2周年リク☆善徳古代編≪ただ、あなたに・・・≫by yukinko様へ

yukinko様へ、こういうのになりましたが、お気に召して頂いたでしょうか?
ピダムの切なさや、女性に慣れていないこと、弟ポジョンとの会話など・・・ やりたい放題に書いてしまいました

楽しいリクエストありがとうございます♪

*****

「雪か・・・」

仁康殿に定例の報告に向かう途中で、回廊にまで振り込んでくる雪をみてつぶやくが・・・  今日は朝から はらり ひらり と多くはないが雪が降る日だ

鉛色の重い空模様を見上げれば、俺の吐息が白く流れる・・・・・・ まだ昼過ぎだとゆうのに日差しがないから暗い・・・

俺は寒さが嫌いだ・・・

別に 凍えるのが嫌なわけじゃないさ。。。

師匠と旅してた時なんて しょっちゅう野宿だからな・・・  寒いだなんて言ったら師匠から拳骨が飛んでくるし、俺は丈夫だから雪が積もった中でも平気だから

じゃ・・・  何故 嫌いなんだって?  身体も丈夫で 寒さなんて感じないんなら・・・ 平気だろうって?



・・・・・・・・・・ああ、寒さは平気さ   だけど・・・な・・・  込み上げてくる人恋しさは・・・・・・  だめなんだ・・・

子供の頃の出来事で 師匠とは・・・ 一緒に旅を続けていても こんな寒い夜に ・・・・・・ただ抱きしめて欲しくても・・・・・・

「何か用なのか!」と言われるばかりだった

一度 拒まれてしまえば二度と言えるわけがない    ・・・・・・それ以上言えば 俺は師匠から見放されてしまうかもしれないから

親もなく 師匠が全てだったガキの頃・・・  俺は、二度と 言えなくなったんだ

・・・・・・思えば その時から 寒い夜が嫌いになった。。。

ひらひらと舞う 雪を見上げながら、俺は・・・・・・  そんな大昔のことを思い出していたのさ

仁康殿に向かう途中の回廊で 風に乗って舞い来る雪に 思い出していた

ああ・・・  こんな日の夜に もし陛下が俺を抱きしめてくださったら・・・・・・どんなにか俺は 嬉しいだろう・・・

そんな埓もない考え、頭を振って消しておこう

何故ならば・・・・・・  陛下が俺に求めるのは 冷徹に陛下の命令を遂行する司量部令。。。

貴族どもの動向や不正、企みなどを暴いていく・・・  決して綺麗な仕事とは言えない司量部を、まとめ、一兵卒の動きまで統率し 陛下のために働くこと・・・

それが 陛下から見てもらえる・・・ 唯一の術・・・ 男としてなど陛下は考えてもみないだろうな

ははは・・・  陛下から男として見てもらえたら・・・  などと態度にでも出せば、陛下のことだ 即刻・・・  俺は 用無しだ

ははは・・・  はは・・・はっ! くそっ!  どうしたと言うんだ俺は・・・ こんなこと昼日中から考えてるほど司量部は暇じゃない!

俺は その部署の頭なんだぞ!  くそっ!

・・・・・・・・。。。

・・・・・・・・・・・・・。。。

・・・・・・・・・・抑えても 抑えきれない この想いが もしかしたら俺の身を 滅ぼすのかもしれない



・・・・・・司量部令を拝命して幾年か  ・・・・・・・抑えに 抑えていた 陛下を女として愛おしいと思うこと・・・・・・  この想いが 俺の胸を締め付けて 俺は・・・   俺は・・・

・・・・・・・・・・限界・・・・・・ なんだ

陛下・・・  ああ・・・ 陛下・・・  御慕いしています 貴女だけを・・・・・・

俺に初めて「ありがとう」と言葉をかけてくれた人・・・・・・

俺を初めて「信頼」してくれた人・・・・・・

俺を・・・  俺を・・・  初めて・・・  「抱きしめて」くれた人・・・

陛下・・・  陛下・・・  陛下・・・  想うのは ただ 貴女のことばかり・・・・・・

欲しいのは・・・・・・  この世の中で ただ 貴女だけ・・・・・・


「 陛下 」・・・・・・  「 陛下 」・・・・・・   「 陛下 」・・・・・・   「 陛下・・・・・・ 」

・・・・・・・・・・・・・・俺の 欲しい ただ1つの・・・・・  愛・・・・・・

俺は ひらひらと舞う 真白き雪片に手を伸ばし 物思いに耽ってしまっていた

*****

「伝えればいかがですか?」

背後から聞こえるのは俺の異父弟のポジョンの声だ・・・  だが、その言葉に俺は 動きが止まる

伝える?  この想いを?  俺のことなど家臣としか見てはいない陛下に この想いを伝えるだと?

「何も伝えたからといって手打ちになる事もないでしょうし、手打ちになさることもないでしょう」

司量部令は兄上にしかできない役職ですからね・・・  あの小賢しいほど聡い陛下が、自分を慕っていると言われるくらいで わざわざ処罰するなど考えられません!

何故なら兄上しか・・・  ミシル璽主と 聖骨で廃位されたとは言え王との息子の貴方しか貴族は統率できないし、大元神党までも従えることなどできはしないのだから・・・

ハジョン?  ああ・・・ あの猿には無理です。 キーキー喚いて酒を飲んで潰れているしか能がありませんからね・・・ くっくっくっ

何年も前から兄上が陛下を慕っている事は 私は分かっていました・・・  というか、いつ押し倒すのかと期待もしていたんですがねぇぇ~~~

意外に 甲斐性がないのですね・・・  うわっ!  怒らない、怒らない・・・  

とにかく私に当たり散らしてるより 陛下に素直に打ち明けて来てくださいね!

・・・・・・・・・・見てる こっちがイライラするんですよ!  あ゛あ゛~~ 焦れったくて、痒くなる!

さーさ、行って下さい!  待って待ってください!  

・・・・・・仁康殿はこっちですよ

告白する覚悟が決まりましたか?  ああ・・・決まったようですね 右手と右足が同時に動いてますね

え? 着替える? どれもこれも真っ黒の服しか持ってないくせに、どれも同じですよ! は? 刺繍が違う? 生地が違う?

もういいから!  そんなの後でいいですよ!

えええ~~~い! 早く行け!!!!!!

≪ どんんんっ!!! ≫

ポジョンの押しっぷりに勢いをもらった司量部令ピダムは、よろめくように仁康殿に辿り着くのだ

*****

案内された執務室には、すでに陛下が幾つもの書状を読みふけり 眉間に皺を浮かべている

「如何されたのですか 陛下」
「あ? ああ・・・ ピダムか・・・」

そこで予てより陛下を煩わせてた件の報告を幾つかしていると、陛下の眉間の皺も薄まり 私は安堵するのだ

王というものは このように忙しいものなのか・・・・・・  私は陛下を見ていると いつか倒れておしまいになるのではないかと はらはらとしてしまう

女官からの報告では 夜もあまり健やかにお眠りになっていらっしゃらないようだ

・・・・・・このような陛下を 私のつまらない告白などで 煩わせてはいけない

私は 先程までの決意など あっさりと捨てて 陛下との会議に没頭していった。。。

「よし! 後は夕刻の報告を待っているぞ」
「はい、陛下・・・」

日に何度も報告をしている私達は 切りのいいところで止め、陛下とともに便殿へと行こうと・・・・・・

「陛下っ!!!」

立ち上がった瞬間に ぐらり と傾いだ陛下を慌てて支える私に、陛下は・・・ おそらく血が足りないのだろう・・・ 真っ青と言える顔色でも、にこり と笑われる

「はは・・・ 大丈夫だ」
「大丈夫ではございません  急ぎ医官をお呼びします」

「大事無い!  いつものことだ」
「何と? いつものこと?  な・・・にを 仰せになって・・・  いつものこと?」

倒れそうなくらいの目眩など 放っておいていいわけ等あるか!!!

陛下のお付きの女官は この事を知らないのか? 何故、私に報告がない! 陛下のお側で何を見ているのだ!!!

「そんなに女官を責めるな ピダム・・・」
「しかし・・・ 陛下」

「・・・・・しばらく休めば治るのだ」

この陛下の言葉に・・・    私の感情は・・・   爆発した。。。

ぐぃっと陛下を横抱きに抱き上げ、大股で寝室へと向かう私を女官達は止めなかった

それどころか態々 御簾を上げたり 扉を開けたりと 私を誘導している

「ピダムっ 下ろせ・・・  下ろすのだ! こら ピダム!」
「黙らっしゃい!!!」

腕の中で私を見上げる陛下を一喝した私は、寝台に そっと陛下を下ろす

女官の手が陛下が寝台に付く寸前、掛布を捲くったのは 褒めてもいい仕事だな・・・

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いつからですか」
「?」

「目眩など、いつから起こっていたのですか?」

普段、陛下には出さない冷酷な声音になってしまうのは 心配の表れなんだが・・・  陛下には初めてのことだからなのか、キョトンとしておられる

「いつからか・・・  ここ二月くらいかな」
「そんな前から・・・  何故、私にも黙っておられたのですか?」

「心配かけたくはないし、本当に大丈夫なのだ!」
「・・・・・・大丈夫か、そうでないかは医官が判断することです!」

けんもほろろな言い方に、次第に陛下の顔が驚きの顔になっていく

「・・・・・・怒っているのか? ピダム」
「ピダムは怒っております 陛下」

「何故だ?」
「陛下は病を甘く見すぎておられます・・・  常習性のある目眩など、私から申し上げれば・・・・・・  言語道断です」

女官に医師の手配をさせに走らせれば、陛下はこのような状態なのに便殿での会議をと起き上がろうとされる

「いけません 陛下!  安静にして医師の治療を受けてください」
「しかし・・・」

なおも呑気な顔で起き上がろうとする陛下に・・・・・・ 私は、もう・・・・・・・・

「いい加減にしろ!」
「ピダム・・・」

「俺がどれほど心配か 分からないのか? 俺は この世の中で 貴女しか見てはいない・・・  貴女しか 大事な人はいないんだっっ・・・・  それなのに・・・・ 病を甘く見るな・・・  見ないでくれ・・・・・」

貴女を 喪えば・・・・  俺は・・・  生きてる意味などないんだ・・・・・・・・・

「貴女が いなくなれば・・・  俺は・・・  生きていけない・・・・・・・」

横たわらせた陛下の横で 俺は膝まづき 陛下の片手を握って額にあてて 目をつぶる

「お願いですから・・・  御自分の身体を大事にしてください・・・ お願いです ピダムの願いです」

「ピダム・・・  お前・・・」

陛下の戸惑った声が 聞こえた・・・

*****

ピダムが変だ・・・  たかが目眩に顔色を無くして私を見つめてくる男に、そんな大仰な・・・・・・ と呑気に構えていた

しかし、私を支える手の 細かな震えを感じたとき・・・・・・  私を本気で案じているピダムに、胸が熱くなる

背の高いピダムが少し屈むように腰を折って 私の顔を覗き込むのだが・・・  ははは! ピダム、お前の方が真っ青ではないか

・・・・・・・・・・いや、笑って悪かった

だから そう・・・  大の大人が 今にも泣きそうな目で私を見つめるんじゃない

口調は冷たいが いやはや どうして・・・  目は口ほどに物を言うとは このことだろうな

ねっとりとした熱を孕んだ目に、涙を浮かべて 捨てられそうな子犬のように私を見つめている・・・・・・  その目が、私の中の 何かを呼び覚ます。。。

だが大人しく寝ている時は、私にはないのだ

起き上がろうとして ピダムに怒鳴られた・・・  ・・・・・・・ちょっと驚いたぞ

寝台の横に膝をついたピダムが 私の手を取り 自分の額にあてて話し始めたのだが・・・・・・

ちょっ!  ちょ~~~っと待て!  な・・・な・・・な・・・何を 言ってるのだ?

私がいなくなれば・・・  ピダムも生きてはいけない・・・

生きては・・・  いけない・・・  これ・・・は?  もしや女官達がいつも騒いでおるアレか?

あ・・・  あ・・・  あ・・・ ああああああああああ・・・・・・・・・・・・・

あ・・・い・・・の 告白というものか?  告白?  ピダムが私に? え? え? え?

ピダムの言葉を理解した私は、≪ ぼん!!! ≫と音がしそうなほど 真っ赤になって・・・・・・・

その後のことは 覚えていない・・・・・・

ただ・・・ 薄れいく意識の中、泣きそうな情けない顔のピダムが 必死になって私を呼んでいる 声が・・・・・・聞こえていた

泣くな・・・ お前は貴族達が 恐れおののく司量部令なのだぞ・・・・・・

剣を取れば 鬼とも呼ばれるほどの男が 涙を浮かべて必死に私を呼んでいる・・・・・・

だけど この必死さが・・・  愛おしい・・・・・・  

そんな事を思いながらも、私は意識を手放してしまったのだった。。。

*****

しばらくして 陛下が目を覚ましたとき・・・ 私は寝室の隅に立っていたのだが、今まで詰めていた息を 安堵の溜息としてついていた

陛下の寝台の周りには医師や女官 アルチョンやユシンがいるが 私は遠く離れた部屋の隅に ただ黙って立っている

・・・・・・陛下に何か病があるという医師の診たてを 聞くのが怖いだなどと 恥ずかしくてアイツ等には言えないがな

だがアルチョンの問いかけに答える陛下の声が聞こえて、俺は今まで詰めていた息を そっと吐き出した

「ピダム・・・ 此方へ」

凛とした陛下の声に呼ばれ 御側へと寄れば、陛下が人払いをする・・・  アルチョンやユシンまでも部屋を出るよう言われた陛下に、首を傾げて見ていれば起き上がりたいと仰っしゃる

背中を支え 起き上がらせれば、陛下の頬が赤い・・・  お熱があるのだろうか?

「ピダム・・・ お前に聞きたいことがある」
「何なりと陛下・・・」

「嘘を申さば その首を切って落とすぞ!」
「御意」

「私が気を失う前に なんと申したか今一度 申してみせよ!」
「!!!」

アレを言えと・・・  い・・・いやいや 無理だ! 申してみよ! いえ、無理です! だめだ、申せ!

延々とこの繰り返しな陛下と私。。。

言わなければ頑固な陛下のことだ、休んでもくれないだろうな・・・  私は諦めて話し出した

「私は 貴女がいなければ 生きている意味もないのです・・・  貴女がいなければ 生きてはいけない・・・」
「・・・・・・どうしてだ」

「お分かりになりませぬか?  ・・・・・・お慕い申しております 陛下。 貴女だけを ひとえに貴女だけを・・・・・・」

陛下の答えは どういう風なのだろうか?   こと男女のことには聡い陛下が、これでもかと鈍くなるのだ・・・  返ってくる答えが ちと怖いな

「・・・・・・私 だけをか?」
「はい、貴女様だけを・・・」

「・・・・・・権力が欲しかったのではないのか? ミシルの息子ピダムよ」
「ふっ・・・ 私は地位も財産も権力も 興味はないのです。 私が欲しいのは・・・・・・ この世の中で貴女一人だ・・・」

「地位も財産も権力にも興味がないのに 何故 私に仕える  何故 手柄を立てる」

心底 不思議そうな陛下の顔に 私は可笑しさが込み上げてくるのだが・・・  下手に笑えば陛下の機嫌を損ねてしまうのはわかりきっているので、我慢した

「な! 何か可笑しい事を言ったか! 笑いたいなら堪えずに笑えばいい!」

ぷぅ~~~っと膨れる頬が 可愛らしい。。。

唇を突き出して 拗ねる様も 愛らしい。。。

「あなたのそばに いるためです  あなたの近くに・・・  誰よりも近くに立つためには 地位と権力が必要だった。  そして貴族どもを従わせておくためにも財産が要った。  ・・・ただ それだけのこと」

「私のため?  私の側にいるため・・・か?」
「はい ・・・・・・言ったでしょう? あなたさえ傍に居てくれるのなら、私は今すぐにも宮から去り 野に下ります」

「・・・・・・・・本心 か?」
「嘘偽りなどない 私の本心です」

「これから先も 同じだと言えるか?」
「過去も未来も 私には あなたが全てです」

陛下・・・ 陛下・・・ 幾らでも誓います。  私には あなただけだ・・・・・・

「分かった」

何が分かったのだろうか・・・  訝しむ私に 至極 満足そうな陛下の笑顔を見れば 何も言えなくなる

それから数日して 突然 便殿で・・・ 陛下が居並ぶ貴族たちに宣言をした

「司量部令ピダムを 我が夫として定める!」

居並ぶ貴族達が わぁーわぁーと叫ぶ中、私は扇をポロリと取り落としたのも気がつかないほど 驚いていた

・・・・・・・いや、失神する直前のような 何も考えられない頭になるほど 喜んでいたんだ

陛下、あなたには 敵わない。。。




~~~~~数年後~~~~~

女王の傍には 彼女の夫である端麗な長身の男が常に寄り添い 政務にあたっている姿を 新羅の王宮はみることになるのだった

*****


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Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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