相棒《・・・お見合い!?》

カイトパパが書きたくなってしまいました。 最終回のあの邪魔っぷりに、腹黒っぷり!
さてさて私が書くとどうなることやら・・・(ドキドキ)

*****

「ふ・・・ん、見事な経歴だな」

一枚の書類を見ながらつぶやくのは、久方ぶりに警察庁に戻ってきた甲斐峯秋。
何年もの間離れていたため警察庁の人材について調べているところな彼は、自分が地方を回っていた間に入庁したキャリア達の書類を見ている

自分の配下に迎えるべき人材がいるのか・・・ 自分の力になり得る人材がいるのか・・・
1枚1枚眺めている書類の中、彼の目に止まったのは・・・・・・

「この人物についてもっと詳しく調べてほしい」
「はい、かしこまりました」
「それと、この人物と会って話して見たい。 ああ、今日のランチにでも呼んでもらおうかな」
「それでは連絡しておきます」

部下に渡した1枚の書類を目で追いながらも、薄く口端を上げる甲斐次長は一体何を企むのやら。。。

「企む? ははっ・・・人聞きの悪いことを言ってくれるね〜 ただ私はね、優秀な人材が居れば引き立ててやろうと思っているだけだ。いわば発掘してあげてるんだよ」

得意げに笑う甲斐次長は、次の書類を見ている

「だいたい何人のキャリアが毎年入庁してくると思っているんだね、君は。うまく使ってやらなければ勿体無いじゃないか・・・ これはいわば人助けだよ」

見ていた書類に興味がなくなったのか、箱の中にポイっと投げ入れた甲斐次長は次を手に取り・・・・・・・・ポイッと箱に入れる

「ふん! キャリアと言っても使えそうな者も居れば、こいつ等のように使えそうもない者もいる」

・・・・・・・あなたにとって、という意味ですよね?

「何だね、何か文句でもあるのかね! 上に立つ者が下の者を選んで何が悪いかね! 引っ込んでいなさい」

それからしばらく書類を見ては区別していた甲斐次長だが、急に目を輝かせながら書類を見ていたと思えば机上の電話で部下を呼ぶ

その呼び声が興奮していることに、誰が気づくだろう・・・・・・

「こんな逸材がいたとは・・・・・・面白い。 実に面白い」

パサリと置かれた書類には一人の女性警官が写っている。
キリリとした美貌に意思の強い瞳が真っ直ぐに此方を向いている

「この人物にすぐに会いたい。 ああ、ランチでも一緒にしよう」
「次長、先程の人物と一緒にでしょうか?」
「さっきのはキャンセルしてくれ。 ・・・・・・ランチまでにこの人物を詳しく調べて報告を・・・以上だ」
「・・・・・・・はい」

部下が下がったあとも書類を見て楽しそうに笑顔でいる甲斐次長だが、その目にはギラリと何かが光っていた

「面白い・・・・・・・実に興味をそそる人物だ」

*****

バサッと上着を脱いで、投げ捨てるほどの勢いでソファーの背凭れに置いた薔子は乱暴に締めていた細身のタイを緩める。

「くそっ・・・・・・あの狸爺め!」
「薔子? 何だか荒れてるね コーヒー?ビール?」

「・・・・・・・・・・尊さんがいい!」
「うわぁっとととと・・・・・・」
飛びついてきた薔子を抱きしめた尊が、こぼれそうな笑顔で受け止めソファーに2人並んで座る

「なんかあった? 話せるなら俺に話してみなよ、ね」
「実は・・・・・・この頃何かというと次長の狸爺に呼び出されて、鬱陶しいんだ」

「狸爺って・・・ こら、口が悪いぞ!」
「帰りだって食事や飲みに行こうとか連日誘われて、全て断れば今度は織田に圧力かけてくる・・・・・・鬱陶しくて堪らない」

「・・・・・次長って、確かこの前だっけ? 地方から戻られたっていう」
「戻ってきたばかりの上層部の考えることなんていつも同じ・・・・・・ おおかた警察庁内での自分の勢力を広げたくて私を取り込みたいんだろうが 、ゴチャゴチャと掻き回してくるのが・・・・・・」

尊の肩にコテンと頭を預けた薔子の肩を抱きしめる尊・・・・・・その温かな身体に両腕を回して抱きついた薔子は、彼に甘えるように頬をすり寄せている

「薔子?」
「・・・・・・いい部下に恵まれ、やりがいのある仕事もある。 ・・・今のままでいいのに。・・・どうして私を放っておいてくれないんだろう」

「ん〜〜・・・ 薔子はね、有能でしょ? 自分の配下に置きたいとか思われるのも分かる気がするよ」
「・・・・・・・尊さんになら、飼われてもいいのにな・・・」

「え? 俺はいいよ。 ・・・・・・部下だと、こんなこともし難いでしょ? ・・・・・・・・んんっ」
「尊さん・・・・・・ ダメ・・・シャワー浴びさせて・・・」
濃厚なキスを重ねたあと、尊の唇が首筋へと降りてくるのに・・・・・・その感触に震えながらも薔子は尊の肩を押して訴える

彼女の上気した頬を見つめる尊の目が愛おしげに細められる・・・・・・

「なら、一緒に入ろ? ゆっくりジャグジーで疲れをとろう・・・ ワインも冷えてるから、ね」
「はい・・・」

ゆっくりとお湯に身を浸し、気泡が身体を包み込んで行く感触に吐息を吐きながら薔子は思う・・・・・・

隣で微笑むこの人を、私は失えないと・・・・・・ どんなやりがいのある仕事も、この人の傍にいられなくなるのなら・・・・・・私は躊躇いなく捨てるだろう

仕事にしか生きる意味を見出せなかった私を、ここまで変えたのは・・・・・・この、目の前で微笑む・・・・・愛する人なのだから

「尊さん・・・ 抱っこして?」
「いいよ。 今日の薔子は甘えたさんだね・・・・・・・・・・可愛すぎて困るくらいに」
「困ってしまうの?」
「ああ・・・困っちゃうよ。 だって・・・・・・・」

尊の唇が艶を含んで薔子に囁く

『僕は甘えた薔子にたまらなくなるんだもん・・・・・・一晩中愛してあげたくなるから困っちゃうよ?』

途端に真っ赤になる薔子を 尊は抱き寄せ、ワインを口に含んで・・・・・・・・・薔子に口移しで飲ませていく
2、3度ワインを二人で飲ませ合ったあとは、重なった唇が深いキスへと変わり・・・・・・・夜は更けていく。。。

*****

それから数日がたった特命係の部屋の中、1本の電話が鳴った。

甲斐 享の携帯が鳴っているが、当の本人は画面に表示されているであろう番号を見たまま一向に出ようとはしないのだった

「・・・・・出ないの?」
「いいんですよ!  どうせアイツからなんですから」
「・・・・・・いくら気が進まない相手からの電話でも、やはり出たほうがよろしいのでは?」

先輩の神戸や上司の杉下からの言葉で嫌々・・・どころか、憎々しげに携帯を睨みつけ不承不承でるカイトに背後の2人は顔を見合わせ様子を伺っている

「・・・・・・・・秘書にかけさせくるの いい加減止めませんか?」

「はぁ?  今すぐに?  何でアンタの言うこと聞かなきゃいけないんですかね!」

「俺は知らねぇーー!  はあ? 何だと? ・・・おいっ! 切るな! ・・・・・・っクソ」

電話を切ったあともイライラと携帯を握り締めながら歩き回るカイト

「・・・・・どうやらどこかに呼び出されたみたいなようですねぇ~~」
「そのようですね。  ・・・・・・どうします?  付いて行きますか?」
「暇な部署ですからね」
「・・・・・・付いて行くんですね!」

未だイラつき、狭い部屋の中を歩き回るカイトをなだめる先輩に、正論を吐いて行かざるおえない様に追い込む上司の2人がかりの攻撃に敢え無く撃沈したカイト

黒のGTRに乗り込んだ3人がたどり着いたのは・・・・・・・・・見事な日本庭園がある料亭で。。。

「あ~~・・・ここね。  警察庁のお偉いさんがよく使うそうだね」
「先輩、知ってるんですかここ?」
「彼は元は警察庁でしたし、薔子さんとも何度か来ているようですよ。 彼女もここを主にプライベートで良く使ってますから」

「へ?  ・・・・・へぇ~~~(何者なんだよ、先輩の婚約者って! 謎多すぎだっつーの!)」

少々引きつった笑顔になりながらも、料亭に入っていく3人
甲斐の名前を言えば女将が訳知り顔で中居に案内をさせ・・・・・・・・・・神戸の顔を見て、一瞬、動きが固まった

中居にカイトを案内させた後に続こうとした杉下と神戸だが、女将がサッと2人の腕を掴み玄関脇の小部屋へと引きづり込む

あまりの急さと勢いに顔を見合わせたまま抵抗をしない2人

「神戸さん、ここに薔子お嬢さんが呼び出されています。  もうじきお着きになるようです」

「薔子がここに・・・・・・なんだろ」
「次長がここにカイト君を呼び出すのもどういった意図があるのか・・・」

いつも冷静な笑顔を絶やさない女将には珍しく、どこか焦ったような顔を向けてくるのに神戸は嫌な予感がしていた

「あの甲斐次長、薔子さんと息子さんを結婚させたくて場を設けたと言ってました。 私にはあなた方を店に入らせるなと言われて」

「薔子を・・・  カイト君と・・・・  お見合いさせる・・・」
「・・・・・これはこれは何とも思い切った事を考えつくものですねぇ~~  女将、1つよろしいですか?」

「あなたは何故、僕達を店に入れたのでしょう? 次長からは門前払いにでもしておけと言われていたのではありませんか?」

杉下に言われ頷く女将だが、彼女はやがて・・・・・・にっこりと微笑んで2人を自分の後に付いてくるよう言い、何処かへと案内し始めた

「私は薔子お嬢さんを小さな頃から見てきました。 ・・・・・いくら警察庁のお偉いさんでも、お嬢さんの意にそまぬ事に手を貸そうとは思いません! ・・・・・・つきました、こちらの部屋は隣のことが良く分かるお部屋です。 お嬢さんに何もないよう見ててください」

「貴女は薔子さんの味方なのですね」
「その通りです。 お嬢さんを頼みます、神戸さん」

「女将さん、ありがとうございます」
深々と頭を下げる神戸に、女将の笑みが深まる・・・・・・

「貴方と一緒の時が、最高にお綺麗なんですよ・・・・・・お嬢さん。  私はその笑顔を守りたいだけです・・・」

女将が部屋を出て行ったあと、隣の様子を伺えば・・・・・・何やら言い争う声がする

「カイト君の声・・・」
「・・・・・・・ですね」

2人は2つの部屋を仕切る襖を少し開けて、耳をそばだてれば・・・・・・聞こえてくるのはカイト君と父親である甲斐次長の言い争う声だった




「信じらんねーーー!!!  いきなり呼び出しといて飯食えなんて!  用件を言えよ!」
「別に食事をしようとしているだけだ。 早く座りなさい!」

「だから何でアンタと食事なんかしなきゃいけないんだ! 俺は帰る!」
「食事くらい静かにできないのか? こんな良い料亭、お前の給料じゃ入れやしないだろう? 黙って席に着きなさい! 細かいことで大騒ぎするなど・・・子供みたいな真似はよしなさい」

「・・・・・・本当に食事だけなのかよ!」
「そうだと行っているだろう?  お前のデカイ声で店が迷惑する・・・  分かったなら早く席に着きなさい」

渋々席について胡座をかくカイトを横目に見る次長は、後ろに控えていた秘書に目配せをし・・・・・・秘書がどこかへと向かっていった

ほどなくして、再び現れた秘書の後ろから思いがけない相手が現れ、カイトは飲んでいたお茶でむせてしまう

「す・・・すず・・・げほっ! ・・・・鈴城さん! どうしてここに」
「さあ? 私も其処にいる次長に急に呼び出されたものでね。 ・・・・・・・此方にも仕事と予定がありますから、こういう風に急に呼び出すのは止めていただきたいと再三申し上げたはずですが」

薔子は最初はカイトに、次にカイトの向かいに座っている甲斐峯秋に話している

「まぁまぁ鈴城君いいじゃないか・・・ そんな事より君はそこに座りたまえ」
次長が指し示す席はカイトの隣で、仕方なく薔子は座るものの・・・・・・その顔は能面のように無表情に向かいの席を見つめている

「さあ、ここの食事は板長が良いからね。楽しく食べようじゃないか」
「私は結構! わざわざ呼び出した要件を伺いたい」
「俺も食いたくねぇーよ! 俺にも要件を言え!」

「そうかね・・・では仕方が無い。 鈴城君、君・・・この男と結婚してみる気はないかね」
「はぁ〜〜??? この人は俺の先輩の婚約者だぞ! 何言ってんだよ、アンタ!!!」

「お前は黙っていなさい。 ・・・・・・・・この男は私の不肖の息子でね、 見ての通り顔だけは私に似て良いのだが頭が少々残念な作りなんだ・・・ この男には何も望まないが、君のような優秀な人が嫁になってくれれば・・・と思うのだよ」

「キャリアの君には其れ相応の野心だとて持っているだろう? 私と親族になるのも良いキャリアアップになると思うのだが、どうかね?」

にこやかに話し続ける次長が、出てきた膳の物を箸で摘まんで口に入れながら薔子を見つめ、反応を見ているが彼女は無表情を貫いている

「・・・・・・あのね!」

カイトが何か言おうと口を開いたその時、隣の薔子の口から 「くっくっくっ・・・・・・・」という笑い声が聞こえる

喉を鳴らすほどに小さかったその笑い声に、他の2人が見つめ・・・・・・次長は同じように笑い始める

「何が可笑しいのかね? ああ、そうか・・・ 快く話を受ける気になったから楽しいのかね?」
「嘘だろ? 先輩を捨てて俺と結婚する気になったのか?」

ピタリと笑いを止めた薔子は、正座していた足を崩し胡座をかき、結んでいた髪をほどき、首元の細いタイを指でグイグイ引っ張りシャツの釦を3つばかり外した

「あまりの馬鹿馬鹿しさに笑いが込み上げて止まらないや」
「何だね」

「私には神戸 尊という婚約者がいます。 このカイトさんにも彼女がいます。 こんな2人が結婚だなどと・・・・・・無茶をいうのも程があるでしょう?」
「そんな事、とっくに調べがついている。 別れれば済むことだ。 簡単じゃないかね?」

ちょっとそこらに散歩にでも行くというほどに軽い口調で言う次長に、カイトは睨みつけ、薔子はニヤリと。。。

「それでは、別の言い方をしましょうか? 私が甲斐峯秋の親族になり、貴方のいうところの利点が・・・見つかりません」
「・・・・・・・・何をいってるのかね? ・・・・・・私が誰か分からないのかね? 」

「分かっておりますよ、甲斐警察庁次長殿! では仕方がありませんね、また別の言い方をしますと・・・・・・・私の事を本当に調査しましたか?」
「は? 何だね? 何を言いたいのか、私に分かるように話しなさい!!!」

「・・・・・・・この話、長官はご存知なのですか?」
「何故ここで長官の話になるのかね? 意味不明なことばかり話をして・・・・・・優秀だと思ったのは私の眼鏡違いだったかな」

「・・・・・・何も知らないうちに私に話を持ってきたのか。 ふん、お粗末な側近だな・・・・・おい! お前が側近か?」
「はい、そうですが」

「警察庁勤めは何年だ? 前の部署は? 経歴は?」
「は?え? ・・・・・・・実は私も数年ぶりに警察庁に戻りまして ・・・」

いきなり質問されてドギマギしている次長秘書に、はぁ〜〜・・・と溜息を吐いた薔子。

「ちっ!!! どっちも内部事情を知らないで動いてんのかよ・・・・・・・迷惑な」

薔子が携帯を取り出しどこかにかけ始める、その様子を父子で見ている光景はこの仲の悪い2人では珍しいというより・・・・・・・初めてのことだろうか。。。

「・・・・・・今、尊さんと別れて他の男と結婚しないかと言われています。 ・・・・・・・ああ、ならいいのですが・・・・・・ははは! つまらないことを申し上げましたね・・・ ええ、今度また食事にでも連れてって下さい」

薔子が携帯で話し終わった途端、今度は次長の携帯が鳴り始めた

「甲斐でございます。 これはこれは長官、私に何の御用でしょうか? は? 鈴城君? 彼女がなにか・・・・・・・・はぁ? ・・・・・・まさか・・・・」
「この話は無かった事にしてくださいね。 それと、今後むやみに何の理由も無く私を呼び出すことなどしないでください。 では私はこれで・・・・・・」

スックと立ち上がった薔子だが、次長に目配せされた秘書が立ちふさがり座らせようとする

「まだ次長のお話が終わっておりません。 静かにお待ちください」
「私には話など無い。 それに意に染まぬ結婚話など笑止!!! どけ!」

「鈴城警視、お待ちください」
「どけ!」

止めようと薔子の 腕を掴んだ秘書の身体が、次の瞬間・・・・・・・・空中に舞い畳に落とされたのだが、物音一つさせず、尚且つ立っていたその場所に落とされる手腕に次長の目が細められる

料理の乗った膳では、汁一つ零れてはいない

ゆらりと立つ薔子を見てカイトは何故か、背筋に悪寒を感じて・・・・・・ぶるりと身震いをしている

「私は行きます。 ・・・・・・・邪魔はしないでほしいのだが」
「電話も終わった、もう少し話をしようじゃないか?」
「話? 話か・・・・・・ああ、1つあったな 」

「私は神戸 尊としか結婚はしない」
「・・・・・・・・神戸君は今、特命係に いると聞いたが・・・・・・どうだろうね、地方になど行ってみる気は彼にはあるかなぁーー」

「どういう意味だ?」
ひたり・・・・・・出て行きかけた薔子の顔が座っている次長に向けられる
その眼が、凍りつきそうなほど冷たい光を宿しているのを感じて次長は背に、薄刃で撫ぜられるような感触を感じるも平静を装う

年季の入った狸っぷりは、健在だった

「いや・・・・なにね。神戸君と言ったかな? 彼が地方に行くとしたら君はどうするのかと思ってね。 先程の長官の口ぶりでは君は長官とも親しいのだと分かった・・・・・・ますます欲しくなったね 」

「その男を飛ばしてしまうか、辞めさせれば・・・・・・・君はどうするのかねぇ〜」
「ついて行く」

「ははは・・・ キャリアの君が自分よりも階級の低い男に自分の全てを掛けるというのかね・・・
あり得んよ」
「キャリア? 経歴? そんなもの・・・ 彼を失うくらいなら・・・ 彼のそばにいられないのなら・・・ 私には必要ないものとなる」

「・・・・馬鹿な! 自分がこれまで積み上げたものを捨てるというのかね!!!」
焦りから怒鳴るように声をあげる次長が、驚きの顔で薔子を見上げるのを、見下ろして・・・・・・・・・薔子は、彼女は、これ以上はないほど艶然と笑う

「私は私であればいい・・・ 何処にいようと、どんな環境であろうと、私は私であるだけだ・・・・・・この世でただ一人、愛する人の傍にいられればいい」
「馬鹿な・・・・ 馬鹿なことを・・・ 左遷された男のために私の話を断るだなどと、愚かにもほどがある」

*****

「君、愛されてますね〜・・・」
「・・・・・・・・・・・」

最初から隣の部屋で聞いていた神戸は、手で口を覆いながらも杉下の言葉に頷いている

もう、薔子ってば・・・・・・・可愛いことを。。。

自分のこれまで積み上げたものを全て捨てても俺を取るという薔子の言葉は、俺の顔をこれでもかってくらい弛めてしまう

彼女は本気なことしか言わない。
それを分かっている俺は、舞い上がる程に嬉しくて・・・・・・ああ、今すぐこの腕で彼女を抱きしめたい衝動にかられて・・・・・・・・思わずガラリと襖を開けちゃったんだ

「何だね君は! いきなり入ってくるんじゃない」
「お邪魔しまぁーーす。 お言葉ですが、自分の名前が出てきているのですから僕がいてもいいのではないですか?」
「? 君は誰だね」

尋ねられた神戸が片手をあげて、にっこりと綺麗な微笑みを添えて次長を見て・・・・・

「僕が先程から名前が出ている神戸 尊と申します」
「君が・・・」

「彼に手を出せば私は警察を辞める」
「そんなもの・・・たかが警視一人が辞めるくらい。私は痛くも何ともないがな・・・・」

「そうでしょうか?」
薔子と次長が睨み合うなか、俺は割って入って行く・・・・・・薔子の顔を見たら威嚇してる虎みたいに物騒な雰囲気なんだよね・・・・・・止めないと、ね☆

「彼女が仮に、警察を辞めるとします。 そしてセキュリティーの会社でも作るとします・・・すると 彼女の部下達はこぞって警察を辞め彼女の会社に行くでしょう。 彼女の部下達は何十人もいますが、全て辞めれば・・・・・・・警察庁の情報犯罪対策室はどうなるんでしょうかね?」

「しかも彼女、警察の中でファンが多いですから・・・ なぜ辞めたのか・・・原因が次長にあるとなると、うるさくなるでしょうね〜〜」

ここで僕は秘書を手招きして耳元に、薔子のファンな面々を教えてあげた・・・・・・あらら、秘書さんてば青い顔して次長に耳打ちしてるわ

なにせお歴々な方たちばかりだしね・・・もちろん、警察長官も警視庁総監もファンだし・・・さて、話もこれで終わるでしょう

薔子・・・・・・ そんなに気が立ってる君を、なだめてあげなきゃ!

「薔子!!!」

僕は両手を広げて薔子の名を呼ぶんだ・・・・・・愛しさを込めて・・・・・・彼女を呼べば、これ以上ないくらいの笑顔を浮かべて飛び込んでくる

両腕でしっかりと抱きしめた俺は、彼女の髪に顔を埋めて小さく囁く・・・・・・・愛してる、と。。。

「尊さん・・・私も 」
「・・・・・・・行こうか」

あとの始末は優秀な上司に任せて、僕と薔子は料亭を出て行く。

「美味しいナポリタンを食べに行こうか!」
愛する彼女を連れて美味しいと評判の店へと車を走らせ、僕たちは久しぶりに一緒にお昼を食べられたのさ☆

******

後日、呼び出された杉下右京は次長の執務室のソファーに座らされ甲斐峯秋から詰め寄られていた
アレは何だ、君は知ってるのかね? 薔子のことはもちろん、神戸にも及ぶ次長の言葉は・・・・・・だが、決して声を荒げることはない

皮肉気に、わずかに嘲笑をも含む次長の声に黙って聞いていた杉下だが・・・・・・

「結婚とは・・・誰かに強要されてするものではないのでは?」
「ふん、君も2人の味方か・・・ま、鈴城君はともかく もう1人の・・・・・何と言ったか・・・神戸、そうだ神戸だ! 君は彼の上司だからね・・・」

「鈴城薔子さんは僕の友人の娘さんでもあります。・・・どちらかといえば僕は神戸君より薔子さんの味方ということになりますでしょうね」
「友人の娘さん・・・ 彼女の父親とはどういった人物かね?」

「彼、鈴城聖悟君は・・・」
「ちょっ・・・ちょっと待て! 彼女の父親は鈴城聖悟なのか?」
「はい。・・・・・御存じなかったのですか?」

「鈴城聖悟・・・彼は東大法学部の出で尚且つ前長官の息子だ。 それなのに30歳の時、警察を辞めイギリスに渡ったな・・・・・・」
「ロンドンで僕達は知り合いました」

「ははは・・・・なるほど、なるほどな。 私の後ろ盾が要らないはずだ・・・ 今だ影響力の大きい鈴城一族なのだからな・・・ ははは、そうか・・・ 」
「もうよろしいでしょうか? 失礼します」

杉下が去った後も甲斐次長は楽しげに笑っているのだが、その目は野心に燃え始める

「・・・・・私の親族に迎えるより、私が鈴城一族に迎えられたいものだな・・・・・・やはり、彼女を。。。」

ふははは・・・・・ と、笑いながらも目だけが鋭く光る次長の声は、しばらく執務室の中から聞こえていたのだった。。。

*************

うわぁーー 長い上に、次長が諦めてません! いや、しつこそうな粘着タイプですからね次長!
でも、小野田さんと違ってあからさまに右京さんを利用しようとしてる所は、嫌いじゃないんですよね〜〜
受けて立つ・・・違かった。 受け流している右京さんと、次長のやり取りが楽しいんですよね☆
こんな駄文に最後までおつきあい下さいまして、ありがとうございます!
感謝しています!

では、ヾ(@⌒ー⌒@)ノ
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コメント

☆ほっち様へ☆

ほっち様、コメントありがとうございます!
甲斐峯秋、ネチッこい所が面白いキャラでございます。 本人と思えたなら書き手として嬉しいことこの上ないです☆
書き手なんていっても駄文加減が甚だしいので、自分で言うのも恥ずかしいのですが・・・・・(てへっ)
小野田さんは何やかや右京さんとの繋がり(絆)があったから、立場は揺るがない限りは味方でしたけど、甲斐次長にはそれが無いんですよね。。。
なので腹黒っぷりが半端ないっていうか、遠慮がないっていうか・・・・・・今後が楽しみですよね!

最終回では名前だけでの参加だった神戸さん。 その名前だけでもワクワク・ドキドキ・キャーキャーな私はテレビを見ながらニヤニヤしてましたーーー(笑)

次長による、甲斐家嫁計画はまだ諦めてません。 しかも、まだ書いてませんが設定では母方の血筋が・・・・・・これによって次長による嫁計画はますますヒートアップしてきそうです!

> それにしても薔子さんがカッコいいです~v「笑止!!!どけ!」惚れ惚れする男っぷりw。警察内ファンもそりゃあ多いでしょうね。
これはもうバラサムのアンヌが出てきてました! ええ、ファンクラブがあります(警察庁&警視庁で)
バラサムといえば、天海さんの体調が心配です。 軽度という報道でホッとしましたが ・・・
療養して、再び元気になってほしいです。

話は戻りますが、神戸さんといえばやはりナポリタンが・・・ 私もナポリタンやオムライスが好きなのでついつい出てきます

ではではコメントありがとうございます!
また遊びにきてくださいね〜 *\(^o^)/*

すーさん様、面白かったです

甲斐峯秋だ~(゜o゜)うん、うん、遠回しにネチッと言うところなんて本人に間違いなし!と思いながら拝読しました。

ドラマ最終回の腹黒っぷりは堂々としてましたね~。
誕生日に1人でいたくないと寂しがった人と思えぬ腹黒さ^_^;)小野田さんと違い、悪役??ながらも魅力のある人だと思います。領空内誘導がどれほど大変かを熱弁しても、自身の権力を強めるための犯罪者を国外に逃すという打算っぷりは、ある意味最終話のもう一人の主役だったのではないでしょうかね。←嫌いじゃないですw
電話やセリフだけの説明で残念だったけど、神戸尊さんの捜査協力って、すーさん様も嬉しくありませんでしたか^m^?私ちょっとニヤけました。

相棒《・・・お見合い!?》次長の様子からして、甲斐家の嫁にする計画をまだ諦めていませんね~。
ふむふむ、更に利益が大きいと分かれば尚、燃えるのでしょうか。
それにしても薔子さんがカッコいいです~v「笑止!!!どけ!」惚れ惚れする男っぷりw。警察内ファンもそりゃあ多いでしょうね。
あ、ナポリタン出てきた~(^^)/黒のGTRで颯爽と薔子さんをお持ち帰り♪優秀な上司と後輩はおいてけぼり・・。いいんです!!神戸さんと薔子さんがよければ(^^ゞ

バラサムのイメージつながりで、・・・天海祐希さんの心筋梗塞は驚きました。軽度とのことでそこは安心ですけど、療養して早く復帰されるといいですね~
こんな短期間で代役を引き受ける、宮沢りえさんも凄いです。
Secret

プロフィール

すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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