相棒 ≪狙われた恋人≫ 後編

後編です!

***

私は木下ともよ

警視庁に入庁以来、美人と言われる私が狙って落ちなかった男なんかいない

私のめがねに叶う相手なら恋人がいようがいまいが関係無く、好みだったら落としてきたわ・・・

周りからは《性悪》だとか陰口叩かれるのはいつもの事よ・・・  それに男を盗られるとか言うけど、ハッキリ言って魅力の無い自分が悪いからじゃないの?

早い話し・・・  私の方が魅力的ってことよね♪

その私に相応しい王子様がやっと現れたの!!!   神戸 尊 警部補・・・整った顔立ちに、お洒落で仕立ての良いスーツに、女性にモテてる男特有のオーラ・・・  それに育ちの良さも感じるわ

ま・さ・に! 私の為の最高の男よね~

だから私は朝の挨拶をするためロビーに居るようにしたの

毎朝の挨拶で顔を覚えてもらって~  世間話とか出来るようになったら飲みに誘って~  そ・し・て・・・  セクシーな服と化粧で迫ってやるんだ~

・・・って計画してたのに・・・  あの女が現れてから狂ってきたのよね

いつも涼しげな目で歩いてる背の高い女・・・  ふん! 男は自分より低くて小さな女のコを好むもんよ!

神戸さんだってあんな女に興味なんて無いはずよ! ・・・でも相手は同じ部署  ・・・私の方が不利だわ!

毎朝の挨拶は欠かさずに・・・  でも進展が無い日々に苛ついた頃、私はあの女と神戸さんの雰囲気が変わったのに気がついた・・・  まずい、まずいわ

私は作戦を変えて、手作り弁当を作って渡す事にしたんだ

だって男は料理の上手い女のコには弱いでしょ~・・・  だから、毎朝苦手な早起きして作ってるのよね~

ロビーで頑なに受け取ってくれない神戸さんに渡す方法・・・  そうだアイツ!

見た目も階級もパッとしないけど 私の言うことは何でも聞くウスノロ君!

アイツに渡してもらえばいいわ~・・・  さっそく電話して廊下に呼び出したウスノロ・・・  もとい田中巡査に弁当を神戸さんに届けるようキツく言いつけた

ふふん・・・  これでいいわ♪

夕方ウスノロ君から空の弁当箱を受け取った私は、挟んであったメモの『うまかったよ  神戸』の言葉にニンマリ笑った・・・  それからは毎朝ウスノロに弁当を届けさせメモの言葉を見て頃合いを見ていたの

『毎日ありがとう 神戸』 ヨシ!!! 頃合いだわ、飲みに誘って可愛くセクシーに迫って落とさなきゃね~

あ! あの女にはパトロールの途中に自宅に手紙を届けてやるの・・・  神戸さんに相応しくないアンタなんか辞めちゃえばいいのよ

私のパトロール地域だから日に何度も届けることが出来る

ふふふ・・・  アンタなんか大嫌いよ!

そんなとき警視庁の廊下で神戸さんに会えたから嬉しくて走り寄れば・・・  またアンタが横に居た!

2人の間に割り込んで神戸さんの腕に抱きついたの・・・  細く見えるけど鍛えてる筋肉が男を感じちゃうわ

「離せ!!!」

え? 何で私が怒鳴られるの? この女が居るから照れてるのね? ほんと邪魔だよ、お前!

「・・・っ!」

嘘! わたし・・・  神戸さんに腕を捻あげられてる?

なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで?   ・・・なんで? なんで?  私は尊さんの彼女でしょ?

『俺をそう呼んでいいのは 恋人の薔子だけだ』

意味がわからない・・・  きっとあの女が何か言ったのよ・・・  そうよ!私がフラレるなんてあり得ないわ! あの女が尊さんの横に立ってるのが悪いのよ!

あの女が!!!

***

「薔子! おはよう」
「先輩・・・  いつもは遅いのに今朝は早い」

「だって薔子と一緒に登庁出来るから嬉しくて♪ まだ早いから中に入れて」
「どうぞ」

「朝食中? ごめんね~」
「先輩も食べますか?」

「うん!  薔子の味噌汁飲みたい」

迎えの1時間前に薔子のマンションに来た神戸は、彼女の用意した朝食を嬉しそうに食べていた

「ん!  薔子美味しいよ」
「味噌汁くらい・・・  誰が作っても美味しいですよ」

「違うの!  薔子が作るから美味しいの」
「・・・  ///////」

「くすっ・・・  照れてる薔子可愛い」

満足そうに笑う神戸を軽く睨みながら食べ終えた薔子が、片付けにキッチンに立つと神戸も いそいそとやって来て後ろから薔子に抱きついた

「何だか新婚みたいだね」
「  //////」

「ふふ・・・  真っ赤な薔子が可愛くてたまんないよ」
「せんぱ・・・ んん・・・」

「尊だよ・・・  薔子」

俺が強引に重ねた唇だけど君が許してくれているから、甘く甘く絡めていくよ

薔子は嫌がると暴れちゃうからね・・・  強い彼女が暴れたら俺もタジタジだよ

「 んっ・・・ んっ・・・ んっ 」

俺に応えようとする彼女が可愛くて、キスが深くなってしまう

朝から幸せだな~~~♪

***

「そろそろ2人が登庁する時間ですね」
「そうですね! っとに何で俺達が手伝うんだよ」

「まぁまぁ伊丹・・・  嬢ちゃんには世話になってるしストーカーが警視庁の人間なのも気になるじゃねぇか」
「そうですよ先輩!」

「ふん! そもそも警部補殿なんて遊び人と付き合うからだ」
「そうですよね~モテない先輩と付き合ってたらこんな事にはならないッス」

「ばぁ~~~か モテない は余計だ」

((付き合うのはいいのか))by芹沢・三浦

「冗談はそれくらいにして そろそろ2人が来る頃です カメラを持っているような人物は・・・」

杉下がロビーを見渡せば・・・  1人の男が目に入った

制服姿の警察官がセカンドバックを脇に挟んでいるのだが・・・・・・  一見して不自然ではないが

「勤務中にああいったセカンドバックなど持っているのはどうでしょうね~  僕は不自然に思うのですが」
「言われてみりゃ~~~  おかしいな」

「そうですよね! 勤務中にそんな私物を持ったままなんて、僕なら伊丹先輩に殴られます!」
「おっ! 嬢ちゃんと警部補殿が来たぞ」

2人は笑いながら歩いているが、その美男美女ぶりに通行中の一般人も足を止め見ているほどだ

当然、警視庁のロビーでも大勢の職員が見つめている

その時、木下ともよ が駆け寄った

「おはようございます 神戸警部補♪」

昨日の事など忘れたような笑顔に神戸の顔がひきつる

「君ね いい加減にしてくんないかな! 俺には薔子という大事な恋人がいるんだ」
「違うわ! そんな女が神戸さんの恋人だなんて 私は認めない!」

この様子を眺めていた捜一トリオ&杉下は怪しい警官がバックを弄っているのに気がつき確保しようと向かう

男は何回かバックを触ったあと立ち去ろうと向かった先は、警視庁の中のエレベーターだった

「やっぱ職員かよ」
「お話を聞かなければいけませんね」

男を追うトリオが頷きあいエレベーターの前に立っている男の左右と後ろに陣取った

「おいお前・・・  少し話を聞かせてもらおうか」

ガシッ! と3人に掴まれた男は観念したように連れられて行った

一方、神戸と薔子は木下の言うことに違和感を覚えていた

「毎日お弁当食べてくれてたんだもの私が彼女でしょう?」

木下の言葉からは嘘とは思えない響きを感じられる

「双方の話しには矛盾がありますね~  少し場所を変えてお話し聞かせて下さいませんか」

杉下の言葉に 木下も大人しく従いロビーから移動した

***

~~ここは取調室・・・~~

伊丹・芹沢・三浦の捜一トリオは目の前の男を取り調べていた

「名前は田中誠巡査、生活安全部勤務・・・  なんで盗撮した写真を送り続けたんだよ」
「俺は鈴城さんがあんな遊び人の毒牙にかかるのが我慢できなかったんだ!」

「何だと?」
「それで彼女に目を覚ましてほしくて送ってたんだ」

「ちょ・・ちょっと待て!  ってことはお前は写真だけなのか?」
「そうですよ」

「じゃ手紙は誰が送ってたんだ?」

伊丹の呟きに田中巡査が口を開いた

「あの木下ともよが送ったんだって思います・・・  俺、鈴城さんを見るまで木下の事が好きで言うこと聞いてたんですが・・・  アイツ酷いから」
「続けろ!」

「自分の気に入った男なら恋人がいようがお構い無しで迫って落として、自分に夢中になったらポイって捨てるんです」
「はぁ~???  なんだそりゃ」

伊丹の口がポカンと開いている・・・のを芹沢の手が下から閉じてやった

「確かに可愛いいとは思うけど・・・  男が自分の恋人捨ててまでって程じゃ~~ないよね?」

伊丹の脳裏に先程の木下ともよの顔が浮かぶが、そうだな、そこまでじゃないなと納得していた

「アイツに誘われて一回飲みに行けば分かりますよ 簡単にヤれそうだから抱いて、2ショットの写真が彼女に届いて、もめて別れるんです」
「それ・・・  したら駄目だろう! なんて女だ」

「ちょっと宜しいですか?」

温厚な三浦も呆れ果てたように独りごちたとき杉下が取り調べ室へと入ってきた

「木下ともよさんのお弁当なんですがね・・・  食べていたのは貴方!田中巡査ですね」
「弁当を食ってた?」

【ガシャーーーン!!!】

隣の部屋から音が聞こえたと思えば取り調べ室に木下ともよが駆け込んできた・・・・・・  少し遅れて神戸が入ってくる

「役者が揃っちまったな俺は隣にいる」

伊丹だけがその場を離れ隣の部屋へと入っていった

***

「アンタが私のお弁当食べてたの!」

ヒステリックな木下の声にも 田中巡査は笑っていた

「俺はずっとお前のパシりだった、いつもいつも気紛れに呼び出して 用事を言いつけやがって!  腹いせにお前が警部補に作った弁当を食ってやったんだ!」

「信じらんない!  アンタなんかが私の手作り弁当食べてたなんて!」
「ふん!  全部冷凍食品をチンして詰めてただけじゃないか!」

「何だって!  馬鹿!」

【 ガコォーーー!!! 】

2人が言い争いをしているなか苛ついていた神戸が、いきなり机を蹴った音が狭い部屋に響いた

「そこまでにしてくれる?  くだらない喧嘩なんて聞いてるほど暇じゃーーないんだよ!!!」
「神戸君気持ちは解りますが 乱暴はいけません」

「コイツ等のせいで薔子が辛い思いをしたんですよ!  毎日毎日最低な手紙や写真を受け取って」
「はいその通りですね・・・  ですからこの2人にはきちんと罪を暴き償ってもらいましょう」

杉下の言葉に神戸が携帯を取り出しニヤリッと笑った

「大河内さんって知ってる?  首席監察官の♪  ・・・ふふん 今から全てを彼に伝えて君達を査問会にかけてもらうよ♪」

「警部補が異常に嬉しそうなんですが・・・  怖い!三浦さん俺怖いッス!」
「安心しろ 俺も怖いよ」

芹沢と三浦が恐怖にひきつったように壁に身を寄せたとき

にゅっと白い手が伸び、神戸が黒い笑顔で見せびらかせていた携帯をその腕を掴んだ

「薔子・・・  放して」
「駄目だ! 処分はさせない」

「薔子!!!」
「駄目だ!!!  ・・・処分なら自分でする」

「「え?」」

クルリと木下の前に進み出た薔子は、スパン! とキレの良い音をさせ彼女を平手打ちし、それをニヤニヤ笑っていた田中巡査を拳で殴り倒した

***

「なにすんのよ!  顔叩くことないでしょう」
「筆跡鑑定でこの手紙が貴女によるものと判明しました・・・  警察官辞めるより平手打ち1つなら安いだろ」

「・・・これで許してくれるの?」

「木下ともよ・・・  交通課の上司及び同僚からは仕事だけは真面目で熱心だとの評価あり・・・  辞めさせるのは惜しいと判断した」
「ふん!  アンタの情けなんかいらないわよ!  処罰すればいいじゃない」

赤くなった頬を押さえ涙目の木下ともよは、どこか幼く見えた・・・  薔子がふっと笑うも一瞬で厳しい顔になる

「もちろん二度目は無い・・・ これから貴女のプライベートにおける動向は上司と同僚に見張らせます おかしな真似をすれば直ぐに処罰します」

冷静な・・・  いや、冷酷とも云える薔子の声や表情に周りからは声があがらなかった

木下も薔子の雰囲気に飲まれて黙ってしまう

「仕事・・・  好きだって聞きましたよ こんな事で天職を棒に振りますか?」
「・・・」

「田中巡査、あなたの場合は指紋が出ています  そして同じです・・・  もう職務に戻って下さい」

2人はすごすごと取調室から出ていった事でこの件は終わった

僕は納得なんてしてないけど・・・

***

特命係の部屋に戻ってから薔子に詰め寄れば彼女は・・・  苦笑しながら珈琲を飲んでいる

「モテる彼氏を持った私への洗礼なんでしょう」

なんて笑ってて・・・  こっちは呆気に取られるよ!

「覚悟が出来たから・・・  尊の彼女だって覚悟が・・・」
「でも俺は!」

まだ言い足りない俺に間近に寄った薔子が囁いた

「辛かった時間を・・・  尊さんが 忘れさせてくれる?」

うっ! 何だよ その潤んだ瞳で・・・  俺を見つめる彼女が たまらなく愛しくて愛しくて・・・・・・ここが職場って事も忘れて抱き寄せていた

「忘れさせてやるよ  そして俺がどんなに薔子を愛しているか・・・・・・心に、身体に、刻みつけて あ・げ・る!」
「//////」

「いい? あしたは2人で休みを取ろう! そして今夜は俺の部屋に泊まってね・・・・・・ 何も考えられないくらい蕩けさせてあげるから・・・・・・ 辛いことなんて忘れさせるから」
「・・・・・・・・・うん」

やった! 薔子が小さくだけど確かに頷いた!  やったーーー♪♪♪

「薔子さん、たまきさんから連絡がありました・・・良い蟹と能登牛が手に入ったそうですよ」

「先輩、私やっぱり今夜は花の里に行きます!  カニカニカニ! うふふ・・・」

「俺は 蟹と牛肉に負けたのか・・・・・・」
「そうそう簡単に娘は上げませんから・・・  たまきさんの伝言です」

ガックシ・・・  肩を落とした僕に薔子ちゃんの輝く笑顔が眩しかった・・・・・

「先輩も一緒に行きましょうね! 一緒に美味しいカニと能登牛 食べましょう」

あ、ちょっと復活・・・・・・  僕達の絆が少し深まり、僕の邪魔者が1人増えた、そんな事件だった・・・

***

女慣れしたプレイボーイも、恋人の食欲には負けると楽しいな・・・なんて妄想の落ちなんですが如何でしたでしょうか?

ではでは (o・・o)/~


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すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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