《 お前のそばに・・・ 》

ドラマの最後、絵の前で泣くヒロインちゃん。

もし、1,000年前の記憶が蘇ったら・・・・・・そんなお話です。







何気なく、そこに足が向いた・・・・・・


仕事帰り、デパートでしていた催事に・・・本当になんとなく入ったの。


“ 高麗時代 風俗画展 ” そこに、引き寄せられるように入った私。


不思議なことに絵を見ていくと頭にその時の景色が浮かんで行った。

“ 儺礼の儀式 ” 、 “ 雨乞いの儀式 ” 、進めば進むほど、頭に “ その時 ” が浮かぶ。。。


・・・・・・その度、浮かんでくるのは・・・・・ある1人の人の顔。



『お前は、私の物だ』
『え〜〜、物なんて嫌です!』

『・・・・・ならばお前は、“ 私の人 ” だ』
『・・・・・皇子様』


え? 誰? その人は、どんな名前なの?

私は・・・・・私は・・・・・どうして、こんなにも胸が苦しいの?


『お前は私の物だ! 決して私から離れてはならぬ! ・・・・・離さぬ』

頭の中を駆け巡る男性の声・・・・・・低くて漢らしい声・・・・・・私は、この声を、知ってる・・・・・・


絵を見ればその時の事が頭に浮かぶ私は、1枚1枚を焦って見始めた。

次から次へと、まるで失った記憶が蘇るように頭の中を駆け巡る記憶・・・・・・早く、早く、早く!!!


あの人のことが知りたいの! あの人のことが・・・・・知りたい。

私を熱くみる視線、愛しそうに微笑む顔、そして、切なく揺れながらも求めてくる目。

浮かぶ記憶の中に、必ず “ その人 ” がいた。


誰? 誰なの? 知りたい・・・・・知りたいの!!!



私の頬に触れ、優しく見つめながらキスしてくれた人・・・・・ 怒りと悲しみを感じる目の時もあった。


泣きながら、自分は大丈夫だと・・・・・ ぎこちなく微笑む人・・・・・・でも・・・・


『逝くなぁぁ〜〜〜・・・・・私を置いて、逝くなぁぁ〜〜〜・・・・・・』

悲痛な叫びで、私を呼んだ人・・・・・・・・ああ、誰なの? 誰だったの???



そして私は、1枚の肖像画の前に来た。


・・・・・・この人だ。 そう、この人だ!

隣に書いてある字を読めば、名前は・・・・・・・ソ



『ソ皇子様!』・・・・・・私は、そう呼んでいた・・・・・・・


「あ・・・・ああ・・・・・」思い出した、思い出したわ!

ソ皇子様・・・・・私の愛した人・・・・・私を愛してくれた人・・・・・・愛に傷つき、苛まれ、それでも愛を求めた人・・・・・・

ああ・・・・・1人にしないと約束したのに、私は病で先に逝ってしまった。


あなたを、1人にしてしまった・・・・・・・孤独にしてしまった・・・・・・



私の目からは涙が、いく粒も、いく粒も、溢れて流れていく。

嗚咽をこらえるため、手で口を塞いでも、塞ぎきれない声が漏れてしまう。


「・・・・・・ごめんなさい・・・・・ごめんなさい・・・・・ごめん・・・な・・・・さい」







何気なく、足が向いた。

デパートの前を通りがかり、看板の文字を目にして・・・・・・ふと、行きたくなった。

「止めろ」
車を止めさせ、私は衝動のまま・・・・・・そこに向かった。



「ふん、高麗時代か・・・・・・」

つらつらと絵を見て回る・・・・・・が、別に何も感じない。

車の中で感じたあれほどの衝動が嘘のようだ。


「・・・・・・時間の無駄か」

私は帰ろうと元来た道を戻る・・・・・・・・ん?


目の端に、女がいた。

その女は絵を食い入るように見つめながらも、何かに取り憑かれたように次から次へと見ていた。

その様子は必死に見えた・・・・・こんな絵に何を必死になることがある?

先を進んでいるその女に興味がわいた。

私は絵を見ずにその女を、追ったんだ。


ピタリ・・・・・ 急に足を縫いとめられたように、その女は動かなくなった。


「・・・・・・ソ皇子様・・・・・」

喉の奥から絞り出すような声は、決して大きな声ではない・・・・・だがその声は、まるで私の耳元で言われたように聞こえた。


【 キィィィィィィィ〜〜〜〜〜〜ンンンンンンン・・・・・・・ 】


「ぐぅぅう・・・・・・・」

知っている・・・・・その声を・・・・・・その姿を・・・・・・ぐううう・・・・・・

突然の頭痛に頭を抑えるが、すぐに痛みは引き、その間に蘇ったのは・・・・・・・


『・・・・・私達の世が違うのなら、私がそちらへ行く・・・・・・私の・・・・・・』



「スよ・・・」


ああ、そうだ・・・・そうだった・・・・・・俺は高麗の皇子だった。

1,000年の昔、孤独を抱えていた私を、その身と心で愛してくれた人がいた。

ああ・・・ああ・・・・・スよ、私の人よ・・・・・・


一歩を踏み出した私の目に、スの涙が見えた。



「ごめんなさい・・・・・ごめんなさい・・・・・あなたを、1人にしてしまって・・・・・・ごめんなさい」

スよ、お前も思い出しているのだな・・・・・何も謝ることなどないのに。


私は、お前に愛された・・・・・ 裏切りが横行している あの時代にあって、露ほども疑う事もないほど、お前は私を愛してくれたではないか。


「ああ・・・ ソ皇子様・・・・・ごめんな・・・・さい・・・・・」
「・・・・・・そんなに謝らなくとも良いのだ、スよ」


私は、1,000年の時を越えて・・・・・・お前を抱きしめた。。。






後悔と涙と嗚咽で、頭の中は謝ることしか考えられなかった。

繰り返し、「ごめんなさい」と絵に謝っていた私を、暖かいものが包んだ。


それが、男の人の腕の中だと知るまで、私は少し時間がかかった。


「そんなに謝らなくとも良いのだ、スよ・・・」

え? 私をスと呼ぶのは・・・・・・・もしや、あなた?

「ソ皇子様・・・・・」
「ああ、私だ」


そんな・・・・・そんなことが??? 私達の間には1,000年の時があったのに。


顔が見たくて身体を離した私の目には、本当にソ皇子様が・・・・・・本当に、本当なの?


「・・・・・まさか、私を見忘れたのか? 案外、薄情なのだな・・・・・・」
「まさか! 私がソ皇子様を見忘れるだなんて・・・・・・そんな・・・・・そんなことあるわけないでしょう!」

ああ・・・・・この皮肉な言い方は、本当に、あなたなのですね・・・・・・

「・・・・・・・逢いたかった、スよ」
「・・・・・・・私も、逢いたかった・・・・・・」




・・・・・・・1枚の絵の前で、恋人同士が抱きしめあい、お互いがお互いの頬に触れ、懐かしむように、愛しそうに見つめ合う様子は、続いたのだった。。。






昨日の夜に一気に書き上げたのはいいのですが、あとがきなども入れずにアップしちゃいました。

連載してたとき、最終回を見ながら書いてたのですが、ずっとモヤモヤしてたんです。

なぜ、現代に戻ったヘス(コ・ハジン)が絵を見て記憶を取り戻したとき、ソ皇子も蘇らないのか?って。。。


そんな私のモヤモヤを、一気にぶつけたようなお話です。

皆さんに喜んでもらえますように ( ^ω^ )v


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コメント

☆あさみ様へ☆

こんばんは! コメント、嬉しいです♡ ありがとうございます!


あさみ様の首がキリンになったら大変!!! 少しづつでも書いて、読んでもらえるよう頑張りますね!

そうなんです、ちゃんと1,000年前に天寿を全うしてます。

> なんかいろいろ本当に楽しみです。
ありがとうございます! でもあまり期待し過ぎないでくださいね。
失望されてしまうかも・・・・・・(笑)

> お金持ちのソと普通女子のス、想像すると(ニヤニヤ)

しかも、お金持ちのソの方が、メロメロぞっこんラブですから〜(ニヤニヤ)


私もあのラストは・・・・・いくらお腹の赤ちゃんを守るためとはいえ、離れ離れは・・・・・切なすぎです。。。

なので、私も妄想しがいがあるんですよね!

> ふぁいてぃーん!!
はい、頑張ります ( ^ω^ )v

No title

はーい。いつまでもお待ちしています。
でも、私の首がきりんになる前にお願いします<(_ _)>

彼はタイムスリップじゃないんですね。
なんかいろいろ本当に楽しみです。

お金持ちのソと普通女子のス、想像すると(ニヤニヤ)

しかしホントにドラマを見返す度に、あのラスト悲しすぎます。
高麗でのヘスの最期にも会えなかったのに、
現代に戻ってもまだ会えないなんて、もう演出家のイケズって感じです。

なので、とっても期待しております。

ふぁいてぃーん!!

☆あさみ様へ☆

こんにちわ〜〜! コメントありがとうございます! (๑˃̵ᴗ˂̵)

あの絵の前で2人を会わせたかったんです!

実は、このお話は突発的に湧き上がって書いたもので、ぜんぜん続き物の予定じゃないんです。

新しく書き始めてもいたんですが、モヤモヤがあって進めなかったんです。

なので思いきって短編で考えていた、 “ すーさん世界のドラマの最後 ” を書いちゃったしだいです。


> 彼は忘れてるんですね。自分が皇子だったこと。
> どういう風にこちらに来たんでしょうか?
> ちょっと心配なのは、ソが来ちゃったら光宗は?

実は彼、タイムスリップして来たわけじゃないんです。
色々とあるんですが、このお話の続きを書こうかと思いまして、2人の会話でバラしていきますね。


> 今の彼の立場も気になります。
> お金持ちそう・・・(笑)

そうなんです(笑)

新しく考えてた話を基にして、これから書いていこうかとも思います。

ただ、お盆中もお仕事なので書く時間が取れず、お待たせするかと思いますが、よろしくお願いします。



うわ~ん(≧▽≦)

こんにちは~
お盆休みで暇してる、あさみです。

ついに、ついに出会えたんですね。
ドラマもここまでやってくれればよかったのに。

彼は忘れてるんですね。自分が皇子だったこと。
どういう風にこちらに来たんでしょうか?
ちょっと心配なのは、ソが来ちゃったら光宗は?
今の彼の立場も気になります。
お金持ちそう・・・(笑)

これから現代で、どんな風に過ごしていくのか、
ドキドキハラハラしながら見守らせてください。

わーすっごい楽しみでーす。
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プロフィール

すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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