・・・バラバラバラバラバラバラバラバラ・・・》

遠くから聞こえる何かの音に、角田を始め大木も小松も空を見上げたその瞬間! 隙ができてしまった

「はっ!」
手錠につながれた桐生の足が大木の腹に蹴りをいれ、次いで小松の背中も蹴り倒している

ダダダダダッ!!!!!!!!!

走り出した桐生は甲板から上へ、下へと逃げて行き、捜査員たちを巻こうとしている
階段を降りるというよりは、飛び降りた桐生の姿を追って皆が下へと駆け下りていくなか薔子と神戸は考えていた

「何故彼は下になど・・・捜査員が出口で待ち構えていることなど分かるだろうに・・・・・・もしやっ!!! 尊さん!」
「僕も分かった。 さっき聞こえた音はヘリのプロペラの音・・・・・この船に着けさせてヘリで逃げる気だ」
「下に降りると見せかけて、きっと屋上に行ったはず!」

「私は大丈夫だから、2人とも龍也を追って!!!」
ミキの言葉に躊躇しつつも、そばの警官にミキを頼んで神戸と薔子も桐生を追って行った

階段を登り屋上にたどり着いた神戸と薔子はそこで、ヘリを背に悠然と立っている桐生を見つけた




「・・・・・君も連れて行きたいな」
桐生の眼は、真っ直ぐに薔子を見つめる

「冗談は止めてくれないか? 」
「ふふ・・・ つれないな」
「逃げれば罪が重くなる。 それでも逃げるのか」
「ああ・・・ 私はどこででも生きていける。 この姿と頭脳があればな」
「若! 早くお乗りください」

ヘリの中から若い男が出てきて桐生に乗るよう促し、薔子や神戸を睨みつけている
階段から大勢の靴音が鳴り響き、出入口に捜しに向かった捜査員たちが此方へと向かっているのが分かる

「さあ、お早く!!!」
「・・・・・・仕方ないか、君は置いて行ってあげよう。 でもね、すぐに迎えにきてあげるよ・・・」
「要らぬ世話だ! 」
「くっくっくっ・・・・・・ きっと、君を迎えにきてあげるね・・・・・」

そう言い終えたかと思えば、桐生はヘリの中へと入り・・・あっという間にプロペラが勢いよく回り始めヘリが浮かび始めた。

神戸が止める腕をすり抜けた薔子がヘリに駆け寄りドアに手をかけた、その時、中からドアが開き桐生の手が薔子の身体に伸びて・・・・・

ヘリの座席に引きずり上げようとする桐生の腕に、薔子の足が地面から浮いて・・・・・・・

「薔子! させるかっっ!!!」
すぐ後ろにいた神戸が桐生の手を捻じり、薔子の身体から引き剥がし、代わりに自分の両腕で彼女の身体を抱きしめ地面に倒れる

「・・・・・もう少しだったのに、残念だよ」

そんな桐生の叫び声を最後にヘリはぐんぐん上昇し、何処かへと飛び去って行った

あとに残ったのは地面に倒れこんでいる男女の姿・・・・・・

屋上に登ってきた捜査員たちが見たのは、汚れるのも構わず地面に倒れた神戸と薔子の・・・・・・抱き合った姿だった。

「・・・・・神戸くん、君は節操というものが無いのでしょうか?」
杉下からの冷たい視線に気がついた神戸が、薔子とともに起き上がる

「お言葉ですが杉下さん! 僕は今、桐生に引っ張られた薔子がヘリに連れ込まれるのを阻止したんですよ!・・・・・そんな言い方はあんまりじゃないですか!!!」
その言葉に杉下の視線は薔子に向いて・・・・・・

「薔子さん、そのような無茶をしてもし君が桐生龍也に連れ去られたりなどすれば 英国に居る聖吾、君の父君に僕は何といって申し開きをすれば良いのか皆目検討もつきませんよ!」
「・・・・・・逮捕したかったんです」
「いくら警察官として職務を全うしようとしても君が連れ去られれば意味がないのですよ! ・・・・・無事で良かった。 神戸くん、君はたまにいい仕事をしますねぇ〜」

「たまにって・・・・・そんな言い方あんまりです」
神戸が杉下の言葉に項垂れている間に、とうの杉下の方はそんな些細なことに関心はなく携帯で何処かに電話をかけているようだ

容疑者がいなくなったことで捜査員たちもゾロゾロと下へと降りて行くなか、電話を終えた杉下も、神戸に手を繋がれた薔子も、船を降りて行く

予定時間よりも遅れはしたが、出航できた豪華客船を見送りながら薔子はミキに付き添っていた

「大丈夫かな? これからすぐに警察病院まで運んでもらうから、そこで傷の手当てをしてもらった方がいい」
「あはは・・・龍也にボコボコにされたしね。 きちんと治療するよ」
「服は私のでよければ持っていくから」
「ありがと・・・ でも、いいの? 私なんかに構って・・・龍也の女だったんだから、叩けば埃の出る体だよ」
「私も今叩くと埃が出るわよ、もくもくと!!!」

クスッと笑ったミキに微笑んだ薔子は、不意にミキの手を取り・・・ 自分の頬に重ねる

「なっ! なにっ!!!」
「やはり此の手だ。 合わない薬で汗をかいて寝ていた私の額や頬に気遣うように触れた手・・・汗を拭ってくれた手だ」
「あの時 起きてたの?」
「罪があるなら償えばいい・・・ いくらでもやり直せる」
「・・・・あたしも真っ当に生きれるようにになるかな?」
「大丈夫! ミキさんは優しい人だもの・・・大丈夫!」

ニッコリと笑う薔子の笑顔を間近で見たミキが、ポォ〜〜っと薔子を見上げている
その肩を優しく抱いて歩き始めた薔子は、セクシーなドレスを着ていても凛々しくて・・・・・・

ミキはその後、菜都子ママの店に戻り1から最高のホステスになるべく修行に励んでいる
そのミキが同僚から『理想の男性は?』と聞かれると決まってこう言うのだ。

「私の理想は薔子さんよ! あれだけ強くて優しくて・・・・・・・綺麗な人いないもの!」
と、言うようになったという。。。




数日後の特命係の部屋で。。。

「暇かっ!」
「ご覧の通りです」
何時ものように入ってきた角田課長が、愛用のパンダカップにコーヒーを入れ、杉下は紅茶を高い位置からカップへと注いでいる、そんなのんびりとした午後のひと時。。。

「それにしても桐生龍也はどこに行ったんだろうね」
「空港や小さなセスナを所持している会社なども調べましたが、桐生龍也は見当たりませんでしたね」

「でもよ、桐生の表の会社は色々と不正が分かって結局は倒産だし。 影で色々と力を貸していた龍神会も組長から幹部まで逮捕されちまってよ、組は解体! 辛うじて大阪だけは残ったみたいだが」
「ええ、それには僕も驚きました。 覚醒剤の取引から買春の斡旋など様々な事が露見して、次々と逮捕されましたね」

「それがよ、俺達の部署だけじゃあないんだよ捕物は・・・ 誰が出張ってきたと思う?」
ニヤニヤと杉下を見つめる角田は、今言おう、もうちょっと焦らしてやろうかとニヤニヤ笑いのまま杉下を見ている

「・・・・・・長谷川元副総監でしょうか?」
「なんだよっ! 知ってたの? つまんないなぁ〜・・・ 知ってたのかよ・・・・・」

「やはりそうでしたか・・・・・」
「そうなのよ、公安が動いちゃってさ〜・・・他の県に逃げちゃった幹部を全員逮捕してんだぜ! こっちはもうビックリよ!」

「・・・・・・・・彼は、存外情の濃い人なのかも知れませんね」
「あ? なんか言ったか警部殿?」

杉下の呟きは角田には聞こえず、それ以上・・・杉下は黙して語らず、紅茶を飲んでいた

「それより今日は神戸は?」
「神戸くんは本日、休暇をとっています」
「へぇ〜・・・ ま、無事に戻ってきた嬢ちゃんとラブラブしてんだろうな! ちぇっ、羨ましいな〜・・・ウチの古女房と取っ替えてくんないかな〜〜」

角田の賑やかな叫びに、少し微笑む杉下・・・・・・久しぶりに訪れた、のんびりした午後は未だゆっくりとすすむのだった。。。




事件はこれで一旦、終わりますが・・・・・・あと1話、神戸さんと薔子のラブラブを後日談を絡めて書きたいです。
では感想いただけたら、すーさんは嬉しいです!

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すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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