①相棒 《特命王子と出会い》

ある日、夢を見ました・・・  どうしてアランさんの夢じゃないのか不思議なんですが、相棒の夢を見ちゃって(笑)

頭の中の妄想をチマチマ携帯に入れておいたんですが、更新が滞ってますのでUPします

楽しんでいただけたら嬉しいです。。。

パス付きにして、こっそり置いときますので苦情は勘弁してくださいませ m(_ _)m

*****

「こぉんのセクハラ親父が~~~」

《ぶんっっ!!!・・・・・・ひゅ~~~・・・・・・  ぐしゃ》

「ぐぇっ!」

何が起こったのか分からない周囲一同だったが、凍りついた数秒が過ぎたあとは・・・・・・蜂の巣を突いたような大騒ぎとなった




・・・・・・数日後 警視庁のビルの中、ダンボールを抱えた一人の女性が歩いていた

ゆるく巻かれた艶やかな黒髪は豊かに背中を覆いながら、歩く度に揺れている・・・・・・スラリとした高い身長に仕立ての良いパンツスーツ

カッカッと響くヒールの音が女性らしいというよりは、どこか勇ましいと感じる歩き方に受付けの女性達は目を奪われていた

彼女が目指すのは警視庁の七不思議にも例えられる人材の墓場・・・  その其所は

*****

「杉下警部おはようございます」
「おはようございます」

優雅に紅茶を煎れている杉下に、少々あくびをしながら入ってきた神戸警部補が朝の挨拶をした

神戸はミネラルウォーターのペットボトルの蓋を開け、一口飲んで・・・・・・机に突っ伏してしまう

「昨日は大分お過ごしになられたようで・・・」

神戸の様子を見て二日酔いと判断した杉下は、着任して一月ほどの部下を冷ややかに見つめた

「すみません」
「いえ、僕には関係ありませんから」

優雅に紅茶を飲み、傍らの本を開いた杉下に神戸は心の内で小さく舌打ちしていた

いつまでも縮まらない杉下との距離感に鬱窟したからこそ・・・・・・  飲みすぎて二日酔いになったのだった

そんな二人の冷々とした空気が漂う部屋に、突然入ってきた人物がいた

ダンボールを持った女性がにこやかに挨拶を始める

「今日付けで特命係に配属されました鈴城 薔子(すずしろ・しょうこ)です」

凛とした声に机に突っ伏していた神戸も体を起こした

薔子は空いている机にダンボールを置いて、ニッコリと微笑み挨拶をする

「これからよろしくお願いします」

突然の事に二日酔いで頭の回らない神戸より、奥で紅茶を飲んでいた杉下が進み出ている

「貴女がこちらに来ることになろうとは・・・・・・しかし、僕は歓迎いたしますよ」
「ありがとうございます、杉下警部」

《俺と態度が違うじゃないか~~~》

神戸の心の内で叫び声が上がっているが、顔だけは笑顔を浮かべて新しく特命係に来た女性を見つめた

「お噂は聞きましたよ  貴女もまた大胆な事をしでかしましたね~」
「私は女性の味方ですから・・・ふふっ」

「あの知事の息子には皆さん困ってらっしゃったそうですね」
「ええ、ですからSPは男性で固めていたと聞いたのに、パーティー会場という事と手が足りなくて交通課の方に手伝っていただいたら・・・・・・悪い予感が当たりました」

「おや?  しかし貴女は警備部ではなかったはずですね?」
「では、最初からお話しいたします  長くなっても構いませんか?」

「ええ、構いませんよ  なにせ此処は、暇な部署ですからねぇ~~~」

くすり、と悪戯っ子のように笑う杉下は薔子の分も紅茶を煎れ始める

薔子は凛とした声で話し始めた

*****

私は情報犯罪課に居るのですが、たまに警備部から要請があり手を貸す事があります

その日も脅迫文の届いた知事をパーティー会場で護衛するというもので、女性の少ないSP部から要請がありました

そうしたら警護対象である知事の秘書をしている息子が、私と同じ様に借り出された女性を狙い・・・・・・あろうことか部屋に連れ込み強姦まがいに迫り始めたんです

知事の息子ですからね、その場のSP主任は強く言えなくて苛つきまして

「で? 貴女はどうしましたか?  察するに余りありますが 貴女の口からお聞きしましょうかねぇ~」

右京さんなら分かってらっしゃるでしょうが・・・・・・私は無線で彼女の様子を伺ってました

嫌がる彼女に無理矢理迫る様子に堪忍袋の尾がブチキレて、部屋の扉を蹴破って中に押し入り息子を・・・・・・背負い投げしちゃいました

それからは蜂の巣を突いたようになりまして・・・・・・

「それはそうでしょうね~  しかし権力を嵩にきて女性に不埒な振るまいに及ぶとは・・・・・・男性として情けないことこの上もありません」
「いえ右京さんは紳士ですもの! あの男とは品格が違います」

「・・・薔子さん、褒めすぎです」
「くすくす・・・  それで2階級降格と警察庁から警視庁の特命係に流されてきたんです」

「おやおや・・・  2階級も・・・・・・という事は薔子さんは私と同じ警部という事になりますね」
「そうですね」

ニコニコと笑う杉下と鈴城は、紅茶を飲みながら互いの近況を話し始めた

*****

えっと・・・僕の後輩になる鈴城さんは、警護対象の息子をぶん投げちゃって降格され 尚且つ特命係に飛ばされた・・・・・・のか

鈴城・・・  鈴城・・・  警察庁なら僕も特命係に来る前にいたところだけど、鈴城・・・  聞いたことないな

もっとも情報犯罪課はフロアも違うし関わりにならない部署だからなぁ~~~

そんな事を考えながらミネラルウォーターのペットボトルから一口飲んでいたら・・・・・・

なに? なに? なんなんだよ!!!   2人して僕を見てるなんて、何かした僕?

でも真正面から見た彼女は、さきほど聞いた武勇伝に似合って凛々しくも美しい・・・

アーモンドみたいな大きくて半月型の瞳、鼻筋は通り、唇はぷっくりとしていて・・・・・・触れたら柔らかそうで・・・・・・肌もすべすべで・・・  触ってみたいな

そんなバカな事を考えていたら彼女、鈴城さんが手を差し出してきた

「鈴城 薔子警部です  これからよろしくお願いします・・・・・・先輩」
「あっ・・・  挨拶が遅れまして、僕は神戸 尊警部補です こちらこそよろしく!」

「右京さんとは前からの知り合いなので、今日は神戸先輩の事が知りたいですね・・・  これから同じ特命係になったのですから」
「まぁ、そのうち分かるんじゃないかな?」

鈴城さんはニヤリと笑うと杉下さんに「先輩借りてもいいですか?」と、断っていた

「いいですが・・・  程々にしてあげて下さいね」
「分かってますよ  では借りてきます」

鈴城さんの手が僕の腕を掴んで特命係の部屋から、組対5課からも出てズンズン進んでいく

「ちょっと!!!  何処行くんだよ」

いくら優しい僕でも勝手に連れ廻されるなんて、嫌なんだよね

主導権は握りたいタイプなんだ、僕は!

振り払った鈴城の手・・・  すると彼女は僕の目の前に近づいて、ニヤリと笑う・・・  まてまて近い!  近すぎるよっっ!!!

鈴城は長身で僕とほとんど変わらない身長してるから、同じ位置に顔があるんだけど・・・・・・鼻先数センチの距離で詰め寄ってくる鈴城の迫力に押された僕は、気がつけば廊下の壁に背中を押し付けていた

「親睦をはかるために・・・ねぇ・・・神戸先輩・・・・・・体で・・・知り合いたいの  いい?」

ボタンを2つ開けたシャツの衿を白い指先が辿りながら、吐息混じりに囁かれた・・・・・・僕の胸が、どくん!と大きく音を立てて鼓動が早まっていく

「返事がないのは肯定と見なしますよ・・・  ふふっ」

瞳が妖しいほどに艶を持って、紅い唇が弧を描く・・・  僕は、フラフラと彼女の後をついていった

*****

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「先輩! 休んでる暇ないですよ」

「・・・ちょっ、タンマ!  体調がいまいちだから・・・  少し休ませてよ」
「タンマはありません! 私1回じゃ満足できないの・・・」

「まだヤる気かい?」

「もちろん!まだまだ・・・  やあ~~~  めぇーーん!」

《バシッ》

鈴城の鋭い竹刀さばきに、二日酔いの神戸も徐々に真剣になり・・・・・・2人の打ち合いは武道場でも白熱し誰もが息を飲んで見守るほどだった

小一時間も続けただろうか・・・汗だくになった2人はシャワーをすませ、武道場から出てきた

「ふぅ~~~  いい汗かいた」
「鈴城さん、君ってけっこうやるね~」

「先輩も二日酔いの く・せ・に イイ動きでした」
「あはっ バレてたか」

苦笑いする神戸が特命に戻る前に自販機で休憩しようと言い出したので、薔子もニコやかに応じた

自販機で神戸はミネラルウォーターを、薔子はお茶のペットボトルを買い2人で飲み始め・・・・・・沈黙が訪れた

「君は杉下さんとは知り合いだって言ったよね どういう知り合いか聞いても?」

沈黙を破ったのは神戸の方で、彼は聞きたかった事を口に出してしまった

「あっ・・・  嫌ならいいんだけどね、うん!無理に聞きたいわけじ・・・」
「いいですよ!  右京さんと私の父が友達で、小さな頃から遊んでもらったりしてたんです」

「へぇ~・・・それで」
「ええ、右京さんが英国を離れてからもたまに訪ねてくれてましたし、親戚のおじ様って感じですね」

「え?  じゃ君って帰国子女なの」
「はい」

「・・・・・・鈴城さん  鈴城って名字どっかで聞いたことあんだよね」
「え?それってナンパですか?  うわ~~~感激!  もっと言ってください面白いから!」

「面白いって反応が斬新だけどね、ナンパしてないから」
「男に口説かれた事ないから楽しそうなのに・・・  そっか、ナンパじゃないのか・・・」

「・・・残念そうだね、そんなにナンパされたかった?  でも君みたいに綺麗な娘だと周りの男が放っとかないと思うけどな!」
「・・・・・・私みたいにデカくて意見をハッキリ言う女は敬遠されますからね~」

「そうかなぁ~・・・でもさ」

神戸が言おうと口を開いたとき、胸ポケットの携帯がブルブル震えて着信を知らせた

「はい神戸です・・・はい、一緒です・・・・・・では玄関に車廻します・・・」
「事件ですか?」

携帯をポケットに仕舞いつつ立ち上がった神戸は、薔子に頷きつつ捜査一課から手伝いを頼まれた事を伝える

「杉下さんはもう向かってるらしい」
「では私達も向かいましょう」
「ああ!」

そうして2人が捜査一課の部屋に着いたとき、杉下が妙に微笑んでいる事に神戸は訝しんでいた

*****

「え?  僕がホストに?」
「貴方以外の適任者が見当たらなくてね~ 今追っかけてる山の被害者は毎晩ホストクラブに入り浸ってまして
ね、少しでも情報がほしいんですよ」

伊丹刑事の話の補足とばかりに芹沢刑事が後を続けた

「ああいう特殊な世界は身内を庇って何も言ってくんないんですよ~~~  しかも先輩がクラブの社長と喧嘩しちゃって・・・・・・頼みます助けてくださいよ~  警視庁No.1のプレイボーイならホストもお手の物でしょう」
「俺からも頼みます神戸警部補・・・  このまま話しも聞けないんじゃ伊丹の奴、懲罰対象になりますからね」

穏やかな三浦刑事からも頼まれれば、神戸も頷くしかなく・・・  渋々ながらも引き受けたのだった

「私もお手伝いします・・・  ではさっそく準備してきますね」

薔子も意気揚々と参加表明し、その言葉に皆が戸惑い動きが止まっているなかすぐに部屋を出ていった

「今のは・・・  どちら様でしょうか?」

芹沢の問いに右京がやんわりと答えた

「新しく特命係に来られた方ですが、意欲があって頼もしいですねぇ・・・」
「失礼ですが、僕も意欲はありますが」

「・・・・・・確か先程は嫌がられているように見受けられましたがねぇ~」
「今は意欲マンマンですよ」

杉下の冷ややかな視線と穏やかな嫌味に、神戸の顔が引き吊っていた

暫くして薔子は男性の様なスーツを着込み、前と横顔に一房垂らした髪を残し、黒髪を後ろで結んで現れた

170越えた身長を細身のスーツで包み、色物のシャツは胸のボタンを開けた薔子は神戸がもう1人現れたようだった

「おやおや 薔子さんもやりますねぇ~」

楽しそうな杉下警部の声が、固まっている捜査一課の部屋の空気を揺らしていたのだった・・・・・・




~~~オマケ~~~

ホストクラブに向かう車の中、神戸は隣でまるで男性に見える薔子にコソッと聞いてみた

「その胸、どうやったの? まるで男みたいに平らだね」
「コスプレ用にあるんですよ? 下着の上に付けて服を着るだけ・・・・・・」

「へぇーー  何でもあるもんなんだね」
「秋葉原で売ってましたよ」

「そういうとこ、行くんだね」
「はい! 楽しいですよ」

チャンチャン♪

*****


     

②相棒 《王子とホスト》

相棒、神戸警部補殿loveな管理人の夢からの妄想話です

怒られないかと冷や冷やしている管理人です

*****

「今日から入ったタケルとショウだ!」
「「よろしくお願いします」」

「じゃ細かい事はフロア任せてるマネージャーに聞いてくれ  頑張れよ!!!」

社長に背中を叩かれたタケル=神戸が痛そうに身を捩る横で、ショウ=薔子はフロアを見渡しながら頭を下げた

ある事件のために2人は潜入捜査をしているのだが、警察の身分を隠して面接に来たのは確か3時頃だった

2人を見た瞬間「採用!!!」と高々に宣言した社長に呆れつつも、無事に入り込めた事に神戸は安堵していた

とはいえ、やることはホストだ・・・・・・自分に出来るかな?と考えつつも、要は女の子を褒めればいいだけだろうと自分の中で決着をつけた神戸・・・・・・もともと女の子を褒めるのは苦ではないし

この店では5時OPENのため今はまだ人が少ない

くぃくぃっと袖を引っ張られた神戸は、薔子がさりげなく顔を寄せてくることにドキッとした神戸

「な・・・なになに?」
「店が始まる前に彼等に近づかないと」

「あ・・・ああ、そうだね」
「タケルが話しかける?」

「入りたてで馴れ馴れしく話しかけて疑われてもマズイな・・・  今は待ってよう・・・待ってればチャンスがくるさ」

《そんなノンビリされても困るんですがね~警部補殿》

耳に装着したイヤホンから伊丹刑事の声がする

神戸と薔子は小さなワイヤレスイヤホンを耳の穴に入れ、衿の裏に付けたマイクで此方の音を伊丹に送っていた

伊丹達刑事達はホストクラブの裏の空き店舗に詰め、有力な証言がないかと聴いている

この事件は、ある会社の女性役員が部屋で殺された事から始まった

横領事件に発展した女性役員殺人事件は、とにかくその被害者のプライベートが見えなくて伊丹刑事も困り果てていたのだが・・・・・・唯一の手がかりが《ホストクラブで遊んでいる》だったのだ

手がかりを掴もうと勇んで来た伊丹、三浦、芹沢の3人だが伊丹が社長と言い争ってしまい臍を曲げた社長が従業員全てに協力をさせないようにしてしまった

そして潜入捜査をするため白羽の矢がたったのが、見かけも話術も警視庁No.1の《タラシ》と謳われる神戸警部補だった

そして嫌々な神戸と違い自分から志願した強者が薔子なのだった

「それにしても似合いすぎでしょう 男物のスーツ姿が・・・・・・」

呟く神戸の言葉は伊丹達には聞こえたが薔子には聞こえないのだった

***

数時間が過ぎた頃・・・・・・夕方のお客も引け、ホスト達も一息つく時間。。。

フロア裏の従業員控え室では新入り2人を囲んで、従業員全てが口々に叫んでいた・・・・・・

《大丈夫ですか~?  先輩~どうしましょう?新人虐めのリンチだったら?》
《おい!リンチだと? 助けに行かなくていいのかよ》

《何か興奮して言ってる雰囲気なんスが、何言ってんのか分かんないんですよ》
《とにかくもっと聴いて状況判断しなきゃな!》

イヤホンからは伊丹達捜一トリオの焦った声が聞こえてくる




「すげぇーなタケル! 初めてなんて嘘なんだろ~」
「そうそう! あの女性の扱い方は此処のNo.1のリョウさんに並ぶよ」
「タケルに囁かれてウットリしてるお客さんの多いこと!」

《褒められてますね・・・ さすが警視庁No.1のタラシ》
《凄い芸だな、俺らには逆さになっても出来ないぜ》
《したくもありませんがね・・・  っつーかホストに褒められる警察官ってどうかと思いますがねぇ~~~》

イヤホンの向こうからの会話に薔子がクスクスと笑っている

神戸はニコやかにホスト達を宥め、薔子の腕を掴んでその場を離れてから・・・・・・小声でイヤホンの向こうの伊丹達に文句を言う

「あのですね! 僕は精一杯努力してソチラに協力してるんですが・・・・・・好き勝手言うなよな」

《あ゛~・・・・・・すみませんねーー》
《あ、そうだ特命の新入りさんはどうなんですか?》

《そうだ!女の子なんだからホストは無理なんじゃ~》
《え゛っ? 三浦さん本当ッスか? あの人、女性???》

《バシッ》

《薔子さん、大丈夫ですか? 無理はしないで下さいね それと・・・》

どうやら芹沢が叩かれてマイクから離れ、右京が代わりに話しかけてきた

捜一トリオは後ろでゴニョゴニョと話し込んでいるようだ

《ちょっと宜しいですか? 被害者は会社の部下とも一線を引いて付き合わずに、その店で毎晩のように楽しまれていたようです ただ・・・》

「ただ・・・何ですか?」

《最近は何ですか・・・彼女のライバルという女性客がおられたそうで、その方の素性なども知りたいのですがねぇ~》

右京からの指示として神戸も薔子も頭に入れ、再びフロア裏の控え室へと入り打ち解けてきたホスト達から情報を引き出していった

***

次々と有力な情報が入るなか、店も繁盛していて接客に回らなければならない神戸と薔子

被害者の特徴をホスト達に話し探っていると浮かび上がるライバル客のこと

「あ、来た・・・ あの人がそうだよ」

示されたのは派手な化粧をした50代の女性客、まるで社交ダンスでもしそうなドレス姿で、ホスト達を侍らせている

「気をつけろよ! あの人機嫌が悪くなるとすぐに支払い嫌がってごねるからさ・・・踏み倒されないよう気をつけて!」
「踏み倒す?」

「ああ!そんで他の店から出入り禁止されてウチに来ちゃったんだよ」
「大きな声じゃ言えないけどさ、ヤクザの奥さんだって噂もあるから強く言えないんだよね」

話してくれたホストもマネージャーに呼ばれ、接客に行ってしまった

神戸と薔子が顔を見合わせ何とか近づこうとするが、そこは新入り・・・厳しいものがある

そうしているとマネージャーに呼ばれ、テーブルに着くように言われそちらを見やれば・・・

「わぁっ!!!  あの娘たち交通課の婦警だ!」
「タケルよく一目で分かるな」

「よくお菓子とか渡されるから覚えてるんだ」
「でも顔がバレるからな・・・・・・マズイな」

《警部補殿ほんとですか?  お菓子なんて差し入れされてるのかよ!!!・・・くそっ》
《先輩引っ掛かるのはソッチじゃないですよ!  バレたら証言なんか集まりませんよ~~~どうします?》
《不味い事になったなぁ~》

「私が先に行って事情を話します 合図したら来てください」
「あ・・・ああ  でも君一人で大丈夫かな?」

その神戸の言葉にイヤホンからと薔子の口からと、同時にクスリと笑い声が聞こえた

《神戸君、此処は薔子さんにお任せした方が良いと僕は思いますがねぇ・・・  薔子さん、程々にお願いしますよ》
「くすっ・・・・・・はい」

艶然と微笑む薔子に気圧された神戸が見送ると、上司の声がイヤホンから聞こえてくる

《神戸君、彼女は素晴らしい特技をお持ちですから心配は要りませんよ》
「はぁ・・・」

本当に大丈夫なのか?  と思いながらも自分より杉下から信頼されているらしい薔子に、面白くなく見送る神戸

薔子は・・・・・・  いや、ショウは ゆっくりと歩きながら店に飾ってある薔薇を一輪引き抜き内ポケットに入れ、シャツのボタンをもう1つ外し大きく衿を開いた

「こんばんは」

「きゃっ素敵な人~~~」
「「こんばんは!」」

女性客3人と他愛もない話をしていたのだが、中の1人が怪訝な顔でショウを見つめている

「どうしたの?  私ではつまらないかな?」
「いいえ!  違うんです」

慌てて否定する女性に訳を問えば、ショウが恩人に良く似ていると言うのだ

話を聞けば彼女達はもうじき結婚する彼女が最近塞ぎ込んでいる為、元気付けたくて初めてホストクラブに来たそうだ

「そうなんだ・・・  私からも話があるんだ  3人とも可愛い耳を貸してくれない?」
「「きゃ~~~可愛いだって」」

テーブルをずらしたショウはソファーに横並びに座る彼女達の前に片膝をつき微笑む・・・・・・ その流れるような仕草と美麗な微笑みにウットリとした3人は、ショウに請われるがまま耳を寄せていく

「驚いても声は出さないでね、婦警さん ・・・私は警視庁の刑事でこの店に潜入捜査をかけています」
「「「!!?」」」

「・・・良く声を我慢できました 私と一緒に神戸警部補もホストしてます これから彼も来ますが、貴女方は一般客として振る舞って下さい・・・・・・くれぐれも私達の素性がバレないよう協力を要請します  できますか?」

交通課の婦警といっても警察官だ・・・  顔を見回したあと力強く頷いていた

「・・・・・・可愛い貴女方に薔薇のプレゼント」

一本だけの薔薇の花を差し出したショウは、結婚間近の女性へと渡しタケルを見て瞬き合図した

神戸はあと二本の薔薇を隠し持ち近づくと、挨拶しながら取り出し2人に手渡した

「「カッコイイ~~~」」

矯声が沸き上がりテーブルは大いに盛り上がっていたのだった

***

「あれは新人なの?」
「今日から入ったタケルとショウです  お呼びしましょうか?」

「そうね~  挨拶ぐらいさせてあげてもいいわよ  呼びなさい!」

高慢に言い放つ彼女には逆らわずというマネージャーの言葉に従い、タケルとショウを此方に来るよう指示するも彼等は拒否をした

《行けばいいのに~》
《何で行かないんですか?警部補殿》
《どうかしたのか?》

「ああいうプライドが高いタイプは、少し焦らした方が食いつくと思うよ」
「僕も、そう思う」

タケルとショウは散々焦らしたあと不承不承、高慢ちきな客のテーブルについたのだった

***

そしてタケルとショウの駆け引きな会話で引き出された情報が、杉下右京の頭脳を動かし事件は一気に解決したのだ

ホストクラブの裏の店舗にいた伊丹達捜査一課の刑事が、店を出た彼女を重要参考人として警視庁へと連行していった

タケルとショウは店側に身分を明かし事件のためとはいえ騙したことを謝罪したが、店側からは・・・・・・

「たまにでいいから店に出てくれないか」
と懇願されていたが、やっとの事で振り切り店から出た2人

「ご苦労様です・・・  無事に事件は解決しそうですよ」
「ではやはり彼女が・・・」

神戸が漏らした言葉で杉下が大きく頷いた

「彼女は被害者と同じ会社で同じ役員だったそうです  ライバル視していた彼女は会社の金を横領し、罪を被害者にきせて殺害したようです」

「なんとも言えないほど自分勝手ですね」
「女は天使でもあり・・・  魔物にもなりうる・・・ま、女によりけりだけど・・・  神戸先輩もお気をつけて・・・」

「どういう意味かな?」

「警視庁No.1のタラシだと聞きましたから」
「ちがっ! 違うよ! 誰だよそんなデマ吐くの!」

焦る神戸に笑う薔子、そして杉下右京が加わり夜道を歩こうとしたとき・・・・・・目の前に先程まで協力してくれていた婦警3人組が現れた

「あのっ!  もしや貴女は、鈴城薔子警視正ではないでしょうか」
「・・・4日前までね」

「申し訳ありませんでした」

結婚間近の女性が深々と頭を下げたが、薔子の手が両肩にかかり上を向かせる

「気にしなくていい・・・  花嫁さんがあんな汚い親父の毒牙にかかるのを防げた・・・  私はそれの方が誇らしいよ」
「鈴城警視正~~~」

泣き出した彼女を優しく抱きしめた薔子は、囁くように何事か呟く・・・・・・すると彼女は嬉しそうに顔を上げもう一度深々と頭を下げた

友人達と帰り行く彼女達を見ながら再び歩き出した3人

新しい特命係の誕生だった。。。



~オマケ~

「あの人が真理の危機を救ってくれた鈴城警視正なの」
「それより何て言われたの?」

「でも真理、助けてくれた人って確か女性って言わなかった」
「あの人よ・・・」

『私に悪いと思うなら、とびきり幸せな花嫁になって・・・ 笑顔を見せてくれたらいいんだよ』

そんな優しい薔子の言葉は友人達にも伝えられ、ここに警視庁内で《薔子ファンクラブ》が発足されたのだった

***

第二弾です!
いえね、この後の話も携帯に入ってますので続きます

     

2.5 相棒 《王子とワインとヤキトリと》

捜査一課のトリオの会話が大好きです(伊丹・三浦・芹沢)  
あと何気に特命の部屋を覗いてる大木さんって、ケンミンショーのマスターもやってらっしゃいますよね
渋くて好きな方です!

***

「薔子さん、着任早々ご苦労様でした」
「いいえ、右京さん 《お飾り人形》からやっと脱する事ができた気がします」
「貴女は囲いの中で大人しくなど過ごせないでしょうからね~」

さっぱり話がみえない・・・・・・なら直接聞くまでか

「えっと・・・杉下さん、鈴城さん  3人でお疲れ会でもしませんか? 僕がイイお店に案内しますよ」

僕が聞くと鈴城さんはニコやかに、杉下さんは眉をピクリと反応させた

「僕は結構  2人で行ってらっしゃい」

杉下さんが断るのは想定内なんだけど、2人で行ってこいとか言うとは思わなかったな・・・  その杉下さんの言葉通り其所で杉下さんと別れた僕と鈴城さんは、2人で静かなバーへと向かった

いつも大河内さんと飲んでるバーなんだけど、静かでお洒落でちょうどよかった

2人でワインを頼み飲んでいる

「あのさ、聞いていいかな?」
「ええ」

「・・・・・・薔子ちゃんって呼んでいい?」
「いいですよ」

「うんとね・・・薔子ちゃん  あのさ・・・」

彼女の大きくて綺麗な瞳に見つめられてると・・・・・・僕の口が止まってしまう

変だな・・・  いつもならペラペラとお喋りできるのに、どうしたんだ・・・

「神戸先輩が聞きたいことって、警察庁のお飾り人形・・・・・・ってこと?」
「うん、そう」

やっとの事で出た言葉が『うん、そう』だなんて、僕らしくないや・・・

「先輩 鈴城って名字は聞いたことないですか? 主に警察内部で・・・」
「鈴城・・・  僕もね、どっかで聞いたことあるなぁ~って思ってたんだけど思い出せなくて・・・」

「ヒント欲しいですか?」
「欲しい 欲しい!」

僕は両手を併せて拝んでみたら、薔子ちゃんったらニンマリ笑っちゃって・・・・・・それが、凄く・・・・・・何ていうか・・・・・・心にドキッって・・・・・・おかしいな、一癖も二癖もありそうな黒い笑顔なのに・・・・・・僕の鼓動が速まるのが自分でも分かる

・・・・・・と、とりあえず疑問点を先に解明しなきゃ

「教えて教えて~~~・・・  ね!薔子ちゃん」

両手を擦り併せてねだりながら、必殺!小首を傾げながらのウィンク・・・  ふふん、おねだりは女性だけの特権じゃないからね

「ぐっ・・・  可愛いおねだり知ってますね先輩」

うん?  薔子ちゃんの頬が少し赤い・・・・・・?

「ヒントは長官室の壁にあります  簡単ですよ」
「長官室の壁?  何があったっけ・・・」

長官室なんて行った事ないけど、お偉いさんの部屋だと・・・・・・きっと桜田門の記章がデカデカと旗みたいにかかってるだろ

「う~~~ん」

あとは・・・・・・窓や歴代の長官の名前・・・・・・え゛?

あれ?  何か引っかかった

「歴代の長官の名前・・・・・・」
「もう少しですね」

「え゛え゛?  鈴城前警察庁長官の縁者なの?」

確か先代の長官が鈴城・・・って・・・・・・え゛え゛え゛???

「ピンポン♪ 当たり」
「でも鈴城警察庁長官って今は退職されてるけど・・・  長官の御息子や兄弟や、その兄弟の子供も警察関係者だよね?」

「ああ、じぃちゃんの父や何やらも警察関係者なんで一族勢揃いって感じですね」

軽~~~く言っちゃってるけどね 薔子ちゃん?  それって凄いことじゃないの???

「私の父は、じぃちゃん嫌って日本を飛び出してロンドンで絵を描いてますわ」
「へぇ~~」

「何でか祖父は私を溺愛してて叔父さんや従兄弟達に『薔子を危ない目に合わせるでない!』とか言ってるんですよ」
「それはまた・・・」

「退職しても影響力はまだしぶとくあるから、私には迷惑でしかないのに」
「そっかぁ・・・そういえば警察庁には未だに鈴城長官を恩人として崇めてる派閥があるとかなんとか聞いた事あるよ」

「そうなんですよね・・・  で、警察に入ったはいいけど怪我なんかさせられないって、IT関係のプログラミングや何かで息が詰まってたんです」

あ! だからSP部から応援来たら行ってたのか

「父は警察辞めてロンドンに来いとか言ってるし、じぃちゃんは警察官僚と結婚しろって煩いし、正直・・・・・・」

溜め息をつく薔子ちゃんのグラスにワインを注ぐ・・・・・・暗い表情をする彼女を励ましたくて、僕は向かいに座っていた場所を彼女の隣に移した

「ほんっと息が詰まって窒息寸前だったんです・・・・・・そんなときにアノ親父が女の子を、知事の息子だからって権力を嵩に来てレイプしようとするのを聞いてぶん投げちゃった」

てへっ・・・なんて舌を出す薔子ちゃんが可愛いなんて・・・・・・まだ出逢って1日なのにね

「それよりショックだったのがインカムで皆が聞いてる筈なのに、誰も助けようと動かなかったことが・・・・・・ヘドが出るほど嫌だった」
「その気持ちは分かるよ」

しんみりした雰囲気になった僕と薔子ちゃんだけど、目が合った君が笑ってくれたから湿っぽい空気は何処かに行っちゃった

「先輩、Thanks・・・  あ~~~特命来てよかったぁ~~~」
「僕もね、よかったよ」

・・・・・・君に 逢えたから・・・・・・

耳元で囁いたらどう反応するかな?  でも、今はしないよ?  だって君との距離を縮めようと急ぎすぎて嫌われたくないからね!

「先輩も特命に来てよかったんですか?」
「ああ よかったよ」

「じゃ、一緒ですね」
「じゃ、一緒を祝って乾杯しようか」

カチン・・・・・・

僅かにグラスをあわせて音をさせ、なかのワインを煽る

今日はワインが特別に美味しいや・・・

薔子ちゃん、また一緒に来ようね

***

潜入捜査をした夜から数日が経った頃、特命係の部屋に珍しい人が来ていた

「特命係の新入りさん・・・  いらっしゃいますかぁ~~~」
「先輩~ いつもになく丁寧ですね」

「うるせっっ!!!」
「いてっ!!!」

芹沢が伊丹に頭を叩かれながら部屋に入ると、そこには杉下も神戸も居らず薔子だけがパソコンに向かっていた

「あれ?捜査一課の人がいる」
「おぅ!  捜査一課の伊丹だ~~~」

「どうしました?  また潜入捜査ネタですか?」
「いやな・・・あ、アンタには来たばっかりで世話になったから・・・・・・  芹沢っ!お前から言え!」

「えっ僕?  はいはい分かりましたから般若みたいな顔して睨まないで下さい」

「改めまして僕は芹沢です」
「鈴城です」

何か飲みますか?と聞かれて俺はコーヒーっつったんだ

「よかった、コーヒーは今煎れてるんです」

鈴城の細くて綺麗な指が亀の置いてったコーヒーサーバーを指している・・・・・・のを、ぼけ~~~っと俺は見てた

「ん~~~やっぱり煎れたてはイイ匂い」
「ほんとだ・・・  いい匂いだ」

「伊丹刑事もコーヒー党ですか?」

は・・・話しかけられちまった

ワタワタしてる俺に芹沢が目ぶり手ぶりで会話しろって言ってやがる

けっ!!!  神戸警部補みたいにスラスラ話せるならテメェなんぞ、連れてきやしねぇーーー

「私はキリマンを少し薄目が好みなんで、伊丹刑事の口に合うかどうか・・・」
「俺は濃い方が好き・・・・・・  いや!同じでいいから!」

あぶね~・・・思わず口走りそうになって芹沢にダメって両手を×にされちまった

「芹沢刑事もどうぞ」
「すみません~」

ん?  コーヒーは苦けりゃいいと思ってたが、苦味より酸味を感じて・・・こりゃいい塩梅だ

3人でコーヒー飲んでりゃ、無言の時間が通りやがる・・・  何かねぇか! 話題・話題・わだい~~~!!!

「右京さんは紅茶党だし、先輩は水ばっかだし・・・  この頃は角田課長と2人のコーヒータイムだったから、久しぶりに賑やかだ」

組織犯罪対策5課の角田課長とコーヒータイムだと~~~・・・・・・  なんて羨ましいっっ!!!

コーヒーも飲み終えた所で、用件を・・・・・・いいいい言わなきゃな・・・  よし!!!

「あのよ この前のお礼に俺等と飲みに行かねぇーか?  今晩」
「行きましょうよ 鈴城さん! 僕達も犯人を送検できてやっと時間が取れたんです」

「いいんですか?  向こう(警察庁)では全然誘われなかったから、嬉しいです」

「じゃ飲みに行きたい店とか希望はあるか?」
「赤提灯でヤキトリでビールが飲みたい!」

ほっ・・・  高くてお洒落でキザな店でも言われるかと思いきや、俺らがよく行くような店を言い出されて安心した

「よし!!!  そういう店なら連れてってやるぞ」
「何処に薔子ちゃんを連れていく気なんですか?  伊丹さん」

突然の男の声に入り口を見りゃ~警部補殿が立っていた

水のペットボトルを手にしてる所を見りゃ~自販機まで行ってたのか

チッ! もっと遠くに行ってりゃいいのによ

前髪をサラッと指で直して部屋に入って来た警部補殿は、鈴城と俺らの間に立ってやがる・・・・・・にこやかな癖に目が笑ってねぇ・・・

「先日の潜入捜査の御礼なら、僕が一緒でも構いませんよね?  だって僕も頑張りましたから」
「ええ、もちろん  ですが警部補殿がお好きなオシャレな店じゃーーありませんよ」

「構いませんよ 適応能力は強い方なんで」

至極当然と一緒に行くことになっちまった

「私! ヤキトリとビールって日本的なの憧れてたんです」
「薔子ちゃんは英国育ちだもんね もしかして赤提灯とかにも憧れてる?」

「おおっ! よく分かりますね」

英国育ちだと? なんだなんだ? もしかして良いとこのお嬢なのか?

俺達は今夜の待ち合わせを決めて特命を後にした

***

「ほんとに来るとはね~ 冗談かと思いましたよ、警部補殿」
「いえいえ せっかくの伊丹刑事からのお誘いですからね、何をおいても駆けつけますよ」

「それは、どーも」

捜一トリオの伊丹・芹沢・三浦がよく行く居酒屋に薔子と神戸が加わって現れたとき・・・・・・いつもは煩い店側からの『いらっしゃいませ~~~』という言葉が途切れた

「「いらっ・・・  ませーー?」」

パリッとした仕立てのよい細身のスーツを着込んだハンサムと、上質なパンツスーツを身に纏い豊かな黒髪はゆるく巻かれた背の高い美女・・・・・・居酒屋には頼んでも来てくれなさそうな2人に戸惑っていた

大きな瞳をくりくりと輝かせた薔子は170余りの長身を屈めて暖簾をくぐると、歓声を上げていた

「そう~ これこれコレよ! 私が求めてたのはこのお店だわ」
「良かったね薔子ちゃん さ、席につこうか」

さりげなく薔子の背中に手を添えた神戸が、店員を目で促し 席へと案内させる

「おい! 待ちやがれ」
「先輩、それ犯人用の言葉ですから止めときましょーね?」
「おい、行くぞ」

掘り炬燵になった座敷に案内された5人は、メニューを見始めた

「何で俺の隣が芹沢で、神戸と鈴城が向かいなんだよ」
「知りませんよーー さっさか2人で座っちゃたんですから僕に当たらないで下さい~~~」
「早く頼むぞ! 俺は早く飲みたいんだ」

三浦の言葉に伊丹も芹沢も慌ててメニューを眺めた

向かいでは・・・・・・

「薔子ちゃんはヤキトリ?」
「はい ・・・このホッケも美味しそう」

「じゃ、僕がホッケ頼むからヤキトリと半分コしようよ」
「先輩! ナ~イス」

「じゃ僕らはヤキトリとホッケにビールでお願いします」
「俺らは枝豆とアジの開きと唐揚げとビールにチューハイ」

並べられた料理の上で乾杯をする5人

追加で料理や酒を注文していけば、ほどよく酔いが回ってくる

「嬢ちゃん ほらアジも旨いぞ! 食べてみるか?」
「三浦さん、Thanks・・・  うまっ! ホッケも良いけどアジも旨いわ」

「警部補どの~飲んでますか?」
「飲んでますよ そんなにくっつかないで下さい伊丹さん」

「あ~あ、先輩ったら緊張しちゃって空きっ腹にガブガブ飲んだから30分で出来上がっちゃったよ~」
「うるへっっ!!!  警部補どのーーーー  なんでアンタはそんないい男なんですか!!!」

「いや、伊丹さん・・・って、近いから!!!  僕はそんな趣味ないですからね、離れてくださいってば!!!」
「てば! てばですか?  おーーい、手羽先くれぇ~~」

「あああ 勝手に頼んじゃったよ この人」
「先輩、飲みすぎですって!  もぉ~~ 僕これから彼女と会いたいんですよ。 なので神戸警部補殿、お願いしますねぇ~~」

「ちょ! ちょっと芹沢さん! 逃げようったってそうはいきませんよ!」
「いててて・・・ 襟首掴まないで下さいよぉ~~」

「せぇーーりぃーーざぁーーわぁーー  チューハイの梅割り持ってこぉーーい!!!」

「まだ飲むんだ・・・」「まだ飲むんですね・・・」

その後、伊丹に捕まった神戸と芹沢は絡みに絡まれて過ごすのだった・・・・・・その頃、薔子はと言えば

「嬢ちゃん この店は刺身も旨いんだ食べてみるか?  おお、枝豆も食べてみろ」
「はい! 枝豆うまっ」

「何でも旨そうに食う嬢ちゃんだ」

「手羽先が届いたか・・・嬢ちゃん、熱いが旨いぞぉーー」
「はぐはぐ・・・・・・うまっ!!!  ビールに合う~~~」

「いい飲みっぷりだなぁーー  ほれ、これもいけるだろ?」
「チューハイですか?  ああ、美味しい!」

こちらは父と娘が飲んでいるように、ほのぼのとしてた・・・・・・

宴は続いたそうだ。。。

*****

ほんと捜査一課の3人の絡みが好きです(笑)

では、(o・・o)/~
     

③相棒 《王子と愛車》

薔子の祖父には 夏八木 勲さんがいいと思う管理人の すーさんです
そして彼女を溺愛していたらなおヨシ! (^_^)ノ
そんな話です(笑)

えっと、相棒お好きな方だけお楽しみくださいね・・・  無理はせずに、分からない方や嫌いな方は他のお話へ行ってくださいね

***

朝から水をごくごくと飲んで頭を振る神戸と、笑顔の薔子は特命係へと歩いていく

偶然エレベーターの中で一緒になった2人。。。

「昨日は散々だったな・・・」
「私は楽しかったですよ」

「薔子ちゃんは三浦さんに随分なついてたね」
「だって美味しいもの食え食えって勧めてくれたし・・・  何かお父さんみたいに安心できて」

「お父さん・・・ね」

まぁ、伊丹さんと親しくなるより安全パイだよね・・・三浦さんは

「先輩は昨日、伊丹刑事と仲良しだったじゃないですか! まるで恋人のようにピッタリとくっついてましたね!」

ケラケラ笑う君の大口開けた笑顔を、僕は見つめる・・・・・・綺麗な顔なのに色気なんかゼロの笑顔!  なのに どうしてかな?  僕も笑顔になるよ

「おやおや薔子さんはご機嫌の様ですね~」

特命係の部屋に入ればそこには優雅に紅茶を飲んでいる2人の上司の杉下右京がいた

「おはようございます 右京さん」
「おはようございます杉下警部」
「おはようございます」

挨拶を終えて机に向かい本日の業務を調べれば・・・特命係は雑用係、何があるのか・・・何もなく暇なのか・・・・・・

「すみません右京さん 少し空けても宜しいですか?」
「どちらへですか」

「捜査一課へ行きたいんです」
「なんでまた?」

その薔子の言葉に焦る神戸

「昨日は楽しかったですから御礼を言いたくて・・・・・・それとコレ」

何やら水筒を出す薔子に右京も興味を惹かれたか間近に寄ってくる

「それは水筒ですね しかも2つも・・・差し支えがなければ中身が知りたいのですが・・・」
「ふふっ 右京さんは嫌がるんじゃないかな? 中身は熱~い梅昆布茶です」

「おっと!そうでしたか・・・  察するに二日酔いであろう伊丹刑事、三浦刑事、芹沢刑事の為に作られたんですね?」
「はい!  届けて来ても宜しいでしょうか」

「暇な部署ですから、自由になすっていいですよ」
「では行ってきます」

「僕だって二日酔いで頭痛いのになぁ~・・・  って、もう行っちゃったよ」

元気よく部屋を出ていった薔子に神戸の呟きは聞こえなかった・・・・・・

「あーあ・・・  薄情な後輩だな・・・・・・あれ?」

入口から自分の机に戻った神戸の目には、先ほど薔子が持っていたのと似たような水筒がチョコンと乗っていた

付箋がぺたりと貼ってあるのを見れば、自分宛へのメッセージが書いてある

《先輩、熱いから注意してくださいね》

「やった・・・  ふぅ~~・・・  あちっ」

優しい後輩を持ってよかった

「薔子さんはああ見えて優しい娘なんですよ~  君には見抜けませんかねぇ~~~」

今度は頭ではなく上司の冷たい目が痛い神戸だった

***

「三浦さん」
「おや嬢ちゃん どうした?」

特命係の薔子が捜査一課へと来たものだから、他の刑事達が何事かと見つめている

「おはようございます」

集まった視線の先へと綺麗な微笑み付きで挨拶をすれば、美人な薔子を見続ける事など出来ない男だらけ。。。

皆が頬を赤くしながら目を反らせていた

「三浦さん、良かったら飲んでください」
「こりゃ何だい?」

「梅昆布茶です! 二日酔いには効きますよ」
「ありがとうな嬢ちゃん  生憎と伊丹と芹沢は屋上でサボりなんだ」

「くすっ・・・  2つ置いてきますから皆さんでどうぞ。水筒は明日取りに来ますね」
「(伊丹の奴ここに居りゃー良かったと悔しがるだろうな) ありがとうな」

水筒を渡せた薔子が上機嫌で部屋を出ていった五分後、サボりから戻ってきた伊丹の悔しそうな唸り声が捜査一課の部屋に響いたのだった

***

一方、薔子は特命係へと戻っていた

「おっ! 暇か?」

戻った早々、組織犯罪対策5課の角田課長が愛用のパンダのマグカップ片手に入ってくる

「おっ!コーヒーのいい匂いがするね~~~ オマケに美人のいい匂いもするなぁ~~~」
「角田課長! ちゃんとコーヒー用意してありますからお世辞なんて言わなくてもいいですよ」

「ははっ ありがとよっ・・・鈴城警部はキリマンが好きなのかい?」
「はい 角田課長はどんな豆がお好きなんですか? 今度、用意しますが・・・」

「いいよいいよ、俺はこうやって・・・ つるべ取られて貰い水、ならぬ貰い珈琲でいいから!鈴城ちゃんの好きなのでいいんだ」
「それって確か・・・朝顔に つるべ取られて もらい水・・・ですよね?」

「お!鈴城ちゃん学があるね~・・・ 確か詠み手は」
「僕の記憶が確かなら加賀千代女(カガノ・チヨジョ)ですよね」

杉下が楽しそうに話題に入り、暫し盛り上がっていた

その後、角田課長も組対5課に戻ったとき特命係の電話が鳴り響いた

「はい、特命係の鈴城です・・・・・・は?・・・・・・はい」

「どうしたんでしょうかね、薔子ちゃん」
「・・・どうでしょうか」

電話を終えた薔子が此方を見て肩を落としている

「じぃちゃんからの呼び出しです・・・  携帯に出なかったから此方にかかってきました」
「それでは直ぐに行かないといけませんねぇ~ あの方の事ですから手を回してるでしょう・・・刑事部長辺りが
呼びに来るのも紅茶が不味くなりますから、行ってらっしゃい」

「いいんですか?  では今から行ってきます」
「神戸君、送ってあげて下さい」

神戸は嬉しそうに薔子と自分のコートを取った

「「では行ってきます」」

2人が出ていった後、右京が紅茶を煎れる音が部屋に響くのだった

***

警視庁の地下駐車場に来た神戸は愛車に薔子を案内した

「あ!日産GT-Rだ・・・  カッコイイ」

ふふん 伊丹刑事にはキザったらしぃ車だとか言われてるけど、カッコイイものはカッコイイんだよん♪

「さ、乗って?」

助手席のドアを開けて薔子を乗せた神戸は、軽快にエンジン音を響かせ警視庁を後にしたのだ

《ブォルゥゥゥゥーーーンンン・・・》

運転の荒い神戸だが隣に女性を乗せているのだから、彼にしては抑えて運転している

「何だか祖父の家に行くだけなのがもったいないな」

窓を流れる景色を見ながら、薔子が小さく呟くのを神戸は聞き逃さなかった

「え どうして?」
「せっかくのGT-Rだし、天気もいいし高速でも飛ばしてドライブとか行きたいな・・・  なんて思って」

「ん~~僕もそう思うけど今は薔子ちゃんのお祖父さんの所に行かないと・・・ね」
「ですよねーー」

少しガッカリさせたかな?  ふふっ そんなしょんぼりした顔も、可愛いな・・・  もしかして僕って・・・  薔子ちゃんのこと本気になってるかも・・・

「今度さぁ・・・休みが合ったら行かない?」
「へ?」

「くすっ・・・  ドライブだよ 僕・・・  俺の、車で」
「いいんですか?」

「もちろん! 薔子ちゃんだからいいんだよ」

にこやかに言えば彼女の頬が少し・・・  赤くなる

普段は男勝りな君がこういうとき、女の子になるんだよね

それが堪らないっていうか、俺を煽っちゃうというか

あれから何度か剣道場で手合わせしたけど、初めてだよ薔子ちゃん

女性で試合中の俺を本気にさせたのってね・・・・・・しかも、どうやら剣道だけじゃなく君自身にも本気になったみたいだし

今まで付き合った女性がいないなんて嘘は言わないけどさ、こんな気持ちは・・・・・・感じたことがないよ

おっと! 残念だけど着いちゃった・・・・・・って、此処?

立派な門構えがまるで時代劇みたいだ

あれ? 門が静かに開いて警備員かな?中に入れと誘導してる

「先輩止まって下さい! 私は此処で降りますから・・・」

「入っていいみたいだよ 残念、入っちゃった~・・・  あはっ」
「あはっ  じゃないです・・・・・・もう遅いか・・・」

薔子ちゃんのお祖父さんなら前警察庁長官でしょ?

会ってみたい気もしてたし、どうやら僕が一緒に来てるのも分かってるみたいだし・・・・・・招待されたなら受けないと失礼じゃない?

駐車スペースに車を止めて僕は薔子ちゃんと《鈴城邸》に降り立ったんだ

「薔子お嬢様と神戸様、此方へどうぞお越しください」

玄関に立った途端、中から白髪の執事が出てきて入るよう促された

日本家屋に洋装の執事って・・・・・・あ、でも中は洋間っぽいんだ

和洋折衷の絶妙な作りに感心しながら廊下を歩いた

「先輩、驚かないで下さいね・・・  何を見ても」

真剣な表情で僕を見る君は、同じくらいの身長だからか目の前で・・・・・・ああ、どうしよう・・・・・・強張った君にキスをしてリラックスさせてあげたいな

扉が開いて中へ入れば豪華なソファーに座った、夏八木勲似の男性が居た

「薔ぉぉぉ~~~子ぉぉぉ~~~」

待ってましたとばかりに両手を広げた夏八木勲似の男性は、そのまま立ち上がり駆け寄り・・・・・・薔子ちゃんに抱きついた

「薔子~~~いつ以来じゃ?  大きくなって益々女っぷりが上がったの~~~ 益々菊江に似ておる」
「お祖父様、週末にお会いしてますが」

「そのクールな口調も菊江にそっくりじゃ~・・・」
「落ちついて下さい、お祖父様 此方は特命係の先輩で神戸 尊さんです」

そこで初めて僕を見た鈴城前長官は豪快に笑って、僕の肩やら背中をバンバン叩いた

「はぁーはっはっはっ すまんのー儂は薔子が可愛くてな、会うとつい!興奮してしまうんじゃ」

「・・・けほっ いえ、お孫さん思いの良いお祖父さんですね」
「ほ? ほぉ~~~そうか?」

うわっ 何だろ!急に表情が変わったよ! 悪人が悪事を企んで笑ってる様な不気味な笑顔なんだけと!

「儂の妻の菊江はな、とびきりの美人で性格も良くてなあ! だが若い頃に死んでしまっての・・・菊江が産んでくれた子供達は皆儂に似てしもうて・・・」
「先輩! 話し長いですからソファーに座って下さい 珈琲か紅茶か玉露かコーラのどれがいいですか?」

「珈琲で・・・ってお祖父さんあそこに置いてきていいの?」

部屋の入口に祖父を置いて、さっさか奥のソファーにすわる薔子に神戸も続いた

「じゃ、珈琲2つでケーキもね! ああ、いいですよ自分に酔ってますから放っといて」
「そ・・・そうなの?」

「父は5人兄弟なんですがね 唯一の母親似なんです・・・  で、私は父親にそっくり・・・  イコール!」
「薔子ちゃんはお祖母さんにそっくり・・・なんだ」

切々と亡き妻の思い出を語るお祖父さんに、それだけ愛してたんだなぁ~~~と見ていたら・・・・・・僕もそれだけ愛する人に・・・出会えたらいいなと、不意にそう思った。。。

薔子ちゃん・・・  君がそうなるような予感がするよ

「全く顔を会わせりゃ菊江、菊江って・・・・・・まぁ、それだけ愛されるお祖母ちゃんが羨ましいですがね」
「え?  どうして・・・」

なになになに?  なんで薔子ちゃんまで切ない顔して・・・・・・溜め息までついて・・・・・・色っぽいじゃん

「鈴城の名前じゃなくて・・・ただの薔子という私を、じぃちゃんみたいに愛してくれる人がいたらいいなぁ~~~・・・・・・なんてね!あはっ」

「薔子ちゃん・・・  俺がいるよ」

真剣な顔で、眼で、君に届けとばかりに・・・・・・想いを込めて、薔子ちゃん  君を見つめよう・・・・・・途端に君の顔が焦り出すのに内心、くすりと笑いながらも そんな初な君がたまらないのさっ!!!

「先輩?」
「・・・なんてね!」

ウィンクで誤魔化したけど危ない危ない・・・・・・つい本音がポロッと出ちゃったけど薔子ちゃん引いてないかな?

「や・・・やだな先輩 びっくりします」
「くすっ・・・頬が赤いね・・・林檎みたい」

また女の子になった薔子ちゃんが可愛くて、伸ばした指先で彼女の頬に触れた・・・

「せ・・・先輩? あの・・・」

《じぃ~~~~~~・・・・・・》

気がつけば伸ばした腕の上から顔を出した至近距離で、お祖父さんが僕達を交互に眺めている

「うわあぁぁ!!!」
「ぎゃあっ!!!」

慌てて離れたけど、あ~~~びっくりした

「神戸君と言ったかな・・・」
「はい なんでしょう」

「うちの薔子をどう思うかね?」

じっと僕を見る鈴城さんの眼には恐いほどの力があって、これが70歳を過ぎてる老人とは思えないほどだ

そんな迫力満点の方にまるで追い詰められた犯人の様に睨まれたら・・・  僕は背筋に冷や汗が流れるのを感じ
ながらも、にこやかに笑顔を絶やさずに見返し・・・  こう言った

「僕の後輩であり同僚であり・・・  とても魅力的な女性です」
「そうか! 魅力的か! 胆の座った良い眼をしとる! 気に入ったぞ」

ガハハッと豪快に笑ってソファーに座る鈴城元長官に、一気に身体中から力が抜けて倒れそうな僕を薔子ちゃんが隣にきて支えてくれたのが嬉しいよ。。。

やっぱり全警察のトップだった人は違うよ・・・・・・迫力と何ていうかオーラが・・・・・・  はぁ~~ 疲れた

「で、2人はチッスくらいはしたのか? ん?」

≪ ぶぅうううううーーーーー ≫

盛大に珈琲を噴き出した神戸に、真っ赤な顔をして怒る薔子を愉しそうに見る祖父・鈴城 勘兵衛だった




~~~オマケ~~~

「で? 本当のことを言うてみぃーー  チッスはしたのか? どうなんじゃ!!!」
「そんなの! してません!!!  大体、おじぃちゃん先輩に失礼だわ!  凄くモテる人なんだから私なんて・・・・・・ 問題外よ」

「なに? 薔子では不満だというのか? こんなに綺麗で可愛い儂の孫の どこが不満じゃーーーーー!!!」

「ええ? そんなこと思ってないし、僕は薔子ちゃんさえ良かったらいつでもどこでもOKだよ  僕と大人の階段 昇ってみようよ」
「ええ? せ・・・せ・・・せ・・・先輩ーーー???  キャラ変わってないですか???」

「そうか、神戸君!」
「はい、おじい様」

「式場はどこが良いかのぉーー  昔から贔屓にしておるオークラとかは、どうかな?」
「式場はやはり花嫁の意向を聞かないと・・・でも、可愛らしいものの好きな薔子ちゃんですから・・・・・・・ごにょごにょ・・・・・は、どうでしょうか?」

「ほ? ほぉーーー  お若いの、なかなかに女心を把握しておるのう・・・ うっひっひっひっ」
「いえいえ、おじい様ほどではありませんよ♪  今度デートで誘ってみようかと思ってまして、よろしいでしょうか?」

「いいぞ! 儂はあんたが気に入った! デートに誘ってやってくれ・・・・・・実はな警察庁では儂の言葉が効きすぎての・・・  儂が恐くて薔子を誘うような気骨のある男はおらんかったんじゃ! 花の盛りなのに仕事場と家とを往復するだけな孫に、儂は悪い事したと反省しておったんじゃ」

「そうですか・・・  では僕が薔子さんとお付き合いさせていただいても、おじい様は反対はされませんね!」
「おお! 反対などはせんぞ! 付き合ってくれるか?  ・・・・・・・・だが、許せるのはチッスまでじゃからな!!!  分かったな!!!」

「胆に命じておきます では今後は、おじい様と呼ばせていただきますね」
「かまわん かまわん  何なら君もここに住んで薔子と一緒に警視庁に通えばいい」

「それは有り難い申し出ですが、お断りさせていただきます おじい様」

「なぜじゃ? 食事も掃除も全て面倒みるが・・・・・」

「1つ屋根の下にいては薔子さんに夜這いをしないとは誓えませんので」

「はっはっはっ!  気に入った! 気に入ったぞぉーーー神戸君」
「おそれいります」

「誰かぁーーー この2人止めてぇぇーーー」

薔子の叫びが屋敷中に響いたとか、なんとか・・・・・・

おあとがよろしいようで チャンチャン♪

*****

意気投合しちゃった神戸さんと、勘兵衛さん

パワフルな2人に立ち向かえるかヒロイン!!!

では楽しんで頂けたら嬉しいです (o・・o)/~
     

④相棒《王子と緑と・・・》

携帯で眠っていた「相棒」話に、神戸熱が再燃しちゃいました

貧血で朦朧とした頭でも、妄想は出来るんですね!  しかもパソコンの画面より、携帯の方が書きやすいんですよね・・・

時間の合間にパソコンに向かわなくても書けるところが、楽なんでしょうね!

見ていただけると嬉しいです

***

特命係は暇な部署・・・  だから雑用やら何やらを他の部署から回される

今、薔子ちゃんがとってる電話もそうだ・・・・・・  角田課長が言っていた厄介な電話

捜一から回された電話がそれで、一方的に喋ってくるオバサンだそうな・・・それを親身に受けてる薔子ちゃんのボールペンがメモを走る

僕は彼女をランチにでも誘おうとしてるんだけど・・・

「杉下警部! 数日前に起きた殺人事件について手がかりが出るかもしれません」
「では今から向かいましょう」

おいおいおい! 僕抜きで行くおつもりですか?

「車、出します」

僕が言えば杉下さんの眉がピクリと動いたけど、仕方ないと言うように頷いた・・・  笑顔なんだけど目が笑ってないんだよね

薔子ちゃんから渡された住所に行けば、投稿が載った雑誌を持ってきた主婦の方

にこやかに笑顔で対応すれば被害者の家の事だそうで、数日後ある年配の御婦人が訪ねたそうだ

杉下さんの悪い癖でその御婦人の家にもお邪魔した僕達・・・

翌日からは僕だけがミス・グリーン=緑さんを張り込むことになったんだけどね・・・

「植えるの手伝ってくれないかしら?  刑事さん」

僕って張り込みの才能無いのかな?

「はい!」

何でも手伝って毎日通って一緒に紅茶を飲んで、緑さんと僕は楽しく会話する

「私から見れば貴方は初々しく芽吹いた新芽よ」
「僕が新芽!? 緑さん僕がいくつか知ってますか?」
「うふふ・・・貴方は新芽よ」

つかの間の楽しい一時だった

***

別々に捜査している杉下さんと薔子ちゃんと、特命係の部屋で今日あったことを報告しあってたんだけど・・・・・・出てくる事実や証言が、緑さんが犯人だと示していった

緑さんがアップルパイを切り分けてる隙に、僕は玄関を探って・・・・・・血がつき曲がったステッキを見つけた

「警察は勝手に人の玄関を探るのがお上手なようね」
「コレ、預からせてもらいます」

「好きにすればいいわ」

・・・・・・事件は翌日に起こった

緑さんは妹を池に落として死なせたアイツらを許せなかったんだ

一言、すまないと謝罪の言葉をかけてくれれば違ったのだろうが、ハプニング映像を撮ることに夢中な彼等はしてはならない事にまで手を出していた

わざと仕掛けを仕組んでハプニングを起こし、その様子をビデオに撮るという悪質な事をしていたんだ

その為に緑さんの妹さんは池に落ち、死んでしまった

どれだけ無念だったろう・・・・・・だけど緑さん! 殺しちゃ駄目だ! 駄目なんだ!

杉下さんの推理で緑さんが公園にいる事が分かり急行するが、くそっ!SITも来ている

手製の爆弾を持った緑さんを射殺するためか!

・・・・・・俺は緑さんの目の前に行き、立った

「・・・貴女に新しい芽は摘めません」

緑さんは説得に応じてくれた・・・  良かった

緑さんを捜一が連れていった後、杉下さんが言った・・・・・・SITの向けた銃口の弾道に僕が立っていたから、彼
等は撃てなかったと

「ただのハプニングですよ・・・」

ふふっ 軽口で誤魔化したけど、その通りさ・・・  緑さんをむざむざ撃たせたくなかったんだ・・・

***

先輩が緑さんの目の前に立った

チラリとSITの位置を確認していたのを、私は見ていたが・・・・・・先輩が自分の体を緑さんの楯にしてSITの銃
口から彼女を守っている事に・・・気がついた

厳しい顔した先輩は緑さんと懸命に話してた・・・・・・その背中を見つめながら私は一度、先輩と緑さんを手伝いお茶を飲んだことを思い出していた

僅かな日数だけれど緑さんの前で屈託なく笑う先輩を見て、2人の間に通う暖かみを感じてた

「先輩・・・」

緑さんは、きっと先輩の説得に応じてくれるはず・・・

私は先輩を信じ、緑さんを信じ、2人の間に通う暖かみを信じた

先輩の広い背中が、逞しいと思いながら・・・

息詰まる時間が過ぎたあと緑さんは爆弾を先輩に渡した

その時、自由になったもう1人のハプニング仕掛け人が緑さん目掛けて拳を!!!

・・・考えるより体が動いてた

私は緑さんの前に出て奴の拳を左手で受け止め、右手で奴の首を握りしめていた

「な・・・何すんだよ・・・俺は被害者だぞ!こんな事した婆に一発入れた・・・ぐぅ~~~」

「てめぇらの仕掛けで人が1人死んでるんだよ・・・目の前にいる御婦人の妹さんがな!!!  姉妹で肩寄せあって生きてた平和な暮らしを、てめぇらが奪ったんだ!!!」

私の言葉に奴は黙り、右京さんが私の手を首から離させ、伊丹さんが奴を他の警官に連れていかせた

「お怪我は無かったですか?」

私は微笑みながら緑さんに聞いたんだけど・・・彼女は驚いたような顔から直ぐにいつものように微笑んでくれたの

「大丈夫よ・・・  でも年頃の娘さんが随分な迫力ね」

えへへっ・・・ 笑って誤魔化しとけぇ~~~

緑さんが伊丹さん達に連行されたあと、歩いてるときに右京さんが先輩に銃口から緑さんを庇ったんだろうと言っていたんだけど

先輩は照れくさいのか軽口でかわしてた

「それにしても薔子ちゃんがあんな口調になるとは、びっくりだよ」
「僕もそう思いますよ、薔子さんは年頃の娘さんなのですから少々言葉がすぎるような気がします」

あう~~~ 2人に言われると堪えちゃうな

「そうですよね・・・いっつもコレで男の人から引かれちゃうんですよね」

番茶も出花なお年頃なのに(過ぎてるなんて言わないでよ!)男性から引かれちゃって、まだお付き合いとかした事ないんだよなぁ~

「いつもって、何回もあるの?」
「ぐっ!!!  先輩、突っ込んできましたか~~~できれば知らんぷりしてほしかった」

「無理無理!突っ込まずにおられますか!  で、何回なの」
「えっと・・・最初は日本に来たばかりの高校生のとき、気さくに話しかけてくれてた同級生と帰ってたとき引ったくりにあい取り押さえました・・・その時に口調が変わって・・・犯人に啖呵切ってて・・・」

「ふ~ん 1回目ね」

顎に手をやる先輩が、ニヤッと私を見てる視線に何だろ・・・心臓が速くなる

「次は大学のときに告白されてる最中に強盗犯が突っ込んで来まして、取り押さえました」
「で、やっぱりああいう言葉になっちゃったと・・・」

「はい・・・」

ふぅ~ん・・・って先輩! 面白がってますね!

「3回目は?」
「警察大学のときにコンパに誘われたレストランで・・・」

言いたくないなぁ~~~・・・と口ごもってると右京さんが、ポンと手を叩いて

「それは僕も知っていますよ 確かレストランのオーナーを恨んだ犯人がお客を人質に籠城してましたね」
「隙を見て後ろから手刀かまして気絶させて確保したんですが・・・その時、犯人を罵倒するオーナーに怒鳴ってしまって・・・」

「で?4回目は?」

ふふん・・・て、先輩・・・何ですかその色っぽい流し目は・・・なんか、なんだ、このトクトクトクッて忙しない鼓動は!

「薔子ちゃん? どうしたかな?」
「よ・・・ヨンカイメなんて!ありまっせん」

「くすくす・・・何でどもるかな~?  ん゛ーー薔子ちゃんは可愛いね♪♪♪ その男に免疫ないってモロ分かりな態度が、いいよねぇ~」

う゛~~~なんかバカにされてるみたいで悔しい・・・・・・ので、私は先に警視庁に戻ると右京さんに言ってからパトカーに乗せてもらった

「あ~らら・・・逃げちゃった」
「君も人が悪いですねぇ~ 薔子さんが色恋沙汰にはトンと不器用な照れ屋さんだと分かっていながら、からかうなど」

「・・・照れ屋さんって! 見かけによらず可愛い言葉遣いするんですね」
「・・・僕は寄る所がありますから、君は先に警視庁に戻ってください。では」

「うわぁ~ こっちも逃げちゃった」

くすくす笑いながら神戸は右京と別れ、警視庁に戻るのだった

***

「ごめんね・・・パトカーに乗せてもらって」
「いえ!私達も戻る所でしたので大丈夫です!」

薔子は現場近くの交通整理をしていた婦警のパトカーに乗せてもらっていたのだ

「真理先輩を救って頂いた御方なんです!いつでも言ってください」
「あ!結婚間近の真理さん!」

「はい!あと3ヶ月でお式だそうです」
「2人とも敬語なんていいよ・・・結婚かぁ~ なんか憧れるよね~」

「鈴城警部も興味ありますか?」
「あはっ いい人がいたらとは思うけどね~ 出会いが無いよね、出会いが!」

特に警察官だと普通の男性には出会えないよね・・・ふむ、じゃ身内から・・・ナイナイナイ

じぃちゃんの望み通りなんてのも、なぁーー

ぶつぶつ呟く薔子を見た前に座る2人は目配せしあい、助手席の娘が恐る恐る話し出したのは・・・

「あの~~~良ければ今夜・・・」
「ん?なになに?」

***

薔子ちゃんが変だ!

大きな仕事を終えた僕達は、雑用などを片付け・・・それも終われば、思い思いのことをしているんだけど・・・

薔子ちゃんが変だ!

壁に架かっている時計や自分の腕時計を見て、ソワソワと落ち着きがない

そのくせ僕が話しかけようとしたら、態とらしく杉下さんと話し出す

・・・・・・なんか、におうな

「定時になりましたね♪ では杉下警部、神戸先輩、お先に失礼します♪」
「えっ? もう帰るの?」

2人で打ち上げしようと思ってたんだけどな~・・・

「はい! 四度目の正直で頑張ってきます」
「四度目? あっ、おい! 行っちゃった」

「四回目にならないよう頑張ってほしいものですね」

紅茶を飲む右京の呟きに神戸が『ふぅ~ん』とペットボトルから水を飲む

「若い方の何て言いましたかねぇ~ 男女が集まり親睦を深めるというのを~ 僕とした事が度忘れしてしまいました・・・  あ!合コンですね」

《ぶぅ~~~》

「ご・・・合コン!?」
「なんでも帰りのパトカーで仲良くなった方達とのお食事だそうですよ~」

「だ、だ、誰ですか!相手は!」
「交通課の若い婦警さんだそうです その方達にお化粧も習いたいとか言ってましたね~」

口元や胸元に垂れた水を払いながら、神戸は「なんで?」と呟いた

聞き逃す上司ではなく、ニンマリと眼鏡の奥の瞳が笑って神戸を横目で見やる

「神戸君、君が言った言葉を覚えていますか?」
「え? 僕、何ていったっけ・・・」

「《男に免疫が無いってのがモロ分かりな態度が、いいよねーー》だと記憶しています」
「今の軽薄なバカっぽい喋りは僕のマネですか? ・・・っていうかソレがどうして合コンに?」

「薔子さん曰く《経験値を上げるには突き進むのみ!》と・・・」
「また男前なこと言って! じゃなくて経験値上げたいなら僕がいるでしょうに!!!」

「はぃい~~~」

・・・・・・しまった 本音がポロッと・・・・・・あ゛あ゛あ゛~杉下さんには知られたくなかったのに゛い゛~

ええーい! この際もうどうでもいい!  相手は?場所は?

「お相手は確か証券マンとか何とか・・・ 場所は前に一度、神戸君に連れていってもらったお洒落なバーとか・・・」
「お先に失礼します!」

僕は上着を引っ付かんで地下駐車場に急いでいる途中、杉下さんの言葉を思い出していた

薔子ちゃんが着替えるなり化粧してもらうなりって事は、もしかしてまだ警視庁に居るかもしれない

その考えに至った僕は交通課まで走ろうと足の向きを変えた、その時、胸ポケットから振動・・・携帯だ

「はい神戸です」
「1つ言い忘れましたが、彼女はマンションで着替えると言ってましたねぇ~」

「薔子ちゃんのマンションは何処ですか?」
「僕が教えるとでも?親友の娘は僕にとっても娘同然ですからねぇ~」

「そうですよね!」

携帯を切ったあとの僕は再び駐車場へと走った

***

「ちっ・・・遅いな!」

席につきワインを飲む気にもなれずにイラついていた僕の頭上から低い男の声が降ってきた

「何をイラついている」
「大河内さん! どうして此処に・・・」

「1人で飲みに来たんだが、お前こそどうしてだ」
「僕は・・・人を待ってるんです」

神戸と同じテーブルに着いた大河内はワインを頼む

「ふん、そんな苛ついた顔して何が待ち人だ」
「・・・」

「お前に黙秘権は無い」
「実は最近イイなと思ってる娘が、此処で合コンするそうなんで張ってるんです」

「ふ~~んご苦労だな」
「大河内さんも付き合って下さいね」

「何で俺まで・・・」
「彼女が現れるまで、暇ですから!  暇なのは特命係だけで十分ですから」

それから暫くして、スーツ姿の男女が後ろのテーブルへと着いたんだけど・・・・・・

「婦警さんかぁーー  俺、すごく楽しみなんだけど!」
「お前、制服フェチだからな~」

「そういえば、お前の高校の時の同級生なんだろ?  その婦警さん」
「そうよ! 昔から優等生で気に食わなかったのよね!  だ・か・ら・・・・・・」

「え? お持ち帰りオッケーなの?」
「ええ! いいわよ・・・  証券マンて思ってるから調子合わせておいてくれたらいいから・・・・あとは自由恋愛よ!!!」

「俺達、小さい会社のしがないサラリーマンなんだよね~~」

男女の騒々しい笑い声は、静かなこのバーには、そぐわない

「お前達も 薔子ちゃんには そぐわない・・・・・・」
「面倒なことになりそうだが、大事な身内があんな輩の毒牙にかかるのを、黙っては見過ごせないな」

「なら、大河内さん  協力ヨロシクお願いしますね♪」
「ああ」

僕は薔子ちゃんを、こいつらには渡さない・・・・・・

*****

いよいよ、神戸さん始動しますね(笑)

プロフィール

すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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