⑦《真白き、君 》〜〜有栖の告白〜〜

前の話のその後です。

姫に誤解された有栖さん、なんとか誤解を解いてもらおうとしますが、上手くいくのでしょうか???

そんなお話です。。。






「あ、あのな姫・・・・・ちょっと話あんねんけど」
「はい、なんでしょうか?」

ニコニコと俺を見ている姫は、何を話されるんだろうと小首をかしげて待っているんやけど、それがまた・・・・・・・ごっつ可愛いんや。


サラサラの黒髪ストレートは腰まであるのに、きっと枝毛なんか1本もないんやで?
大きな目は、吸い込まれそうなほど黒目が大きくてキラキラしとるんや。

通った鼻すじ、真っ白い肌、顔も小さくてなんもかも完璧なんや!

目の覚めるような美しさって、ほんまにあるんやって・・・・・・俺は姫を見て分かったんや。


・・・・・・・俺が惚れとんのは、姫や。


この前の事件で出会った鷺尾さんは、あれは・・・・・遠い昔の初恋の人と重なっただけなんや。

俺が生まれて初めて書いたラブレターを渡した夜に、その子は自宅で手首を切って自殺未遂したんや。

無事に助かったんやけどな・・・・・・そのあとな、俺・・・・・その子に何て言葉かけたらいいかって悩んで、結局なんも話しかけれずに高校生活が終わったんや。


あんとき俺は、彼女に何て言うたら良かったんやろう・・・・・・その事がずっと胸の中にあってな。

鷺尾さんはあの子に似てて、俺は初めてその話を人にしたんや。


鷺尾さんが言うてくれた言葉が嬉しくて、やっとこの胸のつかえに自分なりに決着つけれそうやと思たんや。


鷺尾さんは綺麗な人やと思うけど、俺が好きなんは姫やし!

火村がなんか吹き込んだ「俺の理想の女性」は、鷺尾さんちゃうねん、姫やねん!


それだけは言おうと、姫に連絡をとったんや。

俺としては真剣に姫と話がしたいから、火村の下宿やなくてどっか落ち着いて話ができるとこって思うたんやけど、姫がな。。。



「ほんまに俺の部屋でいいんか?」
「はい! 推理小説家の有栖さんのお部屋を、見てみたかったんです!」

そう、姫が指定したのは俺の部屋やった。

しかも今日は幸村さん抜きで、姫だけ来たんや。

男の部屋に来るんやからてっきり幸村さんが付いてくるって思うとったんに・・・・・ええんやろか???


あ、誤解するなよ!!!

いくら姫と2人っきりやいうて、乱暴な事とか、変な事しようなんてこれっぽっちも考えてないかんな!!!

姫は俺にとって大事な人なんや、姫の嫌がるようなことするわけないやろ?



話、横道それまくったな・・・・・・・


戻すとな、俺の部屋に遊びに来た姫にコーヒーを淹れて、物珍しそうにキョロキョロしてた姫を座らせて一緒に飲んでたんや。

いよいよ本番や! 鷺尾さんはタイプなんじゃないって話を・・・・・・・



「あ・・・あんな・・・姫」
「はい」

「火村がなんか変なこと言うたかも知れんけど、俺は鷺尾さんが理想の女性じゃないから」
「・・・・・・・そうなのですか?」

「うん! そうなんや! 昔の知ってる人に似てただけで、理想とかタイプとか、そういうんじゃないねん!」
「でも有栖さん、鷺尾さんに彼氏さんがいるかどうか尋ねられてましたわ・・・・・」


くわぁ〜〜〜・・・・・・よぉ〜見とるな〜〜〜・・・・・・さすが姫や!!!

いやいや、そこで感心するんちゃうし!!!



ん? ・・・・・・・ちょっと待て、有栖。

・・・・・・・・姫、拗ねてないか?

言い方もそうやけど、カップを膝の上に置いて俯いてるし、そうかと思えば俺のことチラ見してるし・・・・・・ってコレは、そうや!

姫は、拗ねてるんや・・・・・・・・・・え??? マジで???


拗ねてるってことは、俺が鷺尾さんのこと思うとるんが嫌やって事やろ???

え? 違うか? 合っとるか??? どうなんや!!!



「姫はさ、どう思った?」
「え?」

「もし・・・・もしやで? もし俺が、鷺尾さん好きやったら・・・・・・どう思う???」
「・・・・・・・・・・・・・」

俺はドキドキしながら姫を見つめたんや。

姫は、俺のことどう思っとるんやろう???


少しは俺のこと、男として見てくれとる???

他の女に取られそうとか、嫌やって思うた???


どうや、姫・・・・・・どう思ったんや???



俺は、唾を飲み込むような緊張しながら、姫の・・・・・・紅くて形良くて、ぷっくりした唇を見てた。


姫・・・・・・俺のこと、どう思ってる???




「・・・・・・・・分かりません」
大きな目を膝の上のカップに向けたまま、姫はポツリとそう言ったんや。

「そうかぁ〜〜・・・・・分からんかぁ〜〜」

そらそうやな、今まで温室の中で純粋培養されて育った姫が、たった数ヶ月で “ 複雑に絡む人の感情 ” を理解してるとは思えんし、知らんもんが答えられる訳ないしな。


「難しかったか〜〜・・・・・ まあ、それもそやな」
取りあえず俺の理想の女性とか、タイプとか、鷺尾さんはそんなんじゃないってだけ、説明しとくか。

緊張から解放された俺は、一気にテンション軽くして姫に説明しようとしたんや・・・・・・けどな。



「・・・・・・・でも、ここが・・・・・・苦しかったです」
「へ?」

コトッとテーブルにカップを置いた姫が、自分の胸を押さえてそう言うのを・・・・・・俺は見た。



「よく分からないんです・・・・・・でも有栖さんの理想の女性が・・・・・鷺尾さんだと思うたびに、ここがキュッとして・・・・・・締めつけられて・・・・・・・私、病気にかかったんでしょうか?」


うそ・・・・・・・それって、それって、それってぇぇ〜〜〜・・・・・・・・・あれ? どういうこっちゃ!?


「有栖さん・・・・・・・私、病気なんでしょうか?」

不安そうにウルウルした目して、俺を見上げてくる姫に俺は、たまらんくなったんや。

こんな時や、姫が愛しいて愛しいて堪らんようになるんわ。


姫は駆け引きなんて考えへん。

外の世界に出て初めて知ることが多い姫は、1つ1つを真面目に・・・・・・いや、大事に受け止めるんや。

何でやって聞いた事があるんやけど、姫な、例え悪意でも今まで何も知らなかった事を知る事ができて嬉しいっていうんや。

『私は今まで大事に守られてはいましたが、外との関わりを断たれていました。 人と人との関係を知りません。 例えそれが善意でも好意でも悪意でも、知ることで私はきっと・・・・・・この世界に生まれ直しているのだと思います』

『知った悪意に影響されて私自身が歪んだとしても、私は知りたいという欲の方が強いのです。 それも私の選択なのです』


俺が姫に惹かれるんわ見目形の良さだけやない、姫の純粋でしなやかに強い心に、めっちゃ惹かれるんや。

そうかと思えば被害者や、犯人のために涙する優しい人なんや。

強さと脆さ・・・・・・強く惹かれるし、強く守りたくなる・・・・・いまもそうや。



俺は隣に座って、ぎゅっと姫を抱きしめた。

「姫、俺は鷺尾さんのこと理想の女性とか、タイプとか、そない思ってへんよ」
「え?」

「・・・・・・・昔の話やけど、聞いてくれるか?」
「・・・・・・はい」


俺は姫を抱きしめたまんま、高校時代の “ あの子 ” の話をしたんや。

その彼女に何て言うたら良かったのか、今でもたまに考える時がある・・・・・・そこまで話して、腕の中の姫からそっと顔を見ようと身体を離したんや。


「姫・・・・・俺の理想の女性ってな、姫なんやよ?」
「え?」

「姫・・・・・俺が好きなんは、姫や・・・・・・」
「有栖さん・・・・・・・」


俺はまた、ぎゅっと姫を抱きしめた。

「胸、苦しいの無くなった?」
「・・・・・・・・はい」

「ほうか・・・・・」


「・・・・・・あったかいです」
「ほうか・・・・・」






俺は姫に好きやと言うた。

けど姫はピンときてないからな、返事は保留にしたんや。


でもな、姫・・・・・・姫は俺のこと、好きになっとるんやろ?

鷺尾さんのことで胸が苦しいなるなんて、俺に惚れてきとるってことやろ?


だからな俺は、焦らんとゆっくり姫との恋を育てていこうと思うとるんや。


姫が自分で “ 恋に堕ちた ” と自覚するまで、ゆっくりとな・・・・・・・



「どうした有栖、最近ニヤついてだらしない顔になってるぞ」
「ほっとけ! なんやニヤついてるなんて失礼な!」

「まあ、原因はかぐやだと想像できるがな・・・・・・」
「ぐっ!!!」

いつもの様に火村の下宿先に気分転換しに来た俺は、ちょうど飲んでたコーヒーでむせてもうた。


「かぐやはまだ自覚してないだろうが、人との出会いで変わりつつあるようだ」
「そうやろうなぁ〜〜」

「お人形から、意志を持った1人の女性へと変化している・・・・・美しさとは外見だけのものではない、内面があって初めて輝いてくるものだ。 かぐやはその輝きを放ちはじめた」
「・・・・・・・ということは?」



「かぐやを狙っているのは有栖、お前だけではないという事だ」
「なんやと!!!」

「・・・・・・大学でも彼女の周りに、お近づきになりたい男が群がってきている」
「なんやと!!!」

「それに俺たちにくっついて事件現場にも来ているだろう? 警察の中でも かぐやを狙う男が出始めている」
「坂下君やろ!!!」


「それに・・・・・」
「なんや、まだあるんか!!!」


「かぐやの胸の痛みはお前に恋をしたんじゃない、異性として認知したくらいのものだろう」
「はああ???」

「かぐやが好きなのは自分だと思っただろうが、それくらいの感情いつでも誰かにひっくり返されるぞ」
「なんやと!!!」


「ま、せいぜいアタックする事だな有栖。 頑張りたまえ」
「なんで火村に上から目線で言われなあかんねん!!! 腹立つなぁ〜〜」


「のん気な有栖はちゃんと彼女を恋人にできるでしょうか! はたまたトンビに油揚げをさらわれるが如く、他の男に彼女を奪われるか!? 次回も乞うご期待!!!」
「だから誰に言うとんのや!!! そのドヤ顔やめい!!!」

「もしかして彼女を奪うのは坂下か!? 鍋島さんか!?」
「ないない!! 鍋島さんて、既婚者やないか! 坂下君はないやろう〜〜」

「もしくは、僕か!?」
「お前かっっ!!! 表出ろ! 勝負や勝負!!!」

「乞うご期待!?」
「だから誰に言うとんのや!!! 」



「くすくす・・・・・・いつ見ても、仲がよろしいわね」
「ああなったら、しばらく収まらんでしょ、先にお茶しましょう」


2人を放ってお茶菓子に舌鼓をうつ時絵と かぐやは、微笑みながら見ていたのだった。。。





あはは、最後に火村先生にドヤ顔でカメラ目線で言ってもらうのが楽しいです(クセになりつつありますね☆)

次は《ショーウィンドウを砕く》です。

少し近づいた有栖さんと姫でした。。。



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私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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