③《麗☆花萌ゆる皇子たち》

このシリーズは、韓ドラの《麗☆花萌ゆる8人の皇子たち》の世界で、ドラマとは違うヒロインが頑張っているというお話です。

楽しんでいただければ嬉しいですが、1番楽しんでいるのは私です、はい。。。

ドラマのエピソードを使ったり、全然違ったりしてますがご理解下さいませ。






「ほぉ〜〜・・・・ これはなんと、気持ちが良いのじゃ・・・・ 」
「皇后様、痛ければ痛いと仰って下さいませ」

「いやいや、良い心地じゃ・・・ うっかり寝てしまいそうじゃ・・・」
「寝ていただいても大丈夫です! 私が変な事しないようオ尚宮が見張ってますから」

「いえ、私はヘスお嬢様の技術を習得しようと見ています」


私は今、皇族しか利用できない茶美園(タミウォン)に来て、第8皇子のお母さん、ファンボ皇后に施術しています。

オ尚宮に用意していただいた香油を使い、ファンボ皇后の背中をリンパマッサージしてます。

あまり揉み返しが来ないよう軽く流してるんですが、長年の凝りに凝った身体は、可哀想になる程です。

後は熱めの蒸しタオルで香油を拭き取れば、おしまいです。

「いかがでした? あら、寝てらっしゃる」
「お風邪をひかないよう、掛けておきましょう」

「背骨の両側にリンパというものがあるのだな? そこの流れが滞ると酷く凝ってしまう」
「はい。 ただリンパを流せばいいものではなく、筋肉の流れにも沿って施術しなければなりません」

「では見よう見まねでやろうとすれば、逆に痛めてしまう事もあるのだな」
「はい。 それに血流を良くする生薬を、お茶にして飲むのも効果的です」

「ヘスお嬢様、どうか私にその技を教えてはいただけないか?」
「・・・もしや陛下のために?」

こくん、と頷くオ尚宮は、気高い人。。。

私でよければと返事はしたけれど、ミョン姉様の看病が第一! その間にという事で、了承した。

「あ、でも私は女官ではないですし、おいそれと広い皇宮の中にある茶美園には入れません」
「抜かりはない。陛下の御許しをいただいて、いつでも入る事ができる印をいただいている」

さすがオ尚宮、抜かりないわぁ〜〜〜! でも私が断るなんて思わなかったのかな?

「くすくす・・・そなたはここに興味があるだろう? 断るなど考えなんだ」

あはは、見透かされてる〜〜〜

「それなら私の事はヘスと呼んで下さい! お嬢様なんていりませんから」
「そうですか? ならば、ヘスや」

「はい!」
私は元気よく返事したの。


それからの私はミョン姉様の体調の良いとき、昼間に皇宮へ行き茶美園に通ったの。

屋敷に戻りミョン姉様と散歩してると、チェリョンと他の侍女達がもめている・・・なんだろ?

訳を聞けば、第4皇子に食事を運ぶ順番を互いに押しつけあってるの。

あ〜〜そんなエピソードがドラマにはあったなぁ〜・・・・・冷酷で、敵と見なされれば殺されるってイメージがついてるから、皆は第4皇子を怖がってるの。

「私が行こうか?」
って言えば皆が喜んで、食事を運ぶ箱=蓋付きのタライに取っ手がついたような物を私に渡した。



「・・・・・ひぃー屋敷の外にいるなんて、ピクニックですか!」
重たいタライを持って丘に登った私は、ぜぃぜぃ言ってるよ。


丘というか山というか、登った先の大きな平らな岩に第4皇子が座ってる。

・・・・・何が見えますか? 貴方は何が見たいのですか?


「お食事をお持ちしました」
「置いておけ」

いつもみたいに侍女ではなく、運んできた私を見た皇子は、少しビックリしたみたい。 でもバツが悪そうに顔をそらしちゃった。

石塔でのあの夜、泣き止んで顔を上げた皇子はツン!としてて・・・ 可愛かったの♡
あれから避けてるのか顔を合わさないし・・・・・・食事を運んでやっと、会えたの♡

照れてるのかな? それとも恥ずかしい? ・・・・・どっちにしても、皇子がどんな表情なのか見たい〜〜!!

「私の分も持ってきたから、一緒に食べませんか?」
「お前も? ・・・まぁ、いい」

やった! 一緒にご飯食べられる〜〜! 私はいそいそと説明した。

「・・・てりや・・・ちきん?」
「照り焼きチキンです! 宜しければ皇子様もどうぞ?」

私は例の味噌の上にたまった液体を集めてて、今日は照り焼きチキンを作っちゃいました!

「ふん! そんなに言うなら食べてやる」
ツン!と澄ました顔で一切れ口に入れた皇子は、目を見開いた。

もしかして美味しくなかったかな? 味が好みに合わなかったかな? 目を見開いたまま固まる皇子に、だんだん心配になる私。。。

でも、次の瞬間・・・・・・「美味い、美味い」と喜んでくれたの!

よ、よかったぁ〜〜・・・ホッとした私は皇子にご飯を勧め、自分も食べ始めたの。



ヘスの持ってくる食事は、だんだん俺の楽しみになってきた。

野菜の酢の物や、卵巻き、色んな肉の【てりやき】、屋敷の料理ではなく、俺が好きなのはヘスが自分用に作ったものばかりで、結局ヘスが俺用の料理を食べ 、俺はヘスの分を食べていた。

「今日のはいかがですか? 豆腐の田楽なんですけど!」
「この豆腐にかかってるのが美味いな」

「これ、こうやってご飯につけて食べても美味しいんですよ!」
「・・・・・うまい」

不思議なやつだ・・・ 聞いた話によるとヘスは一度死んで生き返ってからは、まるで別人のように変わったと聞いた。

俺は今のヘスしか知らないが、何があったのか気にはなる。

いや、俺はヘスの全てを知りたい。

人にこんなに興味を持つことも、手離さないと思うことも・・・・・初めてだ。

俺は思いきって、聞いてみた。

「お前、以前死にかけてから変わったらしいな・・・・・何故だ」

顔色が変わった? もしや聞かれたくなかったか? 少し血の気が引いた顔したヘスだが、何かを決めた様な顔をして俺を見た。

「・・・・・もし私が、他の世から来たといったら・・・?」
「他の、世から?」

「・・・この世界のずっとずっと未来から、来たといったら?」

何かの謎かけか? ふん、そんなものに引っかかるか!

「そんなこと、あるわけないだろ? 俺をからかうのか?」
「・・・残念! やっぱり皇子様は引っかからないですね〜〜」

「冗談はいいから、何故だ?」
「私にも分かりません。以前の記憶が無くなった分、きっと性格も変わったんでしょうね!」

「・・・ふん!」
「今の私は、嫌いですか?」

え? 急に心細い声で問いかけてくるヘスを見れば、不安そうに俺を見つめていた。

「・・・・・ま、前のお前を知らないから、今のお前でいい」
「・・・よかった」

どうして寂しそうに笑うんだ? 俺の問いは気に障ったか?・・・・・俺が嫌になったか?

「・・・もし、急に記憶が戻ったら(私が消えて本当のヘスが戻ったら)、今の私は消えちゃうのかな〜〜」

・・・・・お前が、消える? 前のヘスに戻るという事は、今のお前が消えることなのか?

消える? 俺を真っ直ぐに見てくれるお前が? 我が身より俺を心配するお前が? 母にも与えられた事のない温もりをくれたお前が?

お前のつぶやきで、俺は頭の中が真っ白になった。お前を失うなど、もう考えられぬ!!!



「行くな! どこにも行くな!お前は俺の側を勝手に離れてはならない!」
急に肩を掴まれた私は、皇子の焦った様子に驚いた。

「俺より先に死ぬ事も許さぬ! 一生お前は俺の側を離れるな!」
「皇子様、落ち着いて・・・」

「ならぬならぬならぬ! お前は俺の物だ! 誰にも渡さぬ!」
「皇子様・・・」

興奮した皇子を落ち着かせようと、私は皇子の頬を両手でそっと包んだ。

「落ち着いて下さい。 私はどこにも行きません」
「ならぬ・・・お前だけは・・・どこにも行ってはならぬ・・・お前は俺の物だ 」

「どこにも行きませんよ・・・でも、物扱いは嫌です」
「じゃあ・・・俺の人、だ」

うっ!!! ニッと笑って『俺の人』だなんて、心臓バクバクいってんですけど!!

頬が熱くなってるから、きっと赤くなってんだろうなぁ〜〜・・・と思ったら、皇子の指が私の頬を触って・・・

「お前は、俺の人だ・・・」
そう優しくつぶやいた皇子が、私を抱き寄せて・・・ 顔が近づいて・・・私はそっと目を閉じた・・・・・・・けど。


「お嬢様〜〜お嬢様〜〜! こちらにいらしたんですね、奥様がお呼びですよ〜!」


チェリョンの声に慌てて離れた私と皇子は、顔を見合わせて笑いあったの。。。


『くそ! もう少しだった! 邪魔が入らなければ、もう少しだった』

帰り道、先頭を歩く にこやかなヘスと違って、ギラギラと抜き身の刀のような眼でチェリョンを睨む皇子と、背後からの怖すぎる視線に怯えるチェリョンの姿があった。






今日はミョン姉様の薬を買いに町へとやってきたの。

もちろんチェリョンと一緒にね! 必要な生薬を買って店を出た私達が、通りを見たとき・・・ 胡散臭い男達に両腕を捕らえられどこかに連れて行かれるジョン皇子を見た。

「大変! 私は後をつけるからチェリョンは助けを呼んできて!」
「でも危険です!」

「そんな事言ってる場合じゃないわ! 早く、早く!!」
「お嬢様〜〜!」

私はチェリョンに助けを呼びに行かせ、ジョン皇子の後をおったの。

第14皇子のジョン様は、第4皇子様と同腹の弟君・・・ 第4皇子とは違って母親のユ皇后から溺愛されてるそう。。。

武芸が得意だと聞いてたけど、あんな大勢で囲まれたら敵わないんだわ!

あれよあれよと言う間に、誰も来なさそうな竹林の中に入って来ちゃったわ・・・しかも、両側から腕を男達に掴まれ身動きできないのに、きゃっ! 斧を出してきて皇子の腕を斬ろうとしてるぅ〜〜!!!

「なんとかしなきゃ!誰もいないから私が!」
私は木の枝を構えると、男達の輪の中に突っ込んで行ったの。



「・・・・・・ヘス?」
馬に乗り町をぶらついていた俺の目に、ヘスが慌てて走っていくのが見え俺はヘスを追った。

竹林の中で見ていれば、どうやら弟が男達に捕らえられている。 聞いたことがあるが、あの指示を出している男・・・・・ジョンと格闘し勝ったのはいいが、我が母、ユ皇后の怒りを買い、腕を斬り落とされたのだ。

今回はその腕の怨みか・・・ ジョンを男達に押さえさせ、斧を出してきたな・・・

・・・・・我が母は、どんな顔をするかな? 溺愛する弟の腕が斬り落とされたら。

怒り狂い、犯人を見つけだし、八つ裂きにするだろう・・・・・それとも弟のために泣くだろうか?



・・・・・もし私なら、母は何とも思わないだろうな・・・・・ いや、それどころか犯人に良くやったと褒美を与えるかもしれぬな。。。

ふ・・・ふふふ・・・・・ふはははは! 俺など・・・・・俺など・・・・・



「やあああ〜〜〜!」
今しもジョン様の腕が斬り落とされそうなとき、私は木の枝を振り回し、突撃したの!

ブンブン振り回したけど直ぐに叩き落とされて・・・・・えーい! コレだけは出すまいと思ってたけど、仕方ない!

懐から赤い紐を巻いたナックルを出した私は、男達の鳩尾を殴った。。。

コレは若い時ヤンチャしてた名残っていうか、ほら、何かあると大変でしょ? 私は今、ピチピチの10代の娘なんだから、ね!
だから町の鍛冶屋のオッチャンに作ってもらってたんだ! 護身用よ、護身用!

若いとき思い出して、赤い紐巻いちゃうなんて乙女じゃない? 本音は紐でギチギチに巻いとくと握りやすいし、手の形に馴染んで殴り続けても疲れないからなんだけど♡

さ、本気でいくわよ! 「おりゃーー!!」

バッタバッタと殴り倒してく私だけど、このヘスって子はお嬢様だから体力ないのよ〜〜〜!
へばってきちゃった・・・・・まずいわ。

「早く逃げて下さいジョン様っ!」
「いや、助けてくれたお前を捨てて逃げるなどせん! 俺が守る!」

いや、だから、あのね? 現状を見ようよ〜〜〜・・・ほら、結局男達に殴られちゃってるじゃん!ジョン様!

でもね、地面に伏せた私に覆い被さって、男達から守ってくれる姿は、うん、頑張ったね!


「止めよ!」
ウク様が来てくれた・・・・・うわっ、凄い! 鎌や棍棒で襲いかかってくる男達を、拳や蹴りで華麗に倒してくウク様、カッコいい〜〜!

「あ、」
でも竹林の中でまだ男達を待機させてたみたい・・・・・倍の人数になっちゃった。

15人なんて無理だよ〜〜! あ〜〜ん、ドラマみたいに第4皇子様が来ないかな!!!

死にたくないよ〜〜〜! ジョン様と身を寄せ合っていると、不意に待ち望んだ声が!!!

「油断は禁物だな」

きゃああ〜〜〜〜〜〜〜! 第4皇子様〜〜〜〜!

悠々と馬に乗って登場した第4皇子様! 男達は《 狼犬 》だと口々に言いだしてビビってます!

スラリと皇子が刀を抜けば、逃げだした男達! はぁ〜〜助かった〜〜・・・


ホッとしたらジョン様ったら、「おかげで腕が無事だった。今後そなたのことは、命を張って守ってやる」なんて言ってるのよ。

なぁーんかさ、図体はデカいのにまだまだ男のコって感じでさ、可愛くなっちゃった♡

「あらまぁ、将来はきっと頼もしくおなりですよ! 楽しみにしてますよ!」
なんて、思わずジョン様にハグしながら、背中バンバン叩いちゃった。

「あ・・・(うわ、まずい、やっちゃった)、すみません、つい弟のように感じてしまって・・・」
「気にすることはない・・・・・ヘス姉上!」
ジョン様から姉上なんて呼ばれてしまった。

「姉上だと?」
第4皇子が、怒ってる?? なぜ?



・・・・・・姉上だと? 弟のジョンが、ヘスに懐いた。 お前は、母だけでは足りないのか?

俺から母を奪っただけでは足りないのか? ヘスを・・・・・ヘスまで、奪うつもりか?

こいつは俺の物だ! 俺だけの物だ! 俺の人だ! ・・・何人たりとも俺からヘスを奪わせはしない!

ヘスは・・・・・・ ヘスだけは・・・・・ 俺から、奪わないでくれ・・・・・


「行くぞ」
「え?」
俺は強引にヘスの手をとり馬に乗せ、その場を離れた。

「きゃあ」
「俺に掴まれ!」

竹林から離れたくて馬を駆けさせ、激しくなる揺れに怯えるヘスに声をかければ、ぎゅっと俺にしがみついてきた。

もっとヘスに頼ってほしい俺は、そのまましばらく馬を駆けさせていた。



「ありがとうございました」
馬を止め降りてすぐ、ヘスは深々と頭を下げ礼を言った。

「もうダメかと思いました、第4皇子様は命の恩人です」
「・・・ソだ」

第4皇子だなどと呼ぶな・・・ 俺の名を呼んでほしい。

「ソ皇子様と呼んでもいいですか?」
「ソ、で良い」

「それはできません・・・皇子様を呼び捨てなんて、無理です」
「・・・・・・」

仕方ないか・・・ 他の者に聞かれれば、煩いだろうしな。

「カッコよかったです、ソ皇子様♡」
「か? か・・・かこいい?」

初めて聞く言葉に戸惑うが、ヘスはいつもこうだからな・・・・・・まぁ、あの顔を見ていれば悪い言葉ではないらしい。

「お前は俺が守る・・・ 俺の物だからな」
「また人を物扱いして〜〜」

「お前は、俺だけの人だ」
「・・・・・ソ皇子様」

潤むヘスの瞳、恥ずかしげに嬉しそうな微笑みを見れば、俺は引き寄せられるようにヘスを抱きしめた。

そのままヘスの唇に、そっと俺のを重ねていった。。。







このお話でドラマでは4話目かな?

次回からまたドラマとは遠ざかります。


関連記事

コメント

Secret

プロフィール

すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

ブロとも一覧


Cat Home

暁の唄

ちび眼鏡日記

月が浮かぶ夜

まきまきまき

うみにふわりふわり

snowdrop

みやびのブログ

よみよみ

SweetBlackな世界

日々のこと

きみと手をつないで

shibushibuuu

ゆめの世界

井の中の蛙

月の舟 星の林

古いおもちゃ箱

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR