⑥番外 相棒《英国紳士》



***

私は杉下さんや神戸先輩とは離れ警察庁の任務についた・・・とは言え、聞いてみればビックリ仰天なこの任務

まさか世界的に有名な映画のプレミア上映会の警備及び俳優達の警護とは思わなかったわ

早速彼等が居るホテルに向かい警備部の新しい主任と挨拶をした

明日、俳優達が日本に来日するためホテルのチェックに来て主任と打ち合わせをし明日に備えたのだった

***

日本に着いた俳優とスタッフをホテルに案内し、それぞれの部屋へと手配する

今回世界中で同時にプレミア上映するため、日本に来たのは数名なんだけど・・・  中でも《サー》の称号を持つ彼が狙われている

アラン・リックマン氏・・・実力・人気を兼ね備えた48才の英国紳士

確か杉下さんも彼のシェイクスピアの舞台がお気に入りだったと言っていたわ

『初めまして貴方の警護を担当する鈴城薔子と申します・・・これから2週間よろしくお願いします』
『こちらこそ お世話になります』

挨拶もすみこれからの予定をマネージャーの男性と一緒に警護と細かに打合せするも、今から雑誌やテレビのインタビューが控えてる

それを細心の注意でこなしていき、やっと初日が終わった

「主任! 夜間警備はお任せして・・・私は今日あがりますね」
「鈴城のことだこのホテルに部屋を取ったんだろ?」

「ご名答! 移動時間が勿体ないんで」
「じゃ明日な」

主任と別れ下のフロアに取った部屋に戻りシャワーを浴びて部屋着に着替え、右京さんに電話してみれば

「右京さん達は京都なんだ・・・」

先輩も押し掛けてきて一緒だと右京さんの不満声を聞けば、クスクスと笑ってしまった

さ、明日も早い! 寝よーっと

***

毎日があっという間に過ぎていくけど、ただただ凄いの一言だわ

連日のインタビューにテレビ出演、夜はパーティーに出席・・・その殺人的な秒単位のスケジュールをこなしながらもアラン氏は私達警備の人間にも笑顔で穏やかに接してくれる

人間としてその凄さに感心していた・・・

そしてプレミア上映会当日を迎えた

脅迫文は来日前に主催する映画会社に届いたきりで、そっちの捜査もしてるけど証拠も進展もなく行き詰まってるのよね

さ、今日は本番!  気を引き絞めないと!

「大変です鈴城警部! 通訳の方が食中毒で入院されました」
「直ぐに代わりの方を」

「それが・・・」
「何? 主任は何て?」

「アラン氏から通訳を鈴城警部にお願いしたいと言われまして主任も了解されました」
「まったく~・・・ 分かったわ」

私は足早にアラン氏の部屋へと向かった

確かプレミア上映会は昼過ぎで、午前中は・・・頭の中でスケジュールを確かめていると部屋についた

『無理を言ってすみません』
『いえ でもどうして私を?』

『貴女は英国で育ったのではないですか? 綺麗な英語を話されるから』

あらら 凄いな~ アラン氏と会話なんて毎日の挨拶くらいで、一言二言しかないのに分かったんだ

『その通りです 両親は今も英国です』
『ああ、やはり お恥ずかしいですが私は人見知りで・・・  大事な上映会の今日、初対面の方より貴女にお願いしたかったのです』

『分かりました』

でも、クスクス・・・人見知りだなんて可愛いな~

『笑われてしまいましたね』
『あ! そうじゃなくて立派な方なのに人見知りって可愛いなぁ~・・・って思っちゃって』

あ゛う゛~~~ フォローになってないし!今度はアラン氏に笑われちゃったわ

『クックックッ・・・こんな中年男より貴女の方が可愛いですよ』
『中年男だなんてとんでもない! 凄く素敵な人ですよ』

『ありがとう』

私はアラン氏の少年のような笑顔と可愛いと言われた事で、顔が熱くなるのが恥ずかしくて逃げるように主任の所へ行った

「では私は通訳をしながら張り付きます」
「最後まで気を抜くなよ!」

「「「はい!」」」

その日、私は通訳としてアラン氏の一番近くにいたのだった

***

「確保~~~!」

会場の舞台袖に立ち司会の紹介を待っていたアラン氏と私の前に、1人の男が不意に出てきた

その不気味な殺気を感じた私はアラン氏の前に出る・・・すると男の手にはナイフが握られ此方に向けられた・・・

「出られなくしてやる・・・上映会なんて滅茶滅茶にしてやるーーー」

ナイフを振りかざす男の手首を蹴り上げ凶器を飛ばし、怯んだ男の腕を掴み・・・

「でぇえいっっ!」

背負い投げで叩きつければ男は白目を剥いて気絶した・・・その手に手錠をかけ確保すれば司会がアラン氏の名前を呼んでいた

映画の上映の前にファンに挨拶しなければいけない!通訳の私も出なきゃ・・・主任に男を任せて頷けばアラン氏も分かってくれたみたい

『行きましょうか』
『すごい度胸の方だ』
『これが仕事ですから』

ファンとのトークイベントも滞りなく進み、プレミア上映会は何事もなく終了したのだった

『それにしても先程は驚きました Ms. 鈴城に怪我はなかったのですか』
『はい! まだ暴れたりないくらいですよ』

私の言葉に『プッ』と吹き出してくれたアラン氏に私も笑っていた

『Ms. 鈴城・・・大きなイベントも終わり私は今から帰国まで休暇になるんです』
『帰国は明後日でしたよね? 短いでしょうが日本を楽しんで下さい』

『・・・貴女に私の帰国までの間、日本を案内してはもらえませんか』
『・・・少しお待ち下さい』

そうだよね・・・  せっかく日本に来てるのに何も観光せずに、ホテルに缶詰めだったもの! 少しくらい観光したいだろうアラン氏の為に私は主任に話したのだった

何って?  もちろん、警護をしつつ少しでも日本を楽しんで欲しいから主任に観光しつつ警護に当たらせてくれって!

途中、右京さんから電話があり事件が解決し東京に戻った事を聞いて、アラン氏の事を相談したんだけど・・・

「ホテルで缶詰めとは息が詰まるでしょうね~ ・・・さっそく今夜、和食は如何ですか? 花の里はどうでしょう 僕も向かいますから落ち合いましょうか」

「そうですね! 場所も分かりますし・・・さっそく警備に話を通します」
「楽しみですね~」

という事で主任に周辺の道や警備を任せて私はアラン氏に今夜の予定を言ってみた

『お酒も飲める静かな小料理屋さんなんですが、美味しい和食と日本酒があります・・・行かれますか?』
『ぜひ連れていって下さいMs. 鈴城』

『私の事はどうぞショーコと呼んでください』
『では私の事はアランと・・・』

『はい! 警備には話を通しましたし・・・まだ時間がありますね』
『では一旦ホテルに戻って着替えたいのだが・・・』
『分かりました』

こうしてアランをホテルに送ったついでに私も部屋に戻り、シャワーを浴びて着替えて・・・今は花の里に向かっている

『ショーコ・・・何だか嬉しそうだね』
『ああ、アラン・・・女将のたまきさんに私も会いたいの』

『ショーコの大事な人なの』
『お姉さんみたいな人で素敵なんですよ じゃじゃ馬の私と違って大和撫子だし』

『ヤマト・・・ナデシコ?』

ここから店につくまでアランに大和撫子を説明する私・・・う~ん、私も少しはおしとやかにしなきゃかなぁ~

***

「たぁ~まきさん!」
「薔子ちゃん いらっしゃい」
「此方がアラン・リックマンさんです」

『ようこそ いらっしゃいませ』
『お邪魔します』
『アランさんは此方に座ってください』

私はいつも右京さんが座る席の角を挟んだ隣にアランを座らせ、自分はアランの横に座った

お手拭きを貰い拭いているとアランが見ている・・・  あっそうか!

『日本の風習ですよ お手拭きと水は無料のサービスなんです まずは手を拭いてくつろいで下さい』
『不思議ですね・・・  水もサービス』

不思議そうに私やたまきさんを見るアランが可愛くて・・・

『可愛いです アラン』

思わず言っちゃったけど怒るかな・・・

『私などよりショーコの方が可愛いですよ 服も似合ってます』

えへへ・・・一応警護もしてるからスカートは履けないけど、シフォン素材のブラウスとパンツを併せてみたんだ
それを褒めてくれたから私は嬉しくなってアランを見ていた

『さ、どうぞ』

たまきさんが出してくれた肉じゃがをつつきながら右京さんを待つ

まだかな~・・・遅くなるなんて連絡はなかったんだけど・・・

《からからから・・・》

入り口が開いて見れば其処には右京さんがいた・・・その他にもいたんだけどね

「少し遅れてしまいました 申し訳ない」
「大丈夫です 私達も来たばかりです」
「神戸君がしつこくて結局これ以上遅くなるのも失礼ですので連れてきてしまいました」

「しつこい神戸でぇ~す」

『アラン・・・私の上司の杉下警部と先輩の神戸警部補です 杉下さんは貴方の舞台を見てファンになったんですよ』

『おお・・・それは嬉しいな 初めましてアラン・リックマンです』
『杉下右京です』

この2人が挨拶早々、アラン氏の舞台の話で盛り上がっているなか先輩が私の隣に座ってて・・・ え、えらい見られてるんだけど(汗)

「久しぶり・・・薔子ちゃん」
「お久しぶりです先輩・・・ビールをどうぞ」

たまきさんからビール瓶を受け取り先輩のグラスに注ぐ・・・  その間ずっと先輩の視線を受けてて・・・緊張しちゃうよ

「ねぇ、薔子ちゃん」
「はい」

「俺と離れてて寂しかった?」
「へ?」

な・・・何を聞いてくるんだこの先輩は!  そんな事・・・聞かれてもうまく答えられないよ

「ね・・・どうだったの? 俺の事・・・少しは思い出してくれてた? それとも寂しくて堪らなかった?」
「・・・任務中は私事は考えないようにしています」

「優等生なお答えだね・・・でも俺が聞きたいのはそんな答えじゃないよ」

ひ・・・ひぇ~~~何で先輩こんなフェロモンむんむんなの!こんな時は たまき大明神に・・・ええっ!右京さんとアランと歓談しながら料理やお酒の用意してて私と先輩は放ったらかしだわ

「くすっ・・・たまきさんはあちらに夢中だね」
「せ、せ、先輩?」

椅子の背もたれと背中の間に先輩の手が!腕が!にょっきり入ってきてますが・・・結果、先輩の身体は私の方を向いてて近づいてきてて・・・ピキッと固まる私は先輩の色っぽいフェロモン駄々漏れの瞳が怖くて横を見れましぇーーーん!!!

「俺は思い出してたよ・・・薔子ちゃんのこと・・・」
「・・・何かあったんですか?」

「ん? そう・・・だな ・・・あったよ」

フイッと私から離れた先輩は椅子に座り直し、前髪をスッと直していた

視線も顔も真正面に向けてるけど冷たく見えるほどの険しい顔・・・京都で・・・あの女(ひと)と何かあったんだろうか?

私は何も聞かないようにしていたけど、事件に細野さんが関わっていたとは知っていた

「・・・やっと終われたんだと思う」

ぽつり・・・と呟く先輩の声に私は何も言えずグラスにビールを注いだ

「でも・・・羨ましいな」
「薔子ちゃん?」

「何年も気にかかる昔の恋・・・愛した女(ひと)・・・私は勉強や武道ばかりで気がついたら28才! 愛しいと・・・心を震わせる相手もいませんでした」
「薔子ちゃん」

「言い方は悪いですが心に刻まれた恋の経験もない私は、どこかに欠陥でもあるのかもしれませんし・・・それを知る先輩が羨ましいです」
「・・・・・・」

『たまたま・・・出逢ってはいないのでは?』

後ろからアランの声が・・・もしかして右京さん、私と先輩の会話を訳してました? ああ、悪戯が成功した子供みたいに楽しげですね右京さん

『貴女は人生において真面目すぎただけ・・・しかし真面目な事は悪いことではありません これから人生を楽しむことに目を向ければいい』

優しい声に聞き入ってしまった・・・アランの声に顔を向けていたら背後から気配が!!!

『大丈夫! 僕と出逢ったんだから・・・恋は僕としよう?』
「先輩!?」

『恋の甘さを教えて・・・あ・げ・る♪』

椅子を寄せて背後から腰に両腕を回され身動きが取れない! てか恥ずかしい!

『渡さないから・・・誰にも』

先輩は私を通り越してアランを見たままそう言った・・・わざわざ英語で・・・ なんでだろ???

私はの胸がざわざわし始めたのは恋の予感か・・・・・・・はたまたトラブルの予感なのか

***

『その候補に私も間に合いますか?』

アランの低く艷やかな声が聞こえたと思えば彼の大きな手が、私の手を包んでいた

私の片手を取り、アランは両手で挟むように優しく包んで・・・・・・その大きさや温かさを感じていたら急に腕を掴まれ引き抜かれた

『生憎ですが間に合ってます!』

「おやおや自由恋愛ですからねーー 神戸君、キミに2人を引き離す権利は無いと思いますよ」
「杉下さんは黙ってて下さい」

『ショーコ 明日は1日私に付き合ってくれますか?』
『もちろんです アラン! 何処か行きたいところはありますか?』

『先程彼から聞きましたが、キョウトは今 美しい季節だそうですね・・・』
『京都ですか・・・朝が早くてもいいなら新幹線で行きますか? 京都といえば・・・湯葉に湯豆腐に舞子さん! 1日ですから余り回れませんが』

『あなたと一緒なら楽しいでしょうね』
『警備と一緒ですから賑やかですが』

「薔子ちゃん・・・ 意味分かってないし・・・ どんだけ鈍いんだろうか」

彼は薔子ちゃんと一緒だから楽しいと言ってるのに、彼女は京都が楽しいと思ってる・・・・・・やっぱり彼女には直球ストレート・フェロモン付きでないと分かんないんだな

「杉下さん 明日は僕、非番でしたよね!」
「そうでしたか?」
「そうしてください!」

付いていこうーーーーーっと!!!

神戸の艷やかな笑顔に何かを企む眼が薔子を見つめていた・・・・・・・

*****

アランさんは杉下さんとの話で神戸さんを からかうのに言い出したんですが・・・・・・神戸さんも見抜いてますが、かこつけて薔子ちゃんとデートに持ち込もうとしています(笑)

今度からはフェロモンだだ漏れで迫っていくと思いますよーーー(笑)

(o・・o)/~
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すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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