17≪癒しの闇≫魔法使いと陰陽師・・・

はぁーー 暗いです・・・

*****

僕は、1人だ。。。

それは今に始まったことじゃない・・・

両親も小さな頃から喧嘩ばかりで、互いを見ては愚痴を言い合うが・・・・・・ でもそれはお互いの事を見ているということだろう?

僕には両親の目が届くことなんて、無かった・・・ 少なくとも物心つくころからは、ずっとだ

ここホグワーツでもそうだ。 入学してから友人もいない僕は、ずっと1人だ。。。

同じ寮の生徒はいるが、いつも僕を遠巻きに見てはヒソヒソと話して嗤っているだけ・・・・・・ルシウス先輩くらいだろうか、僕に話しかけてくるのは・・・  ああ、レギュラスもいたな

他には、幼馴染のリリー・・・ 彼女だけが僕に会うと笑顔で挨拶や、時には話しかけてもくれたりしていた

リリーの緑の瞳が、暖かくて・・・ 僕はリリーが大好きなんだ

でももう、その瞳が暖かく僕を見てくれることは・・・・・・ 無い

あんな言葉を、大事なリリーに言うつもりなど欠片ほども無かったのに・・・・・・でも、言ってしまったのは紛れもない僕で・・・・・・言った瞬間に、リリーの瞳から消えた光は・・・ もう取り戻せないのだろうか?

あの・・・暖かい瞳で・・・僕を見てくれることは・・・・・・・無いのだろう

そしてもう1つの濃紺の優しい瞳も、また・・・・・・僕を見てはくれないのだろうな

あれだけ毎日側にいたのは、レイ・・・お前だけだったのに・・・

闇の魔術の事で、リリーとの関係もぎこちないものへと変わっていったあの頃、お前が僕の目の前に舞い降りてきたな

いつの間にかリリーとも前と同じ・・・いや、前よりも屈託なく話せる間になったのはお前のおかげだと僕は思っている

それに何より、この僕が・・・人嫌いで、他の者など寄せつけない僕が・・・  朝から就寝時間まで、授業も放課後も、あらゆる時間をお前と過ごしていたなんて

一緒にいて居心地が良いだなんて事を思う人がいたなんて・・・  今更だが、夢のようなことだった

そう・・・ 人嫌いで陰険根暗、べっとりとした黒髪で気持ちが悪いだの、不潔だのと言われ続けていた僕はリリー以外の人とは話しても不快にしか思えなかった

それをレイが引っくり返した

レイとは話しをしようが調合をしようが不思議と息が合う・・・ レイとの話しは新たな探究心を導き出し、研究していても発見があり楽しい

そう、楽しかったんだ・・・  そして、何より・・・落ち着ける

レイといて不快だなどと思ったことがなく、このままずっと続けばいいと願っていた

それなのに・・・・・・ 化け物だなどと・・・  ああ、時が戻せるならば僕は命さえ差し出せるのに

あの時をやり直せるならば、その後、息絶えても僕は本望なのに・・・・・・どんな闇の魔術も、魔法薬学も、タイムターナーだって『あの時を無かったこと』には出来ないんだ

『あの時を無かったことに』できたら、僕はあんな言葉を大事なリリーとレイに言うことなどしないのに・・・

悔やんでも悔やんでも、胸を抉られるような痛みを感じていても・・・・・・僕は嘆くことはできない

そんな資格など、僕にはないんだ。。。

***

「・・・っう・・・ふっ・・・・」
僕は、泣きながら目を覚ました

夢の中でも僕は、暗闇の中で1人立ち続け・・・・・・ 眼下に広がる『あの時』を「止めろ、止めろ」と叫びながら見続けていた

どんな時でも朝が来る・・・ 僕はのろのろと支度をして医務室へと向かった

「Mr,スネイプ・・・Ms,エバンスなら寮へと戻りましたよ」
「マダム・・・  Ms,キサラギは?」
「彼女は・・・ まだ会わせられません。 そんな状態ではないのです」
「ではどんな様子なのか教えてください」

食い下がるとマダムは、チラリと後ろのカーテンで囲われたベットを見た・・・ そこにレイがいるのだろう

「反応が無いのです 泣き止みはしましたが言葉も話さない、無表情でベットの上に座り何かを考えているようなのです」
「話しかけてもですか?」
「ええ、返事も無いですし、聞こえているかすら分かりません  さ、貴方は朝食に大広間へと行きなさい」

マダムに促され、仕方なく大広間へと向かった僕は廊下を歩いてくるリリーを見つけた

彼女は僕を見ると顔を反らして足早に大広間へと入り、僕を見ることは無かった

スリザリンのテーブルで食欲もなく紅茶だけを飲んでいると、ポッターがリリーに纏わりつきハリセンで殴られていた

僕は、為す術も無く・・・・・・ 殴られても殴られてもリリーに絡んでいくポッターを、ただ眺めていた

頭には入らないが、いつも通りに授業を受け放課後になった

マクゴナガル教授から放課後、変身術の教室に来なさいと言われていたので向かえば、教授は執務室へと僕を招き入れ昨日の事を聞いてきた

「Mr,ポッターとMr,ブラックには話しを聞きましたが、Mr,スネイプ・・・貴方からも何があったのか聞きたいのです」
「ポッターとブラックが言った通りです」

僕に弁解する資格などない・・・・・・どうせアイツらは自分の都合のいい風に言っているだろうが、それでいい

僕には罰が必要なんだ・・・

「ジェームスとシリウスは、貴方をほんのちょっと揶揄(からか)っただけなのに、ジェームスは頬を切られMs,エバンスは忌まわしい言葉でなじられ、レイも・・・あの娘も貴方が酷い言葉で罵ったと聞きました」
「その通りです」

「セブルス・・・ 自棄になってはいけません! 自分の事はちゃんと自分で弁護するのです」
「弁護も何も、僕は大事な人に最低な事を言った、最悪な人間です・・・・・・」

「セブルス! 最初から包み隠さずに話しなさい・・・ 貴方の力になれるかもしれませんよ」

どうか僕に構わないでくれ!  僕は、最低な・・・最低な奴なんだ・・・ 救済を求めることなど許されないほどに、僕には罪がある

「力になどならなくていい  僕は赦されることなど・・・ 求めてはならないんだ  その代わりに僕に罰則を下さい」 
「セブルス・・・」

教授は溜息をついて、全て調べてから罰則を決めますと言って僕を開放した

僕はそのまま、医務室へと向かう・・・  レイは、どうなったのか?

心配する資格など、無いのに・・・・・・  身体は医務室へと勝手に急いでしまうんだ

*****

「ああ、Mr,スネイプ待っていました  レイが貴方に会いたいそうですよ?」 
「僕に?」

レイが僕に会ってくれるという言葉で、僕の胸が鼓動を早くしだす

罵られても、殴られても、どうされてもいい・・・  詫びる資格もない僕だけど、膝を付いて謝ろう

許されるなんて思わないが、僕を責めれば少しでもレイの心の慰めになれれば、それでいいんだ

僕をなじればいい、僕を嫌悪し、僕を罵倒し、僕を嘲笑えばいい・・・・・・そうして嫌なものを晴らしてくれれば、それでいいんだ

僕は震える手で、囲ってあるカーテンを引き中へと入った

・・・・・・・・そこにはレイが、青白い顔で横たわっていた

頬が少し痩けている・・・・・・ まともに食事が出来ていない様子に、僕の胸はナイフで切り裂かれるように鋭い痛みを感じた

僕は、いつもならレイの頬に触れる手をギュッと握り締め、ベットの脇に膝を付き彼女が目覚めるのを待つ

瞼を震わせたレイが、ゆっくりと目を開けて・・・・・・しばらく視線をさ迷わせたが、横に跪いた僕に気がつき、見つめた

「・・・・・・リリーに、謝ったのか?」
「謝る資格など、僕にはない」

「・・・・・・違うよ それは逃げてるだけだ」
「違う! 逃げてるんじゃない・・・ 謝って許して欲しいなどと、あんな言葉を言った僕には・・・ そんな事できるわけないだろう?」

「リリーを傷つけたままでいいの? 許されなくとも謝罪はしないと・・・」
「・・・・・・できない」

「できないんじゃない、逃げてるだけだよ」
「逃げては駄目なのか? どうせ赦される筈もないんだ・・・ これ以上僕は・・・」

「セブルス・スネイプ!!!」

レイが僕の名を叫んでベットから降りたと思えば、僕の前に立った

≪ シャッ・・・ ≫
1瞬のことなのだが、レイの手にはアノ刀が・・・日本刀が握られ、その銀色の刃先は僕の首に当てられていた

「これは日本刀・・・ 私の愛刀だ。 前にも見たことがあるだろう?」
「ああ・・・」

「人の首なんて簡単に切り落とせる・・・ 試してみるかい?」

そう言うとレイは一旦、日本刀を鞘に戻して目を瞑り・・・ 次には再び刀を抜いて、鞘にしまった

その一連の動作が、動きが流れるように美しく・・・  レイの横顔が神々しいほどに美しくて・・・ 僕はこんな時だというのに、レイを見つめていた

≪かたん・・・・≫
ベットの脇に置いてあるチェストが、真っ二つに割られ乾いた音をたてて倒れた

≪チャキっ≫
再び抜かれた日本刀が僕の首に当てられて、その冷たい感触に背筋を悪寒が登る

その刀で僕を斬り捨ててほしい・・・ こんな僕など、僕もいらないから

「僕を斬れ・・・ 斬ってくれ・・・  こんな自分など僕もいらない」

黙っているレイに、僕は・・・

「守りたいと思っているのに、お前にまであんな言葉を言った・・・ 救いようのない愚か者だ」

「僕を斬ろ! お前を侮辱したんだ、許さないで斬ってしまうんだ・・・ そうしたら少しはお前の気も晴れるだろう?」

「お前の好きにするんだ! 僕はそれでいい」

≪チャッキッ!≫
刀の柄を握り直した音が、返事の代わりか・・・・・・ レイの身体からこれまで感じたことのないような殺気が溢れて僕の身体を貫いた

『本当に、斬られる』
本物の殺気にあてられた僕は、斬られることを覚悟し目を瞑り・・・・・その時を待った

「でぇぇい!!!」
降りおろされた刀の風が、顔を掠め、首を掠め、肩を掠め、背中を掠め・・・ 何度も何度も降り下ろされる刀の風は、既に全身に感じていた

≪ ビュッ・・シュッ・・シュバッ・・・ヒュルッ・・・シャキッ・・・シュルルッ・・・・・・リィィィン ≫

刀を鞘に納めたキン!とした独特の音がしたが、僕の体には傷の一つもついてなくて・・・・・・跪いたままの僕が見上げると・・・・・・

「セブの馬鹿野郎が!!!」

暖かく華奢な身体が、僕の腕の中に降ってきた・・・・・・

「謝れ! リリーに謝れ! なんで・・・素直になれないんだよ! セブルス・スネイプの大馬鹿野郎!!!」

僕の背中に回った両腕が、時に締め付けるように僕を包み、時にドンドンと叩きつけながらもレイは僕の胸で大声で叫びながら泣いていた

「斬れるわけないだろう? 無くせるわけないだろう? 私には大事な時なんだ! 大事な人なんだ! 無くしたくないんだぁーー」

「死ぬ覚悟ができるなら! そんな覚悟より謝って生きる道を選んでくれよ! 選ぶんだよ、セブの馬鹿野郎!!!」

狂ったように泣き叫ぶレイを僕は抱きしめた・・・ 強く、強く、渾身の力で・・・折れてしまいそうな華奢なお前を抱きしめた

「すまない・・・ すまない・・・ 僕は馬鹿野郎だ ごめん、レイ・・・ごめん・・・僕を、許してくれっっ」

「化け物なんて・・・本心じゃない、本心じゃないんだ! レイ、レイ・・・許してくれ・・・・・・」

あんな事を言った僕なのに、本気でぶつかってくるお前に・・・僕も、僕も・・・許しを乞おう

どれだけの時間、抱き合ったまま泣いていただろうか?

僕もレイを抱きしめたまま、お前の肩に顔を埋めて泣いていた

子供の頃から考えても、こうやって感情のままに泣いたなんてことは初めてだ・・・・・・

レイの香りに我に還った僕は、まだ縋りついてくるレイの背中をさすって宥めながら身体を離した

お前の顔を見て、改めて僕は声を出す・・・ 泣いたからか少し掠れた声だが、言葉は伝えられるだろう

「レイ、酷いことを言った・・・謝る  すまない・・・ 許してほしい」

泣きすぎで目の周りが赤く目蓋も腫れてるレイが、濃紺の瞳を潤ませたままコクリと頷いた

「・・・ゆ・・・許すよ・・・ でも、2度は・・・ないからな」
ヒクッ  ヒクッ と、しゃくり上げるレイを落ち着かせるため背中をさする僕に、レイはニッコリと笑った

「なっ・・・なか・・なおり・・・っだね!」

嬉しそうなレイに、僕は自分が諦めて手放そうとしていたものの大きさを、その大切さをまざまざと見せつけられた

僕は、レイを抱きしめ・・・・・・今度は少しだけ、泣いた

この笑顔を取り戻せたことに、許されたことに、再び お前の隣にいられることに、泣いたんだ

レイの手が、ゆっくりと 優しく 僕の背中を撫でてくれる・・・・・・そんな事にも、僕は泣けたんだ

*****

「レパロ」
レイが切ってしまったチェストを元通りにしてから、僕達は医務室を出た

マダムにはまだ寮には戻らないよう言われたが、大広間で食事に行くことだけは許可されて一緒に行くことにした

・・・・・・が、具合が悪くなれば僕が直ぐに医務室へ運ぶことが条件だった

「リリーに謝るんだ、セブ」
「・・・・・努力は、する」

「許されなくても、何度でも謝るんだ」
「・・・・・努力は、する」

大広間に着くと扉から食事がすんだ者が出てきて・・・それが、リリーだった

「リリー・・・ 話がしたいんだ」
「私には無いわ」

冷たい一言でリリーは、グリフィンドールの寮へと去っていく・・・ それと入れ替わりにアイツらが出てきた

「レイ・・・ おい、目が腫れてるぞ! スニベルスが何か言ったのか?」
シリウスがレイの顔を覗き込んで、触れようと手を延ばしたが・・・ その手をパン!と叩かれた

レイの目が先程の殺気を湛えてシリウスを真正面に、捉えた

「私に触るな、私に話しかけるな、私に近づくな・・・・・・セブルスにもだ!」
「どうしてかな? あんな酷いこと言われたのにまだ、スニベルスを庇うなんて・・・僕には信じられないよ」

ジェームスがシリウスの隣に進み出て、レイに近づくのを見て僕は、レイを後ろに・・・・・・僕の側へと引き寄せた

「仲直り・・・できたんだ? 化け物なんて言われたのにスニベルスを許すなんて、レイは優しいんだね」
猫なで声をだすポッターと、信じられないと驚いた顔をするブラックがレイを見つめているのに嫌な気配を感じて僕はローブの中で杖を握った

「まともな状態ならば許しはしないが、卑怯者が2人がかりで攻撃し虐められた後なんだ・・・ 混乱していただろうから許しても構わない」
「へぇーー 」

ジェームスの面白そうな、からかうような笑顔に杖を握る手に力を込めていたが、レイの身体からは医務室で僕に見せた本気の殺気が立ち昇っている・・・ 

ゆらゆらと周りの空気が陽炎のように揺れる程の殺気にあてられたジェームスが、笑顔を無くし真顔でレイを見つめ続けている

「試してみるか?  ・・・・・・お前もズボンを脱がされて逆さまに宙釣りにされてみるか? セブみたいにキレイな足ではなさそうだからな、毛深い足を晒せば・・・・・・さぞ滑稽で醜悪だろうな・・・ そうしても冷静でいられるか、やってみるか?」
「レイ、止めておけ お前はまだ身体が弱っているだろう」

レイもこんな顔をするのか・・・・・・  殺気を湛えた眼が爛々と輝き、いつもよりも青白い顔が病的に美しく・・・・・・そして、紅い唇が半月のように上げられて・・・・・・

ドロドロとした悪意に溢れた笑顔・・・・・・ 血が良く似合いそうなほど禍々しい、笑顔


だめだ、レイも今は普通の状態じゃない!  僕は呆気に取られて見ているルーピンに小声で皆を連れていくように言った

頷いたルーピンがポッターとブラックの肩を組んで、無理やり廊下を歩かせ去っていく

僕はレイを連れて大広間に入り、紅茶を注いで飲ませた・・・・・・これで少しは落ち着くといいのだが・・・

しばらく呆然と手の中の紅茶のカップを眺めていたレイが、紅茶を飲み干した頃には彼女もいつもの様子へと戻ってくれていた

ホッとした僕はレイの好みの、軽く・・・あっさりとしたものを選んでレイの皿に置いていき、僕達はゆっくりと2人で食事をしたんだ

*****

ジェームスが絡んでくるとどうしても、ふざけすぎで嫌な奴になってしまう管理人
ジェームス・ファンの方、申し訳ございません m(_ _)m

関連記事

コメント

Secret

プロフィール

すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

ブロとも一覧


Cat Home

暁の唄

ちび眼鏡日記

ひとりごと

月が浮かぶ夜

まきまきまき

うみにふわりふわり

snowdrop

みやびのブログ

よみよみ

SweetBlackな世界

日々のこと

きみと手をつないで

shibushibuuu

ゆめの世界

井の中の蛙

月の舟 星の林

古いおもちゃ箱

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR