《非通知》って電話でるときドキドキしますよね
ちなみにこんな悪質なイタズラ電話及びメールは警察に相談すればいいですよ!
非通知だろうがアドレスを直ぐに変えて送りつけるメールだろうが警察が入れば持ち主が分かりますし、コレが証拠にもなるという(笑)
10年ほど前に、管理人が実際に経験したことなので(管理人はメールで攻撃されましたが)悩むより相談されてくださいね
***
「 スンマン、大丈夫? 」
トンマンは横に座ったスンマンの背中を優しく撫でている
「 は・・・い、 先輩すみません お仕事に戻ってください 」
「 いいわよ、社長からもついててって言われてるし 」
「 でも・・・ 」
「 いいのいいの! たまにはいいの! それより、どこか行こうか? 」
ここはホテルの1室。。。
ピダムが車とトンマンをつけてチェックインさせたホテルなのだが、スンマンの様子を見ながらトンマンがちょくちょくメールを入れていた
ピダムからの返事によれば夜にそのホテルにポジョンを引っ張っていくからそれまで楽しんでろ・・・ということだった
車の中でピダムが財布から万札の束を無造作にトンマンに放って寄こしていたので、軍資金には不自由しない
「 ねぇ、スンマン! 」
「 はい先輩! 」
「 クヨクヨしてても仕方ないし、美味しいもの食べたり映画見たり・・・・・・楽しくしよう! 」
トンマンの『考えてても仕方ないことは考えない! いずれ分かる時がくるんだから』という励ましに苦笑しつつも、スンマンはこの間から胸にわだかまっていた黒い物が溶けていくように思えた
「 はい! 今日はお言葉に甘えます 」
「 よし!!! じゃ、どこに行こうか? 」
《 くぅぅーーー 》
スンマンのお腹が絶妙なタイミングで鳴って、二人は吹きだして笑い合った
「 まずは朝ごはんだね、スンマン! 」
「 ////// はい 」
ホテルのレストランで朝食をとりながら二人は今日の予定を楽しそうに話し合っていた・・・・・・まるで、本当の姉妹のように
***
「 そうか、少しは気分転換になってるといいな 」
トンマンからの電話を受けたピダムはにこやかに微笑んで今日一日の事を聞いていた
「 今はホテルに戻ってるのか? 」
『 はい、あとは専務と話し合えればいいんですが・・・ もしスンマンが嫌がれば部屋から出ませんよ 』
「 わかった まあ、昨日の今日だからな無理はしないさ ・・・じゃ、後でなトンマン 愛してるよ ちゅっ! 」
『 ・・・ぶっ! ////// 』
「 くっくっくっ・・・ このちっとも慣れないのが いいよなぁーー 」
電話を切った後も笑い続けるピダムにノックと共に執務室に入ってきた守屋が近づいて机にスンマンの携帯を置いた
とたんにピダムの眼が、ギラリ!と鋭く光る・・・・・・
「 分かったのか? 」
「 はい、調査部に調べさせましたが・・・・・・10数人の女性からの電話と1人の男性の電話が非通知でかかってきました 」
「 今日の分の録音は出来たか? 」
「 バッチリです・・・ しかし、これは悪質です 」
「 かけた奴等のリストはできたのか? 」
「 ここに 」
受け取って読んでいけば引っかかる名前が出てきた
「 この結城って・・・彼女の家だよな? 」
「 はい、しかも家の電話と携帯とかかってきてますね。 携帯の名義はスンマンさんの姉達のものです 」
「 なんだと、姉から嫌がらせの電話がかかるのか? 」
「 調べた所スンマンさんは結城の当主・・・つまり父親が妻以外の女性に産ませた子供で、昔から離れに居る祖父母に育てられたそうです 」
「 なんとまぁ・・・ 」
「 さっと調べただけでも小さい頃から祖父母と父親以外は彼女を無視していました、が今回専務との婚約を嫉ましく思ったようです 」
「 あとは? 」
「 専務の過去の女達ですが、こちらから人をやり警察に届けないという条件で二度としないと念書も作らせました 」
「 男は? 」
「 それですが・・・・・・総務課の木田 真司 がスンマンさんに相手にされなかった事を恨んでやったそうです 」
「 男のクズだな! 」
「 私もそう思います 」
温厚な守屋も電話の酷い内容からスンマンに同情しているのだ
「 取引先の馬鹿息子を押し付けられて此方も迷惑していますから、会長にも申し上げて今日付けで解雇していただきました 」
「 お前も手回しがいいな・・・ 」
「 給料泥棒はいりません。 しかも、女性社員からの苦情も多くて困ってましたから渡りに船です 」
にこやかに言い放つ守屋に俺も笑いながら頷いた
「 さて、後はポジョンだな 」
「 専務は今日は使い物にならなくて困ると安藤秘書がぼやいてました・・・ 」
「 そりゃそうだろうな・・・ 安藤にポジョンの予定を聞いて早めに終わらすように調整してくれ 」
「 はい、同じように社長の予定も調整しておきますね 」
「 たのむわ! 」
俺の言葉に笑った守屋が部屋から出て行った
「 俺っていい兄ちゃんだよな! 」
***
その夜、ホテルのラウンジでポジョンと話してた所にトンマンから電話がかかりスンマンが部屋を抜け出していなくなったと聞いた
その途端、ポジョンは出口に走りエレベーターで下に降りていっちまった
「 やれやれ・・・ まだ早かったか、スンマン 」
俺はトンマンにロビーに行くように言って電話を切った
ロビーでトンマンを待っていた俺の前に、駆けて来た彼女が慌てていた
「 はぁ・・・社長にメールするためにトイレに入ってる間に・・・ 居なくなって・・・ 荷物も無くなってて・・・ 」
「 どんな様子だった? 彼女 」
「 ・・・昼間は楽しそうにしてましたが、夜になるにつれて暗くなって。 でも携帯を社長に渡したから見なくてすんで気が楽だといってました 」
「 そっか・・・ 」
「 スンマン自身も今どうしたいかなんて考えられないみたいです 」
「 ・・・ポジョン次第だな 」
「 仲直りできるといいな・・・ 」
俺は黙ってトンマンの肩を抱きしめて、俺達はしばらくロビーに佇んでいた
***
兄の電話に迷う暇もなく体が動いていた
エレベーターがこんなに遅く感じる事は初めてだ・・・・・・じりじりと焦る気持ちを深呼吸して落ち着かせてエレベーターが1階に着くのを待った
扉を手で押し開けるように飛び出た私は、スンマンの姿を探して走り回った
「 どこだ! どこなんだ! ・・・スンマン」
もう外に出たのか?
回転扉に目をやれば スラリとした長身の姿・・・・・・あれは!!!
今しも扉に入り外に出ようとしてるスンマンを見つけた私は、思わず叫んでいた
「 スンマン!!! 」ビクリ!と体が跳ねたスンマンが・・・・・・・・・・・・・・・ゆっくり と振り向いた
そのキリリとした瞳が驚きに見開き、赤い唇が何かを言いたげに開かれ、白い頬が少し赤みを帯びて、スラリとした肢体の動きが・・・・・・・止まる
私は無我夢中で扉に走った
それを見たスンマンが・・・・・・彼女は・・・・・・外に出ようと回転扉を回して・・・・・・私から逃げようと?・・・・・・そうなのか?・・・・・・逃げたいのか?・・・・・・
彼女も驚いたのだろう・・・・・・中で焦って上手く外に出らずに、一回りしてこちらに出てきてしまった
驚いた表情の彼女を捕まえようと伸ばした腕が空振りに終わり、スンマンは再び回転扉で向こうへ・・・・・・
≪≪ ガシッ ≫≫「 行かせない! 行かせるものか! 」
私は回転扉に靴を挟み込み動けなくした
「 専務!!! 」
「 スンマン、話を・・・・・・話をしよう? 」
「 私まだ混乱してて・・・ 有給が終わったら・・・・話しませんか? 」
「 知らなかったんだ 君があんな酷い電話に傷ついてたなんて・・・・・・ 」
「 いい・・・んです 隠してましたから・・・ 」
「 それなのに私が・・・・・・君があんまり無防備だから、試してみようとあんな事して・・・ 」
ガラス扉の向こうで寂しげに微笑むスンマンが、小さく首をふって俯いた
「 ・・・・・・もう、いいんです 」
もう、いいって何がいいんだ? まさか、まさか・・・・・・
「 ただの秘書に戻ってもいいですか? 」
顔を上げたスンマンが精一杯の笑顔で私を見た
「 ただの秘書って? 」
声が・・・・・・掠れて、震えてしまう
「 婚約は無かった事にしてくださいませんか? 」
頭が割られるような衝撃が走り、私は必死で彼女を見詰め続けた
「 でも・・・気まずいですよね? ですから私は他の部署に回していただいて・・・・・・それより、会社を辞めたほうがいいのかな・・・」
スンマンの・・・・・・彼女の頬に涙の粒がポロポロとこぼれて・・・・・・落ちていく
「 私は? 私のことは? ・・・・・・もう嫌いか? 」
「 いいえ! 嫌いなんて・・・好き、大好きです 」
「 なら、謝るからスンマン 戻ってきて 」
「 それはできません・・・ 」
「 何故だ!!! 」
「 恥ずかしいから・・・ 淫らな自分が専務まで・・・・・・お仕事サボらすような事させてしまう・・・ 」
「 もうサボらないから・・・ スンマン 」
「 ・・・・・・私のことは捨ててください 」
そういうと回転扉を逆に回して私の靴を外し、今度こそ外に出たスンマン
私は横にある自動扉から外に出て走った
スンマンも走って、走って・・・・・・私が追いかけてる事を知ってなおも走り続け、ホテルの前の夜の公園に逃げていった
***
外灯の少ないこの公園は、木々が鬱蒼と広がっている
昼間は子供連れの母親達が散歩したり、ランニングする人たちで賑わっている都会にしては大きな公園だった
はぁ・・・・・はぁ・・・・・はぁ・・・・・
息切れがするが彼女を失いたくなくて走り続ける自分と、その前を何とか振り切ろうと走るスンマン
だが、女の足では限界がある・・・・・・・・縺れた足が、飛び出た木の根に躓いて彼女は転んでしまった
「 いたっ! 」
「 捕まえた 」
「 いやっ! 離して・・・放っておいて! 」
掴まれた腕を必死で外そうと暴れる彼女に・・・・・・私は胸が潰れそうに苦しくなった
「 もう、私は・・・君の恋人には戻れないの? 」
「 専務なら私より相応しい方がすぐに現れます 」
「 君は? それでいいの? 私から離れて・・・他人になって・・・それでも平気なのか? 」
「 ・・・・・・諦める事は慣れてます いっぱい専務に愛してもらえたから・・・だから・・・」
ぽたぽたと流れる涙に濡れる頬に口付けた私を、彼女が押し戻そうと胸に両手をつく
「 愛してる、愛してるんだ スンマン。 君がいなくなれば私は仕事も手につかず、食事もできない・・・・・・傍に居てほしい、私の1番傍に・・・・・・」
「 専務・・・ 」
「 私にだけ乱れる君がどんなに素晴らしいか・・・ どんなに嬉しいか・・・ 私に感じて昇りつめていく君が美しくて艶かしくて・・・ そんな君が欲しくて欲しくて堪らなくなるんだ 」
「 ・・・・・・ 」
「 愛してる ・・・愛してる 」
呪文のように囁きながらキスをすればスンマンの肢体から力が抜けていく
「 私・・・ 私も・・・愛してます でも、嫌な電話を聞くうちに私なんて傍にいたら邪魔になるって思って 」
「 スンマンが傍にいないと私は恋しさの余り馬鹿になるんだ 」
「 そんな専務が・・・ 」
「 今日は大事な商談を潰してしまった・・・ 何も考えられなくなる・・・君のこと以外は・・・」
「 え? 商談を? 」
「 ああ、安藤に聞くといい 」
ポジョンはスンマンを逃がさないようにしっかりと抱きしめたまま携帯を取り出し、第一秘書の安藤にかけた
「安藤さん、スンマンです。 専務が大事な商談を潰したなんて嘘・・・・・・ですよね?」
恐る恐る話し出したスンマンの耳に、安藤のこれでもかというほどの深い溜息が聞こえる
『 悪夢のように本当です。 専務に十分お灸を据えたら貴女は戻ってくださいね 』
「 え? 」
『 貴女が苦労してもぎとったS商事の会合で専務がポカして向こうが怒ってるんです 』
「 S商事を! あんなにアポ取るの大変だったのに・・・ 」
『 私が許可しますから、二度とこんな事しないようにキツクお灸してくださいね 』
携帯を切ったスンマンの目には怒りの炎が燃え上がっていた
「 専務・・・これはどういうことですか? 」
「 スンマン・・・ 初めて見るけど怒ってる? 」
「 あのS商事にアポ取るのどれだけ大変だったと思ってるんですか? 」
「 え・・・・と、君がいなくなったら何も考えられなくて・・・・・・ 」
「 S商事に売り込むプロジェクトは専務と社員とで残業重ねて作り上げたものでしょう? 」
「 はい・・・ 」
「 それを・・・ 」
「 今度はうまくやるから・・・ 」
「 また私が苦労してとったアポを無駄にするようなら許しません! 」
「 なら戻ってくれる? 」
「 ・・・・・・私でいいんですよね? ////// 」
「 君しか見えないんだ 君がいないとダメなんだ 」
ポジョンがスンマンの体を強く抱きしめて、キスの雨を降らせる
「 明日から会社に戻ります 」
「 今日は私達の家に戻ろう? 」
「 ・・・・・・どうしようかな・・・ 」
「 ダメ!!! 明日は今日のポカの分も仕事するから帰ろう 」
「 んんっ・・・・だめ・・・・せんむ・・・・はげしいキスは・・・・・・わたし・・・んんっ・・・んふっ・・・・・」
「 どう・・ダメなの? スンマン・・・ 」
「 ポジョンさんが・・・・・・欲しくなって・・・・・・ ////// 」
「 嬉しいよスンマン! もっと欲しがってくれ私を・・・君だけの男を欲しがるのは恥ずかしい事じゃない 」
「 じゃ、ポジョンさんも欲しがって・・・ 私を ////// 」
ポジョンがスンマンを抱きしめたまま立ち上がり、その耳に囁いた
「 私はいつも君が欲しくて・・・・・・ほら、触ってごらん? 」
「 あ・・・ ポジョンさん ////// 」
「 もうこんなになってるんだよ でも、私は恥ずかしいとは思わないよ 」
「 なぜ? 」
「 この世でたった一人の愛する女に反応するのは当然だよ・・・・・・スンマンも当然なんだよ」
「 ほんと? 」
「 ああ、さあ・・・家に帰ろう? 」
「 はい・・・ 」
「 スンマン 愛してる・・・ 愛してる・・・ 」
「 私も・・・愛しています 」
二人はもう一度、互いの思いを伝えるために深く口付けて・・・・・・愛に巣へ帰っていった
***
「 そうか! うまい事いったか! 」
ポジョンからの報告を携帯電話で受けてるピダムに、気になるトンマンが耳を寄せている
電話を切ったピダムが側にあるトンマンの耳朶を甘く噛むとビックリして体ごと離れていった
「 えーーー そんな避けるなんて・・・ショックだ 」
「だだだだだっ・・・て、みみみ・・・耳を噛むなんて ////// 」
「 可愛い耳だね♪ トンマンはどこもかしこも綺麗だけど、耳は可愛いな・・・ 」
ピダムの黒曜石のような瞳が、しっとりと潤みはじめトンマンの細い腰を引き寄せると・・・・・・
「 せっかく部屋をとったんだから泊まっていこうか? 」
囁くピダムの低く、艶やかな声に体から力が抜けそうになったトンマンはピダムの胸に掴まった
「 へへへ・・・部屋って・・・ ////// 」
「 もったいないだろ? このまま帰るなんて・・・ 」
ピダムの声に腰がくだけたトンマンは・・・・・・もう歩けないほどだった
「 スンマン達は? 」
「 自分達の家に帰ったよ 」
「 ・・・・・・お腹空いてるんですけど・・・ 」
「 部屋でルームサービス取ればいいよ 」
「 ・・・・・・ピダム 」
腕の中から自分を見上げる丸い瞳に、ピダムはうっとりと眺めていた
「 どうした? トンマン 」
「 ・・・・・・泊まる? 」
恥ずかしそうに頬を染めたトンマンにピダムは天にも昇る心地で・・・・・・・トンマンを抱き上げて部屋に行くエレベーターに向かった
「 もう、キャンセルはないぞ! 」
「 うん・・・ ////// 」
「 ・・・優しくするから・・・怖がらないで・・・」
「 うん・・・ ////// 」
部屋に着いた恋人達は、戸惑うトンマンに終始優しいピダムが熱く囁いて・・・・・・・・・夜が過ぎていった
***
さてさて、無事に仲直りですが・・・色っぽいシーンは長くなるのでカットしました(笑)
トン&ピも上手くいったようなので、一区切りついたかなって感じです
楽しんで頂けたら嬉しいです
ところでトン&ピの初めての夜・・・・・・ リクエストあったら言ってくださいねーー
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