相棒 ≪これはもう運命!?≫

陣川さん、登場です! 彼って良い人なんですが、実際に周りにいたら疲れそうな人ですよね・・・

愛すべき熱血キャラです(笑)

***

ここは捜査一課・・・伊丹達3人は事件の報告書などの書類仕事に四苦八苦していた

溜まりに溜まった報告書をパソコンに打ち込んでいるのだが、若い芹沢と違って三浦は四苦八苦しながらも打ち込んでいる

伊丹は芹沢ほど上手くはないが三浦よりかは早くこなしていた

「今日は御三方ともデスクワークですか?」

涼やかな声がした方を見れば鈴城 薔子が立っていた

「鈴城さん、いらっしゃ~い」
「お! 嬢ちゃんどうしたんだ」

一番最初に反応したのは芹沢で次に三浦が老眼鏡をずらしながら薔子を見ていると、薔子は手に持った書類と紙袋を同時に見せて微笑んだ

「鑑識から資料をお届けに来たのと、この前 三浦さんが美味しそうと言ってた店の塩大福を差し入れに来ました」

時刻はちょうど3時のオヤツ頃なので三浦以外の捜査一課の面子がピクリと反応して・・・

「皆さんの分も持ってきたので食べてください」

薔子の言葉にその場に居合わせた刑事達から『うぉ~~~』という歓喜の唸り声が上がる

特命係と言えば捜査一課にとっては歓迎ならざる存在の部署なのだが、薔子だけは別格で刑事達も歓迎している

囮として捜査協力を要請しても嫌な顔1つせず全力でぶつかってくれる事や、たまにこうして差し入れに来てくれる事も多々ある・・・次第に薔子の美しい微笑みが刑事達の癒しになってきたのであった

「一人一個だぞ~」

大福の詰まった箱ごと次々手渡しで回していった刑事達は、次にその間に薔子が煎れてくれた渋めの茶を取りに行き自分の机に戻っていく

伊丹や芹沢もそうして一息ついていたのだが・・・伊丹の席の横に誰かが立っていた

「伊丹刑事! 領収証の〆は今日です! 早く出して下さい!」

捜査一課経理の陣川公平だった

「まだ時間あるじゃねーか! 今まとめてっからしばらく待て!」

ふん!と鼻息荒く伊丹に文句を言いながら、陣川は伊丹の机に乗っている大福を見ている

「こりゃ俺のだ! 食うなよ!」
「うわぁーこれって中村屋の塩大福じゃないですかぁ~ 美味しいって評判ですよね! 誰の差し入れですか?」

テンションの上がった陣川のデカイ声が響き渡るなか、彼の後ろから薔子が大福の入った箱を持って立っていた

「まだありますから御1つ如何ですか?」
「あ!すみません!僕、和菓子に目がなくて・・・」

陣川がニコニコと振り返って・・・固まっている

「???」

首を傾げる薔子が大福を持ったまま困惑していると三浦が薔子を自分のデスクの隣まで連れていき座らせた

「嬢ちゃんこれどうなってる!」
「ああ・・・これは」

三浦が苦戦していたパソコンを薔子の指先が踊るようにキーボードを叩いていった

2、3分も経っただろうか・・・横から見ていた三浦が感心している

「大したもんだなぁ~」
「私はこういう部署に居たから・・・はい、ここからは三浦さんがしないと」
「そうだな」

「じゃ、私、戻りますね」

帰る薔子が挨拶をすれば刑事達が次々に「ごちそうさん」と声をかけているなか、やっと正気に戻った陣川がキョロキョロと周りを見回していた

「さ、さっきの人は誰なんですか?教えて下さい!意地悪しないで早く教えて下さいよ!」

伊丹に飛びかからん勢いで聞く陣川が、やっと日付別に整理し終えた領収証をばらまいてしまい・・・伊丹の顔が極悪人に変わる

「てめぇーーー何しやがる!!!」
「先輩!首絞めちゃダメですよ~」

「ぐぐぅ~~・・・あの人は・・・誰ですかぁ~」
「まだ言いやがるか! 教えてほしかったらコレを整理して書いて来い」

ニヤリと悪人顔で言った伊丹に陣川は頷くと領収証を拾い持っていった

暫くして書類を手にした陣川が伊丹の前にやって来て彼は教えてもらえたのだった・・・鈴城 薔子、新しく特命係に入った新人だという事を

「そうか!僕の後輩なんですね!」
「は?何でお前の後輩なんだよ・・・お前は捜査一課だろうが! しかも経理のな!」

「お忘れですか伊丹刑事!僕は一時期特命係だったことを!そうか彼女、特命係でしたか・・・これは縁ですね~ いや、運命なのかもしれません」
「おっ!おい! 一人で盛り上がって鈴城に迷惑かけんじゃねぇーぞ」

伊丹が焦って陣川に言うものの既に彼の耳には届いてはいなかった

「そうか・・・僕の後輩か! そうか・・・いや~嬉しいなぁ~・・・あ!こうしちゃいられない!」

デカイ声で一人言を言っていた陣川だが、何かを思い出したように捜査一課を出て何処かに行ってしまった

その様子を見て芹沢が慌てて伊丹の袖を引っ張った

「先輩まずいですよ!陣川さん特命の部屋に行っちゃったんじゃないですか?」
「運命だとか言ってたぞ~ あの勢いで嬢ちゃんに迫っちまうんじゃないのか?」

「ま・・・まずいよな・・・でも特命にはソンもいるじゃねぇーか! 大丈夫だろ」
「大丈夫ですかねぇ~・・・僕、ちょっと電話入れときますね」

いつもなら特命に電話など伊丹が許しはしないのだが、その伊丹が頷いたので芹沢は内線番号を押していた・・・

***

そして内線が鳴っている特命係の部屋では・・・神戸が電話に出ていた

「はい特命係の神戸です・・・って芹沢君!珍しいね君がかけてくるなんて・・・今日杉下さんはお休みだよ・・・え?何言ってるの? 薔子ちゃんの危機?・・・なにそれ」

「どうしたんですか先輩?」

電話を置いた神戸が首を捻りながら両手を上げた・・・《分からない》とのジェスチャーに薔子がクスリと笑った

「先輩!お茶にしませんか? 塩大福どうぞ」

神戸が電話に出ている間に煎茶を煎れた薔子が大福と共に置いて二人のオヤツの時間が始まった

神戸は薔子が特命係に来てからというもの上司の休みが楽しみでならない・・・  何てったって薔子ちゃんを独り占め出来るんだもんね♪

「薔子ちゃん今夜の御予定は? よろしければ僕と食事は如何ですか?」
「ん゛ーーー予定は無いんだけど・・・どうしようっかなぁ~~~」

え? いつも嬉しそうに「はい」って言ってくれるのに、今日は何で躊躇うの?

あれか?捜一でも誘われたのか? くそっ! 三浦さんが居るからって油断した・・・僕も付いていけば良かった!

僕は薔子ちゃんを見ながら考えてる時の癖で腕を組ながら片手で唇を触っていた

「あのですね・・・いつも先輩に奢られるのも心苦しくて・・・今夜は私が奢るのなら食べに行きます」

はっ! 何だ・・・そんな事気にしてたのか・・・ 別にいいのに遠慮しちゃって・・・食事代くらい男の僕が持つのが当たり前だろ?

そう言えば薔子ちゃんてば最初の頃、食事が終わってトイレに立って支払いもしちゃってたからなぁ~・・・僕が会計しようとして終わってるからビックリしたもん

僕と一緒のときはしないでって頼んだから、やっとしなくなったんだけど・・・

う゛~ん・・・まぁ、たまに奢ってもらうのもいいかな?

その後バーにでも連れてって僕が払えばいいんだし・・・その方が飲みにも誘えるしね♪ うん、いい考え♪

「じゃ今夜は薔子ちゃんに奢ってもらおっかな!」
「はい!」

そうそう、この返事が聞きたかったんだよね~・・・もちろん君の微笑みもね!

「場所も今夜は私が案内しますから楽しみにしといて下さいね」

「お任せします♪」
「お任せされました♪」

二人で微笑みあってる僕達はなかなか良い雰囲気じゃない・・・彼女の堅さがとれてきたから・・・僕に心を許してくれたから・・・だよね♪

やっぱり二人の特命係はいいなぁ~~~・・・なんて僕がほのぼのしていたら芹沢君から聞いた【危機】が部屋に飛び込んできたんだ

***

「あのっ!杉下さんは何処にいらっしゃいますか」

突然飛び込んできた相手・・・僕と薔子ちゃんを交互に見てニコニコ笑ってるけど、そもそもコイツ何者?

「申し遅れました捜査一課の陣川公平です!」

「捜査一課ですか・・・申し遅れました神戸尊です」
「あ、さっきの人! ・・・塩大福食べます? 鈴城薔子です」

なになに? さっきって捜査一課で会ったってこと? なら、この人・・・薔子ちゃんを追いかけて来たのか?!

僕と薔子ちゃんと彼は挨拶の握手を交わして、彼女が出した大福とお茶を嬉しそうに食べながら陣川という男は空き机に座り込んでいる

「僕はね前に特命係に居たんだよ! だから鈴城さんの先輩になるんだ!」
「特命係には僕も居るんですけど・・・」

「ああ、悪かったね! 《君達の》先輩になるんだ!」

マジかよ! っていうか用件は何なんだろ?

「で? その陣川先輩がわざわざ此処に何の御用ですかね~」
「そんなの当たり前じゃない!運命の人が居たからさ!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・は?

目が点になる僕に構わず陣川さんは薔子ちゃんの手を取り両手で掴んでニコニコ笑ってるけど・・・

「僕は感じました!捜査一課のむさ苦しい中で可憐な貴女に出会えたときに! しかも貴女は僕が尊敬する杉下さんの特命係に居ますよね! 前とはいえ僕も特命係に居たんです! 奇遇ですよね~これはもう運命ではないでしょうか!!!」

い゛い゛! 滅茶苦茶な事を言い出しながら立ち上がった陣川が、薔子ちゃんに迫っていくから~~~ 薔子ちゃんが青い顔して後退っていくよ!

「せ・・・先輩~・・・たすけて・・・」

壁に追いつめられた薔子ちゃんが尚も迫る彼から必死な顔で避けて・・・僕の背中に逃げ込んできた

「この人・・・何? 距離感が近すぎて・・・怖い」

僕の後ろに隠れた薔子ちゃんの指先が肩を必死に掴んでる・・・なんか可愛いいなぁ~

「どうして隠れるのかなぁ~」
「ちょ、ちょっと! 近いよ!」

ずいっと僕の方に寄ってきた彼を慌てて腕で突っ張って止めるんだけど・・・薔子ちゃんの怯えが強まったのか、肩に触れていた指先が縋りつくように胸に回されて・・・僕は背後から彼女に抱きつかれてる格好になった

「くふふっ」
「何笑ってるの神戸君」

「いえ、別に〔嬉しいからって言えないよね〕・・・っていうか明日なら杉下さん居ますから出直されませんか?」
「なんで!!!」

「彼女・・・怯えちゃってますから・・・改めて来てください」
「えーーー」

「えーじゃないですよ! 女のコ!怯えさせるものじゃありませんよ」

この言葉に陣川さんも、ぶつぶつ言いながら僕の背中に隠れた薔子ちゃんを見て・・・諦めたのか素直に部屋を出ていった

でも薔子ちゃんがまだ僕を抱きしめてくれてるから、嬉しくなった僕はね♪

彼女の腕の中でクルリと反転して・・・今度は僕が抱きしめたんだ

くふふっ・・・

「何だか凄い人だったね、陣川さんって! 君みたいな猛者を怯えさせるなんて凄いよ!」
「う゛~・・・いきなりアノ近さは苦手です」

「大丈夫・・・俺が居るだろ」

彼女の耳に直接吹き込むように囁けば薔子ちゃんの躯がピクッて跳ねて・・・僕からも離れてしまった

あ~あ、残念でした・・・もうちょっと君に触れていたかったなぁ・・・

でもね・・・ふふっ・・・気づいちゃった! さて、何だと思う?

薔子ちゃん、怯えた君が部屋から出ていかずに僕の背中に逃げ込んできたのって、僕を頼ってくれたんだよ
ね・・・それに気がついちゃったんだ

「先輩?」

ほらほら・・・最初の頃なら君は部屋を出ていって暫くは帰ってこなかったはずだよ

こんな風に首を傾げながら僕に近寄るなんて・・・

僕はニッコリと君のために微笑んでおくよ

少しづつ縮まる君との距離が楽しくて・・・これからが楽しみで・・・

さ、もう定時だよね!  もっと君との距離を縮めるために・・・美味しいご飯に行こうか

「薔子ちゃん、案内お願いね」
「はい!任せてください」

二人でコートと鞄を持ち部屋を後にする

おっと! 名前のかかれた木札を反対にし、電気を消して・・・っと!

「何だもう帰るのか? 嬢ちゃん神戸とデートかぁ~」

角田課長に冷やかされ始めたから慌てて薔子ちゃんと部屋を出た

「で・・・デートだなんて///」
「あれ?俺は毎回薔子ちゃんとデートしてるつもりなんだけどなぁ~」

「ご・・・ご飯食べてるだけ・・・ですよね?」
「いーえ! デートです・・・俺とだと、嫌?」

「・・・先輩ならいいかな?」
「どうして疑問系なの・・・まぁいいか」

何だかこういう会話が楽しくて、可笑しくて・・・僕は「ふふっ」と小さく笑って・・・  君も、僕につられるように「ふふふ」と笑ってて・・・

ああ、いいなぁーー この空気・・・ 

「行きますか・・・」
「はい」

そうして僕等は警視庁を出て行ったんだ

*****~~オマケ~~*****

薔子ちゃんが案内してくれた所は都内とは思えないほど大きな見事な日本庭園を持つ料亭で・・・  確かここって温泉もあるから宿泊も出来るんだよね

警察庁時代に上司が接待に使っていたから何度か来たことはあるんだけど・・・ 自分でなんて来ようとは思わないほど立派な処だ

薔子ちゃんが何の躊躇いもなく入っていくから僕も後に続いたんだけど・・・・・・・マジですか?

「ごめんなさい 予約しないで来ちゃったんだけど・・・  食事2人分ありますか?」
「あら鈴城様のお嬢様・・・  今、女将に聞いてきます  ここで座ってお待ちくださいね」

顔馴染みの仲居さんに声をかけた彼女を見て、仲居さんは愛想笑いだけじゃない親しみのこもった笑顔を浮かべた

えーーーーーっと、ここってきっと警察庁長官だった勘兵衛さんの行きつけなんだよね・・・・・・

「よくお越し下さいました、薔子様。 今、お部屋に御案内致しますね」
「急に来てしまいすみません  ・・・この方と、ゆっくり食事を楽しみたいと思えば自然とこちらが頭に浮かんで・・・・・・お世話かけます」

「何を仰いますか・・・ 薔子様ならいつでも歓迎いたします」

女将の案内で部屋へと行くけど・・・気のせいかな? ちら・・・ちら・・・と女将の視線が僕を測るように見ているんですけど・・・

(まぁまぁ 薔子様にも素敵な殿方との御縁がお有りだったのですね・・・)

部屋で広げられた京懐石の料理の数々を、1つ1つ美味しそうに食べてる薔子ちゃんを見ていると・・・陣川さんの「運命の女(ひと)」という言葉が頭に浮かんでくる

僕はニコッと笑って彼女を見つめる・・・・・・陣川さん、彼女は・・・薔子ちゃんは【僕の】運命の女なんですよ

貴方には・・・  いや、誰にも彼女は渡しはしない・・・  くすっ、僕はこう見えて頑固ですし 負けたことないですからね・・・

「先輩? 食べてますか?」
「うん、食べてるよ・・・美味しいね♪ こんな凄い所に連れてきてもらって嬉しいよ 此処はおじい様の縁でかい?」

「お爺様にも連れてきてもらいますが、元々は母の実家がよく利用しているから、確か生後6ヶ月くらいに開いたお祝いもここだと聞いてます」
「ふぅーーん・・・お母さんの・・・  ちなみにお母さんの旧姓は?」

「・・・・・・それはまたの機会ということで、飲みましょう 先輩!」
「ん? そう? そっか・・・ じゃ飲もう!」

まだ、君には何か秘密があるみたいだけど・・・今は君と楽しい時間を過ごすことに専念しよう・・・

*****

陣川さん、空回りっぷりが好きです(笑)

ではでは (o・・o)/~


プロフィール

すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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