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②闇色の月【騎馬隊編】

スンマンの始まりはチョンミョンなんですよね……

幼い頃、従姉妹を気にかけたチョンミョンに、憧れとも恋とも云える気持ちを持っていた。

そして異形の自分を唯一認め、愛して(チョンミョンは従姉妹としてですが)くれるチョンミョンの力になりたくて……なれなかった哀しさ。

そしてスンマンの【異形】を書きたいです。

ポジョンの一途な感じもだせたらな~

楽しんで頂けたら嬉しいです(^o^)/

※※※※※

「貴女は無茶ばかりするから、心配よ」
小首を傾げながら、頬に触れてくる白い繊手……

「姉上……」
自らの頬にチョンミョンが伸ばした繊手をとり掌に口付ける……
「心配なさるな、私の姉上……」
微笑むチョンミョンを抱きしめた、あの日。


「スンマン、私に友ができたの。朗徒のトンマン……貴女にも紹介したいわ」
頬を紅潮させ嬉しげに言われた姉上……

「トンマンとユシン殿と新羅を変えたいの。 貴女にも手伝ってほしい……いいかしら?」
決意を秘めた厳しい顔をされた姉上……

「はい、姉上……その為に私は準備致しました」
「でもね、くれぐれも無茶はしないでよ」
心配そうに眉を寄せながら言う姉上……
「姉上は心配しすぎですよ……」

くすり、と微笑みながら目を開けたスンマンは、それが夢とはしばらく気がつかなかった。


「ゆ……め?」
きょろきょろと部屋を見渡せば……王宮にあるチョンミョンの宮ではなく、ヨムジョンの店。


がばっ!!
起き上がったスンマンは、体が震えていた。

「くそっ!しまった!!」
両手で自分の体を抱き、変化を止めようとする。


「無理か……ヨムジョン! ヨムジョンはおるか!」

「はいスンマン様」
常には無いスンマンの大声に、慌ててヨムジョンが走ってきた。

「縄を持ってこい!早くだ」
「はい~」

汗が滴るスンマンの変わりように、ヨムジョンが怯えた。


「これでよろしいですか?」
「この部屋は閉めきれるか?」
「はい、外から梁で閉じられます」
「ならば私を縛った後、部屋に閉じ込めておけ……明日の朝、開けよ」
「もしや発作が?」
「ああ……人死にを出したくなければ言う通り……に!」
ドクン!と鼓動が跳ね上がる……

「くぅ!」
苦しさに耐えるスンマンの美貌にヨムジョンがつい見惚れた……その時。


「スンマンが来てるって?」
扉から、ひょこりとチュンチュが顔を出した。


人の気配がした…その瞬間、スンマンの手に小さな刃がきらめく。

掌に隠れる位の小さな短刀は、スンマンの武器だ。

投げる瞬間チュンチュを認めたスンマンが、咄嗟に刃を握りしめ己を止めたが……

掌から血が滴り流れる。

「ヨムジョン!早くチュンチュを遠ざけろ~……早く!」

寝台の上で苦しがるスンマンに、青ざめたチュンチュが駆け寄ろうとしてヨムジョンに引き摺って連れていかれた。


「スンマンはどうしたのだ」
「スンマン様の発作です」
「発作?……どこか悪いのか?」
「私も初めて見ます。……スンマン様の話によると、スンマン様は常々、烈しい気性を理性で抑えておられます」
「ああ……それは判る」
「ある時、その理性が弾け飛んで動く者全てを攻撃するそうです」
「それが、今のか……」
「時が過ぎるのを待つか、人を殺めるまで治らないと聞きました」
「凄まじい……な」

「うあ゛~~~………」
獣のような咆哮が聞こえる。

「は……はやく扉を閉めよ!」
スンマンが叫ぶと、ヨムジョンが素早く扉を閉め、外から梁をかけた。

太い木の棒で閉じた扉の前に部下を置き、見張らせたヨムジョンがチュンチュを連れて店に行った。

「あね……うえーー」
血を吐くような叫びにチュンチュが戻ろうとして、ヨムジョンに止められた。

※※※

ヨムジョンの部屋にきた二人は、茶を飲みながら耳を澄ませていた。

「チュンチュ様の御母上の死が、余程こたえてらっしゃるのでしょう……」
「スンマンが……」
「そもそも私を拾い、組織を作り鍛えたのも御母上の力になりたいからと聞きました」
「スンマンはいつ死の報せを受けたのだ?」
「確か……もう新羅に戻られていた途中だったと……」
「お前は側にいたのか?」
「いいえ……しかし側に仕えていた者によると、それはもう酷く沈まれて……後を追われるかもしれないと心配していたそうです」

「そんなに……」


「う゛あ~~……」
聞こえるスンマンの声が哀しくて……チュンチュは部屋の方角を見ていた。


その頃、スンマンの叫び声にビクビクしながら見張っていた部下に話しかける者が居た。

「中に入れてくれないか」
「ですが、私もよく知りませんよ!どうなるか」
「……これをやろう」
金子の入った袋を渡すと、その部下は簡単に梁を上げた。

「私が入ったら元通りに梁を下ろしてくれ」
「へい、わかりました」

中に入っていった者を見て、部下は首を捻っていたが懐の袋を開けて……思いの外の金額に笑った。

「へっ!金を貰えりゃ何でもするさ」
とはいえ物好きな……と扉を見たが、金をどう使おうかと考えてニヤついていた。

※※※

部屋に入った男はポジョンだった。

傷の手当てをしようと布と消毒用の酒に、水も持って部屋に入った。

寝台の上で苦しがるスンマンを見つめ、静かに近寄ろうとしたポジョンに何かが飛んできた。


咄嗟に避けたのには、さすが花朗と誉められるだろう。

避けたポジョンが居た位置の壁に、短刀が三本並んで突き立っていた。

「う゛……はやく、出ていけ……私が正気なうちに!」

「掌の傷の手当てをさせて下さい」
ポジョンが近寄ろうとしたとき。

「あ゛あ゛あ゛~~」
一際大きく叫び仰け反ったスンマンが……気を失った。

素早く傷の手当てをしたポジョンが、そのまま椅子に座り見守っていると……

ふいに……ゆらり、とスンマンが立ち上がる。

「おまえはだれだ」
「スンマン様……」
「あねうえはどこだ」

スンマンの全身から蒼く焔が立ち昇り、ゆらゆらと陽炎のように見える。

「あねうえ……」
「トンマン公主なら王宮にいます」
「と、ん、ま、ん?」
「スンマン様?」
「わたしのあねうえは……ちょんみょんあねうえだ」
「……」

……錯乱されている

「おまえ、だれ?」
にぃ~っと唇の両端を上げた笑顔が……恐ろしい。

冷たい汗がポジョンの背中を這う……スンマンの気迫に肌は粟立ち、髪はチリチリと逆立つようだ。

「おまえのはなは…どんなはなかな」
「花ですか?」
「ちのはなは…どんなかな」

言うなり卓を足で蹴りポジョンごと壁に寄せた。

スンマンの足が卓にかかり、力を入れ続ける。
壁と卓に挟まれたポジョンが余りの強い力に身動きできず呻いた。

「はぁ~はっはっはっ」
烈しい気性そのままに笑い続けるスンマンが、ポジョンを見て舌舐めずりしている。

「おまえ…しぬ」
手に小さな短刀を持ち刃の光を眺めるスンマンが、ポジョンを見た。

「ちが…みたい」
ふわり…と、音もなく卓に飛び乗り、挟まれたままの動けないポジョンの目の前に来た。

ポジョンの首に短刀をあて、ふと自分の布が巻かれた手を見た。

「これは…なに」
布を外そうとするスンマンの手を思わずポジョンが止める。

「外しては傷に障ります」
「……」
「私を殺せば貴女の苦しみがなくなるのなら……どうぞお気持ちのままに」
微笑むポジョンは、ミシル宮の地下で別れたときの笑顔が蘇っていた。


スンマンの脳裏に浮かんだ情景……
「母に死を賜る覚悟はできています」
潔く、清々しい笑顔。

どこかでみた……こいつしっている……
「ぽ…じょ…ん…」
「はい、スンマン様」
嬉しげに見つめるポジョンの笑顔……

「おまえのねらいはなんだ」
「?」
「ほんとに……ころすよ」
にぃ~っと笑ったスンマンが、興奮しているのか舌で唇をちろちろと舐めている。

ポジョンは余りの煽情的なスンマンの顔に、魅入ったまま凍りついていた。

「貴女が望むのなら……貴女の役にたてるなら、本望です」

それはポジョンの本心だった。
錯乱したスンマンが、血を求めていると感じた時にポジョンは覚悟した。

毎日募る想いが苦しくて……スンマンの手にかかるならそれも喜びになる。


また音もなく卓から降りたスンマンが、長い足を振り上げ落とすと……一撃で卓は壊れて床に散った。

掌の短刀は無く、ポジョンの前に笑顔で立つと……


どすっ!!
「ぐぅ……」
ポジョンの腹に拳で殴る。

「しんじない……私をあいするのは、あねうえだけだ」

痛みに体を折り曲げたポジョンを、下から膝で蹴りあげた。
「がはっ!」

服の襟を掴みポジョンの顔を起こすと壁に放り投げる。

「わたしはいぎょうのもの……」
ポジョンの腹や胸や至る所を、スンマンが殴り続けた。

力尽き、膝をついたポジョンの髪を掴み顔を上げさせ……スンマンが笑う。

「だれからもあいされず……だれもあいさず……それがわたしだ」

「ごほっ……スンマン様?」
「それがわたし……あいされない、ばけもの」

「だれもちかづかない……ばけものが、すんまん」

「ちちうえがころそうとするほど、わたしはきらわれた」

「ははうえは……わたしをみるのも…いやがった」

ふらふらと部屋の中、ポジョンを離し歩き回るスンマンが抑揚の無い声でブツブツと呟いている。

「おまえなど、うむのではなかったと…ははうえはいった」

「わたしはうまれなければよかった……ばけものだから…」

「あねうえだけが、わたしのひかり…」

「だれからもあいされない……わたしはばけもの」

「御父上が殺そうとなさった?」
ポジョンが聞くと、スンマンはにっこりと笑った。

「じじょに、どくをもられた…ちちうえがしむけた」

「ちちうえが、わたしをいらぬともうされた」

「ばけものが、しるらにいてはならんと……」

「よそのくにでどうとでもなるがよい」
「すんまんはばけものだから……」


「ああ……何ということだ」
ポジョンの顔が、スンマンの苦しさに歪んだ。

目の前の想い人が背負っていた苦しみ……なんと哀しいのだ。

それを笑顔で話されている……胸が苦しいです、スンマン様

私は母に愛された事は無いが、父には慈しんでもらえた。

父の厳しさも私を思う故と判っている。

だがこの方は……貴女は……

想いが溢れだしていく……抑え封印していた想いが胸の内から溢れていく……

ポジョンは、うろうろと部屋の中を歩き回るスンマンに駆け寄り抱きしめた。

酷く殴られた痛みはもう感じない……

それよりも目の前の貴女が哀しくて、いとおしい……

ありったけの想いを込め、抱きしめる。

抵抗もせず虚ろなスンマンは、ただ立っていた。

「愛しています、スンマン様」

「だれからもあいされない……わたしは、ばけものだから……」

「私は貴女を愛してる」

「わたしにはあねうえだけだ」

「あねうえがわたしのひかり……」

「貴女が誰を見ていようが構わない……私が貴女を愛しているのだから」

「あい?」
「命かけて愛しています、スンマン様」
「あいしてる?……すんまんを?」
「はい、スンマン様」

「ぽじょんは、すんまんを……」
「愛しています、私は貴女のものだ」

小首を傾げてポジョンを見るスンマンに、躊躇いながら口付ける。

軽く、唇をつけただけの口付け……

スンマンの瞼が一度大きく瞬いた。

「ばけものすんまんは、だれからもあいされない……」
「私が居ます……私が居る……愛しています、スンマン様」

熱を持った熱いポジョンの腕に抱きしめられたスンマン……
その体から殺気が……蒼い焔が消えていった。

再び近づいてきたポジョンの唇を受け……入ってきた舌を感じ、おずおずと応え始める。

「んっ……」
だんだんと深くなる口付けに体から力が抜ける。

そのまま気を失ったスンマンを寝台に寝かせたポジョンは、スンマンの心に受けていた傷を想い静かに泣いた。

※※※※※

暗いですね(^_^;)
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すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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