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相棒 《警察庁の薔薇》

特命係にくる少し前の2人のことを書いてみました!
意外にすれ違いさせるって難しいですね・・・ 楽しかったけど(笑)

***

警察庁駐車場 AM7:30。。。

《ヴォン ヴォン・・・ドルルルルル・・・》

一台の大型バイクが入り駐車場で止まった

フルフェイスのメットに紅い革のライダースーツのその人物は、鞄を持ち歩き出す

「止まりなさい」

駐車場から警察庁内部へ入る出入口で警備の制服警官に止められたその人物だが・・・

「失礼ですがヘルメットを取り手帳の掲示をお願いします」
「ああ・・・すまない 忘れていた」

素直にメットを取った人物からは涼やかな声がして・・・

《ふわり》

フルフェイスのメットを取れば、長く艶やかな黒髪が豊かに背を覆い、半月の煌めく瞳に白い肌・・・紅い唇の・・・麗しき美貌の女性が現れた

手帳を出し警備に見せればその若い警官は、とたんに青ざめ直立不動で敬礼した

「し・し・失礼しました! 鈴城警視正殿!」
「くすっ・・・そんなに畏まらなくてイイよ」

脇に挟んでメットを持つスラリとした立ち姿に部下の織田が迎えにきた

織田警部補=年齢50才、妻子あり・・・彼は薔子の部署の最年長者で皆のまとめ役であり娘のような上司の補佐役でもあった

「お嬢!おはようございます」
「これよろしく」

【ぽいっ!】

「うわっ!・・・とととっ!」

メットを放られ慌てて取る織田を置いて歩き出した鈴城警視正・・・それは半年と少し前の薔子の姿だった

《ヴォル゛ルルル・・・》

薔子が警察庁へ入った頃・・・黒の日産GT‐Rが駐車場へと入りバイクの横に駐車した

「警察庁にバイクで来る奴がいるんだ・・・へぇ~」

細身のスーツに身を包み、きっちりとネクタイを締めた男は車から降りながらも隣のバイクを眺めている

「でっか・・・白バイよりデカそう」

そう面白そうに呟くと、手の中のキーをチャリッと云わせて歩き出す・・・男は神戸 尊だった

***

情報犯罪対策企画室と書かれたプレートの部屋は地下にあり、関係者以外は訪れないエリア・・・暗証番号を押し
てドアを開けること3回の厳重なセキュリティのもと、薔子とその部下達は働いている

「おはよう皆!」
「おはようございます」

薔子が声をかければ次々と声を返す部下達

正面の壁を覆い尽くす液晶画面には様々なグラフが幾つも映りだしている

自分のデスクについた薔子が持ち歩いているパソコンと、机に据えてあるパソコンとを繋いで電源を入れている

「おい! 進行状況は?」
「はい! 新システム用のセキュリティは只今の時点で6割ほど開発が終わっています」

「新システムの方はどうだ?」
「そっちはウチほど進んでません・・・4割くらいでしょうか」

「そうか・・・」

ドカッ!と席に座り足を組んだ薔子が虚空を見つめている・・・それは彼女が何かを思考するときの癖であり、織田は暫く黙り目の前の上司の様子を伺う

「・・・織田 新システムの顔認証プログラムだが、目を離さずにいろ」
「何故でしょうか?」

「これだけのシステムだ慎重に開発をするなら安心だが・・・上など部下を叩けば早められるとか思ってるからな」
「急がせる・・・と?」

織田の穏やかな顔も曇り始めた・・・それはそうだろう、これほど大掛かりなシステムの開発を急かせば事故を誘発する原因になると素人でも分かる

「議案を提出する準備をしていると耳に入った・・・来年の3月に」
「えっ? あと半年なんて無理ですよ! せめて1年はみないと」

「ああ、私も確かめたが・・・議員をしている伯父から聞いた 根回しがきたとか言っていたからな 間違いはないだろう」
「・・・大変だ」

「いいか! 不測の事態に対応するため新システムの誤作動を想定し、我が部署のセキュリティプログラムが其れに対応出来るようにしておくんだ」

「「「はい!」」」

「いいか! 日本という国は島国意識に捕らわれて自分達が外から狙われているという意識の低い国だ! ハッキングなど海外からでも可能な今の時代、この国の情報の安全はお前達にかかっている」

「「「はいっ!」」」

「・・・頼んだぞ、お前ら」

「「「はい!!!」」」

部下達は自分達の仕事に誇りを持ち、忙しい毎日を送りながらも働いていた・・・イキイキと

「私は部長に呼ばれている 着替えてから向かう 織田! 頼んだぞ」
「お任せください」

「行ってくる」

「「「行ってらっしゃいませ、お嬢!」」」

黒髪を靡かせて歩き出す薔子に部下達の声がかかれば、薔子は苦笑していた

「まったく・・・お嬢は止めろと言うのに・・・」

呟きながら部屋から出た薔子は隔離されたドアの間にある自分の部屋でスーツに着替え、コツコツとヒールの音をさせながら目指す部長室に向かった

***

「課長、僕がお話したい事は・・・」
「神戸警視! 顔認証システムはこれ以上遅れることなどあってはならないのだ!」

「しかし! 急激な開発は事故を誘発します!  ・・・何かあってからでは遅いんです」
「以上だ!」

(くそっ!)

一旦下がった神戸は部屋を出たあとドアの前で悔しそうに拳を握りしめた

「こんな無茶に、ごり押しで進めて事故でも起こればどうするんだよ! くそっ!」

苛立たしげに歩き去った神戸は、しかし廊下で誰かとすれ違う時にはにこやかな表情に戻っていた

そんな神戸の視線の先、警備部部長室に入った人物が居た

とはいっても神戸の目には長い黒髪の先がドアに吸い込まれた瞬間しか捉えられはしなかったのだが・・・

***

「鈴城警視正、待ちかねたよ」
「警備部部長 御用件は何でしょうか」

警備部警備課の部長が部署を越えて自分を呼んだのだ・・・何を企んでいるのやら

薔子は見るものを冷ややかにさせる無表情で目の前の部長の前に立った

「そんな怖い顔しないで・・・今日は警備部部長ではなく可愛い姪っ子と話がしたい伯父が呼んだんだ」

ほぉ~・・・という事はお祖父様の差し金か・・・まさか、この忙しい時に見合いじゃないだろうな?

「薔子、顔に出てるぞ 見合いじゃない・・・今夜、警備部企画課とそちらとの親睦を深めるために会を設けようと思ってな」

「企画課と?」

「ああ、新システムを開発する企画課と、そのセキュリティを任された薔子・・・知り合っといて損はないだろう?」
「断りたいのですが・・・」

どうせその場には私の見合い相手をズラズラ並べるんだろう・・・みえすいた手に辟易する

「却下だ、薔子」

その言葉に溜め息を吐いた薔子は仕方なく頷いた

「場所は・・・ああ警察庁御用達のクラブでお願いします あそこにまだ私のボトルがありますから」
「分かった」

部長室を退出した薔子は1つ大きな溜め息をついたのだった・・・

その30分後・・・部長室には呼ばれた神戸の姿があった

「は? あの部長・・・今夜ですか?」
「いつものクラブだ 其処には情報犯罪対策企画室の者が来る・・・セキュリティを作っているんだ、向こうと顔
合わせしといてもいいだろう」

「そうですね、今後協力体制をとる場合もあるでしょうし」
「そういう事だ 話は以上だ」

「失礼致します」

は・・・気が重いけど部長直々だからな~・・・行くしかないか。。。

***

【銀座のとあるクラブ】

「お久しぶりです」
「ママ 今日は息抜きに飲ませてやってほしい・・・弱い奴ばかりだから ほどほどに頼むよ」

「任せて薔子ちゃん! 女のコ達にも言い聞かせておくわね」
「それと私はバイクだから全て烏龍茶でお願いする」

「あら? そうなの・・・残念ね」

ママが本当に残念そうに言うのに薔子が微笑み彼女の耳元で囁いた

「今度は個人で来るよ・・・その時はゆっくりと、ね」
「約束よ」

「「ふふ・・・」」

二人で笑い合う様子に店では新人の娘がポカンと見ている

それもそのはず・・・店に部下を10人余り引き連れてやって来た薔子は、男物のスーツに化粧は無く 髪は無造作に後ろで縛って垂らし・・・おまけにダテ眼鏡もかけていた

高い身長に男物のスーツ・・・美麗な顔立ちながら店の娘には《とびきり綺麗な男性》に見えていたのだ

さて、店内のテーブルの半分のスペースは既に薔子と部下達で占め相手を待っていた

「飲みすぎるなよ」

薔子の楽しそうな声が聞こえるのだった

***

「ここ・・・だよな」

下から見上げたビル・・・指定されたクラブは銀座で客の大半が警察庁と警視庁のお偉いさんだという店で、神戸も上司に連れられて何度か接待に足を運んでいた

(僕1人で行けって話だったけど・・・ん?)

見ればスーツ姿の30代の男性がビルのエレベーターの前で勢揃いしていた

「確か警備局の・・・」
「貴方は総務部の・・・」

2、3度顔を会わせたことのある人が居て神戸は首を傾げた

「え?何でここに?」

その疑問は5人とも同じようで・・・話を纏めれば今から向かうクラブに居るはずの、ある女性とのお見合いのようだった

「は? 女性1人に僕達5人が相手なの? 何んだよそれ」

「だが相手は警察庁でも凄いコネの持ち主で射止めれば出世も思いのままだそうだ」
「俺も上司にそう聞きました」

他の4人の話を神戸は腕組みして聞きながら、呆れていた

「僕、抜けます! 相手の顔も名前も知らないのに見合いだなんて・・・はははっ 呆れすぎて笑っちゃうから では失礼!」

すっ!と元来た道を帰る神戸に後の4人はライバルが減ったと喜んでいた・・・が、その同じ時クラブでは

「ママ・・・私帰るから会計は私に回してくれ」
「あらもう?」

「伯父の差し金の見合い相手でも、失礼にならないよう時間が過ぎても居たが・・・初対面で時間に遅れて平気な奴など私は御免だね 帰るよ」

「では明細は警察庁に送るわね」
「頼むよ・・・お前らほどほどにしとけよ!」

部下に一声かけてクラブを出た薔子はエレベーター前でニヤリと笑い、わざわざ非常階段から外へと出ていった

「ばったり鉢合わせなんてごめんだ」

そうして止めておいたバイクへと向かえば横には黒の日産GT‐Rが並んで止まっていた

「いい車だな・・・私もそろそろ車にするかな」

フルフェイスのメットを被りエンジンをかけようとした薔子に・・・

「ねぇ、君って警察庁の人だよね? 今朝そのバイク見かけたから」

話しかけた者が居た

「じゃ貴方も警察庁なんだ」

GT‐Rの横に立ちキーを鳴らして鍵を開ける洒落た男がねぇ・・・

「そうだよ! ねぇどっかで飲まないか?」

「何故?」
「何かさ 仕事で会わなきゃいけない人が居て時間作ったんだけどさ、見合いだったみたいで帰ってきたんだ」

「見合いなら戻った方がいいんじゃないのか?」

フルフェイスの中からの声はくぐもっていて神戸は相手を男と思っていた・・・まぁ男物のスーツ姿なのだから仕方がないだろう

「だってさ、女性1人に僕を入れて男5人が相手なんだよ? 何かさ嫌じゃない? 丸っきり出世目的なんてさ~」
「それも男なら有りえるんじゃないのか」

「さあ? どうだろ?」

そう薔子が聞けば神戸は両手を曲げて《分からない》と身振りで示す

「結婚てさ・・・やっぱ好きな人としたいじゃない? って、初対面で何語ってんだよ 俺!」
「・・・話していたいが仕事を残してきたんだ すまないな」

「フラれちゃったか・・・ じゃ俺は帰るかな 足止めしちゃってゴメンね」
「・・・また、会えたらその時は飲もう」

バイクのエンジンがかかり走り去ったその人の名前さえ聞かず、自らも名乗らず・・・

「また・・・会えたら、か・・・うん、いいんじゃない」

何だか・・・アイツとは再開する気がする

同じ警察庁だからね・・・

あ!!! 顔見るの忘れてた・・・これじゃ会えても分かんないじゃん

ふふっ・・・その時はアイツが話しかけてくれればいいかな?

いつか、また・・・

***

その数日後、神戸は任務を帯びて警視庁特命係へと移動になり・・・その数週間後、薔子も特命係へと移動になった

配属されて数日、神戸の車を見た薔子があの夜を思い出し・・・・・・その偶然に苦笑していた

( ふふっ・・・GT‐Rの持ち主とここで再会するとはな )

「薔子ちゃん何笑ってるの?」
「いえ・・・そうだ先輩! 今夜飲みに連れてってくれません?」

「え? いいけど・・・ 薔子ちゃんからのお誘いって初めてだね」
「・・・・・・約束したからね」

( 約束? 僕どんな約束したかな? あれ、覚えてないや )

「駐車場に行けば分かると思いますよ」

薔子の言葉に首を捻りつつ2人で向かえばそこには、いつかのバイクが・・・・・・ 薔子がヘルメットを取り出し、キーを差し込めば神戸も合点がいった

「あの夜のバイクの野郎って薔子ちゃんなの? へ? あれ待てよ。。。  もしかして5人と見合いする女性も薔子ちゃん・・・だったりして・・・?」
「それについては美味しいご飯を食べさせてくれたら白状しますよ♪」

「じゃ、行きますか?  バイクは置いとけばいいよ美味しい洋食屋さんってこの近くなんだ」
「はい 先輩」

その夜、2人で美味しいと評判のオムライスを食べながら会話を楽しむ神戸と薔子は、会って数日とは思えないほどに打ち解けていったのだった

***

こういう風な「会えそうで、会えない」ってのも面白いですよね!

楽しんでいただけたら嬉しいです

(o・・o)/~
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すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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