相棒 ≪王子と薔薇と学生と・・・≫:後編

薬物は一切、手を出さないでおきましょうね!
それとお話の中の症状においては、私の想像です・・・  怖いイメージにしたくてこうしました
途中からは神戸さんの薔子メロメロ話になりますので、ご安心を(笑)

*****

2年B組に戻り佐野 麻子とともに別室に行き話を聞いてみても、彼女はひたすら黙っているだけで・・・・・・杉下の淡々とした声が部屋に響いていた

「脱法ハーブとは、どういうものか知っていらっしゃいますか?」
「・・・・・・」

「薔子さん、脱法ハーブを摂取するとどういった症状が出るのでしょう? 聞かせてください」
「はい」

薔子は黙ったままの麻子の前に座る杉下に話すように、ファイルをめくり話し出した

「摂取方法は主に煙管(キセル)に脱法ハーブを詰め火を点け、その煙を吸うことで簡単に摂取することが可能です  体内に入った煙からの刺激はまず肺に吸収され酸素のように血液で体中に運ばれる」

薔子の凛とした声が響く中、話される内容は酷いものだった。。。

「脳へと達した成分は、麻痺を起こさせ・・・ 呼吸器不全を引き起こし、手や足の痺れ、言葉を発することも覚束なくなり・・・  やがて意識は混濁し幻覚を見てしまう・・・」

「その結果、自室の窓から飛び降りたり、呼吸ができなくなり窒息したり、助かっても手足や脳に障害が残るという考えられないほど最悪な結果を招くものです」

サッと麻子の前に薔子が開いたパソコンを見せれば、そこには病室のベットで眠る麻子と同じ年の少女の姿が映っていた

「脱法ハーブを1度吸っただけで彼女は昏倒し、今も意識が戻らない・・・  そんな危険な物を売る手助けを、貴女はしているのかもしれないんだ・・・」

食い入るように見つめる麻子・・・・・・  彼女の手は胸もとのペンダントを握っている

「それに先週、脱法ハーブを取り締まる法律ができた  このままでは君は犯罪に手を貸していることになるんだよ?」
「でも・・・でも・・・ 達也は安全だって・・・ 違法じゃないって」

佐野 麻子・・・  彼女は何もかもを話してくれた

初めての彼・・・  その彼に頼まれてクラス中、いや、学校中の生徒のアドレスを聞いて回り、彼に渡していたこと・・・

少し気持ちよくなる程度の代物だから、受験や親でストレスを感じている友達には良いことをしていると・・・

取り締まる法律がないのだから違法ではないと、危険はないと、繰り返し話されたことを話してくれた

その恋人がハーブを売っている住所などを聞いて、犯罪組織対策5課の角田課長に連絡した杉下と神戸 薔子の3人は麻子を伴い真壁の所まで向かったのだった

*****

~~数日後~~

「いやぁーー  この前は情報ありがとな! 直ぐに彼のとこ行って任意同行したんだが・・・ かぁーー! 出るわ出るわで大騒ぎだよ!」

愛用のパンダカップにコーヒーを入れてもらった角田が、にこやかに杉下へと話している

「あの彼氏さ、他に十人もの彼女を作ってて麻子ちゃんと同じ事させてたんだ・・・  いやはや今時の若いのはモラルが欠如してるよな!」
「麻子さんは どうなりましたか?」

「彼女の場合は罪を認めて素直に自供してるし、たいした情報も出してなかったから・・・・・・ま、大丈夫だろ」

「そうですか  それは良かった」
「良かったですね・・・」

和やかなムードの中、組対5課から角田を呼ぶ声がかかり・・・  慌てて向こうの部屋に行く角田が神戸と薔子の笑いを誘っていた

「さて、ホッとしたことで・・・  薔子、今日のランチはどこにする? 何が食べたいのかな?」
「ん・・・・・  オムライスが食べたいです」

「お! 俺も今日はオムライスな気分なんだ!  気が合うね~~」
「くすくす・・・」

楽しそうにランチの予定を立てている2人を邪魔するかのように、特命係の電話が鳴った

「はい! 特命係 鈴城です  ・・・・・・・・は?  面会?ですか・・・・  私に・・・」

チン!と、電話をおいた薔子が首をひねっていると神戸が聞いてくる

「薔子? 面会って誰?  何で首ひねってるのかな~~」
「先日の高校の生徒が、警視庁の見学コースに来ているんですよ・・・  何でも社会科見学のコースだそうで」

「・・・・・・それで何で薔子が呼ばれるのさ  見学コースには司会とか専用についてくれるだろ?」

神戸の不機嫌な声にも薔子は不思議そうな顔のままで・・・・・・  「分かりません」と答えていた

「俺も行くから!」

神戸は何かに宣言するように言い、その言葉の通り・・・・・・薔子と共に受付けロビーまでやって来たのだった

そこには・・・・・・  あの時の高校生たちが 待ち構えていたのだった

*****

「キャーー 神戸さん!」
「お姉さん!」

女子も男子も神戸と薔子の姿を見てキャーキャー騒ぎ出し、警視庁のロビーがけたたましくなった

来庁したのはクラス全員ではなく・・・・・・3分の1程度の人数だろうか  しかし そこは若さなのか一度口を開けばけたたましく騒いでいる

「今日はどんな用で来たのかな?」
「え~~ 神戸さんに会いたくて見学ツアーに申し込んだんです! ねーー」

「え~~っと、静かにしてくれるかな? ここは君たちが騒いでいい場所ではないんだ  子供じゃないんだから分かるよね」

神戸の呆れたような口調にも女子達は嬉しそうに騒いでいる・・・  そんな様子に同じく見学ツアーを申し込んでいた小さな子を持つ親子連れが戸惑っていた

小学生でも低学年の兄と、ヨチヨチと歩く幼児の兄弟を連れた母親が 後ろの方で固まっている

「また神戸さんに叱られちゃったぁ~~~」
「あんた、叱られてばっかりじゃん!」
「でも大人の男って感じで、イイんだよね!」

「「「「 ねぇえーーーーーー 」」」」

「ちょっと、声が大きいよ! 周りの事も考えなよ!」

焦って静かにさせようと声をかける神戸だが、女子達はますます嬉しそうに黄色い声をあげ・・・・・・ベビーカーで寝ていた幼児がビックリして起きてしまい、泣いて母親を困らせていた

「「「「 またまた 叱られちゃったぁぁーーー 」」」」

「・・・・・・いい加減にしないか」

低いドスの効いた声で 騒いでいる女子の目の前に仁王立ちした薔子が、冷たい視線で2年B組全員を睨みつける

「高校2年になって公共マナーも判らないほど君達は子供なのか?  後ろに寝ている子供がいても構わずに大声で騒ぎ立てるなど此方としても受け入れがたいな  日を改めて来るか、来なくていい」

「えーーー 何ソレ~~」
「オバサンの横暴!」
「キャハハハ!  そうよね28歳なんてオバサンだよね~~」

「くすっ・・・  そうだね 私はオバサンだ  だが、若いだけで常識のない人間とは付き合いたくなどないな  失敬!」

薔子が女子達から離れて受付けに何事か話しだし、控えていたツアーの案内係とも話していたが・・・・・・  親子つれに近づき先に見学を始めてもらっていた

兄弟にはマスコット人形のピーポ君を渡し、にこにこと手を振り 見送る薔子・・・・・・ だが、その後ろでは神戸の背中から黒い炎が湧き上がっていた

*****

「・・・・・・誰がオバサンだって?」

「「「「か・・・神戸さん?」」」」

「・・・・・・ハッキリ言っていいかな?  俺さ、歳が若いだけの頭も尻も軽い女には興味ないんだよね  ま、君たちみたいなって言えば分かってくれるかな?」

ニッコリと笑顔な神戸なのだが、目だけが睨みつけるように鋭くて・・・  騒いでいた女子も、面白そうに見ていた男子も黙ってしまっていた

「それと・・・  君達がオバサンだって言う彼女は俺のフィアンセなの!  婚約者ね!  だから、君達に騒がれても何も感じないし迷惑なだけなんだ。  それじゃ、見学したいならしていけば? 俺達は行くから」

思いっきり冷たく言い切った神戸に二の句が告げられない女子達・・・・・・  そのまま踵を返して薔子の隣に向かう

「先輩 いいんですか? せっかくのファンクラブなのに」
「いいよ!  俺が夢中にさせたいのは 彼女たちじゃない・・・・・・  薔子だけだから」

「・・・・・・おっ・・・  お腹! お腹空きませんか? //////」
「んもう~~  照れてる薔子 可愛いぃ~~~」

仲良さそうに歩いて去っていく2人をポカンと見送る高校生達・・・・・・  そこに婦人警官が近づいてきた

「あの2人にちょっかいかけても無駄よ!  それより見学するのか しないのか・・・ さっさと決めなさいよ!!!」

「どうして無駄なんですか?」
「あんなオバサンより私達の方が若いのに・・・」

まだ未練を持っている女子から こんな声が上がったのだが・・・・・・  聞かれた婦人警官は、さも可笑しそうに笑ったのだった

「アンタ達・・・ それ本気で言ってるの?  まあ~~ね、巷の一山幾らの男共なら若いってだけで飛びつくんでしょうがね~~~  そんなの神戸さんが相手にするわけないでしょう?」

「なによ この人!」
「あんなのの どこがイイって言うの?」

騒ぎ出す女子高校生に辟易した婦人警官=木下ともよ は、同じ交通課の杏子と詩織を呼び寄せ・・・・・・

「この子達が鈴城警部の魅力を知りたいんだって~~」と、杏子と詩織に丸投げした

「薔子先輩の魅力! ならここじゃダメね! 喫茶部に行きましょう!」
「そうだ! 仕事上がりのファンクラブ会員呼んでおこうよ!」
「連絡網で回したげるわ」

さっそく喫茶部に引率していった杏子と詩織を見送りながら、ともよは一括送信で・・・  こうメールを送った




✉From:ともよ☆

題名:生意気な高校生発見!

本文:ねぇ、今さぁ~警視庁に高校生が見学に来たんだけど。  コイツら薔子様のこと≪オバサン≫なんて言っ
たんだ
今から喫茶部に連行するから手の空いてる会員は至急、来られたし!!!
どれだけ薔子様が凄いか語ってやろうぜ☆




「送信・・・  っと!  あははっ  これでどれだけの人が来るのかな~~  楽しみ♪」

小悪魔的な微笑みを浮かべた ともよが喫茶部に向かう・・・・・・

「こんな私を本気で叱ってくれたのは、薔子様だけだった・・・  うふふ・・・ あの子らにも思い知らせてあげましょう~~・・・  ねぇ」

その日、喫茶部にはどんどん人が集まり・・・ 手に手に何がしかの物を持っていた

それは薔子の写真を収めたファイルであったり、サイン帳であったり、アルバムであったり、新聞の切り抜きの冊子であったり・・・  色々な物を持ち寄ったファンクラブ会員達。。。

高校生達は押し寄せる人並みに恐怖し、その熱狂的な口調に グッタリと疲れ、入れ替わり立ち替わり話される事にひたすら驚き・・・・・・・・・最後にはもう何も言葉を言えないほど消耗して帰っていった

「久しぶりにこれだけ集まったんだし・・・  時間のある人は、このまま食事会にしませんか?」

高校生を帰らせた後も会員達の情熱は燃え盛り、語り合うために場所を移していった

あとには、売上の伸びた喫茶部と・・・・・・ たまたま食事をしに来た大河内が、クスリと口角を上げた顔だった 

*****

「先輩 美味しいお店でしたね  卵がふわふわで・・・」
「喜んでくれた?  また来ようね」

はい!って微笑む薔子に、僕も微笑み返し・・・  2人で警視庁まで歩いて帰ったんだ

その日も暇な特命係・・・  杉下さんも定時で帰るみたいだし、僕は そっと薔子の隣に椅子を転がして近づいた

「薔子! 今夜どうする?」
「今夜は・・・ 鍋なんてどうですか?  味噌汁と鍋は作れるんですよ!」

「鍋! いいね・・・ じゃ帰りに買い物してから帰ろっか」
「尊さんは鍋の具材、何が好きですか? 食べたいの言ってくださいね」

「ん~~ そうだな・・・  今夜は鳥肉と野菜をポン酢でさっぱり食べたいな~」
「僕は鳥ツミレに水菜と大根のハリハリ鍋がいいですね~~」

杉下さん!!!  聞いてたんだ・・・ って何ちゃっかり リクエストしてるんですか?

「ハリハリ鍋ですか・・・  豆腐入れても美味しそうですよね、右京さん!」
「ええ、豆腐は体にも良いですからね~」

ちょっと、薔子?  君まで何ノってんの?  冗談だよね・・・  鍋を2人で食べて、今夜も薔子を美味しくいただこうと思ってるんですけど~

「でも家にある土鍋では3人分は無理なんですが・・・」
「では花の里に行きましょうか」

うわわわ・・・・  これじゃ花の里コースじゃん!  明日は薔子も僕も休みなんだし 冗談じゃない! 何とか阻止しなければ・・・

『えっと薔子? できれば僕は君と2人で食べたいんだけど・・・  花の里は今度ということにしようよ』

コソッと耳打ちすると薔子の頬がポッと染まる・・・ 

『でも・・・せっかく右京さんからのお誘いですから・・・』
『やだ! 明日は僕達揃って休みなんだし・・・・・・  今夜は、寝かさないからね・・・』

「・・・・・・分かりました では今夜は僕だけで花の里に行くことにしましょう」

う゛う゛っっ!!!  杉下さんの視線が・・・  視線が・・・  眼鏡がピカァ~~って光って・・・  冷たい視線が痛いっっ!!!   怖いっっ!!!

で・・・ でも 負けないからな!!!

「杉下さん 今度、誘ってくださいね・・・  では僕達は帰ります  さ、薔子 行こうか」
「あ・・・先輩?」

僕は薔子の鞄とコートと薔子の手を引いて特命係の部屋を出たんだ

「ふぅ~~ 脱出完了!  あれ? 薔子? どうした・・・・・・」

大人しい薔子を振り返ったら、彼女は真っ赤で・・・・・・

「・・・・・・今夜は寝かさないって  やだ、尊さんエッチなんだから・・・ //////」
「男はみんなエッチなんだよ!  それに薔子だから・・・  やっと僕のにできた薔子だから・・・」

「//////」

あはは!  また固まっちゃった薔子を連れて僕は彼女の家に行こう

途中で鍋の材料も買ってね☆

僕は真っ赤な薔子の手を引いて・・・・・・  幸せな部屋へと帰ろう。。。

*****

幸せな神戸さんは、きっと「うふふ」って笑ってると思います

(o・・o)/~

プロフィール

すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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