⑥:冬企画【現代に続く新羅…スキー編】

クロの秘密を公開!
※※※

「がおっ!」
「ありがとうクロ」

膝から落ちたナプキンをクロが器用に口で拾いトンマンに渡す様子にピダムは感心していた

「クロは豹の天才だな」
「生まれた時は直ぐに死ぬかと思ったがな」
トンマンがクロの頭を撫でながら話し始めた

「脳の一部が生まれつき欠けていたのをスンマンが開発中だった薬と機械で補ったんだ」

「知能まで上がるとは思ってませんでしたが……良くて並、悪くて薬が合わずに脳が腐り果てるかと思ってました」
「ぶっ!腐り……朝っぱらから何て言い方だよ」

ピダムがスンマンを軽く睨むと、ポジョンが受けて立つように兄を見返した

「兄上がそんなに神経質だとは知りませんでした、てっきりナイロンザイル並の神経だとばかり……」
「ポジョン……睨むな、おっかないぞ! 全く女で人格変わるなんて知らなかったよ」

パン!パン!パン!
手を叩いたタンシムが賑やかにワゴンの上のフルーツを示して笑っている

「さぁ~さ、お嬢様方のお好きなフルーツですよ。腐り果てる前に食べてくださいね」

ぶっ!と吹き出して笑うトンマンに、拳を口に当てて…くつくつ笑うスンマン、そしてトンマンにつられて吹き出すピダムと微笑むポジョン……

「くっくっくっ………タンシムには敵わないな」
「お誉めの言葉ありがとうございます……で、今日はこういうのは如何ですか?」

朝食を運んだワゴンの下からタンシムが出したものは水着だった

「こちらはトンマン様にお似合いですし、こちらはスンマン様にお似合いですわ」
「プールか?」
「はい! 私もご一緒したいので午前はスキー、午後はプールというのは如何ですか?」

タンシムの提案で午前中はトンマンとピダムでスキーを楽しむことになった

「スンマン様は如何されますか」

二人と犬仕様のクロを送り出したスンマンはノートパソコンを手にしていた

「ポジョン、昨日このホテルのシステムに気になる所があったのだ……直してもよいか?」
「それは願ったりですが、よろしいのですか」

「ふふ……正直、私はラボ(研究所)で自由に研究している方が性に合うのだ」
「そうなのですか」
「くっくっくっ……幻滅したか? 消毒薬臭い私など」
ニヤリと笑うスンマンに首を振ってからポジョンは嬉しそうに笑う

「何が嬉しい……ポジョン」
「一つ一つ貴女を知ることができて嬉しいのです」
「////……ポジョン」

「私は貴女の事を何も知らずに恋をして……愛しています……これから少しづつ教えて下さい」
「//////……朝から恥ずかしくないか」

「いいえ、全然……言い足りないくらいです」

「////////……行くぞ」
「はい、スンマン様」
にっこり笑うポジョンと一緒にスンマンは支配人室に向かった

※※※

「上手くなったなトンマン」
「そうか!ならあっちの所で滑れるかな」

トンマンが指差した場所を見てピダムは頷いた
「大丈夫だろ……ただし俺と一緒だぞ」
「わかった」
ピダムがスンマンから渡された無線でSP達に連絡しゴンドラに向かった

中腹からのなだらかなコースを滑る二人は楽しくて何度も雪の上にシュプールを描いていた……

※※※

「Hello!」
「どうした?アル」
「……ねぇ父さん、スンマンが欲しい?」
「ああ……欲しいな、あの頭脳はもちろんだが、お前の遺伝子も兼ね備えた子供も欲しい」
「じゃスンマンを僕の妻にしていいんだね」
「無理矢理でもアメリカに連れてくればいい……女など抱いてしまえば大人しくなるさ」
「じゃ協力してよ」
「分かった」


電話で話していたアルが父親に昨夜のウィルスの事を聞くと、父親は知らなかった

《……じゃ誰だろう?……まるでスンマンを試したような……》

チャラチャラしてはいるが財団の後継者、観察眼は鋭いアルバートが疑問に思い……電話を切ったあと思案に耽っていた

しばらくして執事から蓮が部屋に来たと受けたアルが迎えた

「蓮、どうしたの」
「スンマンが居ないんだ……君、知ってる?」
「……ホテルからは出てないよ」

「……何で分かるの?」
「スンマンが何処かに行くと連絡が入るんだ」

「ふぅ~~ん」

蓮の瞳が細められた様子にアルバートの項がチリッと騒いだ

《これは……何かある》
動物的とでも言えばいいのか……アルバートは王子様然とした見かけとは裏腹に、本能で危険を避ける傾向にあった

「僕にも教えてよ」
「あれ~~もしかして蓮もスンマンの事が気になるの?」
冗談におどけて聞いてみれば、僅かに蓮の眼が動いた

《……もしかして僕に近づいたのはスンマンの事で?》

思いついた考えが確信に変わったのは蓮の眼が鋭く細められた瞬間だった

一瞬の仕草で次は穏やかな蓮の様子にアルも合わせて普段のチャラい自分を演じた

「ねぇ蓮、あの圭織って女はどう使うの?」
「あの女にはポジョンに淫薬を飲ませて既成事実を作れと言ってある」
「それをスンマンに見せるの?」
「ああ……ちょうどヤってる最中に見せれば彼女も離れるだろ……」

最初はそこまで考えていなかった蓮だが、昨日のカフェから去った二人の後をつけて……様子を伺い見てから……気が変わった

《あの二人……惹き合う想いが強すぎる。割り込む隙がなくなる》


……昨日、カフェから足早に去ったスンマンはエレベーターの前でポジョンを待っていた

そっとポジョンの後をつけ見ている蓮……

「スンマン様」
壁に寄りかかり俯いていたスンマンの顔がポジョンを見た

「ふふ……酷い言い草だな、私は」
「いいえ、ちっとも」
「なぜ?」
「最初に貴女の手を離し……貴女を悲しませたのは私です」

「……」
「私が手を離さなければ知らなかった筈の悲しみや苦しみや……辛さを、味あわせてしまった私の罪は消えません」

「ポジョン……」

スンマンの前に跪ずいたポジョンが手を取った

「あのバーで……寂しげな貴女の瞳が忘れられない……あんな瞳をさせてしまった私は罪人です」

「こうして再び貴女の手を取れるなど……本当は赦されないと……私は知っています」

「……赦されないならば、罪悪感でまた離すつもりか?」
「いいえ!!!」

思わず出た大きな声にも構わずに、人の目など意識にも無く……跪ずいたままスンマンの躯を掻き抱くポジョン

「貴女から離れれば私は生きていけぬ……貴女が嫌がろうともう離れられない……離れられないのです」
「ポジョン人が見てるぞ」

「どうでもいい」

「ふふ……気配りや常識を、周りとの調和を友としたお前が珍しいな」

「貴女に恋焦がれて、私は変わった……世界は貴女になり、貴女以外はどうでもいい……」

「何と見られようが、何と嘲られ謗られようが……貴女の傍に居られればそれでいい……」

※※※

「……ポジョン秘書室長」
支配人らしき男が通りかかり呆気にとられて見ている

冷静で社長の暴走を静かに抑えているポジョンの普段の人となりを知っている支配人は……呆然と口を開けて見ていた

その彼が女性を壁に押し付け、跪ずき抱き締めながら泣いていた

「……ようやく……私のものになったな、ポジョン」

女性の口から信じられない程の優しい声が彼にかかる……と彼は驚きながらも嬉しそうに微笑んだ

「立てポジョン」
「はい、スンマン様」
「部屋に戻る」

『ピッ』とエレベーターのボタンを押し開いた扉に二人は吸い込まれていった


「ポジョン秘書室長……大事な方ができたのですね、よかった」

支配人は嬉しそうに仕事に戻っていき、隠れて伺っていた蓮の拳は指が白くなるほど力を籠められ握られた

「スンマンを得るのは俺だけだ……ポジョン見ていろ」
憎々しげに蓮は呟いていた


………当の二人はエレベーターの中で………

「ポジョン……私のものだ」
「嬉しいですスンマン様……」
「……んんっ……」
二人は想いを通いあわせ抱き合い、唇を繋ぎ、舌を絡ませ……深く、深く絡みあい……次第にスンマンの足から力が抜けていき……ポジョンが抱きしめ支えていた……

※※※

「ねぇ、プールに室長来るの?」
ホテルのプールに山下圭織の声が響く

「僕、泳いでくる」
圭織に辟易しているアルが素早く逃げた

「もうすぐ来るから待ってろ」
「はぁ~~~い」

黒のビキニを着ている圭織は、蓮達から離れたプールサイドに置いてある長椅子に寝転んでいた

何も知らない男達がナンパしてくるのを鬱陶しがりながらも……いい気分な圭織

「どっから来たの?一人?……なら俺達と遊ぼうよ」
「ジュース買ってこようか?」

ワイワイと囲まれて悦に入っていた圭織は入口からポジョンが入ってきたのを見つけた

「あれは……社長?」

ポジョンの後ろから眼鏡もない、会社でのオールバックもほどいてラフな髪のピダムを見つけて圭織の胸は高鳴った

ポジョンもピダムも水着の上にTシャツを着ているが、その逞しい体は十分他の女性客の熱い視線を集めている

《室長夫人より、やっぱ社長夫人でしょーーーーー!!!》

蓮から貰った薬はちゃんと持っている

小さなポーチの中を確かめて圭織はニンマリ笑った

「ねぇねぇ~~ここに俺ら泊まってっからさぁ~」
「部屋で飲まない?」

ナンパの男達が邪魔になった圭織は入口を指差して、男達の注意をそっちへと向けた

「うっわ!」
「なんだよ、あの女達……モデルか?女優か?」
「3人ともいいけど……真ん中と左の二人がピカイチじゃん」
「すっげースタイル……むしゃぶりつきてぇ~~~」


男達の視線を集めた3人とはトンマンとスンマンとタンシムだった

トンマンとスンマンは煙るようなモスグリーンのデザイン違いの水着で、タンシムは黄色の水着が其々の肌を惹き立たせていた

トンマンはレースが可愛いワンピース型で、肌の露出を嫌がるからかパーカーをしっかりと着ている

タンシムもトンマンと同じ水着で色違いだった

スンマンは大胆にビキニで入ってきたのを、気がついたポジョンが慌ててパーカーを着せている


5人はプールサイドに並ぶ寝椅子に荷物を置き、軽く体をほぐしていた

スンマンだけは髪を纏めてなかったからか、ゴムを口にくわえ両手で結おうとしては失敗していた

見かねたポジョンが器用にポニーテールに結い、後ろに垂らした髪を三つ編みにした後クルクルと纏めた

笑いあう二人がゆっくりとプールに入り泳ぎ始めた

※※※

「ぴ…ぴだむ…はなっ…離すなよ…」
浮き輪をしっかりと掴んだトンマンをピダムが引っ張りながら泳いでいた

「私は泳げないのだ……」
「今日は水に慣れるくらいでいいさ」
「ピダムは泳げるのだな」

浮き輪を引っ張るのを止めたピダムが水の中のトンマンの腰を引き寄せた

ニヤリと笑う精悍な浅黒い顔が頼もしい……

「俺は何でも一通りはできるよ」
「一人で泳ぎたくなったら言ってくれ、私は上がって待ってるから」

「トンマンと一緒じゃないと泳ぎたくない」
「だが……」
「俺一人なんて嫌だ!!!」

ギュッと両腕でトンマンの細い腰を抱いて支えるピダムに、トンマンはガバッと浮き輪に顔を附せた

「どうしたの?」
「……む~~~……」
唸りだすトンマンにピダムがあたふたと慌てていると、見かねたスンマンが近づいた

「姉上は恥ずかしがり屋なんだ……特に男の裸に免疫がない」
「ああ……朝も叫んだもんな」

ピダムが納得したように頷いた

「姉上……しばらく上がりますか?」
「うん」
こくりと頷くトンマンを連れて泳いだスンマンが二人でプールを上がった


「兄上……」
「すまん すまないポジョン……謝るから、そう睨むな」
「なら兄上が飲み物買ってきて下さいね」
「え゛! おい、ポジョン!!!」


ポジョンがさっさかプールを上がりスンマンの傍に行くのをピダムは呆れて見送った

「女など興味なさそうな奴だったのになぁ~~~」

だが気配りばかりで常に自分を抑えていた弟が、自然に我を出す様子がピダムには気持ちよかった……

※※※
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すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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