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《 High&Low 》by スモーキー

私の住む北陸では、High&lowは1週間遅れで放送されてるんです。

放送されるだけマシなのかもしれないけど、Huluに再び加入して視聴してるんです!

窪田さん演じるスモーキー!
やっと出てきてくれて嬉しいんですが、色々と影のある設定で思わず妄想がっ!!!

はい、いつもの事なのですがね(笑)

なので、妄想話を書いちゃいました!
ドラマとは舞台設定が一緒ってことしか、合ってない話ですが、スモーキーの物語をどうぞ。。。


そしてヒロインがファンタジー???

書きかけで止まってたこのお話ですが、書き足してアップする事にしました!!!






【 無名街 】・・・・・ここは、親に捨てられた者、身元を隠す者、行き場を失った者、深い闇を抱えた者達が集まってできた、治外法権の街。。。


その街には、守護神がいる。

一度、足を踏み入れたが最後・・・ 余所者は一瞬で、狩られる・・・・・

無慈悲なる街の亡霊、RUDE BOYS。。。



昔、1人の少女が車から投げ出されるように、この無名街に捨てられた。。。

走り去る車を見る顔は、瞼が閉じられたまま・・・・・・そして、その少女は燻んだ街には似つかわしくない、真っ白な髪をなびかせていた。。。

ゆっくりと立ち上がった少女は、陽の光を浴びたことの無いような白い肌で、人形のように美しい顔立ちをしている。

小さな10才ほどの少女は、やがてこの無名街の中へと歩いて行き・・・・・・余所者を警戒する住人達が遠巻きに見ていた。


この街は、驚くほどに貧しいが故に住人達は、盗みを生業とする者がほとんどだ。

いや、他人から盗まなければ、今日さえも生きてはいけない。

無防備でひ弱な少女など、この街の住人達が寄ってたかって襲えばひとたまりもなく、息絶えるだろう。

そんな危険な街を、少女はその瞳を閉じたまま歩いて行く。


ザザザッ・・・・・・

少女を取り囲んだのは、上から降ってきた少年達だった。

年の頃は15才 から12才くらいの少年達は、少女を取り囲んだ。

「お前、何しにこの無名街に?」
最初に言葉をかけたのは、リーダーの少年だった。

少女は歩みを止め、その少年の方へ顔を向け・・・・・美しい声で、応えた。

「分からないわ・・・・・だって私、この街に捨てられたんだから」
「なぜ、捨てられた?」

再び少年から聞かれた少女は、その瞳を閉じたまま微笑んでいた。

「それは、私が・・・・・・化け物だからよ」
「・・・・・・化け物? お前がか?」

怪訝そうな少年は、改めて少女を見るが・・・・・確かに並外れた美しい少女だが、化け物という言葉には当てはまらない。

ただ “ 髪も肌も白い ” 違いはそれだけで・・・・・いや、閉じられた瞼も、普通の子供とは違っている。

しかし、それだけだ。

薄汚れてはいるが白いレースのワンピースを着た少女は、儚く、か弱く、立っている・・・・・・ように、見えた。


「お前、俺達の家族になるか? この無名街に住むか?」
少年は、気がつけばそう少女に言っていた。

「・・・・・・いいの? 私を、家族にしてくれるの?」

瞳を閉じたままポロポロと涙をこぼす少女は、どんな生き方をしていたんだろう。

「お前、名前は?」
「・・・・・・・・無いの」

親に疎まれ、名前さえ付けられてなかったのか?
少年は、少女の手をとり、歩き出しながら考えていた・・・・・彼女の名前を。

そうして少女は、無名街の住人に・・・・・・いや、無名街の守護神の仲間になったのだった。



「マシロ・・・・・」
「スモーキー・・・・・」

高い塔の中に作られた少女の部屋に、少年から青年へと成長したリーダー、スモーキーが訪れていた。

少女も美しく成長し、真っ白な長い髪と陶器のように白い肌、そして唇だけが紅く色づく女性へと育っていた。

「変わったことはないか?」
「ええ・・・ “ 風 ” は大人しいわ」

「ピーがケガをした、来てくれ」
「分かったわ」

スッと立ち上がったマシロは、そのまま部屋の外に出て、手すりをこえて下へと落ちていった。

だがそこは、廃墟と化した工場の1番高い塔。

そこから飛び降りるなど、自殺行為と同じだった・・・・・・が、マシロは無事に地面へと降り立っていた。


“ 風使い ” ・・・・・・マシロは自由に風を作り出し、思うがままに使える力があった。

自分の作った風で、ゆっくりと何もない空間を降りていけるのだ。

この力ゆえ、親に捨てられたマシロだが・・・・・その力ゆえ、無名街では受け入れられ仲間になれたのだった。

そして、彼女には ・・・・・ “ 風 ” 以外にも能力があった。


「ピー、大丈夫?」
「マシロ・・・大丈夫、足を捻っただけだ」
「じっとしてて? すぐに治してあげる」

マシロがピーの足に手をかざし、しばらくすれば痛みも違和感もなくなり、腫れていた足も元通りに治っていた。

そう、これもマシロの特殊な能力・・・・・治癒の力だった。

この無名街の住人達もマシロの治癒の力に、世話になっていない者はなく、優しく治してくれるマシロを慕う者も少なくなかった。

「無理しちゃダメよ? 今日くらい大人しくしててね」
「へへっ! マシロが治してくれたんだから平気だろ?」

「もう! ・・・・・・・」
「マシロ?」

ピーににこやかにて微笑んでいたマシロが、フッと上を見つめ手を差し出した。
それは彼女の “ 風 ” が、何かを知らせてくれたから・・・・・・


彼女の手が空中に差し伸べられると、その手に巻かれている布がスルスルと空へと登っていく。
真っ白なレースのワンピースを着た彼女の手足には、無数の布が巻かれている。


モッズコートの裾から伸びたその布は、ひらひらと風に揺れている布・・・・・・

丸いサングラスをかけた瞼が、ゆっくりと開いて・・・・・・・抜けるような青空の色の瞳が、同じ色の空を見上げている。

ただし、その瞳は尋常ならざるものだった。


人の眼には黒目と白目がある。
美しく成長したマシロだが、その抜けるような青空の瞳に白目はない。

切れ長の大きな瞳いっぱいに、青い瞳がある。


まるで、そう・・・・・まるで映画に出てくる宇宙人のような瞳。。。

その目に見える【 異端 】が、生みの母に彼女を捨てさせ、病院で調べられ、研究施設で育てられた。
そのうち特殊な能力に気がついた職員の一人が、彼女を利用して金儲けを企み、研究施設から攫ったのだ。

そこから彼女が無名街に捨てられるまで、何があったのか・・・・・・知るのはスモーキーだけだろう。


だが無名街の住人は、その能力で住人を守り、癒してくれる彼女を異端だからと排除しようとはしない。

心優しき彼女を、慕いこそすれ嫌う者はただの1人もいないのだ。


「ピー・・・スモーキーに伝えて? 北の5番に、部外者が入ってきたって」
「分かった!」

風のような身軽さで走り出した彼を見送った彼女は、ふわり・・・と、地面を蹴った。

ポーン、ポーンと手すりや、柱、壁、鉄鋼などを重さの感じない足が踏んで高く、高く登っていく。

そうして違和感を感じる場所へと先に向かった彼女は、見つけるのだ・・・・・・家族を裏切っても無名街を出たいと足掻く者を。

しばらくしてスモーキー達が着いた。


取引相手の奴等と乱闘しながら街を、家族を守るスモーキー達を見守りながら、マシロは見渡せる塔から伸びた細い避雷針の上に立っていた。

仲間が空中を飛んで隣の建物に移るとき、彼女の手からは優しい風が飛んでいき 下から彼等を支えるのだ・・・・・

塔の避雷針の上で、まるで舞を舞うように風を操る彼女は、この街の守護神 RUDE BOYSの1人なのだ。





・・・・・・・また、違和感がする。

風を飛ばしてこの違和感が何か見つけたいのに・・・・・・もっと風を広げて・・・・・

あ・・・・スモーキーがっ!!!

私は自分の部屋から出てスモーキーの方へ走った。


「ゲホッ・・・・ゴホッ・・・・・」
「スモーキー・・・・」

私は苦しむスモーキーの前に降り立つと、その胸に手を当て “ 力 ” を使う。
私に治癒の力があるといっても、限界がある・・・・・ケガならばすぐに治せるけど、病気は難しい・・・・・

ゼイゼイ言ってるスモーキーの呼吸が静かに楽になっていくけど、病気そのものを治すことができない。

唇に血のついたスモーキーに、いつも以上に力を込めていく。


私を拾ってくれた人、こんな化け物の私を受け入れてくれた人、家族にしてくれた人・・・・・・そして、私の・・・・・愛しい人。

「・・・・・・やめろ、マシロ・・・・・もう、いい」
「ううん、もう少し・・・・・・・・もう・・・・・少し」

脂汗が浮かんできた私に気づいた彼が、私の手を自分の胸から引き剥がそうとしてるけど・・・・・もう少し、もう少しだから!!!

「やめろ! お前が倒れるぞ!」
「私はいいの!」

無理やり外された手を、スモーキーがギュッと握ってくれた。

「お願い・・・ 私はいいの。 あなたを助けたいの・・・・スモーキー・・・・」
「・・・・・・俺のことより街の守りを、頼む」

どうして・・・・・その病はあなたを蝕んで苦しめているのに。

私はあなたを助けたいの! ・・・・・・・たとえこの命、全てを力にかえても・・・・・・

「お前は十分、俺を助けてくれている・・・・・・楽になった」
「少しでも苦しいときは、すぐに呼んでね? 絶対よ?」

「ああ・・・」

薄く笑うスモーキーを見つめるけど、それ以上は言えない・・・・・・
あなたが好き、この命全て捧げてもいいほど ・・・・・・だけど私の想いは、スモーキーには伝えてない。


・・・・・・・化け物に告白されても、迷惑だよね。

うつむく私の頬に、暖かな手が触れた。

スモーキー・・・・・・微笑んでくれるあなたを見つめる私は、どう映ってるのかな?

「心配するな・・・・・」
「心配くらい、させて?」



「ソラ・・・」

俺がつけたお前の名前・・・・・・皆が呼ぶのはマシロだが、俺だけが付けた名前。

2人のときしか呼ばない名前だが、お前は子供の頃から俺が呼べば、嬉しそうに微笑んでくれた。


産まれてすぐに捨てられたと言ったソラは、俺たちと出会うまでは番号で呼ばれていたんだ。

病院でも、研究施設でも、毎日ベットに縛られて、血を取られ検査されていたそうだ。

だがまだ研究施設の方がマシだったと、ソラは言うんだ。

施設で雑用をしていた女は、ソラの能力が金になると踏んで、そこから攫ってソラの力を使い金を稼いだ。

風を操るソラは、カジノのルーレットで女が望んだ数を出して稼がせていた。
少しでも嫌がると女は暴力で言うことを聞かせようとし、食事まで与えなかった。

毎回来ては大勝ちする女に、チンピラが目をつけた。
うまい事言って近づき、女をドラッグ漬けにしてソラに言うことを聞かせてたんだ。

女からの暴力と虐待の日々は、ソラのなかに別の力を生み出した。。。

ある日、ソラは “ 布 ” が自分の思う通りに変化することを知った。
長い布が、まるで硬質の刃物のように変化し女を襲う。

切り傷だらけになって恐れる女に、ソラはこの無名街に自分を捨てるよう命令したんだ。



そして俺たちは、出会った。

何処もかしこも汚れて燻んだこの街で、初めて会ったお前は真っ白で・・・・・キレイだと、思った。

そしてその目も、抜けるような青空の色・・・・・・・俺の好きな、色。。。


その目が咳込む俺を心配して潤んでる・・・・・だがな、ソラ。

俺はお前の笑顔が見たいんだ・・・・・・その歌声が聞きたいんだ。

子供達を集めてよく歌ってるだろ?
澄んだお前の声は、どこに居たって聞こえてくる。

その声を聞いてると、胸の痛みも引いてくんだ。。。


俺は、お前のこと・・・・・・・・・



ふっ・・・・・・病気もちの俺が、今さら何をお前に言うんだ。


こんなことなら、病気になる前に言っときゃ良かったかな・・・・・・・・ソラ。



お前が、好きだって・・・・・・・・







「・・・・・ララ?」
この街にララの気配がない・・・・・

スモーキーの妹で、彼とともに最初に私を家族と受け入れてくれたララは、大切な存在なの。
近頃、他の街に遊びに行ってるみたいなんだけど、何も話してくれない。

心配になった私は探しに行こうと思ったの。

目にはサングラスをして、手には白い棒を持ち、スモーキーに見つからないよう風に乗り、街外れに降り立った。

ここからは白い棒で道を確かめながら歩いていく。

私は目を閉じているけど、見えないわけじゃないの。
瞼を閉じたままでも、私には外が見えるの。

盲人の使う白い棒・・・・・・これは目を閉じたままの方便なのよ。

白い髪はモッズコートの帽子で隠し、きっちりと前を締めた私は俯いて道の端を通ってララの気配を探っていく。


・・・・・・・・いた!

私は僅かに捉えたララの気配をたどり、そばまで近づけたの。


「ララ?」

近づいたララには、数人の男が絡んでる気配もして・・・・・・・大変、すぐに助けなきゃ!

暗い路地裏に飛び込んだ私は、ララが男に腕を掴まれているのが見えたの。

「その子を離して!」
男とララの間に飛び込んだ私は、男の手をララの腕から外してララを背中に庇う。

「なんだお前は・・・・・・」
「こいつは俺たちがナンパしたんだ!」
「今から俺たちで楽しむんだからな、邪魔すんじゃない!」

これだから男は・・・・・・・女はお前達の性欲処理の道具じゃない・・・・・・・

私の怒りに合わせて、袖口から布達がシュルシュルと顔を出してきた。

「嫌がる女に無理やり相手さそうだなんて、ゲス共ね」
「ふん! お前も一応オンナみたいだな・・・・・・相手してやるよ・・・」

私に手をかけてきた男に袖口からの布が・・・・・・・・・一気に喉元めがけて飛び出そうとしていたとき。


「・・・・・・・何してやがる・・・・・・・」
路地の入口から声が聞こえ、男たちが振り返った、その視線の先には、真っ白なジャケットにパンツを履いた男達がいた。


「コイツら・・・・・ホワイト・ラスカルズだ・・・・ヤバい!」

「女を、傷つけんじゃね〜〜」
逃げようとした男達に白い服の男達=この繁華街を支配しているホワイト・ラスカルズが襲いかかっていった。。。



・・・・・・・私はマズい奴等に出会ってしまったと、フードを深くかぶりなおし髪や顔を見せないようにして、ララの手を握りその場を離れようとしたの。

ルードの一員である私や、リーダーのスモーキーの妹であるララとバレれば、捕まって酷い目にあうかもしれない・・・・・・私はともかくララを・・・・・・ララを無名街に無事に届けなきゃ!

「・・・・・あ、ありがとうございます」

呆気なく男達が道路に倒れているのを顔を伏せた横目で見ながら、早くこの場を離れなきゃって焦る私。

私はお礼を言って杖をつき、ララと手を繋いでその場を離れようとしたの・・・・・・ララもこの人達の正体を察してる。

私の手を強く握ってるララに「大丈夫」と声をかけ、歩き出した私の前に金髪にサングラスの男が自分の杖で『通せんぼ』してきたの。

胸に当たる杖から少し顔をその男に向ければ、その男は。。。

「ちょっと待て。 おい、街の外れまで送ってやれ」部下にそう声をかけていた。
「あの、大丈夫です・・・・・お気づかい、ありがとうございます」

「・・・・・・・おい! フードを外せ、その棒は何だ?」

フードを外せば私の白い髪で、無名街の【 魔女 】と知られてしまう・・・・・・ 固まる私を今度はララが背中に庇ってくれた。

「姉さんは目が見えないんです。それに男の人が怖いからフードを外せないんです」
「・・・・・・そうか」

そのまま『行け』と手を振ったから、ララは私を庇いながらその場を離れられたの。



無名街の外れまで戻ってきたとき、私はララに聞いたの・・・・・どうして外に行ったのか。

「・・・・・お兄ちゃんに何か薬でもって思って・・・・でも、どんなのが良いか分かんなくて・・・・・」
「ララ・・・・・」

「どうしようマシロお姉ちゃん! お兄ちゃんまた血を吐いたんだよ? もし、もし・・・・死んじゃったら・・・・・」
そう言って泣き出したララを、私はギュッと抱きしめた。。。

ララの細い肩が震えてる。 血の繋がりはないけど、幼い頃から兄妹として助け合って生きてきたんだもの。


その家族が・・・・スモーキーがだんだん弱っていく不安や、何かしたいのに・・・助けたいのに何もできない事が、ララを闇雲に歩かせたのね。


「大丈夫・・・・・私が、なんとかするから・・・・」
「お姉ちゃん?」

そう、私が何とかするから・・・・・・そう励まして、私達は家に帰ってきたの。






「シオン・・・・ちょっと、いいかな?」
「マシロ? 何だ」

シオン、ごめんね・・・・・・スモーキーを助けるため、あなたに協力してもらわないとならないの。

「スモーキーを治したいの」
「ああ・・・また血を吐いちまったからな・・・」

「シオン・・・ スモーキーを眠らせて連れてきてほしいの」
「眠らせて? なんで?」


「私の “ 治療 ” をスモーキーは止めちゃうでしょ? だからちょっと気絶でもさせてほしいの」
「ああ・・・気絶してる間にマシロが治療すんだな・・・・・・でも、あとで俺メチャメチャ怒られるな!」

ははは!って笑うシオンは、誰よりスモーキーを心配してるから、きっと、私の “ お願い ” に付き合ってくれるはず。

「・・・・・スモーキーを治してくれ! 俺、何だってするから!」
深々と頭を下げるシオンに、私は頭を上げてくれと肩に手を置いた。

急にガシッと肩に置いた手を掴まれた私は、深々と頭を下げたままのシオンを見つめたの。

「俺、知ってるんだ。 マシロの治癒の力はケガならサッと治せるけど、病気には何倍も力を使うって・・・・・マシロに無理させちまうけど、俺・・・俺・・・スモーキーに治ってほしいんだ!!!」
「私も同じ気持ちよ? だから、頭を上げて?」

「私みたいな化け物をスモーキーが家族にしてくれた。 貧しいけど、あたたかな家族といられて幸せなの! その恩人で、大事な家族のスモーキーを、このままみすみす・・・・・死なせたくない!!!」

「・・・・・いつ、スモーキーを連れて行く?」
「今夜、私の塔に連れてきて」

「分かった」

シオンは実行してくれる。 頼りになる人だもの・・・・・・私は自分の塔の部屋へと戻り、準備して待っていた。



・・・・・・・夜中の1時すぎ、ノックがあってドアを開ければ、そこにはグッタリしたスモーキーを肩に担いだシオンが立っていた。


中に運び込んでもらいスモーキーを寝かせれば、あとは・・・・・・

「シオン、ごめんなさい・・・外に出てて?」
「え? あ、ああ・・・・・」

さあ、シオンに気がつかれる前に始めなきゃ!


私は、今夜・・・・・・・私の命を、スモーキーにあげるのだから。。。



「スモーキー・・・・・私の命を、受け取ってね?」

そっと、スモーキーの唇にキスをした私は、両手を彼の胸に当てた。


私がやろうとしてるのは、スモーキーの胸に見える黒い霧のようにモヤモヤとした物を、私の胸に移すこと。

この黒い靄がきっと、病魔だから・・・・・・きれいに剥ぎとって私に移すの。

そうすれば彼は助かるはず・・・・・・・私は自分の掌に意識を集中させて、彼を治す事だけを考えていた。。。



カチャ・・・・・・俺は外に出てからマシロに気がつかれないよう、ドアを細く開けて中を覗いたんだ。

寝かせたスモーキーにマシロが覆いかぶさったのが、まるで映画みたいにキレイだった。
真っ白な髪が四方に伸びて、愛しげにスモーキーを見つめる彼女の目が、キレイだ。

思えばマシロは誰よりもスモーキーの事を心配してた。

スモーキーが咳き込めば何処からともなく降りてきて、治癒の力で治そうとする。


マシロは・・・・・スモーキーが好きなんだ。 お似合いの2人だと俺だって思う! 病気が治ってさ、スモーキーが元気になったらさ、この2人くっついちまえばイイんだ!


・・・・・・・・そうすれば、俺のこの想いは、諦められるだろうからさ・・・・・・・・


俺はそっとドアを閉じて、待つんだ。
マシロが治療を終えて、スモーキーを呼ぶ声を、待つんだ。

そしたら言ってやるんだ! 「スモーキー、いい加減マシロに自分の想いを言えよ!」ってさ!

そうしたら俺ってば、2人のキューピットじゃん!!!

尊敬するスモーキーと、マシロが幸せに笑っててくれたら、俺はそれで・・・・・・・それで、いいさ。


「・・・・・・・おせーな」

それにしても遅くないか? 俺はまた様子をみようとドアをそっと開けた・・・・・・・その先に俺が見たのは。


身体中がぼんやりと光ってるマシロが、スモーキーの胸に両手を置いてるんだ。

髪の毛の先まで蛍みたいに光ってるマシロに、俺は息を飲んだ。



だけど次の瞬間・・・・・・・!!!


「ぐふっ・・・・・・はぁはぁ・・・・・・」
「マシロ?」

マシロの白いワンピースに、ドボドボと血が流れている。

「・・・・・・・は? なんだ、コレ?」

俺は真っ赤な血が流れるワンピースから、血の跡を目で追えば・・・・・・・・・「マシロ!!!」


その血はマシロの口から流れてて・・・・・・カッ!と眼を見開いたマシロがそれでも力を使うのを止めようとしないのに、俺は慌てて2人を引き剥がそうとしたんだ。

だけどマシロの真っ白な髪が、まるで生き物のように蠢いて俺を近寄らせないんだ!


「もう少し・・・・・もう少し・・・・・・」
ボソボソと聞こえるマシロの声は、いつもの彼女の優しい声じゃなく、掠れて、ゼェーゼェーと喉を鳴らしてる。

これじゃ、スモーキーの代わりにマシロが死んじまう!!!


「マシロ、止めろ! もう止めろ! お前が死んじまうだろ! マシロ!!!」

俺の必死の叫びに、こっちを見たマシロは、ふっ・・・と微笑んで、ゆっくりと倒れていった。

「マシロ〜〜〜!!!」


俺は慌ててマシロをスモーキーの上からどかして、揺さぶった。

薄っすらと眼を開けたマシロ。

「シオン・・・・私に触れちゃダメ・・・・・病気が・・・・移っちゃうよ・・・・・」
「おい、マシロ・・・・何で、なんでこんなこと・・・・・」

震える手でポケットを探ったマシロは、俺に手紙を差し出した。

「・・・・・早く・・・・・スモーキー連れてって・・・・・・血が付いた服は、燃やして・・・・・・」
「でも、お前をこのままにしておけねぇーだろ? なあマシロ・・・・・マシロ〜〜〜」

「・・・・・・早く! ゲホゴホ・・・・ブフッ・・・・・」

スモーキーの発作のように咳込んだマシロが、血を吐く寸前、弱りきってる彼女の何処にそんな力があるんだ?ってくらい俺を、突き飛ばして自分から離れさせた。


「早く! 行きなさい!!! 」

鬼気迫る迫力に押されて、俺はスモーキーを担いで外に出たんだ。


「シオン!? なんでマシロの部屋から出てくるんだよ!!!え? スモーキー???」
「スモーキー!! なんなんだよ!」

騒ぎを聞きつけて来たんだろう、ピーとタケシが外で待ち構えてた。

その2人にスモーキーを押しつけ、俺は渡された手紙を開いたんだ。


「嘘だろ・・・・・最初から・・・・・死ぬ気だったのか?」
「何がだ」

背後からかかった声は、目覚めたスモーキーだった。 俺の手から引っ手繰るように手紙を取ったスモーキーが、マシロのドアに飛びついた。


「なんだよ! 俺にも見せろよ!!! 」
「俺が先だ!」

言い争うピーとタケシだけど、この2人もマシロ・・・・・お前を想ってんだぜ? お前は自分のこと化け物とか言うけどさ、俺たちはそんなこと1つも思ってねぇーよ!

手紙の中には、今まで自分を家族にしてくれて嬉しかったという感謝の言葉と、スモーキーを助けるためにはコレしか方法がなかったとか、色々と書いてあった。


「マシロ開けろ! お前何ムチャしてんだ! 勝手したら許さねぇーって言ってたよな! 開けろ!」
鍵のかかったドアをガチャガチャとしてたスモーキーだけど、ドアを蹴りはじめ、ピーもタケシも一緒に蹴りはじめたんだ。

ボロいドアだから直ぐに開いたんだけど、中に飛び込んだ俺たちが見たものは・・・・・・・・


「・・・・・・・繭?」

そこに横たわっているはずのマシロがいなくて、代わりに白い糸で楕円形になってるデカい物で。


「これ・・・・・マシロの髪の毛だ!」
「え? じゃあ、マシロは自分の髪が作った繭の中にいるのか?」

俺たちは何が何だか分かんなくて、スモーキーを見たんだ。



「・・・・・・俺が思うに、力を使いすぎたマシロが中で休んでんだろう」
「そう・・・か」
「そうなのか」

「しかも俺の病気を自分に移しやがって・・・・・バカ野郎だな」

そう言いながらもスモーキーは、そっと繭に触れてるんだ。。。





それから無名街には新たな噂が、増えた。

無名街の塔の部屋には、不思議な繭が存在するのだと。 そして何か叶えたい事を、その繭に願うと・・・・・叶うのだと。。。


その変な噂のせいで、マシロの繭を狙う輩がたまに無名街に入り込んできやがる!

ま、いつもスモーキーが居るからな。 誰も辿り着けたヤツはいねぇーけどな!




マシロの部屋は風を感じられるよう、無名街でも1番高い塔のテッペンにあるんだ。

今は人の大きさの白い繭が・・・・・・いや、“ マシロ ” が居るんだ。

あの夜から1ヶ月が過ぎたが、繭の中からマシロが出てこないんだ。


だが俺は、知ってる。

無名街の小さな家族が、自分を捨てた母親が恋しくて泣いてるとき・・・・・・優しい声が聞こえるんだ。

囁くように小さな声だが、確かに子供が泣きやむまでその声の歌声は、続くんだ。


そう、マシロが泣いてる子供に歌って聴かせてたように・・・・・・・


「なあ、マシロ・・・・・早くそこから、出てこいよ・・・・・・」
『う〜〜ん、もう少し居たいなぁ〜〜』

「バカ野郎! お前を待ってるヤツが大勢いんだよ!」
『・・・・・・・家族がいるって、本当にイイね』

「ああ、いいだろう? お前が戻れるよう、俺は・・・俺たちは此処を、守るからな」

塔のテッペンのマシロの部屋の前で、俺は手すりにもたれて、マシロと話すんだ。

気のせいかもしんねぇ〜〜・・・・もしかしたらショックで気が触れてんのかもしんねぇ〜〜・・・・・・でもよ、確かにマシロは居るんだ!

感じるんだよ、俺には・・・・・・マシロの声が!


『スモーキー! 南の外れに侵入者が、居るよ!』
「分かった」

俺は南の外れに向かって、侵入者を見つけた・・・・・・・・


アイツは今も、この街を、守ってるんだ。



この街の守護神、ルードボーイズのリーダー、スモーキーは時間さえあれば塔のテッペンに居る。

自分のために命を削ったマシロの、そばに。。。






High&lowのお話でございます。 途中だったのを足して書いています。

少しでもスモーキーが幸せになれますように。。。

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すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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