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あけおめ企画:【秘書な私…】

女の子してて切ないスンマンを書きたくて……

※※※

美室財団秘書室……専務秘書。

それが私の肩書き

秘書室の何十人の中から新人の私が……何故か抜擢され専務秘書として働いている

トンマン先輩の厳しい指導で仕事はできるようになれた……

「はぁ~……」
私は今、ホテルのバーでカクテルを前に溜め息をついてる

仕事はやりがいを見いだして充実している……だけど……

カクテルのグラスを眺め物思いに耽る……あの人のことを

「今頃……専務は……」

そう、秘書な私は何でも屋だ

ポジョン専務が恋人と会うホテルの部屋の手配もルームサービスで届けさすシャンパンや料理も……私が手配した。


いや、恋人の何とか言う女優を撮影現場からホテルの部屋まで届けたのも私……

部屋の奥から迎えでた専務の笑顔が頭にちらつく……

やるせなくて……そのまま夜景が自慢のこのホテルのバーに来ていた。

纏めた髪を解して、パンツスーツの上着を脱いでカウンターに陣取った

いつからかな……専務のことが気になったのは……

私はどうせ『論外な女』なのに……恋なんてしないって誓ってたのに、どうして……

繰りごとの愚痴が頭を回る

私の初恋は中学の頃……気になる男子が放課後、仲間と私の事を話していたときに言っていた。

「スンマン?……あんな武道して強いわ、背が俺よりデカい女なんて論外でしょ~~~」
「そうだよな~~」
「論外、論外~~~」
「ぎゃははははっ」

正直、ショックだったけど事実なんだし……世の中で一人くらい私を愛する人はいるだろうと必死で自分を慰めてた


そんな事もしてたけど……決定的だったのはアメリカに祖父の知人の家にホームステイしたときだった

「俺の取り巻きにもできない女だ……論外な女だよな」
金髪碧眼の王子様みたいに綺麗な人に言われたら……

認めるしかない……

「私は論外か……」
あれから何年経とうと心の奥の柔らかい襞の中で、硝子の破片を埋め込まれたみたいに不意に痛むときがある


くぃっとカクテルを飲み干すとお代わりを頼んだ

火照った頬に髪が当たって……煩くてかきあげる

「スンマン?」

直ぐ近くで声がした……聞き覚えのある声

「アルバート・フォレスト」
金髪碧眼の王子様みたいな綺麗な男が立っていた……女を連れて

「久しぶり!っていっても先週も会ったな」
「……」
「今夜はどうして此処に?」
「酒を飲みに……悪い?」
「悪かないけど……一人でか?」
「ええ……誘われる人もいないから」
「じゃ、俺と飲もうよ」

あっけらかんと笑って言うアルバートを睨み付けた

「いやだ!」
「なぜ?」
「彼女と来てるんだから彼女を構いなさい!……私は一人がいいの」

「彼女?違うよ~~~暇つぶしに誘っただけ」
「何よそれ~~~」
後ろにいた女性が金切り声で抗議するのに辟易で……アルバートを睨む

「女性を大事にしないといつか刺されるわよ」
仕事用のダテ眼鏡を外して、まだ続くキンキン声に頭が痛む

「彼女とあっちで飲んでよ」
「すぐ戻るから此処にいろよスンマン」
「さあ~…」

二人が店を出たのを確認してカクテルをゆっくり味わう

※※※

「スンマン!!」
「本当に来たの?」
「ああ、君を一人で飲ませるなんて僕にはできない」
「ふん!……騙されないわよ」
「何が?……いつも思ってたけど僕なんかした?」
「諸悪の根元はアンタよ」

首を傾げてまじまじと見るアルバートが憎らしくなる

さらさらな金髪が揺れて青い瞳が驚いている……そんな顔もカッコいいなんて美男は得だわ

「私は論外なんでしょ?……構わずにデートしてれば?」
「論外?」
「アンタの取り巻きにもできない《論外な女》って言ったんだから……あの時点で私はアンタに近づかない事に決めたの」

「……覚えてるよ……」
《ホームステイに来た日本の女の子……会うまで馬鹿にしてたが……あんまり綺麗で驚いた僕はわざと君に酷いことを言った》

《君はひどく傷付いた顔して青ざめて……僕は罪悪感で一杯になった》

「謝るよ! 跪ずいて謝るよ……だから許してほしい」
席を立つアルバートを押し戻した……そんな目立つことしてほしくない

「やめて……謝られても……事実なんだし……私は……私……1つも魅力なんて無いから……」

言ってる間に、不意に目頭が熱くなり鼻の奥がツンとした……酔ったのかな?

目に溢れそうな涙を隠したくてアルバートとは反対の方へ顔を向けたら……

ちょうど入口からポジョン専務と恋人が入ってきた。

肩を抱き優しくエスコートする専務に私は恋人の女優が羨ましくて……羨ましくて……瞬きすると涙が溢れた

《身の程知らずとは私のことか……》

専務に見つかりたくない……今更だけど顔を反対に向けたら真正面にアルバート……

「スン…マン……泣いて……」
おろおろと狼狽するアルバートが可笑しい……

昔から連れ歩く女には事欠かないし、見る度違う人を連れてるアルバートが震える指で私の涙をぬぐう

その指から顔を背けバーテンに会計を頼んだ……もう此処から出よう

「僕が払うよ」
「自分で払うからアンタはもう行って……」
「嫌だ……このまま別れたら君は俺に心をくれない」
「な……何言ってるの?」

不意に腕が体に絡み付き、頭の後ろに回された手が引き寄せられ……唇が重なる

「んんっ……やっ……」

ここはホテルのバーで、混んでいないとは言え他の客もチラホラいるのに!!!!

専務に見られたら恥ずかしい……そればかり頭に浮かんでる

「いや!!」

いくら武道をしていてもこんな展開に動転するだけの私は頭を振って腕を突っ張り、また近づく唇と身体を避けるだけ

それでもアルバートの細身だが鍛えた身体にはビクともしないのが悔しい

「止めて!……嫌だ……」

「止めないか……嫌がってるじゃないか」
聞き覚えのある声が……後ろから降ってきた

「専務……」
驚いた私は一瞬で力が抜けて……

※※※

呆然と見上げた私に専務が訝しげに見つめる

男にキスされて慌てふためくだけの自分が恥ずかしい……

たかがキスで……だけど初めてのキスで……24にもなって大人の女性として振る舞えない自分が恥ずかしい……

「大丈夫です。ありがとうございました」

頭を下げ荷物を持って店を飛び出した。

「あっ…会計!」
一旦戻りそろそろと入口で会計をしようと近づく私をアルバートが近づいた

「スンマンは真面目だから此処に居たら戻ると思った……払ってあるから大丈夫だよ」
「それ以上近づけば……今度は遠慮しない」
「へぇ~~どうするの」
構わずズンズン近づくアルバートの腹に拳を入れ、返す手で首に手刀を入れる寸前で止めた。

腹の一撃も加減したから少し痛がるくらいなアルバートを睨んだ

「私は遊びでああいう事をする男には虫酸が走る……今は手加減したけど今度は本気で打ち込むから」

言い終えて帰ろうと歩き出した私に……
「僕は本気だよスンマン……君が誰かに恋し始めた事を知らないとでも?」

左右の暗がりから黒ずくめの男達がばらばらと現れた

※※※

私を専務と呼んだあの女性……

入口の前で目を惹かれた艶やかな黒髪の女性が、私を見て涙を流した

理由が知りたくて見つめていたら隣の男にキスされて……嫌がってるのを見たら体が動いていた

慌てて去った彼女が気になり……連れを置いて店を出た。

金髪の男の後をつけてみれば……真面目な娘なんだな会計をしに戻ってきた

……スンマン…?…秘書の?……あんな綺麗な女性だったのか?

見ている間に両側のカーテンの暗がりからばらばらと男達が現れて彼女を囲む

「危ないな」

腕に自信はあるが人数が多いし……たぶんSPなんだろう、動きが訓練されたものだ……彼女だけでも助けたいと走り出した

※※※

「……もうおしまい?」

ぱんぱんっと手を打ち服を払うスンマンの回りには床に転がるSPがいた

「アルバート……友人ならば会うがそれ以外なら二度と私の前に現れるな」

「諦めないから」
微笑みながら悠然と去っていく後ろ姿を見送るとパンパンと拍手が響いた

「え?」
「強いんだね……」
振り返ると専務がいて、ニコニコ笑って床に放り出した私の荷物を持っている

「少し落ち着かないと……」

肩を優しく抱かれてエレベーターに乗せられ部屋に入った

ルームサービスでコーヒーを頼む専務の声を呆然と聞いていた私はハッと我に返る

いけない……専務のプライベートを邪魔しては!!

ダテ眼鏡をかけ、髪をクルクルと纏め上着をキチンと着た私は鞄を持ち部屋を出ようとして……止められた

「やはりスンマン君だったのか……その格好だと分かるよ」
「申し訳ございません……直ぐに失礼致します」
「焦って出なくていいよ」
「いえ、秘書が専務のプライベートを邪魔しては……あの……専務、恋人は?」
「ああ……忘れた」
背広の中で携帯が鳴って出た専務が掌を私に向け黙っているよう促した

「恋人はいなくなったよ」
「は?」
「置き去りにされて怒って別れると言われた」
ニコニコ笑ってる専務が分からない

「もう我儘に振り回されるのも飽きたし……本気じゃないからいいんだよ」


……専務って女の敵な人種だったのね……

「アルバートと一緒だ」
私の呟きに専務の目が鋭く細められた

アルバートの名で不意に唇に感触が蘇って……嫌悪感で手の甲でゴシゴシ擦っていた

ふかふかのソファーに座らされ、そのまま専務が横に座っても私はゴシゴシ擦っていた

「止めなさい、唇が腫れてしまう」
専務の手が私の手を掴んで外す

「もしかして……キスは初めてだったの?」
「……はい」
「スンマン君は幾つだった?」
「24です」
「今まで彼氏とかは?」

「……いません」
俯く私の顎に専務の指がかかり……上向かせて……チュッと唇が重なった

びっくりして目を見開いた私の眼鏡をとり、髪をほどいた専務の手が……髪を鋤くの感じて……

「消毒してあげようか?私で良ければ」
「え?」
近づく専務の顔が……唇が重なって……舌が口の中に入ってきて……

「……んんっ……」
嫌じゃない……むしろ信じられないくらい幸せで……躯から力が抜けてしまう

差し込まれた舌が口の中を思うまま……だけど優しく蠢き……私もおずおずと触れてみた

「……んっ……」
触れた途端、一気に絡め取られ息もできないほど吸われて……頭が真っ白になっていく……

どれだけ口付けていたのか……専務の唇が離れたのも気づかずにボーッとしてる私の髪を指に絡ませて笑っている

「消毒になっただろう」
「……はい」
「これが君のファーストキスだからね」
「‥‥‥はい」
「私と付き合わないか?」
「……はい……え゛っ!!!」
「ちゃんと返事したね。キャンセルは受け付けないよ」
「いえっ!あの!……私は専務のお相手などできないです」
「私だと不満かな」
「不満なんて!……違います!専務にはもっと綺麗で大人な女性がお似合いだから……」
語尾が小さくなる

「私は男性には《論外な女》ですから」
「《論外な女》って何?」

私はこれまでの事を話した

※※※

驚いたな……
自分の魅力に気がつかずに生きてきたのか……

中学の時も、ホームステイした時も、きっと相手は君を意識した照れ隠しで言っただけだろうに……

艶やかな黒髪に切れ長の大きな瞳が美しい……

面接のとき、たまたま見かけて気になり自分の専属にした

キチンとした仕事ぶりも細かな配慮も彼女を得たことに満足を得られた

どんどん予定を任せて今は彼女がいないと私は自分の予定が組めないほどだ

美しい……とは思っていたが、いつも控えめに目を伏せている彼女を間近で真正面で見たのは初めてだな……

手に入れたい……

「君は自分の美しさを知らないだけだよ」
「あの……」
「私が気づかせてあげるよ」
ニコニコ笑う専務……私でいいのかな

「お試し期間は1ヶ月」
「お試し?」
「そう、私が君の恋人にふさわしいかどうか、君が1ヶ月後に決めていいよ」
「1ヶ月・・・・・それまでは私が専務の恋人」
「もちろん、同意がなければキス以上はしないよ・・・どうかな」

夢のような専務の言葉に・・・・・私は頷いていた

1ヶ月の恋人・・・たとえそれ以上は付き合えなくても・・・専務に恋人として夢がみれれば私は・・・

「よろしくね、スンマン」
額にキスをされて私はまた真っ赤になって俯いた

*****
すいません!  どうしても書きたくて書いちゃいました!
でも、この1ヶ月の恋人って設定にまたハマりそう・・・
いやいや、次は現代版を書きますから!

今年もよろしくお願いします
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すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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