⑤ 《シスコン・パニック》〜俺を、忘れた君〜 by黒崎勇治

久しぶりのキャップの妹、百合根・繭子ちゃんです。

23歳の繭子ちゃんは29歳の黒崎さんより6歳下!
もう可愛くてたまらない黒崎さんなのですが・・・・・愛海さんからのネタ提供のお話です。

愛海さん、ネタありがとうございます!






「あ・・・・・まゆ・・・・・繭子・・・・・繭子〜〜」

どうして、こんな事になったんだ・・・・・・どうして・・・・・・


集中治療室のなかで、幾つものチューブや、酸素マスクに覆われた君は、固く目を閉じている。

・・・・・・・ピクリとも動かない君。

頭を覆う包帯の白さと、血の気のない君の顔が、俺を後悔に掻き立てるんだ。


そう、君を・・・・・・君を、こんな姿にしたのは・・・・・・俺・・・・・だから。。。




犯人確保の時、数人に囲まれた俺の側に繭子が飛び込んできた。

「黒崎さん、加勢します!」
「・・・・・・コクン」

背中合わせになった俺と繭子は、相手の人数の多さも関係なく倒していった。

順調だった・・・・・ そこに俺の驕りが出たんだと、思う。


急に目の前にサバイバルナイフが突き出され、切っ先が俺に真正面から向いていることに、パニックになった。

頭の中は鋭いナイフの先しかなくて、相手を取り押さえても狂ったように殴っていたんだ。

「黒崎さん! これ以上はダメです! 黒崎さん、止めてください!」
「・・・・・・うるさいっ!!!」

ナイフの切っ先に狂った俺は、止めようとした彼女を・・・・・・・あろうことか恋人を・・・・・・繭子を・・・・・


俺の腕を掴んで止めようとした彼女を、力任せに腕を払い・・・ 彼女を吹っ飛ばしてしまったんだ。


「うおぉ〜〜〜〜」
なおも殴っている俺をキャップや菊川さんや、他の刑事が取り押さえて、やっと俺の暴走が止まった。


「繭子、大丈夫? ・・・・・・ねえ、繭子? ねえ? ねぇ、しっかりして! 誰かっ!!!」
繭子の様子を見にいった筒井が、急に焦って叫び出して・・・・・俺は、そっちを振り返ったんだ。


道端に手足を投げ出して寝ているスーツ姿の繭子・・・・・・だが、彼女はピクリとも動かなくて。


・・・・・・くん? くんくんっ? これは、血の匂い・・・・・・

俺は慌てて繭子の方へ行き、そして、そこで見たのは・・・・・・・・


ピクリとも動かなく寝ている繭子と・・・・・・彼女の後頭部から道路に、徐々に血が広がっていく様子だった。

「あ・・・・・・」


・・・・・・・息が止まり、全身に悪寒が走り、汗が噴き出してきた。

俺は・・・・・俺は、なんてっ・・・・ことを・・・・・・・・



「早く救急車呼んでっ!!! 早くっ!!!」
筒井の叫ぶ声を、どこか遠くに聞きながら・・・・・・俺はガタガタと震えはじめた。



そして今、繭子は集中治療室に入っている。

俺が繭子を力任せに振り払ったから、小柄な彼女は道路に吹っ飛んだんだ。
運の悪いことに、頭を道路に打ち付けた際に石があって・・・・・彼女は傷を負った。


俺のせいだ・・・俺の・・・・繭子、すまない・・・ 繭子・・・・・・

「黒崎くん、気持ちは分かりますが何か食べないと・・・・繭子さんが怪我をして3日、君は何も食べていませんよ」
「・・・・・・・」

ふるふると首を振る俺は、繭子のベットを見ながらそこに居た。

ガラスに仕切られた向こうでは、腕や身体から管を出し、幾つもの機械につながれた繭子が、まだ意識を戻さずに眠っているんだ。

俺は眠ることもできず、何も口に入れることもできず、ただただ祈るように繭子を見つめていた。

少しの時間なら側に行けると看護師さんに言われ、側に行くこともあるけど、俺は・・・・そっと彼女の頬に触れるだけしかできない。

「・・・・・・・繭子、すまない」

怒ってくれていい、罵ってくれていい、殴ってくれてもいい・・・・・君の気が晴れるなら、償いになるのなら俺は自分の命も差しだそう。

「・・・・・・だから、目を覚まして? 俺のこと、何してもいいから・・・・・だから・・・・・」
俺は繭子のベットの側に膝をついて、手を握りしめて祈るんだ。

「何でもするから・・・・・君が元気になってくれるなら、俺はどうなってもいいから・・・・・・」
本当に何でもするから、だから・・・・・繭子、お願いだ・・・・・目を覚まして?



繭子が目を覚ましたのは、それから数日後で。。。

ホッとした俺は、そのまま気絶するように意識を手放したんだ。




・・・・・・・・ここ、どこ? 真っ白な部屋の中を見て、ああ、病院なんだと気がついた。

少しづつ顔を動かして周りを見てみれば、真っ先に目に入ったのは・・・・・・真っ黒な瞳、だった。

眉をしかめ、心配そうな・・・・・ううん、まるでこの世の終わりみたいな顔した男の人が、私をジッと見つめている。

「あ・・・・・・繭子、気がついた?」

そっと囁く声は、透明で優しくて・・・・・すごく耳に心地よい声・・・・・・それに、すごくハンサム。

「繭子・・・・・よかった・・・・・」
「え? あの? えええ??? 」

グラリ・・・と、そのハンサムさんが傾いだと思ったら、バターン!って倒れちゃったからビックリして、私はナースボタンを探して押したの。

「うんしょ・・・・よいしょ・・・・・」
動かない身体にもどかしく思いながら、ベットの下を覗き込めば・・・・・・青白い顔のその人が、床に寝ていた。

・・・・・・・睫毛、長いなぁ〜〜〜・・・・・・私は呑気に、そんな事を思ってたの。



その男性は飛んできてくれた看護師さんに、ストレッチャーに乗せられ他の病室に運ばれていって、入れ替わりに泣き顔のお兄ちゃんや翠さん、翔ちゃんに桃子先輩が来てくれたの。

「繭子ぉぉぉ〜〜〜うわぁーーん、意識が戻って良かったぁぁぁ〜〜〜」
「お兄ちゃん、静かにして!」

「怪我は大した事ないのに、あんたの意識が戻らなくて大騒ぎだったのよ!」
「あはは、桃子先輩・・・・・」

「それにしても、気がついて良かったわ♡」
「本当だよーー! マユマユがいないと寂しいからね!」

「ありがとうございます、翠さん、翔ちゃん!」

私は自分を心配してくれた皆にお礼を言っていたの。

「そういえばさっきね、知らない男の人が倒れちゃってビックリしちゃった! あの人、誰のお見舞いなんだろうね?」
「知らない男の人? おかしいな、繭子にはずっと黒崎さんがついててくれたはずなのに・・・・・・」

怪訝そうなお兄ちゃんが呟くけど、クロサキさん・・・・て、誰だろう?
お兄ちゃんに聞こうとしたけど先生の診察が始まって、皆出ていったの。

ま、いっか! 私はそれから診察や検査を受け続けていて、【 クロサキさん 】の事はすぐに忘れてしまった。





意識が戻らない以外は大した事なかった私は、2日後に無事に退院!
大事をとって、今日と明日はお休みをいただいてのんびり実家で過ごす事にしたの。

STも新たな殺人事件を抱えて捜査してるみたいでさ、お兄ちゃんたら帰ってくるの遅いんだよね〜〜
せっかくご飯作って待っててあげてるのに・・・・・・あ、帰ってきた!!!

「お帰り〜〜」
「あれ? 繭子いたんだ! ただいま〜〜」

「そりゃ居るわよ! 退院したら家でのんびりするわよ! 」
「そうじゃなくて、お前の事だから僕はてっきり黒崎さんの家に行くんだとばかり思ってたんだ」

「クロサキさん? 誰、その人? お兄ちゃんの友達にそんな名前の人、いたっけ?」
「・・・・・え?」

「そうだ、今日ね草介さんが退院の手続きとかしてくれたんだよ? 兄に放っとかれた可哀想な妹を迎えに来てくれたんだよ!」
「そうか、池田が・・・・ あとでお礼を言っとかないとな! ・・・・・・じゃなくて、繭子!?」

ご飯の用意をしつつお兄ちゃんと話してた私を、台所までドタバタと追いかけて来たお兄ちゃん・・・・・・どうしたの? そんな血相変えて・・・・・

「なあ、繭子・・・・入院中から何か変だなとは思ってたんだけど、お前さ、黒崎さんのこと・・・・・」
「だぁーかぁーらぁー! 誰? その黒崎さんって!? 私は知らないわよ? お兄ちゃんの友達とかじゃないの?」

「まっまっまっ・・・・・繭子! お兄ちゃんな、そんな嘘つく子、嫌いだからな? ちゃんと答えなさい!」
「ちゃんとって・・・・・お兄ちゃんの友達じゃないの?」


「黒崎さんだぞ? 黒崎勇治・・・・・ほんっとうに知らないのか?」
「・・・・・・・知らないよ? 同級生でもないし、警察学校の同期にもいないし・・・・・その人が、何なの?」

私がこういうとお兄ちゃんが、顔を両手で覆って「信じられない!」とか「どうすればいいんだ!」とか1人で騒ぎはじめたから、私はご飯を食べ始めたの。

「いただきます」
うん、今夜の肉ジャガうまくいった!

そのうち何処かに行ってしまったお兄ちゃん・・・・・・もう、夕飯食べてから行きなさいよ!!!

仕方ない、ラップして置いておくか・・・・・何かに夢中になるとご飯の事は頭から飛んじゃう兄の性質は、よく知っている。

後片付けをし、1人でテレビを見てるとき・・・・ガラン、 とした家が急に広く感じて、寂しくなった。


「あーあ、こんなとき恋人がいたら・・・優しく慰めてくれるのかなぁ〜〜・・・・・・」
私、まだ付き合った事ないから、分からなけど・・・・・早く恋人欲しいなぁ〜〜・・・・・・・

明日も休みか・・・・・何しようかな〜〜・・・・・

私は早々にベットに入って寝たの。
やっぱり退院とかでバタバタしてたから疲れてるのかな? すっごく、眠い・・・・・・

ベットに入って数分で眠ってしまった私は、自分のスマホがメッセージを受信した事に気が付かなかったの。




「・・・・・・・・」
謝りたい・・・・・そう思った俺は、繭子にメッセージを送ったんだが、既読もされないまま放置された。

どうしたんだろう? もしかして怒ってるのか?
繭子の意識が戻ってから、会いに行けなかったから・・・・・それに、怪我をさせたのも俺だから。。。


会いに行けなかったのは、不眠で、飲まず食わずで1週間近く過ごした俺が疲弊しきっていたから。

集中治療室で倒れてから俺は5時間眠り続け、その間は点滴で水分や栄養を補給されてたんだ。

起きてすぐ君に会いに行こうとしたけど、間の悪い事に事件が起きて赤城さんに呼ばれたんだ。

事件現場の匂いを嗅いで欲しいと言われて、そのまま原因を調べたりと研究室にこもってたんだ。

3日が過ぎた頃、解析結果を赤城さんに報告してそのまま犯人確保に駆り出されて・・・・・やっと事件解決とともに自由になれたんだ。

ラボの中で、君へのメッセージに既読がつかないのを見ていても仕方がないか・・・・・研究室の片付けをして、帰ろう。

俺がラボの隣の研究室に入るのと、1度帰ったはずのキャップがラボに戻ってくるのが一緒だった。






「赤城さんっ! いませんか、赤城さんっ!!!」
「キャップ、うるさい・・・・俺はここに居る」

「赤城さん! 僕、どうしたらいいんでしょうか? 繭子がっ! 繭子がっ!」
「妹がどうした! 話してみろ、キャップ・・・・・」


隣がうるさいと思ったら、キャップが戻ってきたのか・・・・・・・え? 繭子が、どうしたんだ!!!

俺は研究室で聞き耳をたてた。


「・・・・・・入院中からどこか繭子の話がおかしいと思ってたんです。 でもさっき、家にいる繭子と話して分かりました」
「・・・・・何があった」

「繭子、黒崎さんのこと覚えてないんです。 恋人だってことキレイさっぱり忘れてるんです」
「・・・・・本当なのか?」

「恋人としてだけじゃなく、STに黒崎さんがいるってことも、覚えてないようなんです・・・・・赤城さんっ! 僕、僕、どうしたらいいんでしょうかぁぁ〜〜〜!!!」
「暑苦しい! 泣くな、喚くな、抱きつくなっ!!! ・・・・・・どうしようもないだろう」



・・・・・・・・・・・俺のことを、覚えてない?


・・・・・・・・・・・繭子の心の中から、俺・・・・・いなくなったのか?


・・・・・・・・・・・俺は、繭子という・・・かけがえのない恋人を、失ったの???


そこで俺は、気がついた・・・・・・・ これは、【 罰 】なんだと。


恋人に怪我をさせた俺への、【 罰 】。。。


繭子の意識がないとき、祈ったじゃないか・・・・・・なんでもすると。

繭子が助かるのなら、俺はどうなってもいい・・・・・なんでもすると・・・・・・


なら、俺はもう・・・・・繭子を、諦めよう・・・・・




俺に初めて、“ 恋 ” を教えてくれた人。

俺に初めて、 “ 恋人 ” になってくれた人・・・・・・

愛しいという事も、愛する人と結ばれる喜びも、幸せも、教えてくれた人・・・・・・・


俺にはもう、繭子を愛する資格がないから・・・・・いくらパニックになっていたとはいえ、自分の恋人に怪我をさせるなんて、恋人失格だ・・・・・・

いや、男として失格だ!!!


・・・・・・・これからは繭子が俺よりもっと素晴らしい男と、幸せになるよう見守っていこう。

それが、俺の【 償い 】なんだ・・・・・・・


俺はそっと研究室から出て家に帰り、山吹さんにメッセージを送ったんだ。

翠さんにも、青山にも、同じようなメッセージを送った。




「ねえ、このメッセージって本当なの?」
青山ちゃんが朝からキャップに食いついていくんだけど、私も聞きたかったのよ・・・・・・これは本当の事なの?


《 繭子は、俺のこと覚えてない。 だから、俺の事は何も言わないで欲しい 》

昨日、黒崎くんから送られてきたメッセージ。。。

あれほど黒崎くんにメロメロだった繭子ちゃんが、彼のこと忘れたなんて・・・・・・はいそうですかって、信じられないわよ!!!

「・・・・・・本当のことです」
「黒崎さんは? 今朝から見てないんだけど?」

「黒崎くんは研究室に居るわよ? 山吹さんと一緒に・・・・・・・あら、ふぅ〜〜ん」
隣で山吹さんがこのメッセージの事で、話してるわ。

「なになに黒崎さん、なんて?」
「落ち込んでるのねぇ〜・・・『いくらパニックになっていたとはいえ、恋人に怪我をさせるなんて・・・・・男として失格だ』だって・・・・」

「あらら・・・『このまま俺を忘れればいい、俺よりもっと素晴らしい男と恋をして欲しい』ですって」
「・・・・・・それで、いいのかな」

「繭子ちゃんの様子を見てからね、私達が判断するのは・・・・・」

青山ちゃんにはこう言ったけど・・・・・・ねぇ、黒崎くん? 溺れるほど夢中なあなたが、そんな大人しく諦められるのかしらね?

・・・・・・私は、無理だって思うけど〜〜・・・・くすっ、それも含めて要観察ね・・・・・



「百合根 繭子、本日から任務に復帰いたします!」
ラボの入口に元気よく入ってきた繭子は、敬礼しながら挨拶している。

「マユマユ〜〜・・・おめでとう! よかったね〜〜」
「繭子ちゃん、おめでとう♡」
「翠さん、翔ちゃん! ありがとう」

さっそく翠さんと青山が嬉しそうに彼女とハグしている。

「キャップ妹! たかが頭を打ったくらいで大袈裟に騒ぐな! まあ、それだけ元気になったならもう心配は要らないな」
「赤城さんの毒舌も、しばらく離れてたら懐かしいですね!」

「ご快復おめでとうござます。これも仏のご加護でしょう・・・・合掌」
「山吹さん、ありがとうございます!」

赤城さんや山吹さんににこやかに挨拶していた繭子だけど、俺を見てキョトンとしている。

「彼は黒崎勇治・・・・・我々の仲間です。先端恐怖症をこじらせてしまった彼は、人の言葉の中にも棘を感じる事があり、話さなくなってしまったんです」
山吹さんの説明に、納得したのか「了解です!」と言った繭子が、俺の顔をみて「あっ!」って顔をした。

「えっと、黒崎さんは、あなたでしたか・・・ あれから大丈夫でしたか?」
「コクン」

「よかった〜・・・急に倒れたから気になってたんです」
「・・・・・・・」

ニコニコと微笑む繭子は、他人行儀で・・・・・・胸の痛みを見て見ぬふりして、俺は小さく頭を下げて彼女から離れた。

君の暖かな笑顔を見ていたら、俺は・・・・・・抱きしめたくて、たまらないから。。。



STに復帰した私は、毎日忙しくてでも遣り甲斐があって、充実してるんです!

「うんしょ・・・・重っ! 全く桃子先輩ったら、ちょっと刑事課に寄ったら「お使い頼むわ」って・・・・」
ずっしりと重い書類を渡された私は、先輩の頼みに応えるべくお使いしてます。

両手いっぱいに抱えたファイルの束が、横から伸びた大きな手に取られた。

「あ、黒崎さん! 持って下さるんですか?」
「コクン」

「ありがとうございます!」

黒崎さんの大きな手が、軽々と重いファイルを持ってくれたの。

私がこんな風に重い物を持ってたり、背の届かない場所の物を取ろうとすると、黒崎さんが手伝ってくれるんです。
優しい人なんだよね。。。


ただ・・・ ただね、ふとしたときに感じるんだ。

黒崎さんが私のことを、ジッと見つめているときがあるの。

ジッと・・・ 何か苦しそうに見ていたり、哀しそうだったり、それに・・・・・・すごく熱く、見つめられるときも。。。


そんなとき、何でだか分からないんだけど・・・・・・私の胸も、熱くなるの。

トクン・・・トクン・・・て、私の知らない鼓動を、胸が刻んでいく・・・・・・

まるで黒崎さんに、恋してるみたいに・・・・・・

それに前からSTにいたはずの黒崎さんの事を、私はどうして覚えてないんだろう?

他の皆はしっかり覚えてるのに、どうして彼の事だけスッポリ記憶から抜けてるんだろう?



横に並んで歩いてる黒崎さんを、そっと見つめてみる。

額から鼻、そして顎から喉、首すじも、どこを見てもすごく綺麗なラインをしている。

すごく綺麗・・・・・・男の人に綺麗なんて言葉を使うのは可笑しいのかもしれないけど、でもそれしか言いようがないんです。

黒崎さんの瞳も、澄んでいてとても綺麗なんですよ?

その目でジッと真摯に見つめられたら、胸がドキッとなるのも仕方ないんです!


そう、現場に復帰して3週間・・・・・・私、変になったんです。。。


だって黒崎さんを見ると胸がドキドキして、顔も赤くなっちゃうし・・・・・・でも、黒崎さんを見つめてる自分に気がついたり・・・・・・


ええ、私だって女ですからね、自分でこの症状が “ 何 ” を表しているのか、分かりますよ!


・・・・・・・黒崎さんの澄んだ目で、ジッと見つめられてドキドキしたり。

・・・・・・・筋トレしてる腕に盛り上がる血管や筋とかを見て、ドキドキしたり。

その腕に抱きしめてもらえたら・・・・・なんて、想像して1人で真っ赤になっちゃったり。

こうやって2人で並んで歩ける時間が、すごく幸せだったり・・・・・・


そう・・・・・私は、黒崎さんに・・・・・・ “ 恋 ” してるんです。。。


私は、黒崎さんの横顔を・・・・・・見つめてたの。



『うふふ、黒崎さんたら女の私から見ても綺麗ですよね!』
『まゆの方が、綺麗・・・・・』

『いいえ! 絶対黒崎さんの方が綺麗です!』
『絶対、まゆの方が綺麗だ・・・・・・それに、食べたいほど、いい匂い・・・・・・』

『んっ・・・・あ・・・・黒崎さん・・・・・・』
『食べていい? まゆの全部・・・・・食べたい・・・・・』

うっとりと蕩けるような顔をして私に口付ける黒崎さん・・・・・・・え?なに? これって妄想???

突然、頭の中に浮かんだ映像が現実にあった事なのか、それとも私の願望なのか区別がつかなくて戸惑う私。



『・・・・・・愛してる、まゆ・・・・・』
『私も愛してます、勇治さん・・・・・・』

ベットに押し倒された私に、愛おしそうに見つめてくる黒崎さんが、蕩けるように甘く囁いてきて・・・・・・
それを嬉しくて、天にも昇るような幸福感に包まれてる私が、応えている。

これは、なに? 私・・・・・頭が変になったの???

妄想というには現実的で、現実的というには、余りにも幸せすぎて夢見心地な私が、いる。



これは何? これは何? 過去の事なの? どうして私、覚えてないの?

これが過去の現実だったのなら、自分の事を忘れた私に、黒崎さんはどうして何も言わないの???



「どうしたっ!!!」
「あたま・・・・・痛い・・・・・痛い・・・・・・」

急に割れるような痛みに襲われた私は、ふらついて廊下の壁にすがりついた。

すぐに黒崎さんが支えてくれて、私の身体が宙に浮いた。

「まゆ、少し我慢して・・・ 赤城さんに診てもらおう」
お姫様抱っこされた私が、浮遊感と一緒に感じたのは、安心感だった。


黒崎さんの腕の中なら、世界で1番安心できる場所だから・・・・・・・そう思いつつ、私の意識は途切れてしまったの。




繭子が両手いっぱいにファイルを抱えているのを見たら、考えるより先に手が出てしまった。

荷物を持ってあげて届けた帰り道、2人で並んで歩いてる・・・・・・・久しぶりだな。

前の俺たちならこうやって並んで歩くのが普通だったのに。。。

ツキン!と痛くなる胸を、感じないふりして繭子を見たら・・・・・・まゆ? そんなに俺を見つめて、どうしたの?

少し頬をあかくしてジッと俺を見ていた繭子が、突然、苦しそうに眉毛をよせて立ち止まったんだ。


「あたま・・・・・痛い・・・・・痛い・・・・・・」

急に頭を抱えてフラついた繭子が、壁で止まったままズルズルと床に座り込んでしまった。

頭が痛いの? あのときの怪我がなにか???

俺は赤城さんに診てもらおうと、彼女をお姫様抱っこしてラボへと走ったんだ。


どうしたんだろう? もしかして後遺症とか? ああ、ああ・・・・・まゆ、すまない。

俺が怪我をさせたから、こんな痛い思いを君にさせるなんて・・・・・・・すまない、まゆっ!!!


息急き切ってラボに着いた俺は、そのまま繭子を赤城さんに差し出した。

「そこに寝かせろ!」

会議用のデカいテーブルの上の書類やファイルを全部下に落とした赤城さんが、腕をまくって繭子の目を診て、手首の鼓動を確かめた。

「どうして意識をなくした?」
「分からない・・・・歩いていて突然、頭を抱えて痛いって言いだした」

「2人で歩いてたのか?」
「コクン」

「・・・・・・・念のため病院に連れて行く。 黒崎、下に車をまわせ!」
「コクン」

あ、繭子・・・・・・俺は繭子を運ぼうと手を出したんだ、でも繭子が気がついた。






「・・・・・・・ここ・・・・・・ラボ?」
「おい、キャップ妹! 頭は痛くないのか? 熱は? 体調はどうだ?」
目を覚ました繭子は、赤城さんを見て、俺を見た。

「えっと、頭はまだ少し痛いです。 熱もなさそうです、それに体調は頭痛以外は大丈夫です!」
「・・・・・・念のため病院に行った方がいいだろう。黒崎、連れて行ってやれ」

「大丈夫です! 退院してからもう3週間も経つんですよ? 平気ですよ! それより溜まった書類をどうにかしないと!!!」
ピョンっとテーブルから降りた繭子は、そのまま自分の席についてパソコンを使い始めたんだ。



あ〜〜・・・ ビックリした!

目を開けると目の前に黒崎さんの綺麗な顔が私を覗き込んでいて、ここが天国かと勘違いしそうになっちゃった。

それにこんな近くで自分の顔を見られるなんて、恥ずかしくて!
病院に行った方がいいって言われるのを、軽くスルーして自分の席に戻ったの。

黒崎さんと一緒に行ったらドキドキしすぎて、病気じゃないのに間違われそうだもん!

それに今は痛くないし・・・・・・ん〜〜、疲れたのかな?
市販の薬で頭痛を止めれば、問題ないでしょ!

はっきりと恋を自覚した私は、相手の黒崎さんを意識しすぎて・・・・・・・ダメ。。。

黒崎さんを見ると、逃げるように離れてしまうようになっちゃったの。。。



赤城さん好みの難事件が、STに舞い込んできた。

さっそく赤城さんとキャップが聞き込みに行くけど、関係者が多くて2人でも回りきれないみたいだ。

「キャップ妹! お前も聞き込みにまわれ! 黒崎と行け!」
「え? 黒崎さんと?」

「繭子もSTの一員でしょ? 聞き込みくらいしようよ! 僕達がまわれない所を重点的に行って?」
「ちょ・・・ちょっと待って! じゃあ、私が赤城さんとまわるから、キャップは黒崎さんと・・・・」

「却下だ、妹! もう行くぞ、キャップ早くしろ!!!」
「もう行くぞって、もう行っちゃってるじゃないですかぁぁ〜〜・・・じゃ、そういう事だから、繭子しっかりな!」

「ちょっと! 待ってよお兄ちゃん! 黒崎さんとはダメなんだってば!!!」


・・・・・・・・・俺とは、ダメ???

赤城さんに食い下がる繭子の口から、俺とは聞き込みに行きたくないと言われて、足元の床が割れて真っ黒な穴が開いて、吸い込まれてしまう錯覚に襲われた。


・・・・・・・・・それって、俺のこと、嫌いってこと?

怪我をさせてしまった俺は、恋人だった事も忘れられてしまって、その上・・・・・・・そばに居る事さえ嫌がられてるの?


嫌がられてる・・・・・・繭子に。。。

胸が痛くて、苦しくて、叫び出しそうになる自分を、必死に止めた。


だってそうだろう? 俺は、繭子が好きなんだ・・・・・・・愛してるんだ。。。

この気持ちは、変わらないんだ・・・・・・たとえ繭子は、忘れたとしても・・・・・・


俺を忘れた事は、【 罰 】なんだと思ってるし、自分から何か言うつもりはない。

だけど・・・・・せめて、STの仲間としてはそばに居たいんだ。

繭子に何かあったとき、そばで彼女を守れるように・・・・・・・俺は、それすらも、許されないのだろうか?


俺は・・・・・ どうすれば、いいんだろう?

胸が張り裂けるみたいに、苦しくて、苦しくて・・・・・・・繭子を愛しているのに、何もできない自分が腹立たしい。

いや、この痛みも苦しみも、全てが【 罰 】なんだ。

俺みたいな話もできない、どこか欠落している男が、優しい恋人に怪我をさせたんだ・・・・・どれほど苦しくても、受けなきゃいけないんだ。


でも・・・ ああ・・・ 繭子・・・・・・・君が俺の隣にいてくれた時間は、毎日、思い出してるよ?

可愛い君と食べたもの、一緒に見た映画はDVDを買って流してる。

キスをする時の目をつぶった君の顔や、ちょっと拗ねて膨れた君も、笑顔満開な君も、全部、全部、俺は覚えてる。

毎日、思い出して・・・・・・幸せだった日々を、思い出してるんだ。


でも・・・・・繭子、俺・・・・・・もう・・・・・・・辛いよ・・・・・・・

君に嫌われてしまったなんて、俺の世界は、もう・・・・・・・真っ黒だ。。。


・・・・・・・絶望って、こんなに胸の中が冷たくなるんだね。。。

繭子という太陽がいなくなった俺の世界は、絶望で真っ黒になった。

これから、きっと死ぬまで俺は、この真っ暗な世界で生きてくんだね。


それが俺の【 罰 】 なんだね。。。


繭子・・・・・・大好きだよ・・・・・・・

もう君とは一緒に生きていけないけど、俺がどんなになったって、繭子の幸せは祈ってるからね。

ごめんね、怪我をさせて・・・・・・・本当に、ごめんね・・・・・・・








しまったぁぁ〜〜〜!!!

黒崎さんと聞き込みに行けって赤城さんに言われて、嬉しいのに恥ずかしさの方が勝っちゃってパニクった私は、とんでもない言い方をしてしまいましたぁぁぁ〜〜〜!!!

どうしよう! 黒崎さんがダメって、なんて事言っちゃったの? 自分で自分を殴ってやりたい!

っていうか、“ 好き♡ ”って自覚しちゃったばっかりに、どう黒崎さんと接すればいいのか分からなくなっちゃって!

黒崎さんの近くに行けば、顔は熱くなって真っ赤になるし、心臓は聞こえちゃうんじゃないかってドキドキしっ放しだし、手に汗は出てくるし、頭に妄想は浮かぶし、ほんとどうしろって感じなのよ!


でも、ちゃんと誤解は解かないとね!

スーハー・・・スーハー・・・・深呼吸した私は、決死の覚悟で黒崎さんの前に立って、訳を話そうとしたの。

訳を話そうとして彼の顔を見上げたら、黒崎さん? どうしたんですか?


女の子よりも綺麗な肌の黒崎さんが、紙より真っ白な顔色になって・・・・・・・・ひどく茫然として立っていたの。

光のない、真っ暗な彼の瞳は・・・・・・何処かで、見たことがあった。

その真っ暗なブラックホールみたいな瞳から、つーーーっと、涙が流れて・・・・・・・・・


黒崎さんが、泣いてる・・・・・・・・


誰よりも強くて、誰よりも自分に厳しくストイックな黒崎さん。

誰よりも優しい黒崎さん・・・・・・・誰よりも、大好きな黒崎さん・・・・・・・・

その彼が、泣いている。

まるで世界の終わりのような顔をして、瞬きもせずに、涙を流している。


泣いている黒崎さんを見たとき、私は私が考えるよりも、身体が動いてたの。


少し背伸びして、黒崎さんの首に自分の両腕を回して抱きしめた私は、彼を精いっぱいギュッと抱きしめた。

「ごめんなさい・・・酷いことを言ってしまいました・・・・・・でも黒崎さんが嫌いとかそんなんじゃないんです」
「・・・・・・・嫌い・・・・・じゃない?」

か細い声が抱きしめてる黒崎さんから聞こえるけど、こんなに儚く細い声は聞いたことがなかった。

「・・・・・・・好きです。 でも私、男の人と付き合ったことがないから、恥ずかしくて・・・・・」
「・・・・・・恥ずかしかったの?」

「はい・・・だからいきなり聞き込みに黒崎さんとまわれって言われて、パニクっちゃって・・・・・ごめんなさい」
「・・・・・・俺のこと・・・・・」

「私は、黒崎さんのことが・・・・・大好きです」






絶望しかないと思ってた俺は、情けないことに泣いていたみたいだ。

茫然と立っていた俺は、暖かな何かに包まれた。

くんっ! いい匂い・・・・・俺が幸せだった頃の匂いがする。

繭子と一緒にいられた日々の、匂い。。。


・・・・・・・気がつけば俺は背伸びした繭子に、抱きしめられていた。


え? 俺のこと、嫌ったんじゃないの? 恥ずかしかっただけ? そうなのか・・・・・

・・・・・・・え? 俺のこと、好きって言った? 繭子、ほんとに? こんな俺のこと、好きって?


あまりな繭子の告白に、なす術もなく突っ立っていた俺の耳に、翠さんの声が聞こえた。

「ああん、もう! 焦れったい! 私が言ってあげるわ! いい、繭子ちゃん? あなたはケガをする前までそこの黒崎くんと付き合ってたの! ケガで記憶喪失になっちゃって、黒崎くんの事だけ忘れちゃってるの!」
「・・・・・私が、黒崎さんと?」

「そうよ! 見てるこっちが恥ずかしいぐらいラブラブのイチャイチャなカップルだったの!」
「言うな!」
俺はつい大声で翠さんの言葉を遮ったけど、もう後の祭りだった。

俺を抱きしめててくれた繭子が、そっと離れ・・・・・・俺を真っ直ぐに見上げた。

「・・・・・・なんで私は、黒崎さんのこと忘れたんでしょうか?」


真剣な彼女の問いに、俺は・・・・・どう答えればいいんだろう? 戸惑っていると横から山吹さんが、穏やかに話し始めたんだ。

「繭子さんは、ナイフの切っ先で我を忘れた黒崎くんを止めようとしたのです。ですが彼が振り払い、あなたは道路に倒れてしまいました。 そこで頭に石がぶつかりケガを負ったのですよ」
「どうして黒崎さんは、恋人だったと教えてくれなかったんでしょうか?」

「やめて・・くれ・・・・言わないでくれ」
そう呟いた俺に、山吹さんは静かに頷くだけで・・・・・・穏やかに話しをしたんだ。


「繭子さん、理由はどうあれ黒崎くんはあなたにケガを負わせてしまいました。人一倍優しい彼は、自分を責めて・・・・あなたが自分を忘れた事は【 罰 】なのだと思い込んでしまったのです。 しかし黒崎くんは、あなたが病院で意識を失っている間、何日もずっと眠らず、何も飲まず、何も食さず、一心不乱にあなたの回復を祈っていました」

繭子は黙って山吹さんの言葉に耳を傾けている。

「繭子さんの記憶が無いと知ったとき、彼はそれさえも罰だと思ったのでしょう。 皆に黙ってくれるよう頼んだのです」

「あ・・・・・私は・・・・私は・・・・・黒崎さんの恋人・・・・・・」
「繭子、大丈夫か?」

「あ・・・ あ・・・・ あ・・・・・・」
「まゆ・・・っ!!!」
頭を押さえた繭子が、急に倒れるから、俺は焦りながらも彼女を受け止めたんだ。

また意識を失った繭子に、俺は病院へと彼女を運び込んだんだ。

赤城さんとキャップには山吹さんが連絡を入れてくれたんだが、正直、俺は事件の捜査より繭子の方が心配でずっとベットの側にいたんだ。




・・・・・・・ゆらゆら、ゆらゆら・・・・・・・

『・・・・・・まゆ、大好き』
黒崎さんが私に囁いてくれる瞬間、嘘を言わない彼の愛の言葉に私の心が喜びで震えるの。

『・・・・・・・・愛してる・・・・・・』
優しいキスから始まる愛の行為は、私の中にあなたを感じて、何度も何度もイッてしまう私にあなたはちゃんと愛の言葉で幸せに包んでくれるの。

身体だけじゃない、心も繋がっているのだと・・・・・・あなたはいつも私を愛で包んでくれた。


次々と浮かんでは消えていく私の記憶。。。


そしてあの日、あなたに振り払われた私がケガをした日。

病院のベットで私はあなたの謝罪と祈りを聞いていた。

『まゆ・・・すまない・・・・ お願いだ、俺はどうなってもいい、まゆを・・・彼女を助けてくれ・・・・・お願いだ』

あなたの苦悩する声に、すぐに起きて私は大丈夫だと安心させたいのに、ピクリとも動かない自分がいたの。

でも、今度は・・・・・指先が動いた!

そうすると今まで揺れていた感覚がスーーっと引いていって、急に意識がクリアになった。



私の名前は百合根 繭子、捜査一課の事務官からSTの統括官補佐へと移動して彼に出会ったの。

私の恋人・・・・・・黒崎 勇治さんに。

思い出した・・・・・クリアになった頭の中で私の外れた記憶のピースが、今すべて揃って、パチン!とはまったの。



「まゆ・・・」
点滴を受けている彼女の瞼がピクピクと震えて、ゆっくりと上がっていった。

「まゆ・・・大丈夫?」
声をかければゆっくりと俺を見てくれた繭子。

その目が・・・・・・・ああ・・・・・・・俺を愛しそうに見てくれる君の瞳に、また会えるなんて・・・・・・思わなかった。

「忘れてて、ごめんなさい・・・・・・すべて思い出した」
「・・・・・・・ううん、俺の方こそ、君にケガをさせた・・・・・・すまない」

「あれは、受け身を取れなかった私の修行が足りなかっただけだよ? 勇治さんは悪くないよ」
「違う! 俺が悪いんだ! 繭子を・・・・・誰より大事な繭子を俺は、俺は・・・・・ケガをさせて・・・・・・」

そばに座っていた俺が下を向いてると、膝の上に置いた俺の手に繭子の手が重なった。

「勇治さん、あれは誰のせいでもないわ。 私は勇治さんのせいだとは思わないけど、でも・・・・・言わせて?」

「私は勇治さんを許すよ・・・・・」
「まゆっ!」

「だから・・・・・あなたを忘れた私の事も、許して?」
「許すも許さないもない! そんなこと、繭子のせいじゃない!」

そこから俺が『許す』と言うまで繭子と言い合いになった。
ようやく俺が『許す』といえば、繭子はニッコリと笑ってくれたんだ。


「・・・・・・・・ただいま、勇治さん」
「・・・・・・・・お帰りなさい、繭子」

ベットに寝たまま両腕を広げた彼女に、覆いかぶさって抱きしめた。


「今度から勇治さんがパニックになったら・・・・・」
「・・・・・・・なったら?」

「問答無用で “ 落とす ” ことにしますね!」
「そうして? 君にまたケガをさせたら、俺・・・・・今度こそ自分を許せなくなるから」

「了解です!」

抱きしめあったまま、なんの相談をしているんだって2人で気がついたら、互いの顔を間近で見ながら可笑しくなったんだ。


そうして、俺たちは恋人同士に戻ったんだ。。。





ここからエロの展開にしようと思うのですが、長くなったので次回に持ち越します!

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Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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