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神戸&薔子 ≪信じる心・・・②≫inホテリアー

すいません、暗いし やたら長いし・・・  そんな話ですが、最後はハッピーになるように頑張ります
途中出てくる色男は、韓国の役者さんがモデルです!  ではでは、どうぞ

*****

杉下に神戸の足止めを頼んだ薔子は、彼に会わずに部屋を出て空港に向かい 夜の最終便に間に合い 薔子は、その日のうちに韓国に降り立っていた

タクシーにスーツケースとともに乗り込んだ薔子は、そのままソウルホテルへと車を走らせる

・・・・・・・・・・何も・・・ 考えられない・・・

流れる景色を ぼんやりと目で追っている・・・  でも、私は景色を見ているわけではなく、昼間見た光景が脳裏をちらつく

ずっと思っていた・・・  自分には過ぎたモテる恋人が、いつ 自分に飽きて去っていくかと・・・

「とうとう その日がきたって・・・  ことか」

この間、躯を繋げたばかりだが・・・  やはり彼には・・・ 何もかも初めてで 戸惑うしかない自分は退屈なのだろう

暗闇の中で 窓に映る自分の顔が 酷く滑稽に見えた

愛されていると・・・ 思い込んでいた間抜けな私。。。

よそう・・・  今は・・・ グッと込み上げてくるものを唇を噛んで何とか 我慢して・・・ 平静を装う

そうして車の振動に身を揺られるままに 目をつぶる

何もかも今は、考えることを止めて。。。

道路も混む事無くスムーズに目的のソウルホテルについた私は、スーツケースをコロコロ引いて歩いていく

ベルボーイが荷物を受け取り、ドアマンに扉を開けてもらいロビーへと進んでいけば・・・  ああ、ロビーの奥の受付に親しい人の顔を見つけた

「オモッ! ショウコさん!」

パタパタと受付から出て走り寄ってきたジニョンさんは いつもの輝くように明るい笑顔を向けてくれる

「部屋は空いていますか?」
「はい、サファイヤ・ヴィラ で ヨロシイですカ?」

少し発音が違うけど日本語で話してくれる彼女に頷き、韓国語で返事を返す

読み書きはまだまだだけど 日常会話くらいなら習得したんだ

「5日間、お願いします」
「はい!」

チェックインの手続きをしながら受付のカウンターに身を寄りかからせ・・・ 私は緩く息を吐く

「お疲れですか?」
「ううん、お腹が減っちゃって。 久しぶりにノ料理長の魚料理が食べたくて・・・  今日は朝しか食べてないから」

「オモッ! それは大変! 荷物はヴィラに届けておきますから直接レストランに行かれてはいかがですか?」
「そうしようかな・・・ でも久しぶりに来たけど このホテル・・・  ホッとできる」

「ようこそ ソウルホテルへ♪ 歓迎します ショウコさん」
「ありがとう・・・ 」

ああ・・・  彼女の明るい笑顔に 強張っていた気持ちが 解きほぐされるよう・・・

来てよかった。。。

チェックインのためジニョンさんは、受付のカウンターを挟んだ中の女性に色々と指示を出しているのを眺めていると・・・

廊下の奥から何やら騒がしい気配が近づいてきて・・・  誰かが走ってこちらに来るような・・・ 追いかける声も聞こえ 私は自然と身構えていた

予想通り 何やら喚き散らして近づいてくる男は、手をブンブンと振り回し人を近づけないようにしている

その手には食事に使うナイフが握られているが・・・  追いかけてきたのは制服を着ていることからホテルの従業員なんだろうな  

どうやらワインやら、ディナーやら 散々飲み食いした挙句にお金がないから払えないと逆ギレし ナイフで脅してここまで逃げてきたようだ

興奮している男は何を血迷ったか、ロビーにいた人にナイフを向け脅すように振り回して威嚇し続けている

危ないな・・・  怪我人でもでたら、と職業柄か捕まえようと身体が動いた

「俺ばっかり責めやがって! 事業に失敗して一文無しになったのは俺のせいじゃない! 金がないのは俺のせいじゃないんだっ!  俺ばっかり責めやがって!!!」

「お客様、落ち着いてください!」
「ナイフをこちらに渡してください」

従業員が説得しようと近づいたが、男はブンブンと腕を振り いきなり走り出した

「くそぉ~~~  俺をバカにしやがって~~~」

「カウンターに行ったわ!」
「キャー ソ支配人が危ないー」

「ジニョン!!!」
「キャーーー」

受付のカウンターに立っていたジニョンに男が手を伸ばし捉えようとし、ジニョンは驚きに大きな目をこれでもかと見開きつつも固まったように足が動かせない

周りの同僚達も、お客様も、男に捕らわれ人質にされる彼女の姿を想像して 何とかしたいが何ともできない事実に焦燥感にかられていた

その時!!!

ジニョンの華奢な腕に 男の手が届こうとした正にその瞬間、横から男の腕を掴んだ者が・・・・・・そして掴まれた男は自分がどうされたのか状況が分からないまま、空に一回転して床に背中を叩きつけられていた

そのまま床にうつ伏せにさせられ 腕を背中に捩じ上げられてしまえば、男はそれ以上 身動きは1センチも出来はしない

【しゅる・・・  しゅるりっ・・・】

薔子は首に結んでいた細身のタイを解いて手際よく男の両手を縛り上げた

「ジニョンさん 怪我はない?」
「だ・・・大丈夫・・・」

「びっくりしたね  でも、もう・・・ 大丈夫だから」

男の手が自分に向かってきた時の緊張と、それが 襲われたということを理解し始めたジニョンは・・・・・・ 驚きと恐怖が今になってやってきたようにカタカタと細かく手を、身体を震わせ始めた

「大丈夫・・・  もう、終わったよ」

薔子の腕が 優しく彼女の背に回り・・・  ふんわり と抱きしめられたジニョンは、鼻腔をくすぐる良い香りをかいでいる

深く息を吸って吐き出せば、ようやく落ち着けることができた

いい匂い・・・  薔薇の香り・・・  たまにスンジョン先輩がつけてるドギツイ匂いじゃなくて、自然な香り・・・  安心しちゃう

うっとりと目をつぶりかけたジニョンは、相手がお客様であることを思いだし慌てて身を放そうと捩った

「ごめんなさいショウコさん!  私ったらお客様に甘えてしまって・・・」

腕の中から詫びると 目の前の月の女神のような美しい顔が 微笑んでいた

「いいよ 私とジニョンさんは友達でしょ?  それより・・・  本当にもう大丈夫かな?」
「はい」

放れようとした2人に、後ろから鋭い声が響いてきた

「ジニョン!」

薔子が ゆっくりと振り向き相手を見れば、冷気を吐き出すような強い視線に射抜かれるようで・・・・・・

ああ、彼が・・・  ジニョンさんの・・・ それにしても鬼気迫る迫力の眼だな・・・

相手も 少しうつむき加減に ゆっくりと歩み寄ってくる姿を眺めながら、薔子は微笑んでいた

*****

焦がれて 追い求め続けたジニョンを捕まえるため韓国に戻った、あの日。。。

あの日から1週間がたったいま、僕はジニョンを・・・  彼女の恋人で婚約者という立場になれた

会えなかった日々を埋めるように彼女の退勤時間には 迎えに来ているのだが・・・  シルバーのジャガーで正面玄関に付けた僕は いつもの様にキーを預け、中へと進んでいく

だが、いつもいるはずのドアマンがいないドアをくぐり、何かあったのかと訝しく思えば・・・  受付カウンターに立っていた彼女が目に入る

カウンターの外に立つ彼女がどこかおかしくて・・・  訳はわからないまま 足を早めて進んでいく中で、彼女を ふわりと包み込むように抱きしめた男を 信じられないように見つめた

僕からは後ろ姿しか見えないが、背中の半ばを過ぎるほど伸ばされた髪を首の後ろで縛った男は・・・・・・ 遠目だけれど仕立ての良いスーツに身を包んでいる

おそらくオーダーメイドのスーツを 男にしては細身の身体でスラリと着こなし、ジニョンを・・・  僕の愛しき半身を 抱きしめている

ジニョンはといえば、うっとりと目をつぶり深呼吸を繰り返しているが・・・  

やがて目を開きながら身を捩り放れようとして、男に何事か話しているようだ

・・・・・・僕の胸には嫉妬の炎が渦巻いて、焼け付くような感情が これでもかと胸の中で膨れ上がる

やっと・・・ やっとジニョン・・・ 君を手に入れたと思ってたのは僕だけなのか?

「ジニョン!!!」

離れないでくれ、僕の半身・・・  君が離れれば・・・  僕は生きてはいけない・・・

2人が僕を見る・・・ 相手の男の美貌に 息を飲んだが かろうじてポーカーフェイスを保てている

一気に2人の傍にやってくると有無を言わさずジニョンの腕を引き、肩を抱き寄せた

「ジニョンさん・・・ 彼が あの例の?」
「オモッ! やだ、どうして分かったの? そんな見ただけで」

「分かるよ ジニョンさんの話してくれた通りの人だから・・・  ふふ 羨ましい」

ふんわり と微笑む目の前の男の美貌に 情けないが息を飲んで見つめている僕

自己紹介しようと口を開きかけたとき、ホテルの外からパトカーのサイレンが聞こえてきたのに 何事かと改めて周りを見回した

「大人しくしておいで・・・」

優しげに後ろを向いて床に話しかけている男・・・  その視線の先には 床にうつ伏せに寝ている見知らぬ男が逃げようと身体をバタつかせ始める

「大人しく していろ」

急に、低く・・・ 冷たい声で呟いた男は腰をかがめ、後ろ手に両手を縛られた男の肩を持ち ゆっくりと真正面に顔を見ながら立ち上がらせていく

立ち上がりながら男の目が、初めて薔子を見て・・・  その白い肌に目が離せなくなるほどの美しく凛々しい顔に魅せられてしまう・・・

呆然と・・・  魂が抜けたように目の前の顔を見つめる男は、ようやく自分がしでかしたことを思いだし・・・ とんでもない事をしてしまったと青くなった

「人のせいにせず 自分のやったことの責任は とりなさい」
「・・・・・はい」

優しく 言葉をかけられた男は素直に頷いて、到着した警官に引き渡されたのだった。。。

「なんだか・・・ 素敵!  ショウコさん、カッコイイわ!  こんなにカッコイイ人が私と同じ女性なのよ!」

ジニョンのその言葉に僕は唖然と男の方を・・・  いや、彼女の方を見れば、いつの間にそばに来たのかテジュンが事件の事を教えてくれた

「そうか、彼女がジニョンを救ってくれたのか」
「俺達が間に合わないと焦る中で、ジニョンの隣にいた彼女が捕まえてくれたんだ・・・  もし彼女がいなければジニョンは今頃あんな風に笑ってられたか・・・」

彼女がいなければ犯人に人質に取られたか、もしくはナイフで傷をつけられたか・・・  下手をするとジニョンは・・・  そこまで想像した僕は、ジニョンを抱きしめ、彼女の存在を身体で確かめていた

「オモッ! ド・・・ドンヒョクさん!」
「無事で良かった・・・」

僕はしばらくジニョンを離せずに そのまま抱きしめていたんだ

*****

「あ~ 美味しかった! やっぱりノ料理長のディナーは美味しい・・・」

それにしても・・・  ふふ・・・  背の高い 美丈夫な男性がジニョンさんを抱きしめて放さない光景を思い出した私は、微笑ましくて ついつい笑っていた

社長のテジュン氏が話しても、周りから何と言われようとも胸の中に閉じ込めるように 抱きしめ続ける彼に ふと ジニョンさんが羨ましくなる

「羨ましいな・・・  あんな情熱的な恋人がいて」

≪ぶぶぶぅ~~~  ぶぶぶぅ~~~≫

テーブルの上の携帯が着信を知らせるバイブで、グラスの中のワインに細かな波紋を波立たせる

チラリと見て 着信の相手を確信した私は、そのまま携帯を置いておく

尊さん・・・  今は放っておいて・・・  今は・・・ 

彼からの着信が嬉しいのか 悲しいのか・・・  でも、知らん顔されてるよりはいい・・・

もしかして別れの言葉かもしれない・・・  同じ職場の先輩だもの ケジメとして別れを言いたいのかもしれない

・・・・・・・・・・・・それなら尚更 今は 聞きたくない

私はまだ振動を続けている携帯を片手にレストランを出て、ぶらぶらと部屋まで歩くことにした

手の中の携帯は なかなか止まらず、止まっても直ぐに再び震えだしている

ディスプレイの【神戸 尊】の文字。。。

スーツケースから服を取り出しクローゼットにしまいながら、私は・・・・・・

彼から離れられるのか・・・ と、自問自答していた

もしくは、彼が離れても耐えられるのか・・・と。。。

悶々としている自分が嫌になり、携帯をベットの上に放り投げて 私はゆっくりと風呂につかり・・・  早々に寝てしまった



。。

。。。

。。。。。。。。。。   ふぅ・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・寝られるわけが ない

諦めた私はパソコンを取り出し 仕事をし始める

警察庁 IT犯罪対策課・・・・・・つまりは私の古巣からの依頼を処理するのに没頭していれば、今日の出来事は頭の中から出て行ってくれる

私は思い出したくないんだ・・・・・・ 彼が私以外の人と抱き合い、キスをしてる光景なんて、思い出したくないんだ

それなのに 私の頭の中では 何度も何度も繰り返して見せる2人の姿。。。

「はは・・・  仕事にも集中できないだなんて・・・  まいった」

≪ぶぶぶ・・・ ぶぶぶ・・・≫

また携帯が震えて着信を知らせる・・・

尊さん・・・  もし尊さんなら 出てみようか・・・  出国する前に出た時は悪かったとも言っていたし・・・  もしかして・・・  何か私が誤解してるんじゃ・・・

携帯を手に取り着信者を見れば・・・・・・  尊さんではなく たまきさんの名前が浮かんでいる

慌てて出てみれば「ほっ」とした息が聞こえ、私は たまきさんにも心配をかけてしまったんだと 申し訳なく思った

此方のことは何も聞かず、他愛もない話を明るく続けてくれる たまきさんには正直にホテルの名前を告げ電話を切った

「薔子ちゃん、ヒントは残してあげなきゃダメよ!  ・・・私からの助言はこれだけよ」
「ヒント・・・」

「そうよ 相手が貴女を見失わないように・・・  ふふ・・・  おやすみなさい」
「おやすみなさい」

ヒントか・・・  よくは分からないけど、たまきさんが言うのなら意味があるんだろうな。。。

私はたまきさんの声で安心したのか、ようやく訪れた眠気に包まれて・・・・・  あふ・・・  寝ちゃお・・・

ぐっすりと眠った

翌朝、ルームサービスよりレストランで朝食をとり 久しぶりのホテルライフを楽しもうと水着を持って部屋を出た

「ん~~~  ふわふわのオムレツ 美味しい♪」

一人のテーブルなのに呟いてる28才の女・・・  何だか、私って・・・  寂しい奴に見えちゃうかな

ふふふ  そんな自分も面白くて ニコニコしながら朝食を残さず平らげる

朝食を済ませた私は受付にプールが今から使えるかを聞きに言ったんだけど、またブルブルと携帯が着信を知らせてくる

「角田課長だ・・・」

受付のカウンターに寄りかかりながら出ると、私がいないとコーヒーがマズいやら 男だけで華がないとかと口説く課長・・・

「しばらくしたら戻りますから・・・  ふふふ」

クスクス笑いながら会話を楽しんでいる時 ふいに課長がどこからかけてるのか気になって聞けば、特命係の部屋の中から・・・・・・

ドキン・・・  特命係の言葉に心臓が小さく跳ねる

「それにさぁ~~ 今朝の神戸 ボロボロだよぉ~~  どうしたのさ? 喧嘩か?」
「ごめんなさい」

私は慌てて電話を切ってしまう・・・  それどころではない自分にびっくりしてる

ドクン!!!  課長の『神戸』の言葉にこれでもかってほど飛び跳ねる心臓・・・  突き刺さる様に痛い、心臓。。。

ドクドクドクドクドク・・・・・・・・

収まらない心臓に胸を抑えて 俯いてしまう

『今朝の神戸ボロボロだよぉ~~~  どうしたんだ?』

尊さんが ボロボロ・・・ そんな・・・ いつも身だしなみには気をつけてる人なのに・・・ 何があったんだろう

私の事で ボロボロになるほど悩んでくれたら・・・  その間は 私の事だけを考えてくれていたら・・・

私は、嬉しいのにな・・・

そんな事を考えながら 私はプールへと向かうのだった

*****

まだ早い時間帯だからか プールには誰もいなくて 私は快適に泳いでいる

クロール・平泳ぎ・バタフライ・クロール・・・・ etc 。。。

無心に水の中にいるのは いい。。。

私の心も身体も 解放されていく・・・   水の音を聞きながら、自分の息を吐き出す音さえ 今の私には喜びになる

いつまで泳いでいただろうか・・・

さすがに腕がだるくなったので、プールから上がりタオルを置いていた椅子に戻り時計を見れば・・・・・・あらら、2時間以上をプールで泳いでいたことに気がついた

誰一人いなかったのに、いまはチラホラと人がいる

タオルで顔や身体を拭い かぶっていた水泳帽を外して髪も拭き、寝椅子に横になる

「すごく綺麗な泳ぎでしたね・・・」

横になった私の側に 見知らぬ男性が立っていた

「きゃっ あの人・・・  俳優のパク・シフにそっくりだわぁ~~  素敵~~~」
「いやぁーん、逞しい胸板! あんなイケメンに誘われたいわぁー」

私の周りからそんな声が聞こえるが・・・  正直 どうでもいい。。。

私は面倒事になる前にこの場を放れようと立ち上がり、更衣室へと向かった

「ピュゥ~~~♪  スタイルも完璧! 上から・・・  80のE、58、85って感じかな  ・・・好みだ!」

口笛を吹いた男が 私のBWHを言い当てる  勝手に言うな!

「・・・・・・人のスタイルが分かるのは勝手だが、本人に許可なく言うのは無神経だと思うが」
「おまけに気が強い・・・ ますます好みだ!」

「他を当たれ・・・  私は好みじゃない」

あとは何を言っていようと無視して、私は着替えに向かった

*****

「チャオ!」
「・・・・・・・・・・」

「ちょっと、無視はないんじゃない?  君が出てくるのずっと待ってたんだから!  ま、それはいいとして・・・ カフェでお茶でもしない?」
「・・・・・しない」

「じゃ、もう昼だし昼食でも食べに行こうよ! 俺、うまい店知ってるし 奢るから」
「生憎と、見知らぬ他人に飯をたかるほど持ち合わせが無いわけじゃない」

スタスタと歩く私の周りを、右へ左へとまとわりつきながら誘ってくる男に うんざりしているとロビーに着いた

ふと見れば昨日の ジニョンさんの恋人・・・ ドンヒョクさんが、少し怪訝そうな顔しながら私を見ている・・・・

「私なぞに構ってないで 他の人を当たった方がいいだろう・・・」
「やだ! 俺、気に入ったんだ アンタが!」

「私は つきまとわれて迷惑だ!」
「またまたぁーー  俺みたいなハンサム、嫌う女がいるわけないじゃん!」

ニカッと白い歯を見せて笑う目の前の男に、頭痛を感じてしまう・・・・・・  いや、めまいか

「お前、頭ワいてるだろ」
「いーや! 恋に目が眩んでるんだ!」

・・・・・・恋  胸の奥が ツキリと痛む

そういえば・・・  携帯が・・・  今朝から鳴らない・・・

今も待受を見れば・・・  着信が何もない・・・  何も・・・  ない・・・  ふふ・・・  とうとう  終わったのかな・・・

「どうしたの?  急に大人しくなっちゃって!  携帯が何? 何か連絡でも待ってんの?  ははぁ~~ん、待ってる連絡がないんだろう!  フラレたか?」
「・・・・・・うるさい」

じっと、手の中の携帯の画面を見つめていた私が、男の無遠慮な声に思わず顔を上げると、こみ上げていた涙がポロリと落ちてしまう

「当たったのか・・・」
「・・・・・・うる・・・さい」

もう駆け出したいのに・・・  足を縫い付けられたみたいに動けない私は、男に泣き顔なんて見られたくない一心で顔を背けて・・・・・・  でも男は私の気も知らずに覗き込んでくる

「失礼、少しよろしいかな」
「オモッ! ショウコさん どうしたんですか」

ドンヒョクさんとジニョンさんが間に入ってくれて、私はやっと呪縛から逃れられたんだ

*****

昨日のことだ  俺がこのソウルホテルで彼女とディナーでもしようと来たときだった

わぁーわぁーロビーが煩くて、この1流ホテルでは信じられないほど騒がしかった

様子を見ようと彼女を置いて ロビーの人垣を縫って前に出ればそこには ナイフを持った男が受付のカウンターにいる従業員に飛びかかってるところでさ、ビックリしたよ

周りも声にならないザワめきを出して これからの事を頭に思い描く・・・・・・  俺もナイフで刺される女性を想像したさ!

止めようと身体は動いたけど、とてもじゃないが距離がありすぎだ・・・ 間に合わない

その時だった・・・

その同じカウンターで 肘をついて凭れてたヤツがフラッと動いたかと思ったらさ!  男の手首を掴んで倒しちまいやがった

「ヒュ~~~♪  すげ・・・」

床に伸びて呻いてる男を ひょいっと反対にして見えた背中に腕を捩じ上げる手際の良さといい、その仕草の美しさといい、俺はその男だか女だかも分からないヤツに俄然、興味がわいたんだ

首に下がってたタイを外して男の両腕を縛り上げる時なんて、痺れるくらい格好良くて・・・  口笛吹いちゃってたよ

キャー キャー 手を取り合って喜んでる女性従業員に、やんわりと話しかけた俺に 振り向いたのは真っ赤なルージュを塗りたくった人だった

「ねぇねぇ 今のすごかったね!  あの犯人取り押さえた人!」
「本当に素晴らしいわ! 友人の為に自らの危険を顧みずに助けるなんて! さすがサファイヤ・ヴィラのお客様だわ~~」

「ここのお客さんなんだ」
「ええ、今日から5日間の宿泊をされると言われてましたわ! 女性の身でも勇敢な行動に私達も何かお礼を考えないと」

「女性?  あの人、女なの?」
「ええ、そうです! だから素晴らしいんじゃないですか!!!  お礼は花束なんていいかしら? 大変だわダーリンに相談しないと! ダーリン、ねぇ! 私イイ事思いついちゃったの~~~」

「へぇーー  女か・・・」

興味がもっと湧いてきたんだけど・・・  顔見れないかな~ 後ろ姿ばっかりで つまらん

まあ・・・さ、よくあるパターンは 振り向いたら期待はずれでバイバイ♪ってのだけどさ・・・  

ほら、俺ってイケメンだろ? 女は見慣れてるからレベルが高いんだよねぇ~~・・・  お! 都合よくこっち向いたぞ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うわぁお!!!

俺は置いてきた彼女のことも忘れて 襲われた従業員の女性を優しく抱きしめている女を 眺めていた

男のようなスーツ姿から想像していた「ガチガチ真面目の 男には相手にされないだろう お局様」みたいなのとは違い、美麗な顔に スラリとした体躯の美人がいた

俺は高まる好奇心に突き動かされて・・・  騒ぎが終わったあとも、後をつけて行った先はレストランで。。。

あれ? 何か忘れてるよな 俺・・・・・・  あ!!!

そこでようやく思い出した今夜の彼女!  は、当然ロビーに居るはずもなく着信のメールを見てみれば「置き去りなんて最低よ!バカ!」とのこと

もう興味も無くなったから丁度いいや!  俺は「じゃ、別れよう! バイバイ♪」とメールを返しておき、テーブルについて彼女を見ていた

「ご注文は?」
「ん~と、何が貴女のオススメかな?」

ウェイトレスに聞けば今夜は肉料理がオススメとのことだけど、彼女は魚料理を美味しそうに食べている

「ねぇ、あの人が食べてるのと同じのにしたいんだけど  随分旨そうに食ってるよね」
「ああ・・・あのお客様は料理長の魚料理がお好きなもので・・・  いつも美味しそうに食べてくださってます」

「いつも・・・来てるの?」
「ええ、日本の方なのですが纏まった休暇が取れると此方に来てくださいます」

「へぇ~~ ここの料理は美味しいからね! 俺も好きだよ」
「料理もですが プールやスカッシュなどもお好きで昼間はほとんど運動されてます」

「ふーん・・・  そうなんだ」
「あら、私ったらおしゃべりしちゃって・・・  ご注文は魚料理でよろしかったですか?」

頷く俺に慌てて下がっていく従業員だが、幾つか情報をもらえて俺はホクホクしながら水を飲んだ

1つテーブルを挟んで座る彼女が、本当に美味しそうに食べる様子を見ていて 俺は明日もこのホテルに来ようと思っている自分に気がつく

魚料理にサラダにパスタまで注文したのか 旺盛な食欲を見せる彼女の食べっぷりが見ている俺にも心地いい

デートに誘う女はどいつもこいつも少食を装って ちまちま食べてさ  ・・・せっかく注文した料理も平気で残しやがる

誰が代金を払うと思ってるんだよ!

そんな女ばかり見てきた俺は、彼女の旨そうな食いっぷりに思わず笑うほど楽しくなっていた

気に入ったのか皿に残ったソースもパンで掬って食べ、ワインを満足そうに飲んでいる

その満足そうな、幸せ~~という笑顔が急に曇ったのは、テーブルに置いてある彼女の携帯が着信を知らせた時だ

彼女は手にとった携帯の着信を誰からか確認して、出ることもなく また置いた

苦しそうな 悲しそうな・・・・・・  切なく瞳が揺れている・・・・・・

「尊さん・・・」

赤い唇が 切なそうに呼ぶのは・・・・・・  誰なんだ?

タケルサン? 男の名前だろうか? ・・・・・・訳ありだな

「今は 放っておいて・・・・・・」

ホウッテオイテ?  日本語か・・・  俺は日本語をかじってた友人に電話して 今聴いた言葉の意味を教えてもらった

「タケルは男の名前だろうな サンは敬称だ こっちのssiと同じだよ  ホウッテオイテは放っておいて・・・ 分かったか? じゃな」

悲しく瞳を揺らしたまま 立ち上がって去っていく彼女を見送った俺はホテルを後にしたんだ

翌日、俺は朝早くからホテルに来て彼女を探した

情報を人当たりの良い従業員から教えてもらいながら・・・・・・  っていうか、ここの従業員 口軽すぎじゃね?

彼女の名前はスズシロ・ショウコ  日本人でこのホテルには何ヶ月かに1度きてリフレッシュしているそうだ

このホテルのソ支配人とは友人で、たまに彼女の部屋で女子会とか、パジャマパーティーなるものを開いたりするらしい

ようは女同士で食べたり飲んだりしながら 話してんだろ?  女はおしゃべりが好きだからな~~

たぶん20代半ば・・・  韓国語も勉強したみたいで会話は普通にできるらしい

ここまで情報を集められる俺って、凄くない?  まあ、俺の満面の笑顔で聞き出せない女はいないからな~~  当然っちゃ当然なんだ!

今朝は朝食をとってからプールで泳いでるらしいからな・・・  俺の足もプールに向かう

水着に着替えプールを見渡せば いた!  綺麗なフォームで泳いでる彼女を見つけた俺は隣で彼女と並んで泳ぎだす

しばらくすると疲れたのか 泳ぐのを止めた彼女がプールから出るのを横目で見ると・・・・・・  ヒュ~~~♪

完璧なスタイル!  俺好み!  鍛えてる引き締まった腹部に腰に、スラリと伸びた腕や脚もいいが、着やせするのか思いのほか大きなバストが俺の目を楽しませてくれる

水泳帽を外した豊かな黒髪を タオルで拭いてる彼女に近づく・・・・・・  へへ、絶対落としてやる

俺は彼女を手に入れようと決意を秘め、自慢のスマイルを浮かべて話しかけたんだ

「すごく綺麗な泳ぎでしたね」

優しい声音に 自慢のスマイル♪ を決めれば女は いつも俺の手の中に落ちてくる

・・・・・・・・・・はず、なんだけど  おかしいな

俺は初めて 誘っても、誘っても 無視され続けるという事態に陥ってしまった

デートに誘っても無視か、断りばかり・・・  チッ! 

そのうち彼女の歩みが止まり 手の中の携帯をじっと見つめて・・・・・・  瞳が揺れているのがわかった

「フラレたんだろう~~~~~」

・・・・・・冗談のつもりだったんだ  誘ってもノってこない腹いせも 少しはあったから意地悪なこと言っちゃったけどさ

ポロリと彼女の頬を伝う 真珠のような涙に 俺は・・・・・・  言わなきゃよかったと後悔した

ナイフを持った男を 造作もなく投げ飛ばして捕まえられる彼女が、こんな一言で涙を零すほど・・・ 相手の男に惚れてるなんてな・・・

「失礼、少しよろしいかな」
「オモッ! ショウコさん どうしたんですか」

えーーーっと、この人たち なに???

*****

長くなるので一旦切って 続きます

薔子の切なさと 神戸さんのボロボロっぷりが書きたくて始めましたが、こんなに長くなるなんて・・・

もっと簡潔な文章が書けるようになりたいです

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すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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