≪いつか晴れた日に≫~ブランドン大佐~

こんにちわ! アラン・リックマンさんが出演されているDVDを見て、もう、たまらなくなりました

この作品は父を亡くした3姉妹と母親が、当時は財産は全て男の継承者に行くことにより、いきなり使用人を何人も(何十人!?)使っていた裕福な境遇から年500ポンド(たぶん生活ギリギリ、でも3姉妹と母親と使用人が男女2人います)ということになり、母親の叔父を頼って住まいを変わります

ネタバレになるので、嫌な方はここまでにしてください・・・でも、人生って楽しいばかりでもないし、苦しいことばかりでもないなって晴れ晴れと思えた映画です

では、3姉妹が4姉妹に増えて、ブランドン大佐にばかり絡んだ物語です

映画ではちゃんとハッピーエンドなんですが、途中が切なくて・・・大佐は過去のある静かに女性を愛し包める方です・・・・・・もう、スネイプ教授の次に惚れますよ!

***

私はシンシア・・・・・・
長女のしっかり者のエリノア、次女の自由で情熱的なマリアンヌ、4女の天真爛漫な少女マーガレットに挟まれてる私は3番目の・・・・・・大人しくて良い子なシンシア・・・・・・

誰も、大人しくて地味な私には注目もしない・・・・・・ 母も、そう。 

母はエリノアを頼りにし、マリアンヌを窘め、マーガレットを可愛がる・・・・・・ 私は、ただピアノをひき本を読み母を手伝う・・・・・・ ただ、ひっそりと居るの。。。

そんな毎日の中で、大好きな父が病気になり・・・・・・死んでしまったの
私を目にかけてくれた父が、亡くなってしまった・・・・・・

私達の母は後妻で、父の財産は前妻の異母兄に行くから屋敷もでなければならない・・・・・・ 母の心痛を思って私はエリノアを進んで手伝ったわ

嘆いてばかりもいられないからね!  母の従兄弟のジョン卿がコテージを貸してくれるというのだから、そこに行かなきゃ

私達は馬車に揺られて2人の使用人だけを連れて、その場所へと行ったのよ・・・ そうして、少し落ち着いた頃ジョン卿と義母のジェニングス夫人のお屋敷に招かれたの

田舎で人寂しいからか、お二人はよく私達を招いてくれるの・・・・・・ただ性格には難があって、マリアンヌは嫌いって顔してるわ

でもね、このお屋敷にはピアノがあるのよ。 私とマリアンヌはピアノを弾くのが大好きでこの日も代わる代わる弾いては皆に聞いていただいてたの

ジェニングス夫人の趣味は「縁結び」・・・ 年頃の男女の縁を取り持つのが生き甲斐みたい

その夫人とジョン卿に招かれて1人のお客様が、いらっしゃったのよ・・・・・・

ちょうど、マリアンヌが弾いて歌っている時に来られたその方は・・・・・・一目でマリアンヌに恋をした顔をしてた

ねぇ、ブランドン大佐・・・・・・ あのとき、私が弾いてたら、私に恋してくださったかしら?

ねぇ、ブランドン大佐・・・・・・ 優しげな大人な貴方に、私も一目惚れしたのは・・・・・・何の意味があるのかしらね?

貴方の眼には、マリアンヌしか見えていらっしゃらないのに・・・・・・

葦を皆で刈っているときも、貴方は葦を手でちぎっているマリアンヌに近づきナイフを渡していらっしゃった
常にマリアンヌに寄り添い、優しい瞳で見つめてらっしゃる貴方に、胸が切なくて・・・・・・苦しいわ

でも、自由なマリアンヌは・・・・・・とても美しいもの 男性が恋するのは、彼女のように美しくて表情豊かで魅力的な女性よね

1つしか違わないのに、私は・・・子供っぽいのかしら? 貴方からは少女のマーガレットと同じ扱いのような気がします

そんなある日、マリアンヌがマーガレットを連れて散歩に出かけて足に怪我をしたの
通りかかったウィロビーという男性に助けられたのだけれど・・・・・・マリアンヌが彼に恋してしまった

驚いたことに母も気に入ったのか翌日、ジョン卿に彼のことを色々と聞いていた

マリアンヌ、あなたには大佐が・・・・・・ 大佐があんなにも愛しげに見つめているのに・・・・・・ 気がついてるくせに・・・・・・

ジョン卿が居る時に大佐が花を持ってお見舞いに来てくれたけど、私以外は≪ウィロビー歓迎、その他は早く去って≫な雰囲気で私は初めて、怒りが胸に湧くのを感じたわ

照れくさそうにはにかみながら入ってくる大佐を、ジョン卿の心無い、でも事実を告げて・・・・・・ああ、大佐の顔が、曇ってしまうわ

大佐がくれた花は鉢植えで大切に育てられてた大輪の花達で、本当に綺麗・・・・・・ そんなところにも大佐の心が見えるのに

ジョン卿に促され家を出られる大佐に私はお見送りしたくて、ついて行ったの

「今日は、ごめんなさい・・・大佐」
ああ、気の利いたことの言えない自分が、悔しいわ! 少しでも大佐の心を慰めてあげたいのに・・・・・・

目の前にウィロビーがやって来て、私に目配せしたけど私は「フン!」とそっぽを向いてやるの

彼は目を見張ったけど次には大佐と挨拶を交わして、さっさと家へ・・・・・・ 私は大佐の横を歩いていたら大佐は歩く速度を遅くしてくれた

「大佐のお花、凄く綺麗ですね ありがとうございます」
「いや・・・喜んでくれればいいのだが・・・」

大佐が少しの間、振り返り我が家を見たのは・・・・・・ そうね、マリアンヌね・・・・・・ 私は必死に笑顔を浮かべて、ジョン卿と大佐を見送ったの

私がこらえきれずに・・・家に戻る前に、木の影で泣いたのは秘密なの・・・・・・

家に戻れば母までもが興奮してウィロビーを迎えて、さっきと全然態度が違うことに私はまた怒りを感じたけど黙っていた

それに、あのモミアゲなんだか髭なんだか分からない頬から口許にまで伸びてるアレは何なのよ!!!  大佐はもっと控えめで切り揃えてあるわ!

変よ、変! 詩の朗読なんて諳んじてやって! 父が言っていたペラペラ話す色男は女ったらしが多いって本当なのね!

どうしてマリアンヌはあんなウィロビーなんかに蕩けそうな顔してるのかしら?

大佐の方が、優しくて頼りになって格好イイのに! マリアンヌが、早く大佐の魅力に気がついて欲しいわ。。。

***

大佐からピクニックのお誘いがあった日、私はエリノアと一緒に居る大佐と話がしたくて近くに行ったら・・・・・・2人の話しが聞こえて

「そこまで大佐はマリアンヌを・・・ 愛してるのね」
好きな女性が他の男と出かける様子を、幸せそうだといい・・・ エリノアがマリアンヌの振る舞いに困った様子なのを見かねて大佐が話してる

ああ、自由奔放なマリアンヌを貴方は、他の男と一緒でも、自分を見なくとも、自由に・・・・・・生き生きと飛び回らせておきたいのね

何て大きな、愛なのかしら・・・・・・ 私はこのとき、自分の想いが大佐の愛に比べて稚拙で我儘だと思った

振り向いて欲しい、私を愛して欲しい、マリアンヌじゃなくて私を熱く見て欲しいという欲望が見えた・・・・・・

私の思いなど、ちっぽけな子供の思いなど・・・ 貴方の愛する心の大きさには敵わないし、叶わないと・・・・・・知ったのよ

私は、大佐の想いがマリアンヌに届くようにお手伝いしたい

私も大佐のような愛しかたがしたいと・・・・・・ 子供だけど、そう思ったの

胸が切り裂かれるくらい痛いけど、でも、でも・・・・・・貴方が幸せになってくれればと、想います

大佐、こっそりと貴方を想うことだけは・・・・・・お許しください

小さな、小さな、私の誓い

***

ピクニックは大佐の急用で中止になってしまったけど、それは皆が楽しみにしてたから文句も言うのも分かるけど、急使が来たんだから仕方ないじゃない

それをウィロビーの奴ーーー それを「弱き者」だの「好かれてない」だの、悔しいから私は反論しまくったのよ!

「話す人がいないだなんて大佐に失礼だわ! 私は大佐とお話しするの大好きですわ!」
「それはあなたが優しいからですよ」
「いいえ、私は優しくなんてありませんわ、だって貴方とは話したいなど思ってませんから」

「シンシア!!!」
マリアンヌに怒られたけど、私がこんな風に怒ることなんて生まれて初めてだったから、母もエリノアもマーガレットもポカンと口を開けて私を見ていたの

「大佐を侮辱する方とは同席したくありません。失礼します」
私は草の上に引かれた敷物の上から身を起こして、さっさと立ち去ったわ

マリアンヌさえ、大人しい私の初めての態度に呆気に取られていた

「はぁ・・・」
やってしまいました・・・・・・ 家族は呆れたでしょうね

しばらくして家に戻ればウィロビーはマリアンヌを連れて散歩しながら帰ったらしいし、家族も最初はぎこちなかったけど、私が普通にしてたら戻ったし・・・・・・その後、帰ってきたマリアンヌが上機嫌で浮かれてたわ

どうやら明日、ウィロビーから大切な話があるとか言われたらしいの・・・・・・


でも翌日、教会から帰ってきたらマリアンヌは泣いていた・・・・・・  ウィロビーの奴、私の大事な姉を泣かせるなんて! 

マリアンヌも母もマーガレットも部屋に閉じこもり泣いてる中、エリノアと2人階段に腰掛け・・・・・・黙って紅茶を飲んだ

***

ロンドン! ロンドン♪ 私達・・・エリノアとマリアンヌと私の3人はジェニングス夫人の好意でロンドンに連れてきてもらったの

舞踏会に招かれて大勢の人の中、私は人酔いしそうでとても踊れそうにもないのにジェニングス夫人ったら私を知り合いに会うたびに紹介してダンスをさせてるのよ

つ・・・疲れるわ・・・ これが大佐なら天にも昇るくらい幸せなのに・・・・・・いいえ、この想いは封印しましょう  私は大佐の恋を見守るの・・・・・・ 

でも舞踏会で他人行儀なウィロビーに、マリアンヌの恋は・・・・・・終わってしまった

しばらくして、大佐からの話で彼は女性関係で叔母から勘当されたため、遺産をもらうあてが外れ・・・・・・借金を返すため持参金付きの女性との結婚をするのですって・・・・・・

姉の心を傷つけたウィロビーに、私は最初で最後の手紙を贈りました

≪ そこに、真実の愛はあるの? ≫

たった一行の手紙だけれど、彼にささやかな私の嫌味を贈ったの・・・・・・・

マリアンヌは憔悴しきっていきエリノアと話して家に帰ることにしたの・・・・・・そこで大佐に同行を頼めば快く引き受けてくださった

ジェニングス夫人の娘夫婦がクリーヴランドまで送って下さるし、その後バートンまで大佐が一緒に行って下さることに決まって私の胸は高鳴るの

私が一緒だから? いいえ、違うわ・・・ マリアンヌと大佐の距離を縮めるためよ!

あんな男のせいで憔悴して青い顔したマリアンヌは見ていられないから・・・・・・大佐の大きな愛に気がついたなら、きっと、きっと、マリアンヌは元気になってくれるはず

マリアンヌは姉のエリノアの苦しい恋に、その結末に気がついて・・・・・・何かが変わったような気がした

自分から元気になろうとしてるから、私は嬉しくなるの・・・・・・そうよ、あんな男なんて忘れて! もっと素敵な・・・・・・もっと誠実な方がマリアンヌには、いるのだから。。。

・・・・・・どうして私の髪はマリアンヌのようにクルクルの巻き毛じゃないんだろう?
・・・・・・どうして私の顔はマリアンヌのように魅惑的じゃないんだろう?
・・・・・・どうして私は・・・・・・

ああ、私は子供でどうしようもないのね・・・・・・ 大佐のように愛したいのに、私の胸には抑えきれない炎が燃えている・・・・・・ 消したいのに、消えてくれればいいのに・・・・・・この恋ごと、消えればいいのに

とっても苦しいの・・・・・・ 

***

帰りの馬車で、ジェニングス夫人の娘(と言ってもオバサンだけど)は、息継ぎをどうしてるのか不思議なくらい喋りどうしで五月蝿いのよ!

ウィロビーの屋敷が自分の家から見えるだの、こうだの・・・・・・でも、マリアンヌが反応してる

クリーヴランドについて馬車から降りる時、大佐が皆に手を差し出して降ろしてくださったの・・・・・・紳士だわ

「大佐、ありがとうございます」
「気をつけて・・・」
ニッコリと微笑み合う・・・・・・これだけで、私は満足よ

マリアンヌが屋敷にも入らずに散歩がしたいとか言い出したから、私がお供をすることにしたの

でもマリアンヌ・・・・・・もの凄く嫌がって・・・ 私は馬車の中でのことを思い出していた

ええ、そうよ・・・この雨が降り出しそうな天気の中、8キロ先にあるウィロビーの屋敷に行くつもりなのね・・・・・・彼はロンドンにいるのに

屋敷になんて、いないのに!!!  激しかった恋は、まだマリアンヌの中で燻っているんだわ

「マリアンヌは体調が悪いのよ・・・・・・私は絶対、ついて行くから!」
「好きにしたらいいわ・・・ 庭の中にいるから」

ええ、私は好きにしたわ! マリアンヌにぴったりと付いて歩いていると、姉は何か言っては私を他所にやろうと話してくる

あんなに大佐に想われてるのに、あんなに大事に・・・・・・あんなに愛されてるのに・・・・・・マリアンヌの口からはウィロビーばかり・・・・・・

焦れたマリアンヌは私の腕を振りほどいて駆けていこうとするから、私は大声で屋敷に向かい叫んで大佐を呼んだの

彼は何事かと慌てて来てくれたから、私は抑えていたマリアンヌを彼の胸へと押し込め逃がさないよう言ったのよ

屋敷に連れていって・・・・・・その言葉がマリアンヌを怒らせてしまった

「恋したこともない子供のくせに、私をどうして邪魔するの! 切なさや苦しさも知らない子供のくせに!!!」

大佐の胸の中から叫ぶマリアンヌに、大佐が優しく見てるのに気がつかないマリアンヌに・・・・・・私の炎が・・・・・・燃え上がった

「私だって恋をしているわ! でもその方は私なんか見てくれない・・・ なら、その方の恋が叶うよう力になってあげたいのよ!」
「嘘よ、そんなこと今まで言ってなかったわ」

「マリアンヌ! 貴女は、貴女を、あなただけをウィロビーよりも愛してくれる人に気がつくべきよ! 応えるべきよ!」
「シンシア・・・ もしかしたら・・・ あなた大佐を」 

いけない・・・ 知られてしまった・・・ 思わず大佐を見たけれど、彼は驚いたように目を見開いているばかりで・・・・・・

そうね、そうよ・・・ 私のような子供が自分を思っていたって戸惑うだけよね・・・

大佐の目にはマリアンヌしか見えてないものね・・・・・・

「大佐、早くマリアンヌを屋敷の中へ・・・・・・彼女が抜け出さないよう、ずっと見張ってて下さいますか?」
「あ・・・私は・・・ 分かった」

早口で話した私の言葉に、大佐が頷くのを見て安心した私は・・・・・・ 2人から離れて散歩しに行ったの


ふふふ・・・ 散歩なんて嘘よ  どこかで溢れてくる涙を止めないと・・・・・・ 私は涙で前が見えないまま、気持ちが昂ったまま、ずんずん歩きだした

雨が降ってきても、その雨が強くなり土砂降りになっても歩き続けたの・・・・・・だって、涙が、止まらないから仕方ないでしょ?

知られてしまった、私の恋・・・・・・ 大佐は優しい方だから、負担になってしまう

この雨に、全てを流せたらいいのに・・・・・・私の恋を、綺麗に流せたら・・・・・・いいのにな・・・・・・

だって大佐・・・・・・ 貴方を悩ませるのは嫌だから・・・・・・答えは分かっているのに、告げてしまった私を許してください

父様・・・・・・私、父様にお会いしたいわ・・・・・・苦しいの、父様・・・・・・

私は雨の降る草の上で、倒れてしまったみたい

冷えて動けなくなった私は、薄れていく意識の中で父様に会いたいと呟いていた

***

ゆら・・・  ゆら・・・  ゆら・・・  ゆら・・・  ゆら・・・どうして揺れてるの?

「わ・・・たし・・・」
「今、屋敷に向かっているから」

「たいさ?」
「私だ・・・ シンシア・・・」

「ごめん・・・な・・・さい」

大佐が探し出してくれ、抱き上げられて運ばれた屋敷についた私はベットに押し込められ、高い熱を出してしまった

朦朧としている中で、翌日にはお医者様を呼んでもらえた私は・・・・・・診察のあと、エリノアに言ったの

「マリ・・・アンヌを・・・家に・・・ 大佐に・・・送って・・・もらって・・・」
「シンシア・・・ 分かったわ 2人に伝えるから」
「おねが・・・い・・・よ・・・ 2人で・・・・・・かえって・・・・・・」
「シンシア!!!」

私を診たお医者様が私は感染症で重病だと皆に言い、移るから看病する人以外は屋敷を出るように言っていた

大佐、マリアンヌと仲良く・・・・・・はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・息が苦しくて、身体が熱くてたまらない

私、父様の所に行けるのかな・・・・・・ 大佐とマリアンヌの結婚式が見たかったけど、どうやら無理そうだわ

大佐・・・ 大佐・・・ どうかお幸せに・・・・・・ 人に恋する事を教えてくれた貴方に、幸せあれ・・・・・・

「シンシア! あなたっ・・・そんなにも大佐を?」 
「譫言ですな・・・・・・思わしくありません」
「そんな!」 

エリノアがシンシアの汗を拭いた布を洗おうとドアを開けると、そこには心配そうに顔を曇らせるブランドン大佐が立っていた

「どうすれば?」
「大佐はマリアンヌを家に送ってくださいませんか」
「・・・・・・それは他の者に任せた・・・ 何か手伝いを 気が変になる」

「母がいれば・・・」

ハッとした大佐が直ぐ様、馬を走らせエリノア達の母を連れに行ったが、どんなに急いでも着くのは翌日だろう

汗を浮かべ、ぐったりと寝ているシンシアのサラリとした真っ直ぐな髪を撫で、エリノアは涙ぐむ

姉妹の中で只1人、濃い金髪の直毛のシンシアは父がよく「天使のように可愛いい」と呼んでいたほどに愛らしい容姿をしており、どこか儚げで守りたくなるような独特の雰囲気は知り合う男性を夢中にしていたのだ

まだ幼いからと自分とマリアンヌで護衛していたのだが、行き過ぎた護衛のせいなのか彼女は自分が【地味で目立たなく美しくもない】と思い込んでいた

あのウィロビーも最初はシンシアに目を付けていたとは、姉妹の誰もが思わなかったが・・・・・・

ジェニングス夫人の元には舞踏会の夜に見かけたシンシアを、紹介して欲しいとのパーティーの招待状が山のように来ていたのだが・・・・・・当の本人だけが、分かっていなかったのだ

やっと、峠を越えた翌日の朝方・・・・・・目を覚ましたシンシアを診た医者はエリノアに「もう大丈夫です」と力強く頷いた

***

ベットで気がついた私の目に飛び込んできたのは、母の顔だった

「ママ・・・」
「そうよ よかったわシンシア」

「エリノアは?」
「ここにいるわ」
エリノアを見るため、少し状態を起こされた私の目に扉の所に立つ・・・・・・大佐が見えた

高熱から冷めたばかりの私の頭の中は、何も事情が分かっていなくて・・・・・・単純に大佐が居ることが嬉しい

「ブランドン・・・大佐?」
私は、自分でも知らずに微笑んでいたようだけど、大佐が安心したように微笑み返してくれた

あれ? でも・・・マリアンヌは? 大佐は私に構わないでマリアンヌと仲良くしなきゃ・・・・・・

「マリアンヌは・・・どこ?」
「ここよ!」

扉から大佐を押しのけ入ってきたのはマリアンヌ・・・・・・・・・と、ウィロビー???

何で2人が嬉しそうに肩組んでるの? え? なに? どうなってるの・・・・・・

私はショックで、また意識が遠のいていく。。。

「シンシア!」
耳に聞こえるのは大佐の声・・・・・・ 強く抱きしめられている私は・・・・・・これは大佐の腕なの?

「はぁ・・・ どうしてウィロビーが? ここに?」
混乱する私と大佐を残して皆が・・・ 母までも部屋の外へと出ていった

「私の話を聞いてくれますか?」
「はい」

「ウィロビーの、彼の事についてだが・・・彼はマリアンヌを愛していると結婚を止め、叔母に誠心誠意謝り話し合った結果、勘当を許されたんだ」
「それで、マリアンヌは」

「彼と共に生きるそうだ」
ああ! そんな・・・そんな事ってないわ・・・ 大佐はどうなるの? こんな優しい人を・・・・・・

「ああ、シンシア そんな顔しないでおくれ、私は大丈夫だから」
大丈夫? 大丈夫じゃないでしょう? そんな暗い顔して・・・・・・どうして私の願いは叶わないの? 大佐が幸せになってくれたら私は、それでいいのに・・・・・・

「私は確かにマリアンヌに惚れていた・・・・・・だが、いつの頃からかな 私を出迎え、見送る瞳の優しさに・・・・・・かけてくれる言葉に、ときめいていったのは」

出迎えたり、見送るのはいつも私が、していたのよ・・・・・・だって大佐と話せるのはそのくらいなんですもの

「小さなことでも ありがとうと礼を言ってくれる少女が気になってきていたんだ」

だって、貴方は小さなことまで気を配り、優しいから・・・ 黙ったままなんて失礼じゃない

大佐が急に、ベットの脇で片膝をついて・・・・・・私の手を取り甲にキスを・・・・・・私は、まだ夢の中にでもいるの?

「Ms,シンシア こんな年上の私でも良ければ、正式にお付き合いをしてください」
「・・・・・・・・・はい」
「ああ、シンシア・・・」

嬉しそうな大佐が私を抱きしめたけど、私ったら熱のせいで汗をかいてて・・・・・・やだ、大佐に移ったら!!!

「大佐、いけません・・・ 私の風邪が移ったら・・・」
「ああ、どこまでも私の事を気遣ってくれる・・・・・・愛しい人よ」
「大佐、離れて・・・」
「嫌だ」
「たい・・・・・っ!」

知らなかった・・・  大佐って大人で静かなだけじゃなくて、熱い人なのね

「君の風邪なら移っても構わない・・・だから、もう一度 キスを・・・・・・」
「ふ・・・ん・・・・・」

こうして、私達はそれぞれが愛しい人と付き合い始めたのでした

*****

はぁ・・・ あまりにもブランドン大佐がカッコよくて、思わず妄想がダダ漏れ状態になりまして書きました

映画の方も、大佐はマリアンヌと結ばれますので安心してくださいね\(^o^)/

     

②《いつか晴れた日に》~大佐と婚約!?~前編

えっと大佐のファーストネームは・・・・・・調べたのですが、わかりません
もしかしてブランドンが名字ではなくて名前なのでしょうか?(違うよね?)
解らないので作中ではアランさんのミドルネームをお借りしました

*****

「シンシア・・・  昨日の続きを読もうか」
ブランドン大佐と正式なお付き合いが始まって、まだ間もないのだけど・・・・・・毎日、会いに来て下さるから嬉しい日々が続いてるの

まだ体調が戻ってないから、大佐が本を読んで下さったりするのだけどね
その声が素敵で、うっとりと聞き惚れてしまうのは、恥ずかしいからまだ言ってないの

でも今日はどうされたのかしら?  何だか言い難そうな感じがするわ

「大佐、どうなさったの?」
「ジェニングス夫人から・・・  君をロンドンまで連れてきて欲しいと頼まれたんだ。  もちろん体調が良くなってからだが・・・」

「そうですか  どんな御用なのでしょう・・・  大佐はお聞きになってますか」
「いや・・・だがジェニングス夫人は此方に来れば分かるとだけで・・・後は笑ってしまって続かないんだ」

困ったように笑う大佐にまた胸が《きゅぅん》とするの

「母様に聞いてみます・・・けど」
「・・・・・・けど?」
優しく問いかけて下さる大佐に、優しく見つめて下さる大佐に・・・・・・私は幸せでどうにかなってしまいそう

「シンシア・・・」
「あの・・・ロンドンに行く道中も、着いてからも・・・・・・ずっと私の側に居て下さいますか?」

頬が熱いわ・・・いえ、顔中・・・きっと私は真っ赤だわ
大佐は私の頬に優しく触れながら、私が大好きな笑みを浮かべて頷いて下さるの・・・・・・

*****

私に可愛らしい恋人ができた

まだシンシアの家族しか知っていない・・・・・・その事が酷く私は不満で、先日ロンドンに行った折りにジェニングス夫人を訪ねた
夫人にシンシアとの事を話そうとすれど、何か楽しい企みを思いついているのか私の言葉など聞いてはいない

・・・・・・・・・・弱った

結局、夫人に一方的にシンシアをロンドンに連れてきてくれと、頼まれて屋敷を失礼したのだが・・・・・・

「ブランドン大佐、貴方が確りとシンシアを連れてきてね」
そう念を押されて、後は・・・・・・夫人は大爆笑

彼女の体調が戻ればと、約束した。。。

戻ってから伝えにシンシアの家へと出掛ければ、玄関前の草の上に敷布を出し座るシンシアがいた

真っ直ぐな髪を緩やかに巻き上げて、家に近づく私を嬉しそうに見つめるシンシア・・・・・・君の瞳は、変わらない・・・・・・私のような年上の男のどこに貴女は、惹かれてくれたのだろう

マリアンヌがウィロビーに夢中な時も、いや・・・最初にジェニングス夫人の屋敷に招かれた時からだ、君は私を相手に優しい言葉を常にかけてくれた

風に時折、結い残した髪を弄ばれている彼女ときたら・・・一幅の絵のようで私は、柄にもなくドキドキと少年のように胸を高鳴らせ彼女の横に座るんだ

嬉しそうに微笑む私の天使は、その蒼い瞳を私に真っ直ぐに向ける・・・・・・ああ、シンシア

早く良くなっておくれ・・・・・・いつでもプロポーズしようと母の形見の指輪も、ポケットに入れたままだよ
早く良くなっておくれ・・・・・・私は君が飛んでいかないよう繋ぎ止めておきたいんだ

ロンドン・・・・・・必ずプロポーズをしてみせる

*****

あれから2週間がたち、母様から御許しも出たことで私はロンドンに行くことにしたの

私を気遣ってかマリアンヌとエレノアも付いてくることになったのだけど・・・・・・何故か、2人が嬉しそうで訳が解らないの・・・

大佐は騎馬で馬車の後ろを同行して下さるから、たまに横に並ぶときは私を見て下さって・・・・・・その度に私は、幸せで微笑むの

そんな事があるから私は遠いロンドンまでの道も、あっという間に着いた感覚なのよ

ジェニングス夫人は着いた早々、夜に舞踏会へ行くと言い出して困ってしまったわ

マリアンヌはそれを聞いて直ぐに恋人のウィロビーに手紙を届けさせているし、エレノアは私のドレスを選んでいるし・・・・・・一体、何なのかしら?

*****

ジェニングス夫人はシンシアがエレノアにドレスを選んでもらっている間に、マリアンヌを呼んで・・・・・・こっそりと内緒話を始めた

「マリアンヌ、ブランドンがまだプロポーズしてないって本当なの?」
「本当なんです!片膝ついて跪いていたからプロポーズかと思えばお付き合いして下さいって・・・キスまでしてたのに!」
「まぁ~まぁ~ブランドンは何をしているのかしら」

ジェニングス夫人の大袈裟なノリに、今はもう慣れたマリアンヌが煽っている

「シンシアには紹介して欲しいと、私の所に山ほど招待状がくるのよ・・・・・・ちょっとブランドンを試してみましょう♪♪♪」
ニカッと笑うジェニングス夫人にマリアンヌも頷き返す

つまり、2人は早く大佐にプロポーズをさせようと思い、舞踏会でライバルを見て大佐が焦るようにとロンドンまでシンシアを呼んだのだ

恋人達には大きなお世話なのだが、それがジェニングス夫人だ

「さぁさぁ、今夜はとびきりの殿方が揃うはずよ・・・・・・もちろん、ブランドンもね」
ウィンクするジェニングス夫人は大きな身体を揺らして自身もドレスを選び始めたのだった

マリアンヌは前回、舞踏会で踊れも出来なかったのだから、今夜は晴れて恋人となったウィロビーと楽しもうと恋人からの返事を待っていた

妹のためも半分、自分も憧れた舞踏会を楽しみたいのも半分なマリアンヌだった

*****

「困った・・・」

ジェニングス夫人の屋敷までシンシア達を送った後にロンドンの屋敷に戻れば、一通の手紙が・・・・・・ジェニングス夫人からだ

中身を見れば舞踏会への招待状と、シンシアも行くという一言

私は騒々しい場は苦手で・・・・・・だが、やっと体調が治ったシンシアをそんな場に放り込むのも心配だ
言い出したら聞かないのがジェニングス夫人・・・・・・はぁ・・・溜め息がでる

仕方がない・・・・・・用意をして手紙の通り会場で待とうか

館の前は馬車で道が塞がれるほど、予想通り酷く人でごった返している・・・・・・

舞踏会は社交場だ、若い者は結婚相手を望み・・・・・・私のように年で軍人は居にくいのだが・・・気は進まないが、シンシアが心配だからな

決心した私は馬車を降り、会場へと入っていった

*****

「さぁさぁ、早く行きましょう」
ジェニングス夫人の押しの強さに負けた私は、大人しくドレスに着替えマリアンヌに髪を結ってもらって会場へと向かったの

「着いたわよ!」
ゾロゾロと馬車を降り立った私は、泥を避けた時に転びそうになってしまって・・・・・・

「きゃっ」
「危ない・・・大丈夫ですか?」
誰かが腕を持ってくれたから転ばなかったわ

「レディ・・・お名前を教えて下さいませんか」
「あの・・・」

「綺麗な方だ・・・ぜひこのまま私に案内をさせて下さい」
「転ぶ所を助かりました・・・ですが、手を離して下さいませんか」

「華奢な手だ・・・そして自分を確りと持たれた方だ」

やっと手を離してくれたわ・・・・・・ジェニングス夫人がにこやかに紳士に会釈し、私の肩を持ちその場を離れてくれてホッとしたわ

そのまま会場へと入れば、人・人・人で息苦しいくらい・・・・・・ああ・・・大佐が恋しい
河畔を2人で散歩してる方が私には嬉しいのに・・・・・・

マリアンヌはと見れば、さっさとウィロビーを見つけてダンスへと向かうし・・・・・・エレノアは婚約中のエドワードと話してるし・・・・・・ジェニングス夫人の後ろに付いて歩くのも疲れちゃうわ

「退屈しているお嬢さん、良ければ私とダンスを如何ですか?」

え?  この声・・・・・・聞き間違うはずがない、私の愛しい方の声・・・・・・

「ブランドン大佐」
後ろを振り替えれば、にこやかな貴方がいらっしゃって・・・・・・初めて見たわ! 軍服姿の大佐・・・赤い上着に白いズボンの軍服を、照れくさそうな貴方が私の好きな笑顔で見つめてくれている

「大佐」
私がそう言うと大佐が、片眉をクイッと上げて見つめてきて・・・・・・やだ、どんな表情も素敵なんだから

「前から言おうと思っていたのだが、私の事はパトリックと呼んで欲しい」
「パトリック・・・・・・」

「ああ・・・」

「パトリック」
ああ・・・貴方の名前を呼べることがこんなにも幸せだわ

「ああ・・・シンシア」
応えて下さる貴方の声は、私の耳を虜にするわ・・・

「パトリック・・・  私をエスコートして下さい」
「喜んで・・・」

*****

会場が騒がしいのはいつもの事だが、何かがおかしい。。。

私はシンシアと腕を組みダンスホールに向かいながらも、そこかしこからの視線を感じる
視線の先には・・・・・・シンシア?

薄い水色の生地に所々ピンクの薔薇の刺繍のあるドレスに、金髪の髪を結い上げ小さなピンクの小花で飾られたシンシアは夢のような美しさだ

周りの女性達が宝石やゴテゴテ飾りのついたドレスに噎せるくらいの香水で着飾るのに比べて、彼女のシンプルさが際立って、その自然な美しさに魅了される

男達が彼女と話そうとチラチラ見ている様子がわかるが、シンシアは・・・・・・気がついていないようだ

・・・・・・私には20年前に愛した人がいた

だが貧しい娘という理由で親に引き離され、私は軍隊に入れられ・・・・・・  戻って直ぐに探したが彼女は救貧院で亡くなった

そして、彼女によく似た自由奔放なマリアンヌに恋をし・・・・・・彼女に相手にされない日々の中でシンシアの優しさに、いつしか彼女を愛するようになった

私の武骨な腕に絡まる華奢な彼女の腕に、手を重ね力を入れてしまう

失いたくない・・・・・・この人だけは・・・  別れを経験し、愛する人を亡くした事で私は穏やかにマリアンヌに恋していたのだが、シンシアだけは・・・・・・失いたくはないと、胸の奥から湧き上がってくる気持ちがある

若さも洒落さもない武骨な自分だが、彼女を思う気持ちだけはあるのだから・・・

「さぁ・・・ダンスを踊ろう」
「はい  下手くそでも笑わないで下さいね  //////」

「ははっ  私が失敗しても笑わないならね」
「笑いませんから!」

頬を染めた貴女は愛らしくて離したくはないが、曲が始まった

この曲は・・・相手と踊って隣とチェンジし、また相手に戻ってチェンジするダンスか・・・しまった、
頬を染めた貴女と他の男も踊ってしまう・・・くそっ、始まった

*****

華麗な音楽が流れるなか大ホールはダンスに興じる男女でごった返していた

ぴょんぴょんと跳ねながらステップを踏み、クルリとターンしたら違う相手と踊る

最初に私はステップがあってるか、他の女性達をチラリと見ながら・・・・・・目の前の大佐が踊る様子に、触れ合う手に、うっとりとしていたの

だって大佐・・・パトリックは何をしていても様になってて、よく私の様な子供と付き合ってくれることになったわ・・・
ううん、今はダンスを・・・ダンスをしましょう

クルリとターンしたら私の手は他の方の手に、大佐も同じなんだけど・・・
「初めまして、シンシア嬢」
「初めまして」
「次の曲はぜひ私と踊って下さい」
「ごめんなさい」

この前の舞踏会でも踊る度に申し込まれ、断る理由では引き下がらない方が居たからもう謝るだけにしておくの
あ!ターンしたら大佐とだわ

「上手だよシンシア」
「大佐こそ! ダンスがお上手です」

「私をからかうものじゃないよ」
「からかってなんかいません」

あん、曲が終わってしまったわ・・・・・・弾む息をなだめていたら大佐が手を取って飲み物のあるテーブルへと連れてきてくれた

やっぱり1曲踊ると疲れるわ・・・・・・ 彼の手が私に紅茶を勧めてくれて、私達は2人で話しながら紅茶を楽しんでいたの。。。

*****

いや・・・楽しくて楽しくて長くなるのでここで切ります

誰の需要もないでしょうが、ブランドン大佐は最高です!!!



     

③≪いつか晴れた日に≫~大佐と婚約!?~後編

えっと皆様、ブランドン大佐は最高です(最近こればかりな管理人です)

*****

紅茶の香りが鼻をくすぐり、でも舞踏会の混雑からホッとできる・・・・・・小さなカップのソレを飲んでいると隣の大佐が私の背中に手をやり、そっと寄り添う

どうしたのかしら?

見れば大佐はとっくに飲み終わったみたい・・・・・・私も飲んでしまわなきゃ・・・フーフー・・・もう、熱い紅茶が苦手だなんて、ますます子供っぽくて・・・嫌になっちゃう

「慌てなくていいよ、君の舌が火傷したら大変だから」
「大丈夫・・・っです  あつっ」
やだ、結局無理して飲んだら火傷しちゃった・・・

「ほらごらん 大丈夫かい?」
「少し火傷したかも・・・ でも大丈夫です。  ・・・ほら!」

心配そうに眉根を寄せて私を見る大佐に、子供扱いされたくなくて私は口を薄く開け・・・・・・下唇をそっと指先で押して大佐に見せたの

くすくす・・・  周りの女性達の小さな笑い声に、私は余計子供っぽい行動をしてしまったと後悔したけれど、もう遅いわよね・・・

大佐にも笑われちゃった・・・・・・ はぁ・・・ エリノアやマリアンヌが私によく「まだまだ子供!」って言うのも分かった気がしたの・・・ はぁ・・・

*****

くすくす・・・シンシアは自分が無邪気で天真爛漫で、そして時折ひどく妖艶なのを分かっているのだろうか?

熱い物が苦手なシンシアは紅茶で火傷してしまったのだが、おそらくは私が既に飲み干していた事で焦ったのだろうな・・・・・・フーフーと息を吹きかける彼女の可愛らしい様子に頬が緩んだのだが・・・

その後の、唇に指先を宛てて私に口の中を見せる行為に、周りにいた女性達が「子供っぽいわね」などと笑っていたが・・・・・・なかなかどうして、私の頭を真っ白にさせるだけの魅力があった

火傷した恥ずかしさからか蒼い瞳がしっとりと潤み、灯りを反射してキラキラと輝いている・・・
指先がシンシアの赤く濡れた唇に、薄く開いた唇に、ゆっくりと触れていく様は・・・ ああ、こんな親子ほど違う年上の私でさえ理性が飛びそうな程に魅惑的だ

今すぐにもキスがしたいと、身体が熱くなるほどに・・・・・・魅力的だよ、シンシア

若い頃の情熱が、私に中に甦るようだよ・・・ 熱い、熱い、情熱が・・・・・・でも、君を怖がらせないためにも私も周りと同じように小さく笑ってから君の手を取った

私はシンシアの手をしっかりと握り、どこか人目のない場所かもしくは自分の屋敷に連れ帰ろうと思っていた
一刻も早く、2人きりになって・・・・・・彼女にプロポーズを。。。

「シンシア、今から私の屋敷に来てもらいたい・・・・・・ いいかな」
「はい、大佐」
「それじゃ・・・夫人に許しを貰わないとね。 ロンドンでは夫人は親代わりだろうから」

ジェニングス夫人に許可をもらおうと、シンシアを連れてダンスホールを抜けて行けば、目当ての人物は直ぐに見つかった

「いいわよ! 帰りは大佐が送ってくれるんでしょ?」
「もちろんです」
「本当は帰したくなくなるでしょうがね・・・ほぉーほっほっほっ」

ジェニングス夫人のしたり顔と笑い声に苦笑しかできない私が、彼女と去ろうとしたとき後ろから声がかかった

「ジェニングス夫人、こんばんわ・・・・・・・  ブランドン大佐、珍しいですな貴方がこういう場に居られるとは」
「こんばんわ、スペンサー大尉」
私は軽く会釈したに留めてシンシアを伴い帰ろうとしたのだが・・・・・・大尉の目が私の横を見つめ続けている

「こちらの御令嬢は?」
ジェニングス夫人にシンシアの事を聞く大尉を無視もできずにその場に留まる

「MS,ダッシュウッドよ、スペンサー大尉・・・可愛らしい方でしょう? 私の娘のように思っているお嬢さんよ!」
「ジェニングス夫人・・・ ありがとうございます」
シンシアは夫人の言葉が嬉しいのか、私の傍から一歩夫人の方に寄り夫人の手を取り微笑んでいる

優しいシンシア・・・・・・ 君は人の好意を本当に嬉しく喜ぶのだね、そんな君だから夫人も何くれとなく世話を焼きたがるのだろう
今着ているドレスも夫人の若い頃の物を手直ししていただいたと嬉しそうに話していたのだから

「MS,ダッシュウッド・・・ 1曲ダンスを申し込んでも宜しいですかな?」

おっと! シンシアの手を取ろうとした大尉の手の前に私は身を割り込ませ、彼女の体調が悪い事を理由に退出する旨を彼に伝えると、至極残念そうな顔をしてダンスの申し込みは止めると言った

「ですが、少しお話ししても宜しいかな?」

・・・・・・・・・食い下がるのだな、大尉。 困ったように私を見つめるシンシアは、そっと私の腕を掴む

その手に上から私も手を重ねて・・・・・・ ああ、離したくはないがジェニングス夫人が「少しならいいわよ」と許可してしまえば、大尉はニヤリと笑いシンシアの手を取り違うテーブルへと導いた

「・・・・・・シンシア」
「ブランドン・・・ 貴方、まだシンシアに申し込んでないそうね」
「・・・・・・・ジェニングス夫人?」
「ほぉーほっほっほっ! シンシアはこの前の舞踏会いらい紹介して欲しい殿方が山のように居るのよ! 愚図愚図していたら・・・分かるわね?・・・ほぉーほっほっほっ」

何ていうことだ・・・ 夫人が何か企んでいるだろうとは思っていたが・・・ シンシアを他の男性に合わせると・・・・・・

私のような年上の男よりも若く、話も洒落た大尉や他の男の方が・・・・・・シンシアは気にいるだろうか?
私のような者が彼女の傍にいるよりも・・・・・・他の者の方がよほど相応しいのでわないだろうか?

私は離れた所で大尉と話すシンシアを、黙って見つめることしかできなかった

*****

スペンサー大尉・・・ そう仰った方は少し離れたテーブルに私を連れてきた・・・・・・あまり大佐と離れるのは嫌だわ。 この大勢の人の中で緊張している私は、大佐の姿を見ているだけで安心できるの

「実はね、Ms,ダッシュウッド・・・貴女とは初めてではないのですよ?」
「え? どこかでお会いしました?」
「くすっ・・・酷いお方だ・・・ 転びそうな貴女を助けたのは、つい先程のことと私は記憶していますが・・・・・・もしや何年も前のことでしたでしょうか・・・」

あ! そう言えば、そうだわ! 何処かで見たと思ったら、ここに来る前のことなのに私ったら忘れちゃって・・・・・・凄く失礼よね、私!

「ごめんなさい大尉」 
しゅん、とした私に大尉は可笑しそうにクスクスと小さく笑いながらも、テーブルのグラスを取って私に渡した

「素直な方だ・・・ いいですよ、水に流しましょう・・・ さ、これをどうぞ」
「ありがとうございます」

「この前の舞踏会でもお見かけしましたが・・・ 貴女は、素敵な方だ。 無邪気で、朗らかで、天真爛漫で・・・」
「大尉・・・ ハッキリ言ってよろしいのですよ? ・・・子供っぽいって」

「そんな事は思って・・・・・・いましたが」
「ひどい! 自分が1番子供っぽいって分かってます!」

「くすくす・・・可愛らしい方だ。 所でブランドン大佐とはどの様なお知り合いですか?」

ポポポっと、顔が熱くなるのが分かる・・・・・・私の顔って今、真っ赤よね、きっと。。。

「大佐は、私の大切な方ですわ・・・ 愛しい方です //////」
「それは・・・男性として? 失礼ですが大佐は貴女よりだいぶ年上だが・・・・・・」

はっ? 何を言っているの? 揶揄するように隣のテーブルを見て、私を見て・・・・・・そうして嗤いながら大佐を見てる

「親子ほど年の離れた大佐を、貴女は好きなのですか?  失礼、ダッシュウッド家の事は聞きました・・・ 私は財力でも大佐より魅力があると思いますが・・・・・・如何ですか? 私とお付き合いしませか?」

・・・・・・・・・・失礼にも、ほどがあるわ
私の事を、貧しい暮らしになった私の事を、調べたのね・・・・・・そして、私が大佐のことを財産目当てだと思っている

自分にも財力があるし、年も若く魅力があるからと・・・・・・大佐を捨てて、自分にしないかと・・・・・・

私は、1度ゆっくりと深呼吸してから・・・・・・ にっこりと、これ以上はないというほど笑顔で大尉を見つめ・・・・・・そうして、静かに言葉を紡ぐわ

大佐への、私の気持ちを・・・・・・  あの方じゃないと私は、私は、もう生きていけないと・・・・・・

*****

隣のテーブルのことが気になって堪らないが、私も分別ある大人だ。 黙って、ジェニングス夫人の話を聞いていた

楽しそうなシンシア・・・・・・ 私と共にいるよりも楽しそうにもみえる

私の手にあると思えた、あの日々は夢幻となるのだろうか?  毎日、シンシアと語らいあった日々は・・・・・・幻になるのだろうか?

情けない男だな、ブランドン・・・・・・ 

「・・・・・・・っく!」
彼女が頬を赤くしている・・・ 大尉に向かって、あんな顔を・・・ どんな話をしているんだ

私は紳士としては卑しき行動だが、シンシアの後ろに近寄り2人の会話を聞こうとして大尉が話している内容に、拳を痛いほど握りしめた

何ということを・・・・・・ 彼女が私の財産目当てだと? 親子ほど年が違う私の傍にいるのは財産目当てだと決めつけ、彼女を侮辱した

彼女の家は確かに貧しい、だが母娘とも気品を保ち生活しているのだ!  何も知らないくせに邪推をするな

シンシアの顔が血の気が無くなったように真っ白になり、1度、ゆっくりと呼吸してから・・・・・・ ニッコリと微笑んだ

静かな、それでいて凛とした強い瞳で大尉を正面から見つめて彼女の紅い唇が動き出す・・・・・・

「大佐に初めてお会いしたとき、私は・・・ 一目で大佐に恋をしました。 大尉の言うとおり彼と私には少々の年の差があります・・・ ですが、それが何の問題があるのですか?」
「若い者は若い者同士の方が付き合いやすいのでは?」

「私はそうは思いません・・・  だって父が生きていた頃から、私はこんなにこの胸が熱く震える事などなかったのですもの・・・・・・」
「ははっ 一目惚れ・・・ですか? 貴女のように若く美しい女性が、ブランドンのような年寄りに?」

若く家柄も良く、財力も申し分のないスペンサー大尉は舞踏会でもお茶会でも女性にモテモテだと噂を聞いた
話も楽しく、洒落者な彼を射止めたいと来る女性は後を絶たず、舞踏会の華とも言われている彼にしてみれば不思議なのだろう

自分が誘っているのに靡かない美しい娘の居ることが、彼には不思議でしかないのだろうな・・・・・・

しかも、彼女と付きっているのが武骨で2廻りも上の私のようなオジサンなのだからな

「ええ、心の底から私は、大佐を・・・・・・いえ、パトリックを 愛しています。 彼には私など子供で・・・物足りないでしょうが・・・」
「・・・・・・信じられません、そのような言葉は」

「貴方に信じてもらわなくとも結構です! ですが、私の前でパトリックを2度と侮辱しないでくださいね・・・  じゃないと、私・・・」
「可愛いいお嬢さんが、どうするというのですか?」

「・・・・・・貴方のことを、大大大大っっ嫌いになりますから!!!」
「「ぷぅぅーーーー」」

顔を赤くして言い募る君は、なんて可愛いんだ・・・・・・  私のために言い返してくれたなんて・・・ だが、その言い方が何よりも可愛らしくて。。。

私と、大尉は同時に吹き出していたのだった

「くっくっくっ・・・ それは、困る 大大大大っ嫌いは辛いな・・・・ぷぷっ」
「本当なんですからね!」
「分かった! 私は今後、2度と大佐の悪口は言わないと誓おう」

まだ笑いっぱなしの大尉が、私を見つけて近寄り耳元に囁きを残していく

『諦めませんよ・・・いえ、ますます自分の妻に迎えたくなりました』

私も言われっぱなしは癪にさわるからな、咄嗟に言い返した

「諦めろ、他の誰にも渡すつもりなど無いからな」

はっはっはっ・・・・・・と笑いながら、立ち去る大尉を見て私は、ライバルが増えたことを思い知るのだった。

*****

「ここが、大佐のお屋敷ですの・・・・・・すごいわ」
「入ろうか、シンシア」

それから私達はロンドンの私の屋敷へと帰ってきたのだが、ああ・・・シンシア、先程聞いた君の思い・・・ 今度は私の番だな

紅茶の用意を命じて・・・ しばらくは近寄らないようにとも言いおくと私は部屋の中を探検しているシンシアを探した

♪~♪~.。.:*・゚♪~☆*:♪:*:☆♪~♪☆:*:♪:*☆♪*・゚。:.*

ああ、隣の部屋のピアノを見つけたのか・・・ 父が亡くなるまで住んでいたという家にはピアノがあって、毎日マリアンヌと弾いていたと言っていたが、確かに・・・・・・素晴らしい腕前だ

・・・・・・止めるのが惜しい

私は静かにドアを開け、ピアノを嬉しそうに弾いているシンシアを壁に凭れながら見ていた

ふふ・・・ 私に気がついたのだろう・・・ 彼女が微笑みながら私を見つめ、ピアノを奏でる・・・・・・穏やかな一時

この人を誰にも盗られたくない・・・・・・ ポケットの小さな箱を確認して、私は彼女の側へと歩み寄っていった。。。

***

「シンシア・・・ 話があるんだが・・・」
「私もです、大佐・・・ パトリック」

君も、話が? 何だろうか?  

「君から話してほしい」
ソファに移動し、隣同士で座ってから君が話すのを待っているのだが・・・・・・君は、しきりに手を握り合わせて、床を見つめている

そんなに話しにくい事なのだろうか?

「・・・・・・パトリック、私は・・・ 私は・・・」
「落ち着いて、ゆっくりでいい」  

はふはふと息継ぎする君を見つめていると、私の頭には嫌な予感しかしなくなってくる

床からやっと私を見てくれた君の瞳が潤んでいるのに、ますます嫌な予感しかしない

「私は・・・ 貴方に相応しくありません・・・」
「急に、どうしたんだい」

「私の家は、貧しくて・・・ 私も子供で・・・ 他の人から見れば、私は財産目当てに見えるのでしょう・・・」
「そうじゃないことは私が知っている」

「でも、でも・・・ 私は、貴方が好きです・・・ 愛しています」
「シンシア・・・」

「貴方に相応しくない私でも、貴方のお傍にいられますか? 貴方のお傍に置いていただけますか?」
「・・・・・・まいったな、先に言われるとは」

大尉の言葉に、君は傷ついていたんだね・・・  それでもなお、私の傍にいたいと望んでくれるなど、私は・・・・・・もう、溢れる想いで胸が苦しいよ、シンシア

私は立ち上がり、ソファに座る君の前に、片膝を付けて跪く

ポケットの小箱を取り出し右手に握り締めながら、君を真っ直ぐに見上げて言うよ。。。

「私の妻になって欲しい・・・ これから先を君と共に過ごす栄誉を、私に与えてくれないか?」
小箱を開けて捧げれば、君の瞳から宝石よりも美しい雫が溢れて流れていく・・・・・・ 幾つも、幾つも。。。

「パ・・・トリ・・・ック・・・」
「返事を聞かせておくれ? 私の愛しいシンシア・・・」

言葉に詰まり、涙を零しながら頷く彼女の指に、母の形見の指輪をはめる

「ちゃんと、言葉で聞きたいな・・・」
私は彼女の隣に座り直して、涙を唇で吸い取っていく・・・・・・私の言葉で溢れさせてしまった涙だから、何度も何度も唇で・・・・・・

「パトリック・・・ 喜んで、貴方の妻になります」
「ああ! よかった・・・・・・」

嬉しさに胸に閉じ込めた私に、華奢な彼女の身体と柔らかな感触が伝わる

「愛してる、シンシア・・・」
「愛しています、パトリック・・・」

鼻を擦り合わせ、くすっ・・・と笑う君にたまらなくなり唇にキスを贈るよ・・・・・・

私達は、2人で喜びに浸っていた。。。

*****

「まぁまぁ、上手くいくのは嬉しいし、ブランドンが幸せになるのも嬉しいのだけど・・・・・・シンシアも片付いてしまったら今度は誰の縁結びをしようかしら?」

ジェニングス夫人のつまらなそうな呟きが、聞こえた気がしたのだった・・・・・・

*****

プロポーズ編でした! 大人な大佐が段々、彼女に夢中になって壊れてくれればいいと思ってたのに、あまり壊れなくて少し不満な管理人です(笑)

楽しんでいただけたら嬉しいのですが・・・・・・ 



     

④≪いつか晴れた日に≫~ブランドン大佐と~

なんだかシリーズ化してますが、それだけブランドン大佐が格好イイってことで、管理人メロメロだなぁーーと呆れて(ええ、頭の中が煩悩だらけで大変です Σ(゚∀゚ノ)ノキャー)下さいませ

それと、今回は格好良い大佐が初心な恋人に紳士であろうとしながらも、情熱に壊れていく様を書きたいなぁーーなんて挑戦しています(バレンタインに向けてキス祭りって感じです)

ちょっとパソコン周りを片付けて、ポータブルも置いたのでパソコンの画面の左でDVD流しっぱなしです(笑)
アランさんカッコいい(うっとり)・・・・・・天国です

*****

・・・・・・弱った  ・・・・・・・・実に、弱った 

何故、私が弱っているかというと 「パトリック、どこですか?」 ああ、呼ばれてしまった

「ここだよ、シンシア」
「此方でしたの・・・」

私のロンドンの屋敷の中、昼間はジェニングス夫人の屋敷から此方に来ているシンシアが扉から嬉しそうに顔を出して・・・・・・手招きしている

白い手が、ゆるやかに動く様子と、悪戯っ子のように≪何か≫を企んでいる彼女のキラキラとした瞳に目が引き寄せられ、魅せられ・・・胸が高鳴り、愛しくて・・・・・・・・・・弱った。。。

内心などはおくびにも出さずに、にこやかに近づいた私の手を取り・・・・・・繋いだまま違う部屋の出窓へと向かう彼女は、頬を赤く染めながら時々、私をふり返り微笑んでいる

ああ・・・ なんと愛しいことか・・・  無邪気な、愛らしい・・・私の恋人・・・いや、繋いだ手に嵌められている指輪を見れば、私の婚約者と訂正しなければなならないな

出窓に着いたそうそうシンシアの両手が後ろから私の目を覆うが、きっと彼女は背伸びして、爪先で立っていることだろう

彼女が歩きやすいようにと少し屈んだ私と、私の目を塞ぎながら前へと進ませようとするシンシア・・・・・・ 

あの・・・ シンシア、少し・・・その・・・当たるのだが・・・ いや、嫌なわけじゃないが・・・・・・弱るんだ・・・ 

柔らかな膨らみが私の背中にその感触を伝えるのに、どぎまぎしながらも進むとシンシアが そっと耳元で囁く

「パトリック・・・ 私が手を離したら目を開けてくださいね」
「ああ・・・ 分かったよ」

するり、と手が離れ・・・ 私は言われたとおり目を開けば、目の前にある鉢植えの花々が咲いているのが見える

・・・・・・これは、最初にロンドンに来たとき召使いに苗を買わせ植えたもので、シンシアが初めて屋敷に来たとき見せていたのだ

「昨日は蕾が綻んでいたと思ったら、今日はほら・・・こんなに綺麗に咲いて・・・パトリックと見たくて貴方を探しました」

嬉しそうに微笑む・・・・・・・・可愛いい人だ

「綺麗だ・・・」
「そうでしょう? パトリック」

花から私に向いた、笑顔に・・・・・・ああ、もう・・・駄目だ

「いや、シンシア・・・ 君の方が、綺麗だ」
「パト・・・・・・・・・・・んんっ・・・・」

腕を掴んで引き寄せ、あの甘く薫る唇に・・・・・・私は、自分の唇で塞ぐのだ

弱った・・・ 日毎、愛しさが溢れて・・・・・・我慢できなくなりキスも激しく、深いものになってしまう

「ん・・・ はぁ・・・ パ・・・トリ・・・ック・・・ んあっ」
「シンシア・・・・・・  シンシア・・・・・・」

震える君の身体から力が抜けてしまうのを良いことに、私は支えながらも・・・強く抱き締める

キスをしたまま抱き上げ、そのまま横のソファに座りシンシアを膝の上に座らせれば、今度は彼女の方が私を見下ろすことになる

彼女は私の頬を両手で抱えキスに酔う・・・・・・彼女からの拙いキスが、私の心を燃え上がらせる

その初心な様子が私を煽り、君の全てが欲しくなるなんて・・・・・・堪えなければいけない

シンシア、彼女は男を知らない・・・ 結婚式を挙げるまでは、その・・・・・・大事にしたいんだ

大切にしたいのだが・・・・・・  ともすればシンシアのしなやかな肢体を組敷きたくて・・・・・・  弱った、私はいつから紳士ではなくなったんだろう

熱くなる身体を持て余してしまう・・・・・・  弱った・・・・・・  本当に、弱った

シンシア、知らないだろう?  ・・・・・・君からのキスに酔い、君の柔らかな肢体を抱きしめ・・・・・・ 私は、この狂い出しそうな情熱を抑えるているんだよ

・・・・・・・早く帰って君の母上に御報告しよう?  私達が婚約したと・・・・・・知っているかい、シンシア?

母上からのお許しは、もうもらっているんだよ・・・  報告して、私の領地の中の協会で・・・・・・君を、私の花嫁にしたい

早く、早く・・・・・・  私の花嫁になって欲しい  私の妻は、もう君しかいないんだよ?

*****

今日は軍部に用があり出かけたのだが、何故か皆シンシアのことを知っている

ふと見れば、スペンサー大尉が笑っていた・・・  そうか、お前か

「可愛い恋人ができたのですね」とか、皆から声をかけられるものの「ああ」としか返事ができない自分の武骨さに情けなくもなる

まあ、いい。 早く用事を済ませて屋敷に帰ろう

シンシア、愛しき彼女が待っている、あの屋敷に

早く、帰ろう・・・・・・・・玄関を抜けようとした私を呼び止める者がいた

スペンサー大尉?  それに部下の者達が並んでいるが、一体どうしたんだ?

「「「噂の麗しの恋人に会わせてください!」」」
「私はシンシアと話がしたい」

軽い目眩がしてきた私に構わずに、スペンサー大尉を入れた4人は私の屋敷に押しかけてきたのだった

*****

「「「これが大佐のお屋敷ですか! 立派ですね~」」」
「私の屋敷はもう少しデカいがな」

ぞろぞろと4人を連れて屋敷に入っていくと、ピアノの音が聞こえる・・・・・・  ああ、シンシアが弾いているんだな

それが途絶えたと思えば、パタパタと足音が聞こえ奥の廊下からシンシアが現れた

「パトリック おかえりなさい」
「ただいま、シンシア」

いつもの様に私の腕の中に抱きついてくる愛しい彼女を受け止めて、頭にキスをして、ぎゅっと抱き締める

「あの大佐が人目も憚からず抱き合うなんて・・・・・・俺の目が悪くなったのか? 夢でも見てるのか?」
「安心しろ、その夢なら俺も見ている」
「俺もだ」
(((信じられない! あの寡黙で軍部でも1番の物静かな大佐が・・・・・・・・信じられない!!!)))

3人の部下が驚きながらも、その光景を見守っている中 動いたのは・・・・・・大尉だった

「お久しぶりです、Ms,シンシア」
スペンサー大尉がそう話しかけると、私の腕の中にいたシンシアが ぴくり・・・と反応して周りを見るように顔を上げると、バッ!と私から離れてしまった

「あああああ・・・・・あの・・・・パトリック? //////」

真っ赤になった彼女が顔に手をあてていたが、少ししてピン!と背を伸ばして優雅にお辞儀して皆に挨拶をした

「はじめまして ダッシュウッドです」
優雅な仕草に部下もスペンサーも見蕩れていたようだが、慌てて挨拶を返していた

そうして召使い達に紅茶や何かの指示をだしている彼女を頼もしく見ながら、私は緩やかに自分の口許が綻んでいることに気がついた

立派に、女主人としてやっていけるな・・・・・・  すでに家の召使いは天真爛漫で、優しいシンシアの言うことなら私より聞くことだろうが

にこやかに客人を居間へと案内するシンシアに、スペンサー大尉の視線が絡みつくが・・・・・・私は前に言ったはずだが、彼女は渡さないと

「あの指輪は大佐から?」
シンシアの指輪を目敏く見つけたのだろう、彼の言葉に私は頷いて答えた

「ええ、彼女は私の結婚の申し出を受けてくれました」
「ほぉー それはお幸せですな」

「今は一刻も早く帰り式を挙げようと考えてます」
彼女は私のものだ・・・ もう、諦めたまえ・・・大尉

「では、式を挙げるまでに・・・ 拐うのも情熱的でよろしいかも」

な! なんだ・・・と? 彼女を拐う? 何を言い出すのだこの男は!!!

私が睨みつけても大尉はどこ吹く風のように、知らん顔をし横を向いている

「ああいう男を知らぬ乙女は、総じて奪ってくれる強引さに弱いらしいからな」
「彼女には私が居る・・・ 大尉は他をあたりなさい」

「まだ、諦めたくはないですね」
「・・・っく!」

私は冷たく睨みつけ、居間へと向かった。。。

*****

やっと帰った客人達に、シンシアと2人で紅茶を飲んで一息つくが、ああ、なんてことだ もう彼女を送る時刻になる

・・・・・・・・・離れたくない。 離したくはない。 それが紳士に反するとも・・・・・・

君を拐って、君を抱くと、乙女はその方が喜ぶだなどとハレンチな事を言うような男に・・・・・・恋敵とも呼びたくもない男に・・・・・・だが、私は焦燥感にかられてしまったんだ

シンシア・・・・・・  ああ、愛しき人よ 許して欲しい・・・ 君が欲しくて、たまらないんだ

紅茶のカップを置き、シンシアの隣に座り、彼女の白い手を取る・・・・・・滑らかな手の甲を私の親指で撫で、それを見ている

「パトリック・・・」
俯いたままの私にシンシアの声が、訪ねているが私は顔を上げられないんだ・・・・・・やはり、いけない

大切な、大切な彼女を・・・・・・摘み取るような真似は、やはり式を挙げるまで待とう

彼女もそんな私を、年甲斐もなく・・・・・・欲しがる私に嫌気がさすかもしれない

「もう、帰る時間だ  送っていくよ」
そう顔を上げた私に、何か柔らかいものが、触れた

「・・・・ん・・・シン・・・シ・・・ア」

彼女からのキス・・・・・・  こんな激しく舌を絡ませるキスを、彼女からは・・・・・・初めてだ・・・・・・

駄目だ、シンシア・・・・・・ 煽らないでくれ・・・・ お願いだ・・・・・・・

君から唇が離れていくのを、惜しく思いながらも・・・・・・目の前の潤んだ蒼い瞳と濡れた紅い唇に、釘付けになる

「シン・・・  シア・・・・ いけない子だ」
「大佐がいけないんです!」

私が?  なぜだ?  ・・・・・・何かしただろうか? いや、不機嫌になるのなら君からキスなんてしないだろうし・・・・・・  いけないこと???

「・・・・・・わからないんだが、シンシア・・・ 私は、何かいけないことでもしたのかい?」
「////// ・・・・・・あんな憂いを帯びた顔をされたら、私、どうしていいか分からなくなります」

??? 君の手に触れて考えていた事で、君を見ることができなかった自分が急に恥ずかしくなる

頬を赤らめている君を抱きしめて・・・・・・  今は、これで・・・・・・ これでいいんだ・・・・・・

「大佐・・・」
「パトリック・・・・・・だよ」
また私の呼び名が大佐に戻っている君に、指摘すれば「あ!」と小さな声を上げて口に手を当てている君・・・・・・

その手を取って見えた唇に、今度は私からキスを贈ろう・・・・・・

シンシア・・・ ちゃんと送っていくよ  でも、今しばらくは、どうか・・・  どうか、このまま・・・・・・・・

私達は、しばらくキスを楽しんだのだった。。。

*****

「ブランドン! ちょうど良かったわ、貴方にお話があるのよ!」
ジェニングス夫人の屋敷までシンシアを送っていけば、夫人が待ち構えたように玄関に出てきて私の腕を取り連れて行かれる

シンシアも呆気に取られたようで呆然を私を見送っている

奥の部屋に夫人に連れて行かれた私はそこで、吹き出さんばかりの夫人の顔に・・・・・・ 少々、嫌な予感がするんだが・・・・・・

「明日、パーティーに誘われたのよ! バーミントン卿は確か貴方の軍部の方では・・・・・・お偉いさんよね?」
「はぁ・・・ そうですが  ジェニングス夫人、私とシンシアはすぐにでも帰り、彼女の母上に結婚の報告をしたいのです。 2,3日中には帰りたく思っています」

「あら、それならパーティーの翌日に帰ればいいんじゃないの? そうね、そうしましょう!」

決まりよ!とウィンクされても・・・・・・・ シンシアも私も出席なのは、もう決定のようだな・・・・・・

彼女を他の男共が大勢いるパーティーには出したくなくて、今までずっと断っていたからだろう

私の軍の方の人物のパーティーを探してきたのか・・・・・・あのバイタリティは男には出来ない凄さがあるな

どうしていつも夫人の言うがままなのか、やっと自分でも気がついたように思う

パタパタと聞こえる足音と、姿を表した愛しいシンシアに笑顔で応えるとポフン!と胸の中に飛び込んでくる

「パトリック・・・ 聞きましたか? 明日のパーティーのこと・・・」
「ああ、聞いたよ  でも、明後日には帰ると言ったから」

「パトリック、送ってくださいますか?」
ああ、もちろんだよ・・・・・・愛しい人。 君に何かあれば、私はもう生きてはいけないだろう・・・ 頷けばニコッと微笑む彼女が愛しくて腕の力を強めてしまう

「これがロンドンでの最後のパーティーだ・・・ 帰ったら直ぐに結婚の準備に取り掛かるからね」

耳に息がかかるくらいの近さで囁いた私の言葉に未来の花嫁は、真っ赤に頬を染め上げて・・・・・・シンシア、シンシア・・・ 私を煽るのは、止めておくれ

「母様に報告して・・・」
「そう、君の母上にきちんと報告し・・・・・・私の領地の教会で、1ヶ月もすれば君を私の花嫁にするよ」

「夢のようです・・・ //////」
「私の母のウェディングドレスとベールがあるから、帰ったら直ぐに・・・・・・早く、君を・・・我が花嫁に・・・・・」
「パトリ・・・・ んん・・・・」

甘い口づけで、身体の火照りを誤魔化そう・・・・・・ 早く、君を我が花嫁に・・・・・・

2人の熱い口づけの様子を・・・・・・ジェニングス夫人が微笑みながら、部屋のドアを静かに閉めて邪魔が入らないようにしていた

*****

バーミントン卿の屋敷にたどり着いた一行が、案内されたのはピアノが置いてある大きな広間だった

招待客はそれほど多くはなく、20数人の男女が其々会話を楽しんでいる

その中で、一際華やかな女性が周りを取り巻きで囲まれて談笑していた・・・ 名前はジャスミン・バーミントン

このパーティーの主催者のバーミントン卿の奥方で、彼女の父は軍部でも上層部に位置する裕福な貴族だ

華やかな美貌と華やかな恋の経歴の持ち主であり、かつてブランドン大佐にも恋を仕掛けたが相手にされず苦い思いをした事があった

その彼女が、大佐に伴われ会場に現れたシンシアを嫌な目付きで見つめていた・・・・・・

「やぁ、ブランドン大佐! よく来てくれたね・・・」
嬉しそうに近寄ってきたのはバーミントン卿で、彼の後ろにはジャスミンも控えていた

「お久しぶりです、バーミントン卿・・・」
「堅苦しい挨拶はいらないよ! おお! そちらが噂の君の婚約者だね・・・・・・こんばんわ、Ms,ダッシュウッド! 今宵は貴女にピアノを弾いてもらおうと思ってね、用意させたよ」

バーミントン卿にお辞儀で挨拶を返しながらも、いきなりピアノをと言われて目を丸くしているシンシアを見て私は何とか断ろうと言葉をかける

「バーミントン卿、いきなりでは彼女も戸惑いますし・・・ 今日のところは他の方にお願いできませんか?」
「うん? 得意だと聞いたのだが・・・ このように可憐な方に無理は言えませんな! よかろう今宵は・・・」

卿の言葉にホッとしていた私に、突然後ろから奥方のジャスミンが顔を出した

「あら、別に曲目も彼女に任せて得意なのを弾いてもらえばよろしいんじゃない? 私もこのお嬢さんがどんなピアノを演奏なさるのか聞いてみたいわ」
くすくすと取り巻きと笑い合うジャスミンに、何か思惑があるような気がする

ジェニングス夫人も何かを感じたのだろう、目を皿のようにしてジャスミンを見ている

「シンシアは素晴らしい腕前と天使のような声の持ち主よ! 聴けば貴方方にもわかるはずよ」
「それなら、もっと興味が湧いてくるわ」

こうなれば、もうシンシアが弾かざる負えないだろう・・・・・・ 彼女を見れば気丈にも微笑んで頷いていた

「さあ、弾いて下さる?」
手に持った扇でピアノを指し示すジャスミンに、私は少なからず怒りを感じ始めていたが・・・・・・シンシアが緊張しないように私はピアノまで彼女と腕を組んで連れていった

「いつも通りの君で・・・」
君の耳元に囁けば、彼女が嬉しそうに微笑む・・・・・・ その手の甲と、指先にキスを送り私はピアノの前に置かれた椅子に座る

ジェニングス夫人、エレノア、マリアンヌも座りシンシアに笑顔を送る
ジャスミン夫人や取り巻きたちは、くすくすと嘲笑うように嫌な笑いを起こしているが椅子に座った

「田舎者のピアノがどんなのか聞いてみましょ」
ジャスミンが隣の女性に小声で囁くのを、前の席の私の耳には届いていた

ふわり・・・と微笑んだシンシアが私を見てから、鍵盤に白い指がかかり・・・・・・・・君と同じ、優しい音色と、美しい声が広間を包み込んでいった

*****

私達は今、帰路の馬車に揺られながら2人っきりで話している

「大佐の馬が寂しそうです・・・ やっぱり、大佐は騎馬の方が良かったのでは?」

後ろから連れてこられる愛馬にはすまないが、シンシアを1人で馬車にのせるのも退屈だろうし・・・・・・私は愛馬を御者に託してシンシアと同じ馬車の中にいたのだった

「疲れないかい?」
「いいえ、大佐がいらっしゃるから嬉しくて、ちっとも疲れません!」
「くすっ・・・・・・可愛いい人だ」 

あれから・・・・・・1曲弾いた後のシンシアに絶賛の拍手が浴びせられたが、ジャスミン夫人の嫌な目付きにジェニングス夫人が大騒ぎし・・・・・・結局、すぐにパーティーから失礼したのだった

そうして荷造りをして翌日の朝早くから馬車で帰路についた私たちだが、エリノアとマリアンヌは後から来ることになっていた

ロンドンからの帰りは、長い道のりだがシンシアと話をしていれば楽しく、それほど疲れもせずに彼女の家へとたどり着いたのだ

そうして私は、シンシアの母親に報告をするため彼女と一緒に家への道を歩いていた・・・・・・・・・が、彼女の腕を掴み、木立ちの中へと姿を隠す・・・・・・

「パトリック?」
「今から君の母上に結婚の許しを得る・・・・・・シンシア、私に幸運を授けてくれないか?」

「幸運・・・ですか?」
「ああ・・・」
「どうすれば?」
君を抱きしめて、子供のようにねだろうとする私はきっと・・・『大人』な私ではないのだろうな・・・・・・

だが、≪恋する男≫なんて、みんな子供のようなもの・・・・・・  それだけ君に夢中なんだよ・・・・・・

君の耳に唇を寄せて、熱く囁こう・・・・・・ 君を私に閉じ込めるように・・・・・・ 熱く、甘く・・・・・・囁くんだ。。。



「・・・・・・Kiss Me・・・・・」
「・・・・・・Yes 」

君からのキスは、甘くて、蕩けてしまうほど・・・・・・  ああ、愛している・・・・・・

*****

「ママ!」
玄関横のツリーハウスの上からマーガレットが望遠鏡で、何かを発見した

その何かが分かったとたん、彼女は玄関前で刺繍をしている母親に叫んでいた!

「大佐がシンシアとキスしてる~~~!!!」
「まあ!!! はしたない!!!」

結婚の報告の前に、お小言をくらいそうな大佐とシンシアは今だ知らずに、熱いキスを交わしあっていた。。。

*****

大佐のファースト・ネームが分かりました! お名前はクリストファー・ブランドン大佐でした!
情報はリン様から頂きました(ありがとうございますm(_ _)m)

ですが、もうパトリックで定着しているので此処ではパトリックのままでいきたいと思います

できれば次は、いよいよ結婚式&ドキドキ初夜で!(パスはつけます)

楽しみな方はコメントでご連絡くださいませ(笑) では、(o・・o)/~またね。。。
     

⑤≪いつか晴れた日に≫~結婚式に至る!?~

まだ、式にもいかない管理人ですが、大佐が焦れてます(笑)
焦れったい2人を楽しんでいただけたら嬉しいです・・・

*****

ロンドンンから戻ってすぐに大佐が私達の結婚の報告を母様にしてくださったの・・・・・  だけどね、あの時。。。

頭の隅で感じていた、マーガレットの叫ぶ甲高い声が聞こえたのは、気のせいかしら?  だって、大佐のキスがあまりにも情熱的で・・・・・・頭の中が真っ白になってしまってて・・・・・・

まさかマーガレットが、私達のキスを見て叫んでたなんて思いもしないんですもの //////

「Mrs,ダッシュウッド・・・ シンシアと私の結婚を認めていただきたい・・・・・・私は彼女を愛しています」
「・・・・・・シンシアを貴方にお任せしても大丈夫ですね」

母様の心配そうな目に、大佐がコクリと頷くのを見て私は胸が一杯になるほど幸せで・・・・・・ポロポロと泣き出してしまって・・・・・・

「あーー! シンシアが泣いてる! 大佐と結婚するのが嫌なの?」
「・・・・・ちがっ・・・っうく・・・ふぇ・・・・・」

無邪気なマーガレットが聞いてくるけど、声がでかいわよ・・・  しかも私は嬉しくて涙が勝手に出ちゃうのに・・・・・・大佐が誤解なさったらどうするの!

違うのに、嬉しくて泣いてるのに・・・・・・言葉が嗚咽で出てこないの・・・・

「シンシア・・・?」
ほら! 大佐が少し戸惑った顔して私を見てるわ・・・  違うと言いたいのに、声にならなくて・・・・・・

「シンシア・・・ 大丈夫か?」
「ふぐっ・・・ えっ・・・ちが・・・うの・・・わっ・・・たし・・・・・うれ・・・しく・・・て・・・」
ああ、伝わったのね! 大佐が照れたように微笑んでくれたわ・・・・・・

「ほほほっ・・・シンシアは嬉しくて泣いているのでしょう」
「嬉しくても泣くの? 変なのーー」
「そうだね・・・ でも泣いてるシンシアは綺麗だ」

マーガレットの声に大佐がニコッと笑って、妹に少し屈んで声をかけてくれるけど・・・ き・・・綺麗だなんて
言い過ぎですわ //////

でも本当に実感がわいたのは大佐が帰られた後、母様と2人で話していた時・・・・・・

「幸せになるのよ・・・ 私はいつでも貴女の幸せを祈っているわ」
「母様・・・ お式はまだよ?」
「それでも、言いたいのよ・・・・・・大佐の所に嫁ごうとも、貴女は私の愛しい娘に代わりはないの・・・・・・覚えておいてね」
「・・・・・・母様・・・ 」

その夜は、小さい頃以来かしら? 母様と一緒のベットで眠ったの

*****

それから数日して大佐のお家から馬車が迎えにきて、私は屋敷でウェディングドレスを合わせるために向かったの

「さあ、こっちだよ」
「はい」

しっかりと大佐の腕に手をかけてエスコートされながら入った私は、ずらりと並んだ召使いの方達に挨拶されました

1人、1人にこれから宜しくと囁きながら挨拶を終えると、さっそく1番長く使えている女中さんが私をある部屋へと案内してくれてドレスを合わせることに・・・・・・

他の女中さんも勢揃いして私に大佐のお母様のウェディングドレスを着せて、具合を見てもらったの

「少し腰を詰めた方が綺麗ですわね」
「腕を上げてください」
「あとはそのままでよろしいかと・・・・・」

幾つもの手で細かく測られながらも、皆が笑顔なのが嬉しくて見つめていたら・・・・・・話してくれたの

大佐が20年以上も前に真剣で熱い恋をして、両親に反対されて・・・・・・その恋が大佐を傷つけ、悩ませ、そして・・・・・・影を落としていた事を・・・・・・

だけどこの頃、本当に昔に戻ったような朗らかな顔をされるから嬉しいと・・・・・・大佐の若い頃から居る方達は、嬉しそうな笑顔で・・・・・・私も嬉しくなるの

話は聞いていたけれど、真近で見ていた方達の話は身に迫って・・・・・・大佐が苦しんでいたこともよく伝わってきて、切なかった・・・・・・

私が傍に居ることで少しでも、ほんの少しでも・・・・・・大佐の安らぎになれたらいい・・・・・・ ほんの少しでも・・・・・・

私は、そう望むの・・・・・・

*****

執事との話も終わりティータイムでもどうかと、シンシアを迎えに行き扉を開けば そこには・・・・・・ 母のウェディングドレスを身に纏い、頬を染めて佇む君がいて・・・・・・

窓からの日差しが花嫁のベールのように君の周りを、優しく白く染める 午後・・・・・・

まるで夢を見ているような、そんな光景に・・・・・・ 私の魂が君に吸い寄せられ・・・  君を、求める・・・

周りの者達が気を利かせたのか、居なくなるんだが・・・・・・君は大きな鏡に向かってその姿を写し、髪やドレスを直しているんだが・・・・・・

ああ・・・・・・ まるで絵のようだ・・・・・・ その絵に見惚れて、私は自分の時が止まってしまうようだ

シルクとレースとふんだんに編み込まれた刺繍でできているドレスは、少し古めかしいかもしれないがシンシアに良く似合っている

まるで中世の姫君のような、そんな気品と美を兼ね備えたシンシアから目が離せなくて・・・・・・ 何も、本当に何も考えられなくなってしまう

いつまでそうしていたのか・・・・・・  ぼぉーーっと、自分でも我を忘れたようにシンシアを見つめ続けていたのだが、執事にやんわりとお茶の用意が出来たと言われて・・・・・・初めて我に還った

そんな私をいつからだろう? 君が見つめていたなんて・・・・・・そんな事にも気がつかないで君に見蕩れていたなんて・・・ 私も、どうかしているな

そう思っていたらシンシア、君が突然泣き出すものだから私は驚愕してしまった

直ぐに駆け寄り、君の白い手を取りながら訳を尋ねれば・・・・・・ はっ?  何だって?

「ですから・・・ 私に・・・・そのお顔を・・・向けてくださるのが・・・嬉しくて・・・・・」

私が君にだらしなくも見蕩れていた顔が、嬉しいと言うシンシアに首を傾げ分からないと促した

「私のようなオジサンをからかうものじゃない、シンシア・・・」
「・・・・・・初めて大佐に会ったとき、貴方はマリアンヌに・・・・・・その顔をされていたの・・・」

あ! そう・・・だ、 あの時も私は・・・・・・・  シンシア? 泣きながら笑っているのか?

「私は貴方のその・・・ 愛しきものを、ただ感じて眺めていた・・・ その時に、貴方に恋をしたんです」
「こんな・・・ ニヤけてだらしのない顔に? もっと良い時がなかったのかな?」

くぃっ! と、照れ隠しに片眉を上げて、皮肉げに彼女に笑って見せれば、彼女は静かに首を振り・・・・・・その頬に、新しい真珠が、跡をつけながら流れていく

シンシアが泣いている・・・・・・ 泣きながらも、はにかんで微笑み私を見つめる その愛らしさに・・・・・・ 私の胸は高鳴るんだよ、シンシア

私は彼女の滑らかで柔らかな頬に手をやり、夢ではないと、確かに彼女に触れられる事を確かめていた

・・・・・この光景を、この時を、彼女が私の傍にいる奇跡を・・・・・・ 確かめていた

*****

初めて着たウェディングドレス・・・・・・  しばらくしたら大佐の花嫁になれるという嬉しさと、彼に恥を欠かせないように鏡を見て念入りにチェックしたあと、ふと・・・・・・視線を感じて扉を見れば、大佐が開いた扉に寄りかかりながら私を見つめていた

その顔が・・・・・・今までの私の憂いを、杞憂だと晴らしてくれたのよ

愛しい貴方・・・  初めてジェニングス夫人の屋敷で貴方を見たとき、貴方はマリアンヌに同じ顔をなされてたわ・・・・・・

私は、立派な大人の男性が まるで魂が抜け出たような・・・・・・そんな顔をしていることに驚いて、目が離せなかったの

その視線が一心にマリアンヌに向けられていることに、胸の奥が小さく痛む意味にも気がつかずに・・・・・・貴方に、恋をしていたの

貴方の優しい声に、また泣き出してしまいながらも頬に受ける貴方の掌の暖かさに、頬を擦り寄せながら・・・・・・私は告白するの

「貴方の その顔で、私はやっと・・・ 貴方に愛されてると思えました・・・ 馬鹿な子供と思ってください」

呆れられたでしょうか? 貴方が仰って下さる言葉でも拭えなかった不安が、確かに貴方に愛されているのは私だと・・・・・・ やっと、そう思えた私を・・・貴方は呆れて、嫌いになるかしら?

恥ずかしくて俯いていた私の顎を取った貴方が、私の顔を上向かせる

「不安だったのかい?」
「ごめんなさい・・・」

「私の気持ちを疑ってたのかい?」
「違います! 疑ってなんか・・・ただ・・・」

「・・・・・ただ?」

貴方の声は低く、表情のない顔は少し怖くて・・・  あ・・・怒らせてしまったの? ああ、どうしよう・・・ 私はやっぱり子供で愚かなんだわ・・・

大佐、大佐・・・ 嫌わないで・・・ 貴方の傍にいさせてっ!

「私には貴方をそういう風にさせるだけの魅力がないと分かっていたから・・・ マリアンヌのような魅力が私には! ・・・・・・・嫌わないで大佐・・・ ごめんなさい」

「シンシア・・・君は悪くないんだ。 泣かないで・・・泣き顔よりも、笑顔が見たいよ」
「・・・・・・嫌わないで・・・」

「嫌うはずないだろう? 私の言葉が足りないのがいけないんだ」
「・・・・・・聞いてもいい? 貴方が好きなのは、私・・・」

おずおずと貴方に尋ねる私は、顎をつかむ貴方の手に自分の手を重ねて・・・・・・

「愛してる・・・ 君だけを・・・ 愛しているんだ・・・ シンシア・・・ 」

あ・・・ ああ・・・ 貴方の艷やかな声と共に、瞼に、額に、頬にとキスが雨のように下りてきて私に降りそそぐ

「君はいいのかい? 20才以上も離れた私のような老いぼれの花嫁になっても・・・」
「ああ・・・貴方がいいの 愛しています・・・ 愛しています・・・ パトリック・・・」

そうして唇に降りてきたキスは、酷く甘くて、酷く熱くて、ひどく・・・・・・んんっ、もう・・・何も考えられない・・・・・・

*****

それから暫くして、エリノアとマリアンヌがロンドンから帰ってきた・・・・・・もちろん、ジェニングス夫人も。。。

ジェニングス夫人からは早速、屋敷に皆で集まって遊びましょうとのお誘いがあり、今は馬車に乗り向かっているところ

屋敷に着き、紅茶を頂いていると大佐やエドワード、ウィロビーも来て大勢になったから夫人も楽しそう

皆で昼食をとり・・・ 晴れて気持ちの良い庭で其々がくつろいでいる中、ジェニングス夫人が・・・・・・

「ふふふっ エリノアもマリアンヌもシンシアも結婚が決まっておめでたいわ!」
「ありがとうございます」
エリノアが礼を言うと、マリアンヌも私も微笑んで夫人を見ておく

「で? 誰が1番先に花嫁になるのかしら? やっぱり1番上のエリノアからかしらね~~」

ジェニングス夫人、お得意の爆弾を投下した

母様が困ったように大佐を見て、私を見ていると大佐の低くて艶のある声が静かに流れてきた

「ジェニングス夫人・・・ シンシアと私が先になると思います。 既にドレスも準備できましたから」
パトリックの手が私の手を握り、指に口付けを落としてくる

あのドレスの試着の日から、パトリックは変わってしまって・・・・・・私を愛しいと・・・隠さずに表現してくれるようになったのだけど・・・・・・私、慣れなくて //////

『若くないからと、自分を抑えていた事で君を不安にさせたなら・・・・・・これからは君が恥ずかしいくらいに・・・・・・ 愛を、囁こう』

『年甲斐もなく君に逆上(のぼ)せていると後ろ指さされても構わない・・・・・・ 君を不安にさせるくらいなら、そんな事くらい気にもならない』

『愛してる・・・ もう、君無しではいられないよ』

あの日、キスの合間にそう言われて・・・・・・それからパトリックは吹っ切れたのか、こういう風に /////

もちろん嬉しいんだけど・・・ 慣れなくて //////

でも確かに愛されていると感じられる私は、もう彼しか見えないの・・・・・・

*****

ジェニングス夫人が楽しそうに笑いながら、誰が先に花嫁になるかと言い出してきた・・・・・・ それは、私達が先だろうと話し、シンシアの指先にキスを1つ落としておく

それだけで頬をポポポッと染める可愛らしいシンシアに、目を細める私を見るジェニングス夫人の目がキラリと光った

・・・・・・夫人?  何を言おうとしているのだろう?

「順番から言えば長女のエリノアが1番じゃないのかしら? しかもブランドン! エドワードは貴方の領地の教区の牧師でしょう? 考えたんだけどエリノアが結婚してからにしたほうがいいんじゃないの?」

・・・・・・・・・それはそうだが  ・・・・・・・・確かにそうだが

「ほほほっ ブランドンは1日も早く花嫁を自分の所に迎えたいんでしょうけどねぇ・・・」

分かってるなら何故ややこしい事を言い出すのだろう、この方は・・・・・・

夫人が私を見て、面白そうにプププーーッとジョン卿と噴き出していた

・・・・・・・・・・・考えたくはないのだが、遊ばれているのか?  この2人はこういう悪ノリする点で義理の親子とは思えないほど気が合うのだが。。。 

「パトリック・・・やはりエリノアが先の方が良いのでしょうか?」
「私は明日にでも式を挙げたいんだけどね・・・」

シンシアが困ったように私を見ている・・・・・・・ああ、不安にならないでシンシア・・・ 愛しい君よ

私はなんと言われようと式を延ばすつもりなどないと、ジェニングス夫人に言おうとしたのだがエドワードの方が先に口火を切ってしまった

「ジェニングス夫人、私と彼女はもうしばらくこのまま穏やかに過ごしてもいいのです・・・  結婚は大佐とシンシアが先で・・・」
「そうですわ! 私達は・・・・」

エリノアも口添えしていたのが、ジェニングス夫人が目を剥いて反対してきた・・・・・・なんなのだ、まったく・・・と憤慨しそうな私だが、ある考えが頭の中を過ぎる

もしかして、エドワードは・・・・・・

「あらあらあらーー やはり長女で教区の牧師と結婚するエリノアが先よ、先だわ!」
「まあ、ブランドンが一日でも早くシンシアを自分のものにしたいのわ判るがね!」

「可愛いい花嫁は逃げては行かぬよ!」
「婚約期間を楽しみなさいな・・・・ 我慢できないでしょうがね!」

「「プププブゥウウ~~~」」

この人達は・・・・・・ いい人なのだが如何せん、悪ノリして楽しむのだから・・・少々困りものだ

こうなったら引かないのだろうが、私も引けない・・・・・・ シンシアの手が私の手を強く握りしめるから、私が彼女を見ると・・・ 小声で何か・・・

『パトリック・・・ 私達の結婚が延びるのかしら?』
『・・・大丈夫だよ、心配しないで・・・』

シンシアの蒼い瞳が不安で揺れている・・・・・・ 君も、私と同じで・・・花嫁になる日を待ちわびてくれているんだね

愛しい・・・シンシア  私も、君からの視線で、言葉で、その羞じらう顔で・・・・・・ 愛されるということを思い出せたよ

いや、思い出せたのじゃない・・・・・・  初めて感じる喜びだよ、シンシア

昔、愛し愛された頃は、私も輝くような若い時の中にいた・・・  奔放な彼女と後先を考えずに愛し合えるほど、若かったんだ

だが今は・・・   君が私に愛されているか不安になっていたように、私も不安を感じることがあった

それはそうだろう、私のような年上過ぎる・・・ 洒落た会話もできない武骨な男に、若く美しい君が・・・・・・その・・・  愛してくれるなど、そんな事が本当なのだろうかと思う時も、あるんだ

夢のような・・・ この喜びを、早く確かなものにしたくて・・・ 焦る私をジェニングス夫人が見抜いたのだろうか?

「シンシアはまだ若いわよ・・・ 恋人同士の甘い時間を少し増やしても、いいんじゃないかしらね?」
「・・・・・・まあ、エリノア達の式を早く挙げさせて君達も挙げればいいじゃないか!」

はぁ・・・  まいったな・・・  こんな事を言い出されるとは思わなかった 

私はシンシアの手を握ったまま立ち上がり、少し散歩しようと彼女を連れ出し、その場を後にしたのだった。。。

*****

「パトリック・・・」
「シンシアすまない・・・ 結局はジェニングス夫人の言うままになりそうだ」

2人で屋敷の庭を歩きながら、皆がいる所からは見えない場所まで移動してから私達は話し始めた

「くすっ 仕方ありませんわ・・・  夫人の勢いには誰も勝てませんから」
「くすっ そうだな・・・」

君が可笑しそうに笑ってくれるから、私の気もだいぶ軽くなるよ

「それに、夫人はああ見えて優しい方ですから、何か他の思惑もあって ああ仰ったような気がします」
「・・・・・・そう、だな  何か考えがあるのだろう」

驚いた・・・ 君という人は可愛らしい少女の見かけによらず、思慮深さが備わっているのだね
私も気になっていたのだが、もしやエドワードにジェニングス夫人が力添えしたかったのでは・・・・・・ と、考え出していたんだ

私達の考えは、正しかったようだ・・・・・・

あとからジョン卿と狩りに行ったときに、話してくれたのだが・・・・・・エドワードは身1つで勘当されたためエリノアにドレスの用意もできず悩んでいたらしい

結婚するのに花嫁にウェディングドレスさえ着せられないと落ち込む彼を見た、ジェニングス夫人とジョン卿は私達の結婚を止めて先にエリノア達に式を挙げさせようとすればドレスやブーケなどを援助してもエドワードが受け取り易いと考えたそうだ

確かに、彼のように誇り高い男には何も理由を付けずに受け取れと言っても・・・・・・受け取れないか、傷つくだろうな

だが、私達の結婚を延ばしたから申し訳ないとか理由を付ければ、エドワードも受け取れるだろう

それならば少し先になっても我慢できるな・・・・・・ あくまでも、少しだけだが・・・・・・

1ヶ月先に予定していた私とシンシアの式は、エリノア達の後ということで3ヶ月先へと延びてしまった

これ以上、延びないようにエリノア達の式はジェニングス夫人と共に私も援助するということでエドワードを説得した

ドレスとベールは夫人の若い頃の物を手直しし、場所は私の領地の教会で、ケーキは私達が予約しておいた物をそのまま使ってもらうことにし(私達は3ヶ月後に予約し直した)、ブーケも温室の花でシンシアとマリアンヌが作ることになった

そうして着々と進む式の準備だが、予想通りにと言おうか・・・・・・最初はエドワードが受け取らず渋っていたのだ

そこでウィロビーが説得に当たったのだが・・・・・・ アイツめ、言うに事欠いて私を引き合いに出して頷かせたのだそうだ

エリノアとエドワードの結婚の準備も整った頃、ジェニングス夫人の茶会で、夫人がウィロビーに迫っていく・・・もちろん変な意味ではなく、どうやって彼を納得させたのか知りたいからなんだ

エドワードは新居の用意で今日は欠席したのだが、ああ・・・新居は協会の隣にある家を手直しさせたのを2人に使ってもらうことにした

「どうやったの? エドワードが素直に受け取るなんて喜ばしいことが起こったのは、どうしてなの? 教えなさいな、ウィロビー???」

彼はいつもの様にお得意の自慢顔で、席に着いている私達を眺め回した・・・・・・いちいち芝居がかっている男だ

いつもの面々、ジェニングス夫人・ジョン卿・エリノア・マリアンヌ・シンシア・ダッシュウッド夫人、そして私が見つめているなか、ウィロビーは上着の襟をピッと持つと、胸を張り得意気に話し出した

「私が彼に言ったのは、こうです! 『貴方が早く結婚して大佐を祝福しないと、大佐の年がまた1つ上になるんですよ! 彼はともかく義妹(いもうと)になるシンシアが可哀相ではないですか!』と、言いました」

「あら、上手いこと言うではないの、ウィロビー!」
「さすがウィロビーね、それならエドワードも受け取らないといけないわ!」
「はぁーはっはっはっ・・・  では今回のお手柄はウィロビーではなく、ブランドンということになるな」

ジェニングス夫人もマリアンヌも上手い、上手いと手を叩いているし、ジョン卿は腹を抱えて笑っているし。。。

・・・・・・・・・・・はぁ、それで彼は受け取ったのか  まあ、彼は私に恩義を感じているそうだからな

「しかし、エドワードと私の義理の弟に大佐がくるのですから、人生面白いこともありますね」
「その言葉は大佐に失礼ですよ?」

調子に乗ったウィロビーにエリノアが窘めるも、彼は我が意を得たりと生き生きと話し続ける・・・  困ったものだ

「前から聞いてみたかったのですが・・・  シンシア、あなたは何故、大佐と結婚を決めたのですか?」
「ウィロビー!!!」

マリアンヌが叱るように声を上げるも、気にせずウィロビーはシンシアを真っ直ぐに見つめて尋ねた

「くすっ・・・・・・  くすくすっ・・・・・・ 」

シンシアは、さも可笑しくて堪らないというようにクスクスと笑いだし横にいる私を見つめる

その瞳には、私を愛おしそうに見つめる君の気持ちが溢れていて・・・・・・  嬉しくて、君と繋がっている手を引き寄せキスを指先に贈るよ。。。

そよ風が君の髪を揺らし、穏やかな日の光が降りそそぐ午後・・・・・・ 君は、美しい。。。

*****

長くなるのでここで切りますね!

いやぁー ブランドン大佐・・・ 穏やかな大人の男が、腹を括れば若造にも負けない『甘さと静かなる情熱』の男になると書きたかったのですが、少しでも出ているといいなぁ・・・

次はお式と・・・ムフフな夜に突入です(パス付きならばムフフ展開です)



プロフィール

すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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