②《 お前のそばに・・・ 》

第2話です。

色々とキャラが絡んできます(笑)

ちょっとここで整理を・・・・・前の高麗では親子だったソ皇子様とユ皇后ですが、このお話では本妻と愛人の子になります。

ワン・ヨとジョンは、本妻(ユ皇后)の息子です。

では、どうぞ。。。






私たちは、お互いの事を何も・・・・・・知らない。

お前が今まで、どんな風に生きてきたのかも・・・・・・・知らない。


1,000年前の高麗で出会ったお前が、私の・・・・・・ただ1人の人だった。

あの絵の前で、私は思い出したのだ・・・・・・お前を愛し、お前に愛された記憶を・・・・・・・幸せな記憶を。。。


華奢な手を握り連れてきたのは車の前、戸惑うお前の手を強く掴んで中へと乗り込んだ。

「あの・・・・この方は?」
秘書のジモンがキョトンと私を見るが、驚いたのはハジンから出た言葉だった。


「ジモンさん!? やだ、嘘っ! やっぱり縁て続くんだぁ〜〜〜」
「あの・・・・・お嬢さん? 確かに私はジモンと言いますが、どこかでお会いしましたか?」

「・・・・・・もしかして記憶がないんですか?」
キョトンとジモンを見つめるハジンの横顔に、胸がキュンと騒ぐ・・・・・・ああ、可愛い。


「ジモン、私の部屋に向かえ・・・・・早く」
「はい、かしこまりました」

ジモンが助手席に移動し運転手に指示を出せば、滑らかに車が走り出した。。。

何か言いたそうなヘス・・・いや、ハジンを見つめ返してやる。

「どうした?」
「えっと、何から聞いていいのか分かりませんが、質問がいっぱいあります」

「私もだ・・・ だから夕食を食べながら話そう。 いっぱいある質問も、ゆっくりと、2人きりで話そう」


微笑みながらそう言うソ皇子様・・・・・ううん、ジョンウさんは、うっとりするほど美しい。



記憶にあるソ皇子様は顔に傷があり、その事ですごく辛く悲しい思いをしていたけど・・・・・ジョンウさんの顔には傷なんて1つもない。


・・・・・・辛い思いなんかしてないのかな? それなら良いんだけど。

あの時代と違って、両親に愛される普通の子供として、幸せに育っててほしい。

兄弟がいるのなら、仲良く・・・・・笑顔で日々を過ごしていてほしい。



1,000年前、私が “ そうあって欲しい ” と祈っていたように・・・・・家族を愛し、家族に愛される幸せな子供として・・・・・・


ずっと握られてる手を、私も握り返せば・・・ 気づいたジョンウさんが、ニコッと微笑んでくれた。


「さ、ここだ」
「ふぇ? ・・・・・・・こ、ここ・・・ですか???」

連れてこられたのはホテルのような豪華なマンション。 ロビーにはコンシェルジュがいて、きちんと挨拶をしてくるんだよ?

ジモンさんを先頭にエレベーターに乗りこむ私達。

最上階で止まったエレベーターを降りれば、すぐにドアがあって・・・・・・中に入ればそこには、いくつもの部屋がある豪華な・・・・・・・

きっとジョンウさんは、財閥の息子なのね・・・・・・1,000年前は皇子様だった人だもの、そりゃそうか。


「夕食の用意は今、させております。 すぐにこちらに運ばせましょう・・・」
ジモンさんの態度も恭しいけど、私の頭はジョンウさんが何者なのか?っていうハテナでいっぱいになってた。


「ジモン、隣で控えてろ。 夕食はハジンの頭の疑問に、答えてからだ」
「かしこまりました」



「おいで、こっちだ」
ずっと繋がれている手を引かれ、リビングに連れてかれた私は、大きくてフカフカのソファーに座らされた。

ピッタリと隣に座ったジョンウさんは、掴んでた私の手にチュッ♡と、口付けた。


「何が聞きたい?」
「あのっ、あのっ! ジョンウさんは、何者ですか? どうしてジモンさんが秘書に? ううん、それより・・・・・・・幸せに育ちましたか?」

「ハジン・・・ お前は」

“ 幸せに育ちましたか? ” お前は、昔から私の事を案じていたな。

今も心配になったんだろう? 私の子供の頃が、“ 愛された子供 ” だったのか。


・・・・・・・昔から、お前は私の事を・・・・・想ってくれる。

今も、その大きな瞳で心配そうに私を見つめてくれる・・・・・・・1,000年前と、同じに。

お前のその瞳で、私の胸は暖かなものが溢れ、包まれていく。

だから正直に言おう・・・・・・お前の疑問に、正直に・・・・・・


「私はワン・ジョンウ・・・・・ワン財閥の直系になる。 ただし私の母は愛人で、私を産んですぐに私を捨てた」
「え?」

「DNA鑑定で父の息子と確認が取れた8歳のとき、施設からワン財閥の本邸にやってきた」
「・・・・・・・」

「本邸では父の本妻とその息子2人がいて、本邸に来たときから『愛人の子』と蔑まれて育った」
「・・・・・・うっ・・・・ひっく・・・・・」

・・・・・・どうした? ハジンが、ポロポロと涙をこぼしている。

「・・・・・・どうして? どうして? いつもいつも・・・・どうして・・・・・」
「ふっ・・・・・・悲しむことはないんだ、ハジン」


そう言ったジョンウさんが、私を優しく見つめてくる。


「私には、不思議なことがあった。 ・・・・・・施設にいたときも、本邸に連れてこられたときも、異母兄弟たちに罵しられたときも・・・・・・・本妻から体罰をくらったときも、不思議と悲しいとは思わなかった」

「どうしてですか?」

「私が悲しいと思うとき、どこからか声が聞こえたり、ある時は温かな風が・・・・・抱きしめてくれたんだ」
「声や、風が?」

ああ、そうだ・・・・・いま思えばその声は、お前のものだったのだな。


『・・・・・あなたが悲しいと思うとき全てに、私がいたら良かったのに・・・・・』

・・・・・・・1,000年前、お前はそう言ってくれたな。 きっとお前のその想いが、私を悲しみから守ってくれたのだ。


「今度は、私が聞く番だ。 お前は、どこまで覚えている?」
「・・・・・・・あなたと出会ってからの全てを、思い出しました」


そう、あの絵の前で思い出したの・・・・・パチン! パチン! と、シャボン玉が弾けるみたいに記憶が次々と、甦った。

「お前は、この世界の者だったのだな?」
「はい・・・ 湖で子供を助けようと飛び込んで溺れたんです。 気がついたら茶美園のお風呂場にいました」

「それは、つまり・・・」
「あの時代のヘスという少女と、魂が入れ替わってしまったんです」

「そうなのか・・・ 不思議な事もあるものだな。 だがおかげで、私は・・・・・お前の愛に救われた」
「大袈裟です・・・ 私はただ、あなたを・・・・・・愛しただけです」

「・・・・・・ヘス・・・・いや、ハジン」


・・・・・・・この瞳だった。 ・・・・・・真剣で、熱く、私を求める目。

顔を傾けながら近づくジョンウさんに、私も目を閉じた・・・・・・・んだけどね〜〜〜



「お食事をお持ちいたしました。 ・・・・・・って、え?ええ? えええ???」

ジモンさんがワゴンにいくつもの食器をのせて運んできたんだけど、それはちょうど唇が触れあう寸前で・・・・・・


「・・・・・・・無粋だな、ジモン」
ポツリと呟いたジョンウさんが、離れていくけど・・・・・・・クスクス。。。

声とは裏腹に、ものすっごくムッとしてる・・・・・・クスクス・・・・・・


昔もそうだったなぁ〜〜・・・・・チェリョンやスジンにキスを邪魔されて、ソ皇子様は殺気バンバン飛ばしてた。



クスクス・・・・・小さく笑うハジンの笑顔が、眩しい・・・・・・

楽しそうに笑うハジンに、目が離せない・・・・・・ああ、ああ、ああ・・・・・今、やっと、お前がそばにいると、確信できた。


正直、私の記憶はまだ曖昧だが・・・・・ハジン、お前を愛した気持ちはハッキリと覚えている。


ハジン・・・・・私の、人・・・・・・離さない、決して・・・・・・離しはしない。。。






「ふん、コ・ハジンか・・・・・・」

クラブでグラスを傾けて呟いてみた。

「久しぶりね、ワン・ヨ! ねえ、踊らないの?」
「1人で踊ってこい!」

ってか誰だよ! 馴れ馴れしいな!!!


あ〜〜〜・・・・・・・つまらん! クラブがこんなにつまらないなんて、はじめてだ!

声をかけてくる友人・・・まあ、皆、財閥の二世やなんかだけどな・・・・・それに適当に返事をしつつ、俺はクラブを出た。


つまらん、つまらん、何もかもが、つまらん!

小柄で華奢なくせに、怒らすと男を投げ飛ばす女を見てから、つまらなくなった。。。

あのあと道でノビてた男に詳しく聞いて、名前も分かった。

コ・ハジン・・・ 年は24歳、職業はエステティシャンだそうだ。

今度、エステに行ってみようか? アイツを指名して・・・・・ふふふ、どんな顔するかな?


驚くか? 呆れるか? それとも怒るか?

・・・・・・・怒った顔も、好みだった♡ くすくす・・・・・途端にワクワクと楽しくなってきたぞ!!!


【 〜〜〜ルルルル〜〜〜ルルルル〜〜〜】

ん? スマホが鳴った。 誰だよ・・・・・・・・・・げっ!!!!!! 母付きの秘書からだ。

無視を決め込んで出ないでいれば、しつこいコール音のあとやっと止んだ。



と、思えばまた鳴り出したスマホに目をやれば・・・・・・・げげげっっ!!!!!!!

母が直接かけてきていた・・・・・・これは、出なければならない!

出ないとクレジットカードを止められるからな。。。


こみ上げる溜息を飲み込んで電話に出る。

「・・・・・・これはこれはお母様、珍しい着信ですね」
『・・・・・・騒がしい。 すぐ屋敷に戻りなさい』《 ガチャ》


ふっ・・・・・何を言うのも命令だな、あの人は。

俺の母、ユ夫人はワン財閥の妻として相応しい家柄の出身で、ワン財閥の本妻として君臨している。

確かに華々しく美しい人だとは思うが、あの人の口から出る言葉は常に『ジョンウに負けるな』だった。


ワン財閥の当主である父は、常に女性との浮名を流していることでも有名だ。

ただその数多くいる女性の中で、唯一ジョンウの母が子供を産んでいた。


父には母がつけた監視が、結婚直後からそばにいたそうだ。

だが父は隠しもせず数多の女性と浮気を繰り返していたんだが、ジョンウの母の事だけはずっと隠していた。

俺の母は、それがどうにも許せないらしい・・・・・・唯一、母の目から守り、子供も産ませたジョンウの母に、今でもメラメラと嫉妬の炎を燃やし続けているんだ。



・・・・・・・・俺には、いい迷惑だ。 1つ下のジョンウと比べられて叱られ責められる毎日に、心底ウンザリしている。

しかもジョンウの奴、アメリカで大学を飛び級で卒業するし、博士号も取ってくるし、今では父の会社で働いて手腕を発揮しているらしい。


それに比べて俺は名ばかりの専務で、役員報酬をもらいながら出社もたまになダメ役員だしな。


いずれ俺が継ぐんだから、もう少し遊んでてもいいじゃないか!


「はぁ〜〜・・・・・やれやれ、仕方ない。呼び出しを無視したら後が怖いからなぁ〜〜」
俺は重い腰を上げて、クラブから本邸へと向かった。


そうそう、俺には異母弟のジョンウの他に、同じ母から生まれたジョンっていう弟がいるんだ。

母が溺愛している弟で、体を鍛えることだけに興味のあるスポーツ馬鹿。


屋敷に戻ればそのバカと顔を合わせた。


「お前も呼び出しか?」
「兄さんも? ・・・・・・何だろう」

俺たち2人はハテナを浮かべた顔で、母のいる部屋の扉を開けた・・・・・・・・・



《 パタン! 》

「??? 兄さん? なんで扉を閉めるんだ?」
「・・・・・・中を見てみろよ」

「??? ・・・・・・・《 パタン! 》」


中には、眉を吊り上げ般若のように怒り狂ってる、母がいた。


「・・・・・ジョン、お前が先に入れ! いいな、お兄ちゃん命令だ!」
「ムリムリムリ〜〜〜!!! あんな母さん、頭から喰われそうで怖くて入れないよ〜〜〜!!!」

「お前なら大丈夫だ! 母さんも喰わないって! ・・・・・・たぶん」
「たぶんって! たぶんって言った〜〜〜! 絶対ムリだから!」

お前が先に入れ! いいや兄さんが先に!なんてやり取りしてたら扉が向こうから開いて、母がニッコリと手招きしていた。


「「 ひいぃぃぃ〜〜〜〜 」」

あ、あ、あ、頭から、喰われそうぅぅ〜〜〜・・・・・・・ブルブルブルブル〜〜〜!!!


人生で、初めて知った・・・・・・怒る顔より、数倍怖さの増した “ 笑顔 ” が、あるなんて






「ヨよ、お前・・・今月は何日出社したのだ?」

私の問いに長男のヨが、すっとぼけた顔をして「嫌だな母さん、週に2、3日は出てるよ」などとほざいたが、私は知っている。

「週に2、3日だと? それは本当か?」
「ああ」

「・・・・・・・・報告では週に1日、それも今月は滞っていると聞いた」
「え? ・・・・・そうだったかな?」

「たわけが!!!」

ああ・・・頭が痛い。 大学では優秀な成績を残したのに、ヨめ! 会社には行かずに毎晩遊びまわっているではないか!

そんなことでワン財閥の跡取りが、どうするのだ!!!


・・・・・・・ジョンウは会社に入ってから、結果を残しているというのに。。。


周りの役員共の中に、ジョンウを後継者にと言いだす者が現れでもしたら、どうするのだ!!!

ヨより年下のくせに生意気にも留学を希望し、飛び級を重ねて大学をでたジョンウはヨより早く会社へと入った。

そして与えられた任務に、結果を出してきた・・・・・・・そして、今度はホテルだ!


ワン財閥の顔ともいえる事業の、ホテルを・・・・・・任されおった。

私は本妻の面子にかけてもヨを何とかしたくて、無理やりだったが役員へとねじ込んだのだが、結果はどうだ?


毎日の出社さえヨはしていない・・・・・・ああ、私の本妻としての矜持に、泥を塗るつもりなのかっ!!!


「あんな女の子供が!!! 私の目を盗んでコソコソと夫を誘惑し、子まで産んだ・・・・・あの女!!!」

あんな・・・幼馴染とかいう女の、どこが良くて・・・・・あの人は、子供まで産ませたのか!!!

私という妻がいながら・・・・・あんな女に〜〜〜!!!


許さない・・・ 私を裏切って、子供まで産ませる事を許した夫も憎いが、いけしゃあしゃあと子供を産んで・・・・・・夫の心も奪った女は、もっと許さない。。。


28年前、子供を産んだばかりの あの女が、産み疲れて寝ている間に子供を捨ててやったのに・・・・・・夫が探しだしてきたのが忌々しい!!!


「とにかく、これ以上ジョンウに好き勝手させてはならぬ!!! ヨよ、お前は明日から毎日出社しなさい!!!」
「え〜〜〜!」

「否やは聞かぬ。 もし出社しなければ、お前のクレジットカードは全て破棄する! 言っておくが母は、本気だ」
「・・・・・・はい」

「ジョンや、お前はヨを助けるのだ。 2人で優秀さを皆に見せつけてやるのだ!!!」


そう、私の息子達こそが、正統な後継者なのだから・・・・・・


あんな女の息子に、負けてたまるものか!!!


あんな女に、私が、負けるわけがないのだ!!!


私が、私こそが、ワン財閥の当主の “ 妻 ” に、相応しいのだから。。。


私こそが、あの人の妻なのだから・・・・・・私こそが・・・・・・・


さて、ジョンウだが・・・・・・手を打たねばならないだろう。

私の子飼いの役員の娘でも宛てがい、結婚させるか。

さすれば私の命令を聞くだろうしな・・・・・・・ほほほ、そうじゃ、それがいい。

そうと決まれば・・・・・・私はそばに控える秘書に伝え、目星しい役員をピックアップさせた。

「幾人か年頃の娘をもつ役員がいます」
「至急、その娘達を調べなさい」

「はい」

ほっほっほっ・・・・・・楽しくなってきたわ。


報告を受けたらすぐに見合いをさせましょう!

さてジョンウや・・・・・・お前は大人しく私に従っていればよいのじゃ。

さすればお前は、ヨの部下として使ってやろうほどに。

絶対にお前を後継者にはさせぬぞ・・・・・・絶対にだ!!!


憎しみに彩られた狂気の笑い声が、ユ夫人の部屋の中に充満していた。。。






「さ、食べようハジン」

ニッコリと美しく微笑むジョンウさんをウットリと惚けて見ていた私は、目の前の “ 夕食 ” を見てビックリした!

「うわわっ! すごいご馳走〜〜」
「ふふ、気に入ったのならいいんだが・・・ たくさん召し上がれ」

2人で「いただきます」して食べた夕食は、ホテルのディナーコースみたいに豪華だったの。

一人暮らしで普段から節約してる私には、食べた事ないほど美味しいの!!!

色とりどりの前菜に、ナイフなんていらないんじゃないかと思うステーキ、冷製スープも美味しいし、ジョンウさんてもしかして毎日こんなに豪華な食事してるのかな???


「・・・どうかした?」
「いえ・・・」

「ハジン、私達はまだ知り合ったばかりだ。 もし何か聞きたい事があるのなら遠慮せずに何でも聞いてくれないか?」

そっと私の手を握るジョンウさん。

「距離を、縮めたいんだ・・・」
なんて熱視線で言われれば、私なんてトロトロに溶けちゃいそうになっちゃうよ〜〜!

「たいした事じゃないんですけど・・・・・・ジョンウさんて、毎日こんな豪華な食事なのかなぁ〜〜って思って」
「なんだ、そんなことか・・・」


ハジンの私を見る目に、何か戸惑うものがあった気がして尋ねれば、毎日豪華な食事をしているのか・・・・・なんて、可愛いものだった。

「毎日ではない。 接待や何かで外食は多いが、1人の時は面倒で果物や何かですますよ」
「そうなんですか・・・」

「今日は特別だからだ。 ・・・・・・ハジンとの初めての食事だからな」

私がそういえば、頬を赤らめるハジン・・・・・可愛い。。。

1,000年前も、そうだった・・・・・・私を見つめる瞳は暖かく、誠実なものだった。

私が見つめれば・・・・・すぐに頬をポッと染め、はにかんでこちらを見るのだ。


その表情が私の胸をトキめかせるなど、お前は知らぬだろう?

何度、そのはにかんだ笑顔を引き寄せ、抱きしめ、キスをかわし・・・・・・夫婦なのだからその先も・・・・・・人の肌の温もりも、お前が教えてくれた。

単純に快楽だけの行為ではない・・・・・愛を育むための時間は、私を酔わせるほどに幸せにした。


ふっ・・・・・まだ記憶を全て取り戻してはいないのに、お前への想いはどんどんこの胸に溢れてくる。。。


・・・・・・・愛しい思いとは、この胸に溢れてくるものなのだな。


初めての感情だが、私は素直に従った。

愛人の子は、いくら優秀でも愛人の子・・・・・・引き取られた時から、ワン財閥の中で、私を気にかける者など1人もいなかった。

いや、事情を少しでも知った者は、『愛人の子』と蔑み、『穢らわしい物』を無視した。

その中で私は、悲しいと泣いたときもあった・・・・・・ただその都度、優しい風が吹いた・・・・・・


『大丈夫・・・・・あなたは、大丈夫です』

暖かな呼びかけ、私を案じる声に、どれだけ救われただろう・・・・・・・たとえ返事がなくとも、誰のものかも分からなくとも、私は確かに救われたのだ。


「ジョンウさん、どうしたんですか?」

風の中の声が、私を気づかう・・・・・・今度は目の前で、心配そうな顔をして。

「ジョンウさん? ・・・・・ひゃっ!」
グイッと引っ張ったハジンを、腕の中に抱きしめた。

「・・・・・・あたたかいな、お前は」
「くすくす、寒かったんですか? いいですよ! いくらでも湯たんぽ代わりになりますよ!」


・・・・・・・・・・可愛い。。。


大きな瞳をキラキラさせて、楽しそうに私を見上げるハジンが、この世で一番可愛らしい。。。

「さ、食事が終わったら、2人でゆっくり話そう・・・・・・私とハジンの距離を、縮めるために、な?」
「はい・・・」


そうして私たちは、お互いの事を話していった。

どんな子供だったのか、どんな風に育ったのか・・・・・・そして今、一番聞きたいことは・・・・・


「ところでハジン、お前は今、好きな人はいるのか? 恋人は? もしかして結婚しているとか・・・」
「・・・・・・もし、恋人がいたらどうしますか?」

笑顔でそう聞き返すハジンに、私はこう言うんだ。

「もし恋人がいるのなら、私の返事は1つだ・・・・・・・お前を、奪う」

「もし結婚していたとしたら・・・・・・・あらゆる手段で別れさせ、お前を手に入れる」


ニッコリと微笑みながらそう言い放つジョンウさんの、眼が本気だって言ってる。。。


「お前は “ 私の人 ” だ、再び出会ったからには、もう離さない。 お前は前の世から、私の物なのだ」
「ええ、私はあなたの物です・・・・・前の世から、今も・・・・・」

私の言葉にジョンウさんの顔が輝いた・・・・・・

「正直に言います。 1年前、高麗の世にいく前・・・恋人がいました。でもその男は1ヶ月もしない間に私の友達とデキて、逃げたんです」
「・・・・・・それはハジンと私が出会う前のことになるな。 ・・・・・・まあ、いい。 それで? 今は?」

「今は誰も・・・・・・あなただけです」
「そうか」

満足気に頷くあなたの、そのちょっと嫉妬深いのは・・・・・・変わりませんね。

「ジョンウさんは? あの・・・・・もしかして・・・・」
「いない。 今までずっと、いない」

・・・・・・・良かったぁ〜〜〜・・・・・・・こんなに素敵な人だもん、てっきり歴代の彼女とかいるかと思ってた。



「・・・・・・父に認めてもらうため、学業を優先していた。 それに家柄のいい女達は、愛人の子になど興味はないからな。 良家のお嬢様や坊ちゃんが通う学校では、私は “ 醜いアヒルの子 ” だった」
「ジョンウさん・・・」

「・・・・・・私にはハジン・・・・・お前だけだ」

引き寄せられる身体、包まれる腕の中・・・・・・そして、揺れる瞳が熱く私を見つめ、ジョンウさんが近づいてきて・・・・・・・・


そっと、ジョンウさんの唇が私の唇を塞いだの。。。





すみません、遅くなりました。

子供が夏休みだの、地区の行事だのでちょっと忙しすぎて、書こうとすると眠気に襲われる毎日。

まだバタバタしますが、これから盛り上げていきますので、よろしくお願いします。。。


( ^ω^ )v
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コメント

☆あさみ様へ☆

あさみ様、お疲れ様です!

ジョンウさんとハジンで癒されて下さいませ。
私も2話をアップできてホッとしてます。

前世はヘスの病で悲しい別れをした2人ですので、現世ではラブラブ・メロメロでいきたいと思ってます。

> しかし転生しても母上の怖さはかわらないんだー
そうなんです、怖いんです・・・・・っていうかユ皇后はヒステリーすごいですよね(笑)
もう血管キレそうな勢いですよね(笑)


> ヨとジョンが超ビビってるのが笑える。
特にヨは現世ではチャラ男ですから、ビビってます。 まあ彼もチャライだけではないんですけど、それはおいおいに。

> この感じ、マイガールのジョンウみたい。
> あのお母様も、怖かったですよねぇ(笑)
怖かったです・・・しかもジョンウがそばにいると本当に奥様とツバメにしか見えなくて、テレビ見ながら笑ってました。
でも我らがユ夫人は、もっと怖いんです!!!

> いったい何人転生してるのか、それもちょぴっと楽しみでーす。
なるべく沢山の方に出ていただいて、ワチャワチャしてもらいたいんですが、なにせ文才が無いもので・・・・・どこまで書けるかは私も分かりません(笑)

> ジョンウさまのお父様って、もしかして?
・・・・・・・今、悩み中です。やっぱり自然とイメージが皇帝になっちゃうんですけど、彼とオ尚宮は天界にいる設定なんですよね。
でもでも、浮かぶのは皇帝陛下ワン・ゴン様なんで・・・・・まだ謎のままです。


待っていただいて申し訳ないです。
でも、書こうっていう原動力になるので、嬉しいです。

なるべく、なるべく少しづつでも進めていくので、また遊びに来て下さいね

( ^ω^ )v

書き忘れ・・・

ジョンウ様のお母様ってーーーーあの方ですかーーーーーー???

待って待って待ってました~

休み明けの一週間、やっと週末で、たいして忙しくなかったのに、
妙に疲れていたのですが、
ジョンウさまとハジンちゃんに会えて、元気貰いました。

そっかー寂しい子供時代だったのですね、ジョンウさま。
でも、その度にヘ・スの声が聞こえたって、いいですねー

しかし転生しても母上の怖さはかわらないんだー
ヨとジョンが超ビビってるのが笑える。
この感じ、マイガールのジョンウみたい。
あのお母様も、怖かったですよねぇ(笑)

ジモンさんもいつかは思い出してくれるかな。
思い出してくれたら、楽しいな。
いったい何人転生してるのか、それもちょぴっと楽しみでーす。
ジョンウさまのお父様って、もしかして?

あ~お忙しいのはわかっております。
でも、でも、続きを心待ちにしております。

よろしくお願いしまーす。
Secret

プロフィール

すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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