13≪癒しの闇≫魔法使いと陰陽師・・・

作中の陰陽師の記述は、管理人による全くの捏造ですので、ご理解の程よろしくお願いします
では楽しんでいただけたら嬉しいです♪

*****

それは、リリーの一言から始まったのだが。。。

いつもの通り図書室で勉強していた僕達3人、リリーとレイと僕なのだが・・・・・・ リリーはこの前の件からレイの言う『陰陽師』というものに興味をもったようだ

つけ加えるならば、この様なリリーは誰にも止められないのだ、僕の経験上から、そう言えるんだ・・・・・・うん。

「ねぇ、レイ・・・陰陽師の術って魔法とどう違うの?」
「・・・あまり違わないし、決定的に違うこともあるな」
「私に教えて!」
「よかろう!」

そう言うとレイは羊皮紙を破り、なぜか頭と手足をつけて人型に切り抜いた・・・・・・ それに何か呟いたと思えば、その羊皮紙の人型が ≪ぴょこん≫と、動き始めコサックダンスを踊りだす

「これだとフリットウィック先生の呪文学にもあるだろう」
「あるわね」 「あるな・・・」
「ではこれを・・・ 『夢幻明・・・』」

何か日本語で術をかけると、目の前で踊っていた羊皮紙が・・・・・・小さなヌイグルミのクマに変わった

「可愛いい!」
「これは変身術の呪文を重ねたのか?」
クマは、その小さな手足で歩き回り リリーのインク瓶の蓋を締め羽ペンの羽を綺麗に整え始めた・・・・・・その丸い手では無理じゃないのか?と思うが、リリーは「可愛いい~ 可愛いい~」を連発している 

「これは私の霊力で自我を持った・・・『式神』という、陰陽師の・・・言わばまぁ僕妖精のようなものだ」
「これは自分の意思を持ったのか?」

元は羊皮紙だぞ? 姿を変えるという呪文はある、生物を呼び出す呪文もある・・・・・・だが、物から命を作り出すなど・・・・・・恐るべし、陰陽師!!!

「今、この子はリリーに仕えるよう私の霊力で形作った。 側に置いて可愛がってやってくれ」
「レイ、ありがとう・・・ 可愛いい~」

ヌイグルミらしくモコモコなクマが気に入ったのだろう、リリーの頭からは陰陽師のことは吹っ飛んで目の前のクマを指先で撫でている

そのクマも嬉しそうに動いているが・・・・・・リリーが忘れた疑問を続けて僕が聞こう

「あの剣はどういう役割なのだ」
「私は幼い頃から武道を修めている。 あの剣は我が家に伝わる名刀に、私の霊力を注いであるため『鬼祓い』の剣となった。あの娘を斬ったように体ではなく魂の濁りを斬ることも、もちろん物体も斬れる」

「レイの霊力と魔法族の力と、同じなのか?」
「・・・・・・違うな 霊力とは、魂を神格まで上げて初めて通じるもの・・・・・・神通力ともいう」 

「魔法族の力は生まれながらなものだが・・・」
「ああ、霊力もそうだ 神からの力を自分の体から発することができる・・・ 力自体も、何ていうか質が違うというか・・・・・・」

「なら、ならレイは杖から魔法も使え、霊力も使えるということか?」
「そうだ。 私の力はたぶん、この世界では誰も使えないだろう・・・・・・ だからこそ、狙われるのだ」

レイが最初、ダンブルドアに保護するよう求めていたのは、それでなのか・・・・・・

この世界で【あの御方】の力は魔法使いでは世界一だ・・・・・・だが、レイの言う霊力となれば、不死身と言われる【あの御方】でも・・・・・・ どうなるか分からない

僕はこの事を【あの御方】へと報告しようかと迷い始めたが、報告すれば間違いなくレイは僕の傍からいなくなるに違いない

取り込まれるか、排除されるか・・・・・・ 2つに1つ・・・・・・ 

そこまで考えて僕は、僕は、吐き気がした・・・・・・ムカムカと胸が焼け付くように焦げ、胃液まで上がってくる・・・・・・

レイ、が、いなくなる・・・・・・ 僕が、報告したら・・・・・・ 僕が、レイを、売ったら・・・・・・ああ、ダメだ! 胃が痛い、ムカムカする・・・・・・

何も、何も考えられなくなるなんて・・・・・・ 僕はどう・・・・・した・・・・・・んだ・・・・・

「セブ! どうした? 顔が真っ青だぞ・・・・・・医務室に行こう」
「どうしたのセブ・・・・・・そうね、医務室に連れていきましょう」

はぁ・・はぁ・・はぁ・・ 吐きそう・・・だ  何故急に? 僕はどこか悪いのか?
・・・・・・・・・・身体がだるい・・・・・・喉が乾く・・・・・・胃も痛いが、頭も痛む・・・・・・

レイの華奢な身体が僕の腕を肩に回して立たせようとするが、僕は・・・・・・立ってられなくて、床に崩れ落ちていった

「セブ! セブルス!」

気が遠くなる前に聞いたのは、レイの必死に僕に呼びかける・・・・・・声、だった

*****

「きゃあ、セブルス! マダム・ピンスに事情を話して医務室に運びましょう!」
「リリー、頼む」
「分かったわ! ・・・・・マダム!」

リリーが図書室の主、マダム・ピンスに助けを呼びに行くのを確認して私は辺りを見回した

図書室でも人の来ない奥まった場所のため、本棚が立ち並ぶだけで人の気配はしない・・・・・・油汗を浮かべて苦しそうに顔を歪ませるセブに自分の手をかざす

指で印を結ぶと、私の掌から蒼い光が迸りセブの全身を包みこむ・・・・・・ これで痛みは抑えられたはずだが

ああ、苦しそうな顔が楽になっている・・・・・・が、先程の蒼い光は身体の異常が分かるだけでなく、思考も少し分かってしまう・・・・・・ほんの少しだがな

「セブ・・・ お前・・・」
私が逃げている闇の帝王に、面識があるのだな・・・・・・ お前は、闇の道へ進むつもりなのか?

止めておけ、お前には似合わないぞ・・・・・・ 不器用で意地っ張りで、頑なで・・・思ったことも正直に言えず天邪鬼な事を言っては、傷つけた相手の傷を思い、それ以上に傷ついてしまう・・・・・・優しい人

人を傷つける闇など、お前には似合わないぞ・・・・・・セブ

「レイ! マダムが担架で運んで下さるわ!」
「ああ、じゃあ医務室に連れていこう」

リリーと2人、マダムと一緒に医務室までセブについて行った

マダムの診察では軽い胃腸炎だそうだが、何か急にストレスがかかった?とか言われたが私には心当たりがない

医務室についてすぐセブルスが気がつき、マダム・ポンフリーから念のためと薬を飲んで治療が終わったのだが・・・・・・私は彼が秘密にしているであろうことを知ってしまった事で、気まずい思いをしていた

*****

ある日の日曜日の朝から、何年か前に卒業し魔法省に勤めている先輩が僕を訪ねてきていた

本当に、突然の行動にはいつもながら呆れてしまうが、本人に何度言っても流されてしまうのだ

「先輩! 来るときは事前に連絡してくださいと、いつも、あれ程言ってるでしょう」
「ははは! 女性にデートを申し込む訳でもあるまい! セブルス如きに私が何故、気を遣わないといけない?」
「はぁ・・・ では僕如きに大した用件もないでしょうから、失礼します」

「待て待て! まぁ、待て! 用件というのもな・・・・・・・・これだ!!!」

先輩が高級そうな紺色のローブの懐から出したのは・・・・・・  !!!!!!

「○△×※※※¥¥・・・!!!!!」
「なかなかセブルスにしては、格好良く撮れているではないか! これはお前だろう?」

先輩が出したのは1枚の写真で・・・・・・ハロウィンの時の着流し姿の僕、だった

「お前には興味はないが・・・・・・私の目的は、この娘だ」

ああ・・・ 最悪だ・・・ 先輩が出したのは振り袖姿で舞っているレイの写真
魔法界の写真だから、レイは薄く微笑みながら僕の周りでくるくると綺麗に踊っている様子が撮られている

「この真っ白な顔でも相当の美貌だということが分かるからな! 是非、実物を見てみたい・・・・・・まあ、見るだけで済ますつもりは毛頭ないがな!」

プラチナ・ブロンドを揺らしながら高笑いする、先輩はルシウス・マルフォイ・・・・・・魔法界の名門の貴族であり、魔法省の最年少での高官で・・・・・・【闇の帝王】の部下でもある

僕は、どう先輩を帰そうかと頭を振り絞ってる間に、僕の心配をしたレイが寮から出て来ていたとは思わなかった

「あの・・・ですね、先輩。 今日は一旦帰りませんか? 僕はそんなに親しくないですから上手く会えるよう話してみます・・・・・・ですから・・・((帰れーーー!!!))」
「じゃ、お前は呼び出すだけでいい。 あとは勝手にやるから」

「呼び出すにも僕が人と話すの苦手だって知ってるでしょうが! 段階を踏みますから今日は大人しく帰ってください!」
「何を言う! 段階など親しくなるには要らぬもの! そんなこと考えておったら行動など1個もできんぞ! セブルス大体、お前は女性と見れば身構えおって・・・」

「僕のことはいいですから! 今日は帰って下さい・・・・・・ってか、毎回いきなり来るの止めてくれませんか?」
「別にいいだろう? 予定など1個もない、デートなどしたこともないお前に予定なんかある訳ないんだからな!」

「っっ!!! 予定くらい僕にもある! 今日は教科書の調合より完璧にできる調合を実践するという、有意義かつ高尚な時間を過ごすと決めている」
「ふん! 調合。調合、調合・・・ 寝ても覚めても調合か! たった1人で寂しく、暗く、鍋を相手に呟いているのだろう!」
「1人じゃない、レイと一緒だ・・・・・あっ!」

し・・・・・・しまっ・・・た!!!   レイの名前を出してしまった!

どや顔の先輩のアイスブルーの眼が鋭く光る・・・・・・ こと、女性のことに関しては先輩が抜け目ない事を忘れていた

僕は片手で目を覆い、天を仰ぐ・・・・・・ ああ、レイ・・・すまない こんな変態さではポッターを凌ぐ馬鹿にお前の名を教えてしまった

それにシリウスよりも女に手が早い・・・ 「歩く生殖器」だの、「1m以内に居たら孕んでしまう」など異名をとってるんだ、この馬鹿は・・・・・・

だが、まだだ! まだ救いはある! 写真の人物とレイが同一人物とは分かっていない・・・・・・この間に、なんとか帰らせなければ!

「レイ・・・とは、どの様な人かな? セブルス、お前が側に置くんだ・・・・・・興味が湧いてくるな」
「興味なんて溝に捨てて下さい、はい、帰った、帰った! ・・・・・・とっとと、帰れ」

「男か? 女か? それくらい教えてくれてもいいだろう」
「・・・・・・・・帰れ! 帰らないと今度、薬頼まれても作りませんよ」

「・・・くそっ 分かった、っ帰るよ!」

やった・・・帰るぞ・・・・・・ 僕は先輩の遠ざかる背中を見ながら、小さくガッツポーズをしたとき
レイが後ろに立っていた

「セブ・・・ 何してるんだ? お客様は?」
「ああ、帰った・・・ レイ、調合に行こう」
「まずは朝食だな・・・・・・それと、少し用事があって調合はそれを終わらせてからでもいいか?」
「ああ・・・いいが・・・」

珍しいな、レイが用事だなんて・・・・・・いつもは僕に付き合ってくれとか言うから、レイが一人で行動するなんて・・・ あまり無いのに

朝食に大広間に行こうと歩きだした途端、僕の横を何かが通り過ぎた・・・・・・紺色と白金の・・・・・・

「やぁ、君がレイかな? セブルスにこんな美人の友達がいたなんて初耳だよ。 ああ、私はセブルスの先輩でね! 彼が入学してきた時に監督生でね色々と世話をしたものだよ! はははっ・・・・・・そのお陰でセブルスは今だに私に頭が上がらないんだ」

「先輩っっ!!!  どっから湧いてきたんですか!!!」
「いや、そこらへんから」

「柱の影でお前が『レイ』という子と出てくるのを待つつもりだったんだが、彼女の方から出てきてくれるとは・・・・・・・・いや、なんとまぁ・・・・・・綺麗な子だな」

いつの間にかレイの手を取り、恭しく自分の唇をつけようとする先輩から寸前で彼女の手を奪い、僕は自分の背後にレイを匿う

「挨拶くらい、いいではないか」
「先輩、仕事はどうしたんですか? 魔法省でしょ? こんな所で油を売っててもいいんですか」

「ん? 今日は日曜だ! 時間ならばたっぷりとあるぞ! はっはっはっ」
・・・・・・駄目だ、先輩と居させたらレイが・・・・・・そうだ! リリーだ! 先輩はグリフィンドールが嫌いだからな、寮で匿われれば近づかないだろう!

僕がそう考えている間に先輩は後ろに周り、レイをまじまじと見ている・・・・・・女に関しては素早いな

「私はルシウス・マルフォイ・・・・・・よろしく」
「私はレイ・キサラギだ よろしくするかは分からぬが」

「ほぉーー  何故かな?」
驚いた顔をした先輩はレイの肩を抱き、耳に囁くように話しかけている・・・・・・慌てて僕がその腕を叩き落とそうとしたら、先輩のステッキが僕を制する・・・

「私はセブルスに全幅の信頼を寄せている・・・・・・その彼が、どうも貴方と私を近づけさせたくないらしい」
「セブルス・・・彼のため?」
「ああ・・・ 私の命も彼にならば預けられる」
「ほぉーーー・・・セブルスにそれほどの信頼を置いてくれてありがとう・・・  先輩として礼を言おう」

綺麗な所作で頭を下げた先輩だが、そのまま目をレイにやりニヤリと笑う

「だが、初対面の私に言うなど簡単すぎると思うが・・・ それとも冗談とかかな?」
僕もそう思う・・・・・・ 命も預けられるだなんて、そんな信頼・・・・・・僕には、受ける資格さえないかもしれないのに・・・・・・

「私は嘘など言わない。 短期間ではあるがセブルス・スネイプという人物を見て感じたからこその思いだ」

レイは先輩に顔を向けていたんだが、そこで僕へと向き直った

「セブ・・・ お前になら、後ろを預けられる」
「僕もだ」

誓おう、お前になら・・・・・・この命、預けられる

「レイ! 僕が迎えに行くまでリリーと居ろ」
「了解した」
「あ!」

先輩の肩に回していた腕から、すっと屈んで抜け出たレイは・・・・・・逃がさないよう掴もうとした先輩の肩に手をついて、回転しながら飛び越し、そのまま走り去って行った

「セブルス・・・ どういうことだ?」
「あいつは先輩の相手が務まるような大人じゃない・・・ ネンネなんです」
「だから、逃がしたということか・・・ ふん!」

黙ってしまった僕を、じっと見つめた先輩は ふん!と鼻を鳴らしてクルリと踵を返し歩き出す

「いいさ! 私はダンブルドアに用があったんだ・・・・・・ふふん、今日は退屈せずに済みそうだな」
そう言い残して颯爽とローブを翻して去る先輩は、確かにカッコいいんだろう・・・・・・ だが、レイには半径100m以内に近づいて欲しくはないな

ふぅ・・・ 今日は心ゆくまで調合に耽る、とはいかないようだな。。。  僕はあの人騒がせな先輩の登場で、潰れるだろう今日を思い溜息をついた

***

「リリー!」
「あら、レイ!」
グリフィンドールの生徒に伝言を頼むと直ぐにリリーが出てきてくれて、私達は揃って朝食を取りに大広間へと向かうと大広間の入口でセブが待っていた

そうしてセブと合流できた私は朝食を食べてから、調合するために地下教室へと向かうセブと別れ調理場へと向かった

クリスマスのクッキーや日本食作りから、お爺様から調理場へは出入り自由となった私は片隅を明けてもらって用意にかかる

今日は1月9日・・・ そう、去年聞いたセブの誕生日だから何か作ろうと考えていたのだ

私は自分のお金を持ってはいないから、考えた末 去年言っていた≪お弁当≫を作ろうと思い立っていた

リリーとも食べようと思い3人前の料理を作り、バスケットに詰めて持っていく・・・・・・向かうは、地下の薬学教室まで!

どうせセブの事だ、調合に夢中になったら食事を抜くのは平気だからな・・・・・・そんな不規則な食事してるから胃腸炎になるんだ!

さて、セブもリリーも喜んでくれるといいのだがな・・・・・・ 自分の誕生日も忘れている親友に、小さなケーキも一緒に詰めて私はまっしぐらに向かっていた。。。

***

「コンコン」
「レイか? 入れ」

レイが入ってきた時、僕はちょうど調合の佳境で鍋に向かったまま部屋に入るように促していた

ふむ、やはりこの方式の方が薬の完成度が格段に上がるぞ!  ブツブツと呟く僕は、夢中で教科書に書き込みながら調合を進め・・・・・・満足いく完成度に、充実した吐息を吐いた

「遅れたな、手伝うぞ」
「ああ、そこの薬草を5ミリ幅に刻んでくれ、次は角ナメクジを茹でてくれ」
「分かった」

うむ、やはりレイが居るとサクサクはかどるな・・・ 

「なぁ、セブ・・・ここなんだが撹拌のときにだが、右に3回、左に8回とあるが・・・前に混ざりが悪かっただろ?」
「ああ、だから僕は今日は右に5回、左に5回としてみたいんだ」
「いや、それよりも左3回、右3回、また左3回でいいと思うのだが」
「ん・・・ それも良い方法だな・・・」

僕達は理論立てて議論しながら、調合を重ねてもはや僕の教科書の余白は書き込みで真っ黒だった

気が付けば昼食の時間も過ぎ、食いっぱぐれてしまった・・・・・・

僕は別に食べなくても平気なんだが、レイは・・・と、考えていると目の前にバスケットが「ぬっ」と突き出された

「・・・・・・お弁当、だ。 口に合うかは分からないが食べよう」
「そうか、じゃあテーブルを片付けて昼食にしようか」

鍋やら薬草やら出来上がった薬なんかを片付けて(薬はスラグホーン教授に提出するが)、手も洗いバスケットをテーブルの上に置いた

「あれ?リリーが来ないな、クマを呼んでみるか」
「リリーも呼んだのか? それにクマ?」 

レイの手にはリリーと色違いのクマのヌイグルミがあったが、リリーは薄茶でレイは濃い茶色か・・・・・・可愛いなと思い見ていたらレイはそのクマの腹に話しかけたのだ!

「リリー・・・リリー・・・聞こえる? 薬学教室で私の作ったお弁当食べないか?」
≪え? テディからレイの声がする! これ返事してもいいのかな?≫

「通じてるよ・・・ 聞こえるからクマに話しかけて」
≪へぇーー凄いわね! 私も向かいたいんだけどね、ジェームスに勘づかれたのよ! 捲いたら行くから!≫

僕にも聞こえたが、そういえばリリーの声の後ろからジェームスが煩わしくリリーの名前を連呼している声が聞こえたな

その10分後、リリーが現れたからレイはバスケットを開いて中身を出し始めた

ん? デザートか? 何やら小さめの苺のケーキが出てきたぞ

「セブ、これはねレイが作ってくれた誕生日ケーキなのよ!」
「リリーがちゃんと教えてくれてたし、昨日スポンジは一緒に作ったじゃないか! 2人で作ったケーキだ」

「・・・・・・誰が誕生日なんだ? もしかしてリリー?」
「違うわよ! あきれた・・・自分の誕生日を分からない人ってセブくらいよ!」

僕の・・・? 僕の誕生日は1月9日・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はっ! 今日だ!!!

「ささやかだけど、お祝いしたいと思って作ったんだ・・・・・・セブこの前、3人で食べようって言ってたから」
「・・・・・・覚えていたのか・・・」

レイは、僕のあんな小さな呟きを 覚えてくれてたのか・・・・・・  なんだ? 何だか、凄く嬉しい・・・

バスケットから出されて並べられたのは、お馴染みのチキンの照り焼きが見えたが・・・・・・あとは何だろう?

「鳥の照り焼きに、卵巻き、タコウィンナーにコロッケにピクルスの甘酢漬けにスティックサラダ・・・・・・この入れ物はオムライス!」
「わぁーー いっぱい作ったのね!」
「3人で食べきれるかな・・・・・・」
「心配するな、私もいるから大丈夫だろう」
「そうだな、4人なら・・・・・・・・・ん?」

何か会話に加わる人数が増えてないか? 
おかしい・・・・・・と思えば、顔の横から手が伸び、タマゴマキ?を摘んでいった

「先輩!!! 一体どうして此処に!!!」
「気にするな、それよりこれはお嬢さんが作ったのかね? 大変美味しい!」

ちゃっかりと僕達に交じって顔を出しているルシウス先輩に、僕は頭を抱えるしかない・・・・・・この傍若無人な先輩に、何を言っても聞かないことは身に染めているが・・・・・・

仕方ない・・・・・・と思って見れば!

「先輩! 独り占めしないで・・・・・・貴族なのに食い意地汚いですよ!」
「ふが・・もぐぅう・・・ふがふがふがが!」
ああもう! 口にいっぱい詰めてるから何言ってるか分からないし、貴族だから食べ方は綺麗なはずなのに・・・・・・ルシウス先輩、壊れたのか?

「汚い・・・」
レイのこめかみがピクッと動いたと思えば、杖を振り、先輩を縛り上げ教室の隅まで飛ばしていた

その後、ゆっくりと3人で昼を食べ、僕は初めての誕生日ケーキも食べたんだ・・・・・・照れくさいから寮に持って帰ろうと思っていたが、リリーに言われて、食べてみた

「happy・birthday!セブルス!」
「誕生日おめでとう、セブ」

2人からの温かい言葉に、僕は不覚にも・・・・・・目頭があつくなって・・・・・・必死に横をむいて誤魔化したのだが、バレているような気もする

だが、バレても、いい・・・・・・  

レイが真っ黒のクマを僕に渡してきたが、これは・・・? リリーとレイが持つのと同じなのだが・・・・・・
そうか、同じか! ん? 話したい相手の名前を言えば、声が届くのだと? ふむ、便利だな

まめに連絡が取れれば、この無駄に広いホグワーツでも直ぐに会えると・・・・・・ふむふむ、そうか

こうして僕等は、クマで連絡を取り合うことを約束しバスケットを片付け一緒に薬学教室を出たのだった

レイと僕は図書室へと向かい、午前の分の調合の纏めをレポートにするために、リリーは3時のお菓子を作りに行くそうだ

・・・・・・リリーの手作りも食べられるのなら、誕生日というのも悪くはないな

レイがいて、リリーとも話せて、僕は今日が好きになった・・・・・・誕生日を好きだと、初めて思えた

だが、図書室で・・・・・・何かを忘れているようなきがするが・・・・・・何だろう?

思い出さないということは、大したことではないのだな、うん。

憐れ、薬学教室に忘れられたままのルシウス・マルフォイの救出は、いつ!

*****

ルシウスさん、キャラ壊れてるような気がしますが彼も好きなので絡んでもらいます(笑)


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すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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