⑤:冬企画【現代に続く新羅…スキー編】

現代版らしくパソコ~ンとハッカースンマン登場(笑)

※※※

「ポジョン様!」
内線の電話で呼び出されたポジョンがホテルの支配人室に出向いていた

時間は夜の12時を済んでいるが、休暇で来ているポジョンを呼ぶほどだ……よっぽどの事だろう

「どうした支配人?」
「大変なことが起こりました」
「何があった」
「これを見て下さい」

30代の支配人は以前から真面目な仕事振りで、何事かあっても動じずに対処できる人物だった

だが、電話でもそうだったが切羽詰まった動揺が声にも態度にも現れている

指し示されたパソコンの画面が……原因だった

パッパッパッとフラッシュのように目まぐるしく変わる画面は異変が起こっているのは明らかだ

「現在お泊まりのお客様も明日からの予約のお客様も……何も判らなくて」
「ウィルスか……修復できる者はいないのか?」
「いつも頼んでいる会社も年末ですし、夜中の今……無理です」
「心当たりの方にお願いしてみる……このまま待て」
「はい」

支配人室から出たポジョンは真っ直ぐスンマンに会いに行った

眠っていなかったのかドアをノックしたら直ぐに出てきたスンマンが事情を聞いて行動に移った

「こういうホテルならパソコンを使えるように何台も置いてある部屋がないか?」
「あります」
「じゃそこのパソコンを三台寄せて配置してくれ」
「支配人に連絡します」

携帯で連絡してる間に警護の一人に荷物を取らせに走らせたスンマンがノートパソコンを持って歩いていく

ポジョンとスンマンがその部屋……インターネットルームに着いたとき支配人と数人の従業員が繋げ終わった所だった

スンマンは持ってきたノートパソコンを繋ぎ指をほぐしている

「ポジョン……皆を部屋から下がらせてくれないか?」
「はい、スンマン様」

下半分が磨りガラスに囲まれた部屋の中で、物凄いスピードでキーを叩きホテルのシステムに難なく侵入したスンマン

支配人と従業員数人が上の透明なガラスの方から中を伺う


四台のパソコン画面がフラッシュしているなか……スンマンの指がキーを叩く音だけが響いている

「どうなった」
「兄上」
ピダムとトンマンも見に来た
此方からはスンマンの後ろ姿しか見えないが微動だにせずキーを叩く手だけが動いていた

警護の者がスンマンに頼まれた物を持ってきた

「ポジョン、お前が持っていけ……そのままスンマンの側にいろ」
「はい兄上」

部屋に入ったポジョンは初めて画面を見るスンマンの顔を見た

「!!!」
《意思が……あの強い意思を持った瞳が……ただの硝子玉のようだ……》

邪魔をしないよう渡された鞄を開けるとスンマンの手が伸び黙ったままノートパソコンに繋がれた

五台のパソコンの画面が一秒毎に違う画面に変わり……しばらくして一台、また一台と画面が安定していく……


「10分経ったな……」
トンマンが心配そうに呟いた

「時間が何かあるのか?」
「30分を越えると感情が戻りにくくなるんだ」
「感情が?」
「ああ……休めば戻るが時間がかかる。無表情なスンマンが私には……見ていられないのだ」
「おっ! 終わったぞ」

五台のパソコン画面が正常にホテルの予約客を表すなか……スンマンの手がキーボードから離れ、側にポジョンが跪ずいた

「大丈夫ですか?」
声に見下ろすスンマンの硝子玉のような瞳がポジョンを捉えた

「……」
「スンマン様……」
ただ目に写るものを見ているだけのスンマンの両手をポジョンは握りしめた

「冷たい……」
部屋は十分に暖かいのに……ポジョンは不思議だったが冷たい手を一生懸命に温めた

「……あっ…たかい……な……」
ぎこちなく綴る言葉にポジョンの顔が心配そうに曇る

「…ぽ…じ…ょん…」
「はい、スンマン様」
「…さ…む……い……」
「寒いですか?」
慌てて額を触り、頬を触るポジョン

自分が着ていたカーディガンをスンマンに着させて背中を撫でている

「熱は無いですが今から上がるという事も……御側についていても宜しいですか」
「……うん……」
まるで幼い子供のように頼りなくなったスンマンを抱き上げたポジョンが部屋を出た

「兄上、トンマン様を部屋にお連れして下さいね!頼みましたよ」

「姉上が……居られるのか! ………ポジョン降ろせ」
降りたスンマンが少しふらついたのを支えたポジョンはピダムを睨んだ

「兄上、スンマン様が心配されるから先にトンマン様を部屋にお連れして下さい!!!」
「あ・ああ……」

「トンマン様も大人しく兄と部屋にお戻りを……クロも来てたのか」
「がお」
「トンマン様を頼むぞ……スンマン様が無理をなさるから、早くお戻りを!!!」

ポジョンの迫力に二人と一匹は部屋にあたふたと戻っていった

「正常に動いているか?」

支配人に聞けば大きく頷いている……安心したスンマンを再び抱き上げたポジョンが部屋に戻っていった

※※※

「おっかね~…ポジョン」
「良い奴だなポジョンは」
帰りのエレベーターの中、トンマンが嬉しそうに呟いた

「スンマンを本気で案じていた」
「男は惚れた女の為なら何だってするさ……ポジョンは本気中の本気だからな」
ニヤリと笑う浅黒い美貌のピダムにトンマンが見上げながら呟いた

「ピダムは?」

「俺だって……トンマンに本気も本気!!! 大本気だよ!!!」
「……ふざけてないか?」
「……トンマンになら命だってやるよ……何だってやる……惚れてるんだトンマン……」
「ぴ…ぴだ…む……んっ~」

低く艶やかな声と黒曜石の瞳に星が散りばめられ……トンマンは優しく抱きしめられて……深く口付けを受けた


「……んっ……」
「……惚れてるよ………トンマン……」
角度を変え、何度も重なる唇にクロはボタンを押してエレベーターを途中で止めた

恋人達はそんなクロに笑いあい……再び寄り添ってキスを楽しんだ

「がふぁ~~」
クロが欠伸をして寝てしまうまで……

※※※

「あれ……私達が先でしたね」

ベットにスンマンを寝かせて電話で氷枕を頼んだポジョンは額に手を置き熱をみた

「ポジョン……」
「はい、スンマン様」
「私は……普通とは違う」
「どのように……ですか?」

一点を見つめたスンマンが自分が生まれた経緯、天才と呼ばれ利用しようとする者がいることを話した

「……ポジョン……」
「はい、スンマン様」
「嫌なら離れていいぞ」

ぽつりと呟いたスンマンは先程のように無表情だった

「好きです……貴女しか見えない私に……何処へ行けと言うのですか?」
「さっきも見ただろう……私は機械のようなものだ」

「ふふっ……こんな魅力的な機械なら家に連れ帰り離れません」
「な……」
驚くスンマンにポジョンの真摯な目がぶつかった

「どんな貴女でも、貴女は貴女だ」


「私の心を掴んで離さない……魂さえ貴女が欲しがれば捧げます」
「ポジョン……」

「私の世界は貴女になり……私の望みも貴女になり……私は……貴女にだけ狂い焦がれています」
「ポジョン……」
「スンマン様」

二人の唇が重なり……深く口付けを交わした

※※※

トンマンとクロを部屋に送り代わりに出てきたポジョンと部屋に戻った二人は今回の事を話し合った

「スンマン様が仰るには、ウィルスにしては単純だと」
「単純?」
「ホテルの中だけで収まるように予めプログラミングされていたように感じたそうです」

「なぜだ……ホテルのオンラインは本社へと繋がっている!……嫌がらせや脅迫なら本社こそ狙うだろうに」

「スンマン様は…もしかしたら自分の実力を試されたのかもと話されてました」
「スンマンの実力……」

ピダムの黒い瞳が闇色に覆われていく

考え事をしている時の兄の癖を熟知しているポジョンは、ただ静かに思考が終わるのを待っていた

《ある意味、兄上とスンマン様は似ているのだな》

ふっ!と元に戻ったピダムの顔が険しく、片眉がつり上がっている

「ポジョン、スンマンから離れるなよ」
「なぜ」
「惚れてるんだろ?……今回の事はスンマンが感じた通り彼女の実力を見たんだろう」
「それで兄上はどうお考えですか」

「スンマンが拐われる可能性と其れを餌にトンマンをも狙う事も考えられる」

「!!!」

「兄弟でやっかいな女達に惚れちまったな」
「ふふっ、厄介だなどと思ってもいないくせに」
「そりゃそーさ……一生で出逢えるかどうか分からない女達に、一生で唯一の女だ」
「ええ……スンマン様が得られるのならば他に何もいりません」
「トンマンが俺の全てだ……他はいらねぇー」


「では、今夜から警戒しないといけませんな」
ムンノが二人を見て意味ありげに微笑んでいた


「爺さんは寝てなよ……ってか今までイビキかいて寝てたろ」
「よく眠れました……ですから今から私が警護します」


「貴殿方には昼間、嬢様方を守って頂きます……ですから私は夜に見張りに立ちましょう」

言い置くとすたすたと部屋を出ていったムンノが隣のスィートの部屋の前に仁王立ちする

「ま、爺さんの言い分もわかるしな……寝るぞポジョン!」
「あの方は我々を認めてくれたのですかね」
「はっはっはっ……非常事態にそんな事言ってると睨まれるぞ、爺さんに」
「そうですね」

明日に備えて二人が寝息を立て始めた頃、外に立つムンノは堪えきれず微笑んでいた

「嬢様方は男を見る目がおありのようだ……御自分の魂までも愛する婿殿を捕まえられた」


「爺は安心しました……が、新羅家の婿殿として鍛えるお役目はこのムンノのものですぞ」

ふっふっふっ……はぁ~はっはっはっ……

廊下に響くムンノの笑い声に開いたドアからトンマンが顔を出した

「爺!!うるさい、何時だと思ってる」
「おお、申し訳ございません」
「部屋の中で警護しなさい……他のお客達に迷惑がかかってはいけないからな」
「さて、では嬢様方の部屋で警護しますか」

部屋に入るとクロが一つしかない出入口のドアの前に座り込み眠ったように丸まった

「私は寝るぞ」

トンマンがスンマンの眠るキングサイズのベットに入り、二人仲良く眠った

「小さな頃からお変わりのない仲の良さだ」

警護のSPに無線で連絡して固めるとムンノは大きな窓から外を眺めた

その夜は静かに更けて……過ぎていった

※※※

「おーい!朝だぞ~~~」
トンマンとタンシムが朝食のワゴンを隣のスィートに運び込んだ

両側の寝室で眠る兄弟をトンマンとスンマンが其々起こしに行った

「おはよーピダム!さっさと起きてスキーするぞ!!!」
シャ~~~とカーテンを開けば眩しい朝日がピダムの眼を襲った

「う~~~ん……あと5分……」
「食事が冷めるぞ……ならば、こうだ」

ベットにダイブしたトンマンが、ピダムの真上に落ちてきた

「ぐふっ……」
「はっはっはっ!これで起きない奴はいないぞ」
「分かったよ……起きるよ」

ベットに起き上がったピダムの肩からシーツが落ちると……浅黒い逞しい上半身が露になった

「う゛ぎゃあ~~~」
トンマンが真っ赤になってリビングに戻るとピダムも直に服を着て現れた




「……ポジョン」
暗い部屋のカーテンを少し開くとポジョンが呻いた

「ふふっ……」
側に腰掛けポジョンの頬に唇をつけたスンマンが体を離そうとすると、腕を捕まれ引き戻された

「いい目覚めです………」
ポジョンが体の上にスンマンを乗せて抱きしめている

「ふふ……何故だ」
「貴女の顔を最初に見れた」
「くっくっくっ……いいから早く起きろ、朝食が冷めるぞ」
「はい、スンマン様」

ベットに起き上がったポジョンの肩からシーツが落ちると逞しい上半身が露になった

「意外に鍛えてあるんだな」

ニヤリと笑いながらリビングに向かうスンマンがトンマンの悲鳴を聞いて……腹を抱えて笑っていた

※※※

やっとスンマンとポジョンがくっつき始めました

次回は【プール】を出したいです(笑)
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Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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