相棒《龍の闇》③

毎日暑いですね。 皆さま体調はいかがでしょうか?
私は・・・・・・・バテぎみです(笑)




特命係の部屋の中。。。

「おいおい警部殿、言われたことを調べちゃみたが・・・・・・これ見てみろよ」
「課長」
受け取った杉下の目が書類の上を走る・・・・・・

「・・・8年の間に行方不明になった社長とその家族で11人、その他にも社員や役員などで10数人が行方不明ですか・・・」

目の前の書類には行方不明と決断された人達が、どういった状況で居なくなったかが書かれているのだが・・・・・・ある者は結婚を1週間後に控えたままかき消したように居なくなり、ある者は会社に行くと出かけたまま出社もせずに消えた者がいる
その社員の妻子は自分達を残したまま居なくなるなど考えられないと警察に届け出たのだが、すぐに届けは引き下げられた

その書類を見つめる杉下の眼鏡が、キラリと光る・・・

「・・・・・・・なぜ、警察に出した届けを撤回なさったのでしょうか? 気になりますね」
「確かに・・・不自然ですね」

2人が特命係の部屋を出て行ったあと、部屋の電話が鳴り角田課長が当然のように出た

「お! 嬢ちゃんか、久しぶりだな〜・・・いやぁー嬢ちゃんの煎れてくれるコーヒーが懐かしいよ!」
「ああ、2人とも事件で出て行ったよ・・・・・忙しいみたいだね」
「伝言か? そうか神戸に連絡するか・・・ 相変わらずラブラブみたいじゃないの〜〜・・・羨ましいよ! ははは・・・うちはとっくに枯れちゃってるから! ああ、じゃあな」

角田の声だけが部屋の中で 響いているのを、大木と小松が困ったように見ていた

「ラブラブだねぇ〜・・・かーーーー!!! 羨ましい!!!」
「課長、いい加減仕事に戻ってくださいよ!」

堪り兼ねた大木に言われた角田課長が笑いながら「神戸とラブラブだって!」と小松の背中を『バン!』と叩いて仕事に戻るのだった。

******

警視庁の地下駐車場、愛車の前で携帯に耳を傾ける神戸が立っていた。
「ん、分かった・・・・ ごめん薔子、ディナー遅くなるけど・・・ああ、ありがと! じゃ」
「薔子さんですか?」

車の運転席に座った神戸に、助手席にすでに座っている杉下が聞いてきた

「ええ、今日は早く上がれそうだから夕食を外で食べる約束してたんです・・・・・・でも僕が帰れそうにないですから」
「それは悪いことをしましたね。 僕が1人で聞いてきますよ」
「おかまいなく! 薔子、馴染みのホテルで泳いでるから遅くなってほしいって・・・3時間は遅く来て!って言われました」
「それはそれは・・・彼女らしい待ち方ですね〜・・・ああ、あまり遅くなるようでしたら大河内さんに薔子さんを迎えにいってもらえばよろしいのでは? あの2人、仲良しさんですから」
「そうなんですよね・・・ って! 杉下さん!!! 僕抜きなんて冗談、言わないでください! ほんとに仲が良すぎて嫉妬しそうなんですから!」

「嫉妬ですか・・・ 君が・・・・」
「・・・・・・笑いたかったら、どうぞ! 僕だって男ですからね・・・嫉妬の1つや2つしちゃいます!」
「・・・・・・・・・・・・・」

「ふん!!!」

助手席で肩を震わせながらも、笑いを堪えている杉下に大きく鼻を鳴らした神戸が車を発信させたが・・・・・・

その運転で、杉下の顔が笑いから無表情に変わっていた




住宅街に黒のGTRが滑り込むように入り込んだのは、ちょうど夕方・・・・・・コインパーキングに停めた愛車から目当ての家に向かうまでに杉下と神戸は、夕焼けのオレンジ色の光の中歩いていた

「ここですね」
「そうですね、田中宏さんのお宅ですね」

田中宏・・・・・・その人は桐生貿易のライバル社の 海外事業部でバリバリ仕事をしていた人物だった。
仕事ぶりも熱心で、数々の業績を上げる人物で会社での評価も良く、社長からも頼りにされていたのだった。
その人物がある日突然、会社に出かけたまま行方不明になったのだった。

リビングに通された2人は出されたお茶に礼を言いつつ・・・・・・部屋の中を見回せば、3歳くらいの女の子が、プレイマットの上で積み木をして遊んでいる

「お話というのは・・・」
「半年前、行方不明になった御主人から連絡はきませんか?」
「・・・・・何もきません」
「捜索願いを出されて、2週間で撤回されたのはどうしてなんでしょうか」
「・・・・・」

「奥さん、正直に話してはいただけませんか?」
「・・・・・・・これを見てください」

思いつめた顔をした田中の妻は、引き出しから1通の白い封筒を出してきて2人に見るようにと差し出す
受け取った神戸が中を取り出し杉下と見れば、そこには・・・・・・・何処かのお店、キャバレーやクラブといった所だろうか?
その店の中のソファーに座ってにこやかに写っている男女の写真が1枚と・・・・・・ベットの中、シーツに包まる2人の姿も写真にあり、便箋には2人の関係が男女のもので、田中の失踪は駆け落ちだと書いてあった

「これが家に届いたんです。 そうしたら警察は事件性はないからって・・・・・・たんなる男女の駆け落ちだって・・・・・・馬鹿にして・・・・・・・」
「・・・・・・・それが捜索願いを取り消された理由なのですね」

「でも私、あの人に女がいたなんて・・・そんなそぶり微塵も感じなくて・・・・・・主人、娘に夢中だったんです! あの子を置いて居なくなるなんて信じられないって言っても・・・ 気がつかない私が悪いって・・・」
無邪気に積み木で遊ぶ女の子が、母親を見てはニコッと笑っている・・・・・・飾ってある家族写真を見れば、田中が女の子のホッペにキスをしたものや、抱きしめて笑ってる写真がたくさんある

「今からでも出しませんか? 捜索願い・・・」
「僕たちは今・・・ある事件を追っています。 その事件に田中さんは巻き込まれた節があるんです」

「探してくださいますか? 私の主人を・・・・・・あの子の父親を・・・・・・」
力強く頷く2人を見た田中の妻は、祈るように胸の前で手を組んで・・・・・・涙を滲ませているのだった。

2人が帰ったあと、翌日に捜索願いを出しに行くことを決めた田中の妻は、飾ってある夫と娘の写真を見つめていた。

******

次に2人が向かったのは社長が失踪した会社で、桐生貿易によって他社に売られていたのだが・・・・・・そのまま会社に残った社員に話しを聞きにきたのだった。

前の会社では専務だった男性から話を聞けば、桐生貿易と入札で競り合っていた時に社長が失踪し・・・・・・何故か会社の実印や土地建物の書類、株券などが桐生貿易に渡っていたというのだ。

「入札には負けるし、会社は売られるし、昨日まであったものが今日には何も無くなっている・・・ 社員も私ら役員も寝耳に水の騒動です」
「その株券や会社の実印などはどなたが管理をされてたんでしょうか?」

「社長です。 実印は会社ですが、社長しか番号を知らない金庫にいれてありました。 土地や建物の権利書もそうです」
「あなた方は桐生貿易に反抗しなかったんですか?」
「しましたよ! どう考えたって可笑しい話じゃないですか! ライバル社に権利の全てを渡してるんですよ?」
「なら・・・」

「社長の意思なんです・・・ 手紙が残されてました。 自分は経営者として余りにもずさんだから、桐生龍也氏に全てを任せると・・・・・・社長の直筆なんです・・・ それを見た時、文句を言う気持ちも萎んでしまいました」

それから杉下と神戸は幾つかの会社を回った。

その全てが社長の失踪と同時に、会社の実印や株券、土地建物の権利証などが桐生貿易に渡り、そのことについて手紙が直筆で残されていたのだ

「ここも同じですね・・・ 直筆の手紙が残されてましたね」
「そう・・・同じなんです・・・・・・奇妙ですね」

警視庁へと戻りながら杉下の頭脳は、何を導き出しているのか・・・・・・・

「同じ・・・手口。 でも失踪した人達って、どこに行ったんでしょうね」
「自分の意思に反して連れ去られた・・・・・・普通の状態ならば、戻って来たいでしょうね」
「じゃあ、普通じゃないから戻れない・・・・って事ですか? 例えば、もう死んでいる・・・とか」

「いくら組織が絡んでいるといっても20人に及ぶ人間を殺して発見もされずにいられるでしょうか? 」
「分かりませんよ〜・・・ ものすごい山の中に埋めるとか、海に沈めるとか・・・・・・」

「神戸くん、久しぶりに薔子さんに意見が聞きたくなりました。君達が待ち合わせてるホテルに直行しましょう」
「はい・・・・・・ って、えええ???」
「僕は英国にいる聖吾の変わりなんです。 いわば日本での薔子さんの父親なのですよ? 父親が娘に会うのがそんなに驚くことでしょうか?」
「あの・・・その・・・・・・・・・・分かりました」

「では、急ぎましょう」
「はいはい」

少々ふて腐れた神戸の愛車が、待ち合わせのホテルへと向かっている時・・・・・・薔子は。。。




ぱしゃ・・・・ ぱしゃ・・・・

格式あるホテルの会員制のプールで、数人の男女が優雅に過ごしている夕方・・・・・・
薔子は恋人と話した通りに、1人で悠々とプールで泳いでいた

2時間ばかり泳いだあとは、シャワーを浴びて待ち合わせのロビー横の喫茶でコーヒーを飲んでいた。
目の前にはパソコンがあり、なにやら仕事をしているようでもある。

艶艶とした長い髪を片方の肩にまとめ、普段のパンツスーツから柔らかなシフォン素材のワンピースにカーディガンという格好に着替えた薔子は喫茶やロビーにいる男性達の視線を集めていた

パソコンを眺め、キーボードを叩く姿も優雅で・・・ 時折、髪をかき上げる仕草に誰のものともつかない溜め息さえも聴こえ・・・・・・

しかし薔子本人は全くの無頓着。。。
カップに無くなったコーヒーのお代わりを頼もうと片手を挙げ、飛んできたウェイトレスに・・・・

「コーヒーのお代わりとクラブサンドを ・・・ 本当にここのコーヒーは私好みで嬉しいよ」
「いつも ありがとうございます」

ニッコリと笑う薔子にウェイトレスの頬がポッと赤く染まる

ウェイトレスが去ると再びパソコンを見つめる薔子の耳に、ざわざわとした声が聞こえ始め顔を向ける

「尊さんかな? あの人が来ると女性の目がハートになるから・・・」
しかし残念ながらホテルに来たのは神戸ではなく、桐生龍也だった

何とはなしに見ている薔子の目には女性たちの人垣で頭の天辺あたりしか入ってはこない・・・・・・が。

「ん〜・・・尊さんじゃないな、髪が茶色だ」
神戸ではないと分かれば興味などなく、再びパソコンに向かう薔子は運ばれてきたクラブサンドを1つ・・・・・・・パクッと口に挟んだまま、両手はキーボードを叩いている

『もぐもぐ・・・・・・もぐもぐ・・・・・・』
器用に小ぶりのサンドを口だけで食べている薔子は、さすがに行儀が悪いのだが・・・・・・ここには注意をする神戸も杉下もいない

神戸と付き合うようになり格好はスカートを履くなどして女性らしくなった薔子だが、行動は変わっていないのだった。

パクッともう1つ口に運び報告書を書いていると、どこからか笑い声が・・・・・・『???』となった薔子が顔を上げると。。。

「くっ・・・ ふふ・・・」
背の高いスーツ姿も決まっているハンサムな男性が、肩を震わせ笑っている姿が、あった。

『???』となったままな薔子が口に咥えているサンドを、男性を見上げたまま『もぐもぐ』と咀嚼し食べ終われば・・・・・・

「くっくっくっ・・・ ははは・・・・・」
朗らかに声をあげて笑う、桐生龍也の姿があったのだった

しかし後ろに控えている黒崎は、初めて声を上げて・・・・・・しかも何の意味もない自然な笑いをしている龍也に、固まっていたのだった

******

「何処かでお会いしただろうか?」
「くすくす・・・・・いや、初対面です。 失礼した」
「あまり行儀が良いとは言えないのでね、知らん顔して通り過ぎてくれると有り難いのだが 」
「・・・・・・僕の周りにはそういう風に食べる女性が居ないのでね、つい興味がわいてね」

にこやかな龍也が、自分の前に座るのを首を傾げて見る薔子。
そのキョトンとした顔にまた龍也の顔に笑みが深まる・・・

「・・・・・・その席は私の待ち人用なのだが」
「しかし、まだ来てはいない・・・ ならば その間座ってもいいですか?」
「・・・・・・仕事を片付けたいのでね、お相手はできないが・・・それでも?」

頷く龍也に向けた視線をパソコンに戻した薔子は、そのまま報告書作成に集中した。

『ほぅ〜・・・ 僕が目の前にいながら興味が無いとみえる。珍しい女だな』
龍也は内心こう呟いていた・・・・・・女性なら自分のような見目麗しい男には大なり小なり興味を持ち、ある者は媚びてくるし、ある者は無関心を装いこちらの興味を誘おうとする。

自分の関心を引こうとする女達の手練手管は一通り知っているんだが・・・・・・これは本当に僕に興味がなさそうだ
それにしてもキーボードを操作する手の早いこと・・・ 集中力も物凄い・・・

また、口だけでサンドを食べている・・・・・・男の目の前でするなど行儀が悪いというより空腹に耐えられないのか・・・

くくく・・・・・・・ 僕に媚びてくる女達なら信じられないと言うだろうな

それから30分以上が経った

報告書を打ち終わった薔子が喉の渇きを覚え、無くなったコーヒーのお代わりを頼もうと顔をあげれば・・・そこには龍也が未だ座っていた

「コーヒーは入れてもらったよ」
横のカップには湯気をたてるコーヒーが注がれており、目の前にはニッコリと微笑む男・・・・・・桐生龍也がいる

「ひとまず礼は言おう・・・ ありがとう」
「どういたしまして、鈴城薔子さん」
「・・・・・・私の名を知っているということは、この出会いは偶然ではないということだな」
「・・・・・・君に会ってみたくてね。 最初はプールに行こうと思っていたんだが、ここに居るときいてね」

パタン!とパソコンを閉じた薔子がソファーの背もたれに体を沈めるように座り直す
ゆったりと座る薔子はカップを手に取り、コーヒーの香りを楽しんでから一口飲む

「誰が頼もうがここのコーヒーは旨い・・・・・・で、私を見てどう思った?」

「不思議な女だな・・・ 男に媚びるということが全くない」
「・・・・・・興味がない」
「僕を見て無関心を装う女もいるが、それは僕の興味を引こうとするため。 本当に僕に無関心なのは君が初めてだ」
「時間のあるうちに片付けたい報告書があってね。 名も知らぬ男に関心など持つ暇がなかったんだ」
「報告書は片付いた? なら、僕に興味がでただろうか・・・ 僕は桐生龍也」

微笑む男が優しく語りかけるものの、薔子は龍也を 一瞥して・・・

「興味がない。 待ち人が来たようだ・・・その席を空けて何処かに立ち去ってくれると嬉しいが」
「・・・・・・・なんだと」

余りの薔子の言いように龍也の後ろに控えていた黒崎が青筋を立てて気色ばむ。
それを片手で止める龍也だが、その顔も視線も先ほどとは異なり・・・微笑みが消えていた。

急に無表情になった龍也と、睨みつけてくる黒崎・・・・・・対して薔子はゆったりとコーヒーを飲みほし、カップをテーブルに置く

「・・・立ち去ってはもらえないようなので、私が移動しよう」
パソコンを鞄にしまい、すっくと立った薔子が去っていくのを黙って見送る龍也

「若! あんな失礼な女、放っておいて銀座の店にでも行きやしょう!」
「ふ・・・ ミキに僕を連れてくるよう言われたか? 黒崎」
「いえ、そういうわけでは・・・・・・」
龍神会の息のかかったクラブのママのミキは龍也にゾッコンで、妻の座が欲しくて黒崎にいつでも連れてきてくれるよう頼んでいたのだった。

「勘違いするな黒崎・・・・・・何度か抱いたがアレを妻にしようなどと僕は考えたこともない」
「若・・・」
「他の女を相手にするのも面倒だからな・・・ 恋人みたいに振る舞わせていたが、僕はアレには性処理の玩具としてしか求めてはいない」
「若!!! その言い方は余りにもミキさんが・・・」

「僕の妻には、毛並みのいい名家の血筋を求めている」
「・・・・・・今の女のような、ですか?」
「ああ、そうだ。 しかもちょっと手を出せば誰にでも尻尾をふるような頭も尻も軽い令嬢ではなく、警戒して威嚇してくるくらいの女が・・・・・・僕は欲しい」

「しかし若! あの女はサツです! そんな女など・・・」
龍也の実家は暴力団なのだ! いくら若が堅気の仕事をしているとはいえども、嫁に警察官など無茶もいいところだ。
そんな黒崎の心配をよそに龍也は、微笑んで薔子を目で追っている

喫茶の会計をしている薔子に近づいてくる男は、何かを感じたのだろうか・・・・・・真正面から龍也をジッと見ている。

背が高く、オールバックにした髪型に眼鏡をかけたその男は暫く龍也を見ていたが・・・やがて薔子を伴いエレベーターに乗って行った。

エレベーターの扉が閉まる前にこちらを向いた2人が龍也の視界の中、ふんわりと微笑む薔子と、苦虫を噛んだような顔を和らげ僅かに微笑む大河内を捉えて光るのだった。




「神戸でなくて申し訳ない。 どうやら杉下さんとの捜査で遠出をしているらしい。 渋滞で帰りが長引いているので私に繋いで欲しいと電話がありました 」
「ピンチヒッターって事ですね、春樹さん」
「私のような者でピンチヒッターになるのかは分かりませんが・・・」
「そんなこと・・・ 私は春樹さんと一緒に居るの いつも楽しいですよ」
「・・・・・・・薔子さん、そう言って下さると私も気が楽になります」

「さ、ここの展望レストランはワインの揃えもいいですし楽しく飲みましょう!」
「そうですね。 払いは神戸に任せることにして・・・ 飲みましょうか」

悪戯っ子のように笑顔が輝き出す薔子を、眩しげに見つめる大河内も一緒になって僅かばかり口角を上げて笑顔になる

席に通された2人はさっそくワインリストをもらい、2人で覗き込んで何にしようか楽しそうに話している様子は仲がいい兄妹のように見える

薔子がワインに合う料理を頼めば2人の宴会が始まる。

「この白身魚のムニエルとワイン、合いますね」
「でしょう? ほら春樹さん・・・これも食べてみて」
「うん、旨い」
「ふふふ・・・ よかった」

「貴女と出会う前はワインを楽しむためにツマミなどナッツやチーズくらいでしたが、こうやって食事をしながら飲む楽しさを教わりました 薔子さん」
「私も春樹さんとはワインの好みが合うから、楽しいです」

ニコリと笑う薔子が目の高さにグラスを上げ、大河内と視線を絡めている
自分も感謝しているという意味なのだろう

和気あいあいとした2人の様子は、まるで恋人のようにも見え・・・ やっと着いた神戸の顔を強張らせるに十分だった

「あんな仲良さそうに・・・ 大河内さんも大河内さんだ! デレ〜ってしちゃって」
「神戸くん、君は案外・・・大人気ない発言をしますね」
「行きましょう杉下さん! あの雰囲気を壊さなきゃ!」
「神戸くん・・・ しょうがない人ですねぇ〜〜」

力んで2人のもとまで行った神戸は薔子の隣に座っていた大河内をどかしてそこに座り、その横に大河内、杉下と続く

四角いテーブルには薔子を挟んで神戸・杉下が居り、真正面に大河内がいる
新しい料理とワインを頼み、しばし4人で舌鼓を打っていたが・・・・・・杉下が事件の概要と今日の捜査を話した

「8年間で行方不明者がそんなにも・・・・・・」
「・・・その行方不明になられた方々がどこに居るのか気になります。 ・・・・閉じ込められているのか・・・ はたまたすでに殺されているのか・・・」
「逃げられないような場所・・・ 20数人もの人間を閉じ込められる場所・・・・・・ 相手の通信手段を奪い、逃げられないよう監視する・・・・・・」
「薔子さん、貴女の意見が聞きたいです」

「右京さん、その龍神会の繋がりのある会社に住込みで働く工場や、山奥の工事現場などありませんか?」
「工場や工事現場ですか」
「はい、今の暴力団では殺すよりそういった場所に監禁し働かせるのが多いと聞いています」
「そうですか・・・ 調べてみましょう」

「さ、仕事の話はこれでお終い! 楽しく飲みましょうよ〜」
神戸の声にタイミング良く料理が運ばれ、4人は食事とワイン、それに杉下はスコッチウィスキーを楽しんだのだった。


・・・・・・・・レストランのあるテーブルからの、鋭い視線を受けながら。。。




長くなりましたが、薔子と龍也が顔を合わせたお話です。

息子が夏休みに入って更新がままなりませんが、楽しんでいただけたら嬉しいです!!!
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プロフィール

すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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