15:≪闇と月光≫ ~想い ④~

*****

「レイ 手を見せなさい・・  ああ・・・痕がついている」
「だいじょぶだよ」

「お前の大丈夫は昔から信用できん!  心配をかけまいと無理をするくせに・・・ 」
「うふふぅ~~  ほんとに だいじょぶ」

レイの細い手首を優しく摩るスネイプ教授の様子に、リリーはニコニコと見ているがジェームスはニヤニヤと嗤い、シリウスはブスっと不機嫌になっていた

「ふむ、レイや 彼からは何が見えたかね?」
「わたしを しんぱいする すがた・・・」

「それはどういう意味で・・・  もしや小さなレディー君が?」
「みんな でてきて」

レイの声に首にかけているネックレスの龍玉が光り、ふよふよ・・・と5色の龍が浮かび上がってきた

「5色の龍・・・ 何という・・・」
今まで冷静そのものの征司が目の前の小さな幼い女の子が、自分が9年かけて探していた姫とは俄には信じられず・・・・・・ただただ、目を見開いて見つめていた

≪私達から説明しますね  姫様はある事情でその御力を使い過ぎてしまい、今は御体がこのようにお小さいのです≫

「力を・・・使いすぎたとは?」
「それは儂から説明しようかのぉ~  今まで当時者たちしか知らぬことだが、良い機会じゃ・・・皆も聞いてくれ」

ダンブルドアの話しは9年前の学生時代に突然現れたレイの事から始まり、時の狭間に行きヴォルデモートと戦い続けたことや、3年前のハロウィンに襲われたポッター夫妻の襲撃のおりにはヴォルデモードと直接対決し倒したことなどありのままに話し続けた

その後、再び時の狭間に戻りヴォルデモードの魂を浄化しそのせいで霊力を使いすぎたことなどを、静かに・・・  時には感情も入れて話すダンブルドアの声が、大広間に居る皆の心を震わせていた

「レイ・・・あなたは本当に頑張りましたね・・・  今は私達が貴女を守る番です」
「みねるば かぁーしゃま  みんな ありあと」

にこぱっ!と笑うレイに、マクゴナガル教授は「可愛いわぁーー」とスネイプからひょいっと取り上げ抱きしめた

一方、ジェームス達を始めとして初めて全ての事実を聞いた騎士団の面々は、魔法界を救ってくれたレイを改めて守ろうと其々が、其々の胸で誓いあうのだった

そして、征司は・・・・・・

「やはり・・・ やはり・・・私が見たのは、告げられた予兆は・・・ 献身と慈愛と寛容と光の・・・ 姫君・・・」

わなわなと震えながら、レイの小さな手に触れ・・・・・・次には広間の床に頭をつけるほどに礼拝していた

「私の想いを、聞いてくださいますか姫君・・・」
「・・・はい」

「私は水盆で姫を視たとき、まだ力のない12才の子供でした。 私は長老達に視た風景から日本ではなく外国に姫が降臨されたと訴えましたが・・・・・・ 私の力はその時初めて現れたので信用してはもらえませんでした」

征司の穏やかな声を皆は黙って聞いていた

「長老達は私の力を疑い、御告も無きものとして処理されました  悔しかった私は屋敷に伝わる古文書などを調べ、力が現れる年齢の前例などを調べていました・・・ 力の発動は早くて3才頃、遅くとも7、8才までには現れるもので、当時12才の私は力が無いと言われてました」

「しかし私は自分の視た≪御告≫が正しいと証明するために、隠れて調べることにしたんです」

・・・・・そのとき、私は屋敷の奥深くに離れのように小さな部屋があることに気がつきました

その部屋の中に、壁は木で出来た牢屋・・・そう、座敷牢がありました・・・  そして中には・・・

「死んだと言われていた母が居ました・・・・・・  正気ではなく、私が誰なのかも自分が何故こんな場所にいるのかも分からなくなっていました」

この征司の言葉に、ダンブルドア始め一堂は痛ましげに顔を歪ませて聞いていた

「ちの ろうごく・・・ おそらく ちょっけいは そのひとだけなんだろう?」
「姫・・・お判りになりましたか・・・」

「レイ・・・血の牢獄とは何だ?」
「しぇぶ・・・ わたしの いえでも かこにあった・・・  じゅんけつをまもるための にえ・・・」

「一族の男が幾人も代わる代わる通い、子供を産ませ続ける生贄・・・・・・ 直径の純血は私の母が最後でしたから、私が生まれた直後から座敷牢に入れられ父以外の男性に夜毎抱かれ続け・・・子供を産ませられていたのです」

「な! なんだと!!!」
「ひどい! 愛する人以外の男性に夜毎・・・・・正気でなんていられないわ」
「ひでぇ話だな、おい!  純血主義もここまでいけば狂気だぜ」
「・・・・・・惨い話だ 僕の愛するリリーが僕以外と・・・・・ブルブル 考えたくもない事だね」
「女性も酷いけど、愛する人を奪われた男性も・・・ 酷い話しだね」

「私の父は、母を奪われたその日に・・・・・・ 一族から抵抗できず母を渡してしまった後悔から自ら命を絶ったそうです」

征司のあまりの話に黙り込んだ皆は、大広間の痛いほどの静寂を感じていた

「母は父の自殺を知り後を追おうとして叶わず、正気を失ったと世話役から聞きました」
「今は、母君は どうされておるのじゃの?」

「母は、3年前に風邪をこじらせ呆気なく・・・・・・逝きました」
「そうか・・・」

「私の父の名を最後に呼んで・・・迎えに来たのでしょうかね?  母は安らかに微笑んでいました」
「それは・・・ 哀しい2人じゃが、よかったのじゃろうのぉ・・・」

「私はその時、胸に誓いました・・・  この過去の栄光にばかり目を向け、縋り付いている一族から霊力無しの世界に導こうと・・・・・・  少なくとも血を守るため生贄になるような・・・  母のような人を出さないでおこうと・・・」

征司の静かな・・・  それでいて煮えたぎるような想いが感じられた

「もともと我が一族は力を使い政治や経済など多岐にわたって精通しており、表向きは会社を経営している≪土御門財閥≫です  私は大学を卒業後、会社に入り専務として業績を上げています」

一族の中でも力の在る者が生まれなくなり、いっその事≪表の会社≫だけをこれからの土御門の拠点にしようと私を始め兄弟達で動いています

母の様子を・・・ 兄弟達に見せれば彼等も賛成してくれています・・・・・・が、私達 次代のグループが動いていることに恐怖した長老たちが、あろうことか昔、私がした御告を引っ張りだし【姫探し】をしています

自分達の保身のために母を道具に使い、それだけでは飽き足らず今では姫を・・・・・・ 母のように使おうと探しているのです

そんなときに私は2度目の御告を見てしまった・・・

姫を護らなければと思い、ちょうど英国出張がありましたから休暇の予定も組んで来たのです

もし姫の周りが一族と同じような者達が居るのなら、私は拐ってでも日本に帰り隠してしまうつもりでした

でも、ダンブルドアを始めとして皆・・・姫を護ろうとしている方ばかりなので安心しました

語り終えた征司が、周りに微笑んでいた

*****

「姫が自分で選んだ道なのなら私は何も言いません・・・  姫、お幸せですか? 貴方の幸せは、どこにありますか?」

優しく問う征司にレイは「うふふぅーー」と笑い、セブルスまでトコトコと歩いた

「みんなのいる このせかいが わたしのしあわせ  しゅぶと いっしょが しあわせなのーー」
「そうですか・・・  では私は日本に帰りましょう・・・  せいぜい長老達の邪魔をして彼奴等の寿命を縮めてやりますよ」

ニヤリ・・・と、笑う征司が逞しいのか、恐ろしいのか・・・・・・ 味方では頼りになるが敵にしたら恐ろしいのだろうと、その場の者は思っていた

1人、先程のレイの言葉と自分に向けられた極上の笑みに、真っ赤になって身体を震わせている黒衣の男=スネイプ教授だけは、聞いていなかった

(うおっ! レイが可愛らしすぎて鼻血が・・・  )

「しぇぶ・・・だいじょうぶ?」
「うっ!(可愛い可愛い可愛い・・・・) な、なに 我輩は平気だ」

その様子を≪視た≫征司は、くすり・・・と笑っている

『スネイプ教授か・・・ あの方の傍が姫の居場所のようだな・・・ なんとも微笑ましいことだ』

「では賑やかに夕食でもいただこうかのぉ~~」
「あら、もうそんな時間でしたの?」
「あ゛ーーー  腹減った、チキン・チキン!」
「やだハリーにおやつ上げるの忘れてたわ!  お腹すいたでしょ? ハリー」
「僕も忘れないでおくれよ、愛しのリリー!」
「久しぶりにホグワーツでの食事か・・・デザートはチョコケーキがいいな」

「残念ですが僕は魔法省に帰らなければ・・・  ハク、送ってくれる?」
≪はい≫

「では皆様 ごきげんよう・・・」

レギュラスだけがその場から離れ、ハクと共に大広間から【シュンッ】という音を残して姿を消した

夕食を賑やかにとったあと、ダンブルドアとマクゴナガルを残して帰宅したセブルスとレイ・・・

まだレギュラスは戻っておらず、リビングでセブルスが紅茶を煎れレイと2人で飲んでいる・・・・・・もちろん、レイはミルクをたっぷり入れてある

「しぇぶ・・・」
「どうした レイ?」

並んで座っていたレイがカップを置き、セブルスを見上げ・・・・・・じっと見つめている

「あのね・・・」
「ああ・・・」

セブルスはレイを抱き上げ自分の膝の上に座らせると、少しは距離が縮まる

「こんなすがただから いわないでおこうと・・・おもってたんだ  でも・・・」
「レイ? 何を言いたいのだ?」

「しぇぶ わたしから はなれようとしないで  ずっとそばにいて!」
「レイ?」

小さな手がセブルスの左腕のある場所に置かれ、彼は目を見開いた

「わたしを たすけたいため おちた やみ・・・」
「レイ!!!  お前、知って???」

「しってる? わたしがなにを まもりたくて ときのはざまに いったのか・・・」
「レイ・・・リリーだろう? 彼女やダンブルドアやマクゴナガル・・・お前が守りたいのは・・・」

「ぬけてるよ!  ・・・・・・しぇぶ あなたをまもりたくて わたしは・・・」
「・・・・・・我輩を? レイ レイ! 本当に・・・・・・」

「あなたのやみは わたしのやみ・・・ わたしのちからが もどったら・・・ じょうかする」 
「レイ・・・」

「そばにいて・・・しぇぶ・・・ わたしは あなたが・・・・」
「我輩に言わせてくれないか レイ・・・  8年前、お前がいなくなって気がついた愚かな我輩の・・・・・・告白を」

コクリと頷いたレイの頭を撫でながら、セブルスは話し出した・・・・・・ レイのいない幾夜の日々の中で、想いが雪のように降り積もっていった

この胸の想いを・・・・・・  お前に・・・・・・ 届け・・・・・・

*****

「我輩はリリーを想っていた この思いが恋だと思っていた・・・ だが、レイ・・・お前がいなくなって初めて気がついたのだ・・・・・」

レイ・・・  ああ、レイ・・・  初めて会った時から、もしかして我輩はお前を好いていたのだと、今から思えばそう思う・・・・・・

「お前がいない・・・ それは我輩を狂わせるほどに感情の波に襲わせた  そのときリリーへの思いが憧れであり母や姉を慕うものだと悟ったのだ」 

「しぇぶ・・・」

「長かった・・・ 8年もの間、我輩はお前だけを思い続けていたんだ・・・・・・執念深いことだと笑うか?」
自嘲するように笑うセブルスに、小さな顔が寄せられて・・・・・・・頬に可愛らしいチュッという音が聞こえた

「我輩はお前を・・・・・・・・・・ 愛している」
「しぇぶ・・・」

小さな体を壊さないように抱きしめて、髪の中に鼻を埋めてレイがここに居ると確認してしまうのは、セブルスがレイと再び逢えた時からの癖になってしまっていた

「しぇぶ・・・わたしも あなただけを あいしてる・・・」

「あ・・・・ああ・・・・・・れ・・・い・・・・・ああああああ・・・・・・・」

大きなセブルスが身体を丸めてレイを抱きしめ、初めて愛する人と想いが重なった喜びや、戸惑いに涙を流している

レイも泣きながらセブルスの首に小さな手と細い腕を回して、精一杯の力で彼の想いを返していた

「れい・・・ 愛して・・・いる・・・」
「わたしもだ」

重なる唇・・・・・・ 恋人としての初めての口付けに、2人の胸も心も一杯になっていた・・・・・・

そのとき ほわり・・・とした白い光に2人が包まれていたのは・・・暖かく見守っている龍達しか見てはいなかった・・・・・

触れるだけの・・・  でも万感の想いを込めた口づけが終わったとき、目を明けた2人は・・・・・・

「レイ! 成長したぞ!」
「あ、ほんとだ! 幾つくらいなのかな?」

「鏡を見てみればいい・・・ アクシオ 」
大きな姿見を魔法で呼び寄せたセブルスの前で、レイがしげしげと自分を見つめている

「んーーー 10才くらいかな?」

「キスで大きくなるのなら・・・・・・  レイ来なさい」
「セブ? なに・・・ んんん・・・・」

ソファーに座るセブルスの前に呼ばれて来たレイを捕まえ、抱きしめ、唇を重ねる・・・・・・

その柔らかな甘い唇を味わいながら、同時にレイを感じる幸せを味わうセブルスは・・・・・・その夜、何度もキスを贈ったのだという

(柔らかい・・・ああ、我輩はレイに溺れてしまいそうだ・・・)
(んんっ・・・ セブ・・・ 息が・・・・はぁ・・・・)

(この吐息も、潤む瞳も・・・・レイは我輩のものだ! )
(はぁ・・・ああ・・・・んん・・・・セブ・・・ セブ・・・)

初めての恋人としての甘い夜が、静かに耽けていった・・・・・・

*****

ついに、とうとう、やっと!? 2人が両想いになりました!
両想いになってなくてもラブラブなこの2人ですから、晴れて恋人と想いが通じ合ったなら・・・・・・・教授の嫉妬が炸裂しそうですね!

では、楽しんでいただけたら嬉しいです

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すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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