《はじまりは、雨 》by 黒崎勇治

短編です。

このfc2ってサイトには、名前変換機能がないので、毎回ヒロインの名前を考えなきゃいけないんです。

少し面倒って思っちゃいます・・・・・(⌒-⌒; )

なので今回は極力、名前を出さない様に書いてみました(笑)

では、どうぞ。。。




私は朝起きて、天気を確認するの!

しとしとと雨が降っていたら・・・・・・やったぁ〜〜! 今朝は雨が降ってるわ!

私は大喜びでお気に入りのワンピースに着替え、髪も緩くカールさせ、化粧にも力をいれた。


雨の日なんて面倒・・・ できれば出かけたくない・・・・・大学もサボっちゃおうかなぁ〜〜〜

↑ これが前までの私なの。

嫌々ながらも電車に乗った私はそこで、ドアのそばで何にも捕まらずに、腕組みして立っている男性を見た。

電車って思いのほかカーブとか揺れたり傾いたりするから、捕まらないと危ないでしょ?
でもその男性は腕組みしたまま窓から外を眺めて、微動だにしないの。

すごいなぁ〜〜・・・なんて思いながら、窓を見つめるその人の端整な横顔から目が、離せなかったの。

黒い上着に黒いジーンズに、黒くてゴツい靴・・・・全身黒づくめだけど、それが精悍な彼にはとても良く似合ってた。


そう、その彼に一目惚れしちゃった私は、次の日から電車の中で彼を探すのが日課になってしまったの。。。


そうして半年、分かったことは・・・・・・彼は、雨の日しか電車に乗らないんだという事だけ、だった。
雨の日の同じ時間、同じ車両に乗る事が分かった私は、雨の日を心待ちにして、電車に乗るようになったの。

もちろん、めいっぱいオシャレしてね☆


少しでも近くに行きたい私は、電車が来れば中を覗いて彼を確認するのに必死なんです。

「いたっ! いつもと同じ場所・・・・」
いつもと同じ場所で、いつもと同じように腕組みして、いつもと同じように窓の外を見ている “ 彼 ” を見つけて、私はサッと髪を手で整えて、深呼吸を1つ。


私は決心したんです!
片想いして半年・・・・・たまの雨の日の朝しか見かけない “ 彼 ” に、思いきって告白しようと思います!!!

名前も知らない彼に、恋焦がれている今、何か行動しないと後悔すると思うから・・・・・


まずは彼の近くに・・・・・人波を利用して、彼の近くに行かなきゃ!

私は電車が止まるのをドキドキする胸を押さえて、待ったの。

今日は、い・・・言うんだから!

あなたが、好きですって・・・・・・




俺は朝起きて天気を確認する。

今日は雨か・・・・・バイクは諦めて、電車にするか・・・・・

とたんにドキン!と、少し鼓動が高鳴ってしまう。

雨の日の電車には、俺の密かな楽しみがあるんだ。

初めて彼女を見たのは、こんな雨の日の電車の中だった。


しとしとと降る雨の日は、大好きなバイクにも乗れず電車での通勤になる・・・・・人が多く、匂いも多く、あまり好きじゃない。

そんな憂鬱な電車の中、足腰の鍛錬のため腕組みをし立っている俺は、窓の外を眺めていた。


・・・・・・くん・・・くんくん・・・・・・

雨と人混みの匂いの中で、俺は “ 甘くて爽やかな ” 匂いに鼻を惹かれた。

そっと伺えば、そこには可愛らしい大学生くらいの女性が立っていた。

さっきの駅で乗り込んだのだろう・・・・・彼女のその “ 甘く爽やかな ” 香りが好ましくて、つい意識が向かってしまう。

白いブラウスにグレーのスカート、そしてグレーの上着に、左肩で1つに纏められたストレートの髪。

・・・・・・・清楚な感じは、すごく好ましくて・・・・・いや、正直に言えばタイプだ。

彼女の大きな瞳が・・・ 俺を真っ直ぐに見つめてくる。

気付かれないよう彼女を見て、その真っ直ぐな瞳に・・・・・・俺の胸が貫かれていた。


あれから半年、雨の日の電車で彼女を見かけて・・・・・だんだんと名前も知らない彼女に、想いが募っていく。

見かけるたびに彼女の服装が、いや、彼女が、どんどん綺麗になっていくんだ。

まるで・・・・・蛹から美しい蝶になるように、どんどん、綺麗になっていく。

ただ彼女の匂いに変化がないのが、唯一の救いというか・・・・・他の匂いが混じってないんだ。
つまり、彼女の変化に【 男 】は関わっていない。


・・・・・・彼女が他の誰かのものになる前に、俺は、この想いを告げようと思う。


名前も知らない人だけど、初めてあったあの日から、君のことが好きだと。。。






ドキドキ・・・・・私は緊張と高鳴る心臓を抱えて、電車へと乗り込むの。

タイミング良く私は電車を待つ先頭に立てて、彼の乗る電車へと乗り込めたの。

目指すは腕を組んで立つ名も知らぬ “ 彼 ” !


・・・・・・・よしっ! 彼の正面に立てた!!! ・・・・・・・え? あ? うそっ!

こんなに近くに立ったことなかったから、目の間に立つ彼のカッコ良さに見惚れてしまう・・・・・

顔・・・小さい〜〜・・・・・でも、胸の前に組んでる腕は筋肉が盛りあがっていて、逞ましい・・・・・

発車した電車の中で私は、告白する前に近づけた彼を、ただただ見ていたの。




彼女の乗る駅に近づいた電車から、ホームに立つ彼女を見つけることができた。

彼女はまた綺麗になった・・・・・薄いパステルブルーのワンピースに、焦茶の襟がフワフワしてるコートに、同じ色のブーツ。

髪は緩くカールして、化粧もしている・・・・・・可愛らしくて、綺麗だ。。。


その彼女が先頭で、電車に乗り込んできて・・・・・・・お、お、お、俺の真ん前に立った。

こんなに近くに来たのは初めてだ・・・・・くん! ああ・・・・・いい匂いだ。


・・・・・睫毛が長くて、大きな瞳が俺を見上げて・・・・・・俺は彼女を、見つめた。

身長はそれほど高くなく頭の天辺が俺の肩くらいで、華奢な肩が守りたいと思う欲求が俺の中で高まっていく。




・・・・・・どうしよう・・・・・勢いに任せて告白するって決心したけど、どういうタイミングで言い出せばいいんだろう?

ノープランで来ちゃったからなぁ〜、方法としては・・・・ このまま電車の中で? ・・・・・やだ、他の人にも聞かれちゃうじゃない!

じゃあ、彼が降りた駅で話しかけてみよう! そして告白! うん、いいじゃない!

それまでにこのドキドキする心臓を落ち着かせなきゃ!

・・・・・・でも、カッコイイなぁ〜〜・・・・・・




・・・・・・・・すん! ・・・・・・・すんすん。

どうしたんだろう? 彼女の香りに変化がある。
それは緊張した時にでるアドレナリンで、つまり彼女は緊張状態にいるということだけど。

・・・・・・・一体、何があったんだろう?





・・・・・・・もぞ・・・・・・・もぞもぞ・・・・・・・もぞもぞもぞももぞ・・・・・・・

ん? 何だろう?

私は自分のお尻に違和感を感じてビックリしていた。

え? なに? お尻に何かが当たる感触に、混雑している車内だから誰かの荷物が当たっていると、思っていたの。


・・・・・・・もぞもぞ・・・もぞもぞ・・・・・ ビクッ!!!


違う・・・荷物じゃない・・・・・だって荷物ならお尻を撫でまわすなんてしないもん!

柔らかなモノが私のワンピースのスカートをスルスルとたくし上げ、その中に差し込まれて・・・・・いやっ!!!

ショーツの上からお尻を撫でまわしてて・・・・・・気がつけば頭の後ろから誰かの「はぁ・・はぁ・・」なんて息遣いも聞こえてくる。

ど、どうしよう・・・・・・・ いつも電車に乗ってるけど、こんなの初めてだから・・・・・怖いよぉ〜〜

声を出さなきゃ!って思ってはいても、何も言えなくて・・・・・身動きして何とか止めてもらおうとしても、相手は手馴れてて、止めてくれない。。。


思いきってお尻を触ってる男の人の手を、自分の手で外してみたけど・・・・・・ダメ、全然止めようとしない。

一瞬、手が離れたけどすぐ触ってきて・・・・・・前よりもっと強く触ってくる。


やっ! いやっ!!! ショーツの端を指で引っ掻いて、中に入ろうとしてる!!!

やだっ! 誰か助けて! 助けてっ!!!


私は目の前の彼に、訴えるように見上げて・・・・・・涙が込み上げてくるまま、彼を見つめたの。。。




すんすん・・・・・・ものすごい緊張状態になってる匂いに、何があったかと彼女を見れば、真っ赤な顔をして俺を見上げていた。

大きな瞳に涙を浮かべて俺を見上げ、細かく身体を震わせている彼女は、くらりと眩暈がするほど可愛くて、俺の心の中の嗜虐心を刺激する・・・・いや、今はそんな事はどうでもよくて!

切羽詰まった様子で、身体を捻り続けているが・・・・・・もしやっ!!


彼女をよく見れば・・・・・主に後ろを見れば、何てことだ!!!

男の手が彼女のスカートをたくし上げ、中へと入り、在ろう事か彼女の身体を弄っているとは!!!

「はぁはぁ」と荒い息を彼女に吹きかけ、ニタニタと笑いながらなおも手を伸ばしている男を見て、俺は頭に血が上った。


次の瞬間、俺は男の腕を掴んで、捻り上げた。






「彼女に、何をした」
「イテェ〜〜」

力任せに捻り上げた男の手首は、俺の怒りのまま掴んでいるためミシミシと音が聞こえそうなくらいだ。

いや、確かに俺は男の腕をヘシ折っても構わないとさえ、思っていたんだ。

「離せっ! イテェーよ!」
「彼女に、何をしていた!!!」


俺はそのまま男の手首を掴んで、駅を降りる事にしたが、彼女は?と見れば俺の後ろを付いて来た。

駅員に男を引き渡した俺は、事情を聞かれる彼女が心配でその場に残ったんだ。




「ありがとうございます!」
駅に私を痴漢した男性を連れて降りた彼に、私は頭を下げて感謝した。

だって私のSOSを受け取って痴漢から解放してくれた彼は、私の恩人だもの!

駅員さんに痴漢を引き渡した後、私は事情を聞きたいと言われて・・・・・じゃあ、彼と離れてしまうって焦ったの。

とっさに彼を見上げてしまった私は、きっと心細い顔してたんだと思うの・・・・・彼が黙って頷いてくれた。


「一緒に居てくれるんですか?」
「コクン」
「ありがとう・・・・・・ございます・・・・・」

ホッとしたの・・・・・・本当にホッとしたの。

駅員さんが居るとはいえ、怖かった感覚が離れなくて・・・・・・男の人ばかりに囲まれてるのが、怖いの。

その中で彼が居てくれるなら・・・・・・これほど心強い事はなくて。

本当に、心から嬉しかったの。。。



事情を聞きたいと事務所に来た俺たちは、そこで痴漢をした男を別室に移して彼女から話を聞きたいという駅員と調書を作成した。

俺の身分は駅員に警察官手帳を見せ、提示したんだが・・・・・彼女の様子が、変だ。

キョロキョロと落ち着きがなく部屋の中を見回して、駅員が何かするたびビクッと身体を跳ねさせている。


・・・・・・さっきの事が、まだ彼女の中に恐怖を落としているんだ。

よく考えれば、痴漢したのも男、駅員も男、俺も男、男に怖い思いをさせられたのに、男に囲まれている状況が彼女にとって居心地がいいはずもない。

俺は外で待っていようか? そう思い立ち上がろうとした俺に、彼女は・・・・・・


細い指先が、俺の袖口を・・・・・キュッと、摘んだんだ。

行かないで・・・・・・彼女の瞳も俺に、そう言っている。



この時の俺の心情が、分かるだろうか?

好きな女性に、必死に求められているという喜びと、心細さで震える彼女を助けたいという熱い思いと、頬を染め潤んだ瞳の彼女が素直に・・・・・・欲しい、と思う。


・・・・・・・要するに、俺は、彼女がたまらなく好きになっていた。




・・・・・・やっと終わった。

色々と聞かれたけど、ちゃんと答えられたと思うの。

ひとまず解放された私は、彼を見上げてこれからどうしようかって考えてたの。

駅員さんに見せていた警察手帳には、ビックリしたけど・・・・・でも強そうな彼に、素直に頷けた。



彼とこのまま別れたくない・・・・・ちゃんと気持ちを伝えたい。

でもただでさえ時間を取ってしまったのに、これ以上は迷惑かけられないし・・・・・でも、ここで別れたら次はいつ会えるのか分からないし・・・・・・


そんなとき、彼の透明で優しい声が聞こえたの、

「少し、いいかな?」

私はもちろん、強く頷いたのでした。。。




「・・・・・・大丈夫?」
「はい・・・・・・まだ少し怖いけど、大丈夫です」

やっぱり・・・彼女からはまだ緊張してる匂いがしたから、俺は近くのベンチに彼女を座らせた。

「あのっ! 一緒にいてくれて、ありがとうございます! すごく心強かったです」
「コクン」

「あ、こ・・コーヒー、飲みませんか? そこの自販機のですけど・・・」
「コクン」

2人で飲み物を買いまたベンチに座り、こんなとき・・・・・俺は気の利いた事を言えなくて、自分で自分が情けなくなっていた。

彼女をいたわる言葉をかけたいのに、何も言えなくて・・・・・精一杯の言葉が、大丈夫の一言だった。


今も黙ったままの俺に、彼女も黙り込んでいて・・・・・・

ほんとうに俺って男は・・・・・・・好きな人に何も言えないのか?

情けない・・・・・情けない・・・・・

いくら身体を鍛えても、これじゃあ俺は!!!

・・・・・・・そんなとき、また香った彼女の緊張。。。




「あのっ! 突然なんですけど・・・・・・私、私・・・・・あなたが、好きです」
「・・・・・・・・・・・・え?」

「いつも雨の日に見てました。 名前も知らないのにって自分でも思うけど、あなたをどんどん好きになっていってしまって・・・・・」


俺、いま・・・・・・告白されてる!?

俺も気になっていた、君を・・・・・ 俺も、名前も知らないのに、好きになっていた。



俺たちは、駅のベンチで、始まったんだ。


いや、はじまりはきっと・・・・・・・雨。







短いですが、出会いから告白という流れが書きたくて今日だけで、書き上げました!

ヒロインの名前は出さないままに、単に黒崎さんの横顔や、腕を組んだ姿に一目惚れする様子が書きたかったってだけなお話ですね。

感想などいただけると嬉しいです。

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Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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