《日だまりのような君。》

我慢できなくて書いちゃいました♡

黒崎さんと普通の女の子とのお話です。






「ふぅ・・・」

まただ・・・・・この頃、俺の恋人はよく溜め息をついてるんだ。

洗面所の鏡の前で小さな溜め息をついた彼女は、それを誤魔化すようにキッチンで朝食を作りはじめる。


・・・・・・・ねえ、小春 何をそんなに気にしているんだ?

俺には見せないよう隠してるつもりだろうけど、ふとした瞬間に寂しげな顔で溜め息をついてるの、俺が知らないとでも思ってる?


うまく君に聞き出せない無口な自分だけど、そのぶん心配しているんだ。

可愛い君が、俺みたいな無骨で無口で、独占欲の強すぎる男の恋人なのが・・・・・・・・嫌になったんじゃないかって。。。


ねえ、小春? もしそうなら俺はどうすればいいんだろう?
こんなに君に夢中な俺は、君を手放すことなんて・・・・・・・もう、できはしないんだから。


小春と出会ったのは街中で、彼女がナンパの男に絡まれている時だった。
嫌がる彼女を無理やり連れ去ろうとする男を、追い払ったのがきっかけだった。

助けてくれたお礼がしたいという彼女と食事をして、名前やアドレスを交換し、それから何度か会って・・・・・・そして俺から『好きだ』と告白した。

メガネの似合う小柄で大人しい小春のそばは、どんな所より居心地がよくて・・・・・・俺は、すぐに彼女に惹かれていった。

彼女の話す声も言葉も、あたたかいんだ。
いつも一緒にいたくて、同棲をはじめた俺たちだけど、ねえ小春? その頃からだよね、君が溜め息をつき始めたのは・・・

もしかして、一緒に暮らしてみて俺という男が嫌になったのか?

ああ、どうすればいいんだろうか? 君を悩ませるものが何なのか、知りたい・・・・・・・




「ふぅ・・・・・」

洗面所の鏡にうつる自分を見て、溜め息がこぼれてしまう。

どこからどう見ても平凡な自分・・・・・・メガネを外しても決して美人とは言えない顔に、また溜め息。

背が低く、手も何もかも小さな私は、10人並み・・・・・・・正直、今まで男の人にモテたことないんだ。

目立たないよう、大人しく生きてきた私だけど、ある日ピンチを救ってくれた勇治さんと出会ったとき、思いきって誘ってみたの。

「助けていただいたお礼がしたいんです!」必死だった・・・・・清水の舞台から飛び降りる覚悟って、こういう事だって思ったほど、必死に勇治さんを誘ったの。

だって勇治さん、助けてくれたあとそのまま立ち去ろうとしてたし、きっと私が誘わなかったら本当に去って行ったと思うの。


私は・・・ 絡まれて怖かった男の人から、庇ってくれた勇治さんに・・・・・・胸が熱くなって、ドキドキしてて、このまま何も無かったみたいに別れて、知らない他人になんてなりたくなかったの。

そうしてお食事して、彼の名前もメアドも教えてもらえて、すごく嬉しかったぁぁ〜〜・・・・・

しかもその夜に勇治さんからメールが来て、今度は俺がご馳走するからって、誘われて・・・・・・そうやって何度も会うようになれて、ますます私は勇治さんに・・・・・・恋していったの。


そして、夢みたいな事が!!! 勇治さんから『好きだ』って告白されるなんて、想像もしてなかったから私、嬉しくてボロボロ泣いちゃったなぁ〜〜・・・・・・



・・・・・・・・あの頃は、本当に嬉しかったの・・・・・・・・


同棲をはじめてから生活用品を買い足しに、2人であちこち見に行ってたときだったの・・・・・・・周りからクスクスと笑われてる事に、気がついたのは。。。


『あの人、カッコイイ〜〜〜』
『何選んでるのかな? え? あの横にいるのが彼女?』
『うそっ! あんなチンクシャが? なんかヲタクっぽくない?』
『なんかの間違いじゃない? あんな素敵な人の横に並ぶなんて、鏡見たこと無いんじゃないの?』

『似合わない〜〜〜!!!』
『図々しい女ね〜〜、ちゃんと鏡見て、自分には不釣り合いだって自覚すればいいのに!!!』


・・・・・・・・そんな酷い言葉を聞いても、私は言い返せなかった。 だって情けないけど、自分でもそう思ってたから・・・・・・


精悍な顔立ち、サラサラな触れたくなる髪の毛、顎のラインも首すじも綺麗・・・・・・腕も身体も逞しくて、スラリとしてる彼は、芸能人よりカッコイイ。


そんな彼の隣には、もっと相応しい人が似合う・・・・・・・私なんかより、もっと、もっと綺麗な人が、似合うと思うの。


・・・・・・・だけど、私・・・・・・わかってるけど、私・・・・・・彼のこと好きだから・・・・・・大好きだから、離れたくない・・・・・・・・

私って、こんなに欲張りだったんだ・・・・・・彼に相応しくないのに、そばにいたくて・・・・・・エゴ丸出しの自分が、嫌になって・・・・・・・

溜め息を、ついてしまう毎日になったの。






溜め息をつく恋人のことを考えていた俺は、師と仰ぐ山吹さんに相談した。

「・・・・・そうですか、黒崎くんの恋人は何やら心に重い石をお持ちのようですな」
「・・・・・・・」

「そうだ、私の寺でしばらく小春さんをお預かりしましょう。 拙僧ではたいした事などできませんが、静かに己と向き合うのに、寺はかっこうの場所だと思います」

俺は山吹さんに頭を下げ、お願いしたんだ。

でも、どう言い出せばいいだろう? 俺は小春が何か悩んでいる事を、知らないふりしていたから・・・・・・いきなり、寺へ行けとは言えない。

日々、思いつめた様子になっていく彼女が心配だ。

そんなとき、チャンスは向こうから来たんだ。


「勇治さん、聞いてもいいですか? たしか前に御坊さんとお知り合いだって話してくれましたよね?」
「コクン」

俺は小春に、山吹さんの事を話した事がある。

「あの・・・私、お寺に泊まってみたいんです。 その方にお願いしてもらってもいいですか?」
「・・・・・・・コクン」

すぐに山吹さんにメールして、トントン拍子に宿坊体験として2泊する事が決まったんだ。



「黒崎くんは遠慮して下さい」
「???」

小春と一緒に泊まるつもりだった俺は、山吹さんに断られてしまった。

「自分から寺に泊まりたいだなどと、若いお嬢さんが言い出すのはきっと、思いつめての事でしょう。 黒崎くんが一緒だと話せるものも話せなくなるかもしれません。 今回は彼女だけお預かりいたします」
「・・・・・・」

「え? 1人は寂しい? では、夕飯はここで食べられればいいでしょう、用意しておきます」

そうして俺たちは、しばらく別々に暮らすことになったんだ。。。




・・・・・・・勇治さんは、優しい人。。。

言葉は事情があって話せないけど、その代わり表情やジェスチャーでコミュニケーションがとれるし、2人で歩いているとさりげなく車道側に立ってるとか、重い荷物はサッと自分が持つとか、態度で優しさを感じられるの。

そんな・・・・・彼の素敵なところに触れるたび、私は・・・・・・私なんかが彼を独占してる罪悪感で、申し訳なくなるの。

きっと誰より優しい人だから、『別れよう』なんて彼から言わないと思うの。

それより彼に去られた後の私を気遣っていそうな人だから・・・・・・・そんな彼の優しさにつけこんで、私は『彼の彼女』という存在から抜け出せなくなってる。

ズルい自分が心底嫌になってきて、毎日自己嫌悪で、心が潰れかかってた。

そんなとき、会社の昼休憩で見たテレビに映ったのは、どこかのお寺さんで・・・・・・今、若い女性で流行ってるみたいなんだ。

お寺の宿坊体験! お寺に泊まり込んで修行するって体験なんだけど、座禅や写経とか瞑想とか色々あって自分を振り返る事が出来そうなの!

いつしか ・・・・・・私は画面に釘付けで、勇治さんの知り合いに確か御坊さんがいたと聞いてたことを思い出して、彼に頼んでいたの。




「小春さん、こちらでお茶でもいかがですか?」

私は掃除の手を止めて、この寺の住職である山吹さんのそばに座ったの。

「朝から忙しかったでしょう?」
「いえ、身体を動かしてるのって気持ちいいですね! 他のことを考えずに没頭しちゃいました」

目の前に置かれた緑茶と和菓子を、美味しくいただきながら山吹さんと他愛もない話をしてた私は、爽やかな風に吹かれた木々の葉擦れの【ざわわわ〜〜〜 】という音に、聞き入ってしまった。


会話の途切れた私は、そのまま【 ざわわわ〜〜〜・・・・・ 】という木々の音に、耳を澄ませ・・・・・・目をつぶって、その音に包まれていた。

ハッ!と気がついた私は、山吹さんがいるのに無視してしまった事に焦ったけど、山吹さんは・・・・


「自然の中の音は、心の恵みです。 大いに聞いて、包まれて下さい。 きっと我が寺も小春さんを歓迎しているのでしょう」
なんて穏やかに微笑んで言って下さって・・・・・・その言葉と慈愛に溢れた微笑みに、私は頬に何かが流れていくのを、ボォ〜っと感じてた。。。


「何か心につかえている事がおありなんですね、宜しければ拙僧に話してはみませんか? 言葉に出すだけでも、軽くなるかもしれませんよ」
「あ・・・・・・私・・・・・・私・・・・・・・」


私は堰を切ったように、自分の心の醜さやエゴを、話し出していたの。。。




夜、バイクで山吹さんの寺へと来た俺は、門の前で立っている山吹さんを見つけた。

「黒崎くん、今日はこのまま帰っては下さいませんか?」
「え?」

どういうことだ? 何故、小春に会わせてくれない? 俺の問いかける視線に、山吹さんは合掌している。

「彼女が悩んでいた事を、話して下さいました。 きっとありのままの自分の事を話した事で疲れてしまったのでしょう、彼女は今、眠っています」

眠っているから邪魔するなとでも言うんだろうか・・・・・・それにしても、山吹さんの様子が何処かおかしい。

「ええ、私は今怒っていますから、どこか態度がおかしいでしょう。しかしそれは無理がないと、自分でも思います」

さっぱりわからない・・・・・山吹さんは何に怒ってるんだろう?

「・・・・・・・あなたにですよ、黒崎くん」
「・・・・・・俺?」

「ええ。 どうして私が怒っているのか、彼女が何故これほど悩んでいるのか、あなたは考えなければいけません。 今夜はこのまま帰って、ゆっくりと考えなさい」

ピシャッと門が閉められたけど、俺は山吹さんの言葉にただただ呆然と、その場所に突っ立っていた。



それから山吹さんはラボにも来ないまま、3日が過ぎた。

俺は毎日、小春に逢いたくて山吹さんの寺に通うんだけど、中には入れてもらえないままだった。

今日も山吹さんのお弟子さんに断られた俺は、でもいつもみたいに黙って帰るなんてできない!

本当なら昨日で小春は家に帰ってくるはずだったのに! 2泊の約束なのに! 何故だ!!!

今日は、訳を話してもらうまで帰るつもりはない! その前に小春に逢いたいんだ!

彼女を見たい、言葉を交わしたい、微笑みが見たい、触れたい・・・・・・柔らかな彼女に、触れたいんだ。



「今日もお帰りください」
そう言われた俺は、だが帰るつもりなんてサラサラないから、お弟子さんを押しのけ、潜り戸から中へと強引に入ったんだ。。。






〜〜2日前〜〜

「あら、山吹さんからメールだわ」
「なになに? なんか面白いこと?」

青山ちゃんとランチしに出てたとき、山吹さんからメールが来たんだけどぉ〜〜・・・・・・・私は結城 翠、STの一員なのよ♡

「・・・・・・・・青山ちゃん、さっさと食べ終わって? 山吹さんトコに行くわよ!」
「OK、もう食べた! 行こう、翠さん」


『 翠さん、青山さんの御力が必要です、助けては下さいませんか? ある女性が、自信を失い迷っています。 話を、聞いてください』

こんな意味深なメールもらったら、行くしかないじゃないの!

タクシーをかっ飛ばして駆けつけた山吹さんのお寺で、私達は初めて “ 彼女 ” に会ったの。

彼女・・・・・・黒崎くんのカノジョの小春ちゃんに♡


メガネをかけた小柄で可愛らしい彼女は、話せば話すほどピュアな子で、もう〜〜〜私、気に入っちゃったじゃないの!

この子が黒崎くんと付き合ってる彼女なのね? うんうん、黒崎くんが夢中になっちゃうの分かるわぁ〜〜〜!!!

控えめで謙虚な彼女は黒崎くんからしたら、庇護欲が湧いて湧いて仕方ないでしょうね!

で、話を聞いてたら・・・・・・え? 自分なんかが黒崎くんの彼女だなんて、彼に申し訳ないって思ってたの?

でも、2人って同棲してるんでしょ? いくら優しい男でも、心にもないような人と暮らせないわよ?



え? うそ? はあああ????? まさか・・・・・・・・・・やだ、からかわないでよ! からかってたら私、帰るわよ!!!


あ、泣かない泣かない! 嘘じゃないのね? そうね、小春ちゃんの声の振動は、嘘なんてついてないわ。


ちょっと待って、え? なに? なんなの? それが事実なら・・・・・・・自信なくして当たり前じゃないの!!!


「え、どういうこと? 僕わかんないよ・・・・・同棲してる黒崎さんと小春ちゃんが、エッチしてないなんて!」
「・・・・・一緒に暮らして3ヶ月、キス以上はしないまんま同じベットで寝てるだなんて・・・・・・・黒崎くんって、もしかしてマゾ???」


そりゃ、女として自信無くすわよ。

しかも彼から『好き』って言われたのも、告白されたそのときの1回だけだなんて・・・・・・小春ちゃんもよく我慢できたわね。

「でも勇治さん、抱きしめてくれたり、その・・・・・キスはたくさんしてくれるから」

うふふ・・・ 真っ赤になって黒崎くんを庇う小春ちゃん、ああん、もう、可愛いんだからぁぁ〜〜〜。

「翠さん、僕が思うに・・・・・黒崎さん、彼女のこと本気すぎて手が出せないみたいだね。 黒崎さんは黒崎さんで、自分が思う限り最大限に大切にしてるんだ」
「でも方向が違うでしょ? 好きって言葉もない、エッチもないじゃ、小春ちゃんが悩むのも当然だわ!」

「翠さん、なんか企んでるでしょ?」
「あら、分かっちゃった? 青山ちゃんにも手伝ってもらうわよ! 普段はできない仲間のプロファイリングでね♡」


そう、青山ちゃんはプロファイリングの天才だから、黒崎くんが我慢できなくてムシャぶりついちゃうくらい好きなビジュアルを割り出してもらうわよ!

私はソレを踏まえて・・・・・・うふふ、楽しくなってきたわぁ〜〜〜!!!


「面白くなってきたぁーーー!!!」
「頼むわよ、青山ちゃん!」


警視庁科学特捜班、通称STの中の『魔女』と呼ばれる2人が、キラキラと瞳を輝かせ企んでいるときは、誰も彼女達に逆らえないのだった。。。


そして本日、門前払いを食らい続けてた黒崎くんが、痺れをきらして強引に入ってきたんだけど・・・・・・青山ちゃんのプロファイリングで、分かってたから準部万端で待ち構えてたのよん♡


キャップと赤城さんにも手伝ってもらうわよ!

うふふ〜〜〜・・・・・冷静沈着な黒崎くんが、どう取り乱すのか私ワクワクしてるわ♡






俺は勝手知ったる寺の中、ずんずん小春が居そうな場所へと進んでいく。

きっとここだ!と当たりをつけた部屋の襖を開ければ、そこには・・・・・・・クンクン、居る! 小春の匂いだ!


奥へと足を進めれば小春はいたんだが、他に人がいた・・・・・・俺もよく知る人達が・・・・・・


「小春さんて可愛ですね!」
「あ、ありがとうございます! あの、お茶をどうぞ」

「ありがとうございます! ・・・・・・うん、美味しいです」
「よかったです」

匂いでわかる・・・・・キャップだ。 しかもキャップは興奮している。

小春のこと女性として意識して、舞い上がって緊張している匂いだ。


小春のこと、女性として、意識している・・・・・・・・・キャップ!!! いくらキャップでも、小春を奪うつもりなら容赦しない!!!


「へぇ〜・・・小春さんはソフトウェア開発会社のシステムエンジニアなんですか〜・・・・凄いですね〜〜」
「馬鹿キャップ! 意味もわからず凄いですねぇ〜と、繰り返していても相手は空々しく聞こえるだけだ! そんっなことも分からないのか? それだから彼女もできないんだ」

あ、赤城さんも居たのか・・・・・2人っきりじゃないなら、安心だな。


「小春さん、黒崎のバカや情けない男代表のキャップなんぞ止めておけ!」
「え? 赤城さん? なに言っちゃってくれちゃってんですか???」

「俺は事実を言ってるんだ! あんなバカより・・・・・お、、お、お、俺にしとけばいい・・・・」

赤城さん!?!? なにを言ってるんだ? 対人恐怖症で、女性恐怖症の赤城さんが、小春を?

「こんなに側にいても帰りたくならない女性は貴重なんだ! 俺に譲れ!黒崎!」
「嫌だ!!!」

俺が来ていることが分かってたんだろう、振り向いた赤城さんに名指しされて・・・・・ 小春を譲れと言われて、俺は思わず怒鳴っていた。


皆の後ろから部屋に入った俺は、振り向いて俺を見ている赤城さんを見つめ続け・・・・・・いや、大事な小春を奪われないよう睨み続けた。

俺の声に驚いてこっちを見ているキャップは、。オロオロと俺と赤城さんを交互に見ている。

そして2人の間に居る、後ろ姿の女性が・・・・・・小春だ。


「・・・・・・・小春」
「勇治さん・・・・」

俺が呼ぶとゆっくりと振り向いてくれたけど、小春? どうしてそんなに・・・・・・・綺麗になってるの???



ストレートの小春の髪が、ふんわりとカールしてる。

メガネもない・・・・・可愛らしい小春の顔は、派手すぎないメイクでパッと華やかな印象に変わってる。

服も・・・・・・清楚な花柄のワンピースは何処かのお嬢様みたいだよ。


「小春さん、すごく可愛らしい方ですね! 性格も謙虚で思いやりがあって、今日が初対面ですが僕、もっと小春さんとお話がしたいです!」

ああ、キャップの体臭がどんどん変わっていく。 小春を女性として意識していってる・・・・・・・

「ふん! そんな煩くて煩わしい男、彼女の方で嫌だろう! 物静かな、お、お、お、オレ・・・が、いいだろう」

赤城さん? もしかして赤城さんも? 少しづつ赤城さんの匂いも変化してる。



「そ、そんな、私なんか・・・・・赤城さんも百合根さんも素敵な方なんですから、私なんて・・・・・・でも、褒めていただけて嬉しいです」
男2人に褒められて小春は真っ赤になって、手を胸の前で降り続けてるけど、その様子が男の心を鷲掴みするって、知ってる?

現に赤城さんもキャップも、小春のその様子に表情が変わる・・・・・・匂いも、変わる。



・・・・・・・だめだ、だめだ、だめだ!!!!!!!

小春は俺の・・・・・・・俺の大事な人なんだ。 取らないで・・・・・・俺から小春を、奪わないで・・・・・・・


「だめだ!!! 小春は俺の、大事な人なんだ! いくら赤城さんでも、彼女だけは渡さない!!!」
「彼女はお前の所有物じゃないぞ? 黒崎」

「それは・・・・・・」
それはそうだけど・・・・・・・でも、俺は・・・・・俺は・・・・・小春を・・・・・・・


「愛してるんだ・・・・・小春を・・・・・彼女を・・・・・俺は、愛してる」
「勇治さん・・・・・・」


俺は小春の腕を掴んで俺に引き寄せた。 2人の間に居させたくなくて、強引に引き寄せて、抱きしめた。

「愛してる・・・・・小春、俺から離れないで・・・・・」
「あ・・・・勇治さん・・・・・・」



「 ミッション・コンプリート〜〜〜」
「やった! 言ったわ! しかも『愛してる』ですって〜〜〜」


パン! パン! とクラッカーを鳴らしながら入ってきたのは緑さんと青山で・・・・・後ろから山吹さんも続いてる。

どうして2人が? それに赤城さんとキャップが ここにいたのも考えればおかしい・・・・・

俺は説明をして欲しくて山吹さんを見たんだ。


「・・・・・小春さんがお悩みになられていたのは、黒崎くん・・・・・君に愛されているのか、分からなくなっていたからなのです」
穏やかな山吹さんの声が、俺の胸に染み渡る。。。

「好きだと言われ恋人になった小春さんは、それはもう幸せだったそうです。 しかし、2人で出かければ聞こえる黒崎くんに相応しくないという誹謗中傷の声。 告白から言われなくなった愛の言葉に、小春さんはどんどん自信がなくなったそうです」


ずいっと俺の前に翠さんが立った。

「一緒に暮らしててもキス以上は触れてこない恋人に、女はね・・・・・不安になるの! 不安で不安で仕方ない毎日は、やがて彼女の女性としても自信も失わせたのよ。 女はね、言葉で安心するものよ・・・・『好き』って一言もない毎日が、どれだけ辛かったか・・・・・男の黒崎くんに分かるかしら?」

・・・・・・・そうなのか? 俺が思ってるだけで言葉にしなかったから、君に辛く悲しい思いをさせ続けたのか?

「さあ、これからは御二人で話し合われた方がよろしいでしょう」
山吹さんの言葉に皆が部屋を出て行ってくれて、2人っきりになった。


「不安にさせて、すまない」
「ううん・・・・・私が悪いの。 メイクとかファッションとかに気を使ってなかったくせに、勇治さんの隣にいたから」

「私がかってに自信をなくして落ち込んで、悩んでて・・・・・・」
「違う! 小春はそのままで十分可愛いし、俺は大好きだから・・・・・俺がちゃんとしてなかったから悪いんだ」

「・・・・・・・あのね、勇治さんに私は相応しくないって自分でも思ってたの・・・・・でも、でも、好きだから・・・・・勇治さんの側に居たくて・・・・・・勇治さんは優しい人だから、私のこと嫌でも捨てられないんだろうって思ってた・・・・・」


・・・・・・・そんな風に思いつめてたのか? 俺に相応しくないって?

俺はギュッと彼女の小さな身体を抱きしめた。

「・・・・・・好きだ・・・・・・好きだ・・・・・俺は小春が、好きだ」
「でも、同棲しても勇治さん・・・・その・・・・あの・・・・・私と・・・・」

「SEXしなかった事が、不安にさせた?」
真っ赤になって言い難そうにしてる小春は、俺のイケナイ所を【 ズキュン!! 】とさせるの、知らないでしょ?

「・・・・・小春は俺が初めてでしょ? だから、怖がらせたくなかった・・・・・一緒の家に住んで、一緒に過ごして、抱きしめあってキスして・・・・・少しづつ、進めようと思った」
「ごめんなさい・・・・・私・・・・・1人で悩んで、勇治さんが大事にしてくれてたのに・・・・・気がつかなくて、ごめんなさい」

違う・・・違うんだ・・・・・・頭を下げる小春の肩を掴んで俺を見るようにした。

「小春・・・ 言葉の足りない俺が悪いんだ。 すまない 」
「勇治さん・・・・・・」

「やり直してほしい・・・・・俺と」
「いいの? 私・・・・勇治さんの側にいても、いいの?」

「小春がいい・・・・・俺こそ小春の側にいたい・・・・・・」
「勇治さん!」


しがみついてくる小春を抱きしめ、俺は彼女の耳に囁いた。



「・・・・・・今からは間違えないから。 帰ったら、しよう?」
「何をですか???」

キョトンとする小春の耳に、息を吹き込むように言葉を吹き込んだら、耳まで真っ赤になる小春が、可愛くて愛おしい。。。


《 小春の全部を、俺のにする。 もう、躊躇わないし迷わない 》

クスクス・・・・・真っ赤になったままの小春を連れて、俺は俺たちの家へと帰ったんだ。。。




「これからは間違えない。 もっと『好き』って言う。 素直に小春が欲しいって、言う」
「勇治さん・・・・・・」


そうして俺たちは、身体も心も重ねて、1つになったんだ。






〜〜数日後〜〜


「・・・・・・・・・・」
ブンブンとダンベルで腕を鍛えながら書類を見ている俺に、遠巻きに見ていた皆が何か言ってるみたい・・・・・・



「あれから機嫌いいわね、黒崎くん♡」
「そりゃそうだよ、あんな可愛い恋人と毎日ニャンニャンしてるんだろうし! 黒崎さんてアッチの方も強そうだし〜〜」

「青山さん!!! 女の子がそんな事言っちゃいけません!」
「キャップ! お前は青山の母親か? ま、俺には興味がないが・・・」

「小春さんも、愛されていると自覚できて幸せそうですよ」
私は小春さんとのLINEの文面を思い出し、本当に良かったと合掌しています。



〜〜〜ピロン♫

小春からのLINEだ。

『勇治さん、お夕飯は何がいいですか? 帰りにスーパーに寄るので、ご希望があれば教えてください♡』

クスクス・・・・・可愛い 。
あれから2人で話し合って、相手に気を使い過ぎるのを止めようって約束したんだ。

だから毎日、小春からLINEがくるようになったんだ。

俺は、返事をすぐに打った。



『 小春が、いい。 小春が、食べたい』

クスクス・・・・・・すぐに既読のついたLINEに、笑みがこぼれる。 きっと、これを見て真っ赤になってるだろう小春を想像して、俺もクスクスと笑ってしまった。



〜〜〜 ピロン♫

くすっ・・・・さて、小春は何て返してきたかな???



『・・・私も、勇治さんが、欲しいです♡』

なっ! なっ・・・・・なんて・・・・・・小春・・・・・・・素敵だ♡

俺はスマホをしまってから、超特急で仕事を終わらせ帰り支度を始める。

小春が定時にあがる時間に迎えに行くために。

そして2人でスーパーに行って、それから・・・・それから・・・・・柔らかくてスベスベな小春と、あんな事やこんな事をしようと頭に思い描いてラボを出た。



「あらあら、黒崎くんが先に帰っちゃった」
「愛しい彼女からのLINE見てからだよねぇ〜〜〜」

STのメンバーが暖かく見守る中、黒崎勇治は今、絶好調に幸せなのだった。。。





楽しかったァ〜〜〜・・・・・・ もう、ずっと書き続けたいのですか、まだ試験があるので。

9月の中頃には合格、不合格関係なく、解放されると思うので、それからは趣味に時間を取りたいです。

それまで待っていただけると嬉しいです。

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すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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