ある1人の女性の話なんですが。。。
彼女は、ある宗教を信心する男性に嫁ぎました
その男性は、その宗教の教会で信者さん達に教えを説く立場の人です・・・ そしてその人に嫁いだ女性も同じ宗教に入りました
女性の嫁いだ先の教会には、大姑、姑、舅がいて 大姑から教会を構え、教える立場になったそうです
そうですね、教える立場とは・・・ 簡単に言えばお寺の和尚さんのような感じです
他で働くこともなく、その宗教の教えを勉強し、信者さんの悩みの相談や教えを説いているのです
そして月日が経ち・・・・・・ 大姑も舅も姑も、見送りました
そうして自分達も老いていき・・・ あるとき、夫は認知症になっていました
夫は勝手に水道を出しっ放しにしたり、ふらふらと外にでかけ警察に保護されたりというようになった、ある夜。。。
家の前の国道に大の字になって寝転がり、車に轢かれてしまいました
あとには、慰謝料として一千万の大金を彼女に残して。。。。。。
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彼女は、彼女なりに一生懸命≪会長職≫を勤めていました
その宗教では、その教会の責任者であり信者さん達のより所が≪会長≫というので、先程もいったようにお寺の住職さんのような感じなんです
その女性は・・・ 少し思ったことを何でも口に出してしまうという・・・ いわゆる「困ったちゃん」なんですが、その点も妹や妹の子供(姪)からの指摘に怒ったり、喧嘩したりしながらも 少しづつ・・・ ほんの少しづつでも変わろうと思うようになっていました
しかし、その宗教には教会にランクがあり 下の協会から上の協会への献上金なるものが毎月、事あるごとに奉納しなければならなくて・・・
彼女の夫が残してくれた一千万という大金のことは妹と姪の2人だけしか知りませんでした
「くれぐれも他の人に話したら駄目だよ! 盗られるよ! とくに髭オヤジには!!!」
姪の言うことを素直に聞く人ではありませんでしたが、姪は何度も、何度も彼女に言っていたのでした
しかし、彼女は大金を持ったことなどなかったために・・・・・・言ってしまったのです
通ってくれる信者さんにも、姪が絶対に黙っていた方が良いといった【髭オヤジ】にも・・・・・・
【髭オヤジ】は彼女の教会よりも上のランクの教会の会長で・・・ つまり、そのオヤジの教会に献上金を奉納しなければいけないのです
そして、彼女の受難の日々が始まりました・・・
「ウチの教会の修繕に奉納を・・・」「息子が大学に行ったからお祝いを」「毎月の献上金の不足分を・・・」 名目を次々と作り、彼女からお金を引き出す【髭オヤジ】
妹が気がついたときには一千万あった預金が300万切っていたそうです・・・・・・
彼女も頑張りました
預金を減らさないように、風邪をひいても医者にも行かず、食事も最低限の物だけですまし・・・ もともと痩せている彼女ですが、年々・・・ もっと痩せていったのです
おかしいなと思った妹と姪は、週に何回か家に呼んだり 差し入れしたりとしていたのです
しかし免疫力が低下していた彼女は風邪を引き・・・ 我慢していましたが高熱で倒れてしまい入院することになりました
風邪のウィルスが右脳を犯し、スポンジ状にしてしまうという結果を残し退院・・・ 直ぐ様、妹と姪は介護申請をしたりと対応しました
それでも・・・ いくら妹と姪が言っても医療費や食費を減らすことで、何とか預金を減らさず献上金を奉納することをやめませんでした
そして風邪を引き、入院・・・ 今度は左脳がスポンジ状に犯されて・・・
物や人、自分の行動など色々な事を、忘れたり、分からなくなっていきました
しかし妹の世話で何とか生活できていた、ある日。。。
4度目の入院・・・ 認知症状が進み、一人暮らしができなくなりました
24時間看護の病院での入院生活が余儀なくされ、妹と姪は顔を出しだり、洗濯物を届けたりとしていたのです
2度目の入院からは、妹が彼女の預金を預かり管理していたのですが・・・・・・
【髭オヤジ】から異議を唱えられます
自分が彼女の世話をするから、預金も管理してあげると言いだしたのです
これには周りの信者さん達も「おかしいよ」と言ってくれたので事なきを得ましたが、【髭オヤジ】はとことん預金を欲しがっていることが分かりました
「彼女を葬式まで世話をする!」と息巻く髭オヤジですが、そののち彼がしたこととは。。。
「もう会長とは言えないのだから、教会から立ち退いてください」との宣告でした
十何年か前、夫と彼女と信者さんとで綺麗に立て直した教会・・・ そこは彼女の心の拠り所。。。
しかし上の教会からのお達しに否やも云えず、本人はもう病院暮らししかできないこともあり・・・ 妹と姪は荷物を整理したのでした
そして次に会長として入ってきたのは・・・・・・髭オヤジの次男でした
長男が髭オヤジの後を継げば、次男には継ぐべき教会がなかったのでした
そして、それから2年ちょっと・・・・
今朝、彼女は病院で亡くなりました。。。。。。
彼女は私の伯母です
妹と姪と書いたのは、私の母と私の事です
さて、今夜は伯母の通夜で、明日が葬式になります
子供のいなかった伯母には、妹である私の母が唯一の肉親です(甥や姪はいますがね)
私の両親が準備をしようとしたところ、髭オヤジが聞きつけ取り仕切るそうです
ただ葬式の場所は伯母が帰りたかった、あの教会にしてくれるよう父が言ってくれたそうです
私は通夜にも、お葬式にも出席はしないでおこうと思い、親にお香典を渡しました
・・・・・・出席したら大勢の人の前で、葬式なのに、全部ぶちまけてしまいそうで怖いんですよね
得意気に仕切っているであろう、髭オヤジを見ると抑えきれる自信がなくて
覚悟はしていたので「ああ、苦しまずに逝けてたらいいな」と思った私です
近いうちに実家に泊まり、伯母の写真の前で母と2人・・・・・・ 偲びながら酒でも飲もうと思います
元気な頃、3人で他愛もない話をしながら(ときには喧嘩しながら(笑))、飲んだことを思い出しながら・・・・・・
こんな暗い話、最後まで見ていただいて ありがとうございます m(_ _)m
では (o・・o)/~
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