⑧《麗☆花萌ゆる皇子たち》

今回のお話は、自分のことを話して嫌われるんじゃないかと思うヘスの不安と、ソ皇子の狂信的な愛、そして映画みたいなキレイなシーンに挑戦しました!

ジモンさんとも絡ませて、ラブラブでコミカルな感じに。。。

今更ですが、ネタバレ有りなので、ご注意下さい。


司天供俸(サチョンコンボン)・・・チェ・ジモンの官職。天文を司る彼は、皇帝の夢の意味を説き信頼を得た。常に皇帝か正胤のそばに控えている。






・・・・・・皇子様、私が本当のことを話しても、あなたは今までと同じように 愛して下さいますか?


それとも、何を突拍子もないことを言うんだと、呆れますか?


・・・・・・それとも、もしかしたら・・・・・ 嫌いに、なりますか?



正胤の暗殺は防いだけど、ソ皇子様に気がつかれてしまった。

なぜ先が分かるように、対抗策をうてるのか・・・・・洞察力の優れた方だから。。。

でも、後悔はしないよ! だってドラマだとソ皇子様は毒を飲み(助かるけど、ブハァ〜〜って血を吐いちゃうんだ)、ヘスは犯人だと拷問され、ヘスを救おうとオ尚宮が・・・身代わりに処刑される。


それを全て、無かった事にできた。 我ながら、頑張ったよ!


だから、後悔はしないよ。

全て話して、ソ皇子様に、嫌われても・・・・・・考えただけで泣いちゃうけど、胸が潰れそうなほど苦しいけど。


大事な人たちを、救えたんだもの・・・・・それだけで、それだけで、いい。


私はジモンさんの住んでる瞻星台(チョムソンデ)に来たの。
皇宮の中で、1番高い建物なんだよ! 広い部屋を縦に5個重ねたような建物。

ん〜と、簡単に言えば五重の塔に、似てます。 空を観察できるよう、ベランダにベンチもあるんだ!

ジモンさんは天文学者、星の動きを見て陛下に【 天の御告げ 】を話すのですって!


誰もいない建物の中を、階段を登っていく。 最上階には本や、ハンググライダーが天井に吊ってあった。

「わぁ、ハンググライダー・・・この世界にもあるんだ〜〜」

懐かしくなった私は、卓の上にあった紙で紙飛行機を作った。

幾つも作って、吹抜けになってる階段に飛ばした。



・・・・・本当は、怖い。 誰より愛しいソ皇子様に嫌われるのが、怖い。

化け物の様に嫌がられたら、そんな事を思って、不安と恐怖に引き裂かれる。


ここで、私は本当のことを話す。。。

もうじき、ソ皇子様が来る。



『全て、お話しします』
そう俺に告げたヘスは、ジモンの瞻星台(チョムソンデ)で待ってると、言った。

・・・・・思いつめた顔を、していた。 俺はヘスにそんな顔など、させたくないのだが。

俺は不思議だった、ただ、それだけだったのだ。。。

俺の話を聞いてヘスが立てた計画は、素晴らしいものだった。

事件がなかったことになったが、ふと疑問に思ったのは・・・・・俺が話す前に、オ尚宮に頼んでた事だ。

宴の場から見えない所に、ヘスの言うテントを張ったのだ。
細々したことも、頼んでいた・・・・・・俺が話す前だったのに。

まるで俺が話す事を、知っていたようだ。



思いつめた顔をしていたな、ヘスは・・・・・考えながら瞻星台に着いた俺が、中に入れば何かが横切った。

「ん? なんだ?」

紙? 紙が初めて見る形に折られている・・・・・上から、降ってきたのか?

不思議に思い、上を見ながら階段を上がった俺が見たのは、幾つも卓の上に置かれた紙を飛ばすヘスだった。


つい・・・と、ヘスの手が飛ばすソレは、すいすいと天井近くを飛んだかと思えば、円をかいて下までゆっくりと降りていった。


・・・・・・このとき、不意に思ったのだ。 もしやヘスは、天から降りてきた仙女なのではないかと。 ヘスの手にかかれば、ただの紙さえ空を飛ぶ。

ヘスの料理も高麗にはないものばかりだし、薬だとて膿もせず、治りも早かった。

それに、ウクの奥方のミョンだ! 胸の病は治らないものだ、だがヘスが懸命に薬を調合し煎じて飲ませて・・・・・治したではないか!

仙女なら俺が話す前に知っていても、頷ける。


・・・・・もしも、ヘスがそのような者なら、正体が分かれば天に帰るやも知れぬ!


ヘスが、俺の前から消える? そのとき、俺は背筋が凍るほどゾッとしたんだ。

い、嫌だ! 嫌だ嫌だ嫌だ! ヘスは俺の物だ、誰にも渡さぬ! ヘスは俺の人だ、どこにも行かさぬ!


・・・・・・俺は、ヘスが何者でもいいのだ。 仙女でも、はたまた命を喰らう悪鬼であろうとも・・・・・

俺の隣で、あの笑顔で、そばにいてくれれば、それでいい。



「ソ皇子様・・・」
「ヘス」

皇子様が来た。 私は思いきって話そうと、口を開けた・・・・・とき、皇子様が紙飛行機を私に差し出した。

「これは、なんだ?」
「紙飛行機ですよ? ほら、あのハンググライダーみたいに飛ばせるんです」

私は一つ手にとって、飛ばしたの。 和紙で折ってるからヘニョヘニョだけど、窓から吹く風に乗って、よく飛んだ。

「ふふっ、風に乗ってよく飛ぶわ・・・」


日の光が開け放った窓から射しこむ穏やかな時、風に乗って飛ぶ紙飛行機を あなたと一緒に見ている。

・・・・・・目に、焼きつけておこう。 これが あなたと過ごす 最後の時かも知れないから。



・・・・・・ヘスの髪が、風に揺れる。 紙飛行機を飛ばすヘスを、俺は見つめる。

この時を、目に刻むように俺を見つめるヘス。 何を、思っている?

たとえ俺の命を喰らおうとする悪鬼だとしても、お前を離しはしない。


はははっ・・・ 喰らうなら、喰らえば良い! 俺はもう、お前の物だから・・・・・


だがなヘス、お前に喰らわれ、お前の血や肉になってもいいが、俺と離れることは許さない。


2人、見つめあったまま・・・・・・時が、止まる。。。







ああ、何て言えばいいんだろう・・・ 私は千年後の世界から来ました。

しかも皇子様が住んでいる、この世界は、ドラマで・・・私の大好きなドラマで、繰り返し何回も、何回も見てました。

だから、正胤の暗殺が分かっていたんです。


・・・・・・よし、言うぞ!!! 私は決意をこめて、皇子様を真っ直ぐに見つめ、息を吸った。


「わたしは・・・・・・」
口を開いた私だけど、下からドタドタ〜〜っと階段を登る音に、驚いた。

「これっ!! これは誰が作ったんですか〜〜〜〜!!!」

皇子様を見れば「ジモンだ」と、顎でさした。

「はぁ、はぁ、はぁ、これっ! これ・・・ぜぃぜぃ」
さすがに五階を一気に登れば、息が切れるよね。

「こ、こ、こ、これは皇子様が?」
「違う、ヘスだ」

皇子様に私が作ったと聞いたジモンさんが、ダダダっと私に詰めよる。

「これは何と言われる?」
「紙飛行機です」

「なぜ下に落ちていたのですか?」
「ここから飛ばしたのが、落ちたんです」

「飛ばす!? どう飛ばすのですか?見せて下さい!」

何でこんなに食いついてくるんだろ? あまりに必死なジモンさんに首を捻りながら、ジモンさんの手にある紙飛行機を飛ばそうとしたけど。

「わぁ〜〜潰れてる。 ジモンさん、強く握るから紙飛行機つぶれて飛びませんよ?」
「ええ!どうすればいいのですか? こう、伸ばしたら・・・ああ!千切れてしまった」

アタフタと焦るジモンさんに、私は作ってあった紙飛行機を見せた。

「新しいのありますから、こっちを飛ばしましょ?」
つい・・・っと、紙飛行機を飛ばせば、うん! よく飛ぶわ。

「お嬢様、これは何処でお知りになったのです?」
「? ・・・子供の頃、父に教えてもらったんです。ジモンさんもしませんでした?」

不意にジモンさんが、真面目な顔して天井に吊ってあるハンググライダーを指差した。
「これは、知ってますか?」

「? ハンググライダーでしょ。高い場所から滑空して飛ぶんです」
「これは、飛びますか?」

ジモンさんの質問にハンググライダーを、色々見たけど・・・私、そんな詳しくないし・・・

でも、あそこ・・・・・なんか変だわ。

「人が滑空するには、翼の長さと主軸の長さが足りないと思います。だけど私も詳しくないから、はっきりとは言えません」
「・・・・・・ヘス様は、死にかけた事がありますね」

「はい」
ジモンさんが、どんどん怖いくらい真剣になった。

「・・・・・・あなたは、未来が見える方なのではありませんか?」
「!!!」

驚いた私に、ジモンさんがニヤリと笑った。 ・・・・・疑問が確信に変わった、とジモンさんの顔が言っていた。



ヘスが、ジモンと同じ!? ・・・・・ああ、だからか。
ジモンは昔から不思議な男だった。 どんな書物にも載っていない事を、話し、作り、星を読み神託を告げる。

一介の平民だったジモンが、陛下の夢の意味を説き、それが当たった事でジモンは司天供俸(サチョンコンボン)になった。

星を読み、陛下に進言し常に陛下の側に控えている男だ。

その男と、ヘスが同じなのだ。 不思議なことを仕出かしても、受け入れるしかあるまい。

「ヘスはジモンと同じ力を持っていたのだな。ならば俺の疑問も消えた!」
「私は聞きたい疑問がいっぱいです! ヘス様、聞いても良いでしょうか!・・・ヘス様?」



・・・・・・あれ? ジモンさんと同じような力があるって事に落ち着いたけど、いいのかな? 実際、ジモンさんも子供の頃に死にかけて、きっと現代の誰かの魂が入ったんだと、思う。

実際、同じような感じなんだけど・・・ 私はそれにプラスで、ドラマの世界にトリップしてるからなぁ〜〜・・・でも、そこまで話さなくてもいいかな。


何よりソ皇子様が、ホッとした顔してるから・・・・・これ以上、言わなくてもいいや!
私は、たまに夢でこれから起こる事が見えると、話した。

夢だから見たいものが見えるわけじゃなく、今回はたまたま見えたから対抗策を考えられた、と話したの。

「そうか・・・ 天女ではなかったか」
「え?」

「ならば俺の側から、離れぬな?」
「・・・離れません」


「皇子様は、私が怖くないのですか? 変なものを夢で見るから、気持ち悪いとか・・・・・人と違うから、化け物とか思いませんか?」


可笑しなことを言う・・・・・ヘスが怖い? 片手で捻り潰せるほど、細い手首をしているのに?

お前が、気持ち悪いだと? 化け物だと? ふははっ!!! このように可愛らしいものが化け物ならば、俺は何匹でも生け捕りにして飼ってやろう!

10匹でも、100匹でも、それがヘスなら全部、俺の物だ!

「・・・・・化け物は、俺の方だろう。 醜い傷が顔にあるゆえ、信州(シンジュ)では化け物扱いだった」

敵ならば、人も獣も斬り殺す・・・・・信州(シンジュ)での人質生活で、狼の巣に放り込まれたこともあるのだ。
殺さなければ、殺された。

俺の周りは敵ばかりだった・・・・・お前のように、俺を思う者など、1人もいなかった・・・・・


フワリ・・・ 信州にいた頃を思い出し、苦しくなった俺を、ヘスが抱きしめてくれた。

「皇子様・・・皇子様・・・」
「ヘス・・・?」

「叶うなら、皇子様が寂しいと思うとき全部、側に居たかったです。 出会う前も・・・」
「・・・・・・そうだな、お前が居てくれれば、きっと寂しくなかったな」

俺はヘスを抱きしめ返し、お前のぬくもりを感じていた。

ヘス・・・お前は、俺のぬくもりの全てで、愛で、光だ。。。


「ごほん! ・・・・・・え〜・・・ここは私の瞻星台(チョムソンデ)ですよ! ひっつくんなら帰って下さいよぉ〜〜! 自分達の御屋敷や、皇宮でもソ皇子様の部屋とかあるでしょう! 目に毒ですから、早く帰って下さいよぉ〜〜!」


横で騒ぐジモンに「うるさい」と言えば、ますます喚いている。 こんな風にヘスから抱きつくなど、珍しいし可愛らしいし、もう少し楽しませろ! 気が利かないな・・・

「はいはい、分かりました! 私は気を利かせて出て行きますよ!それでいいんでしょ?・・・・・まったく、誰の住処だと思ってるのか!」

ブツブツ言うジモンに、しっしっ!と手を振り、出て行かせた俺は、これで邪魔者がいなくなったとヘスを抱きしめた。


「ヘス・・・」
「ソ皇子様・・・」

顎に指をかけ俺を見上げさせ、俺はヘスに口付けた。。。






かぽ かぽ かぽ かぽ かぽ・・・・・・馬に乗って屋敷に戻る私とソ皇子様。

私が前に乗り、背後から皇子が手綱をとってるの。 私は鞍に掴まってるけど、皇子様がお腹に手を回して支えてくれるから、安心なの。


「・・・・・良かった」

私がタイムスリップした事が、ジモンさんと同じだと皇子が受け入れてくれて、すんなり納得してくれました。
本当に、ホッとした私は、無意識に呟いてたのね。

「ん? どうした」
「・・・・・皇子様に、嫌われなくて、良かったです」

「嫌う? 俺がか?」
「はい。 不思議な夢を見るなど、不気味じゃないですか! だから、私は・・・」



「俺に捨てられるとでも思ったか?」
前に座らせたヘスの頭が、コクンと頷いた。

「・・・不安でした。 嫌われて、不気味だと気持ち悪がられて・・・離縁されるかもって、怖かった」
あんな思いつめた顔をしていたのは、そう考えていたからか!?

「・・・あなたの妻になれて、あなたのお側にいられる毎日が、幸せで幸せで・・・だから壊れるのが、本当に怖かった」

俺の側にいて、幸せと思ってくれていた!? 俺を、愛しているのだな!!

不安だったのは俺の方だ。 俺などの妻になり、ヘスは本当に良かったのか?と胸の奥底では、ずっと不安があった。

俺は馬を横道に進ませ、人が来ない林の中に入り止めた。

「皇子様?」
馬から降りた俺は、ヘスも降ろしてやり・・・・・抱きしめた。

「・・・こんな所で、そんな可愛いことを言うな・・・・ 我慢できなくなるだろ」
「皇子様?」

「俺の方こそ不安だった。 お前が心から幸せなのか・・・俺の妻になって、後悔していないのか・・・」
「後悔なんてしません! 好きで好きで、どうしようもないほど好きな方の妻になれたんですもの!」

好きで、好きで、どうしようもないほど・・・・・・ヘスが、俺を・・・・・・

「あ!(言っちゃった! は、恥ずかしい・・・)」
「・・・・・(言われた俺も、照れる)」

俺は、熱くなった顔を見せないよう、ヘスを・・・妻を、抱きしめた。 胸の中にしまい込むよう、強く、強く。



「へへっ! 身振りの良い旦那〜〜! イチャイチャはそれくらいにして、金を置いてどっかに行け!」
「おっと! その大事そうに抱いてる女は、置いてきな〜〜!」
「オレ達が可愛がって、やるからよ!」


人の来ない林の中、盗賊が俺達を囲んだ。
ニヤニヤと下卑た笑いを浮かべ、腕の中のヘスを見ようと周りを回っている。

「なぁなぁ、姉ちゃん! そんな奴から離れて、オレの所に来な! 可愛がってやっから」
「ああ! 腰が抜けるほどヤッてやるよ〜〜」
「顔見せろよ、姉ちゃん! 以外と不細工かもな〜〜」


「失礼ね! 誰が不細工よ!」
・・・ヘス、わざわざ顔を見せるな。 お前は美しいのだから。

「おお、こりゃたまげた! 別嬪さんだ!」
「あ〜〜! 我慢できねー、早くこの男痛めつけて、女とヤろう!」
「あんなヒョロッとした男、弱っちぃに決まってるぜ!」


ん? 俺の胸に顔を伏せたヘス・・・まさか、怖いのか? か、か、可愛い。。。
大丈夫だ、俺がいる。

あんな奴ら、直ぐに倒してやろう。。。

ヘスから離れ、男達に向かおうとした そのとき・・・・・



「・・・・・・私の皇子様を、侮辱するなぁ〜〜!!!」

ヘスの手に紅い物が握られ、それが次々と男達の腹や、顔面にめり込んでいけば、1人、また1人と、倒れていった。

4人の盗賊は、全てヘスが倒してしまった。


倒れた男の胸を踏んづけたヘスに、足の下の男が「ぐはぁ!」と情けない声を上げた。

「皇子様を侮辱する奴は、私が倒す!!」
男達は息も絶え絶えに「お許しを〜〜」と、呻いているが・・・・・・・


「・・・・・ヘス、俺の出る幕がないぞ」

自分の事より俺の事で怒る妻に、俺は幸せだ。



・・・・・誰も見ていなかった筈なのに、ヘスの武勇伝は瞬く間に皇宮を駆け回った。


ミョンさんやオ尚宮は『女らしくしなさい!』と怒り、陛下や正胤は話を楽しみ、ジョンはといえば。

「私にも見せて下さい」と、ヘスに迫っていた。






今回は甘くなったかな? 書いてて楽しかったです!


関連記事

コメント

Secret

プロフィール

すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

ブロとも一覧


Cat Home

暁の唄

ちび眼鏡日記

月が浮かぶ夜

まきまきまき

うみにふわりふわり

snowdrop

みやびのブログ

よみよみ

SweetBlackな世界

日々のこと

きみと手をつないで

shibushibuuu

ゆめの世界

井の中の蛙

月の舟 星の林

古いおもちゃ箱

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR