⑤《真白き、君 》〜〜准教授の身代金〜〜

第3話からの好き勝手妄想話でございます。

エセ関西弁なのは、お見逃し下さいませ。。。







「殺人、それは衝動で起こるものもある」
「衝動・・・・・・それは、いわゆるカッとなったという感情からでしょうか?」

「そや! この一言だけは言って欲しくない!って言葉を言われたから、カッとなってってやつやな!」
「有栖さんの言われたくない一言って、何でしょうか?」

「俺か? ・・・・・・・ほやな、なんやろか? 姫はあるんか?」
「私ですか? ・・・・・・・・何でしょうかね?」


キョトンと首をかしげる姫は、ツヤツヤの黒髪をさらさらといわしてるんや。

腰まである黒髪はストレートで、今日はそのまんま降ろしてるんやけど、雰囲気が変わってなぁ〜・・・・・まとめ髪やと可愛らしい感じがするんやけど、こうやって降ろしてると大人びて見えるんや。


抜けるように白い肌を縁取るような黒髪は姫の顔をミステリアスに魅せる・・・・・・・俺も、魅せられてまうんや。

「有栖さん?」
「ん? あ、あ、おう!」

あかん、見惚れてもうた!
火村の下宿先の居間で、姫からの 「殺人はどうして起こるのでしょうか?」 なんて質問に答えてたんやけどな。

「俺も小説を書くときに殺人の動機やら考えるんやけどな、ほんまに色んなもんがあるんや」
「そうなのですか・・・・・・・そうだ私、有栖さんにお願いがあるんですの」

「姫のお願い? なんやろうなぁ〜〜言うてみ?」
「あの・・・・・・・」


ん?ん?ん??????

なんやなんや、なんやの!?!?!?!?

少し頬を染めた姫がバックから何かを俺に見せんよう取り出して背中に隠し、もじもじと俺を見上げてくるんやけど・・・・・・ぐはぁぁ〜〜〜、その顔えらい破壊力やわ!!!


「あの・・・・・・この本にサイン、していただけませんか?」
そういって見せてくれたんは、俺の書いた『櫻川のオフィーリア』やった。

「時絵さんに薦められて読ませていただきました」
「あの、で? どうやったかな?」

感想が聞きたい・・・・・・姫は俺の小説、どう思ったんやろ?そう思って聞いた俺の目の前で、姫の目がキラキラしだしたんや。

「たいへん面白く読ませていただきました。 夢中で読んでしまい、幸村にお食事の時間だと言われても気がつきませんでしたの。 お夕食がお夜食になってしまいました」
「ほんま? そない夢中で読んでくれたんか?」

「はい! それから有栖さんにこの本にサインしていただきたくて、図々しいお願いなのですが、よろしいでしょうか?」
「書く書く! 姫の頼みならなんぼでも書く! ほうかぁ〜〜俺の本、気に入ってくれたんかぁ〜〜」

「気にいるなんてものじゃないですわ! 私、有栖さんのファンになりました♡」
「くぅ〜〜〜・・・・・・作家やっとってこれほど嬉しいことないわぁぁ〜〜〜」

好きな子が俺のファンやなんて・・・・・作家冥利につきるわぁ〜〜・・・・・

「今は屋敷に有栖さんの小説を全て揃えるよう、幸村に頼んでいるのです」
「ありがとう! そんな気に入ってもろて、俺も嬉しいわ」

「ただ・・・・・夢中で読んでしまって、最近寝不足なんですの」
「あかん! それはあかんで、姫? 睡眠不足はあかん! そんな夢中になって読んでもらえるのんは嬉しいけど、夜はちゃんと寝な!」

「はい」
「火村が帰ってくるまで、ここで寝とき? 」

俺がそういえば素直にソファーにコロンと横になる姫。
時絵さんから渡された毛布を姫にかければ、すでに姫はスヤスヤと夢の中やった。

俺は姫から渡された本を開いて、マジックで丁寧に名前を書いたんや。

ちゃんと『俺の かぐや姫へ』と、入れといたんや。

「月には帰さんからな・・・・・・・」
スヤスヤと眠る姫の頭をそっと撫でて、その寝顔に微笑んでいた。




「誘拐事件!?」
「鍋島さんから連絡が来た、行くぞ有栖、かぐや」

「はい!」
「おう!」

俺たちは姫の車で、鍋島さんから連絡があった家へと向かったんや。


そこは有名な俳優のお宅で、誘拐されたのもその有名俳優やったんや。

その俳優さん、志摩 征夫(愛称は准教授)が誘拐され、火村に捜査協力を求めたんや。
鍋島さんも相手が日本で有名な俳優やからな、火村を呼ぶのは捜査に漏れがないよう、念には念のため、なんやろうなぁ〜〜〜

「誘拐事件は初動捜査が命です! ここで大人しくしてて下さい !!!」
なんて小町さんに釘を刺されたからな、俺たちは部屋の隅で立って奥さんに話を聞いてる鍋島さんや、小町さんを見てたんや。


「身代金はこちらで用意します。もちろん全部本物ではありません。見えるとこ以外はべつの・・・・・」
「それがバレて犯人が逆上したらどうするんですか? 夫の命がかかってるんですよ!!!」

話が身代金になったとき、奥さんがヒステリックになってもうた、そんときや姫が動いたんわ。

「あの・・・差し出がましいのですが、私からご提案がございます」
「姫、なんですか?」

・・・・・・・・いつの間に鍋島さんまで姫のこと、姫って呼んでるんや???


「身代金の3千万ですが、私が立て替えて用意いたしましょうか?」
「は?」

「使い古しの紙幣でしたら、それくらい直ぐに持って来させられますから」
「いいんですか、姫?」

「では連絡してまいります」
鍋島さんにニッコリと微笑んだ姫が部屋を出て、幸村さんに連絡を入れれば、30分もせずに幸村さんが持ってきた。

「あの・・・・・あの方はどなたですか? 大金をポンと貸して下さるなんて」
奥さんも疑問に思うよなぁ〜・・・当たり前やけど。

「姫・・・・・いえ、あの方は警察に協力して下さる、ある財閥のお嬢様です」
「財閥のお嬢様・・・・・・・」
まだ合点のいかなそうな顔してた奥さんやけど、現れた幸村さんの執事っぷりに納得したんや。

「使い古された紙幣で3千万、御用意させていただきました。 もし金額の上限が変わられれば、すぐに追加も御用意致します」
「ありがとうございます」

奥さんと鍋島さんの間のテーブルに置かれた鞄に、3千万の現ナマがっっ!!!


「幸村、お使いさせて ごめんなさいね」
姫の気づかいに幸村さんが、微笑んで応えてた。

「お嬢様、お夜食の用意などはいかがいたしましょうか?」
「そうね、軽くつまめる物や、甘いお菓子などがいいかしら・・・」

「奥さま、お疲れでございましょう。 お夜食を御用意させていただきますので、あちらの部屋の片隅を使わせていただけませんか?」
丁寧な幸村さんの言葉に、奥さんも頷いてくれた。

「ありがとうございます。 では、少々お待ちくださいませ」

幸村さんは近くで待機させてたのか、数人の使用人にサンドイッチや焼き菓子、フルーツの盛り合わせなど色々な物を運び込んで、あっという間に食事スペースを作り出したんや。

しかもテーブルクロスも持ち込んで、セッティングもすればそこだけ別世界みたいに見えた。

姫はセッティングが終われば奥さんの手をそっと握り誘導し、温かな飲み物を出して食べ物を小皿に乗せてあげてるんや。


「皆さまもどうぞ、糖分は脳への栄養ですから手の空いている方からお召し上がり下さい」
「ウホッ、俺はこのカツサンドもらおうかなぁ〜〜」

・・・・・・これカツサンドちゃう、牛や! ビーフカツや! うまいわぁ〜〜

「うまっ! 牛やけど、うまっ!!!」
「どれどれ・・・・・・・うまい」

そんなとき犯人からのメッセージが宅配便で届いたんや。



そして、翌日。。。

俺たちは警察の介入を嫌う奥さんのご指名で、電車に乗ってるんや。

「この人達なら警察に見えませんから!」

俺たちが奥さんの近くに座って、少し離れて鍋島さんや小町さん、坂下君で固めて、また少し離れて警察で固める。
誘拐事件やからなぁ〜〜・・・・・・ご指名やから俺たちも協力するんや。


犯人からのメッセージ通りの電車に乗り、左側の窓から『赤い目印』を見つけるため、窓を見てるけど・・・・・・・そんなん全然ないやん!

奥さんは窓際へ、姫は奥さんの向かいに、俺はその姫の隣なんや。
火村は通路を挟んだ俺の隣で、ジッと観察してる。


犯人の要求は窓から『赤い目印』を探して、窓からお金の入った鞄を落とす・・・・・・・・なんやけったいな要求やわ!

メッセージには、『警察にがいたら 終わり』なんて書いてあるから、警察じゃない俺たちが側にいるんや。

鍋島さんやったら、顔見ただけで警察に見えるからなぁ〜〜・・・・・・


おっと、そろそろ終点や。

奥さんも目印を見逃したかと不安そうや。


「警察の存在、気がついたんかな?」
「・・・・・・きっと犯人は警察の介入を知ってます」

姫の言葉に顔を見れば、姫は小声で・・・・・


「昨日の夜、携帯や財布を送りつけてきたでしょ? おかしいのは髪の毛です」
「髪の毛、あったなぁ・・・」

「髪の毛なんて警察で調べなければ本人の物かどうかなんて、調べられませんわ。 ですからすでに犯人は警察の介入を知っていた・・・・・・そこから考えると」
「考えると? なんや?」

奥さんに聞こえるとまずいからな、俺と姫は火村の席に移って話を再開したんや。


「・・・・・・・私の気のせいかも知れませんが、警察や奥さまを自分の指示通りに動かして楽しんでいるような気がします」
「・・・・・・・見事だ、かぐや。 犯人はすでに警察の介入を前提に計画を立てている。 髪の毛の事もそうだし、電車の時間を指定するのも変だ。 指定するなら直前で警察を出し抜くため計画を変更するのがセオリーだ」


「これは、空振りだ」
「私もそう思います」

「かぐやは優秀だな」
ポンポンと姫の頭を撫でる火村に、嬉しそうな姫・・・・・・・って、え? ええ?? このやり取りっていつもしてるんか?

・・・・・まさか、こんな近くにライバルがっっ!!!


お、俺もっ! 俺も姫の頭にポンポンするっ!!!

「着いたぞ、降りよう」
「えええ〜〜〜・・・・・・俺も姫にポンポンしたいっ!!!」
「あとにしろ」
「ぶぅ〜〜〜」

ふん! ふて腐れた俺は、電車が止まるまで待てずに立ち上がったんや。
そうしたら姫も、降りんなん思うたんやろな? 焦って立ち上がって俺について来ようとしたんや。

【キィィィィ〜〜〜〜〜〜・・・・・・】

「あっ!」
「危ないっ!」

大きく揺れた電車に、慣れてない姫がよろけてもうて・・・・・危ないっ!

俺は腕の中に姫をすっぽりと抱きしめて、電車が止まるまで待ったんや。

「ごめんなさい 有栖さん」
「ビックリしたやろ? 姫はまだ電車に慣れとらんからな、止まるまで座って待たんなんよ?」

「はい・・・でも有栖さんて・・・」
「ん? なんや?」

「・・・・・・逞しいんですね」
「・・・・・・おう!」

腕の中から綺麗な姫の顔が、上目遣いに見上げてきて、俺の心臓は一気に跳ね上がったんや!

「イチャつくのは後にしろ」
「別にイチャついてなんてないっ!」
「皆、とっくに降りたぞ」

火村も降りていき、俺は姫の手を握って一緒に降りたんや。






姫とは駅で別れたんやけど、俺と火村が下宿に戻れば・・・・・・なんや? 玄関に花瓶?

「お帰りなさい」
「ただいま〜〜」
姫が可愛らしゅう挨拶してくれたけど、中に入っていけばいつもない物が見える様に並んでる。

姫を見れば「うふふ♡」なんて悪戯っ子みたいに笑うてる・・・・・・・ん? あれ? あっ! これは、あれや!!!

鯉の置物、セーター、革の財布に、笑うてる時絵さん。

これは火村への問題やな! 俺はすぐに分かったから、時絵さんや姫側に回って火村の様子を見とるんや!


「どうやら何か、試されているようだ」
「中へ、どうぞ・・・」

時絵さんに促され中へと入れば、囲炉裏の縁や、テーブルなんぞに並んでる品々は、アレを・・・・・俺の小説の中に出てくる謎を再現してるんや!

2つのコケシに、蟹缶に、獅子頭の土産物・・・・・・・皿を2つ並べてあって、和裁に使うハサミを2つくくってるのやら、破魔矢に、ヤギの絵本。

さあ、火村〜〜〜・・・・・・解るかぁ〜〜!!!

悪戯をしかけた子供みたいに笑う時絵さんと、姫に混じって俺も楽しくて笑うんや。

一通り見てまわった火村が・・・・・・

「1つ足りない・・・・・・乙女は?」
火村がそう言えば時絵さん、姫をソファーから立たせて。

「かぐやちゃんどす〜〜〜」
「え? もう分かったんか!!!」

「12星座ですね・・・・・・玄関の花瓶が水瓶座、魚は魚座、セーターは牡羊座、財布は牛革で牡牛座」

はぁ〜〜自信あってんけど、すぐに解かれてしもうて俺は、ショックやぁ〜〜〜

時絵さんには家の中にある物で、よう出来ましたなぁ〜〜って言っといたけど、ショックやわぁ〜〜


軽く落ち込んでソファーに座った俺の頭を、火村がポンポンするんが、めっちゃ腹たつわぁ〜〜!!!

「むっちゃ腹たつぞ、火村〜〜〜」
「むっちゃ次にいかせ」

時絵さんの手伝いに行った火村の代わりに、姫がそばに来て・・・・・・俺の頭をなでなでしたんや。

「姫・・・」
「この謎があった本も、私のお気に入りなんです」

「姫・・・」
「うふふ、有栖さんの髪、サラサラしてて気持ちいいです」

俺も姫に撫でられて、気持ちいいわ・・・・・・・腹立つのも収まってくる。

「うふふ・・・あ、コーヒーのお手伝いします」

時絵さんの手伝いに行ってしもうた姫の手の温もりが、離れて寂しい。。。


そうやな、火村も頭を捻って唸るような謎を、いつか考えちゃる!!!

よっしゃ〜〜〜やるでぇ〜〜〜・・・・・・・・まずはコーヒー、いただこか!




その夜、鍋島さんの電話で誘拐事件は急展開したんや。

誘拐事件が殺人事件になってもうたんや。


まあ事件の方は火村の推理と俺のフォローパスで解決したんやけど、奥さんの動機が・・・・・・御主人を殺す動機が、言われたくない言葉やったんや。

その事で姫が、何やら考え込んでるんや。


「・・・・・・衝動で人を殺してしまう。 言われたくなかった言葉がきっかけで・・・・・・・」
「ほやな・・・・・・」

「本当にそんな事があるんですね」
「ああ・・・・・・」

「昔は愛しあった2人なのに・・・・・・・なんだか悲しいです」
「・・・・・・・姫、おいで?」

悲しそうな影を宿した瞳をした姫に、俺は腕を広げてるんや。

「??? ・・・・・おいで?って?」
「悲しいんやろ? おいで?」

やっと分かった姫が、俺の横に座った。
そのままどうすれば良いのか分からんような姫を、俺は抱きしめたんや!

「悲しいんやろ? 泣いてええで・・・・・・」
「大丈夫です・・・・・・」

真っ赤になる姫が可愛くて、俺は離したくなくて、腕に力を込めたんや。


まあ、すぐに時絵さんや火村が来るから離したがな・・・・・・・でも、俺はもう決めてん!!!


姫を俺のもんにする為には、もっと近づかな・・・・・・・・火村や坂下君や、大学の男共には負けられへんかんな!!!


真っ赤になってジタジタしてる姫も、可愛らしゅうて仕方ないなぁ〜〜

「ふっ・・・・・・ふぇ・・・・・・・」
「我慢せんでええ、泣いてええんや」


優しい真っ白な、君は・・・・・・しばらく俺の胸で泣いとったんや。


そのあと、涙目で照れてる姫の破壊力は、俺の頭の中を真っ白にするのに十分なものやったんや。。。






短いですが、姫と有栖さんの距離が少し近づいたかな???

次はいよいよ、有栖さんの初恋ん話です!

亀更新ですが、よろしくお願いします。
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すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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