⑨≪いつか晴れた日に≫ 新婚大佐とパーティーと・・・

*****

「・・・・・・パトリック お仕事は終わったのですか?」
ロンドンについて数日が過ぎた、ある夜・・・  軍部から帰るのが遅くなったため、遅めの夕食を食べているとき、愛しい妻のシンシアが聞いてきた

「いや、まだかかるが・・・  どうしたの? 帰りたいのかい」
「いえ、今日ジェニングス夫人からパーティーに一緒に出席して欲しいと言われて・・・・・・」

カチャ・・・・・・  僅かな音をさせてシンシアはナイフとフォークを皿に置いてしまった

「前の事もあるので、断ったのですが・・・・・・ 聞いてくれなくて」

そうだろうな、彼女のパワーに勝てる人など私は知らないのだから・・・・・・

「日にちはどうなんだい? 一緒に行けるといいのだが」
「これに書いてあります」

シンシアが差し出したのは、1通の手紙で・・・・・・・差出人は、ジャスミン・バーミントン・・・・・・か。。。

彼女もある意味ジェニングス夫人と同じように他人の意見など聞きはしないはず

ああ、何か厄介事に巻き込まれそうな気がするのだが・・・・・・

私の予感が外れることを、祈っていたんだ・・・・・・愛しい妻のためにも

今度の土曜に開かれるというパーティーには、念のため私も同行することを告げればシンシアは・・・・・・  ああ、彼女は ほっとした安堵と私に寄せる信頼のこもった笑顔を向けてくれる

「くすっ 断れないからね ジェニングス夫人は・・・ シンシア安心して、私は君を一人で行かせはしないから」
「パトリック・・・ ああ、優しいのね」

よほど嬉しいのか席を立ったシンシアが、テーブルを回り込んで私に抱きついてきた

その柔らかな肢体を強く引き寄せ私の膝に座らせ、彼女の肌に鼻と唇を寄せる・・・・・・ 首筋と肩に唇を這わせながら、指は彼女の服を肩から滑らせていく・・・・・

「パトリック・・・ 夕食の途中だわ・・・  だめ /////」
「ん? 食事はもう十分にとったよ  ・・・・・・今度は私の可愛い奥さんを・・・」

ベットで思う存分、食べたいのだがな・・・・・・

私が耳元で囁けば1瞬で真っ赤になる頬が愛らしくて・・・・・・くくくっ シンシアには悪いと思うのだが、止められない悪戯なんだ

「でもデザートがまだよ・・・ あっ・・・だめ・・・ パトリッ・・・ク・・・・あ・・・」
「私は甘いものが苦手だろう? でも、君という甘いデザートなら・・・・・・幾らでも、幾夜でも、欲しい・・・・・・」

私の悪戯な指がシンシアの柔らかな躰を可愛がっていると、君の呼吸も熱くなってくるね・・・・・・

くくくっ 本当に可愛らしい・・・  私の愛しい人よ

蕩けはじめた瞳が、どんな宝石よりも艷やかに私を魅了することを、君は知っているのかな

蒼い瞳が潤んで見つめてくれれば・・・・・・  それは私の心を熱くさせる

喘ぎを我慢するために君は唇を噛みしめ、我慢しきれずに薄く開いた唇は濡れて、輝く・・・・・・  それは私の躰を熱くさせる

「じゃ・・・あっ・・・私も甘い・・・ 欲しいです」
「甘い 何が欲しいの? デザートかな」

忙しなく指を彼女の躰に這わせながらも、ゆっくりと聞けば・・・・・・ 私の腕の中でシンシアが震えて・・・・・・

「あんん・・・・・  甘い・・・ はぁ・・・  甘い・・・ 貴方のキスが・・・・欲しいの・・・・」
「シンシア・・・・・・ 」

・・・・・・降参だ! 君は天才だよ ・・・・・・私を煽ることにおいて、君が1番だよ、シンシア・・・・・・

「愛しています・・・・ パトリック・・・んん」
「愛しているよ、シンシア!  もう、君が欲しくて・・・・・・ 我慢できない」

ダイニングから君の手を引いて寝室へと向かう私に、執事が小さく頷いていた

これでもう、邪魔は入らないだろう・・・・・・ ゆっくりと、愛してあげるよ シンシア

シンシア・・・  シンシア・・・  愛しき妻よ。。。

私達は、その夜も2人で一緒に過ごしたのだった・・・・・・

*****

そうして土曜日、ジェニングス夫人の屋敷に行き私とシンシアが合流してバーミントン卿の屋敷へと向かうのだが・・・・・・何故だろう、この嫌な感じが消えないのは

ジャスミンはロンドンの華とも讃えられた女性で、取り巻きも多く普段は地方の領主である田舎貴族など招いたりはしないはずなのに

軍部の高官を父に持つ彼女とはパーティーで2、3度会ったことはあるが話したことなど挨拶程度しかなかった

ジェニングス夫人が言うように「結婚の御祝いを述べたい」とは、正直・・・・・・何か裏があるようにしか見えはしないがな

仕方がないだろう、ジェニングス夫人を巻き込んでの事だからな・・・・・・

「ブランドン、ブランドン! まあ貴方、そんなしかめっ面して! せっかくのパーティーなのよ 楽しみなさい」
目敏い夫人の言葉に頷いてはみるものの、落ち着かない気持ちにますます夫人が私を見ている

だが、その瞳はいつもの陽気なものではなく気遣わしげに見てくるもので・・・・・・私は小声で夫人にだけは、この嫌な予感を言っておいたのだった

「どうしてか胸の中で嫌な予感が過ぎっているのです 気のせいならば良いのですが・・・ 」
「そう・・・ それは正しいかもしれないわ! この話しを持ってきたのは何を隠そうファニーなのよ」

ファニー? あ、ファニー・ダッシュウッド! シンシアの異母兄の妻にあたる人か・・・・・・シンシアの話ではあまり良い感じがしなかった人物のようだが・・・・・・

「それに貴方は気がつかなかったでしょうけど、ジャスミンは昔、ブランドン! 貴方に惚の字でしたのよ!」
「・・・・・・・・・・・・・???」

「社交界の華が貴方に恋を仕掛けたけれど、彼女の方が本気になったと当時は噂されたものよ」
「・・・・・・・・・・ジェニングス夫人、私はそのような覚えが無いのですが」

ほぉーーほぉっ ほぉっ ほぉっ・・・

ジェニングス夫人の高笑いがしたが、その後急に真面目な顔になった夫人は大佐を屈めさせてこう言った

「女の嫉妬は恐ろしいのよ~~・・・ もし何事か起これば貴方はシンシアを連れて先に帰りなさい! 私達は自分の馬車があるから大丈夫よ」

この夫人は、何事か起こるのを期待しつつ楽しみにしているのだろう・・・・・・それだけならば夫人は嫌な人だが、ちゃんと此方の事も配慮するのは忘れない

わざわざ私達の馬車も出させたのは、感づいていたからなのだな・・・・・・  何かが、起こると

*****

華麗な音楽が広間で奏でられる

ここはバーミントン卿の屋敷の大広間、規模はそれほど大きくもないが集まった男女で部屋の温度が高くなっている

見ればちらほらと軍部の人間もいるな

ん? あれは・・・・・・ スペンサー大尉か?  あ、そうだスペンサー大尉はジャスミンとは従兄弟同士・・・・・・ 私の胸騒ぎはますます強くなっていく

「パトリック・・・  どうなさったの?」

私の様子がいつもと違うことでシンシア、君も戸惑わせてしまったね・・・・・・ いけない、しかめっ面だけは止めなければ

「ここに皺がいっぱいですわ、でも・・・・・・ そんな顔なのに貴方ったら格好よくて私、困ってしまいます  ////////」

ああ・・・  シンシア・・・  何事かへの警戒で強ばっている私の心が、君のその頬を染めて見つめてくれる瞳で溶けていくよ・・・

「シンシア、決して私から離れてはいけないよ?  それと、何かあったら馬車で屋敷に戻ろう・・・・・・いいね」
「はい・・・ でも、何かありそうなのですの?」

「大丈夫だ・・・ 私がそんな事にはさせない 君を守る」
「パトリック」

「さあさブランドン! パーティーの主催者に挨拶しましょう! いくら可愛い奥方でも2人の世界にこもってちゃいけないわ! ほぉーーほっほっ」

後ろから甲高い声で言われれば、ジェニングス夫人が楽しそうに笑っていた

挨拶か、仕方がないな・・・・・・

私は既に屋敷に戻りたくなっている気持ちを隠して、このパーティーの主催者のバーミントン卿に挨拶すべくシンシアを伴い・・・・・・大広間に入っていったのだった

「くすっ・・・ 私は幸せ者です」
「どうしたんだい、シンシア」

人の間を縫うまにシンシアが小さく笑い出して私の手を、キュッと握る

「私の旦那様は、ハンサムで優しくて、こんな人混みで私が転ばないよう手を繋いでエスコートしてくれますし、低くて甘い極上の声で愛を囁いてくれますもの」

はにかんだ微笑みを浮かべたシンシアが、私を見つめて・・・・・・

「そんな旦那様の妻になれた・・・・・・  私は幸せ者です・・・ 何だか怖いくらいです」
「それは私も一緒さ・・・・・・  君を妻に迎えられた  私の方こそ世界1の幸せ者だよ」

「あっ 私の方が幸せです!」
「いや・・・  私の方だよ・・・」

「私です!」
「私だよ・・・」

「「 ぷっ! 」」

私達は人々の間にいながら、笑い出してしまった・・・・・・だが、ああ・・・シンシア・・・ 愛しい君

こんな たわいもない会話を交わせる人が再び私の人生で現れるなんて・・・・・・

その相手と想いが結ばれている自分の幸運を、思わずにはいられないよ・・・・・・

この奇跡のような幸せを、私は・・・・・・ずっと君と、共に味わっていきたいよ

ああ、やはり私の方が幸せ者だよ、シンシア・・・・・・  できうるならば、今すぐに この場で君とキスをしたい・・・・・・

熱く、深く・・・・・・私の想いの深さの分、君に 君の好きな甘いキスを 贈ろう・・・・・・

愛しているよ、シンシア・・・・・・


胸の黒雲のような予感が消えることはないが、パーティーは始まったばかり・・・・・・ 君が楽しめるように、傍にいよう・・・・・・

だから、微笑んでいておくれ・・・・・・  愛しい人よ、微笑んでいておくれ・・・・・・

ジャスミン夫人の眼が、そんな私達を射るように見ていた事に私は・・・・・・気づけなかったんだ

・・・・・・・・・・・気づけなかったんだ

*****

パーティー始まるまでに1話分になっちゃいました(笑)
では次回に何が???(何か自分でハードルあげてますよね、私)

(o・・o)/~
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私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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