⑧:冬企画【現代に続く新羅…スキー編】

まだこの物語は年明けてないんです!
早くしなきゃ……(汗)

※※※

「ピダム、姉上を頼むぞ」
「わかってるよ」

トンマンとピダムは再びスキーに行くとプールを後にした


スンマンは気持ちよさそうにゆっくりと泳いだり、姉の浮き輪に捕まって浮かんでいたりと楽しんでいた

「あんた何者よ」

ふと、横を見ると山下圭織がビートバンで浮かんでいた


「ふふ……君か……」
「何よ!!!」
「そう、いきり立つな……私は君に感謝しているんだ」


きょとんと見ている圭織にウィンクしたスンマンが言葉を続けた

「君のお陰で自分の心が何を欲しがってるのか分かった……」
「答えになってないわ、あんた何者よ」

「新羅家のスンマンだ」

「うそっ!!! ……新羅家って世界中にネットワーク持ってて何でも売ってて……うちの婆ちゃんなんて新羅家の商品なら間違いないって拝んでるよ」

「田舎どこ?」
「石川県……北陸よ、知らないでしょ新羅家のお嬢様は」

「くっくっくっ……そんな尖るなよ」
「どうせ私は嫌われ者だもん……秘書課の同僚だって女には嫌われてるし」

「なんで嫌われるの?」
「私が可愛いから妬むのよ」

「ポジョンが好き?さっきはピダムに迫ってたけど……それともアルバート? 蓮?」
「一番のお金持ちが好き」


「くっくっくっ……正直だな。……それならば私になるぞ」
「えっ?」
「一番の金持ち」
「何でよ」
「アルバートは財団の後継者だがまだ遊んでるから財産は親の物だ……蓮は一条家だが、代替わりしたとは聞いてない……ピダムは社長とはいえ、新羅家とは規模が違う……ポジョンは秘書だしな」

「あんたは?」
「私か?私には開発した物の特許権がある……私個人で取ってるし、何よりココが違う」
「頭?」

「今まで開発して商品化したものもそうだが、私の頭脳があればこれからも稼げる」
「じゃ、男なんて目じゃないじゃん……なんで室長が好きなの」

「……何でかな。それだけは分からないんだ……ただ」

ざぶっと飛び上がりプールの縁に座ったスンマンが、圭織を引っ張り上げ座らせた

「ただ?」
「君とポジョンが腕を組んだのを見たとき……ここがキリキリと痛んで息もできなかった」

胸に拳をつけて圭織を見るスンマンの眼が、その時を思い出したのか寂しげに伏せられた

「あ~あ、完敗ね!」
「ん?」
「そんなに好きな人から恋人盗れないわよ……あたしだって女だもん。……そんな想い知ってるわ……あたしの場合は捨てられたけどね」


圭織は短大時代に熱烈に恋をして、同棲していたが……相手が役員の娘との見合い話が出た途端、捨てられた

それから男を信じられなくて、利用しようと突っ張っていたのだ……


「バカよね、利用しようと役員の爺ィに抱かれてさ……二回抱かれたら気持ち悪くなって吐いちゃって……」

妊娠と勘違いした役員に手切れ金を渡され、また捨てられた

「なぁーにやってんのかな……あたし」

「ふふ……先は長いさ…いずれ本気の相手ができる。自分を大事に真面目に生き直せばいい」

「あんたイイ奴じゃん」
「君もね」

「君! じゃなくて、圭織よ」
「あんた! じゃなくてスンマンだ」

「はぁ~……ここのエステして大晦日パーティーでイイ男探そうかな」
「協力するよ」


「そうだ、コレあげる……蓮ってのに室長に飲ませろって言われたけど、あたし降りるわ……これ以上ゲスな奴になりたくないし!」

スンマンに小瓶を渡した圭織が立ち上がろうとしてスンマンに引き戻された

「何よ!!!」
「怒るな……これ何て言われた」
「気持ち良くなる薬って……」

蓋を開け、匂いを嗅いで………少し舐めたスンマンがすぐに吐き出した

「違う……これは麻薬だ、しかもこの濃度と量なら一度に取ったら中毒死するぞ」
「えっ?……なんで? 一緒に飲み物に混ぜて飲んで楽しめばって……言ってたよ……」
余りな事に圭織は声が震えている

「圭織」
爛々と輝きだしたスンマンの瞳に……圭織は時も忘れて見惚れていた

「お前……危ないぞ」
「……やだっ、あたし殺されそうだったって事だよね」

「私と共に来るか?」
「守ってくれるの?」
「ふふ……乗りかかった船だな」
「あ……お願いします」

ペコリと頭を下げる圭織には、もう突っ張った所は影を潜めていた

「じゃ、行こう。 ……ポジョン」
「はい、スンマン様」

「圭織の部屋を私達の部屋に移して……荷物もな」
「はい、スンマン様」

「タンシム~~~」
「はぁーい、スンマン様」

プールを楽しんだ後、寝椅子で休んでいたタンシムと共に部屋に戻ったスンマン達……

※※※

「山下圭織です……よろしくお願い致します」

「スンマン様、危険ではないのですか?」
爺のムンノがじろじろと圭織を眺めている

「姉上はどう思われますか」


すっと指を立てたトンマン
「1つ、彼女はスンマンの感情を引き出してポジョンと縁を結んでくれた」

「1つ、薬のことを正直に話してくれて、結果ポジョンの命を救ってくれた」

「トンマン嬢様……」
ムンノが諦めたように首を振っている

「ポジョンの命の恩人ならばスンマンの、ひいては我が新羅家の恩人となる……力を貸そう」

「姉上、ありがとうございます」
「トンマン嬢様がそう言われるならば……」

「うむ、爺の傍に置いて見てやってくれ」
「御意」


「体が冷えた……さ、風呂に入ろう」
「ジャグジーで温まりましょう」

トンマンとスンマンが風呂場に消えて行き、お湯を入れていたタンシムが圭織を連れて……隣の部屋の風呂へと向かった

※※※

ちゃぷっ……ちゃぷんっ……

「あ~あったまる」
「気持ちいいですね」
「それで、スンマンはどうするつもりだ」

「それなのです姉上」

スンマンはX'masのパーティーでの黒幕が【木田 宗司】で、それが【一条 蓮】だと考えていると話した


「木田親子は警察で毒物により死にました」
「圭織を使ってポジョンを狙った、それも薬物……」
「それに【木田 宗司】に変装していた写真から変装部分を排除したら……【一条 蓮】になりました」

「今宵のパーティーでも何かあるかもな」
「はい姉上、私もそう思います。なのでお願いが」

「何だ?」
「ピダムと共に別荘に移って頂けませんか?」

「私を除け者にする気か?」
ぷくっと頬を膨らますトンマンに、くすりとスンマンが笑う

「せっかく別荘でピダムと甘く過ごして頂こうと思いましたのに」

「あ…甘く…など……」
頬を染める姉を何とも愉しげに見るスンマン

「くっくっくっ……」
「スンマン!!!」

「まぁ、別荘は新年から使ってもいいですが……危険に姉上を巻き込みたくないのです」
「だがなスンマン、一条とは過去から色々あった……禍根を残さずとは無理だと思う」

キリリとした表情のトンマンが、ニヤリと笑うのをスンマンは頼もしく見ている

「一条 蓮の目的はお前だろう……昨夜のウィルスの事も含め、今宵で撃退しなければ……新年くらいのんびり過ごしたいぞ」

「アルを巻き込みたくない……話してきます」

ざばっと上がっていったスンマンが、バスローブ姿でリビングに現れ、男性陣の喚き声があがっているのに微笑んだトンマンだが……

「スンマンの初めての友だったな、アルバートは……」
ふっと、呟いていた

※※※

「僕の女神が訪ねてくれて嬉しいよ」

「アル、話がしたい」

ソファーに座ったアルとスンマン

「蓮のこと?」
「ああ……」

「あいつが何?」
「一条家の後継者……だが、利用できないと平気で薬物を使い殺そうとする手口を知っているのか?」

「……知らない」

「山下圭織に小瓶に入った薬を渡すのを見たか?」
「……見たよ」
「致死量の濃度と量の麻薬と知っていたか?」

「いや! 僕が薬物を嫌ってるの知ってるだろ」

スンマンはX'masパーティーでの木田親子の毒殺と、圭織とポジョンを麻薬で殺そうとした蓮の事を話した

アルは考えていたが、じっ……とスンマンを見つめ頷いた

「スンマンを信じるよ」
「ならば今すぐアメリカに帰った方がいい!」
「それは嫌だね……」

「だが……」
「……僕の周りにいる者達を東京に帰すよ。僕も帰った事にして、君達の部屋に匿って♪」

「アル……遊びじゃないんだぞ」
「スンマンは友として僕を心配してくれてるんだよね」

「そうだ」

「紫グランマからの伝言なんだ」

小さなレコーダーを取り出したアルがスイッチを押すと、アルの祖母の紫の声が聞こえる

『……ただしアル、いくら従兄弟とはいえ貴方はフォレストの後継者です。自分の意志や主義を曲げてまで受け入れる必要はありませんよ。 ……はっきり言います、クソッタレ野郎なら遠慮はいりません切りなさい』


「くっくっくっ……さすがは紫。……惚れるよ……」

『それとスンマンに伝えて。 アルをふろうが殴ろうが、貴女は私のお気に入りよ♪ いつでも顔を見せてね~~~♪』

「あっはっはっ……素敵だよ、紫。会いたくなった」
「この件が片付いたら一緒にアメリカに行かないか?」
「……アル、お前は友だ。それ以上でも以下でもない」

「まだ諦めないよ……とはいえ蓮を連れてきてしまったのは僕だ。責任はとるよ」

「とりあえず部屋に来い」
「ああ! 手配したら行くよ」


しばらくして御付きの執事やメイドを全て帰らせたアルが部屋にやってきた

「よろしく、スンマン」
サラサラと揺れる髪にまばゆい笑顔でスンマンの肩を抱くアルに………黙ったままのポジョンのこめかみに青筋がたった

※※※

……ざわざわざわざわざわ……

ホテル名物の《大晦日パーティー》の準備は整い、後少しで始まる午後5時すぎ……

蓮の部屋では圭織の携帯に電話をかけている、蓮がいた

「薬を使ったのかな?」
くすくす……と楽しそうに笑う蓮がいた

「二人でお楽しみ中に死ねるんだ……感謝してほしいな」


「アルも突然、帰っちゃったし」
くすくすと尚も笑いながらシャワーを浴びて、バスローブ姿でくつろいでいる


「蓮様……社長からいつお戻りになるかと連絡がありました」
執事が蓮に伝えれば途端に面白くなさそうにそっぽを向く


「そんな事は放っといていいよ」
「しかし……」
「僕に逆らうなよ」
「……はい、蓮様」

「今宵の準備は?」
「整いましてございます」
「くすくす……良かった」


蓮はアルミのブリーフケースを開けた

小さな小瓶が割れないようビロードの仕切りの中に仕舞われている

全部で20本はあるだろうか……


楽しそうな指が1本、1本、まるで鍵盤を弾くように撫でていく

「さぁ……スンマンはどれが好きかな?」

その小瓶の中身は様々な効能の薬だった

それこそ媚薬から毒薬まで……

つっ……と1本を取り出した蓮が、にんまりと笑った

整った顔立ちに邪悪な心の蓮の……暗い情念のままの微笑みが不気味に浮かんでいる


「今夜は記念日なるだろうね……」


くっくっくっ……
蓮のくぐもった笑い声が静かに部屋を漂っていた

※※※

「さっ、できましたよ~~~ピダム様お待ちかねのトンマンお嬢様です」

リビングに待っている男達(ピダム・ポジョン・アル)にタンシムがトンマンを押し出すように行かせると……

「トンマン! 綺麗だ~」
「お綺麗です、トンマン様」
「凄く素敵だよトンマン。花の妖精みたいだよ」
と、それぞれ褒めている


「次は、圭織さん。 雰囲気を変えるためお嬢様風にしました」

「ど…どうですか…」
おずおずと入ってきた圭織はタンシムの言う通り、お嬢様と言われても遜色無いほど気品に溢れていた

今までの心の棘も溶け、素直な本来の圭織に戻った事もあってこれ程の変身を遂げられた

いや、トンマンやスンマンという人に感動し、感心し、憧れた圭織はその瞬間から……生まれ変われたのだろう


※※※

さ、やっと次は大晦日パーティーです!
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Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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