①:≪闇と月光≫~卒業してからの道~

こんにちは&こんばんは! 管理人のすーさんです☆
いよいよ始まりました 第二章!!! ここではヴォルさんが初めて姿を表します

原作では紅い眼で、映画はブルーの眼なので・・・迷った挙句、普段はブルーで怒りや力を使った時に紅い眼になると致します(ええ、もちろん捏造設定でございますが、よろしくお願いいたします)

・・・・・・怒ってばっかりなヴォルさんですから、紅い目のままな感じもしますけど(笑)

*****

其処は、薄暗い部屋に暖炉の炎だけが灯っている・・・
その僅かな光に反射するプラチナ・ブロンドの主は、直立不動で何かを待っていた・・・

それは、何なのか・・・・・・部屋の隅には届かない炎の淡い灯火のなか、≪しゅー・・ しゅー・・≫という息遣いが聞こえ始め、プラチナ・ブロンドの主、ルシウス・マルフォイは身を僅かに、竦めた

「ルシウス・・・ 新しく死喰い人に入れる有能な人材は如何した?」
どこから現れたのだろう? ルシウスは突然に聞こえた声に≪あの方≫と理解はしたが、ふとそんな事を思っていた

「ルシウス・・・・・・ 見つかったのか?」

優しい、猫なで声のように優しい声に逆に背筋が寒くなり、慌てて身を正して直立する・・・・・・良い答えが応えられないのだから言葉に詰まってしまう

「我が君、それが・・・ 学生時代から目をつけていた者が首を縦に振らないのです」
「ほぉ・・・ 貴様の遣り方が生ぬるいのではないのか?」

「ははっ! 申し訳ありません 我が君」

端麗な顔が灯りの前に、ルシウスの前に進み出てニタリと笑う

濃いブルーの瞳が、面白そうにルシウスの顔を覗き込み・・・・・・・・笑い顔はそのままに、瞳が深紅に変わった

次の瞬間!!!

「うがぁあああ・・・・・・ ぐぅ・・・我が・・・・・・・君・・・・」

大蛇に体を巻かれ、力を入れられればルシウスの喉からは締め付けられる苦悶の声が聞こえるばかり

「んんぅぅ~~~・・・・・・ 良い声だ! 人の声で俺様が一番好きなのは、この声だ・・・・・」
「ぐはぁ・・・ 我が・・・君・・・もうし・・・・わけ・・・・・」

謝ることしかできないルシウスは、蛇に絞められ床に倒れながらも≪あの方≫を見つめて許してもらおうと手を伸ばす

「ナギニ、止めろ」
「ぐはっ・・・はあ・・・はあ・・・はあ・・・・げふっ・・・ごほっ・・・」

「アブラクサスの息子だ・・・ 父に免じて許してやろう」
「あ・・・ありがたき・・・幸せ・・・げほっ・・・」

さっと、何事もなかったように大きなソファーに座ったヴォルデモードが顎でルシウスに、向かいに座るよう示せば 慌ててはいるが流れる仕草で座るルシウス

流石と言おうか・・・・・・ルシウスは先程までの事など無かったように、一度、髪を背に流している

「その者の、名は?」
「・・・・・は・・・はい、セブルス・スネイプと申します」

「どうしてソイツを?」
「彼は卒業して直ぐから研究を発表し、1年余りで魔法薬学界では知らぬものがいないほどに名声を得ました・・・・・・我が君のお役に、きっと立てることと思っております」

「ふ・・・ん、なかなか面白いな・・・・・・」
「お気に召されましたか?」 

「・・・・・・・ルシウス、分かっているな?」
ブルーの瞳が、深紅に変わるとき・・・・・・ルシウスは、今度は命が無いと、思い知る

「はい、我が君・・・・・・仰せのままに」

深々と頭を下げてから姿くらましで部屋から去ったルシウスは、自分の屋敷へと戻ってから自室にこもるのだった・・・・・・

*****

卒業して、1年・・・・・・ 僕は魔法薬学の世界では名が知れ、本も幾つか出した

そうして資金にも事欠かない研究者となり、毎日スピナーズエンドの自宅で研究三昧な日々だ

今日も朝から調合しつつレポートを纏めていると、不意に呼び鈴が家の中に響いた

「・・・・・・誰だ?」
調合の手を止められて少々不機嫌になった僕が、ぶっきらぼうに扉を開ければそこに居たのは・・・・・・

「儂じゃ、久しいのぉ~~ Mr,スネイプ!」
「ダンブルドア・・・校長・・・」

何故、ダンブルドアが此処へ? 僕に何の用だ?

訝しげな僕の視線に気がついているのか、ふぉ・ふぉ・ふぉ・・・と笑うダンブルドアにソファーを薦め、紅茶をだす

・・・・・・・・・・・何を言い出すつもりなのか、この校長は。。。

「リョクは元気かの?」
「はい、薬草の世話を任せておりますが、なかなかの良い出来栄えです」

「のぉ、Mr,スネイプ・・・・・・いや、セブルスよ。 ホグワーツで教鞭をとってみんかね・・・」
「・・・・・・・・・は?」

この方は何を言い出すのだ? 

「スラグホーン先生がな、急に体調不良を訴えてのぉ・・・ 職を辞して、暫く休養したいと言っておるのじゃよ」
「・・・はぁ」

「そこでじゃ! 卒業してからの1年という期間で、君は魔法薬学の世界では権威になっておる! ホグワーツで教授となり、生徒を導いてやってくれんかのぉ・・・」
「・・・・・・考えさせて下さい」

「それはそうじゃの・・・ 考えることは良いことじゃ! ・・・・・・じゃが、こちらも余裕がないのじゃよ」
「もしや、9月の新学期から・・・などと、言われるのではないでしょうな?」

ちょっと待て! 今はもう8月も半ばだぞ!

この話を引き受けるも、授業の準備や引越しなど時間がなさすぎる!

全学年の来学期からの授業カリキュラムを考え、必要な薬草の補充からホグワーツに有る物の確認など時間がないぞ・・・・・・いや、待て待てセブルス・スネイプ!

あまりな急な話で僕は断ろうと、口を開きかけた・・・・・・その絶妙なタイミングで、ダンブルドアはこう言った

「・・・闇が動き始めたのじゃ・・・」
「闇とは、闇の帝王の事ですか?」

「察しが良いの・・・ 闇が動き始めれば、レイも動き始めるはずなのじゃ・・・」
「レイが・・・・・・」

「じゃが儂らはレイの動きが分からぬ・・・ 唯一、分かるのはリョクだけなのじゃ」
「・・・・・・」

「そして、リョクはこの世界の儂らの時代と、レイとを結ぶ唯一の橋じゃ・・・・・・ホグワーツの中で護りたいと思うてな」

その校長の言葉に僕は、手首にあるブレスレットに変化したリョクを見た

レイと僕を繋ぐ唯一の・・・・・・リョクは僕が命を賭けて護ると誓った

ホグワーツなら、此処よりも安全だ・・・・・・僕に万が一の事があった場合も校長がいる

「少し、考えさせて下さい」
「おお、分かったぞぃ」

なるべく早く返事をすると約束し、校長を見送った後に僕はソファーに座り考え始めた。。。

『////// 魔法薬学の教授とかも、似合うと思う・・・』
「そうか? お前がそういうのならば、引き受けてみようか・・・」

いつか、聞いた声が頭の中に蘇える

「お前は僕の助手だ・・・ 席を明けておくから、ちゃんと帰ってくるんだぞ」
『うん、薬草を育ててセブのフォローするよ!』

愛しい者の声が頭の中で、繰り返し、繰り返し嬉しそうに話している

ああ・・・レイ お前は喜んでいるのか?  僕がホグワーツで教鞭をとれば、お前が似合うと言った教授になるぞ・・・・・・


なあ、レイ・・・  此処に戻るか、僕を其処へと連れていってくれ・・・・・・

お前が居ない間に、3年の月日が流れたのに・・・・・・僕は、お前が・・・好きだ

毎日、無意識に・・・・・・心の中で、お前に話しかけては学生時代のお前と話した時を思い出し、会話しているなんて・・・・・・滑稽だろう?

寝ても覚めても僕の心の中には、あの頃のままのレイが居る・・・・・・色褪せずに、輝いていた頃のままで・・・・・・

なあ、レイ・・・  リリーがポッターと結婚するそうだ、式の招待状がこの間きたんだ

なあ、レイ・・・  リリーの花嫁姿、きっと綺麗だろうな

なあ、レイ・・・  お前も見に来てやれよ? リリーも僕も、待っているからな

なあ、レイ・・・  2人でリリーを祝福して、送ってやろう?

僕は決心して、ダンブルドア校長へと手紙を書き・・・・・・梟の足に結びつけ、飛ばしたんだ

*****

それからは早かった

何が早いって、手紙を送ったのは校長が帰ってからなのだが・・・ それが丁度昼ごろで、1時間もしないうちに家のリビングには≪しもべ妖精≫がうじゃうじゃとやって来た

「儂が無理を言うたのじゃ、ホグワーツの≪しもべ妖精≫を総動員してセブルスの引越しを手伝うぞ」

校長の一声で、僕の自宅に現れた≪しもべ妖精≫の仕事で荷物が次々と運ばれ、家中が掃除され半日もすれば引越しが完了した・・・・・・おそるべし、しもべ妖精

僕はアレはホグワーツへ、コレは置いておくなどと指示を出しただけだから疲れもしない

そのままホグワーツへと、しもべ妖精に連れていかれ校長室に姿あらわしで着いた僕は、校長との挨拶もそこそこに魔法薬学教室に向かった

教室の掃除などは済ませてあるが、肝心の薬草などはどうなっているのだ・・・・・・

教室横の執務室へと入れば、学生の頃、出入りしていた場所だ・・・・・・懐かしくもなる

どうやらスラグホーン教授は、必要な薬草などは揃えていってくれたらしいな・・・・・・

あとは薬品庫の中の確認か・・・・・・ 一日で済ませられれば、明日からは授業の事を考えられるな

そう思っているとマクゴナガル教授が僕を呼ぶ声が聞こえた

「Mr,スネイプ! どこですか?」
「ああ、ここです教授」

執務室の机の中を整理していた僕に、「夕食の時刻です」と声をかけに来てくれたらしい

2人、連れ立って大広間へと向かえばなんだか少し、くすぐったい気持ちになる

つい、1年前は教師と生徒だったのだが、それが今では同僚だなどと・・・・・・何だか、いや・・・かなり、照れてしまう

「Mr,スネイプ・・・ 卒業してからの貴方の活躍、嬉しく思っていましたよ・・・ 立派におなりになって」
「マクゴナガル教授、どうぞ僕のことはセブルスとお呼びください」

「セブルス、では私のことはミネルバと、そう呼んでください」
「はい」

「夕食後、校長からお話があるそうです」
「わかりました」

夕食の前に、僕が他の教授達へと紹介されたが・・・・・・皆が温かい拍手で迎えてくれた

僕のような若造が自分達の同僚になるのだ、多少は何かあるかと覚悟はしていたのだが・・・・・・杞憂に終わったようだ

滞りなく食事を終えた僕は、校長室へと向かった・・・・・・

*****

「何故だ・・・ この自宅にセブルスがいないなどと・・・  しかもこの前来た時より荷物が無い?」

ガランとしたリビングに煙突飛行でやって来たルシウス・マルフォイは、前と微妙に違うスネイプの家の中に、ただ呆然としていた

もともと必要最低限の物しか置かないスネイプの家は、パッと見には何も変わってないように見える

リビングから奥の研究室へ入ると、研究に使っていた様々な薬品や薬草などが減っていることに・・・・・・・ルシウスの予感は確定した

他人の家だが2階へと高級な絹仕立てのローブを翻して駆け上がった彼は、迷うことなく寝室のベット横に置いてあるテーブルの上を見た

「無くなっている・・・  レイという少女の写真が、無くなっている」

彼女がいなくなってからは特に、彼女の愛らしい笑顔の映る写真を何よりも大事にしていたスネイプの事を痛いほど知っているルシウスは・・・・・・ 愕然とした

「此処にはいないということか・・・  では、何処へ・・・」

彼は魔法省・・・自分の職場へと戻り、調べていたが・・・・・・分かった時点で、彼の冷たいブルーの瞳が見開かれた

「ホグワーツ・・・ だと?」

くそっ!!!  ホグワーツの教授職に任命されたと書かれた羊皮紙を握り締めたまま、ルシウスは苦々しげに顔を歪めている

そうそうホグワーツには入り込めない事を知っている彼は、スネイプを死喰い人に誘う手立てが思いつかないのだ

二度目は無い・・・・・・ 紅い瞳を思い出し、背中の真ん中に冷たいモノが走ったのに堪らず身震いする

しかし・・・  暫くは時間があるはずだ

この魔法省でマルフォイ家の力は絶大。。。

考えろ、ルシウス・・・  私が生き残り、我が君にも誉めていただく為にも・・・・・・考えるんだ、私

こうなれば長期戦で説得するしかないのは、セブルスの性格上分かりきったことだ

ならば・・・ ホグワーツに度々出掛けられる要件を作る・・・・・・

ホグワーツの護りは鉄壁だが、所詮は魔法省の管理下の施設に過ぎないのだから、大臣に話を通しておこう

卒業生でもある私がホグワーツに何かあるならば、直々に赴こうと・・・

それにあと、出入り出来るのは理事か・・・・・・ よし、私はホグワーツの理事になろう

さっそく、調べねばなるまい・・・・・・

それから暫くし、ホグワーツで最年少の教授と、理事が、誕生したのだった。。。

*****

こういう感じに始まりました、第二章です

最初はこのままシリアスに続いていきますが、途中からは明るい感じに変わります!

もう捏造しっ放しなので、受け止めて下さる方に感謝します \(^o^)/

ではでは (o・・o)/~










     

②:≪闇と月光≫~自らが選んだ道~

こんにちは&こんばんは! すーさんです☆
スネイプ教授の何がイイって、沢山ある魅力の1つには・・・・・・そう魅惑のベルベット・ボイスがありますよね!(ミルクチョコレートボイスとも呼ばれていますが・・・甘い声ですよね)
話の中で、教授が言う一言セリフを脳内でアランさんの声に変換したら、より一層お楽しみいただけます!

*****

「朝か・・・」
今日の夜には生徒達が、ここホグワーツに着く

僕はマダム・マルキンの店で仕立てた服に袖を通す

シャツ以外は全て黒を注文したが、全て生地から良いものを頼んだからな・・・着心地が良い

シャツの滑らかな手触り、厚手だが柔らかく動きを妨げないフロックコート、同じ生地で仕立てたズボン、そして、しなやかなローブを身に纏い・・・・・・僕は≪教授≫になる

年も近い教授など生徒には馬鹿にされることしか思わないのだが、卒業した1年で僕の身体は『男』へと変化していた

調合を軽んずる者たちは知らないだろうが、意外に重労働なのだ

硬い材料を正確な大きさに切り刻む腕と指先の力、何時間も鍋の前でかき混ぜ続ける体力、些細な変化も見逃せないゆえ集中し続けなければならない精神力

それら全てが自然と僕の身体を鍛えていた

この1年、研究に没頭していたからか僕は背も高くなり、胸も厚みが出て、腕も逞しくなった

レイといた5年生の頃には考えもつかなかったが、僕は青年という年齢らしく成長していた

そして、僕は今日・・・・・・新しく、僕を作ることにした

「我輩は、セブルス・スネイプである」
ゆっくりと、鏡に向かい宣言するように呟いてみた

「レイ、我輩は・・・お前がいつか似合うと言った教授になったぞ・・・・・・見に来るがいい」

サイドテーブルの上で、微笑んでいる少女の写真を手に取り眺める

「・・・・・・・・お前と出会った此処で、我輩は待っていよう・・・・・・」

≪  ことん  ≫

写真を置く音だけが、地下のこの部屋の中で僅かばかりに響いたのだった・・・

「・・・・・・・・永遠(とわ)に・・・・・・」

そうして漆黒の薬学教授は、部屋を出ていったのだった

*****

この頃、ヴォルデモードの意に反した魔法使いたちが亡き者にされる痛ましい事件が起きており、暗い時代が幕を開けた事は、小さな子供でも知っていた

その中でスネイプ教授の腕輪に変化していたリョクにも、ある兆候が見え始めた

校長室に着いたスネイプ教授が、腕輪を外し、リョクを癒すはずの液体の入った銀盆の中へと入れる

「どうしたのじゃ、セブルス・・・君がそんなに慌てて」
「校長、リョクが弱っています・・・・・・リョクはレイと魂が繋がっている。 レイに何かあったのではないでしょうか?」

一気にそう言ったセブルスに校長は重々しく、頷いた

「騎士団からの報告によれば、各地でヴォルデモードが魔法使いを襲っておるそうだ・・・ 自分の意思に反したという理由だけでな」
「それとレイは、どういう関係が?」

「報告では、襲われた半分の者たちが傷をおうても助かっている事があるそうな」
「助かる? あのヴォルデモードに襲われて?」

「・・・・・・・レイじゃ」

いつもの子供のような表情など何処かへやったダンブルドアの顔には、深い哀しみと、厳しさが現れていた

「レイは、この時代のヴォルデモードが人を襲っているときに≪時の狭間≫から攻撃を仕掛けておる」
「それでリョクがこのように弱っているのは・・・・・」

「リョクはこの時代をレイに繋ぎ留める灯台じゃ・・・ 今まではレイが見つけるだけじゃったのだろうが、リョクは灯台としてレイに見つかりやすいように力を送っておるんじゃよ」

「ですが龍の力は神の力に等しいと聞いています。 なぜ、こうも弱っているのです?」
疑問を叩きつけるように聞くセブルスに、ダンブルドアが再び頷いた

「其処じゃ・・・ 儂が思うにのぉ・・・ 神に等しい力を持っておってもリョクは、上手く引き出せんのではないのかの? レイがいないと思うように力を発揮できないのではないか?」
「・・・我輩もそのように思っておりました」

「儂に少しの間、預けてくれんかのう・・・セブルス  この年寄りで上手くいくかは分からぬが、リョク自身で力を使うことを身に付けて欲しいのでの・・・」
「・・・・・・必要ですな。 分かりました、校長」

くるりと踵を返して校長室を出ていこうとしたセブルスを、校長はその背中に声をかけた

「それからな、セブルスよ  儂は反対じゃぞ」
「・・・・・・何のことか・・・」

「とぼけんでもいいじゃろう・・・  君が死喰い人になることは、儂は反対じゃと言うたのじゃ」
「 くっ!!!  どうしてそれを・・・」

ガッ!と振り向いたセブルスの眉間には深い皺が刻まれて、その眼は鋭すぎる光を放つ

「我輩はレイを助けたいのです!!!  たった一人で戦っている、レイの助けになりたいのです!!!」
「セブルス・・・」

「我輩が死喰い人になり、向こうの情報を貴方に渡せば、不甲斐ない騎士団のポッターやブラックでも働きが良くなるのではないですかな?」

皮肉とともに、そう言えば校長は眉を顰めている

「セブルス・・・ 闇の帝王は甘くは無い 開心術をかけられ知られれば君の命は無いのじゃぞ?」
「それでも! それでも僕は、レイを・・・  助けたいんだ!!!」

「・・・・・・・愛とは素晴らしいものじゃが、時に、残酷じゃ・・・・・・レイが知れば、悲しむのではないか?」

今度こそセブルスは部屋を出ていこうとし、扉の前で、立ち止まる。。。

「・・・・・・我輩は、そんなヘマはしないし・・・・・・・レイを助けられるなら命などいりません 」

「セブルスよ、閉心術の特訓ならば儂がいつでも協力しよう」
「・・・・・・・・お願いします」

部屋を出ていったセブルスに向かって、ダンブルドアの声が追った

「レイの為にも死なないでくれ、セブルス」

≪セブ様は姫様の想い人・・・私が死なせません≫

いつの間にか銀盆から抜け出たリョクが、ダンブルドアの前に進み出ていた・・・・・・

≪私を鍛えてください・・・ 一刻も早く!≫

「この年寄りの持てる全てで鍛えてやろう」
≪はい!≫

これ以降、数日の間・・・・・・ 校長は連絡不能となり、副校長のマクゴナガル教授が対応に追われ・・・・・たまにヒステリーを起こしていた

*****

「はっはっはっ・・・セブルス、やっとその気になってくれたようだな」
「はい、自信がなく先輩を随分お待たせしました」

「今から、あの方のところへ向かい、君を死喰い人へと推薦しよう」
「よろしくお願いします」

いよいよか・・・・・・

我輩は、子供の頃から自分を守るため心を閉ざしていた・・・・・・ その為、閉心術には自信があった

ダンブルドアとの特訓で、閉心術では我輩に敵うものがいないとの確信も持てた

いざや、行かん・・・ 裏切り者との誹り(そしり)を受けようと、レイ、お前が戻るまで手をこまねいて待つだなどと我輩が、出来るはずもない

ふん、ポッターやブラックなどは不死鳥の騎士団などと言って集まってはいるが、いつも後手後手でしかないではないか・・・・・・・・奴等も情報さえあれば、上手く襲撃を止められるであろう

レイ・・・ お前が連れて行ってはくれないのならば、我輩がその場所へ向かうしかないではないか・・・・・

レイ・・・ 我輩はどの様に汚れようとも、目を背けるほどに穢れようとも、お前の助けになれればそれでいい

たとえ、そのために・・・・・・戻ってきたお前に嫌われようとも構わない

たとえ、蛇蝎のごとくに嫌われようとも・・・・・・ 

たとえ、あまりの穢れに・・・・・・ 二度とレイの傍にいられなくとも、二度とお前の笑顔が見られなくとも・・・・・・ 二度と触れられなくとも・・・・・・・


レイ、お前が生きて、この世界に戻ってきてくれれば・・・・・・我輩は、それだけでいいのだ

告げられないままに、我輩の胸の内に渦巻いている言葉・・・・・・レイ、お前を・・・・・・

今はまだ、人としての我輩から・・・届かぬだろうが・・・・・・・・・・・・・・愛している、永遠に。。。


いつの間にか屋敷へ辿り着き、部屋の扉を開けていた

「我が君、かねてより御報告致していました者です。 ホグワーツで魔法薬学の教授をしているセブルス・スネイプです」
「御初に御目にかかります。 セブルス・スネイプと申します」

大きなソファーとテーブルが1つづつしかない部屋の中で、恐ろしく妖しい美貌の・・・・・・自分と余り変わらない年齢かとも思える青年が、ふんぞり返って座っていた

ただ座っているのは彼1人で、暗い壁際から呼吸の気配を感じられることから何人も、いや、10何人位の気配を感じることができた

「お前が、セブルス・スネイプか・・・」
「はい」

「くっくっくっ・・・ ホグワーツでダンブルドアの傍にいるくせに、どうして俺様のもとに来た?」
「・・・・・・簡単ですな」

「ほぉ~・・・ 言ってみろ!」
「ダンブルドアはグリフィンドールで、我輩はスリザリン・・・ そして我輩はスリザリン出身を誇りに思っているのですから」

言いながら片眉を上げて首を傾げ、肩を竦めるセブルスに・・・・・・・ルシウスは口を開けるほど呆気にとられ、ベアトリックスは歯を剥き出して敵意を見せ、他の顔を出していない死喰い人も色めき立つ

「このっ! 我が君に無礼であろう! お前など私が殺してやる!」
キーキーと叫び始めたベアトリックスの声に、思わず眉を顰めたセブルスはローブの中で杖を握っていた

「控えろ、ベアトリックス・・・・・・  なかなかに胆の座った男のようだな」
「・・・・・・はい、我が君」
しゅん、と萎れたベアトリックスは壁際まで戻り、影の中に埋もれた

「ダンブルドアの動きと、騎士団の動きを俺様に報告しろ、セブルス」
「分かりました・・・・・・我が君」

片膝をついて礼を取るセブルスの前に、ふわりと進んできたヴォルデモードは彼の左手を取り、袖を裂き腕に自分の杖先を向けた

「ぐぅ・・・ぁっ・・・」
熱して真っ赤になった鉄串を無理やり腕に埋め込まれているような感覚に、セブルスの口から小さく一度だけ呻き声が聞こえた

見れば髑髏と蛇の模様が黒く、腕に浮かんでいる・・・・・・髑髏の口から出ている蛇が、うねうねと蠢いている

「これは俺様の手下になった者の、俺様への永遠の忠誠の証だ・・・・・・ これで貴様は死喰い人だ」
「ありがたき幸せ・・・」

「もし貴様が俺様を裏切れば・・・・・・」
ヴォルデモードの青の瞳が、細められた・・・・・・ その途端、セブルスの身体には電流のような痛みと苦痛を伴うものが走り、幾度も襲う

「ぐぁっ!」

その痛みは左腕の刺青から出ており、ヴォルデモードの意思によりコントロールされるようだ

焼け付く痛みに耐えながらも、我輩はそんなことを思っていた・・・

「俺様を裏切るなよ、セブルス・・・・・・」

*****

それからの我輩は、騎士団の連中からは裏切り者として呼ばれながらも、ダンブルドアと密かに通じていた

ポッターと結婚したリリーが身篭ったと聞いた頃、事件が始まった。。。

それは朝早くに、占い学のトレローニーの奴が意気揚々と大広間へと現れた事から始まった

いつもは何事か行事がない限り自分の部屋で食べているトレローニーが、大広間の扉を開けて焦った様子で入ってきた

そうして、ダンブルドアの席の真ん前に来たと思えば・・・・・・

「私は予言を受けたのです! ええ、神の啓示ですわ! あの≪名前を言ってはいけない人≫に対抗できる唯一の男の子が7月末日に生まれると、私は神から啓示を受けたのです」

得意気に、大声で、大広間中に聞こえる声で予言だのを言っているトレローニーは、自分が如何に占い学という神秘な学問に精通しているかと興奮して校長に話している

「これ!  落ち着かんか、トレローニー先生」
「私がこの啓示を受けたのは、ひとえに神秘な者の力によるものですわ、ダンブルドア校長! 神が私を選ばれたのです!」

・・・・・・・・大馬鹿者が

このような言葉をダンブルドアだけではなく、生徒のいる前で話す馬鹿が何処に居る!!!

朝も早いゆえ生徒も疎ら・・・とはいえ、闇の帝王の息のかかった者など此処にはいくらでもいるというのに

余りにも軽率すぎる!!!

まあ、信憑性など乏しいトレローニーの言うことだ、誰も信じもしないだろうが・・・・・・


この時の我輩は、甘く見ていたのだ・・・・・・

普段の奇行ぶりからみて、この占い学の教授ではさしたる影響もないだろうと・・・・・・  甘く考えすぎていたのだ

甘く、見すぎていた・・・・・

まさか彼女のこの予言が、闇の帝王の耳に入り・・・・・・あまつさえも「7月末日生まれの男の子」をヴォルデモードが始末するために探し出すだなどと・・・・・・

我輩は、思いもしなかったのだ・・・・・・

その毒牙が、リリーと彼女のお腹の中にいる子供にまで向けられるとは・・・・・・

そうと分かっていれば、何としてもトレローニーの口を閉じて一言も言葉を発しないようにしていたのに!!!

・・・・・・・・我輩の、落ち度だ

・・・・・・・・我輩が、必ず守る・・・・・・レイ、力を貸してくれ

リリーは、1980年7月31日・・・ 一人の男の子を生んだ。。。

*****

いよいよ、あの事件が起こります
そのとき教授は?  レイは? そして、そのあとは?

管理人が書きたかった世界が、近づいてきます  お楽しみに~~

ではでは (o・・o)/~
     

③≪闇と月光≫~救いの手~

二章からはサブタイトル入れようと思ってますが、意外に難しい(笑)
さて、ここからは一気に行きます!!!

※原作とかでは予言は、教授がヴォルデモードに報告したことになってます・・・・・・原作も映画(←こういうシーンが無い)からも、離れますので、よろしくお願いします☆

*****

「ダンブルドア校長・・・」
「セブルス・・・」

校長室の中、我輩は闇の陣営のなかで起こっている事を話していた

「なんと・・・あやつは予言の子を探しておるのか・・・」
「はい」

シビル・トレローニーが予言した言葉はヴォルデモードの耳にも入った

≪1980年の7月末、ヴォルデモードに3度抗った両親のもとに産まれる子が、ヴォルデモードを打ち破る力を持つ≫

それが予言で、続きには

≪・・・・・・ヴォルデモード自身が、その子供に印を残すであろう≫

この予言をトレローニーがしてからというもの、闇の陣営は予言の子供を探し・・・・・・不死鳥の騎士団に所属しているロングボトム夫妻と、リリーをターゲットに絞っている

もうそろそろ産み月なのだが・・・  リリーは大丈夫であろうか

「リリーを隠して下さいましたか」
「ああ・・・ポッター夫妻はシリウス、リーマス、ピーターに任せておるし、ロングボトム夫妻も隠れておる」

「今のところは両夫妻の居場所はバレてはいないようですが・・・・・・時間の問題であろうかと思われます」
「そうじゃ、だから儂は其々に策をさずけておるが・・・・・・心配じゃ」

「リリーを、必ず・・・必ず護ってください!」
「分かっておる・・・  レイの為にものぉ・・・ 時の狭間から闘っておる、あの娘の分も守らなければのぉ・・・」

「のぉ、セブルス・・・ 時の狭間とは、酷い場所なのじゃ・・・」
「・・・・・・・・・」

窓の外を見上げるダンブルドアの瞳が、イギリスには珍しい7月初旬の青い空を見つめている

「時は1秒、1分・・・ 僅かばかりに動いていき、やがては大きな波のように飲み込んで流れていく・・・ だが、あの場所には1秒たりとも時が流れない・・・」

時が流れないということは、分かるか?  セブルスよ・・・・・・ダンブルドアの声が我輩に聞こえるが、意味が分からずに顔を見れば、いつの間にか我輩を見ていた

「時が流れないということはの・・・ その場所は≪永遠≫なのだ  おそらくは儂達が感じるよりも遥かに孤独で苦痛であろう・・・ 並みの者ならば1日で発狂してしまう場所なのじゃ」
「・・・・・・そのような場所に、レイは4年も居るのか・・・」

その瞳は痛ましい者を見るように、我輩を見つめ・・・・・・ 見るな!!!

何が言いたいのだ、この爺は! レイは今頃、発狂しているとでも言いたいのか! レイは・・・ レイは、その様な軟弱な者ではない!

あいつは、あいつは・・・・・・きっと、大丈夫だ

「すまんの・・・セブルス 年寄りは心配性での・・・ レイは大丈夫じゃ! 龍達も守りに入っておるのじゃからの」
「リリーの事、必ずや護ってください」

我輩はそう言い終えて校長室を出た

我輩は、ホグワーツ魔法魔術学校の魔法薬学の教授であり、研究者であり・・・・・・・・2重スパイである

闇の陣営での動きをダンブルドアに流し、彼から得た情報を闇に流す・・・・・・いつ正体がバレて死ぬかも知れない

そうして 我輩が闇に墜ちたと噂が流れ、ダンブルドアの創った不死鳥の騎士団の連中は元より・・・ ここホグワーツでも蛇のように避けられ嫌がられる

ただ、噂だけで確証がないため誰も表立っては何も言えないのだ・・・・・・くっくっくっ

それでいい・・・・・・ 周りがそうしてくれれば、我輩は闇の陣営で信用が得られるのだから

我輩はどんな誹りも、嘲りも、罵倒も、甘んじて受け入れよう

レイと、リリー・・・・・・大切な2人を守れるのならば、独りでもいいのだ

リリー、良い子を産んでくれ・・・・・・

そうして、7月末に2組みの夫婦に子供が生まれた

30日にロングボトム夫妻に、31日にリリーに・・・・・・どちらも男の子のようだ

ヴォルデモードはその事で、ますます捜索の手を強め、子供が1才を迎えた頃・・・・・・死喰い人からの報告でロングボトム夫妻の隠れ家を知ってしまった

*****

4人の死喰い人が、ある一件の家の前に佇んでいた

「ふん、何が予言の子だ・・・ 我が君の邪魔になる者は私が始末してやるんだ」
「レストレンジ、興奮するな・・・ 狙うは子供・・・ さっさと行くぞ」

「ふん! 私はお前なんかに指図されるつもりもないからね! 半純血のくせに、純血の私に偉そうにするんじゃない、スネイプ!」

吐き捨てるように言ったベラトリックスが、あとの2人を引き連れて家の中へと入っていくのを見ながら、スネイプも続いて中へと入っていった

「ちっ! 子供がいない!!!」
「どこかに隠したんだ! 拷問して口を割らせましょう」
「そうだ、拷問だ!!!」

3人の死喰い人が興奮に昂った顔で、捕らえたロングボトム夫妻を見下ろしている

「まずは騎士団のアジトからだ・・・ 子供はその後でいい」

ペロリ・・・と、舌舐めずりしながら杖先を二人に向けたベラトリックスは、無言呪文で2人に苦痛を浴びせる

「吐けよ・・・騎士団のアジトを吐けよ! そうしたら許してもらえるかもな?」
「ひゃーっはっはっ・・・ この苦痛にゆがむ顔・・・最高だ」
「次はオレだ! 俺が拷問してやる」

・・・・・・狂ってる

他人の苦痛が何よりもの娯楽になる、コイツらは死喰い人の中でも残虐で名を馳せている・・・・・・・その筆頭がベラトリックス・レストレンジ

この狂女は、シリウス・ブラックの従姉妹でもあり・・・  ルシウス・マルフォイの妻のナルシッサの姉でもある

ヴォルデモードに忠誠を尽くすベラトリックスは、任務を遂行しようとロングボトム夫妻を次々と呪文の餌食にしていく

・・・・・・・・・そのとき、空中に亀裂が入ったと思えば 真っ白な光が溢れ出してきた

「なに? これは何?」

その真っ白な光の塊が亀裂から抜け出て、床に降りると・・・・・・ぼう、とした人型になった

目も鼻も口もない・・・真っ白な人型は、まるで影がそのまま色だけを白に変えたようなモノに見えた

その白い影が、ゆぅらりと4人の死喰い人の前に立っていた

ベラトリックスが杖を向け、何やら呪文を放っているようなのだが影には効かず 相も変わらず、ゆらゆらと揺らめきながら立っていた

そうしてベラトリックスが不思議そうに白い影に近づいた・・・・・・次の瞬間!!!

≪ ぶぅわっ・・・ おおおおおおお ≫

その白い影が一気に膨らみロングボトム夫妻を包み込んだかと思えば、亀裂の中へと逃げていってしまった

後には、間抜け面した3人の死喰い人と・・・・・・後の一人は、何を見たのか黒い瞳に感情が湧いていたが、直ぐに押し隠し冷たい声で3人に言った

「失敗だな・・・ 我輩は報告しに戻る」
≪バチン≫という音と共に消えたスネイプを忌忌しげに見つつ、遺りの3人も姿くらましで消えたのだった。。。

*****

死喰い人スネイプからの報告で、ロングボトム夫妻から情報を引き出せないどころか、夫妻もだが子供を殺すこともできなかったと聞いた闇の帝王は、怒りに瞳を深紅に染めていた

任務にしくじった4人の死喰い人に罰を与えながらも、闇の帝王は考えていた

「誰が俺様の邪魔をしているのだ・・・・・・」

「ダンブルドアでは・・・ ぐぅ」
痛みに耐えながらも一番の強敵の名前を出すスネイプの呪文を解きながら、ヴォルデモードは頭をふった

「違う・・・あの老いぼれの力ではない・・・  もっと異質の・・・ もっと感じたことのない力だ」
「・・・・・・」

綺麗に整った妖しい美貌の闇の帝王は、今だ苦しみに悶えているベラトリックス達は無視してスネイプに近くに寄るよう手招きする

「何でしょう、我が君」
ソファーに座る主の前に進み出たスネイプが恭しく頭を下げるのを、満足そうに見ながらワインを飲んでいる美貌の青年

まさかこの、20代の青年が人々を恐怖に突き落としている闇の帝王だなどと・・・・・・  誰が思うのだろうか?

しかも、ルシウスの父と同級生だなどと誰が思うだろうか?

そんな驚きなどは心の奥深くに沈め、作り物の闇の帝王への憧れや忠誠心で心に壁をし奥深くを閉じるスネイプ

「セブルス・・・ 君は賢い」
「・・・・・我が君には及びません」

「くくっ・・・ その賢い君に命じるよ。 あの力が誰のものかを調べるんだ」
「かしこまりました 我が君」

「ダンブルドアなら、あの狸爺ならば分かっているだろう・・・  調べて此方に引き込めるのなら、俺様の前に生きたまま連れてこい」
「はっ」

「セブルス  行け!」

一礼したスネイプが≪バチン≫と姿くらましをして退出した部屋の中では、今だに責められているベラトリックス達3人

「ふん、もう少し頭を使え馬鹿者」

吐き捨てるように言った闇の帝王は、やっと呪文を解き3人を部屋から放り出した

そうして後ろに控えていた他の死喰い人に、ロングボトム夫妻とポッター夫妻を探し出すよう命じたのだった

*****

「大変じゃったのぉ・・・ マダム・ポンフリーにも世話をかけた」
「いいえ校長! 2人は聖マンゴ病院へ搬送しましたが、早くに此方に来れたおかげで命に別状はありません」

「それにしても・・・ あの光にはビックリいたしました」
マダムが思い出すように言うと、ダンブルドアも大きく頷いた

突然、大きな力の波動を受けたと思ったダンブルドアの自室・・・ つまりは校長室に、白い光に・・・まるで卵の中に包まれているようなロングボトム夫妻が現れたのだ

ホグワーツの中では姿あらわしなどの移動呪文は使えないはずなのだが、現れたその光の卵は空間の裂け目から産み落とされる様に部屋へと出てきたのだった

光が消えると中から現れた2人の傷ついた様子に、ダンブルドアは医務室へと彼等を運んでマダムに手当してもらったのだった

応急処置がなされた後、ここでは生徒達に危害が加わることを懸念したダンブルドアと、連絡を受けて医務室へと来ていたマクゴナガル、それとマダム・ポンフリーで相談した結果・・・ 聖マンゴ病院への搬送を決めたのだった

「それにしても・・・ 彼等を救い出し守ってくれた光とは、一体何者が送ったものなのでしょうか?」
「ミネルバよ、分からぬか?」

「・・・・・・・もしや、レイ? 彼女なのですね! おお・・・なんという」
「そうじゃ・・・レイじゃ  彼女が命懸けで戦って、儂らを救ってくれているのじゃ」

「たった一人で・・・ あの娘は・・・」
大きな瞳から涙を流しながらマクゴナガルは彼女を思い出していた

16才で記憶に留まっている、レイを・・・・・・

「マダム、儂は用が出来たようじゃ・・・ 失礼する。 今日はありがとう」
「いいえ、校長! 2人が助かってようございました」

「そうじゃな・・・・」

ダンブルドアは、そう言い残して医務室から校長室へと足早に移動した

「セブルスが校長室に来たようじゃの・・・」

さて、セブルス・・・  レイと君が幸せになるのはいつのことなのじゃろうな・・・

レイは君を守りたくて、セブルスはレイを守りたくて・・・・・・すれ違ってしもうた2人

己が身が穢れようとも、命を落とそうとも構わないほどの一途な想いを捧げる不器用な男と、好いた男のために自身の恋をも封じ込み世界を守ろうとする不器用な女と・・・・・・

やれやれ、この年寄りの力で2人を添わせてやりたいのじゃがのぉ・・・・・・

何とか、してやりたいのじゃが・・・・・・  今は無理でも、必ず好機がくるはずじゃ

必ず・・・・・・必ずな・・・・・・  その時は式場のパンフレットでも贈ってやろうかの!

そうなるように、この年寄りも頑張らねば、のぉ・・・

******

さあ、次は・・・・・・山場です!!!


     

④≪闇と月光≫~ハロウィン・ナイト・・・~

いよいよ、ハロウィンの日です。
今回の後半部分のBGMには、是非「暴れん坊将軍」をお願いします(←冗談です、すいません)

*****

~~日刊預言者新聞の一面記事~~

デカデカと並べられる文字を、人々が手に取り読んでいる

  【ロングボトム夫妻が襲撃】 【暗黒の時代】 【赤ん坊は何処に!!!】

ロングボトム夫妻は≪名を言えないあの方≫の襲撃から逃れて聖マンゴ病院に入院した。  今だ重病で、続く面会謝絶!!!
夫妻の一人息子である子供は、一体どこに!!!

新聞に踊る文字を紅茶を飲みつつ、読んでいるのはホグワーツの魔法薬学の教授、セブルス・スネイプであった

「毎日毎日、同じような事ばかり書きおって」
「そうはいっても安全のためには本当のことなど言えんでのぉ~~」

「重病なのは見せかけだけで、本当はもう退院出来るだろうに・・・  って、いつから居たのですか、校長!!!」

執務室のソファーで座っているスネイプの背後には、ホグワーツの校長ダンブルドアが新聞を覗き込むように腰を屈めていた

「ふぉふぉふぉ・・・ まあ、よいではないか」
「はぁ・・・ 何か御用ですかな? わざわざこの様な地下牢へと足を運ばれたのですから・・・」

「おお、そうじゃ! ポッターの家の安全は≪忠誠の術≫を施すことになっておるからの、安心せい」
「・・・・・・信用できるのですか? 秘密の守人は」

「大丈夫じゃ・・・誰とは言えんが、この術ならば守人が秘密を漏らさぬ限りヴォルデモードが近くに来ても分からぬ」
「まあ、一応は信用いたしましょう・・・ ですが、油断は召さるな・・・ 裏切者が出るかもしれませぬぞ」 

ふぉふぉふぉ・・・ 大丈夫じゃよ、などと言いながら、あの呑気者が部屋を出ていくが・・・・・・何が目的なんだ? 

それから暫くたった頃、いつもは捜索しても空振りだったポッター達の居場所が、ヴォルデモードの魔の手にバレてしまった

「くっくっくっ・・・ 俺様の怖さに屈した醜い輩が、とうとう場所を白状したのだ」

その言葉に集まった死喰い人達が歓声を上げるも、闇の帝王は手を出すなと睨みをきかした

「くっくっくっ・・・ 俺様の力がどういうものか知らしめてやるのだ」

静まり返った部屋の中で、闇の帝王の嗤い声だけが響いていた。。。

*****

「くっ! だから言ったではないか! 甘いのだ狸爺!!!」

闇の帝王ヴォルデモードは、この所の襲撃がうまくいかない死喰い人に自分の力を誇示したい為に言葉通り、一人で出かけるらしい

ベアトリックスが付いていこうとして怒りを買ったため、追跡しようにも出来ない状態になってしまった

私は屋敷から抜け出しホグワーツに戻ると、真っ直ぐに校長室へと向かう

救いに行きたいのに、場所が分からない我輩は焦りだけが膨らんで、全速力で走っていた

「校長!!!」
合言葉を言ってガーゴイルを動かし部屋へと入れば・・・・・・・

「くそっ! こんな時にいないのか!!!」
「あらセブルス!  校長は魔法省に呼ばれて行きましたよ」

マクゴナガルの言葉に再び走り出した我輩に、腕からリョクが顔を出して何か言いたげに見ている

≪セブ様、リリー様の持つクマの居場所を私が探知します・・・ そうすればセブ様をお連れできます!≫

「分かった、リョク・・・頼むぞ」
≪はい!≫

返事をしたとたんリョクの変幻が解け、目の前を龍が浮遊する・・・・・が、暫くしてリョクの手に持つ宝玉が光り始めた

≪ああ! セブ様たいへんです。リリー様が恐怖を感じています≫
「襲撃が始まったのか!!! 我輩を連れて行け、リョク!」

≪はい!≫

リョクの身体が掌に収まるほどから我輩ほどの大きさになり、シュルリと我輩の身体に巻き付いた

≪飛翔!≫

校長室の近くの廊下から、我輩とリョクは姿あらわしのように飛んだのだった

*****

ドカーーン  バリバリ  メキメキッ  ゴオォォォオオオオオ・・・・・・・・・

「はぁーはっはっはっ・・・ポッター、それでおしまいか? 少しは楽しませてくれないか?」

「くそっ・・・  リリー、キミは2階へ・・・ハリーを・・・ 僕達の息子を・・・」
「分かったわジェームス・・・」

家のあちこちから火の手が上がっている

ジェームスは、今だ外から聞こえるヴォルデモードの嗤い声に必死で呪文を唱え応戦している・・・・・・

愛しい妻と、息子を守るために・・・・・・ 家の中に入れないよう必死だった

「何故だ、なぜここがバレたんだ!」
「くっくっくっ・・・・・・  なぜだか分かるか?」

家の玄関を吹き飛ばし入ってくるヴォルデモードが、ニヤリと嗤いながら言ってくる

「お前たちが≪秘密の守人≫に選んだ鼠はな、我輩の僕になったのだよ・・・・・・  あの鼠がなぁーー」
「・・・・・・ピーターが?  彼が僕達を裏切ったと言うのか?」

「今まで通りブラックにしておけば良かったのになぁーー  あーーはっはっはっ!!!」

話しながらも逃げ場のないジェームスが階段を後ろ向きに上がりながら、迫り来るヴォルデモードに呪文を唱えているが・・・・・・ 時間の問題だろう

「ハリー・・・愛しているわ 私達の愛しい息子」
2階の奥の子供部屋で、母親の顔を見つめる赤ん坊の頬を愛しげに撫ぜるリリーは、自分の手首から・・・・・・袖口から光が射している事に気がついた

シャラ・・・・・・

それは学生時代、レイに貰った・・・・・・

『それは護符だよ・・・ほら、こうやって広げて唱えれば何処にいてもダンブルドアの元に飛べるんだ』
「ジェームス!」

思いだした!  レイの護符! ・・・・・ならば魔法の呪文の法則性などに捕らわれず移動できるはず

≪忠誠の術≫をかけた屋敷の内部からは、姿あらわしで他の場所へと飛べないためヴォルデモードに襲撃されても逃げられないでいたのだ

ヴォルデモードも分かっているのか、最初に屋敷から誰も出られないよう術を施し攻撃を始めたのだ・・・・・・

猫が逃げ場のない獲物をいたぶりながら狩るように・・・・・・

嗤いながら、楽しみながら、時間をかけて相手の絶望を最大限に引き出そうと仕掛けているのだった

*****

「ジェームス!」
「リリー」

手早く訳を話したリリーは、愛用しているハリセンを夫に渡し一緒にヴォルデモートを少しでも足留めするような仕掛けをする

ハリセン2号を、玄関からリビングに移動したヴォルデモードが来る方向へと向け探知魔法で引っかかったときに発射するよう仕掛けておく

「さ、2階に」
「ああ・・・先に行ってて! 僕はあと幾つか仕掛けるから・・・ 悪戯仕掛け人を舐めるなよ!」

「ほどほどにして引いてよ! ハリーを安全な場所に逃がすのを最優先するんだから!」
「分かってるよ、リリー」

2階へ戻ったリリーはハリーのベビーベットの傍に立ち、守るように息子にピッタリと張りつている茶色のクマの頭を撫でた

「テディ・・・ ハリーを守ってね」

コクコクと頷くクマは、しっかりとハリーの傍で警戒している

「逃げなきゃ・・・ ハリーは、この子だけは助けなきゃ」

自分の手首に付けているブレスレットを抜いて、びょおぉおーーーんんん!と伸ばすリリー

「早くジェームス! 早く来て!」

1秒が1時間にも感じられるほど切迫した、そのとき、子供部屋の窓が・・・・・・・・・

≪ どごぉぉおおおおおんんん ≫

階下での爆発で、燃え上がる炎と爆風がベビーベッドの向かいの窓を割りながら入ってくる

「きゃぁあああーーーーーー」

咄嗟にベビーベットを自分の身体で庇ったリリーだが、彼女の身体には・・・・・・・熱風も、ガラス片も、炎も、触れはしなかった

「・・・・・・・・ああ!」

不思議に思いながら顔を上げたリリーは、そこに懐かしい顔を見つけたのだった

其処に居たのは、ある日いきなり居なくなった親友の少女・・・・・・

「レイ!!!」
「リリー・・・ 遅くなって、すまないな」

「あなたなのね、あなたなのね!  ああ、会いたかったのよ」
「今は逃げることを考えるのだ、リリー」

レイはリリーの手の中のブレスレットを受け取り、ハリーを抱っこした彼女に通そうとする

「待って、ジェームスがいるの・・・ そこの階段でヴォルデモードと戦っているの」
「分かった、待っていてくれ」

レイは直ぐに目の前の扉を通り過ぎ、階段まで行き 屈んで何かしていたジェームスの襟首を掴んだ

「うわっ!」
「早く来い!」

「何か僕の扱い酷くない?」
「いいから、来い!」

「あれ? その声って・・・」

物凄い力で引き摺られていくジェームスが、背後を見ようとしたとき階段下に仕掛けていたモノが派手に火花を噴いたのだった。。。

「へへっ! 昔とった杵柄さ! ハリセン2号と糞爆弾を連動させたんだ! 今頃アイツは、糞まみれさ!」
「・・・・・・・相変わらずだな。 この状況で相手を怒らせるなど、火に油を注ぐような愚行だとは思わないのか?」

「ジェームス・・・ あなた家の中で何をしてるの! 何か臭うわよ!」

「ぐぅわあああああ・・・・・・臭い! なんだこの臭いは!!! おのれぇぇーーー」

階段下からヴォルデモードの咆哮が聞こえ、リリーは目を吊り上げた

「糞爆弾を仕掛けたのね! 家の中で! 何を考えてるのよっっ!」

ジェームスは闇の帝王に殺される前に、仁王立ちしたリリーに殺されるかもしれない・・・・・・と、レイは両手を合わせてあげた

「成仏せよ・・・ 合掌」

*****

咆哮が響く中、ジェームスとリリーにブレスレッドを伸ばして中に通したレイは、彼女の腕の中にハリーを渡す

「早く、ダンブルドアの所に行くんだ!」

「レイも、一緒に行きましょう」
「あぶっ!」

リリーがレイの腕を掴むとハリーもその小さな手を伸ばして、レイの服の袖を掴んだ

「すまない・・・ 私はアイツとケリを付けなければならない」
「レイ・・・」
「ぶぅ・・・」

そっ・・・ と手を放させて、レイは ニコッと微笑み・・・・・・ 指で印を結んだ

「リリー・・・ 幸せに・・・」

「あぶっ!」
「ハリー・・・」

3人をダンブルドアの所へと飛ばしたはずなのに、ブレスレットが光った瞬間信じられないことが起こってしまった

リリーの腕の中にいたハリーが、彼女の腕の中を抜け出し(というより飛び出して)レイの胸の中に捕まっていた

「うそ・・・ 君、なんて無茶するんだ」
「うぶぅ」

「リリーとセブの子供なら、こんな無茶しないだろうに・・・・・・意外とリリーがお転婆だからかな? どうしてジェームスがいたのかな?」

首を傾げたレイに、腕の中のハリーが嬉しそうに笑っている

「いい子・・・ いい子ね」

優しく撫でながらも、レイは霊力を強く込めてハリーに護りの術を施していた

傍に張り付いていたクマもパワーアップさせて、リリーの元に送ろうとしたレイ

「お前かぁあーーー 今まで邪魔をしていたのと同じ気配がする・・・  お前を倒してやる」
「邪悪なる者に、倒されてやるほど私は優しくは、ない」

ハリーをベビーベットヘと入れたレイは素早く保護の術を施し、部屋の隅へと押し向ける

その前に仁王立ちしたレイの手には、愛刀が握られていた

「斬散王(ザンチオウ)よ、我が名にかけて、人から魔へ堕ちたりし者を葬り去りたまへ・・・・・・・・」

チャキッ・・・ 抜身の刀身を真っ直ぐに天井へと向けたレイは、人差し指と中指を2本揃えて鍔元から剣先へと、指を這わせるように滑らせていく

すると、その指が通った所から刀身から光が溢れだし・・・ 剣先まで白い光が月光のように輝いていた

「何だ、そんなもの・・・  マグルの武器か?」
「お前は人を殺めすぎる・・・  この世界が嘆くほどに」

「ふん、それでお前が俺様を退治しようと? 笑わせるな!」
「参る!!!」

「アバダ ケダブラ」

ヴォルデモードの杖から閃光が走りレイに向かう、が、彼女は刀でその光線を受け止め斬っていけば・・・・・・・

どうしたことなのか、死の呪文の光線が刀に触れた所から闇に散り、サラサラと消えていく

「斬散とは、悪しき意思を斬り・・・・・・塵へと散じる物なり」

「嘘だ、魔法がきかぬなど・・・・嘘だ! 俺様の魔法がきかぬだなどと!!!」
「我が名は黎明・・・ 闇から光へと導く者なり・・・ 覚悟!」

「アバダ・ケダブラァァァアアアアアアーーーーーーーーーー」
≪キィィィィーーーーーーンンン!!!≫

物凄く強い力が発した魔法と霊力、その閃光と炎と力と力、それを切り裂く刀身の煌めき・・・・・・その全てが、ぶつかり合い 斬り合い、弾き合い・・・・・・全てが渦巻いたと思えば、激しい衝撃と部屋中に飛散する力

結果、部屋の中は真っ白な光で覆われていた

まるで雷のように光が屋敷中を駆け巡る、そんなときに、リョクに連れられたセブルスが現れたのだった

「何が起こっているのだ!」
セブルスの声に、誰も応えるものなど・・・・・・いなかった。。。

*****

はい、リリーとジェームスは助かりました!(もちろんハリーもですが)
以前、リョクから送られた映像で勘違いしてるレイは、ハリーの父親はセブルスと思ってます(違うんだぁ~
byセブルス)
シリウスではなくてシリアスなのは、次回までかな?  その次からは・・・・・・うっふっふっ♪
お楽しみにぃ~~ ではでは、(o・・o)/~

     

⑤≪闇と月光≫~愛しい人よ~

やっと、セブとレイが会えます!   会えますが・・・・
えっと、今回のお話でシリアスばっかりなのが終わります!  次回からは愉快な明るい感じになる予定です(あくまでも予定ですがね)

*****

「リリー!!! 2階の・・・奥の部屋だな」

セブルスはポッター家の前に立ち、白く光る窓々を見ながらも1番凄まじく光る部屋を確認すると玄関へと走って入り、階段を駆け登った

「凄い力同士がぶつかったのか・・・  」
ゆっくりと階段から続く廊下を確かめるように歩きながら、セブルスは奥の子供部屋へと歩を進めた

「・・・・・・?  誰か、倒れて・・・!!!」

間に合わなかったのか!  我輩は絶望に心を塗り込められながらも、信じたくない想いを胸に歩を進めた

最初に見えたのは靴を履いた足だった

1歩進めば、その足がよく見え、3歩進めば、スカートを履いていることが分かった

・・・・・・ホグワーツの制服?

我輩は、倒れているだろう人物はリリーだと思っていたのだが・・・  チラリと見えたスカートが制服で、妙な違和感に襲われた

そのまま部屋の扉があったであろう場所まで一気に駆け寄れば・・・・・・床に俯せている人物に、息が、止まる

「うぎゃぁ~」
部屋の片隅にあるベビーベットから赤ん坊の声が聞こえ、一先ず無事なのが分かった

だが、我輩の神経は全て、目の前で倒れている人物に注がれて・・・・・・正直、子供などどうでも良かった

ピクリともしない人物は・・・・・・  いなくなってから、我輩が探して、探して・・・・・・求めていた・・・・・・・

「レイ!!!」

目を閉じ床に倒れたままの華奢な身体を、我輩も床に座り込み・・・・・・抱きしめる

嘘だ・・・嘘だ・・・ 死ぬな・・・死ぬな!!!  死ぬんじゃない・・・・あああああああ、レイ!

「死ぬな、レイ・・・ レイ・・・ レイ・・・」

此方に向かせて抱きしめたレイを、力任せに胸に閉じ込める

「お前に会えたのに・・・・・・  やっと、会えたのに・・・・  死ぬな」

よく顔を見ようと少しだけ向きを変え、顔にかかる艷やかな髪を そっと梳いていけば・・・・・・ あの頃の、16才で別れたままの・・・・・・レイが居た

「レイ?  寝てるだけだろう? レイ・・・ もう、起きろ  起きて、また調合しよう?  僕とお前が組めば、新薬だって開発できる・・・・・・だろう?」

固く閉ざされた瞳に、冷たい頬に、僕は唇を当てて暖める

「こんなに冷たいじゃないか・・・・・・ 起きろ、レイ 紅茶を煎れてやるから・・・・・・レイ・・・レイ・・・」

嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ・・・・・・  誰か嘘だと言ってくれ! 誰でもいい、誰だっていい!

嘘だと言ってくれるのなら、何でもやるから・・・・・・

レイが死んだなど、僕は信じない・・・・・・・・  信じられない・・・・・・・

レイの肩に顔を埋めるようにして抱きしめれば、ぐらり・・・と頭が背の方に、傾ぐ

その意思の無い動きに、僕の頭の中が真っ白になる

「レイ・・・  レイ・・・   レイ・・・ あ゛あ゛あ゛・・・・・」

僕は、力任せに抱きしめて・・・・・・お前の名を呼び続けた

*****

≪セブルス様、しっかりなさってください!!!≫
リョクの声が頭に響くも、僕にはもう考えるだけの力が無かった・・・・・・呆然と横を向けばリョクが大きなまま床に蛇のようにトグロを巻いている

≪失礼します!≫ ペチペチ!

リョクの尻尾の先で頬を張られた僕は、少し意識をリョクへと向ける

≪姫様を早く蘇生してください! 息を吹き込んで下さい!≫
「・・・・・・息を・・・  吹き込む?」

≪手遅れになってもいいのですか! 姫様に息を! そうすれば助かります!≫

このリョクの言葉に瞬間で正気にかえった僕は、床にレイを横たえ唇を開けて息を吹き込んだ

リョクが何かを丸めた物をレイのうなじに入れ、首を仰け反らせるようにしていたが、僕はレイの唇に自分の口をあてて懸命に息を吹き込む

「ふぅーー・・・  ふぅーー・・・ ふぅーー・・・ 」
「う!  げほっ・・・ はぁはぁはぁ・・・・・・」

レイが噎せながらも息を始めたのを見て、僕は・・・・・・・

「レイ! 大丈夫か? 僕が分かるか?」

涙を流しながらも顔を僕に向けるレイは、ゆっくりと目を開けて・・・・・・  その濃藍色の瞳を久しぶりに僕は、眺めた

「はぁ・・・・はぁ・・・・・  せ・・・ぶ? はぁ・・・・・」
「ああ、僕だ!  やっと、お前に会えた・・・」  

「セブか?  ああ、セブなのだな!」

僕の事がハッキリと分かったのだろうレイが、僕の首に両腕を回して抱きついてきた・・・・・・その華奢な身体を、僕はしっかりと受け止め、抱きしめ返・・・・・・・・・・そうとしたとき

「うぶぅ~~・・・」
「あ、ハリー!!!」

子供の声がしたと思えば、レイはするりと僕から離れて部屋の隅にあったベビーベットに行った

( くそっ!  ポッターの息子め、邪魔をするな! )

「セブ! リリーと(夫婦として)上手くいってるようだな」
「リリー? ああ、お前が居なくなった後、和解したんだ  今は(友として)うまくいってるぞ」

「そうか、こんなに可愛い(セブとリリーの)赤ちゃんも居て! 幸せだな!」
「ん? ああリリーは(ポッターと)幸せだろう」

≪微妙に噛み合っていない会話だと思うのは、私の気のせいでしょうか?≫
≪コクコクと頷く≫←話せないクマはジェスチャーが限界です

リョクは茶色のクマ=テディに同意を求めれば、テディは頭がもげるかと思うほど、頷いていた

*****

「あ! ハリーの額に傷が・・・癒しの術を・・・・・   !!!」 
「どうした、レイ?」

「この傷は・・・・  くそっ! 私とヴォルデモードの戦いで・・・」
「一人で納得せずに僕にも訳を言うんだ」

「ああ・・・セブ、すまない  私がヴォルデモードを封じたとき、力が飛び散り無垢なる魂に憑いてしまったんだ」

≪ぐぐぅぅぅぉぉぉおおおおおおおお≫

「いけない! ヴォルデモードの封印が・・・・・・やはり闇の帝王、大人しく玉に封じられてはくれないな」
「玉?」

床に転がっていた大きな玉・・・・・・  それはレイが渾身の力で封じ込めたヴォルデモード自身だった

セブルスが手に取り中を除けば、それは赤い色と黒い色の液体が、決して混じり合うことなく渦巻いているのだ

まるで意思を持って動いているような中身に、邪悪なものを感じたセブルスの手から玉を持ち上げ、空いたセブルスの腕にハリーを抱かせたレイは・・・・・・

寂しげに、微笑んでいる

「セブ、私は・・・戻らなければいけない」
「なっ! どこへだ! お前は僕の傍に居ろ・・・」

「これはヴォルデモードだ。 殺すのではなく封じたのには意味があるんだ・・・ だか今はまだ邪悪で、封印を解くかもしれない そうなればまた世界は暗黒へと変わる」

「そうならないためにも私は≪時の狭間≫へと戻り、ヴォルデモードの封印を強化しなければ」

「ダンブルドアがいる! 不死鳥の騎士団も、他にも居る! お前一人が抱えなくてもいいだろう?」
「・・・・・・・無理だ。 魔法では無理なのだ、セブ・・・  分かってくれ」

「レイ、行くな・・・  行くなら僕も連れて行け! どんな処でも一緒に居てやる! たとえ死ぬ場所でも・・・・・・その時は、一緒に逝ってやるから・・・・  だから!」

レイがいなくなってから幾度となく思っていた言葉を、必死でレイに言うセブルスにレイは胸の奥に封じた恋が・・・・・・溢れてくるのを感じていた

「・・・・・・・せ・・ぶ・・・」

はらはら・・・と、濃藍色の瞳から涙を流したレイは、玉を床に置き・・・・・・セブルスの胸に飛び込んだ

ハリーはリョクとテディが受け取り、床にそっと下ろしておく

「セブ・・・・・・・・・・・   愛してる  いつまでも 」

小さな声で告げたレイは、想いを込めてセブの唇に紅い唇を重ねて・・・・・・

ピキーーン!と固まってしまったセブルスは、レイの唇が離れて、床の玉を持ち吸い込まれるように亀裂の中へと消えても・・・・・・初めての想い人との口付けに、固まっていた

「あぶぅ・・・(ダメだ、こりゃ)」
≪そうですね≫
≪肩を竦めているテディ≫

*****

「なんと、またもやレイは≪時の狭間≫へと戻ったのかの?」
ダンブルドアが校長室の中で驚きの声を上げれば、いつもよりも青い顔をしたセブルスが・・・・・・彼らしくなく、ぼう・・・としながらも頷いていた

突然にヴォルデモードの気配がしなくなった事と、大きな力同士がぶつかった衝撃を感じ取っていたダンブルドアが呼び寄せたのは騎士団のメンバーと・・・・・・セブルスだった

リリーとジェームスはダンブルドアが居た校長室に現れ、そのまま息子とレイの心配をし続けていたのだがダンブルドアの説得で大人しく待っていた

梟で呼び寄せた騎士団のメンバーが続々と校長室へと揃うなか、一番遅くにホグワーツへと辿りついたのはセブルス・スネイプだった・・・

ハリーはリョクが大事そうに、その長い胴体でテディと共にくるみながら運んでいたが・・・・・・ セブルスは再び≪時の狭間≫へと行ってしまったレイの事で茫然自失となり、フラフラと歩いていた

ハリーを連れてホグワーツへと戻ったセブルスが、フラフラと覚束無い足取りで校長室へと向かへば・・・・・・ ロングボトム夫妻にポッター夫妻、リーマスとシリウス、マクゴナガル教授が待っていた

リョクに抱かれたハリーを真っ先に受け取ったリリーは、親子が無事で会えたことを心から感謝していた

だがセブルスを見つめる皆の目は、【闇に堕ちた死喰い人】を忌み嫌う物で・・・・・・  特にシリウス・ブラックは部屋へ入ってきた途端に、セブルスの顔を見て怒りの表情を見せている

そんな一同の中でも、ダンブルドアとマクゴナガルだけはセブルスを慈しみの籠った目で見つめるのだった

そんな中でジェームスとリリーからヴォルデモードの襲撃とレイの話を聞いた一同は、今度はセブルスの話を聞こうと顔を向けた

「ふん! お前は死喰い人だろ! なに場違いな所に来ているんだ!」
鼻息荒く、杖先をセブルスに向けて今にも呪文をかけようとするシリウスを、ダンブルドアの手が止めた

「校長!!! こいつがジェームスの居場所をアイツに話したんだ!  そうに決まっている」

「違う、違うのじゃ! セブルスはレイを助けたいがために闇に身を堕とし・・・・・・儂に闇の陣営の動きを教えてくれていたのじゃ」

この言葉に驚愕し凍りついたように固まったシリウスに、ジェームスが一早く正気に戻りヴォルデモードとの会話を思い出していた

「・・・ヴォルデモートが言っていたんだが、秘密を漏らしたのはピーターだって・・・」
「っ!!!  嘘だろう? ピーターが? アイツは俺達の仲間じゃないか!!!」

嘘だろ! 嘘だって言えよジェームス!!!と、叫びながら詰め寄るシリウスも分かってはいた

自分が秘密の守人では闇の陣営に予測されるだろうから、ピーターに代えようと言い出したのは誰あろう・・・・・・シリウス・ブラック、彼なのだから

「・・・・・・・・うそ・・・だ・・・」

「嘘ではないのじゃシリウス・・・  悲しい事なのじゃが、君達は間違った人物を信用し・・・・・・もし、レイが来なければリリーもジェームスも死んでいたじゃろう」

この事実には、学生時代を一緒に親友として過ごしていたリーマスもジェームスも・・・・・・  シリウス同様ショックを受けていたのだった

「痛ましいことじゃ・・・ 友を裏切り、黒い闇へと堕ちてしまった」

ダンブルドアの言葉が、いつにもまして重く皆の心にのしかかっていった・・・・・・

*****

そんな会話の中で、何も聞こえずにフラフラと壁に背をあずけ、顔を両手で覆い嘆いている人がいた

抑えても、抑えきれない嘆きが、嗚咽が・・・・・・こぼれ落ちていく

「ああ・・・・・・レイは・・・レイは・・・我輩を置いて・・・・・・我輩も連れて行けと言ったのに・・・・・」
「セブルス・・・」

「うぅ・・・ 何故だ! 何故・・・我輩を置いていく! 孤独で時の癒やしもない場所へ、たった一人で・・・ レイだけがこの世界の悪しき者を連れて・・・ たった独りで」

誰が居るのかも解らないように、嘆いているセブルスの顔を覆った両手の指の間からは、堪えきれない嗚咽と涙が漏れていた

「どう・・・して・・・ 連れていっては・・・くれないのだ・・・  お前とならば・・・ たとえ死出の旅路でも・・・ 我輩は喜んで・・・行くだろう・・・」

「馬鹿ね、セブルスは! 簡単じゃないの・・・・・・レイは貴方を愛しているから・・・  だからこそ連れていけないのよ」

リリーの言葉に、僅かにピクリと肩を震わせたセブルス

「貴方はどうなの? 死ぬかもしれない場所と分かっている所に、レイを連れていける?」

ビクッ!!! 今度は誰もが分かるほどに、身体が跳ねた・・・・・・

「レイが・・・ 我輩を・・・  愛し・・・・ている?」
「そうよ! もう、セブルスの鈍チン!!! レイは学生の、あの頃から貴方を好きだったのよ!」

「ま・・・さか・・・ 我輩などをレイが・・・」
愕然と両手を顔から放してリリーを見ているセブルスの、ローブのポケットがゴソゴソと動き始め・・・・・・ひょこっと顔を出したのは真っ黒なクマのヌイグルミで・・・・・・

黒いローブから、黒いクマの顔が覗いても同化していて分からないのだが、セブルスが ついっと掌にのせて見つめた

「どうした?」
クマは自分のお腹を指して、焦っているようにジタジタと掌の上で動き回っている

≪姫様です! 声を大きくします≫

『セブ・・・ 私の声が届いているか?』
「レイ・・・」

『時間がない、要点だけを言うぞ・・・ 私はヴォルデモードを玉に封じた。 これから魂の浄化を行う』
「浄化??? なんだ浄化って?」

『ん? シリウスか? 答えている時間が無い、詳しくはリョクに聞け・・・ 浄化が完了すれば戻る・・・もしできなかった場合は、封印の玉ごとヴォルデモードを消す』
「気をつけるんじゃぞ、レイ」

『お爺様・・・ お元気で  プツッ』

「通信が切れたようじゃの・・・ ではリョクよ、浄化とは何かのぉ? 儂たちに教えてはくれんかの?」

リョクはダンブルドアやマクゴナガル、ロングボトム夫妻と並んでいる前に浮かび上がり話し始めた

≪浄化とは、魂の悪しき部分を聖なる光を浴びさせて消していくことです≫
「どれくらいかかるものなのじゃ?」

≪普通の方なら、姫様の霊力にかかれば瞬きの間なのですが、ヴォルデモードでは・・・ 検討もつきません≫
「それだけ悪しき力が強いのか」

≪この世界で幾年か過ぎた頃に、浄化は終わると思います≫
「ふむ、幾年か・・・ かの? だが確かにレイは帰ってきてくれるんだの?」

≪はい、姫様は此方へ御戻りになられたいと強く、強く、願っておいでです≫

「聞いたとおりじゃ! 儂らはレイがいつ戻っても良いように・・・少しでも闇の陣営の力を削がねばならん」
「・・・・・・それには、我輩をお使い下さい」

やっと正気に戻ったセブルスが、進み出て自分を使えと言いだした

「・・・・・・死喰い人として、他の者の名を魔法省に流します」
「それじゃ、貴方が死喰い人から裏切者として命を狙われるわよ!」

リリーが言うと、ダンブルドアの手が優しく振られ、微笑みが浮かんでいた

「そんな事はさせんぞ! セブルス、申し出はありがたいが儂に全てを委ねてくれんかの?  魔法省には儂から報告する・・・・・・さ、忙しくなるのぉ・・・騎士団にも働いてもらわねばなるまい」

そうして、闇の陣営に席を置いていた者達を逮捕し裁判へとかけ、大方の者はアズカバン行きとなったのだが・・・・・・

裏切者のピーターは逃げ切ってしまい、その行方は分からないままだった

セブルス・スネイプはダンブルドアの尽力により、2重スパイとして働いていた騎士団の一員として認められお咎めは無かった

ポッター夫妻襲撃の件は新聞を連日賑わした後、暫くは助けられた事などは秘密にされた為、まず秘密の守人だったシリウス・ブラックが取り調べられた

その間に魔法省から貴族達の間に蔓延ったヴォルデモード崇拝者を炙り出し、密かにいっせい逮捕の準備を進めたのは、騎士団に所属している魔法省の者達だった

ただし、死喰い人の中でも変り身が早く自己保身に長けた者も居る・・・・・・ ルシウス・マルフォイがその最たるものだが、そういう貴族には手が出せず曖昧にしたままでいる事になった

ダンブルドアや彼が率いる騎士団、魔法省などが事態を収拾するのに、おおよそ1年はかかり・・・・・・季節が廻るたびに、落ち着いていった


・・・・・・そうして幾度目かの季節が過ぎ、幾年かが過ぎたころ・・・・・・

皆が、待ち望んだ者が現れるのだが・・・・・・  それは次回のお話でのこと。。。

*****

はぁーー・・・ 駆け足ですが、こういう風にリリーやジェームスが助かり、ロングボトム夫妻も助かりました
捏造過多ですが、楽しく読んで頂ければ嬉しいです

ポチっと拍手や、コメントなぞを頂けると管理人は張り切ります( ^ω^)/

ではでは (o・・o)/~

プロフィール

すー※さん

Author:すー※さん
私的妄想世界が広がっております。
イチオシは窪田正孝さんの役柄いろいろ妄想話です♡(その他にも相棒の神戸さん、スネイプ先生や善徳女王など色々でございます)

最近は更新ができてませんが、発作的に投下してます。
8月、9月の試験に受かれば時間ができるので、それまでは見守っていて下さいませ。

合言葉は『シリアスからエロまで』・・・・・楽しんでいただければ幸いです。。。

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