⑥相棒 《過ぎ去りし恋》

神戸さんが相棒になったseason8で好きなのが「ミスグリーン」(3話)ですが、神戸さんの過去の恋が出てくるこのお話し「特命係、西へ」(10話め2時間スペシャル)も好きです
まあ、好きと言えばこれ以降の後半部のお話はどれもこれも好きですね
お話のタッチが書いてる脚本家の方でガラリと変わるのも面白いですよね~~

今回はその右京さんと神戸さんが京都へ行ってきます  ただヒロインの薔子は別任務があるので事件には関わらないですが、楽しんで下さいませ

***

「薔~子ちゃん、お昼行かない?」
「ハッ!は・は・はいッ先輩!」

告白した翌日に俺は彼女をランチに誘った

朝から彼女を見ていれば、普段とは違う変化・・・・・・  それをほぐしてあげたくて、オープンカフェまで散歩がてら2人で歩く

「なんかね 薔子ちゃん俺に緊張してる?」
「うえっ!? ・・・はい」
「やっぱり! そうだと思ったよ」

警視庁を出て歩く俺達は・・・どんな風に見られてるかな?

「嬉しいよ、俺」
「先輩?」

きょとんとした薔子ちゃんに、極上スマイルを向ける 俺

「だってさ、緊張してるって事は俺の事・・・  男として見てくれてるって事だよね」
「あ・・・  そっか、そうなんだ・・・だから私」

俺の言葉に・・・きっと昨日から薔子ちゃんの中でモヤモヤしてたものが腑に落ちたみたいな顔してる

「凄い先輩! 私の気持ちがよく分かりましたね」
「伊達に経験積んでないから! 良く言うでしょ? 亀の甲より年の功って! ・・・・・・自分で言ってて胸が痛いけど」

「さすが警視庁No.1のプレイボーイ! 私なんて自分の気持ちですら制御できないのに」
「プレイボーイってね! 俺けっこう一途だよ じゃなくて・・・違うよ薔子ちゃん」

俺は銀杏の葉で黄色に染まった道路で立ち止まり、薔子ちゃんの顔を見ていた

「恋は制御したりするものじゃないよ・・・」
「じゃ・・・どうなんですか?」

真剣に聞いてくる薔子ちゃんの・・・柔らかな頬に、そっと指先で触れた

「恋はね・・・・・・《堕ちるもの》なんだ・・・」

俺は薔子ちゃんの耳元に囁いて、真っ赤になった彼女を連れてオープンカフェに入ったんだ

***

「きゃー・・・薔子ちゃんたら、初めてじゃない貴女の恋話!」
「たまきさん」

そう、薔子は神戸とのことを相談したくて《花の里》へと来ていたのだ・・・・・・ 杉下右京の元妻のたまきは当然、薔子とも昔からの付き合いで、薔子の事を妹か娘の様に可愛がっている

薔子の方も、たまきの事を姉のように慕っているので、たまに一人でぶらりとやってくるのだ

「たまきさんは神戸先輩と面識はあるんですか?」
「ええ、右京さんを空港まで迎えに行ったときに、バッタリと・・・ハンサムよね~彼って」

きゃっきゃっと はしゃぐ彼女だが、ふと見れば薔子の表情が暗い

「あらあら どうしたの薔子ちゃん」

「たまきさぁーーん 私どうしたらいいのか丸っきり分からないんだよぉーーー」
「分からないって・・・薔子ちゃん? 何でも話してみて」

たまきさんの優しさに甘えて私は・・・どうすればいいのか聞いていたのだった

先輩からの『好きだ』って言葉を聞いてから、先輩をまともに見れない事や直ぐにドキドキして顔が赤くなる事、などなど・・・変な緊張が続くことを話した

「薔子ちゃん 男女の間の事はね教科書みたいに答えが1つって物でもないのよ」

む・・・難しい・・・私には難しすぎる・・・・・・

「ん~~~・・・そうねぇ~ 相手に任せてみるって言うのも1つの手よね」
「先輩に?」

「そ! チラッと見た限りだけれど神戸さんはきっと、こういう事には慣れてるだろうから・・・普通にしてる中で彼をどう思うのか、自分の変化を待っててもいいと思うのよ」

普通に・・・気負わず・・・かな?

「そうよ! 薔子ちゃんがするのは自分の心に耳を傾ける事かしらね」

何だかホッとしたな♪ ホッとしたらお腹空いちゃった♪

「たまきさん! ホッとしたらお腹空いちゃった」
「よかったわ~ はい、お刺身!薔子ちゃんの好きな茶碗蒸しももうじき出来るわよ」

「やった~♪」

楽しい夜が過ぎたのだった

「何かあったら直ぐに相談に来てね いつでもいいわよ」

***

朝、杉下さんに挨拶してから自分の机に鞄を置いて・・・斜め後ろの薔子ちゃんに挨拶! それが僕の朝の習慣

「おはよう 薔子ちゃん」
「おはようございます先輩」

ん?  何だか薔子ちゃんが普通に戻った?  昨日までは変に緊張してた強張りも溶けたみたいで、俺としてもイイ感じだな

あんまりガチガチの緊張が続くようなら一旦『好きだ』って事も撤回しようかと思ってたんだけど・・・

「薔子ちゃん何かあったの?」
「昨日は早番だったので、たまきさんに会いに行ったんです」

「花の里に行ったんだ・・・ふぅ~ん」

こっちは薔子ちゃんが帰った直後に資料整理なんて頼まれちゃったんだけど・・・

「相談にのってもらって美味しい食事も食べられて楽しい夜でした」

相談にね・・・  おおかた変な意識しないでって事かな?  でも反対されるより好意的みたいだし・・・よしとするか

「先輩?」
「今度は俺も連れてって、ね☆」

笑顔と一緒にパチリとウィンク1つ・・・あ~らら、薔子ちゃんの頬っぺが少し赤くなった

う~~~ん 楽しい♪  もっと意識してよ・・・  もっと俺を見てよ・・・  もっと俺を、好きになれ・・・

自分の机に軽く座り薔子ちゃんを見つめ続ける俺を、彼女は外せないのか視線を合わせ続けてる

「こ・珈琲でも入れよ」

態とらしくコーヒーサーバーの用意をしている薔子ちゃんを見ていたら、音もなく杉下さんが近づいていた

「君は案外と積極的なんですね~ ですが余り薔子さんを追い詰めないで頂きたい」
「お言葉ですが! 上司といえども部下の恋愛は自由だと思うのですが」

「僕は彼女の上司であり、彼女は親友の娘でもあります 言ってみれば僕も薔子さんの事は娘のように可愛いのですよ」

うげっ! 杉下さんが父親・・・  俺は知らずに踏み込んでしまった荊の道に溜め息が出た・・・  後悔はしてないけどね

「彼女は28才という年齢に似合わず色恋には奥手ですからね 百戦錬磨な君からすれば物足りないのではないですか? 如何でしょうか?薔子さんを諦めるというのは・・・」

「その選択肢は僕にはありませんね」

「では君が彼女からフラレる事を祈りましょう」
「・・・それって酷くないですか~・・・」

「いいえ 娘の相手に誠実さを求めるのは彼女を思う親心として然るべきだと思いますがね・・・」

はぁ・・・杉下さんは薔子ちゃんの相手が僕だとご不満か・・・  くそっ!

薔子ちゃんには聞こえないように小声で話すのも限界で、杉下さんが来たときと同じく音もなく離れていった

***

それから暫くした晩秋の頃、米沢さんからの報せで僕達はある事件に関わったんだ

歩道橋からの転落死・・・だけど手に握りしめていた紙切れに4桁の数字の列に杉下さんが興味を持つだろうと鑑識の米沢さんが連絡をくれたのだった

それが、昔なくした恋と再び会うことになるとは・・・・・・思いもしなかった

・・・・・・細野 唯子・・・  ゆい・・・  君とまた会えた・・・

被害者が最後に電話したホテルで再開したときは本当に驚いたよ

「綺麗な人ですね・・・」

薔子ちゃんが後ろにいたけど僕は・・・それより何故、彼女は偽名を?  ・・・何故、僕たちをまいてホテルを出たんだ?

何故だ・・・  ゆい・・・  君は今なにをしてるんだ・・・

次の日、朝から角田課長に絡まれたけど・・・

「大学時代の恋人ですよね 先輩は昔から女性の趣味がいいんですね」
「薔子ちゃん?」

「綺麗な人でした 女性らしい柔らかな美人さん」
「いやいや嬢ちゃんも綺麗だよ しかも美味い珈琲を入れてくれる! かーーっ! 俺がもう少し若かったら嬢ちゃんを嫁さんにしたのになぁ~」

角田課長! 割って入んなくていいから! あ゛あ゛ーーもう! 薔子ちゃんを連れていくな!

その時、杉下さんの携帯がなり僕達は上京してきた被害者の奥さんに会いに行ったんだ

帰り道にまた杉下さんの携帯が鳴って・・・中村刑事部長からの電話だった

「お前達よけいなことしおって・・・  そう言えばお前達の使っている部屋は老朽化が進んでいるそうだな」
「改修工事をする間、お前達に休暇をやろう・・・  ああ鈴城、お前には別の任務を与えるからそちらに行くように」

中村刑事部長や中園参事官から薔子ちゃんだけに、任務が与えられた

「杉下、神戸は行ってよし! 鈴城は残りなさい」

僕と杉下さんが帰るまで薔子ちゃんは戻っては来なかった・・・  その夜に大河内さんと飲んで色々と話してるなか薔子ちゃんの任務が分かったんだ

「は?英国の俳優の護衛?」
「ああ・・・脅迫文が届いたようだが、世界的に有名な映画のプレミア上映がある その前後、来日中の俳優達を警護するんだ」

「へぇ~ でも何で薔子ちゃんが御指名なんですか?」
「警察庁警備部の中で鈴城さんを呼び戻したい連中がいるんだ」

「え?」
陸の孤島、人材の墓場の特命係から警察庁に返り咲いたなんて聞かないけど・・・・・・薔子ちゃんの能力を惜しむ人がいても当然か・・・・・・

「東大法学部を出て数ヵ国語を操り、剣道・合気道は共に段持ちで射撃の腕もある 度胸も瞬間の判断力もずば抜けている」
「さっすが薔子ちゃん」

「男でも欲しい人材だが、それで女性なんだ・・・護衛対象は大体男が多い、パーティーでも側に居て不自然じゃない彼女は、得難い人材なのだ」
「でも特命にくる原因を作った場所でしょ?」

「事無かれ主義の日和見で有名だった主任は不祥事を起こして飛ばされて、今は鈴城さんをかっていた人物が責任者になった」
「うわぁ・・・薔子ちゃん特命に帰ってくるか心配になってきた」

ぐぃっとワインを空ける神戸を大河内が見つめる

「お前の昔の恋人だそうだな・・・」
「ぶっ・・・なになになに!」

「何があったか、お前が何を考えているのかは分からんが、自分の心を見誤るなよ」
「はい 肝に命じます」

過去は過去でしかない・・・

《ブブブッ  ブブブッ》

携帯のバイブに気づき大河内さんに断り出れば・・・

「たまきさん?」

なんでまた彼女から電話が・・・・・・  しかし彼女からの報せがあったからこそ杉下さんを追いかけて行けたのだった

***

・・・・・・唯子  大学時代の恋人・・・  あの頃、僕は警視庁に就職が決まり唯子も大学院へと進む事も決まっていた

このまま付き合っていけば当然、結婚するんだと思い描いていた女(ひと)・・・

その彼女が卒業寸前、僕の前から消えたんだ・・・  何も言わず大学を辞め、住む場所も引き払い、君が・・・突然消えたんだ

何があった・・・  どうしたんだ・・・  僕に何も言わないほど頼りなかったのか・・・  何も言えないほど嫌われたのか・・・  何一つ分からなかった

事件を調べるにつれ分かる事実に、君のお父さんが絡んでいた

そうして・・・  街路樹の銀杏の葉が落ちた頃、事件は解決し・・・  僕は君の言葉を聞いていた

「父が不正を黙認した事を知った私が・・・あなたと付き合い続けるなんてできなかった・・・」

離れていく君の名を呼び、駆け寄った僕に・・・君は、抱きついてきた

僕も抱きしめ返し・・・・・・やがて離れた僕達は、別れたんだ

僕は君の力になれただろうか・・・・・・

僕の過去の恋は、静かに胸の中にしまえたんだ・・・

ああ・・・薔子ちゃん  君に会いたいよ

京都から東京へ、警視庁特命係の部屋に戻った杉下さんと僕は事件についてあれこれと話していたんだけど・・・

「杉下さん 薔子ちゃんはいつ特命係に戻ってくるんですか?」
「薔子さんからの報告では今夜はディナーに誘われたので楽しんでくるとの事でした もちろんプライベートだそうです」

「ぷ・・ぷ・・プライベートって!?」
「薔子さんが警護していた英国の俳優は私も好きな方なので薔子さんにサインなどを頼んでしまいました 気さくに書いてくださいましたが交換条件にディナーに付き合って欲しいと言われたと聞いています」

ながっ!!! しかもどこで息継ぎしてるか分かりませんが!

ちょっと待って・・・ってことは今夜はその俳優と薔子ちゃんが2人でディナー・・・

えっ! まずいよ・・・絶対まずいよね

「彼は紳士で有名な方ですから僕としても君と2人というよりは安心できます」

にこにこ笑いながら紅茶を飲む上司を睨みながら、僕は携帯を取り出した

・・・そう言えば杉下さんは何て言った?  報告があったとか何とか・・・

「杉下さん質問が!」
「どうぞ」

「京都に行ってる間、薔子ちゃんから連絡は何回もあったんですか?」
「そうですね・・・本人に聞いてみれば如何ですか?」

チッ! 涼しい顔して答えない上司に腹立たしいが、まずは薔子ちゃんだ・・・・・  僕は彼女の番号にかけたのだった・・・

***

「右京さん、薔子ちゃんの任務って明日のプレミア上映会の事ですよね? それがすまない限りホテルに缶詰とか聞きましたよ」
「おや、たまきさんもお聞きでしたか・・・ いえ、京都まで黙ってついてきた仕返しを少しばかり」

「意地悪はダメですよ、右京さん  それに神戸さんは役に立ったんでしょう?」
「・・・・・・」

「くすっ 都合悪くなると黙っちゃって・・・」
「あなたの方が、意地悪ですよ たまきさん」

横でそんなやりとりがあるとは思わず、僕は携帯を君の番号にかけて耳に当てていた

「はい 鈴城です」
「神戸です! ねぇ薔子ちゃん、ちょっといいかな?」

「先輩 どうしたんですか? 京都からですか?」
「もう東京だよ・・・ ねぇ、薔子ちゃん・・・」

『電話中すみません アランのインタビューが始まります Ms,スズシロよろしいですか?』
『はい、今行きます』

「ごめんなさい先輩、明日の夜には任務も一段落付きますから・・・・プツッ」
「しょう・・・・切れた、クソっ!!!」

アラン・・・ 誰だそれ? 俺のその後、もんもんと誰の側にいるのか考え・・・・・・ 分からないので杉下さんに聞いてみたが

ええ!  そんな凄い俳優といるのかそれは警護部も力入ってるだろうな・・・・と、考えていたんだ

次の日、まだ薔子ちゃんがいなくて寂しいから大河内さんと飲みにでも行こうかと携帯を出していたら・・・・・・

「おや、薔子さん・・・そうですか、ならば花の里は如何でしょう?」

僕は携帯をしまい杉下さんから離れないよう、帰りもずっとずっと、頑張って張り付いてたんだ!!!

杉下さんが諦めて連れていくと、言うまで僕はスッポンも顔負けのしつこさだったんだ! 

杉下さんの溜め息が白く夜風に舞っていた・・・

***

作中で出てきたアランさんとは、もちろんあの!アランさんであります!

次回は薔子の任務に密着しますね(アランさん出演率は低いですが管理人はウキウキで書いてます)

ではでは  (o・・o)/~
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すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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