相棒 ≪監察対象・・・ 鈴城薔子≫

さてさて今回は、神戸さんが困っています(笑)

***

「は?」

僕は耳を疑ったが、公衆電話の受話器から聞こえる声は面倒くさそうに繰り返した

「杉下と共に鈴城警部の事も報告しなさい  同僚となり5ヶ月が経つ・・・今までの事でいいから君の見解を提出しなさい」

「僕に拒否権は無いのですか?」

「・・・飼い犬に拒否は必要ない」

ブツリと切れた電話に苛立ち受話器を乱暴に戻す

「自分の恋人を報告するのかよっっ!!!  くそ!」

電話ボックスのガラス戸に拳を叩きつけ車に戻り、警視庁に戻れば・・・  偶然エントランスに居た薔子ちゃんと杏子ちゃんと詩織ちゃん

ああ、君が僕を見て微笑んでくれる

「先輩! お帰りなさい」
「ただいま戻りました・・・  杉下さんは部屋かな?」

上司について聞けば彼は米沢さんの所に行ったそうで、ついでに薔子ちゃんは二人と昼に行くのだそうだ

僕は薔子ちゃんからの誘いを断り特命係に戻り、パソコンを開く

***

~鈴城薔子警部の観察記録~

【 ※彼女は眉目秀麗で武道も極めており、観察力・洞察力ともに素晴らしい人物である 】

それだけ書いて僕の手は止まり・・・  僕は薔子ちゃんと出会ってから今までを振り返った

あれは・・・  そうだ【 軍事基地爆破未遂事件 】の時、同じ犯人が行なった・・・  その前に起こった【 郵便局強盗事件 】でのことで(シーズン8『フェンスの町で』より)

鑑識で強盗時の防犯カメラの映像を何度も見ていた彼女は、杉下さんと僕と米沢さんで改造スタンガンを見ていたときにこう言った

「右京さん・・・  この犯人、少年ではないでしょうか」
「少年? 薔子ちゃん これが少年の犯行だと思うの?」
「はい」

「根拠は何でしょうか」

杉下さんの問いかけに薔子ちゃんは映像から読み取った自分の考えを答えてたな~

「まず、服のラインで首・胴体などは分かりません ですが腕や足が青年期の太さではない事。 及び格闘時の動きからも少年だと私は思います 中学生か高1くらいだと推測されます」

きっぱりと言い切る薔子ちゃんが凛々しくて僕は見惚れていたよ

その後、杉下さんから僕の捜査の見解を聞かれ僕なりに話したんだけど・・・  様々な状況から僕はプロの犯罪者の犯行と推測した

杉下さんからは“優等生的”と言われたっけ

でも事件を捜査しているうちに浮かんだ犯人は《中学生》だった

杉下さんなんて「さすが薔子さんですね 僕も他の物事から少年とは考えてました」とか誉めてたし・・・

えーえ、どうせ僕は分かりませんでしたよ

あ! 他にもムカついたこと思い出した

二人の少年のうちの一人の家に聞き込みに行ってみれば・・・  呆れた母親のBF=近くの軍のアメリカ人だったが、母親にまとわり付かれながらも薔子ちゃんを一目見て軽薄に口笛吹いて眺めてたんだ!

しかも僕達三人が玄関から道に現れた途端、アイツは馴れ馴れしく薔子ちゃんの傍に近づいて口説き始めたんだぞ

『おい! 彼女から離れろよ! 彼女はそんな女じゃない!』

僕が薔子ちゃんを抱き寄せてアイツから離せば至極残念そうに眺めていたっけ・・・全く! 『ベットに行こう』だなんて彼女に言うとは今思い出しても腹が立つ!!!

その時は恋人じゃなかったけど他の男にそんな目で薔子が見られるのにムカついたんだ

あ、横道それちゃったな・・・

薔子は彼女独自の視点から観察や洞察をし思考を組み立て推理する・・・そういう力がある

彼女独自の視点、それは女性としてや武道をしている事、それに大学時代に犯罪心理学も学んでいたそうだし・・・  他にも色々と見られるけと彼女にしかできない発想とかもある

コスプレもそうだよな~・・・  見事に被疑者が襲いたくなるタイプに変わるなんて初めは嘘だと思ってたよ

杉下さん曰く「彼女のプロファイリングは素晴らしい能力です!」なんてベタ誉めだしね・・・

こんなこともあったっけ・・・  僕は薔子の事を次々と思い出し頭の中で動き回る彼女を愛でていた

パソコンの画面が暗転しているのも気がつかずに・・・

***

「戻りました」

私が特命係に戻って自分の席につこうと尊さんの後ろを通ったら・・・  尊さんは腕を組んで左手で唇をいじってる

これは尊さんの考えるときの癖・・・何を考えてるのか私が戻って来たことにも気がついてないなんて・・・  怪しいぞ

何が怪しいかは分からないけど・・・  尊さんが何かを隠しているのは解ってる

たぶん右京さんの事を調べてるんだと思うけど・・・私は警察庁で部下だった織田にそれとなく探るよう頼んでいた

右京さんを調べて排除しようとする・・・  なんて単純な事を上が階級を降格させてまで人を送り込んでするとは思えない

目の上のタンコブなのは分かってるけどね・・・  ソレだけじゃない

私にも云える事だけど何かの思惑が・・・  裏があるはずだ

人事を動かし、階級も下げ、警察庁から警視庁への移動なんて・・・  どれだけの上層部を動かさないといけないと思う? 最後は小野田官房長の承諾がいるだろう

おじ様に聞いてみてもいいんだけど引き換えに何を要求されるか・・・  つい苦笑してしまう

尊さんは向こうで警備部だった・・・  ヘルプで行ってた数年間で一度も見てないんだから企画課かもしれない

ん? 企画課・・・  新システムに関わっていた人物かもしれない・・・

頭の中でパズルの1片がパチン!とハマった音がした

だけど、まだ不完全・・・  いずれ動きがあるだろうな、3月はもうすぐ其処まできているのだから

私は難しい顔して唇を弄ってる恋人に悪戯を仕掛けることにした

自分の席に座り、タイヤがついた椅子を乗ったまま動かして・・・  そーーーっと尊さんの横まで来ると・・・

《ふぅ・・・》

「うわあ゛!」

形の良い耳に息を吹きかけちゃった・・・  予想通り驚いてくれて満足、満足

「先輩! 難しい顔して何か悩みでもあるんですか?」
「何するのさ薔子・・・っていうか戻ってたんだね」

「私の事も目に入らないくらいの考え事ですか?」
「薔子・・・?  えっと何だか君の目が怖いんだけど・・・」

「怪しい・・・ですね」

私は椅子から立ち上がり座ったままの尊さんの膝に片足を乗せた・・・もちろん色っぽい意味じゃなくてね・・・ふふっ

「立ち上がれないでしょう? さ、何を考えてたのか白状したら如何ですか?」

椅子に深く腰掛けた状態で太股に圧をかければ大の男でも立ち上がることはできない

「えー・・・と、薔子?  目がキラッキラしてて今日も魅力的だね」
「ありがとうございます先輩  御礼にこれを進呈」

尊さんの首に《しゅるっっ》とスカーフを巻いて・・・  《くいぃっっ》と顎を上げさせる

「薔子・・・俺どっちかというと攻められるより攻める方が好きなんだけど・・・」
「・・・ふふっ・・・まだ冗談言える元気があるんだ」

尊さんの首に巻いたスカーフを持った私の手首・・・  【にぃーーー】と笑って手首にスカーフを巻き付けていけば・・・

「ちょっ!  タンマ!  洒落になんないよ、薔子!」

私が本気だと判った尊さんが、顔を青くして焦り始めた

「・・・吐かせてあげます、貴方が悩むほど抱えてる何もかもを・・・  隠すから重荷になるんだ」
「薔子・・・」

「私に無理矢理吐かされたと云えば貴方の面目は保たれるはず・・・  それとも貴方に命じた誰かを・・・  潰しましょうか?」
「薔子・・・」

私は貴方に精一杯微笑んでいた・・・  そうしなければ泣いてしまいそうだから
愛しくて、愛しくて・・・  初めて恋した貴方を縛り付けている者が知りたくて・・・  救いたくて・・・  救えないならば・・・

せめて一緒に背負いたくて・・・  私は・・・  貴方を・・・  愛してる

***

《ふぅ・・・》

うわあ゛!!!  耳に息をかけられて慌てる僕に、驚くほど近くにある美しい顔が、悪戯成功で子供みたいに笑ってた

え? なに? 薔子?  僕の足にパンツスーツの薔子の足が乗っかって、動けなくなる

彼女は妖艶に笑いながら何を考えてたのか白状しろと言うけど・・・

言えるわけないよ!  君の事も報告しなきゃいけないなんて!

そうしたら首にスカーフを巻き付けられて《くいっ》と顎を上げられた

ニヤリと笑う薔子の・・・その妖しい笑みに俺は惹かれてしまう

「薔子・・・俺どっちかというと攻められるより攻める方が好きなんだけど」

こんな軽口に薔子の笑みが一層深くなって・・・妖しくて黒い笑顔に胸が高鳴る・・・って、俺は変態かよ!!!

「ふふっ・・・まだ冗談言う元気があるんだ」

【ニィーーー】っと笑う薔子がスカーフを手首に巻き付け、じわじわと首が絞められる感触に・・・彼女が本気なんだと判った、そのとき

「吐かせてあげます  貴方が悩むほど抱えてる何もかもを・・・隠すから重荷になるんだ」
「薔子・・・」

薔子の言葉に俺はハッ!とした

椅子に座る俺を上から覗き込む薔子と下から見上げる格好で見つめ合う俺達・・・キスができるほど近いその距離で、薔子の笑顔が変貌していくのを見つめ続けた

俺は薔子の瞳が潤んでいくのを見て青ざめてしまう

「私に無理矢理吐かされたと云えば貴方の面目は保たれるはず・・・  それとも貴方に命じた誰かを・・・  潰しましょうか?」

そう言って無理に笑う薔子の瞳に涙が浮かんでる・・・  薔子・・・  薔子・・・  ごめん

君は気がついているんだな  俺が隠している事を・・・  俺が杉下さんを観察していることを・・・

俺が警察庁から特命係に入り込んだSPYだって事を・・・

「薔子・・・俺は」
「貴方が重荷を背負っているならば・・・  私にも背負わせて欲しい」

もう・・・ダメだ・・・  どうして薔子・・・  君はそんなに優しいんだ・・・

俺は薔子の頬に流れた一筋の涙を指で拭いながら、身体を伸ばして  唇を重ねた

「泣かないで・・・ 薔子」
「尊さん」

「今は言えない・・・でも必ず君に言うから待っててほしい」
「分かりました」

椅子から立ち上がった薔子が泣いた後の顔を化粧室で整えるため部屋を出ていった

俺はパソコンをクリックして画面を戻し・・・文字を全て消去し、新たに書き出した

《鈴城薔子警部について・・・  彼女は強くて、優しくて、そして美しい・・・》

《私の最愛の恋人です》

「送信っと! くくくっ・・・こんなの見て面白いかな?  ま、目を丸くはしそうだな」

「ははっ! くくくっ・・・」

暫く笑っていると化粧室から戻った薔子が俺を見たとたん、いつもの笑顔になったのを見てズキュン♪てきちゃった

「俺って薔子に愛されてるんだね」
「あれ? 知りませんでしたか?  ベタ惚れですよ♪」

う゛~~~ん 幸せっっ!!!

「薔子ぉぉ~~~♪♪♪」

甘えた声で抱き付こうとしたとき・・・

「神戸君ここは職場ですよ、君にはもう少し節度というものを持っていただきたい」

あは♪  杉下さんに怒られちゃった!

「・・・二人で昼食でも休憩でも行ってきて下さい。神戸君のその締まらない顔をどうにかしてから帰ってきて下さい」

嬉しくて口角が上がりっぱなしの僕を指差した上司に、それでもヘラヘラと笑うことが止められない僕

「あちゃー ほら先輩! 行きますよ」
「薔子~」

《シュッ・・・ バシッ!》

照れた薔子からの手刀を見事受け止めた俺は、そのまま彼女の手を離さずに特命係を出たんだ

「お腹ペコペコ~~~ いつもの店でいいよね?」
「私は珈琲でも頼んでお付き合いします」

「ナポリタン食べよう」

どうして俺がこんなに上機嫌なのかって?

それはさ、薔子にしっかり愛されてるって自信を感じられたから・・・

大学時代、付き合ってた唯子が何も言わずに去ったとき・・・俺の中で壊れたモノがあった

その後、女性と付き合っても結婚までは考える事もなくて・・・そんな曖昧な俺に愛想尽かして別れるパターンが多かった

去る者は追わず、来る者は拒まず(好みのタイプならね!)な俺だったんだけど

それが今じゃ~・・・薔子がいなきゃ昼も夜もあけないんだ

僕も変わったよ

薔子に真っ正面から向き合うためにも、俺はこの任務の裏を探らないと・・・

俺だって馬鹿じゃない! この半年、僕が杉下さんを監察してたのか・・・

それとも僕が警察庁に監察されてたのか・・・ハッキリさせないとな!!!

それが、俺の・・・  薔子に対するケジメなんだ。。。

「先輩?」
「ああ、ごめんごめん!  さ、行こうか」

「ケーキ食べちゃおっかな~」
「うん、奢ってあげるから食べなよ」

・・・・・・・・・君と居る この幸せを 俺はもう手放せないから、待ってて薔子・・・・・

必ず・・・  必ず ケリはつけるからね。。。

*****

神戸さんのふとした表情が好きですね~~  お話にも出した唇を触る癖・・・なんかドキドキするのは私だけでしょうか(笑)

あと、お話の中で椅子に座ってる神戸さんが下から首を真っ直ぐに伸ばしてキスをする・・・  このシーンが書きたくて仕方なかったですね(笑)

では、感想お待ちしています (o・・o)/~
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すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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